JP5107191B2 - グラファイト複合フィルム - Google Patents
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Description
一般に入手できる高熱伝導性のグラファイトフィルムの製造法として、膨張黒鉛を圧延してシート状にするエキスパンド法、または高分子熱分解法による製造方法がある。ポリイミドフィルム等の高分子フィルムを熱処理及び圧延処理する高分子熱分解法では、高品質で折れ曲げに強く柔軟性に富んだグラファイトフィルムを得ることができる。また、このようにして作成されたグラファイトフィルムは、結晶性や電気伝導性、熱伝導性も非常に優れている(特許文献1)。そのため、電子機器の放熱部材としての用途が高まっている。
a)グラファイトフィルムの厚みが3μm以上500μm以下であり、
b)前記強化繊維層の厚みが10μm以上300μm以下であり
c)前記強化繊維層の厚みTFと前記グラファイトフィルムの厚みTGの比TF/TGが0.1以上20以下であることを特徴とする請求項1に記載のグラファイト複合フィルムである。
ここで言う強化繊維層とは、強化繊維からなる層のことであり、繊維を用いることで被複合材料の強度を上げることができる。
本発明の強化繊維としては、例えば、炭素繊維、アラミド繊維、ガラス繊維、合成繊維、天然繊維、ナイロンなどが挙げられる。これらの繊維は機械的強度に優れているため、グラファイトフィルムに複合することでグラファイトフィルムの強度を補強することができる。また、強化繊維として炭素繊維を用いた場合、熱伝導性の特に優れた複合材料とすることもできる。
また、強化繊維層が300μm以上であると、グラファイト複合フィルムの熱伝導率への強化繊維層の影響が大きくなりすぎて、グラファイト複合フィルムの熱伝導率が著しく低下してしまう。
本発明において、複数の強化繊維層が異なる方向に配向しているとは、一方向に引き揃えられた強化繊維層が複数存在する場合に、グラファイト複合フィルムを面方向から見たときの、これらの繊維の方向が5°以上異なっていることをいう。
本発明のグラファイトフィルムは、熱伝導性に異方性を有し、その良好な熱伝導性を示す方向の熱伝導率が200W/(m・K)以上、好ましくは500W/(m・K)以上、さらに好ましくは1000W/(m・K)以上である。その結果、強化繊維層と複合した場合も、グラファイト複合フィルムの熱伝導性を良好な値とすることができる。
グラファイトフィルムの厚みは、3μm以上500μm以下であることが望ましい。3μm以下であると強化繊維層と複合する際に破れやすく、またグラファイト複合フィルムとした際も強化繊維層に対してグラファイトフィルムが薄過ぎるために熱伝導率が低くなってしまう。グラファイトフィルムの厚みが500μm以上である場合は、強化繊維層と複合した際も機械的強度の弱いグラファイトフィルムの影響が顕著に出てしまうために、グラファイト複合フィルムが機械的強度の弱い材料となりやすい。
グラファイトフィルムの吸水率は、2%以下、好ましくは1%以下、さらに好ましくは0.5%以下である。グラファイトフィルムの吸水率が2%より大きいと、グラファイトフィルムと強化繊維層を貼り合わせる際、グラファイトフィルムに含まれる水が蒸発し、グラファイトフィルムと強化繊維層の界面で浮きが発生しやすくなり、折り曲げて使用する場合には、その部分から、剥離を起こしやすくなったりする。また、グラファイトフィルムの吸水率が2%以上であると、高湿度や水に浸漬した状態で使用する場合、吸水によりグラファイトフィルムが膨張して変形したり、グラファイトフィルムと強化繊維層の間に水が含まれて、界面で剥離を起こしたりする場合がある。またさらに、電子機器や航空宇宙機器用に、グラファイト複合フィルムを使用する場合には、低湿(10℃・15%)と高湿(30℃・80%)、水の浸漬と絶乾を繰り返すようなヒートサイクル試験でも、品質(強度、界面接着性)を保持する必要があり、このような使用法の場合には、とくに、吸水率は低い方が好ましい。
