JP6272492B2 - センサ基板、リード付きセンサ基板およびセンサ装置 - Google Patents

センサ基板、リード付きセンサ基板およびセンサ装置 Download PDF

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Description

本発明は、検知電極を有するセンサ基板、リード付きセンサ基板およびセンサ装置に関するものである。
排気ガス用センサ等に用いられるセンサ基板として、酸化アルミニウム質焼結体等のセラミック焼結体からなる絶縁基板と、絶縁基板の表面に設けられた検知電極とを含むセンサ基板が用いられている。例えば排気ガス中に含有される被検知物の検知電極への付着に伴い、隣接した他の検知電極との間の電気絶縁性の低下に起因して検知電極の抵抗値や電流値が変化する。この抵抗値や電流値の変化によって、排気ガス等における被検知物の含有量が算出され、検知される。
検知電極を形成する材料としては、排気ガス等の高温でも酸化しにくい金属材料として、白金が多用されている。
特開昭55−30690号公報 特開昭59−197847号公報
しかしながら、検知電極の材料として白金が用いられている場合には、白金が触媒作用を有するため、次のような不具合を生じる可能性があった。すなわち、例えば被検知物がすす(炭素)等の微粒子であり、比較的分解除去されやすい物質である場合に、検知電極に含有されている白金の触媒作用によって、被検知物である微粒子が分解されやすい。分解されたすす等の微粒子は外部に飛散して除去されやすい。すなわち、実際に検知電極に付着した微粒子の量よりも少ない量が検知電極上および検知電極の周辺に残り、その少ない量が検知される。そのため、実際のすす等の含有量よりも小さい値が排気ガス中のすす等の含有量として検知されることになり、検知の精度が低下する。
本発明の1つの態様のセンサ基板は、主面を有する絶縁基板と、微粒子の分解反応に対して触媒不活性な卑金属系材料からなる第1金属材料を主成分としているとともに前記絶縁基板の前記主面に設けられた検知電極とを備えており、前記第1金属材料が鉄−ニッケル−クロム合金を主成分としているとともに、前記検知電極の露出表面が前記第1金属材料の不動態膜によって被覆されており、前記検知電極と同じ金属材料からなり、前記絶縁基板の前記主面を含む露出表面に設けられた接続パッドをさらに備えており、該接続パッドの露出表面の少なくとも一部に、該接続パッドと同じ金属材料を主成分として含有し、アルミニウムおよびケイ素の少なくとも一方を添加材としてさらに含有する第2金属材料からなる接合層が設けられている。
本発明の1つの態様のセンサ装置は、上記構成のセンサ基板と、前記検知電極に電位を供給する電源部とを備える。
本発明の1つの態様によるセンサ基板は、検知電極が上記構成であることから、例えばすす等の分解等に対する触媒作用を有していない。そのため、検知電極に付着した被検知物の酸化等が生じにくい。また、検知電極の露出表面が第1金属材料の不動態膜によって被覆されていることから、検知電極の全体が酸化する可能性が低減されている。したがって、検知の精度が高いセンサ基板を提供することができる。また、接合層を形成している第2金属材料は、添加材の作用によって第1金属材料よりも融点が低くなっているため、接続パッドにリード端子を容易に接合することができる。
本発明の1つの態様によるセンサ装置は、上記構成のセンサ基板を有していることから、検知の精度が高い。
(a)は本発明の第1の実施形態のセンサ基板およびセンサ装置を示す上面図であり、(b)は(a)のA−A線における断面図である。 図1のB部分を拡大して示す断面図である。 本発明の第2の実施形態のセンサ基板およびリード付きセンサ基板における要部を拡大して示す断面図である。 (a)は図1に示すセンサ基板およびセンサ装置の変形例を示す上面図であり、(b)は図1に示すセンサ基板およびセンサ装置の他の変形例を示す断面図である。
本発明の実施形態のセンサ基板およびセンサ装置を添付の図面を参照して説明する。なお、以下の説明における上下の区別は便宜的なものであり、実際にセンサ基板等が使用される際の上下を限定するものではない。
(第1の実施形態)
図1(a)は本発明の第1の実施形態のセンサ基板およびセンサ装置を示す上面図であり、図1(b)は図1(a)のA−A線における断面図である。また、図2は図1のB部分を拡大して示す断面図である。絶縁基板1と、絶縁基板1の主面(図1の例では上面)に設けられた検知電極2と、検知電極2を外部接続する導電路である内部配線3とによって第1の実施形態のセンサ基板4が基本的に形成されている。また、検知電極2の露出表面21が不動態膜2aによって被覆されている。ここで検知電極2の露出表面21とは、検知電極2の表面のうち絶縁基板1に接していない部分である。
絶縁基板1は、例えば四角板状等の平板状であり、複数の検知電極2を互いに電気的に絶縁させて設けるための基体である。絶縁基板1は、例えば酸化アルミニウム質焼結体、窒化アルミニウム質焼結体、ムライト質焼結体、ガラスセラミック焼結体またはジルコニア系セラミックス(酸化ジルコニウム質焼結体)等のセラミック焼結体によって形成されている。絶縁基板1は、このようなセラミック焼結体からなる複数の絶縁層(符号なし)が積層されて形成されていてもよい。
