JP6281016B2 - 回路基板及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、フレキシブル部とリジッド部とを有する回路基板及びその製造方法に関する。
電子機器に対するニーズは情報通信産業の拡大に伴い多様化し、開発や量産開始の早期化に対するニーズも高まっている。特にスマートフォンでは、電話としての基本機能に加えて、インターネット、電子メール、カメラ、GPS、無線LAN、ワンセグテレビなどの多様な機能が追加され、機種も増加している。高機能なスマートフォンでは、電池容量の向上が課題となっており、メインボードの高密度実装化、小型・薄型化、及び機能ブロックのモジュール化が進められている。中でも、スマートフォンに搭載されるモジュールはメインボードとの接合方法も含めた薄型化が求められている。
スマートフォン等のモバイル機器にて使用されるモジュール基板は、部品の多機能化、薄型化を実現するために、より一層の薄型化が求められている。中でも、メイン基板とモジュールとの接続にフレキシブル基板等を用いる場合、コネクタを用いる手法や、モジュール基板とフレキシブル基板とを貼り合わせる手法が知られているが、実装面積の低下や、モジュール全体の厚みが増すことが課題となっている。そのため、フレキシブル基板にリジッド部を設けた複合回路基板(リジッド−フレキシブル基板)の採用が進んでいる。
例えば特許文献1には、変形可能なフレキシブル部と、絶縁基材および絶縁基材に形成された電気回路を含み、フレキシブル部が接続されたリジッド部と、絶縁基材の周縁部に形成され、絶縁基材に内部応力を加えると共に、絶縁基材よりも剛性の高い絶縁性樹脂から形成された補強部材とを備えた回路基板が開示されている。
特開2011−108929号公報
近年、例えばカメラモジュールのような一層の薄型化が求められる分野では、厚み要求を満足しつつ、リジッド部の強度が高い回路基板の開発が要求されている。しかしながら、リジッド部の周縁部に補強部を設ける構成では、リジッド部の周縁部に比してリジッド部の面内中央部の強度が弱く、反りや変形が生じやすいという問題がある。
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、厚み要求を満足しつつ、リジッド部の強度の向上を図ることができる回路基板及びその製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の一形態に係る回路基板は、可撓性配線基材と、補強部とを具備する。
上記可撓性配線基材は、第1の端部と、上記第1の端部とは反対側の第2の端部とを有する。
上記補強部は、上記第1の端部を選択的に被覆する樹脂層と、上記樹脂層に設けられ上記可撓性配線基材に電気的に接続される回路部と、上記回路部と電気的に接続され、記樹脂基板に埋設された金属製の板状または枠状の補強部材とを有する。
上記回路基板において、補強部は、第1の端部に埋設された板状又は枠状の補強部材を有しているため、厚み要求を満足しつつ、補強部の強度の向上を図ることができる。
補強部及び補強部材の形態あるいは平面形状は特に限定されず、例えば、上記補強部の平面形状は矩形であり、上記補強部材は、面内に溝又はキャビティを有する矩形の板材で構成される。
上記回路基板は、上記キャビティに配置された電子部品をさらに具備してもよい。
上記補強部は、上記凹部に内蔵された上記補強部材の上記溝又はキャビティに充填された第1の絶縁材を有してもよい。この場合、上記第1の絶縁材は、上記樹脂層を構成する樹脂材料よりも熱膨張係数が小さく、かつ、弾性率が高い樹脂材料で構成される。
上記補強部は、上記凹部と上記補強部材との間の少なくとも上記第2の端部側の一端部に設けられた第2の絶縁材をさらに有してもよい。この場合、上記第2の絶縁材は、上記樹脂層を構成する樹脂材料よりも弾性率が低い樹脂材料で構成される。
この場合、上記補強部は、上記凹部と上記補強部材との間の上記一端部に、上記第1の絶縁材と上記第2の絶縁材との積層部を有してもよい。
上記補強部は、上記補強部材の両面を被覆する絶縁層と、上記絶縁層に設けられ上記回路部に電気的に接続される配線層とをさらに有してもよい。
上記回路基板は、制御基板をさらに具備してもよい。上記制御基板は、上記第2の端部に支持され、上記可撓性配線基材と電気的に接続される。
さらに、上記補強部は、上記補強部材の両面を被覆する絶縁層と、上記絶縁層に設けられ上記回路部に電気的に接続される配線層とをさらに有しもよい。