本発明の目的に好ましく用いられるグラファイトフィルムの第一の製造方法は、グラファイト粉末をシート状に押し固めたグラファイトフィルムである。グラファイト粉末がフィルム状に成型されるためには粉末がフレーク状、あるいはリン片状になっている必要がある。この様なグラファイト粉末の製造のための最も一般的な方法がエキスパンド(膨張黒鉛)法と呼ばれる方法である。これはグラファイトを硫酸などの酸に浸漬し、グラファイト層間化合物を作製し、しかる後にこれを熱処理、発泡させてグラファイト層間を剥離するものである。剥離後、グラファイト粉末を洗浄して酸を除去し薄膜のグラファイト粉末を得る。この様な方法で得られたグラファイト粉末をさらに圧延ロール成型してフィルム状のグラファイトを得る。この様な手法で得られた、膨張黒鉛を用いて作製されたグラファイトフィルムは柔軟性にとみ、フィルム面方向に高い熱伝導性を有するので本発明の目的に好ましく用いられる。
本発明のグラファイト複合フィルムは、樹脂を含むものであっても良い。
本発明で使用される樹脂は、熱硬化性樹脂および/または熱可塑性樹脂である。
本発明の熱硬化性樹脂としては、PU(ポリウレタン)、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン系樹脂、グアナミン樹脂、ビニルエステル樹脂、不飽和ポリエステル、オリゴエステルアクリレート、ジアリルフタレート、DKF樹脂(レゾルシノール系樹脂の一種)、キシレン樹脂、エポキシ樹脂、フラン樹脂、PI(ポリイミド系)樹脂、PEI(ポリエーテルイミド)樹脂、PAI(ポリアミドイミド)樹脂等があげられる。中でもエポキシ樹脂を含む樹脂が、材料選択の幅が広く、強化繊維層とグラファイトとの密着性が優れるために好ましい。エポキシ樹脂としては、室温において固体で、加熱すると溶融するエポキシ樹脂がよい。加熱溶融することで、強化繊維層及び、グラファイトの内部にまで溶け込み、強化繊維層及び、グラファイト表面にあるわずかな隙間に浸透することができる。さらに、冷却すると、強化繊維層及び、グラファイトの隙間に浸透したエポキシ樹脂が固まることで、エポキシ樹脂と強化繊維層及び、グラファイトの間で高いアンカー効果を発現し、高い接着力が発現するため好ましい。
本発明のグラファイト複合フィルムを作製する方法は、大きく分けて次の2つが挙げられる。
強化繊維層としては、特に限定されないが、繊維の配向を一方向に引き揃えたものを用いることが望ましい。繊維の配向を一方向に引き揃えることで強化繊維層を均一な厚みとすることができる。また、このような強化繊維層を複数積層した場合、これらの強化繊維層をそれぞれ異なる方向に配向させることでいずれの方向からの衝撃にも耐え得るグラファイト複合フィルムとすることができる。
積層方法としては、熱プレス、真空プレス、ラミネーター、オートクレーブ等を用いて行われるとよい。
[グラファイトフィルムA]
4,4’−オキシジアニリンの1当量を溶解したDMF(ジメチルフォルムアミド)溶液に、ビロメリット酸二無水物の1当量を溶解してポリアミド酸溶液(18.5wt%)を得た。この溶液を冷却しながら、ポリアミド酸に含まれるカルボン酸基に対して、1当量の無水酢酸、1当量のイソキノリン、およびDMFを含むイミド化触媒を添加し脱泡した。次にこの混合溶液が、乾燥後に所定の厚さになるようにアルミ箔上に塗布した。アルミ箔上の混合溶液層を、熱風オーブン、遠赤外線ヒーターを用いて乾燥した。以上のようにして、厚さ50μmのポリイミドフィルム(弾性率3.1GPa、吸水率2.5%、複屈折0.10、線膨張係数3.0×10-5/℃)を製造した。
厚さ75μmのポリイミドフィルムを用いたこと以外はグラファイトフィルムAと同様にしてグラファイトフィルムB(および、厚み40μm、密度1.86g/cm3、熱拡散率9.5cm2/s、熱伝導率1200W/(m・K)、MIT>10000回、吸水率0%)を得た。
酸化剤(過酸化水素、過塩素酸等)の存在下、天然鱗状黒鉛の層間に硫酸、硝酸等を挿入し、形成された層間化合物を900〜1200℃程度の5高温で急激に加熱することで分解ガス化し、このときのガス圧によって黒鉛の層間を拡げて黒鉛を膨張させた。以上のようにして得られた膨張黒鉛を圧縮予備成形し、その後ロールで圧延する事によりグラファイトフィルムF(厚み100μm、密度1.67g/cm3、熱拡散率3.0cm2/s、熱伝導率250W/(m・K)、MIT<10回、吸水率50%)を得た。
