JP6547395B2 - Led電球の筐体、led電球、及び、led電球の筐体の製造方法 - Google Patents

Led電球の筐体、led電球、及び、led電球の筐体の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、LED電球の筐体、LED電球、及び、LED電球の筐体の製造方法に関する。
一般的なLED電球は、LED素子と、LED素子が実装された実装基板と、実装基板の一方の側を覆う透光性のカバー部材と、実装基板を支持している筐体と、LED素子に直流電流を供給する電源回路と、口金と、を有する。このうち、筐体は、アルミニウム等の金属により形成されていることが一般的である。
特許文献1には、LED電球の筐体を樹脂組成物により形成することによって、筐体を軽量性に優れたものとすること等が記載されている。
特開2012−79794号公報
しかしながら、本発明者等の検討によれば、特許文献1に記載のLED電球の筐体の放熱性は必ずしも十分とは言えない。
本発明は、放熱性及び軽量性に優れるLED電球の筐体、LED電球、及び、そのようなLED電球の筐体の製造方法を提供する。
本発明は、
熱硬化性樹脂(A)と、
金属繊維または炭素繊維からなる繊維状フィラー(B)と、
を含む材料組成物を用いて、抄造法により形成された抄造体を、加圧及び加熱して硬化させることにより形成され、かつ、
半球状、又は、逆円錐台形状の筒状に形成され、底部中央には開口が形成されているLED電球の筐体を提供する。
また、本発明は、
LED素子と、
前記LED素子が搭載された実装基板と、
前記実装基板の一方の側を覆う透光性のカバー部材と、
前記実装基板を支持している筐体と、
を備え、
前記筐体は、上記LED電球の筐体であるLED電球を提供する。
また、本発明は、
熱硬化性樹脂(A)と、金属繊維または炭素繊維からなる繊維状フィラー(B)と、を含む材料組成物を抄造して抄造体を作製する工程と、
前記抄造体を加圧及び加熱して硬化させる工程と、
を含み、かつ、
半球状、又は、逆円錐台形状の筒状に形成され、底部中央には開口が形成されているLED電球の筐体の製造方法を提供する。
本発明によれば、LED電球の筐体及びLED電球を、放熱性及び軽量性に優れるものとすることができる。
また、本発明によれば、そのようなLED電球の筐体を製造することができる。
実施形態に係るLED電球の筐体を示す図であり、このうち(a)は正面図、(b)は平面図である。 実施形態に係るLED電球の筐体の製造に用いられる抄造体の一部分の一例を示す模式的な斜視図である。 実施形態に係るLED電球の筐体の製造に用いられる抄造体の一部分の他の一例を示す模式的な斜視図である。 実施形態に係るLED電球を示す模式図であり、このうち(a)は正面図、(b)は正面断面図、(c)は(a)のA−A矢視断面図である。 実施例に係るLED電球の熱放散特性の試験に用いた発光器具を示す模式図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。なお、すべての図面において、同様の構成要素には同一の符号を付し、適宜に説明を省略する。
図1は実施形態に係るLED電球の筐体10を示す図であり、このうち(a)は正面図、(b)は平面図である。
図2は実施形態に係るLED電球の筐体10の製造に用いられる抄造体(素形体)80の一部分の一例を示す模式的な斜視図である。
図3は実施形態に係るLED電球の筐体10の製造に用いられる抄造体90の一部分の他の一例を示す模式的な斜視図である。
このうち図2及び図3の各々においては、抄造体90において点線で示される領域の拡大模式図が示されている。
本実施形態に係るLED電球の筐体10は、熱硬化性樹脂(A)と、金属繊維または炭素繊維からなる繊維状フィラー(B)と、を含む材料組成物を用いて、抄造法により形成された抄造体90を、加圧及び加熱して硬化させることにより形成されている。
抄造法とは、製紙化技術の一つである紙抄きの技術のことを示している。本実施形態においては、上記材料組成物を抄造することにより、筐体10の製造に用いられる抄造体90が得られる。これにより、抄造体90中に熱硬化性樹脂(A)および繊維状フィラー(B)を含ませつつ、繊維状フィラー(B)を抄造体90の厚み方向に対して交差する方向(例えば、抄造体90の厚み方向に対して直交する方向)に配列させることが可能となる。このため、抄造体90を加圧及び加熱して硬化させることにより形成された筐体10においても、繊維状フィラー(B)をその厚み方向に対して交差する方向(例えば、筐体10の厚み方向に対して直交する方向)に配列させることが可能となる。また、抄造法を採用することによって、繊維状フィラー(B)を抄造体90中に均一に分散させることや、繊維状フィラー(B)同士の絡み合いを適度に作ることができると推定されている。必ずしも明らかではないが、これらの理由から、抄造体90を用いて形成された筐体10の放熱性を向上させることができると考えられる。また、抄造法は加工性に優れることから筐体10のような三次元形状のものも容易に形成することができる。また、筐体10の意匠性を向上させることも容易である。また、抄造法は、筐体10を構成する材料の組み合わせに制約が少ない。このため、筐体10に求められる特性に応じて、熱硬化性樹脂(A)および繊維状フィラー(B)とともに他の各種添加剤を適宜使用することができる。
筐体10は、例えば、図1に示すような中空の半球状の形状のものとすることができる。或いは、図示は省略するが、筐体10は、逆円錐台形状の筒状に形成されていても良い。筐体10の底部中央には開口10aが形成されている。筐体10の上端には開口10bが形成されている。
