JP6276477B2 - サーミスタ及びサーミスタを用いた装置 - Google Patents

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Description

本発明は、排気ガス等の熱源の温度を検出するに適するサーミスタ及びこのサーミスタを用いた装置に関する。
熱源が設けられた各種熱機器において、その熱源の温度を検出し測定して機器を制御するために温度センサとしてサーミスタが用いられている。
例えば、ディーゼルエンジンを搭載した自動車等の排気ガス(熱源)を測定するためにサーミスタ組成物(サーミスタ素子)を感温素子とした温度センサが用いられている。この温度センサは、一般的には、サーミスタ組成物に金属製の電極が形成され、この電極にリード線(配線)が接続されて構成されている。
この場合、リード線には、耐食性に優れ、高温の環境下においても電気的な導通が可能な白金(Pt)やロジウム(Rh)等の貴金属が用いられている。しかしながら、これら貴金属は高価であり、製造コスト上、有利ではない。
一方、サーミスタと、このサーミスタの表面に接合する金属電極との界面に拡散層を形成して、サーミスタと金属電極との接合信頼性を確保するとともに、オーミックコンタクト性を確保する温度センサ素子が提案されている(特許文献1参照)。
また、電極が素子電極とカバー電極との2層構造からなり、サーミスタ素子に酸化ルテニウム(RuO)を含む素子電極を積層するサーミスタが提案されている(特許文献2及び特許文献3参照)。
さらに、サーミスタ素子と、ニッケル被覆ジュメット線若しくはFe/Cr合金線のリード線とを電極を介して接続するガラス封止型サーミスタが知られている(特許文献4参照)。
特許第5437304号公報 特許第3661160号公報 特開2007−141881号公報 特許第3650854号公報
しかしながら、上記従来のサーミスタは、サーミスタ組成物に形成された電極部と、この電極に接続されるリード線(配線)との関係において、オーミックコンタクト性を確保する点に着目されておらず、また、その考慮がなされていない。さらに、オーミックコンタクト性を確保する具体的な構成が開示されているものでもない。
本発明は、サーミスタ組成物に形成された電極部と、この電極部に接続される配線との関係において、オーミックコンタクト性を確保でき、精度の高い温度検出が可能なサーミスタ及びこのサーミスタを用いた装置を提供することを目的とする。
さらに、サーミスタ組成物と配線との接合信頼性を確保することを目的とする。
請求項1に記載のサーミスタは、酸化物を含むサーミスタ組成物と、前記サーミスタ組成物に形成され、貴金属酸化物を含有する一対の電極部と、前記電極部に接合され、表面に酸化皮膜の不動態皮膜が形成された配線と、前記電極部と前記配線との間に介在され、オーミックコンタクトを有するように前記電極部に前記配線を接合する貴金属酸化物を含有する接合材と、を具備することを特徴とする。
電極部に含有される貴金属には、いわゆる銀(Ag)、金(Au)、白金(Pt)等の貴金属や酸化ルテニウム(RuO)等の貴金属酸化物が含まれる。
請求項3に記載のサーミスタは、請求項1又は請求項2に記載のサーミスタであって、 前記接合材において、その組成中の前記貴金属酸化物の原子百分率は、3atm%〜60atm%であることを特徴とする。
請求項4に記載のサーミスタは、請求項1乃至請求項3のいずれか一に記載のサーミスタであって、前記接合材において、その組成中の前記貴金属酸化物が酸化ルテニウムであることを特徴とする。
請求項5に記載のサーミスタは、請求項1乃至請求項4のいずれか一に記載のサーミスタであって、前記接合材において、その組成中には、少なくとも二酸化ケイ素、酸化亜鉛、酸化アルミニウムが含まれていることを特徴とする。
請求項6に記載のサーミスタは、請求項1乃至請求項5のいずれか一に記載のサーミスタであって、前記接合材において、その組成中に含まれるガラスは、結晶化ガラスであることを特徴とする。
請求項7に記載のサーミスタは、請求項1乃至請求項6のいずれか一に記載のサーミスタにおいて、前記電極部は、結晶化ガラスの保護層によって被覆されていることを特徴とする。
請求項8に記載のサーミスタは、請求項1乃至請求項7のいずれか一に記載のサーミスタにおいて、前記サーミスタ組成物の線膨張係数は、4.5〜10(×10−6/℃)であり、接合材の線膨張係数は、5〜10(×10−6/℃)であり、配線の線膨張係数は、8〜14(×10−6/℃)であることを特徴とする。
請求項9に記載のサーミスタは、請求項1乃至請求項8のいずれか一に記載のサーミスタにおいて、前記表面に不動態皮膜が形成された配線は、鉄系合金であることを特徴とする。