絶縁基板1は、例えば酸化アルミニウム質焼結体からなる複数の絶縁層が積層されて形成されている場合であれば、以下の方法で製作することができる。まず、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化マグネシウムおよび酸化カルシウム等の原料粉末に適当な有機バインダおよび溶剤等を添加混合して泥漿状の混合物(スラリー)とする。次に、このスラリーをドクターブレード法やカレンダーロール法等によってシート状に成形してセラミックグリーンシートを作製する。次に、このセラミックグリーンシートに適当な打ち抜き加工を施すとともに、その打ち抜き加工で作製した複数のシートを必要に応じて積層して積層体とする。その後、この積層体を高温(約1300〜1600℃)で焼成することによって絶縁基板1を製作することができる。
検知電極2は、このセンサ基板4が配置される環境におけるすす等の微粒子の含有量を測定するための部分である。すす等の微粒子が検知電極2に付着したときに、互いに隣り合う検知電極2間で電気絶縁性が変化する。この電気絶縁性の変化によって検知電極2における電気抵抗および電流値等が変化する。この電気抵抗等の変化を検知することによって、検知電極2が存在している環境中の微粒子の質量が算出され、検知される。この微粒子の質量、および検知電極2が存在している環境におけるガスの流量(体積)により、そのガス中の微粒子の含有率が算出され、検知される。
そのため、検知電極2は、このような電気抵抗の変化が生じるような金属材料として、後述する第1金属材料を主成分として含有している。この第1金属材料は、微粒子の分解反応に対して触媒不活性(以下、単に触媒不活性という)な卑金属系材料からなるものである。微粒子は、例えばすす(カーボンの微粒子)である。また、この第1金属材料である卑金属系材料は、その不動態膜を検知電極2の露出表面21に形成できるようなものである。このような卑金属系材料としては、例えば鉄、アルミニウム、ニッケル、チタンおよびクロム等の卑金属材料が挙げられる。
また、卑金属系材料は、これらの卑金属材料に加えてケイ素を含む材料であってもよい。この場合のケイ素は、上記の卑金属材料と化合物(ケイ化物)を形成していてもよい。また、卑金属系材料は、上記の卑金属材料以外の卑金属材料であって、ケイ素との化合によって不動態膜を生じたものでもよい。ケイ素との化合によって不動態膜を形成するようになる卑金属材料としては、例えばモリブデンが挙げられる。言い換えれば、卑金属系材料はケイ化モリブデンであってもよい。
第1金属材料は、例えば検知電極2に約80質量%以上含有され、検知電極2の主成分となっている。検知電極2には、この第1金属材料以外に、ガラスまたはセラミックス等の無機成分が含有されていてもよい。これらの無機成分は、例えば後述するように絶縁基板1との同時焼成で検知電極2を形成するときの、焼成収縮の調整用等の成分である。
センサ基板4が配置される環境とは、例えば自動車の排気ガスの排気通路である。センサ基板4で検知される微粒子の量が多くなれば、排気通路を流れる微粒子の含有量が大きくなったことが検知される。これにより、例えばディーゼルエンジンの排気ガスからすす等の微粒子を除去するフィルタ装置であるDPF(ディーゼル・パーティキュレート・フィルタ)の故障が検知できる。
検知電極2は、微粒子の付着による抵抗値の変化を効果的に検知するためには、検知に寄与する部分の長さを長くすることが容易なパターンに形成されていることが好ましい。このようなパターンとしては、例えば櫛歯状のパターン、または細長い長方形状(帯状)のパターンを含む線状のパターン等が挙げられる。図1では、検知電極2が細長い長方形状のパターンである例を示している。
内部配線3は、絶縁基板1の内部に形成されており、例えば絶縁基板1の上面の検知電極2と後述する下面の接続パッド5とを電気的に接続するための導電路である。内部配線3は、絶縁基板1の内部に配置されたヒータを含むものでも構わない。図1(b)では、内部配線3の一部が絶縁基板1の主面に平行に配置されたヒータであるときの一例を示している。ヒータとしての内部配線3は、例えば検知電極2を予備加熱するための部分である。検知電極2が予備加熱されている場合には、微粒子の付着に対して検知電極2の抵抗値の変化がより鋭敏になり、微粒子の検知の精度が向上する。
また、内部配線3は、例えば絶縁基板1の上面の検知電極2から、絶縁基板1のうち検知電極2が設けられている主面と反対側の他の主面(図1の例では下面)にかけて設けられている部分(図示せず)までを含んでいてもよい。この場合には、検知電極2が内部配線3によって絶縁基板1の下面に電気的に導出される。なお、内部配線3は、絶縁基板1の厚み方向の少なくとも一部を貫通する貫通導体(符号なし)を含んでいてもよい。また、内部配線3は、絶縁層の層間に設けられた回路パターン状等の内部配線導体(図示せず)を含んでいてもよい。
第1の実施形態のセンサ基板4において、絶縁基板1の上面および下面に外部接続用の接続パッド5が設けられている。絶縁基板1の上面の接続パッド5は、検知電極2の端部に直接に接続されている。接続パッド5は、この例では長方形状のパターンであり、短辺の長さ(幅)が検知電極2の幅よりも大きい。接続パッド5の幅が検知電極2の幅よりも大きいため、検知電極2の外部電気回路との電気的な接続が容易になっている。この接続パッド5を介して、外部電気回路(図示せず)と検知電極2とが電気的に接続される。検知電極2で検知された電気抵抗の変化等の信号が外部電気回路に伝送され、微粒子の検知および表示等の所定の処理が行なわれる。