酸化剤(過酸化水素、過塩素酸等)の存在下、天然鱗状黒鉛の層間に硫酸、硝酸等を挿入し、形成された層間化合物を900〜1200℃程度の5高温で急激に加熱することで分解ガス化し、このときのガス圧によって黒鉛の層間を拡げて黒鉛を膨張させた。以上のようにして得られた膨張黒鉛を圧縮予備成形し、その後ロールで圧延する事によりグラファイトフィルムF(厚み250μm、密度1.67g/cm3、熱拡散率3.0cm2/s、熱伝導率250W/(m・K)、MIT<10回、吸水率50%)を得た。
グラファイトフィルムAに均等に直径3mmの貫通孔を表面積の10%となるように設け、グラファイトフィルムEとした。
<グラファイトフィルムの物性測定>
グラファイトフィルムの厚みの測定方法としては、50mm×50mmのフィルムを厚みゲージ(ハイデンハイン(株)社製、HEIDENHAIN−CERTO)を用い、室温25℃の恒温室にて、任意の10点を測定し、平均して測定値とした。
λ=αdC
λ:熱伝導率(W/(m・K))
α:熱拡散率(m2/s)
d:密度(kg/m3)
C:比熱(J/kg・K)
グラファイトフィルムを1.5×10cmにカットし、東洋精機(株)製のMIT耐揉疲労試験機型式Dを用いて、試験加重100gf(0.98N)、速度90回/分、折り曲げクランプの曲率半径R1mm、折り曲げ角度は右へ135°で測定を行った。
フィルムの吸水率は、下記のごとく測定した。フィルムを絶乾するために100℃で30分乾燥して、25μm厚み10cm角のサンプルを作製した。この重量を測定してW1とする。25μm厚み10cm角のサンプルを蒸留水に23℃で24時間浸漬し、表面の水を拭いて除去し直ちに重量を測定した。この重量をW2とする。下記式より吸水率を求めた。
吸水率(%)=(W2−W1)÷W1×100
強化繊維層は、強化繊維にエポキシ樹脂をあらかじめ含浸させ 使用した。
繊維:炭素繊維、繊維形態:一方向引き揃え、樹脂:エポキシ樹脂、
繊維含有量:147g/m2、厚み:0.14mm、樹脂含有率:34.0%
繊維:炭素繊維、繊維形態:一方向引き揃え、樹脂:エポキシ樹脂、
繊維含有量:20g/m2、厚み:0.025mm、樹脂含有率:40.0%
繊維:炭素繊維、繊維形態:織物、樹脂:エポキシ樹脂、
繊維含有量:197g/m2、厚み:0.22mm、樹脂含有率:40.0%
繊維:アラミド繊維、繊維形態:織物、樹脂:エポキシ樹脂
繊維含有量:140g/m2、厚み:0.14mm、樹脂含有率:40.0%
繊維:ガラス繊維、繊維形態:織物、樹脂:エポキシ樹脂
繊維含有量:140g/m2、厚み:0.14mm、樹脂含有率:40.0%
強化繊維層AにグラファイトフィルムAを貼り合わせ、熱プレスにより80℃、常圧にて30分保持後、130℃、5kg/cm2の圧力にて90分保持し、エポキシ樹脂を硬化させた。その後冷却プレスにより冷却を行い、グラファイトフィルムA/強化繊維層Aの構成のグラファイト複合フィルムを作製した。構成を表1、結果を表2にまとめた。
強化繊維層BにグラファイトフィルムAを貼り合わせ、熱プレスにより80℃、常圧にて30分保持後、130℃、5kg/cm2の圧力にて90分保持し、エポキシ樹脂を硬化させた。その後冷却プレスにより冷却を行い、グラファイトフィルムA/強化繊維層Bの構成のグラファイト複合フィルムを作製した。構成を表1、結果を表2にまとめた。
強化繊維層AにグラファイトフィルムBを貼り合わせ、熱プレスにより80℃、常圧にて30分保持後、130℃、5kg/cm2の圧力にて90分保持し、エポキシ樹脂を硬化させた。その後冷却プレスにより冷却を行い、グラファイトフィルムB/強化繊維層Aの構成のグラファイト複合フィルムを作製した。構成を表1、結果を表2にまとめた。
強化繊維層BにグラファイトフィルムBを貼り合わせ、熱プレスにより80℃、常圧にて30分保持後、130℃、5kg/cm2の圧力にて90分保持し、エポキシ樹脂を硬化させた。その後冷却プレスにより冷却を行い、グラファイトフィルムB/強化繊維層Bの構成のグラファイト複合フィルムを作製した。構成を表1、結果を表2にまとめた。