請求項10に記載のサーミスタを用いた装置は、請求項1乃至請求項9のいずれか一に記載されたサーミスタが備えられていることを特徴とする。
サーミスタを用いた装置は、自動車用エンジン関係の排気ガスの温度など各種温度検出やオーブンレンジの庫内温度検知などのためにサーミスタが備えられた各種装置が該当する。格別サーミスタが適用される装置が限定されるものではない。
本発明の実施形態によれば、サーミスタ組成物に形成された電極部と、この電極部に接続される配線との関係において、オーミックコンタクト性を確保でき、精度の高い温度検出が可能なサーミスタ及びこのサーミスタを用いた装置を提供することができる。
本発明の第1の実施形態に係るサーミスタの断面図である。 同サーミスタを示す斜視図である。 同サーミスタにおいて、電子顕微鏡による側面観察を示す写真(500倍)である。 同じく、電子顕微鏡による側面観察を示す写真(2000倍)である。 同じく、電子顕微鏡による側面観察を示す写真(元素マッピング)である。 (a)は、第1の実施形態のサーミスタを示す断面図であり、(b)は、比較例のサーミスタを示す断面図である。 オーミックコンタクト性の評価結果を示すグラフである。 本発明の第2の実施形態(実施例1)に係るサーミスタを示す側面図である。 同サーミスタを示す斜視図である。 第2の実施形態(実施例2)に係るサーミスタを示す断面図である。
以下、本発明の第1の実施形態に係るサーミスタについて図1乃至図7を参照して説明する。図1及び図2は、サーミスタを示し、図3乃至図5は、サーミスタにおけるサーミスタ組成物及び電極部の電子顕微鏡による側面観察写真を示している。また、図6及び図7は、オーミックコンタクト性の評価結果を示している。なお、各図では、各部材を認識可能な大きさとするために、説明上、各部材の縮尺を適宜変更している。
図1及び図2に示すように、サーミスタ1は、温度センサであり、サーミスタ組成物2と、一対の電極部3と、配線4と、接合材5と、ガラス封止材6とを備えている。
サーミスタ組成物2は、略直方体形状に形成されていて、マンガン(Mn)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、鉄(Fe)、イットリウム(Y)、クロム(Cr)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)等の遷移金属元素の中から選ばれる2種あるいはそれ以上の元素から構成され、結晶構造を有する複合金属酸化物を主成分として含む酸化物のサーミスタ材料で構成される。また、特性向上等のために副成分が含有されていてもよい。主成分、副成分の組成及び含有量は、所望の特性に応じて適宜決定することができる。
なお、サーミスタ組成物2は、炭化ケイ素(SiC)、窒化ケイ素(Si)等の珪素(Si)系セラミックスから構成されていてもよい。さらに、サーミスタ組成物2の形状は、略直方体形状に限らず、円盤状や多角形の形状等、適宜選択することができる。
一対の電極部3は、サーミスタ組成物2の一面と、この一面に対向する他面に積層されて形成されている。電極部3は、銀(Ag)、金(Au)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、オスミウム(Os)、酸化イリジウム(IrO)、酸化ロジウム(Rh)、酸化ルテニウム(RuO)等の貴金属又は貴金属酸化物の貴金属を含有している。具体的には、貴金属又は貴金属酸化物である酸化ルテニウム(RuO)とガラスフリットを主成分とするペーストをサーミスタ組成物2の表面に焼き付けて形成されている。なお、ガラスフリットには、耐熱温度の高い結晶化ガラスが用いられている。さらに、この電極部3には、耐熱性の高い結晶化ガラスで絶縁性の保護層を設けてもよい。これにより電極部3は、結晶化ガラスの保護層によって被覆保護される。
配線4は、本実施形態ではリード線であり、前記サーミスタ組成物2、具体的には電極部3に接合材5によって接合されて、電気的に接続されている。配線4は、サーミスタ組成物2と図示しない外部制御回路とを電気的に接続する機能を有するものであり、リード線と指称されるものに限らず、信号線、外部引出し端子等と指称されるものであってもよい。
配線4は、表面に酸化皮膜の不動態皮膜が形成される金属材料から構成されている。例えば、鉄(Fe)系の合金であって、Cr、Co、Ni、Al、Mo、Cu、Ti、Si等の金属元素の中から選ばれる少なくとも1種を含む合金が用いられる。
本実施形態では、鉄(Fe)とクロム(Cr)の合金(Fe−Cr合金)としてCrを約20重量%含む合金が用いられている。なお、ステンレス鋼を用いることもできる。この場合、SUS410(JIS規格)及びSUS430(JIS規格)等を好適に用いることができる。これらの材料は、高温の環境下にあっても不導体皮膜が形成され酸化しにくい特長を有している。