本発明の一形態に係る回路基板の製造方法は、可撓性配線基材の一端部に凹部を形成することを含む。
上記凹部に金属製の板状又は枠状の補強部材が収容される。
上記一端部に、上記可撓性配線基材および上記補強部材と電気的に接続される回路部が形成される。
以上述べたように、本発明によれば、厚み要求を満足しつつ、リジッド部の強度の向上を図ることができる。
本発明の第1の実施形態に係る回路基板の構成を示す概略平面図である。 図1におけるA−A線方向断面図である。 上記回路基板の製造方法を説明する概略断面図である。 上記回路基板の製造方法を説明する概略断面図である。 本発明の第2の実施形態に係る回路基板の構成を示す概略側断面図である。 本発明の第3の実施形態に係る回路基板の構成を示す概略側断面図である。 上記回路基板の構成の変形例を示す概略側断面図である。 上記回路基板の構成の他の変形例を示す概略平面図である 上記第1の実施形態に係る回路基板の製造方法の変形例を説明する概略断面図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。
<第1の実施形態>
図1は、本発明の一実施形態に係る回路基板の構成を示す概略平面図である。図2は、図1におけるA−A線方向断面図である。
なお、各図においてX軸、Y軸及びZ軸は、相互に直交する3軸方向を示しており、Z軸方向は、回路基板の厚み方向に相当する。
[回路基板]
本実施形態の回路基板100は、第1の基板本体10と、第2の基板本体20とを有する。回路基板100は、典型的には、制御基板30と一体的に構成されるが、制御基板30とは別部品として構成されてもよい。
(第1の基板本体)
第1の基板本体10は、第2の基板本体20と制御基板30との間を接続する可撓性配線基材11で構成され、回路基板100においてフレキシブル部を構成する。可撓性配線基材11は、典型的には、X軸方向に長手方向、Y軸方向に幅方向を有し、長手方向の一端部(第1の端部11a)には補強部12が設けられ、他端部(第2の端部11b)には制御基板30が設けられる。
可撓性配線基材11は、図2に示すように、樹脂コア110と、その両面に設けられた配線層111,112と、配線層111,112を被覆する絶縁層113,114とを有する積層体で構成される。樹脂コア110は、例えばポリイミドやポリエチレンテレフタレート等の単層又は多層の可撓性プラスチックフィルムで構成される。配線層111,112は、典型的には、銅やアルミニウム等の金属材料で構成される。また、絶縁層113,114は、接着層を有するポリイミド等の可撓性プラスチックフィルムで構成される。配線層111,112の一部は、樹脂コア110の適宜の位置に設けられたスルーホールあるいはビアを介して相互に電気的に接続される。可撓性配線基材11の配線層は図示する2層に限られず、1層又は3層以上であってもよい。
(第2の基板本体)
第2の基板本体20は、可撓性配線基材11の第1の端部11aを選択的に被覆する樹脂層21と、樹脂層21に設けられた回路部22と、第1の端部11aに埋設された金属製の補強部材23とを有する補強部12を含む。第2の基板本体20(あるいは補強部12)は、回路基板100においてリジッド部を構成する。
第2の基板本体20は、可撓性配線基材11の第1の端部11aと、補強部12との積層体で構成される。すなわち、可撓性配線基材11の第1の端部11aは、補強部材23とともに第2の基板本体20の芯材(コア)を構成する。
樹脂層211,212は、第2の基板本体20の外形を構成し、その平面形状は、典型的には、図1に示すようにX軸方向に長手の矩形状に形成される。樹脂層211,212の大きさは特に限定されず、例えば長辺が10〜30mm、短辺が10〜20mm、厚みが0.2〜0.5mmとされる。可撓性配線基材11の第1の端部11aは、図1に示すように、第2の基板本体20と同一の形状、大きさに形成されるが、これに限られず、第2の基板本体20よりも大きく、又は小さく形成されてもよい。
樹脂層211,212を構成する合成樹脂材料は特に限定されず、典型的には、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、BTレジン等の汎用の熱硬化性樹脂材料が用いられる。これらの合成樹脂材料には、所望とする機械的強度を付与するために、例えばガラス繊維やガラスクロス、酸化物粒子等のフィラー(充填材)が含有されていてもよい。樹脂層211,212はそれぞれ同一の樹脂材料で構成されてもよいし、相互に異なる樹脂材料で構成されてもよい。以下、個別に説明する場合を除くほか、樹脂層211,212を樹脂層21と総称する場合がある。