強化繊維層AにグラファイトフィルムCを貼り合わせ、熱プレスにより80℃、常圧にて30分保持後、130℃、5kg/cm2の圧力にて90分保持し、エポキシ樹脂を硬化させた。その後冷却プレスにより冷却を行い、グラファイトフィルムC/強化繊維層Aの構成のグラファイト複合フィルムを作製した。構成を表1、結果を表2にまとめた。
強化繊維層BにグラファイトフィルムCを貼り合わせ、熱プレスにより80℃、常圧にて30分保持後、130℃、5kg/cm2の圧力にて90分保持し、エポキシ樹脂を硬化させた。その後冷却プレスにより冷却を行い、グラファイトフィルムC/強化繊維層Bの構成のグラファイト複合フィルムを作製した。構成を表1、結果を表2にまとめた。
強化繊維層AにグラファイトフィルムDを貼り合わせ、熱プレスにより80℃、常圧にて30分保持後、130℃、5kg/cm2の圧力にて90分保持し、エポキシ樹脂を硬化させた。その後冷却プレスにより冷却を行い、グラファイトフィルムD/強化繊維層Aの構成のグラファイト複合フィルムを作製した。構成を表1、結果を表2にまとめた。
強化繊維層BにグラファイトフィルムDを貼り合わせ、熱プレスにより80℃、常圧にて30分保持後、130℃、5kg/cm2の圧力にて90分保持し、エポキシ樹脂を硬化させた。その後冷却プレスにより冷却を行い、グラファイトフィルムD/強化繊維層Bの構成のグラファイト複合フィルムを作製した。構成を表1、結果を表2にまとめた。
強化繊維層A(0°)/グラファイトフィルムA/強化繊維層A(90°)の構成でフィルムを貼り合わせ、熱プレスにより80℃、常圧にて30分保持後、130℃、5kg/cm2の圧力にて90分保持し、エポキシ樹脂を硬化させた。その後冷却プレスにより冷却を行い、グラファイト複合フィルムを作製した。構成を表1、結果を表2にまとめた。
強化繊維層A(0°)/グラファイトフィルムB/強化繊維層A(90°)の構成でフィルムを貼り合わせ、熱プレスにより80℃、常圧にて30分保持後、130℃、5kg/cm2の圧力にて90分保持し、エポキシ樹脂を硬化させた。その後冷却プレスにより冷却を行い、グラファイト複合フィルムを作製した。構成を表1、結果を表2にまとめた。
強化繊維層A(0°)/グラファイトフィルムD/強化繊維層A(90°)の構成でフィルムを貼り合わせ、熱プレスにより80℃、常圧にて30分保持後、130℃、5kg/cm2の圧力にて90分保持し、エポキシ樹脂を硬化させた。その後冷却プレスにより冷却を行い、グラファイト複合フィルムを作製した。構成を表1、結果を表2にまとめた。
強化繊維層A(0°)/グラファイトフィルムE(貫通孔あり)/強化繊維層A(90°)の構成でフィルムを貼り合わせ、熱プレスにより80℃、常圧にて30分保持後、130℃、5kg/cm2の圧力にて90分保持し、エポキシ樹脂を硬化させた。その後冷却プレスにより冷却を行い、グラファイト複合フィルムを作製した。構成を表1、結果を表2にまとめた。ここでのグラファイトフィルムの貫通孔の割合は20%であった。
強化繊維層D(0°)/グラファイトフィルムA/強化繊維層D(90°)の構成でフィルムを貼り合わせ、熱プレスにより80℃、常圧にて30分保持後、130℃、5kg/cm2の圧力にて90分保持し、エポキシ樹脂を硬化させた。その後冷却プレスにより冷却を行い、グラファイト複合フィルムを作製した。構成を表1、結果を表2にまとめた。
強化繊維層E(0°)/グラファイトフィルムA/強化繊維層E(90°)の構成でフィルムを貼り合わせ、熱プレスにより80℃、常圧にて30分保持後、130℃、5kg/cm2の圧力にて90分保持し、エポキシ樹脂を硬化させた。その後冷却プレスにより冷却を行い、グラファイト複合フィルムを作製した。構成を表1、結果を表2にまとめた。
強化繊維層A(−45°)/強化繊維層A(0°)/グラファイトフィルムA/強化繊維層A(45°)/強化繊維層A(90°)の構成でフィルムを貼り合わせ、熱プレスにより80℃、常圧にて30分保持後、130℃、5kg/cm2の圧力にて90分保持し、エポキシ樹脂を硬化させた。その後冷却プレスにより冷却を行い、グラファイト複合フィルムを作製した。構成を表1、結果を表2にまとめた。