上述したように、繊維状フィラー(B)は、筐体10内において、筐体10の厚み方向に対して交差する方向(例えば、筐体10の厚み方向に対して直交する方向)に配列されている。これにより、特に、筐体10の厚み方向に対して交差する方向における筐体10の熱伝導性を向上させることができる。図2に示される抄造体90の断面拡大図では、繊維状フィラー(B)(図2中においてB)が抄造体90の厚み方向に対して交差する方向に配列されており、繊維状フィラー(B)の間に熱硬化性樹脂(A)(図2中においてA)が介在している場合が例示されている。この場合、繊維状フィラー(B)同士は、たとえば熱硬化性樹脂(A)によって互いに結着される。
図2に示される抄造体90の平面拡大図では、繊維状フィラー(B)が面内においてランダムに配置されており、互いに絡み合っている場合が例示されている。繊維状フィラー(B)は、平面視において、直線状の形状を有していてもよく、湾曲していてもよく、折れ曲がっていてもよい。また、平面視においても、繊維状フィラー(B)の間には、たとえば熱硬化性樹脂(A)が介在している。
また、図3に示すように、抄造体90には、当該抄造体90を用いて形成される筐体10の熱伝導率をさらに向上させる観点から、繊維状フィラー(B)と比べてアスペクト比が小さいフィラー(C)を含有させてもよい。抄造法により形成された抄造体90を用いて筐体10を形成することにより、熱硬化性樹脂(A)、繊維状フィラー(B)およびフィラー(C)を筐体10に含ませつつ、フィラー(C)を筐体10の厚み方向に対して交差する方向(例えば、筐体10の厚み方向に対して直交する方向)に配列させることが可能となる。また、抄造法により形成された抄造体90を用いて筐体10を形成することにより、繊維状フィラー(B)およびフィラー(C)を筐体10中に均一に分散させることや、繊維状フィラー(B)同士の絡み合いを適度に作ることができると推定されている。
そして、図3に示される抄造体90の断面拡大図では、繊維状フィラー(B)(図3中においてB)が抄造体90の厚み方向に対して交差する方向に配列されており、繊維状フィラー(B)の間にバインダー樹脂(A)(図3中においてA)とフィラー(C)(図3中においてC)が介在している場合が例示されている。この場合、繊維状フィラー(B)同士、または繊維状フィラー(B)とフィラー(C)は、たとえばバインダー樹脂(A)によって互いに結着される。
以下、本実施形態に係る筐体10について、熱硬化性樹脂(A)と、繊維状フィラー(B)とともに、繊維状フィラー(B)と比べてアスペクト比が小さいフィラー(C)を含む態様を例に挙げて説明する。ただし、本実施形態に係る筐体10は、熱硬化性樹脂(A)と、繊維状フィラー(B)とを含むものであればよく、後述する態様に限定されない。
(熱硬化性樹脂(A))
熱硬化性樹脂(A)は、バインダーとして作用して繊維状フィラー(B)を結着し得るものであればとくに限定されるものではない。なお、熱硬化性樹脂(A)としては、たとえば25℃において固形状のものを用いることが抄造法による抄造体90の作製を安定的に行う観点からより好ましい。
熱硬化性樹脂(A)の具体例としては、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、およびポリウレタン等が挙げられる。これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。中でも、フェノール樹脂およびエポキシ樹脂のうちの少なくとも一方を含むことが、筐体10の熱的特性を向上させる観点からより好ましい。
本実施形態において、筐体10は、たとえば粒状または粉状の形状を有する熱硬化性樹脂(A)を含むことができる。これにより、筐体10の熱伝導性をより効果的に向上させることができる。この理由は明らかではないが、素形体である抄造体90を加熱、加圧して硬化させることによって筐体10を成形する際に、熱硬化性樹脂(A)が粒状または粉状の形状を有することにより溶融時の含浸性が向上し、繊維状フィラー(B)やフィラー(C)と熱硬化性樹脂(A)との界面が良好に形成されることによると推定されている。本実施形態においては、たとえば粉粒体である熱硬化性樹脂(A)と、繊維状フィラー(B)と、フィラー(C)と、を抄造して抄造体90を製造することにより、粒状または粉状の形状を有する熱硬化性樹脂(A)を含む抄造体90を得ることが可能である。
粒状または粉状の形状を有する熱硬化性樹脂(A)としては、たとえば平均粒径500μm以下であるものを含むことができる。筐体10の熱伝導性をより効果的に向上させる観点からは、粒状または粉状の形状を有する熱硬化性樹脂(A)の平均粒径が1nm以上300μm以下であることがより好ましい。このような平均粒径を有する熱硬化性樹脂(A)は、たとえばアトマイザー粉砕機等を用いて粉砕処理を行うことにより得ることが可能である。なお、熱硬化性樹脂(A)の平均粒径は、たとえば(株)島津製作所製のSALD−7000などのレーザ回折式粒度分布測定装置を用いて、質量基準の50%粒子径を平均粒径として求めることができる。
熱硬化性樹脂(A)の含有量は、筐体10全体に対して5重量%以上であることが好ましく、15重量%以上であることがより好ましく、20重量%以上であることがとくに好ましい。これにより、筐体10の加工性や軽量性をより効果的に向上させることができる。一方で、熱硬化性樹脂(A)の含有量は、筐体10全体に対して80重量%以下であることが好ましく、60重量%以下であることがより好ましく、40重量%以下であることがとくに好ましい。これにより、筐体10の熱的特性をより効果的に向上させることが可能となる。
(繊維状フィラー(B))