また、絶縁基板1の下面の接続パッド5は、内部配線3のうち絶縁基板1の下面に電気的に導出された部分に直接に接続されている。これによって、内部配線3と接続パッド5とを互いに電気的に接続する導電路(符号なし)が形成されている。この導電路は、例えばヒータとしての内部配線3と外部電気回路とを電気的に接続するためのものであり、例えば外部電気回路からヒータ(内部配線3)に所定の電力が供給される。
絶縁基板1の上面および下面の接続パッド5が、それぞれはんだまたは導電性接着剤等の導電性の接合材によって外部電気回路の所定部位に接合されれば、検知電極2および内部配線3と外部電気回路とが互いに電気的に接続される。
接続パッド5と外部電気回路との電気的な接続は、例えばはんだ等の導電性接続材を介して行なわれる。また、接続パッド5に予めリード端子(図1および図2では図示せず)を接合しておいて、このリード端子を介して外部電気回路との電気的な接続を行なうようにしてもよい。
第1の実施形態のセンサ基板4は、検知電極2の表面部が白金を含んでいない。そのため、例えばすすの酸化等といった被検知物の化学反応に対する触媒作用が、白金が含まれている場合に比べて効果的に低減されている。検知電極2の表面部とは、検知電極2の露出表面21およびその露出表面21を被覆している不動態膜2aを含む部分である。そのため、検知電極2に付着した被検知物の酸化等が生じにくい。したがって、検知の精度が高いセンサ基板4を提供することができる。
また、検知電極2の露出表面21は、不動態膜2aによって被覆されている。そのため、検知電極2の全体が酸化する可能性が低減されている。したがって、検知の精度および長期信頼性が高いセンサ基板4を提供することができる。
なお、検知電極2の露出表面21とは、前述したように検知電極2の表面のうち絶縁基板1に接していない部分であり、不動態膜2aがないと仮定したときには外部に露出する部分である。この露出表面21から内側では、検知電極2は、例えば上記卑金属系材料(第1金属材料)に含まれる卑金属材料が金属(非酸化物)として存在している。
検知電極2に含有されている第1金属材料は、上記のように、不動態膜2aの形成が容易な鉄、アルミニウム、ニッケル、チタン、クロムおよびモリブデン等の卑金属材料の少なくとも1種を含んでいる。また、これらの卑金属材料とケイ素との化合物(ケイ化物)を含んでいてもよい。これらの卑金属系材料は触媒不活性であり、微粒子の分解等に対して触媒作用を有していない。検知電極2は、このような卑金属系材料からなる第1金属材料を、主成分として約80質量%以上の割合で含有している。
検知電極2は、主成分である第1金属材料以外に他の金属成分を含有していても構わない。また、この他の金属材料は、必ずしも不動態膜2aを形成しやすい金属材料である必要はなく、他の金属材料(例えばタングステン等)であってもよい。
検知電極2は、例えば次のようにして形成されている。すなわち、上記の卑金属系材料の粉末を有機溶剤およびバインダとともに混練して金属ペーストを作製する。次に、この金属ペーストを、絶縁基板1となるセラミックグリーンシートの主面等に所定パターンで塗布する。金属ペーストの塗布は、例えばスクリーン印刷法によって行なう。その後、これらの金属ペーストとセラミックグリーンシートとを同時焼成する。以上の工程によって、検知電極2を有する絶縁基板1を作製することができる。
不動態膜2aの厚み(厚さ)は、例えば0.1〜5μm程度に設定される。この程度の厚みであれば、検知電極2の露出表面21が効果的に不動態膜2aで覆われる。そのため、検知電極2の全体または大部分が酸化するような可能性が効果的に低減される。
不動態膜2aの厚さは、検知電極2の露出表面21の全体において一様な厚さであれば、検知電極2の全体において偏りなく、その内部への酸化の進行を抑制することができる。この場合の一様な厚さとは、1つの検知電極2における不動態膜2aの厚さのばらつきが、厚さの中央値に対して±10%以内である状態を意味する。例えば不動態膜2aの厚さの中央値が約2μm程度であれば、その厚さの範囲が約1.8〜2.2μmにある状態を意味する。
検知電極2の露出表面21は、必ずしもその全面が不動態膜2aで被覆されているものでなくてもよい。例えば、面積の割合で、検知電極2の露出表面21の90%程度に不動態膜2aが被覆しているものでも構わない。言い換えれば、検知電極2の表面部のうち90%以上が不動態膜2aであればよい。この程度の割合で検知電極2の露出表面21が不動態膜2aによって被覆されていれば、検知電極2の全体に酸化が進行する可能性が効果的に低減される。
ただし、検知電極2の露出表面21は、検知電極2の酸化等をより効果的に抑制する上では、その全面が不動態膜2aで被覆されている方がよい。言い換えれば、検知電極2の露出表面21の全面が不動態膜2aで覆われている場合には、次のような点で有利である。すなわち、この場合には、検知電極2の全体に酸化が進行する可能性がより効果的に低減される。
なお、不動態膜2aが厚過ぎれば、検知電極2の表面部の初期の抵抗(微粒子を含む環境中にセットされる前の抵抗)が大きくなる。そのため、検知電極2(センサ基板4)と外部電気回路との導通抵抗が大きくなって、微粒子の付着による検知電極2の抵抗値の変化が検知されにくくなる。