グラファイトフィルムA/強化繊維層A(0°)/グラファイトフィルムAの構成でフィルムを貼り合わせ、熱プレスにより80℃、常圧にて30分保持後、130℃、5kg/cm2の圧力にて90分保持し、エポキシ樹脂を硬化させた。その後冷却プレスにより冷却を行い、グラファイト複合フィルムを作製した。構成を表1、結果を表2にまとめた。
グラファイトフィルムB/強化繊維層A(0°)/グラファイトフィルムBの構成でフィルムを貼り合わせ、熱プレスにより80℃、常圧にて30分保持後、130℃、5kg/cm2の圧力にて90分保持し、エポキシ樹脂を硬化させた。その後冷却プレスにより冷却を行い、グラファイト複合フィルムを作製した。構成を表1、結果を表2にまとめた。
グラファイトフィルムD/強化繊維層A(0°)/グラファイトフィルムDの構成でフィルムを貼り合わせ、熱プレスにより80℃、常圧にて30分保持後、130℃、5kg/cm2の圧力にて90分保持し、エポキシ樹脂を硬化させた。その後冷却プレスにより冷却を行い、グラファイト複合フィルムを作製した。構成を表1、結果を表2にまとめた。
グラファイトフィルムD/強化繊維層B(0°)/グラファイトフィルムDの構成でフィルムを貼り合わせ、熱プレスにより80℃、常圧にて30分保持後、130℃、5kg/cm2の圧力にて90分保持し、エポキシ樹脂を硬化させた。その後冷却プレスにより冷却を行い、グラファイト複合フィルムを作製した。構成を表1、結果を表2にまとめた。
グラファイトフィルムE(貫通孔あり)/強化繊維層A(0°)/グラファイトフィルムE(貫通孔あり)の構成でフィルムを貼り合わせ、熱プレスにより80℃、常圧にて30分保持後、130℃、5kg/cm2の圧力にて90分保持し、エポキシ樹脂を硬化させた。その後冷却プレスにより冷却を行い、グラファイト複合フィルムを作製した。構成を表1、結果を表2にまとめた。ここでのグラファイトフィルムの貫通孔の割合は20%であった。
強化繊維層CにグラファイトフィルムAを貼り合わせ、熱プレスにより80℃、常圧にて30分保持後、130℃、5kg/cm2の圧力にて90分保持し、エポキシ樹脂を硬化させた。その後冷却プレスにより冷却を行い、グラファイトフィルムA/強化繊維層Cの構成のグラファイト複合フィルムを作製した。構成を表1、結果を表2にまとめた。
強化繊維層CにグラファイトフィルムBを貼り合わせ、熱プレスにより80℃、常圧にて30分保持後、130℃、5kg/cm2の圧力にて90分保持し、エポキシ樹脂を硬化させた。その後冷却プレスにより冷却を行い、グラファイトフィルムB/強化繊維層Cの構成のグラファイト複合フィルムを作製した。構成を表1、結果を表2にまとめた。
強化繊維層CにグラファイトフィルムDを貼り合わせ、熱プレスにより80℃、常圧にて30分保持後、130℃、5kg/cm2の圧力にて90分保持し、エポキシ樹脂を硬化させた。その後冷却プレスにより冷却を行い、グラファイトフィルムD/強化繊維層Cの構成のグラファイト複合フィルムを作製した。構成を表1、結果を表2にまとめた。
グラファイトフィルムAを用い、構成を表1、結果を表2にまとめた。
グラファイトフィルムDを用い、構成を表1、結果を表2にまとめた。
強化繊維層A(0°) /強化繊維層A(90°)の構成でフィルムを貼り合わせ、熱プレスにより80℃、常圧にて30分保持後、130℃、5kg/cm2の圧力にて90分保持し、エポキシ樹脂を硬化させた。その後冷却プレスにより冷却を行い、サンプルを作製した。構成を表1、結果を表2にまとめた。
グラファイトフィルムAの両面にエポキシ樹脂を塗布乾燥させ作成されたグラファイトプリプレグを、熱プレスにより80℃、常圧にて30分保持後、130℃、5kg/cm2の圧力にて90分保持し、エポキシ樹脂を硬化させた。その後冷却プレスにより冷却を行い、サンプルを作製した。構成を表1、結果を表2にまとめた。
熱拡散率および熱伝導率測定は、試験片を直径25.4mmにカットし、室温でレーザーフラッシュ法にて熱拡散率測定を行った。また、グラファイトフィルムの熱容量を熱容量が既知である参照標準物質Moとの比較から出した。これら測定したグラファイト複合フィルムの熱伝導率は、下式のように熱拡散率・密度・比熱より算出した。