繊維状フィラー(B)は、上述したとおり、金属繊維または炭素繊維からなるものである。この繊維状フィラー(B)は、アスペクト比が100以上であるものであることが好ましい。これにより、筐体10の熱伝導性を向上させることが可能となる。繊維状フィラー(B)は、とくに筐体10の厚み方向に対して交差する方向における熱伝導性の向上に寄与するものと考えられる。熱伝導性を向上させる観点からは、繊維状フィラー(B)のアスペクト比が150以上であることがより好ましく、200以上であることがとくに好ましい。一方で、繊維状フィラー(B)のアスペクト比は、筐体10の製造容易性や、筐体10の強度を向上させる観点から、1000以下であることが好ましく、700以下であることがより好ましい。なお、繊維状フィラー(B)のアスペクト比は、繊維長/繊維幅により求められる。また、本明細書における繊維状フィラー(B)は、後述するパルプ(D)を含まない概念である。
繊維状フィラー(B)の繊維長は、たとえば100μm以上200mm以下であることが好ましく、500μm以上50mm以下であることがより好ましく、500μm以上10mm以下であることがとくに好ましい。また、繊維状フィラー(B)の繊維幅は、たとえば0.5μm以上1mm以下であることが好ましく、3μm以上100μm以下であることがより好ましい。繊維状フィラー(B)の繊維長および繊維幅を上述の範囲とすることにより、繊維状フィラー(B)のアスペクト比を所望の範囲内とすることがより容易となる。このため、筐体10の熱伝導性をより効果的に向上させることができる。また、筐体10中における繊維状フィラー(B)の均一分散性の向上に寄与することも可能となる。
繊維状フィラー(B)は、必要特性に応じて種々の形状を有することができる。本実施形態においては、繊維状フィラー(B)として、たとえばチョップドファイバーを用いることができる。これにより、優れた熱伝導性をより安定的に実現することが可能となる。
繊維状フィラー(B)は、上述した通り、金属繊維または炭素繊維からなるものであるが、ガラス繊維、セラミック繊維などの無機繊維;木材繊維、木綿、麻、羊毛等の天然繊維;レーヨン繊維などの再生繊維;セルロース繊維などの半合成繊維;ポリアミド繊維、アラミド繊維、ポリイミド繊維、ポリビニルアルコール繊維、ポリエステル繊維、アクリル繊維、ポリパラフェニレンベンズオキサゾール繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリアクリロニトリル繊維、エチレンビニルアルコール繊維などの合成繊維から選択される一種または二種以上の繊維状フィラーと併用してもよい。特に、筐体10の機械的特性を向上させる観点からは、合成繊維および無機繊維のうちの一種または二種以上を併用することが好ましい。筐体10の耐衝撃性を向上させる観点からは、アラミド繊維を併用することが好ましい。
金属繊維は、単独の金属元素で構成される金属繊維であっても、複数の金属で構成される合金繊維であってもよい。金属繊維は、たとえばアルミニウム、銀、銅、マグネシウム、鉄、クロム、ニッケル、チタン、亜鉛、錫、モリブデンおよびタングステンからなる群から選択される1種または二種以上の金属元素を含むことが好ましい。なお、本実施形態における金属繊維としては、たとえば日本精線(株)やベカルトジャパン(株)製のステンレス繊維、虹技(株)製の銅繊維、アルミニウム繊維、黄銅繊維、鋼繊維、チタン繊維、りん青銅繊維などが市販品として入手可能であるが、これらに限定されるものではない。これらの金属繊維は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。また、これらのうち、熱伝導性という観点では銅繊維、アルミニウム繊維、黄銅繊維のいずれか1種以上が好ましく、電磁波シールド性という観点ではステンレス繊維、銅繊維、アルミニウム繊維のいずれか1種以上が好ましい。
繊維状フィラー(B)としては、必要特性に応じてシランカップリング剤、アルミネートカップリング剤、チタネートカップリング剤などで表面処理したものや、樹脂との密着性や取り扱い性を向上させるために収束剤処理をしたものを使用してもよい。
繊維状フィラー(B)の含有量は、筐体10全体に対して10重量%以上であることが好ましく、25重量%以上であることがより好ましく、40重量%以上であることがとくに好ましい。これにより、筐体10の機械的特性や熱的特性、電磁波遮蔽性のバランスをより効果的に向上させることができる。一方で、繊維状フィラー(B)の含有量は、筐体10全体に対して80重量%以下であることが好ましく、70重量%以下であることがより好ましく、65重量%以下であることがとくに好ましい。これにより、筐体10の加工性や軽量性を向上させることができる。
(フィラー(C))
フィラー(C)は、上述したとおり、アスペクト比が繊維状フィラー(B)よりも小さい。これにより、筐体10の熱伝導性を向上させることが可能となる。なお、フィラー(C)が繊維状である場合、フィラー(C)のアスペクト比は繊維長/繊維幅により求めることができる。一方で、フィラー(C)が粉粒体である場合には、最も長い直径である長径と最も短い直径である短径との比、長径/短径により求めることができる。また、本明細書におけるフィラー(C)は、後述するパルプ(D)を含まない概念である。
フィラー(C)のアスペクト比は、50以下とすることが好ましい。これにより、筐体10の熱伝導性をより効果的に向上させることができる。また、熱伝導性を向上させる観点からは、フィラー(C)のアスペクト比が30以下であることがより好ましく、20以下であることがとくに好ましい。熱伝導率をより効果的に向上させる観点からは、フィラー(C)のアスペクト比を8以下とすることもできる。一方で、フィラー(C)のアスペクト比の下限値は、とくに限定されず、たとえば1とすることができる。繊維状フィラー(B)との絡みつきにより、筐体10の機械強度と熱伝導性のバランスを向上させる観点からは、フィラー(C)のアスペクト比が3以上であることがより好ましい。