回路部22は、配線層221と、配線層222と、これら配線層221,222の間を接続する層間接続部223を含む。配線層221,222は、第1の基板本体10を構成する可撓性配線基材11に電気的に接続される。
配線層221,222は、樹脂層211,212の表面に形成され、その一部は、樹脂層211,212の適宜の位置に形成されたビアを介して補強部材23に電気的に接続される。補強部材23は、配線層の一部として構成されてもよく、例えば、接地用配線の一部として用いられる。また、補強部材23は、第2の基板本体20に搭載される電子部品の放熱用部品として用いられてもよい。
回路部22は、典型的には、銅、アルミニウム等の金属材料あるいは金属ペーストの硬化物で構成される。回路部22は、主として、第2の基板本体20の表面に実装される電子部品の接続ランドや、当該電子部品を可撓性配線基材11に電気的に接続する再配線層等を構成する。回路部22(配線層221,222)の表面には、適宜の位置に回路部22の表面の一部を露出させる開口部を有するソルダレジスト等の絶縁性保護層25がそれぞれ設けられる。
なお、配線層221,222は、単層構造に限られず、多層構造であってもよい。また、配線層221,222の双方が設けられる場合に限られず、いずれか一方のみが設けられてもよい。
補強部材23は、第2の基板本体20に所望の強度を付与するためのものである。本実施形態において、補強部材23は、可撓性配線基材11の第1の端部11aの内部に配置された板材で構成される。補強部材23は、電気、熱の良導体で構成され、典型的には銅(Cu)で構成されるが、これ以外にもアルミニウム等の他の金属材料で構成されてもよい。
補強部材23の平面形状は特に限定されず、例えば、可撓性配線基材11の第1の端部11aの内部に収容可能な大きさの矩形状に形成される。補強部材23の大きさは特に限定されず、例えば各辺の長さが5〜20mm、厚みが0.1〜0.4mmとされる。
特に図1に示すように、補強部材23を可撓性配線基材11の第1の端部11aのほぼ全領域をカバーできる大きさで形成されることで、補強部材23は第2の基板本体20の芯材としての機能を効果的に果たすことができる。また、補強部材23の全体が第1の端部11aの内部に収容されることで、補強部材23が第1の端部11aの周縁部から露出することを防ぎ、第2の基板本体20の周縁部の絶縁性を確保することができる。
補強部材23の厚みも特に限定されず、本実施形態では可撓性配線基材11と同等の厚みとされる。補強部材23の両面は、樹脂層211,212で被覆されるため、第2の基板本体20の両面からの補強部材23の露出が防止される。
本実施形態において、補強部材23は、可撓性配線基材11の第1の端部11aの面内に形成された収容部213に内蔵される。収容部213は、補強部材23を収容し得る大きさの有底又は無底の凹部からなり、本実施形態では、第1の端部11aを貫通する矩形の開口部で構成される。補強部材23は、その面内を貫通するように形成された溝部231の内部に充填された第1の絶縁材241、及び、補強部材23の外周面と収容部213の内周面との間に充填された第2の絶縁材242を介して、第1の端部11aの内部に固定されている。
補強部材23は、層間接続部223を形成するための単数又は複数の貫通孔部232を有する。貫通孔部232は、補強部材23の面内の適宜の位置に形成され、例えば、補強部材23の周縁部と溝部231の形成領域との間に設けられる。貫通孔部232は、層間接続部223を収容し得る大きさの丸孔で形成される。層間接続部223は、典型的には、貫通孔部232の内周面に絶縁層を挟んで形成された銅メッキで構成される。上記絶縁層としては、例えば、第1の絶縁材241で構成される。
本実施形態において、第1の絶縁材241は、樹脂層21を構成する樹脂材料よりも熱膨張係数が小さく、かつ、弾性率が高い樹脂材料で構成される。
第1の絶縁材241が、樹脂層21よりも熱膨張係数が小さい樹脂材料で構成されることにより、収容部213と補強部材23との間の密着性を確保でき、第2の基板本体20の反りを抑制することが可能となる。また、第1の絶縁材241が、樹脂層21よりも弾性率が高い樹脂材料で構成されることにより、第1の絶縁材241の剛性が高まり、第2の基板本体20の強度の向上を図ることができる。