検知電極2の露出表面21に不動態膜2aを形成するには、例えば上記の焼成を、微量の酸素および水分を含有する雰囲気で行なえばよい。焼成時に、卑金属系材料を含む金属材料の露出表面21に不動態膜2aが生じる。また、上記金属材料で検知電極2を形成した後に、微量の酸素および水分を含む環境中で検知電極2を含むセンサ基板4を熱処理するようにしてもよい。この熱処理によって、金属材料の露出した表面部分が酸化し、不動態膜2aが生じる。
一般には、このようなセンサ基板4の焼成工程では還元雰囲気または不活性雰囲気等の非酸化性雰囲気が用いられるが、非酸化性雰囲気による焼成では不動態膜2aが効果的に形成されない。これに対して、上記のように雰囲気等の焼成条件を設定することによって不動態膜2aを効果的に形成することができる。
不動態膜2aは、例えば検知電極2が主成分として鉄−ニッケル−クロム合金を含有するものである場合には、酸化鉄、酸化クロムおよび酸化クロムのうち少なくとも1種を含む酸化物層である。このように検知電極2の露出表面21が不動態膜2aで被覆されていることによって、検知電極2の露出表面21よりも内側に存在している鉄−ニッケル−クロム合金まで酸化が進行することが抑制される。
不動態膜2aを形成する第1金属材料は、鉄−ニッケル−クロム合金を主成分とするものであってもよい。すなわち、卑金属系材料が鉄−ニッケル−クロム合金であってもよい。この場合の第1金属材料は、主成分である鉄−ニッケル−クロム合金以外に、チタンまたはアルミニウム等の他の卑金属材料を10質量%程度以下の割合で含んでいてもよい。
この場合には、次のような点で有利である。すなわち、この場合の不動態膜2aは、鉄、ニッケルおよびクロムを含む金属材料の酸化によって形成される。そのためには、検知電極2の主成分である第1金属材料が、鉄、ニッケルおよびクロムを含むものとされる。これらの鉄等の金属材料は、例えば上記のように金属ペーストとして用いて、絶縁基板1(セラミックグリーンシート)との同時焼成によって検知電極2を形成することが容易である。また、不動態膜2aの形成が容易であり、検知電極2の内部(内側)への酸化の進行もより効果的に抑制される。また、これらの卑金属材料は、触媒作用を有していない、触媒不活性な金属である。
したがって、不動態膜2aの形成の容易さ、ひいてはセンサ基板4としての測定の精度、信頼性および生産性等を考慮すれば、第1金属材料として、鉄−ニッケル−クロム合金を主成分とする合金材料を用いることがより有利である。
卑金属系材料である鉄−ニッケル−クロム合金からなる第1金属材料の具体的な組成は、例えば鉄(Fe)1〜55質量%、ニッケル(Ni)20〜80質量%、クロム(Cr)10〜25質量%、チタン(Ti)0.1〜5質量%およびアルミニウム(Al)0.1〜5質量%である。
また、ニッケルの含有量が比較的大きい他の例でも構わない。この場合の第1金属材料の組成は、例えば鉄6〜10質量%、ニッケル約73質量%以上、クロム14〜17質量%である。また、クロムの含有量がニッケルと同じ程度に多い他の例でも構わない。この場合の第1金属材料の組成は、例えば鉄約41質量%以上、ニッケル30〜30.5質量%、クロム30〜35.5質量%である。
また、第1金属材料が鉄−ニッケル−クロム合金である上記いずれの例においても、検知電極2には、マンガンまたはアルミニウム等の微量の卑金属材料がさらに含まれていてもよい。また、銅等の卑金属材料以外の微量の金属材料がさらに含まれていてもよい。さらに、炭素、硫黄またはケイ素等の微量の非金属材料がさらに含有されていてもよい。
また、第1金属材料は、鉄およびクロムを主成分とするものであってもよい。この場合の第1金属材料についても、主成分である鉄−クロム合金以外に、チタンまたはアルミニウム等の他の卑金属材料を10質量%程度以下の割合で含んでいてもよい。
この場合にも、このような卑金属系材料を含む不動態膜2aは、鉄およびクロムを含む金属材料の酸化によって形成され、検知電極2に含有される金属材料が、鉄およびクロムを含むものとされる。この金属材料についても、金属ペーストとして用いて、絶縁基板1との同時焼成によって検知電極2を形成することが容易である。また、不動態膜2aの形成が容易であり、検知電極2の内部(内側)への酸化の進行もより効果的に抑制される。また、これらの卑金属は、触媒作用を有していない、触媒不活性な金属である。
したがって、不動態膜2aの形成の容易さ、ひいてはセンサ基板4としての測定の精度、信頼性および生産性等を考慮したときに、第1金属材料は、鉄−クロムを主成分とする合金材料であってもよい。なお、鉄−クロム合金は、前述した鉄−ニッケル−クロム合金からニッケル成分が抜けたものとみなすこともできる。鉄−クロム合金は、鉄−ニッケル−クロム合金に比べて不動態化がより容易であるため、検知電極2の表面部分に不動態膜2aを形成することがより容易である。鉄−クロム合金の組成は、例えば鉄70〜80質量%、クロム20〜30質量%である。また、第1金属材料がさらにアルミニウム等の他の卑金属材料を含むものである場合の組成は、例えば鉄70〜75質量%、クロム20〜25質量%、アルミニウム3〜7質量%である。
なお、不動態膜2aは、図2に示すように、検知電極2の露出表面21を被覆していればよい。検知電極2の表面のうち絶縁基板1と接する部分には不動態膜2aが設けられている必要はない。
また、検知電極2の表面のうち内部配線3と接する部分に不動態膜2aが設けられていない場合には、検知電極2と内部配線3との間の接触抵抗を小さく抑えることが容易である。この場合には、センサ基板4としての電気特性を高める上で有利な構成の内部配線3とすることができる。