フィラー(C)の繊維長または長径は、たとえば1μm以上10mm以下であることが好ましく、10μm以上1mm以下であることがより好ましく、10μm以上500μm以下であることがとくに好ましい。また、フィラー(C)の繊維幅または短径は、たとえば0.5μm以上500μm以下であることが好ましく、1μm以上100μm以下であることがより好ましい。これにより、フィラー(C)のアスペクト比を所望の範囲内とすることがより容易となる。このため、筐体10の熱伝導性をより効果的に向上させることができる。また、熱的特性、機械的特性、および電磁波遮蔽性能のバランスの向上を図ることもできる。さらには、筐体10中におけるフィラー(C)の均一分散性の向上に寄与することも可能となる。なお、本実施形態においては、フィラー(C)として、たとえば繊維状フィラー(B)よりも繊維長が短いものを用いることができる。
フィラー(C)は、必要特性に応じて種々の形状を有することができる。本実施形態においては、フィラー(C)として、たとえばミルドファイバー等の繊維材料、または粉粒体のうちの少なくとも一方を用いることができる。これにより、筐体10の優れた熱伝導性をより安定的に実現することが可能となる。また、筐体10中におけるフィラー(C)の均一分散性の向上に寄与することもできる。熱伝導性の向上を図る観点からは、たとえばフィラー(C)としてミルドファイバーまたは粉粒体のうちの一方または双方を含むことがより好ましく、粉粒体を少なくとも含むことがとくに好ましい。
フィラー(C)が繊維材料を含む場合、フィラー(C)は、たとえばアルミニウム、銀、銅、マグネシウム、鉄、クロム、ニッケル、チタン、亜鉛、錫、モリブデンおよびタングステンからなる群から選択される1種または二種以上の金属元素を含む金属繊維;炭素繊維、ガラス繊維、セラミック繊維などの無機繊維;木材繊維、木綿、麻、羊毛等の天然繊維;レーヨン繊維などの再生繊維;セルロース繊維などの半合成繊維;ポリアミド繊維、アラミド繊維、ポリイミド繊維、ポリビニルアルコール繊維、ポリエステル繊維、アクリル繊維、ポリパラフェニレンベンズオキサゾール繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリアクリロニトリル繊維、エチレンビニルアルコール繊維などの合成繊維から選択される一種または二種以上を含むことができる。これらの中でも、熱伝導性を向上させる観点からは、金属繊維および無機繊維のうちの一種または二種以上を含むことが好ましく、金属繊維および炭素繊維のうちの少なくとも一方を含むことがより好ましい。機械的特性と熱伝導性のバランスを向上させる観点からは、炭素繊維を少なくとも含むことがとくに好ましい。
フィラー(C)が粉粒体を含む場合、フィラー(C)は、たとえば黒鉛、カーボンブラック、炭、コークス、ダイヤモンド、カーボンナノチューブ、グラフェン、フラーレン等の炭素材料、タルク、焼成クレー、未焼成クレー、マイカ、ガラスのようなケイ酸塩、酸化チタン、アルミナのような酸化物、ケイ酸マグネシウム、溶融シリカ、結晶シリカのようなケイ素化合物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ハイドロタルサイトのような炭酸塩、酸化亜鉛、酸化マグネシウムのような酸化物、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウムのような水酸化物、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、亜硫酸カルシウムのような硫酸塩または亜硫酸塩、ホウ酸亜鉛、メタホウ酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、ホウ酸カルシウム、ホウ酸ナトリウムのようなホウ酸塩、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素のような窒化物から選択される一種または二種以上の粉粒体を含むことができる。これらの中でも、機械的特性と熱伝導性のバランスを向上させる観点からは、炭素材料を含むことが好ましく、黒鉛またはカーボンブラックのうちの少なくとも一方を含むことがより好ましい。
フィラー(C)としては、必要特性に応じてシランカップリング剤、アルミネートカップリング剤、チタネートカップリング剤などで表面処理したものや、樹脂との密着性や取り扱い性を向上させるために収束剤処理をしたものを使用してもよい。
フィラー(C)の含有量は、筐体10全体に対して3重量%以上であることが好ましく、5重量%以上であることがより好ましく、10重量%以上であることがとくに好ましい。これにより、筐体10の機械的特性や熱的特性、電磁波遮蔽性のバランスをより効果的に向上させることができる。一方で、フィラー(C)の含有量は、筐体10全体に対して40重量%以下であることが好ましく、30重量%以下であることがより好ましく、25重量%以下であることがとくに好ましい。これにより、筐体10の加工性や軽量性を向上させることができる。また、フィラー(C)の分散性をより効果的に向上させて、筐体10を硬化して得られた硬化物の機械的特性や熱的特性、電磁波遮蔽性の向上に寄与することも可能である。
ここで、筐体10における炭素繊維の含有量は、筐体10全体に対して10重量%以上であることが好ましく、20重量%以上であることがより好ましく、30重量%以上であることがとくに好ましい。これにより、筐体10の機械的特性や熱的特性、電磁波遮蔽性のバランスをより効果的に向上させることができる。
また、筐体10における炭素繊維の含有量は、筐体10全体に対して90重量%以下であることが好ましく、85重量%以下であることがより好ましく、80重量%以下であることがとくに好ましい。これにより、筐体10の加工性や軽量性を向上させることができる。
ここでいう炭素繊維は、繊維状フィラー(B)又はフィラー(C)である。すなわち、ここでいう炭素繊維の全体が繊維状フィラー(B)又はフィラー(C)の何れか一方であっても良いし、ここでいう炭素繊維の一部分が繊維状フィラー(B)であり、残りの部分がフィラー(C)であっても良い。