接合材5は、前記電極部3に配線4を接合し、電気的に接続するものである。接合材5は、電極部3に配設された配線4の端部を被覆するように電極部3の上に形成されている。また、接合材5は、貴金属酸化物として酸化ルテニウム(RuO)を含有して、配線4の端部に塗布されている。具体的には、酸化ルテニウム(RuO)と結晶化ガラスのガラスフリットを主成分とするペーストを焼き付けて形成されている。
なお、サーミスタ組成物2、電極部3、接合材5及び配線4の一部は、ガラス封止材6によって封止するのが好ましい。ガラス封止材6には、耐熱温度の高い結晶化ガラス等が用いられる。これによりサーミスタ組成物2等は、高温の環境下で使用される場合にも効果的に保護することができる。
このように構成されたサーミスタ1の概略の作製方法について、その一例を説明する。
金属酸化物を含むサーミスタ組成物の材料にバインダーを添加して混合原料を作る。その後、この混合原料を成形し、焼成して所定寸法のサーミスタ組成物2を得る。
次いで、サーミスタ組成物2の対向する一対の面に、酸化ルテニウム(RuO)とガラスフリットを主成分とするペーストをスクリーン印刷により塗布し、乾燥させて、800℃〜900℃の温度で熱処理し焼き付けて電極部3を形成する。なお、スクリーン印刷によらず、蒸着、スパッタリング等の薄膜形成技術によって形成してもよい。電極部3について薄膜形成技術を用いて製膜する場合はCr/Cu/Auのような貴金属を含む多層膜構成でもよい。
配線4は、Fe−Cr合金であり、酸化ルテニウム(RuO)を含有するペーストの接合材5にディップし、その後、その配線4を電極部3が形成されたサーミスタ組成物2を挟むようにして接合して固定する。具体的には、配線4を被覆するように塗布されたペーストの接合材5を乾燥させて、800℃〜900℃の温度で熱処理し焼き付けて接合する。その後、サーミスタ組成物2をガラス封止材6によって封止する。電極部3、接合材5及びガラス封止材6に結晶化ガラスを用いた場合は、約1000℃の温度で焼付け及び封止する。
なお、配線4の接合にあたっては、配線4を電極部3に接触させて配設し、次いで、接合材5を配線4に塗布し、焼き付けて電極部3に接合するようにしてもよい。
なお、サーミスタ1を構成するサーミスタ組成物2、電極部3及び接合材5、並びに不動態皮膜が形成される配線4は、耐酸化性能に優れるので、サーミスタ1を酸化雰囲気中(大気中)で熱処理等の工程を経て作製することができる。また、サーミスタ1を高温の環境下で使用する場合にも耐酸化性能を発揮することができる。
次に、図3乃至図5を参照して、サーミスタ1におけるサーミスタ組成物2と、このサーミスタ組成物2に積層された電極部3の電子顕微鏡の側面観察写真について説明する。図3は、500倍に拡大した写真を示し、図4は、2000倍に拡大した写真を示し、図5は、特性X線を用いて元素マッピングを行い、定量分析を行った結果を示している。
図5に示すように、分析領域100においてRuが47.7atm%、Siが30.7atm%、Znが8.2atm%、Baが6.2atm%、Alが6.7atm%、Agが0.3atm%、Pdが0.3atm%であることが分かる。
続いて、図6及び図7を参照してサーミスタ1のオーミックコンタクト性を評価し確認した結果を説明する。図6(a)は、上記本実施形態のサーミスタ1を示し、図6(b)は、比較例のサーミスタ10の試料を示している。図7は、サーミスタ1及びサーミスタ10についてオーミックコンタクト性を確認した結果を示している。
図6(b)に示すサーミスタ10は、サーミスタ組成物20と、一対の電極部30と、配線40と、接合材50と、ガラス封止材60とを備えている。サーミスタ10は、本実施形態のサーミスタ1と概略同様な構成であるが、電極部30が酸化ルテニウム(RuO)とガラスフリットを主成分とするペーストをサーミスタ組成物20の表面に焼き付けて形成され、銀(Ag)とガラスフリットを主成分とするペーストの接合材50で電極部30に配線40が接合されている。
このようなサーミスタ1及びサーミスタ10について、それぞれの一対の配線4、40間の抵抗値について電流を変化させて測定した。サーミスタ組成物2、20の抵抗値は50kΩであり、図7に測定した結果を示す。
図7において、縦軸は、抵抗値(kΩ)示し、横軸は、測定電流(nA)を示している。図7に示すように、本実施形態のサーミスタ1では、測定電流が100nA〜100000nAまでオーミックコンタクト性が確保されていることが分かる。つまり、測定電流が100nA〜100000nAの間においては、電流、電圧の変動によらず、抵抗値が略50kΩで一定で、オームの法則にしたがっていることが分かる。よって、オーミックコンタクト性が確保されていることが確認できる。なお、測定電流が10nA付近においては、接合界面に半導体的な電気的な障壁が存在するものと考えられる。