不動態膜2aは、例えば、検知電極2が設けられた部分でセンサ基板4を縦断面視可能なように切断し、検知電極2の表面部を電子線マイクロアナライザ(EPMA)分析またはX線回折分析等の方法で分析することによって検出することができる。また、この方法で、不動態膜2aの厚みを測定することもできる。
内部配線3は、例えば検知電極2と同様に第1金属材料を主成分としているものであり、その表面に第1金属材料の不動態膜(図示せず)を有するものであってもよい。また、内部配線3は、白金または金等の酸化しにくい金属からなるものであってもよい。
また、接続パッド5についても、例えば検知電極2と同様の金属材料を用い、同様の方法で作製することができる。ただし、センサ基板4のうち検知電極2およびその周辺(例えば絶縁基板1の上面)のみが、微粒子等が含有されるガスの流路内に露出して用いられる場合であれば、接続パッド5は、上記のような不動態膜を形成しやすい卑金属系材料を含むものでなくても構わない。すなわち、このような場合には、接続パッド5について、高温のガス等によって酸化する可能性が小さいため、必ずしも検知電極2のような耐酸化性を有するものである必要はない。
また、内部配線3および接続パッド5は、被検知物であるすす等の微粒子を検知するものではないため、触媒作用を有する金属材料からなるものであってもよく、それ以外の金属材料からなるものであってもよい。すなわち、内部配線3および接続パッド5は、例えばタングステン、マンガン、コバルト、銅もしくは金、またはこれらの金属材料を含む合金(例えばニッケル−コバルト合金等)であってもよい。内部配線3および接続パッド5について、例えば酸化アルミニウム質焼結体からなる絶縁基板1との同時焼成による形成の容易さ、絶縁基板1の対する接合の強度、および電気抵抗等の特性を考慮して、タングステンを主成分として含有するものが用いられてもよい。
また、接続パッド5の露出表面に、ニッケルおよび金等のめっき層(図示せず)が被着されていてもよい。めっき層の被着によって、例えば接続パッド5の酸化、腐食の抑制、および接続パッド5と外部電気回路とを接続するはんだの濡れ性等の特性の向上が可能である。これによって、センサ基板4としての信頼性等が向上する。
また、検知電極2を形成している第1金属材料は、ケイ化モリブデン(例えばMoSi)を主成分とする卑金属系材料からなるものであってもよい。この場合、ケイ化モリブデンが卑金属系材料である。また、この場合の第1金属材料は、ケイ化モリブデン以外に鉄、ニッケル等の他の卑金属材料を含有していてもよい。また、第1金属材料が、鉄−ニッケル−クロム合金とケイ化モリブデンとを主成分として含有するものであってもよい。
この場合には、例えば前述したガラス成分が検知電極2に含まれているときに、鉄−ニッケル−クロム粒子およびケイ化モリブデンの粒子の間にガラス成分が入りにくくなる。そのため、これらの粒子間へのガラス成分の浸入による過焼結が発生しにくくなる。これによって、検知電極2の耐酸化性がさらに向上する。
検知電極2がケイ化モリブデンを含有する場合の含有量は、例えば約90〜100質量%に設定される。これによって、上記の効果をより確実に得ることができる。
(第2の実施形態)
図3は、第2の実施形態のセンサ基板4における要部を示す断面図である。この要部は、第1の実施形態のセンサ基板4の接続パッド5およびその周辺に相当する。図3において図1と同様の部位には同様の符号を付している。なお、図3では絶縁基板1の下面側の接続パッド5を例として挙げているが、以下に説明する事項は、絶縁基板1の上面の接続パッド5に関しても同様である。
第2の実施形態のセンサ基板4は、この要部以外は第1の実施形態のセンサ基板4と同様である。第1の実施形態と同様の事項については説明を省略する。
第2の実施形態において、第1金属材料は、鉄−ニッケル−クロム合金を主成分とするもの、または鉄−クロム合金を主成分とするものである。この場合の第1金属材料も、チタン等の他の卑金属系材料を含有するものであってもよい。また、接続パッド5は検知電極2と同じ金属材料からなる。すなわち、接続パッド5は、鉄−ニッケル−クロム合金または鉄−クロム合金等の鉄−クロム系合金を主成分とする卑金属系材料からなる第1金属材料を主成分として形成されている。また、この接続パッド5に電気的に接続するようにリード端子6が配置されている。このリード端子6は、接続パッド5の露出表面51の少なくとも一部に設けられた接合層7を介して接続パッド5に接合されている。リード端子6、およびリード端子6とセンサ基板4とを含むリード付きセンサ基板9の詳細については後述する。なお、図3では、リード端子6とセンサ基板4とを別々にして示している。図中の矢印の方向にリード端子6が位置合わせされ、接続パッド5に接合される。
接合層7は、接続パッド5と同じ金属材料を主成分として含有し、アルミニウムおよびケイ素の少なくとも一方を添加材としてさらに含有している第2金属材料によって形成されている。この場合の接続パッド5は検知電極2と同じ金属材料からなる。検知電極2は、鉄−ニッケル−クロム合金または鉄−クロム合金からなる第1金属材料を主成分とするものである。
すなわち、接合層7は、鉄−ニッケル−クロム合金または鉄−クロム合金といった鉄−クロム系合金(第1金属材料)に、アルミニウムおよびケイ素の少なくとも一方が添加された第2金属材料によって形成されている。アルミニウムおよびケイ素は、第1金属材料に比べて第2金属材料の融点を下げるための添加材である。接合層7を形成している第2金属材料は、添加材の作用によって第1金属材料よりも融点が低くなっている。