第1の絶縁材241を構成する材料は特に限定されず、例えば、樹脂層21を構成する樹脂材料と同種の材料であってもよい。この場合、樹脂層21よりもフィラーの含有量を高めることで、樹脂層21よりも熱膨張係数が小さく、かつ、弾性率が高い第1の絶縁材241を構成することができる。
一方、第2の絶縁材242は、樹脂層21を構成する樹脂材料よりも弾性率が低い材料で構成される。これにより、第2の基板本体20の周縁部に加わる曲げ応力が第2の絶縁材242で緩和されるため、収容部213に対する補強部材23の剥離を抑えることが可能となる。また、第2の絶縁材242は、樹脂層21よりも吸水率の低い材料で構成されてもよい。これにより、第2の絶縁材242の吸水による体積膨張あるいは膨潤が抑えられる。
第2の絶縁材242を構成する材料は特に限定されないが、可撓性配線基材11との親和性が高い材料が好ましく、例えば、エポキシ、ポリイミド、液晶ポリマー、BTレジン、PPS等が挙げられる。
上述のように、第2の絶縁材242は、補強部材23の外周面と収容部213の内周面との間に充填される。第2の絶縁材242は、補強部材23の外周面の全周にわたって設けられる必要はなく、少なくとも、可撓性配線基材11の第2の端部11b側の一端部に設けられてもよい。これにより、例えば第1の基板本体10からの引張応力等を第2の絶縁材242で吸収あるいは緩和でき、第2の基板本体20の破損や第1の端部11aからの補強部12の離脱を抑制することが可能となる。
また、補強部材23と収容部213との間における上記一端部の全領域が第2の絶縁材242で充填される場合に限られず、図2に示すように、第1の絶縁材241と第2の絶縁材242との積層部243が設けられてもよい。この場合、当該領域に適度な剛性と適度な弾性を兼ね備えさせることができるため、可撓性配線基材11と補強部12との間の接続信頼性を高めることが可能となる。
なお、要求される特性や仕様等に応じて、第2の絶縁材242は省略されてもよく、第2の絶縁材242に代えて第1の絶縁材241が補強部材23と収容部213との間に充填されてもよい。また、積層部243も必要に応じて省略されてもよく、上記一端部の全領域は第1の絶縁材241又は第2の絶縁材242で充填されてもよい。
(制御基板)
制御基板30は、IC等の集積回路やその周辺部品等が搭載されるメイン基板に相当し、第1の基板本体10を介して第2の基板本体20と電気的に接続される。制御基板30は、典型的には、第2の基板本体20よりも大面積の両面基板で構成される。
制御基板30は、可撓性配線基材11の第2の端部11bと、その両面にそれぞれ設けられた多層配線部31,32との積層体で構成される。多層配線部31,32は、典型的には、ビルドアップ法によって作製される。多層配線部31,32を構成する層間絶縁膜は、ガラスエポキシ系のリジッド性を有する材料で構成されてもよく、この場合、制御基板30はリジッド基板として構成される。
以上のように構成される本実施形態の回路基板100において、第2の基板本体20は、可撓性配線基材11の第1の端部11aに埋設された板状の補強部材23を有しているため、第1の端部11aの厚みで強度の向上が図れることになる。したがって本実施形態によれば、第2の基板本体20の厚み要求を満足しつつ、第2の基板本体20の強度の向上を図ることが可能となる。
[回路基板の製造方法]
続いて、以上のように構成される回路基板100の製造方法について説明する。
図3及び図4は、回路基板100の製造方法を説明する主な工程の概略断面図である。
まず図3A、Bに示すように、第1の基板本体10を構成する可撓性配線基材11の第1の端部11a側の所定領域に、補強部材23を収容するための収容部213(凹部)が形成される。収容部213の形成方法は特に限定されず、打ち抜き、切削等の機械加工やレーザ加工等の適宜の手法が採用可能である。
続いて図3Cに示すように、可撓性配線基材11の一方の面(図中下面)に、収容部213を被覆する樹脂層212が形成される。樹脂層212の形成方法は特に限定されず、塗布法、転写法、ラミネート法等の適宜の手法が採用可能である。
続いて図3Dに示すように、収容部213の内周面であって樹脂層212との境界部に第2の絶縁材242を構成する材料が塗布される。その後、図4Aに示すように、収容部213内の樹脂層212上に補強部材23が配置されるとともに、補強部材23の外周面部と収容部213の内周面との間に第2の絶縁材242が所定の高さにわたって充填される。なお、この場合、第2の絶縁材242の一部が補強部材23と樹脂層212との間に介在していても構わない。