(パルプ(D))
筐体10は、たとえばパルプ(D)を含むことができる。パルプ(D)は、フィブリル構造を有する繊維材料であり、たとえば機械的または化学的に繊維材料をフィブリル化することによって得ることができる。後述する抄造法を用いた筐体10の製造方法においては、熱硬化性樹脂(A)、繊維状フィラー(B)、およびフィラー(C)とともにパルプ(D)を抄造することによって、熱硬化性樹脂(A)をより効果的に凝集させることができることから、より安定的な筐体10の製造を実現することが可能となる。
パルプ(D)としては、たとえばリンターパルプ、木材パルプ等のセルロース繊維、ケナフ、ジュート、竹などの天然繊維、パラ型全芳香族ポリアミド繊維(アラミド繊維)やその共重合体、芳香族ポリエステル繊維、ポリベンザゾール繊維、メタ型アラミド繊維やその共重合体、アクリル繊維、アクリロニトリル繊維、ポリイミド繊維、ポリアミド繊維などの有機繊維がフィブリル化したものが挙げられる。パルプ(D)は、これらのうちの一種または二種以上を含むことができる。これらの中でも、筐体10の機械的特性や熱的特性を向上させる観点や、繊維状フィラー(B)およびフィラー(C)の分散性を向上させる観点からは、アラミド繊維により構成されるアラミドパルプ、およびアクリロニトリル繊維により構成されるポリアクリロニトリルパルプのうちのいずれか一方または双方を含むことがとくに好ましい。
パルプ(D)の含有量は、筐体10全体に対して0.5重量%以上であることが好ましく、1.5重量%以上であることがより好ましく、2重量%以上であることがとくに好ましい。これにより、抄造時における熱硬化性樹脂(A)の凝集をより効果的に発生させて、さらに安定的な筐体10の製造を実現することができる。また、パルプ(D)の含有量は、筐体10全体に対して35重量%以下であることが好ましく、30重量%以下であることがより好ましく、25重量%以下であることがとくに好ましい。これにより、筐体10を硬化して得られた硬化物の機械的特性や熱的特性をより効果的に向上させることが可能となる。
(凝集剤(E))
筐体10は、たとえば凝集剤(E)を含むことができる。凝集剤(E)は、後述する抄造法を用いた筐体10の製造方法において、熱硬化性樹脂(A)、繊維状フィラー(B)およびフィラー(C)をフロック状に凝集させる機能を有する。このため、より安定的な樹脂シートの製造を実現することができる。
凝集剤(E)は、たとえばカチオン性高分子凝集剤、アニオン性高分子凝集剤、ノニオン性高分子凝集剤、および両性高分子凝集剤から選択される一種または二種以上を含むことができる。このような凝集剤(E)の例示としては、カチオン性ポリアクリルアミド、アニオン性ポリアクリルアミド、ホフマンポリアクリルアミド、マンニックポリアクリルアミド、両性共重合ポリアクリルアミド、カチオン化澱粉、両性澱粉、ポリエチレンオキサイドなどを挙げることができる。また、凝集剤(E)において、そのポリマー構造や分子量、水酸基やイオン性基などの官能基量などは、必要特性に応じて特に制限無く調整することが可能である。
凝集剤(E)の含有量は、抄造体90の構成材料(熱硬化性樹脂(A)、繊維状フィラー(B)、フィラー(C)、パルプ(D))の合計量に対して0.05重量%以上であることが好ましく、0.1重量%以上であることがより好ましく、0.15重量%以上であることがとくに好ましい。これにより、抄造法を用いた抄造体90の作製において、収率の向上を図ることができる。一方で、凝集剤(E)の含有量は、抄造体90の構成材料(熱硬化性樹脂(A)、繊維状フィラー(B)、フィラー(C)、パルプ(D))の合計量に対して3重量%以下であることが好ましく、2重量%以下であることがより好ましく、1.5重量%以下であることがとくに好ましい。これにより、抄造法を用いた抄造体90の作製において、脱水処理等をより容易にかつ安定的に行うことが可能となる。
筐体10は、たとえば上述の各成分の他に、イオン交換能を有する粉末状物質を含むことができる。イオン交換能を有する粉末状物質としては、たとえば粘土鉱物、鱗片状シリカ微粒子、ハイドロタルサイト類、フッ素テニオライト及び膨潤性合成雲母から選ばれる一種またな二種以上の層間化合物を用いることが好ましい。粘土鉱物としては、たとえばスメクタイト、ハロイサイト、カネマイト、ケニヤイト、燐酸ジルコニウム及び燐酸チタニウムなどが挙げられる。ハイドロタルサイト類としては、たとえばハイドロタルサイト、ハイドロタルサイト状物質などが挙げられる。フッ素テニオライトとしては、たとえばリチウム型フッ素テニオライト、ナトリウム型フッ素テニオライトなどが挙げられる。膨潤性合成雲母としては、たとえばナトリウム型四珪素フッ素雲母、リチウム型四珪素フッ素雲母などが挙げられる。これらの層間化合物は、天然物であってもよく、合成されたものであってもよい。これらのうちでは、粘土鉱物がより好ましく、スメクタイトが天然物から合成物まで存在し、選択の幅が広いという点においてさらに好ましい。スメクタイトとしては、たとえばモンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト、ソーコナイト及びスチーブンサイトなどが挙げられ、これらのうち、いずれか1種以上を使用できる。モンモリロナイトは、アルミニウムの含水ケイ酸塩であるが、モンモリロナイトを主成分とし、他に石英や雲母、長石、ゼオライトなどの鉱物を含んでいるベントナイトであってもよい。着色や不純物を気にする場合などには、不純物が少ない合成スメクタイトが好ましい。