そのため、接続パッド5上にリード端子6を接合するときに、接続パッド5を溶融させることなく接合層7のみを溶融させることができる。これによって、接続パッド5にリード端子6を容易に接合することができる。
また、このリード端子6の接合時に接続パッド5の部分的な溶融等が生じる可能性が低減されるため、接続パッド5としてのパターンを所定のパターンに維持することが容易である。
また、接続パッド5と同じ金属材料で検知電極2が形成されているときに、リード端子6の接合時における検知電極2の部分的な溶融等によるパターン変形を効果的に抑制することができる。さらに、このパターン変形に起因した検知電極2同士の間の電気絶縁性の低下等を抑制することができる。
なお、接続パッド5は、鉄−クロム合金を主成分としているとともに、アルミニウムを例えば0.1〜5質量程度含有しているものであってもよい。すなわち、接合層7における添加材に相当する成分が接続パッド5に含有されていてもよい。このような場合には、接合層7におけるアルミニウム等の添加材の含有率を、接続パッド5におけるアルミニウム等の含有率よりも0.1〜5.0質量%程度大きくすればよい。
具体例を挙げれば、検知電極2および接続パッド5がともに鉄−クロム−アルミニウム合金である第1金属材料を主成分とするものであり、アルミニウムの含有率が5質量%程度であるときに、接合層7が、鉄−クロム−アルミニウム合金100質量部に外添加でアルミニウムが5質量%添加された第2金属材料で形成される。このときには、検知電極2および接続パッド5の融点はともに約1550℃程度である。これに対して、接合層7の融点は約1450℃程度である。したがって、リード端子6のろう付け温度(ピーク温度等)を約1480℃程度に設定すればよい。
第2金属材料における添加材の含有率は、例えば主成分である鉄−クロム系合金100質量部に対して外添加で0.1〜5.0質量部程度である。添加材の含有率が上記程度であれば、接合層7の融点を、第1金属材料からなる接続パッド5の融点に比べて効果的に低くすることができる。
接合層7は、接続パッド5の露出表面51から絶縁基板1の主面にかけて設けられていてもよい。言い換えれば、絶縁基板1の主面から接続パッド5の露出表面51(例えば側面および上面)にかけて連続して接合層7が被着されていてもよい。接合層7は、絶縁基板1の主面から接続パッド5の露出表面51の全面にかけて連続して覆うものであってもよい。
この場合には、接合層7の添加材であるアルミニウムおよびケイ素が活性な材料であるため、絶縁基板1のアルミナやガラス成分と反応しやすく、互いの化学的な親和性が高い。そのため、接合層7と絶縁基板1とがより強固に接合する。したがって、この場合には、接合層7を介したリード端子6と接続パッド5との接合の強度の向上に対してより有効である。
なお、アルミニウムの方が、ケイ素に比べて酸化アルミニウム質焼結体等からなる絶縁基板1に対する接合の活性度がより高い。したがって、接合層7が絶縁基板1の主面まで設けられているときには、上記のような絶縁基板1に対する接合の強度の向上の観点からは、アルミニウムの方が添加材として好ましい。
(センサ装置)
例えば上記第1または第2の実施形態のセンサ基板4と、検知電極2に電位を供給する電源部11とによって、実施形態のセンサ装置10が形成されている。以下の説明においては第1の実施形態のセンサ基板4に電源部11が電気的に接続されて形成されたセンサ装置10を例に挙げて説明する。第2の実施形態のセンサ基板4を用いた場合でも、以下の例と同様の効果を有するセンサ装置10を、同様の方法で製作することができる。
電源部11の異なる電極(正極および負極等)は、互いに異なるリード端子6に接続されている。センサ装置10について、電源部11から検知電極2に約50ボルト(V)の電位が供給され、この電位による漏れ電流が検知される。この漏れ電流の値によって検知電極2の抵抗値が検出される。検知電極2の抵抗値は、例えば外部の測定検知回路(図示せず)によって測定される。また、この絶縁基板1に、検知電極2の抵抗値の測定用回路(図示せず)が配置されていてもよい。
電源部11は、例えばすす検出回路としては、外部電源(図示せず)に電気的に接続された端子および整流器、変圧回路等であり、外部電源から所定の電力が伝送される部分である。伝送された電力が電源部11において検知電極2の抵抗値の測定に適した条件に整えられ、検知電極2に伝送される。
電源部11と検知電極2との電気的な接続は、例えば前述した接続パッド5と内部配線3とを介して行なわれる。なお、図1においては、接続パッド5と電源部11とを電気的に接続する導電性接続材等の接続用の導体を仮想線(二点鎖線)で模式的に示している。
上記実施形態のセンサ装置10は、上記構成のセンサ基板4を有していることから、検知の精度が高い。例えば、検知電極2が白金からなり、微粒子であるすすが検知される雰囲気(排気ガス)の温度が約550℃程度の場合には、白金の触媒反応によってすすが分解してしまい、すすが有効に検知されない。これに対して、実施形態のセンサ基板4であれば、検知電極2が触媒不活性であるため、すすの分解が抑制され、微粒子としてのすすの含有率が高い精度で検知される。
(変形例)
図4(a)は図1に示すセンサ基板4およびセンサ装置10の変形例を示す上面図であり、図4(b)は図1に示すセンサ基板4およびセンサ装置10の他の変形例を示す断面図である。図4において図1および図3と同様の部位には同様の符号を付している。