次いで図4Bに示すように、補強部材23の溝部231と貫通孔部232に、第1の絶縁材241を構成する材料が充填される。この際、補強部材23の外周面と収容部213の内周面と第2の絶縁材242との間の隙間にも第1の絶縁材241が設けられることで、第1及び第2の絶縁材241,242の積層構造からなる積層部243が形成される。
その後、可撓性配線基材11の他方の面(図中上面)に、補強部材23を被覆する樹脂層211が形成される(図4B)。樹脂層211の形成方法は特に限定されず、樹脂層212の形成方法と同様な手法が採用可能である。
続いて図4Cに示すように、樹脂層211,212の表面に、配線層221,222及び層間接続部223を含む回路部22が形成される。配線層221,222は、メッキ法、エッチング法等の適宜のパターン形成方法が採用可能であり、その一部は、樹脂層211,212に形成されたビアを介して補強部材23に接続される。層間接続部223は、補強部材23の貫通孔部232に充填された第1の絶縁材241に貫通孔を形成し、その内壁面に導体層をメッキ成長させたり、導体ペーストを充填したりすることによって形成される。
続いて図4Dに示すように、樹脂層211,212上の回路部22を部分的に被覆する絶縁性保護層25がそれぞれ形成され、さらに、第1の基板本体10の形成領域内にある樹脂層211,212が部分的に除去される。これにより、第1の基板本体10(可撓性配線基材11)及び第2の基板本体20(補強部12)、並びに制御基板30を備えた回路基板100が作製される。
<第2の実施形態>
図5は、本発明の他の実施形態に係る回路基板200の構成を示す概略側断面図である。以下、第1の実施形態と異なる構成について主に説明し、第1の実施形態と同様の構成については同様の符号を付しその説明を省略または簡略化する。
本実施形態の回路基板200は、第1の基板本体10と、第2の基板本体20とを有する点で第1の実施形態と共通するが、本実施形態は第2の基板本体20に埋設された電子部品26を備える点で、第1の実施形態と異なる。
本実施形態において、第2の基板本体20は、可撓性配線基材11の第1の端部11aを選択的に被覆する樹脂層21と、樹脂層21に設けられた回路部22と、第1の端部11aに埋設された補強部材230と、補強部材230の内部に収容された電子部品26とを有する。
補強部材230は、キャビティ230aを有する矩形の枠体で構成され、第1の実施形態と同様に、第1の端部11aの収容部213に収容される。電子部品26は、補強部材230のキャビティ230aに配置される。電子部品26の種類は特に限定されず、IC等の半導体チップのほか、固体撮像素子、加速度センサ等の各種センサ部品が採用可能である。電子部品26は、樹脂層211の適宜の位置に設けられたビアを介して回路部22(配線層221)に電気的に接続される。
電子部品26と補強部材230の内周面との間、及び、電子部品26と樹脂層212との間は、第1の絶縁材241の構成材料で充填されている。これにより、第1の絶縁材241は樹脂層211,212よりも熱膨張係数が小さく、弾性率が高い材料で構成されているため、電子部品26と補強部材230との間の電気的短絡を防止しつつ、電子部品26を補強部材230に一体的に保持することが可能となる。
また、補強部材230の外周面と収容部213の内周面との間には、第1の実施形態と同様に、第1及び第2の絶縁材241,242との積層構造からなる積層部243が設けられる。本実施形態では、第2の絶縁材242が樹脂層211側に位置している点で第1の実施形態と異なるが、これは第1の絶縁材241による電子部品26の封止プロセスによるもので、当該構成に特有のものではなく、第1の実施形態と同様に、第2の絶縁材242が樹脂層212側に位置してもよい。
以上のように構成される本実施形態の回路基板200においては、上述の第1の実施形態と同様に、第2の基板本体20の厚み要求を満足しつつ、第2の基板本体20の強度の向上を図ることが可能となる。特に本実施形態によれば、第2の基板本体20の内部に電子部品26が埋設されるため、第2の基板本体20における部品の三次元実装化を図ることができる。
また、第2の基板本体20に埋設される電子部品26は、その周囲に剛性の高い補強部材230が存在するため、第2の基板本体20に作用する外力や温度変化に起因する変形あるいは反りから電子部品26を確実に保護することができる。さらに、補強部材230の剛性に起因する第2の基板本体20の曲げ強度の向上により、電子部品26の所期の動作特性を確保することができる。