また、筐体10は、たとえば特性向上を目的とした酸化防止剤や紫外線吸収剤などの安定剤、離型剤、可塑剤、難燃剤、樹脂の硬化触媒や硬化促進剤、顔料、乾燥紙力向上剤、湿潤紙力向上剤などの紙力向上剤、歩留まり向上剤、濾水性向上剤、サイズ定着剤、消泡剤、酸性抄紙用ロジン系サイズ剤、中性製紙用ロジン系サイズ剤、アルキルケテンダイマー系サイズ剤、アルケニルコハク酸無水物系サイズ剤、特殊変性ロジン系サイズ剤などのサイズ剤、硫酸バンド、塩化アルミ、ポリ塩化アルミなどの凝結剤などの添加剤から選択される一種または二種以上を、生産条件調整や、要求される物性を発現させることを目的として含むことができる。
次に、筐体10の製造方法について説明する。
筐体10は、たとえば湿式抄造法を用いて製造される。本実施形態に係る筐体10の製造方法は、熱硬化性樹脂(A)と、繊維状フィラー(B)とを含む材料組成物を抄造して抄造体90を作製する工程と、抄造体90を加圧及び加熱して硬化させる工程と、を含む。なお、上記材料組成物は、フィラー(C)を含有しているものでもあってもよい。そのため、後述においては、熱硬化性樹脂(A)と、繊維状フィラー(B)とともに、フィラー(C)を含む材料組成物を抄造する場合を例に挙げて説明する。
まず、上述の各成分のうち凝集剤(E)を除く成分を溶媒に添加して撹拌し、分散させる。ここでは、熱硬化性樹脂(A)、繊維状フィラー(B)、フィラー(C)、および必要に応じた他の添加剤を溶媒中へ添加して撹拌し、分散させることとなる。これにより、抄造体90を形成するためのワニス状の材料組成物を得ることができる。各成分を溶媒に分散させる方法としては、とくに限定されないが、たとえばディスパーザーを用いて撹拌する方法が挙げられる。
溶媒としては、とくに限定されないが、上記材料組成物の構成材料を分散させる過程において揮発しにくいことと、抄造体90中への残存を抑制するために脱溶媒をしやすいこと、脱溶媒によってエネルギーが増大してしまうことを抑制すること、等の観点から、沸点が50℃以上200℃以下であるものが好ましい。このような溶媒としては、たとえば水や、エタノール、1−プロパノール、1−ブタノール、エチレングリコールなどのアルコール類や、アセトン、メチルエチルケトン、2−ヘプタノン、シクロヘキサノンなどのケトン類や、酢酸エチル、酢酸ブチル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸メチルなどのエステル類や、テトラヒドロフラン、イソプロピルエーテル、ジオキサン、フルフラールなどのエーテル類などを挙げることができる。これらの溶媒は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。これらのなかでも、供給量が豊富であり、安価、環境負荷が低い、安全性も高く扱いやすいという理由から水を用いることがとくに好ましい。
ワニス状の材料組成物を得る上記工程において、熱硬化性樹脂(A)としては、たとえば平均粒径500μm以下である固体状態のものを使用することができる。これにより、後述する熱硬化性樹脂(A)を凝集させる工程において、凝集状態をより形成しやすくすることができる。ワニス状の材料組成物を得る上記工程において、熱硬化性樹脂(A)の平均粒径は1nm以上300μm以下であることがより好ましい。このような平均粒径を有する熱硬化性樹脂(A)は、たとえばアトマイザー粉砕機等を用いて粉砕処理を行うことにより得ることが可能である。なお、熱硬化性樹脂(A)の平均粒径は、たとえば(株)島津製作所製のSALD−7000などのレーザ回折式粒度分布測定装置を用いて、質量基準の50%粒子径を平均粒径として求めることができる。
本実施形態においては、上記で得られたワニス状の材料組成物中に、凝集剤(E)を添加することができる。これにより、溶媒中の熱硬化性樹脂(A)と、繊維状フィラー(B)と、フィラー(C)と、をフロック状に凝集させて凝集物を得ることより容易となる。
次に、底面がメッシュで構成された容器に、溶媒と上記で得られた凝集物とを含むスラリーを入れて、メッシュから溶媒を排出する。これにより、凝集物と溶媒を互いに分離することができる。この後、メッシュ上に残存する凝集物を、素形体である抄造体90を形成するための型枠に入れて脱水プレスし、乾燥させる。型枠の形状を適宜選択することによって、得られる抄造体90の形状を調整することが可能である。
本実施形態においては、上記で得られた抄造体90を型枠から取り出して、乾燥炉内に入れて乾燥させて、溶媒をさらに除去することができる。たとえばこのようにして、乾燥した抄造体90が得られることとなる。
その後、金型を用いて抄造体90を加熱及びプレスすることにより、抄造体90を硬化させて、硬化物である成形体、すなわち筐体10を得ることができる。
こうして得られた本実施形態に係る筐体10は、放熱性及び軽量性に優れている。
<LED電球>
図4は本実施形態に係るLED電球100を示す模式図であり、このうち(a)は正面図、(b)は正面断面図、(c)は(a)のA−A矢視断面図(つまり平断面図)である。
本実施形態に係るLED電球100は、LED素子20と、LED素子20が搭載された実装基板30と、実装基板30の一方の側(図4(b)において上側)を覆う透光性のカバー部材40と、実装基板30を支持している筐体と、を備えている。この筐体は、上述した筐体10である。
カバー部材40は、ガラス等の材料により、例えば中空の半球状の形状に形成されており、筐体10の上側の開口10bを塞ぐように配置されている。
更に、LED電球100は、例えば、実装基板30を支持する板状のベース部材50と、LED素子20に直流電流を供給する電源基板60と、口金70と、保持リング80と、を備えている。
ベース部材50は、筐体10の上端側の開口を塞ぐようにして配置されており、電源基板60は、例えば、ベース部材50と筐体10とにより囲まれた領域に収容されている。なお、電源基板60は、ベース部材50を貫通して、カバー部材40と実装基板30とに囲まれた領域側に突出していても良い。
保持リング80は、筐体10の開口10a内に固定され、開口10aより下方に突出している。口金70は、保持リング80に固定されている。