λ=αdC
λ:熱伝導率(W/(m・K))
α:熱拡散率(m2/s)
d:密度(kg/m3)
C:比熱(J/kg・K)
熱伝導率が200W/(m・K)以上の場合「◎」、50W/(m・K)〜199W/(m・K)の場合「○」、10〜49W/(m・K)の場合「△」、10W/(m・K)未満の場合「×」とした。
(株)東洋精機製作所製のストログラフVES1Dを用い、JIS K 7078に準拠して測定を行った。測定は、チャック間距離100mm、引張速度50mm/分、室温下で3回測定し、その平均値を使用した。平均値が500MPa以上の場合「○」、平均値が500MPa未満の場合「×」とした。引張強度に異方性がある場合には、その値が一番大きい方向でのサンプルにより測定を行い、評価した。
JIS K 7074に準拠し、3点曲げ試験を行った。測定は5回行い、曲げ強度の平均値が500MPa以上の場合「○」、平均値が100MPa〜499MPaの場合「△」、平均値が100MPa未満の場合「×」とした。
サンプルを150mm巾に切り、対辺を掴み、対辺同士が接触するように折り曲げていき、対辺同士が接触するまでにサンプルが破壊したり、破損、傷などが発生した場合「×」、対辺同士が接触するまで折り曲げられた場合「○」とした。
Claims (10)
- グラファイトフィルムの少なくとも片面に強化繊維層が形成されており、
前記強化繊維層が、繊維の配向を一方向に引き揃えた強化繊維層であることを特徴とするグラファイト複合フィルム。 - 前記グラファイト複合フィルムにおいて、
a)グラファイトフィルムの厚みが3μm以上500μm以下であり、
b)前記強化繊維層の厚みが10μm以上300μm以下であり
c)前記強化繊維層の厚みTFと前記グラファイトフィルムの厚みTGの比TF/TGが0.1以上20以下であることを特徴とする請求項1に記載のグラファイト複合フィルム。 - 前記グラファイトフィルムが、ポリイミド、ポリアミド、ポリオキサジアゾール、ポリベンゾチアゾール、ポリベンゾビスチアゾール、ポリベンゾオキサゾール、ポリベンゾビスオキサゾール、ポリパラフェニレンビニレン、ポリベンゾイミダゾール、ポリベンゾビスイミダゾール、およびポリチアゾールからなる群から選択される少なくとも一種類以上の高分子の熱処理によって得られたものである請求項1又は2に記載のグラファイト複合フィルム。
- 前記グラファイトフィルムのMITが10000回以上であり、さらに前記グラファイトフィルムの吸水率が2%以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のグラファイト複合フィルム。
- 前記強化繊維層が、繊維に熱硬化性樹脂及び/又は熱可塑性樹脂を含浸したものである請求項1〜4のいずれかに記載のグラファイト複合フィルム。
- 前記強化繊維層が炭素繊維、アラミド繊維、ガラス繊維、合成繊維、天然繊維、ナイロンからなる群から選択される少なくとも一種類以上の繊維からなる強化繊維層である請求項1〜5のいずれかに記載のグラファイト複合フィルム。
- 前記グラファイトフィルムが貫通孔を有することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のグラファイト複合フィルム。
- 繊維の配向を一方向に引き揃えた強化繊維層を2層以上有するグラファイト複合フィルムにおいて、少なくとも一層以上の強化繊維層が異なる方向に配向していることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のグラファイト複合フィルム。
- 前記グラファイト複合フィルムの面方向の熱伝導率が10W/(m・K)以上であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のグラファイト複合フィルム。
- 前記グラファイト複合フィルムの引張強度が300MPa以上であることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載のグラファイト複合フィルム。
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