一方、比較例のサーミスタ10では、本実施形態のサーミスタ1と比較すると、10kΩ〜20kΩ抵抗値が大きく、しかも、測定電流が100nA〜100000nAの間において、抵抗値が一定ではなく、測定電流が大きくなるにしたがい下降する傾向となっている。よって、比較例のサーミスタ10では、オーミックコンタクト性の確保が困難であることが確認できる。
以上のように評価し確認した結果から、本実施形態のサーミスタ1では、少なくとも電極部3と配線4との界面においてオーミックコンタクト性が確保されているものと判断できる。
この電極部3と配線4との接続について、本発明者らは、上記オーミックコンタクト性を確保する構成の実現にあたり、多数の材料をリサーチし、論文「RuO厚膜抵抗体の微細構造と伝導機構」(電気学会論文誌.A Vol.109(1989)No.3 P111−118)にみられるように金属的な伝導と半導体的な伝導とを併せ持つ酸化ルテニウム(RuO)に着目した。そして、前述のような実験評価を繰り返し、オーミックコンタクト性を確保する構成の実現に至っている。
このオーミックコンタクト性を確保できる理由は、酸化ルテニウム(RuO)を含有する接合材5と、表面に酸化皮膜の不動態皮膜が形成されたFe−Cr合金の配線4との界面は、酸化物半導体同士の接触となっており、障壁が小さくなって半導体的な伝導が期待できるからであると推察される。
また、前記評価確認した結果から、当然のことながらサーミスタ組成物2と電極部3との界面においてもオーミックコンタクト性が確保されていると判断できる。この場合にも界面は、酸化物半導体同士の接触となっていて、障壁が小さくなっているものと考えられる。
なお、酸化ルテニウム(RuO)を含有する場合の電極部3及び接合材5において、その組成中の酸化ルテニウム(RuO)の原子百分率は、3atm%〜60atm%が望ましいと考えられる。この範囲であれば、金属的な伝導と半導体的な伝導とを併せ持った電極部3及び接合材5を得ることができる。
酸化ルテニウム(RuO)以外の貴金属酸化物としては、酸化イリジウム(IrO)、酸化ロジウム(Rh)、酸化パラジウム(PdO)等も同様の効果が期待できる。
さらに、図5に示す定量分析の結果から、電極部3及び接合材5において、ガラスフリットの組成中には、二酸化ケイ素(SiO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化アルミニウム(Al)等が含まれている。
また、前記サーミスタ1を構成する各部材の線膨張係数(×10−6/℃)は、各部材の材料にしたがって以下のように設定できる。
サーミスタ組成物2は4.5〜10、電極部3は5〜10、配線4は8〜14、接合材5は5〜10に設定できる。この範囲であれば、線膨張係数の差に起因する熱応力を抑制することができ、各部材の接合信頼性を確保することが可能となる。
次に、本発明の第2の実施形態に係るサーミスタについて図8乃至図10を参照して説明する。図8及び図9は、実施例1のサーミスタを示し、図10は、実施例2のサーミスタを示している。なお、第1の実施形態と同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
(実施例1)
図8及び図9に示すように、サーミスタ11は、サーミスタ組成物2と、一対の電極部3と、配線4と、接合材5とを備えている。本実施例のサーミスタ組成物2は、略円柱状の形状に形成されていて、一面から他面へ向かって一対の貫通孔3aが形成されている。
配線4に接合材5をメッキして貫通孔3aに挿入後に、接合材5を熱処理し焼き付けて、配線4がサーミスタ組成物2に接合される。
また、貫通孔3aに接合材5を塗布し、配線4が挿入された状態で、接合材5を熱処理し焼き付けて、配線4をサーミスタ組成物2に接合するようにしてもよい。
なお、図示は省略するが、第1の実施形態と同様に、サーミスタ組成物2、電極部3(接合材5)及び配線4の一部は、ガラス封止材によって封止するのが好ましい。ガラス封止材には、要求される耐熱温度に応じて適宜、耐熱温度の高い結晶化ガラス等が用いられる。
このような状態においては、配線4は、接合材5を介してサーミスタ組成物2に接続されるようになる。つまり、この場合、接合材5は、電極部3をも形成することとなり、接合材5は、配線4を接合する機能と電極部3としての機能を有する状態となる。換言すれば、接合材5は、電極部3を兼用して形成し、接合材5によって形成された電極部3に配線4が接続される。