(第1の変形例)
図4(a)に示す例では、検知電極2が櫛歯状パターンである。また、2つの検知電極2が、互いにかみ合うような位置関係で配置されている。この場合には、例えば平面視における絶縁基板1の大きさをできるだけ小さく抑えながら、検知電極2の検知に寄与する部分の長さをより長くすることができる。検知電極2の検知に寄与する部分の長さが長いほど、検知電極2としての抵抗値の変化が大きくなりやすい。また、ガス中の微粒子の検知が容易になる。すなわち、ガス中の微粒子の含有量が小さい場合でも、その微粒子をより確実に検知することができる。
したがって、この場合には、ガス中の微粒子の検知の精度および感度の向上ならびに平面視における小型化の点でより有利なセンサ基板4およびセンサ装置10を提供することができる。
なお、図4(a)では、電源部11と検知電極2との電気的な接続を行なう接続パッド5等の導体を仮想線(二点鎖線)で模式的に示している。
(第2の変形例、リード付きセンサ基板)
図4(b)に示す例では、絶縁基板1の上面および下面の接続パッド5のそれぞれにリード端子6が接合されて、リード付きセンサ基板9が形成されている。リード端子6は、例えば上記のような接合層7を介して接続パッド5に接合されている。
この場合には、リード端子6のうち接続パッド5に接合されている端部と反対側の端部が外部電気回路の所定部位に接合され、電気的に接続される。すなわち、リード端子6を介してセンサ基板4(センサ装置10)の外部電気回路に対する電気的および機械的な接続が行なわれる。電源部11の異なる電極(正極および負極等)は、互いに異なるリード端子6に接続されている。リード端子6を介したセンサ基板4と外部電気回路との機械的な接続が行なわれる場合には、リード端子6の弾性変形によって、センサ基板4の絶縁基板1と外部電気回路が設けられている樹脂基板等の外部基板(図示せず)との熱膨張差に起因した熱応力等の応力の緩和がより容易になる。したがって、この場合には、外部接続の信頼性等の向上に有利なセンサ基板4およびセンサ装置10を提供することができる。
リード端子6は、接続パッド5と同様に、微粒子の検知のためのものではない。そのため、リード端子6を形成する材料は、その用いられる環境、センサ基板4としての生産性および経済性等の条件に応じて、適宜選択されて構わない。例えば、リード端子6が白金または金等の耐酸化性に優れた金属材料からなるものであれば、センサ装置10としての信頼性の点で有利である。また、リード端子6は、経済性等を重視して、鉄−ニッケル−コバルト合金等の鉄系合金、または銅等からなるもので形成しても構わない。また、リード端子6が鉄系合金からなるときに、その露出する表面が金めっき層等のめっき層で保護されていてもよい。
リード端子6の接続パッド5に対する接合は、接合層7に限らず、例えば銀ろう(銀銅ろう材)または金ろう等のろう材(図示せず)によって行なわれていてもよい。ろう材についても、リード端子6と同様に、センサ基板4が製造または使用されるときの種々の条件に応じて、適宜その材料が選択される。
なお、リード端子6が接続パッド5に接合される場合に、リード端子6と接続パッド5とを接合する材料としては、その材料の接続パッド5に対する接合の強度、作業性および経済性等を考慮すれば、接合層7が用いられる。例えば、図4(b)の例のようにセンサ基板4として第2の実施形態のセンサ基板4を用いる。言い換えれば、接続パッド5とリード端子6とを接合する接合用の材料は、実用上、第2の実施形態における接合層7(溶融した後に固化したもの)が適している。
第2の実施形態のセンサ基板4においては、接続パッド5上に接合層7が設けられているため、接合層7を介してリード端子6を接続パッド5により容易に、かつ強固に接合することができる。
リード付きセンサ基板9においては、リード端子6のろう付け時の加熱によって第2金属材料の各成分(鉄、クロムおよびアルミニウム等)は溶融した後に固化、再結晶化している。そのため、鉄−クロム系合金とアルミニウム等の添加材とは、接合層7において、互いに多結晶の構造でほぼ均一に分布し合っている。
また、接続パッド5が絶縁基板1の下面から側面(端面)まで延びていてもよい。また、リード端子6が絶縁基板1の下面以外の露出表面に設けられていてもよい。
また、絶縁基板1の上面および下面のいずれか一方の面の接続パッド5のみについてリード端子6の接合に接合層7が用いられていてもよく、上下面のいずれか一方のみにリード端子6が配置されていてもよい。
表1に示す組成の検知電極を有する実施例のセンサ基板および比較例のセンサ基板を作製して、ガス中の微粒子としてすすの検知精度をそれぞれ確認した。それぞれの検知電極は、線幅およびギャップ(隣接間隔)がともに約100μmの櫛歯状パターンとした。表1における組成について、元素名に続く数値が、検知電極におけるその元素の含有率(質量%)を示す。
すすの検知精度は、所定の含有率ですすを含有させたガスを送る流路中にセンサ基板をセットしてすすの含有率を測定し、その測定結果(実験値)と上記所定の含有率(理論値)とを比較することによって評価した。その際のすすにはディーゼルエンジンからの排気に含まれるすすを用い、ガス中のすす含有量は約10mg/mに設定した。