<第3の実施形態>
図6は、本発明の他の実施形態に係る回路基板300の構成を示す概略側断面図である。以下、第1の実施形態と異なる構成について主に説明し、第1の実施形態と同様の構成については同様の符号を付しその説明を省略または簡略化する。
本実施形態の回路基板300は、第1の基板本体10と、第2の基板本体20とを有する点で第1の実施形態と共通するが、本実施形態は、第2の基板本体20に、補強部材270をコアとして有する多層基板27が埋設されている点で、第1の実施形態と異なる。
本実施形態において、第2の基板本体20は、可撓性配線基材11の第1の端部11aを選択的に被覆する樹脂層21と、樹脂層21に設けられた回路部22と、第1の端部11aに埋設された多層基板27とを有する。多層基板27は、コア材としての補強部材270と、電子部品271とを有する。
補強部材270は、キャビティ270aやビア形成用の貫通孔を有する矩形の板材で構成され、第1の実施形態と同様に、第1の端部11aの収容部213に収容される。電子部品271は、キャビティ270aに配置される。電子部品271の種類は特に限定されず、典型的には、コンデンサ、インダクタ、抵抗等のチップ型部品が用いられるが、勿論これ以外にもIC等の半導体チップや、各種センサ部品が採用可能である。キャビティ270aは、例えば、矩形又は円形の貫通孔で構成されるが、有底の凹部等で構成されてもよい。
補強部材270の両面は絶縁層244で被覆されており、絶縁層244の上には、電子部品271及び回路部22(配線層221又は222)各々に電気的に接続される配線層224が設けられている。配線層224は、所定形状にパターニングされた銅などの金属膜で構成されており、補強部材270の貫通孔を介して各面の間を接続する層間接続部を構成する。
以上のように構成される本実施形態の回路基板300においては、上述の第1の実施形態と同様に、第2の基板本体20の厚み要求を満足しつつ、第2の基板本体20の強度の向上を図ることが可能となる。特に本実施形態によれば、第2の基板本体20の内部に多層基板27が埋設されるため、第2の基板本体20の高機能化及び高密度実装化を図ることができる。
また、第2の基板本体20に埋設される電子部品271は、その周囲に剛性の高い補強部材270が存在するため、第2の基板本体20に作用する外力や温度変化に起因する変形あるいは反りから電子部品271を確実に保護することができる。さらに、補強部材270の剛性に起因する第2の基板本体20の曲げ強度の向上により、電子部品271の所期の動作特性を確保することができる。
なお、多層基板27は電子部品271を内蔵していなくてもよく、補強部材270、絶縁層244及び配線層224のみで構成されてもよい。また、多層基板27は図示する両面基板に限られず、内部配線層をさらに有する3層以上の多層基板で構成されてもよい。
図7は、多層基板27に電子部品271を内蔵しない回路基板400の一構成例を示す概略側断面図である。回路基板400において、補強部材270は、電子部品271を収容しないキャビティ270bを有する点で、回路基板300と異なる。キャビティ270bは絶縁層244で充填されており、補強部材270の両面には、これらを被覆する絶縁層244や、絶縁層244に設けられる回路部22に電気的に接続される配線層224等が設けられる。キャビティ270bは、典型的には、部品収容用のキャビティ270aよりも小さい貫通孔で構成される。キャビティ270bの数は単数に限られず、補強部材270の面内の複数個所に設けられてもよい。
図8は、回路基板400を備えた回路モジュール500の構成を示す概略平面図である。同図に示すように、回路基板400の第2の基板本体20の表面には、2つのセンサ素子E1,E2が搭載されている。センサ素子E1,E2は、第2の基板本体20の表面に実装され、配線層224と電気的に接続される。センサ素子E1,E2には、例えば、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary MOS)等の固体撮像素子(光学センサ)が用いられ、各々の撮像面E1a,E2aが相互に平行となるように第2の基板本体20上に各センサ素子E1,E2が搭載される。なお、センサ素子E1,E2はこれに限定されず、圧力センサや加速度センサ等のMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)センサ等が採用されてもよい。