(実施例2)
図10に示すように、サーミスタ12は、サーミスタ組成物2と、一対の電極部3と、配線4と、接合材5と、ガラス封止材6とを備えている。本実施例のサーミスタ12は、基本的には、第1の実施形態のサーミスタ1と略同様な構成である。異なる点は、実施例1と同様に、配線4は、接合材5によって接合されるが、接合材5は、電極部3をも形成し、配線4を接合する機能と電極部3としての機能を有することとなる。すなわち、接合材5は、電極部3を兼用して形成し、接合材5によって形成された電極部3に配線4が接続される。
したがって、サーミスタ組成物2からの検出出力は、サーミスタ組成物2−接合材5(電極部3)−配線4へと伝導される。
以上のように上記各実施形態によれば、サーミスタ組成物2に形成された電極部3と、この電極部3に接続される配線4との関係において、オーミックコンタクト性を確保でき、精度の高い温度検出が可能なサーミスタ1、11、12を提供することができる。
加えて、耐熱性、耐酸化性が良好であり、また、各部材の接合信頼性を確保することが可能なサーミスタ1、11、12を提供することができる。
以上説明してきた各実施形態におけるサーミスタ1、11、12は、自動車用エンジン関係の排気ガスの温度など各種温度検出、燃料電池の改質器などの触媒温度検知、オーブンレンジの庫内温度検知、ラジエントヒーターの温度検知などのために各種装置に備えられ適用することができる。格別適用される装置が限定されるものではない。
なお、本発明は、上記各実施形態の構成に限定されることなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。また、上記実施形態は、一例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1、11、12・・・サーミスタ
2・・・サーミスタ組成物
3・・・電極部
4・・・配線(リード線)
5・・・接合材

Claims (10)

  1. 酸化物を含むサーミスタ組成物と、
    前記サーミスタ組成物に形成され、貴金属酸化物を含有する一対の電極部と、
    前記電極部に接合され、表面に酸化皮膜の不動態皮膜が形成された配線と、
    前記電極部と前記配線との間に介在され、オーミックコンタクトを有するように前記電極部に前記配線を接合する貴金属酸化物を含有する接合材と、
    を具備することを特徴とするサーミスタ。
  2. 前記電極部は、前記接合材によって形成されていることを特徴とする請求項1に記載のサーミスタ。
  3. 前記接合材において、その組成中の前記貴金属酸化物の原子百分率は、3atm%〜60atm%であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のサーミスタ。
  4. 前記接合材において、その組成中の前記貴金属酸化物が酸化ルテニウムであることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一に記載のサーミスタ。
  5. 前記接合材において、その組成中には、少なくとも二酸化ケイ素、酸化亜鉛、酸化アルミニウムが含まれていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一に記載のサーミスタ。
  6. 前記接合材において、その組成中に含まれるガラスは、結晶化ガラスであることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一に記載のサーミスタ。
  7. 前記電極部は、結晶化ガラスの保護層によって被覆されていることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか一に記載のサーミスタ
  8. 前記サーミスタ組成物の線膨張係数は、4.5〜10(×10−6/℃)であり、接合材の線膨張係数は、5〜10(×10−6/℃)であり、配線の線膨張係数は、8〜14(×10−6/℃)であることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか一に記載のサーミスタ。
  9. 前記表面に不動態皮膜が形成された配線は、鉄系合金であることを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれか一に記載のサーミスタ。
  10. 請求項1乃至請求項9のいずれか一に記載されたサーミスタが備えられていることを特徴とするサーミスタを用いた装置。
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