実施例のセンサ基板は、検知電極を表1の組成(実験ナンバー3〜9および11)の卑金属系材料によって形成した。酸素を含む雰囲気で焼成を行ない、不動態膜を形成した。比較例のセンサ基板は、表1に示す単一組成の金属材料(実験ナンバー1および2)によって検知電極を形成した。また、他の比較例のセンサ基板(実験ナンバー10および12)は、還元雰囲気で焼成を行ない、不動態膜を形成しないようにした。
形成した検知電極については、検知電極の表面部を電子線マイクロアナライザ(EPMA)で分析して、不動態膜の有無を確認した。
Figure 0006272492
これらの実施例および比較例のセンサ基板について、表1に示す温度で上記ガス中のすすの検知を行なった。検知の結果、ガス中のすすの含有量の上記理論値と実験値との比(実験値/理論値)が0.8〜1.2のものを可(○)とし、0.8未満のものおよび1.2を超えるものを不可(×)とした。また、実験値/理論値が0.9〜1.1のものを特に良好なもの(◎)とした。
その結果、卑金属系材料である鉄、ニッケルおよびクロムを含有し、不動態膜を有する実験ナンバー3〜9および11は、約600℃の高温のガスに対してもすすの検知精度が良好であることが確認できた。これに対し、不動態膜を有していない実験ナンバー1、2、10および12については、ガスの温度が400℃以上においてすすの検知精度が低下し、不可の判定になった。なお、資料ナンバー2(タングステンからなる検知電極)、10および12は、検知電極において酸化の進行が認められ、これによって検知精度が低下した。また、資料ナンバー1(白金からなる検知電極)は、検知電極の酸化は見られなかったものの検知精度が低下した。これは、白金の触媒作用によって高温環境下ですすの分解が進んだことによると推定した。
また、資料ナンバー7〜9および11の組成の検知電極は、特に検知精度が高い。これらの例においては、鉄の含有率が8〜50質量%(特に約50質量%)であり、ニッケルの含有率が約28〜76質量%(特に約30質量%)であり、クロムの含有率が16〜20質量%(特に約20質量%)であった。ニッケルの含有率が約30質量%(28〜30質量%等)と比較的小さいときには、鉄が約50質量%(48〜50質量%等)であり、クロムが約20質量%(19〜20質量%程度)に設定されている例で、高い検知精度が得られた。
ニッケルの含有率が約76質量%と比較的大きいときには、鉄が約8質量%であり、クロムが約16質量%に設定されている例で、高い検知精度が得られた。また、鉄、ニッケル、クロムが上記範囲であって、チタンまたはアルミニウムがさらに5質量%程度含有されているときにも高い検知精度が得られた。
1・・・絶縁基板
2・・・検知電極
21・・・(検知電極の)露出表面
2a・・不動態膜
3・・・内部配線
4・・・センサ基板
5・・・接続パッド
51・・・接続パッドの露出表面
6・・・リード端子
7・・・接合層
9・・・リード付きセンサ基板
10・・・センサ装置
11・・・電源部

Claims (6)

  1. 主面を有する絶縁基板と、
    微粒子の分解反応に対して触媒不活性な卑金属系材料からなる第1金属材料を主成分としているとともに前記絶縁基板の前記主面に設けられた検知電極とを備えており、
    前記第1金属材料が鉄−ニッケル−クロム合金を主成分としているとともに、前記検知電極の露出表面が前記第1金属材料の不動態膜によって被覆されており、
    前記検知電極と同じ金属材料からなり、前記絶縁基板の前記主面を含む露出表面に設けられた接続パッドをさらに備えており、
    該接続パッドの露出表面の少なくとも一部に、該接続パッドと同じ金属材料を主成分として含有し、アルミニウムおよびケイ素の少なくとも一方を添加材としてさらに含有する第2金属材料からなる接合層が設けられていることを特徴とするセンサ基板。
  2. 主面を有する絶縁基板と、
    微粒子の分解反応に対して触媒不活性な卑金属系材料からなる第1金属材料を主成分としているとともに前記絶縁基板の前記主面に設けられた検知電極とを備えており、
    前記第1金属材料が鉄−クロム合金を主成分としているとともに、前記検知電極の露出表面が前記第1金属材料の不動態膜によって被覆されており、
    前記検知電極と同じ金属材料からなり、前記絶縁基板の前記主面を含む露出表面に設けられた接続パッドをさらに備えており、
    該接続パッドの露出表面の少なくとも一部に、該接続パッドと同じ金属材料を主成分として含有し、アルミニウムおよびケイ素の少なくとも一方を添加材としてさらに含有する第2金属材料からなる接合層が設けられていることを特徴とするセンサ基板。
  3. 前記検知電極の露出表面の全体において前記第1金属材料の不動態膜が一様な厚さであることを特徴とする請求項1または請求項2記載のセンサ基板。
  4. 前記接合層が、前記接続パッドの前記露出表面から前記絶縁基板の前記主面にかけて設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2記載のセンサ基板。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれかに記載のセンサ基板と、
    前記接合層を介して前記検知電極に接合されたリード端子とを備えることを特徴とするリード付きセンサ基板。
  6. 請求項1〜請求項4のいずれかに記載のセンサ基板と、
    前記検知電極に電位を供給する電源部とを備えることを特徴とするセンサ装置。
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