ただし、本実施形態に係るLED電球100は、上述した態様に限定されない。
本実施形態に係るLED電球100は、上述した筐体10を備えているため、放熱性及び軽量性に優れている。
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
以上、図面を参照して本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
以下、本発明の参考形態の一例を示す。
<1>
熱硬化性樹脂(A)と、
金属繊維または炭素繊維からなる繊維状フィラー(B)と、
を含む材料組成物を用いて、抄造法により形成された抄造体を、加圧及び加熱して硬化させることにより形成されている、LED電球の筐体。
<2>
前記繊維状フィラー(B)のアスペクト比が100以上である、<1>に記載のLED電球の筐体。
<3>
当該LED電球の筐体における前記炭素繊維の含有量が、10重量%以上90重量%以下である<1>または<2>に記載のLED電球の筐体。
<4>
前記繊維状フィラー(B)が当該LED電球の筐体の厚み方向に対して交差する方向に配列されている、<1>乃至<3>の何れか一つに記載のLED電球の筐体。
<5>
前記繊維状フィラー(B)がチョップドファイバーである、<1>乃至<4>の何れか一つに記載のLED電球の筐体。
<6>
前記熱硬化性樹脂(A)が、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、メラミン樹脂およびポリウレタンからなる群より選択される1種又は2種以上を含む、<1>乃至<5>の何れか一つに記載のLED電球の筐体。
<7>
当該LED電球の筐体全量に対する前記熱硬化性樹脂(A)の含有量が、5重量%以上80重量%以下である、<1>乃至<6>の何れか一つに記載のLED電球の筐体。
<8>
前記材料組成物は、前記繊維状フィラー(B)と比べてアスペクト比が小さい、フィラー(C)をさらに含む、<1>乃至<7>の何れか一つに記載のLED電球の筐体。
<9>
前記フィラー(C)のアスペクト比が50以下である、<8>に記載のLED電球の筐体。
<10>
前記フィラー(C)がミドルファイバーまたは粉粒体である、<8>または<9>に記載のLED電球の筐体。
<11>
前記材料組成物は、パルプ(D)をさらに含む、<1>乃至<10>の何れか一つに記載のLED電球の筐体。
<12>
半球状、又は、逆円錐台形状の筒状に形成され、底部中央には開口が形成されている<1>乃至<11>の何れか一つに記載のLED電球の筐体。
<13>
LED素子と、
前記LED素子が搭載された実装基板と、
前記実装基板の一方の側を覆う透光性のカバー部材と、
前記実装基板を支持している筐体と、
を備え、
前記筐体は、<1>乃至<12>の何れか一つに記載のLED電球の筐体であるLED電球。
<14>
熱硬化性樹脂(A)と、金属繊維または炭素繊維からなる繊維状フィラー(B)と、を含む材料組成物を抄造して抄造体を作製する工程と、
前記抄造体を加圧及び加熱して硬化させる工程と、
を含むLED電球の筐体の製造方法。
<15>
前記繊維状フィラー(B)として、アスペクト比が100以上のものを用いる、<14>に記載のLED電球の筐体の製造方法。
<16>
前記材料組成物として、前記繊維状フィラー(B)と比べてアスペクト比が小さい、フィラー(C)をさらに含むものを用いる、<14>又は<15>に記載のLED電球の筐体の製造方法。
<17>
前記フィラー(C)として、アスペクト比が50以下のものを用いる、<16>に記載のLED電球の筐体の製造方法。
<18>
前記材料組成物として、パルプ(D)をさらに含むものを用いる、<14>乃至<17>の何れか一つに記載のLED電球の筐体の製造方法。
次に、本発明の実施例について説明する。
<実施例1>
(放熱樹脂シートの作製)
まず、アトマイザー粉砕機で平均粒径100μm(質量基準の50%粒子径)に粉砕した熱硬化性樹脂(A)と、繊維状フィラー(B)と、フィラー(C)と、パルプ(D)と、を後述する配合に従い溶媒である水に添加して、ディスパーザーで30分撹拌して混合物を得た。ここでは、熱硬化性樹脂(A)、繊維状フィラー(B)、フィラー(C)、およびパルプ(D)の合計100重量部を10000重量部の水に添加した。次いで、あらかじめ水に溶解させた凝集剤(E)を、上述した構成材料(熱硬化性樹脂(A)、繊維状フィラー(B)、フィラー(C)、パルプ(D))の合計に対して0.2重量%添加し、構成材料をフロック状に凝集させた。これにより得られた凝集物を30メッシュの金属網で水と分離し、この後、その凝集物を、抄造体90を形成するための型枠に入れて脱水プレスし、さらに50℃の乾燥器に5時間入れて乾燥させて、複合樹脂組成物により構成される未硬化状態にある抄造体90を得た。収率は97%であった。また、得られた抄造体90の厚みは、300μmであった。
実施例1について、繊維状フィラー(B)が、抄造体90中において、当該抄造体90の厚み方向に対して交差する方向に配列されていることを確認した。ここで、実施例1の抄造体90は、上述した構成材料(熱硬化性樹脂(A)、繊維状フィラー(B)、フィラー(C)、パルプ(D))として、下記フェノール樹脂が15重量%、下記エポキシ樹脂が15重量%、下記チョップド炭素繊維が50重量%、下記ミルド炭素繊維が10重量%、下記アラミドパルプが10重量%となるように配合して作製したものである。
(A)熱硬化性樹脂
フェノール樹脂:レゾール樹脂(PR−51723、住友ベークライト(株)製)
エポキシ樹脂:ビスフェノールA型エポキシ樹脂(JER1002、三菱化学(株)製)
(B)繊維状フィラー
チョップド炭素繊維:XN−100、日本グラファイトファイバー(株)製、繊維長3mm、繊維幅10μm、アスペクト比300