本実施形態によれば、第2の基板本体20の高強度化を図ることができるため、その基板サイズの大型化が容易となり、共通の基板(第2の基板本体20)上に複数のセンサ素子E1,E2を安定に支持することができる。これにより、全体の薄型化を図りつつ、多機能・高機能の回路モジュールを構成することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態にのみ限定されるものではなく種々変更を加え得ることは勿論である。
例えば以上の実施形態では、第2の基板本体20及び補強部材23,230の平面形状がいずれも矩形状に形成されたが、これに限られず、矩形以外の多角形、円形その他の幾何学的形状に形成されてもよい。また、補強部材は単一の板材又は枠材で構成される場合に限られず、複数の板材又は枠材で構成されてもよい。また、上記枠材は、額縁状に限られず、格子状あるいはメッシュ状等の他の形態であってもよい。
また、以上の実施形態では、可撓性配線基材11の第2の端部11bに制御基板30が設けられたが、これに代えて、コネクタ等のコンタクト部品が設けられてもよい。
さらに、以上の第1の実施形態では、補強部材23の収容部213へ配置する前に、第2の絶縁材242の構成材料を収容部213の所定位置に塗布するようにしたが(図3D参照)、これに限られない。例えば図9A〜Dに示すように、収容部213へ補強部材23を配置した後、これら収容部213の内周面と補強部材23の外周面との間隙に第2の絶縁材242の構成材料を充填するようにしてもよい。
さらに、以上の第3の実施形態では、電子部品を収容するキャビティ270aを有する補強部材と、電子部品を収容しないキャビティ270bを有する補強部材とを例に挙げて説明したが、これに限られず、補強部材は、電子部品を収容するキャビティと電子部品を収容しないキャビティとを含む複数のキャビティを有してもよい。
10…第1の基板本体
11…可撓性配線基材
12…補強部
20…第2の基板本体
21…樹脂層
22…回路部
23,230,270…補強部材
230a,270a,270b…キャビティ
26,271…電子部品
30…制御基板
100,200,300,400…回路基板
213…収容部
241…第1の絶縁材
242…第2の絶縁材
400…回路モジュール
E1,E2…素子

Claims (6)

  1. 第1の端部と、前記第1の端部とは反対側の第2の端部とを有する可撓性配線基材と、
    前記第1の端部を選択的に被覆する樹脂層と、前記樹脂層に設けられ前記可撓性配線基材に電気的に接続される回路部と、前記回路部と電気的に接続され、前記第1の端部に埋設された金属製の補強部材とを有する補強部と
    を具備し、
    前記第1の端部は、有底又は無底の凹部を有し、
    前記補強部材は、前記凹部に配置され、面内に溝を有し、部品内蔵用のキャビティを有しない矩形の板材で構成される
    回路基板。
  2. 請求項に記載の回路基板であって、
    前記補強部は、前記凹部に配置された前記補強部材の前記溝に充填された第1の絶縁材をさらに有し、
    前記第1の絶縁材は、前記樹脂層を構成する樹脂材料よりも熱膨張係数が小さく、かつ、弾性率が高い材料で構成される
    回路基板。
  3. 請求項に記載の回路基板であって、
    前記補強部は、前記凹部と前記補強部材との間の少なくとも前記第2の端部側の一端部に設けられた第2の絶縁材をさらに有し、
    前記第2の絶縁材は、前記樹脂層を構成する樹脂材料よりも弾性率が低い材料で構成される
    回路基板。
  4. 請求項に記載の回路基板であって、
    前記補強部は、前記凹部と前記補強部材との間の前記一端部に、前記第1の絶縁材と前記第2の絶縁材との積層部を有する
    回路基板。
  5. 請求項1〜のいずれか1つに記載の回路基板であって、
    前記第2の端部に支持され、前記可撓性配線基材と電気的に接続される制御基板をさらに具備する
    回路基板。
  6. 可撓性配線基材の一端部に有底又は無底の凹部を形成し、
    前記凹部に、面内に溝を有し、部品内蔵用のキャビティを有しない金属製で矩形の板状の補強部材を配置し、
    前記一端部に、前記可撓性配線基材および前記補強部材と電気的に接続される回路部を形成する
    回路基板の製造方法。
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