(C)フィラー
ミルド炭素繊維:HC−600、日本グラファイトファイバー(株)製、平均長さ100μm、繊維幅10μm、アスペクト比10
(D)パルプ
アラミドパルプ:ケブラーパルプ1F303(東レ・デュポン(株)製)
(E)凝集剤
ポリエチレンオキシド:住友精化(株)製
(筐体)
次のようにして、抄造体90を加圧及び加熱して得られる硬化物である筐体10を製造した。すなわち、上記にて得られた抄造体90を所定の金型に入れ、圧力300kg/cm、温度180℃の条件で10分間熱処理することにより、硬化物、すなわち筐体10を得た。
実施例1の筐体10は、比重が1.8、重量は30gであった。
(放熱試験用の発光器具の作製)
放熱試験用の発光器具として、実施例1の筐体10に、電源基板60を設けるとともに、上面にLED素子20(出力:11W)が実装された実装基板30が上面に設けられたベース部材50を設けることにより、放熱試験用の発光器具を作製した(図5参照)。
(熱放熱性)
上記で得られた実施例1の発光器具のLED素子20を25℃の温度条件下で発光させ、サーモグラフィー(日本アビオニクス社製、InfReC R300)で観察した。
温度が安定した状態でのLED素子20の温度は、95℃であった。
<比較例1>
比較例1としては、Alダイキャストにより作製された筐体を用いた。比較例1に係る筐体は、実施例1の筐体10と同じ形状のものである。
比較例1の筐体は、比重が2.7、重量は47gであった。
(放熱試験用の発光器具の作製)
実施例1の筐体10に代えて、比較例1の筐体を用いて、比較例1に係る放熱試験用の発光器具を作製した。
(熱放熱性)
上記で得られた比較例1の発光器具のLED素子20を25℃の温度条件下で発光させ、サーモグラフィー(日本アビオニクス社製、InfReC R300)で観察した。
温度が安定した状態でのLED素子20の温度は、102℃であった。
よって、実施例1では、比較例1と比べて、筐体10が軽量であり、しかも、筐体10の放熱特性も良好であることが分かった。
10 LED電球の筐体
10a 開口
10b 開口
20 LED素子
30 実装基板
40 カバー部材
50 ベース部材
60 電源基板
70 口金
80 保持リング
90 抄造体
100 LED電球
A 熱硬化性樹脂
B 繊維状フィラー
C フィラー

Claims (17)

  1. 熱硬化性樹脂(A)と、
    金属繊維または炭素繊維からなる繊維状フィラー(B)と、
    を含む材料組成物を用いて、抄造法により形成された抄造体を、加圧及び加熱して硬化させることにより形成され、かつ、
    半球状、又は、逆円錐台形状の筒状に形成され、底部中央には開口が形成されている、LED電球の筐体。
  2. 前記繊維状フィラー(B)のアスペクト比が100以上である、請求項1に記載のLED電球の筐体。
  3. 当該LED電球の筐体における前記炭素繊維の含有量が、10重量%以上90重量%以下である請求項1または2に記載のLED電球の筐体。
  4. 前記繊維状フィラー(B)が当該LED電球の筐体の厚み方向に対して交差する方向に配列されている、請求項1乃至3の何れか一項に記載のLED電球の筐体。
  5. 前記繊維状フィラー(B)がチョップドファイバーである、請求項1乃至4の何れか一項に記載のLED電球の筐体。
  6. 前記熱硬化性樹脂(A)が、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、メラミン樹脂およびポリウレタンからなる群より選択される1種又は2種以上を含む、請求項1乃至5の何れか一項に記載のLED電球の筐体。
  7. 当該LED電球の筐体全量に対する前記熱硬化性樹脂(A)の含有量が、5重量%以上80重量%以下である、請求項1乃至6の何れか一項に記載のLED電球の筐体。
  8. 前記材料組成物は、前記繊維状フィラー(B)と比べてアスペクト比が小さい、フィラー(C)をさらに含む、請求項1乃至7の何れか一項に記載のLED電球の筐体。
  9. 前記フィラー(C)のアスペクト比が50以下である、請求項8に記載のLED電球の筐体。
  10. 前記フィラー(C)がミドルファイバーまたは粉粒体である、請求項8または9に記載のLED電球の筐体。
  11. 前記材料組成物は、パルプ(D)をさらに含む、請求項1乃至10の何れか一項に記載のLED電球の筐体。
  12. LED素子と、
    前記LED素子が搭載された実装基板と、
    前記実装基板の一方の側を覆う透光性のカバー部材と、
    前記実装基板を支持している筐体と、
    を備え、
    前記筐体は、請求項1乃至11の何れか一項に記載のLED電球の筐体であるLED電球。
  13. 熱硬化性樹脂(A)と、金属繊維または炭素繊維からなる繊維状フィラー(B)と、を含む材料組成物を抄造して抄造体を作製する工程と、
    前記抄造体を加圧及び加熱して硬化させる工程と、
    を含み、半球状、又は、逆円錐台形状の筒状に形成され、底部中央には開口が形成されているLED電球の筐体の製造方法。
  14. 前記繊維状フィラー(B)として、アスペクト比が100以上のものを用いる、請求項13に記載のLED電球の筐体の製造方法。
  15. 前記材料組成物として、前記繊維状フィラー(B)と比べてアスペクト比が小さい、フィラー(C)をさらに含むものを用いる、請求項13又は14に記載のLED電球の筐体の製造方法。
  16. 前記フィラー(C)として、アスペクト比が50以下のものを用いる、請求項15に記載のLED電球の筐体の製造方法。
  17. 前記材料組成物として、パルプ(D)をさらに含むものを用いる、請求項13乃至16の何れか一項に記載のLED電球の筐体の製造方法。
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