JP4471765B2 - 配線基板およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば、DNA(デオキシリボ核酸)やたんぱく質などの検体を照合、合成、増幅するための溝付きの配線基板等において、配線基板での諸反応温度を正確に安定して計測でき、DNA解析の信頼性の向上や照合時間を短縮させることができる配線基板に関する。
従来から、DNAやたんぱく質などの検体を解析、照合、合成、増幅するための溝付きの配線基板として、セラミックスから成る絶縁基板に配線導体や溝加工を施した配線基板が知られている。
このような配線基板は、セラミックグリーンシート(セラミック生シートで、以下、グリーンシートともいう)積層法によって以下のように製作される。まず、アルミナ等から成るセラミック原料粉末にガラス粉末,樹脂バインダ,溶剤,可塑剤等を添加混合して泥漿状となし、これをドクターブレード法やカレンダーロール法等によってシート状に成形してグリーンシートを得、それに溝や穴をプレス打抜き加工法等によって形成する。その後、グリーンシート表面にタングステン(W)、モリブデン(Mo)等の金属粉末に所望のガラス粉末,樹脂バインダ,溶剤,可塑剤等を添加混合して得られる金属ペーストをスクリーン印刷法により所定パターンに印刷塗布する。しかる後、このグリーンシートを複数枚積層して積層体となすとともに、この積層体を1650℃程度の温度で焼成することによって製作される。
また、このような、DNAの解析、照合用等に使用する配線基板は、DNAの2鎖を1鎖に分解する分鎖作業を行なうために加熱機能と測温機能が必要となる。加熱機能は、一般的に、配線基板内部に形成された、高抵抗材料の白金−レニウム(Pt−Re)やタングステン−レニウム(W−Re)から成るヒーターから構成される。
また、測温機能は、アルメル−クロメル熱電対,鉄(Fe)−コンスタンタン熱電対,クロメル−コンスタンタン熱電対,白金(Pt)−白金ロジウム(Pt−Rh)合金熱電対等の熱電対の素線を、配線基板の温度測定部近傍に穴を設け、その穴に線状の熱電対を挿入し温度測定を行なう方法、配線基板上に熱電対の取付け治具をロウ材や耐熱性接着剤等を用いて接合し、その取付け治具に線状の熱電対を固定し温度測定を行なう方法、または軟化点が350〜500℃程度の低軟化点ガラスや耐熱性接着剤等を用いて配線基板に直接固定し温度測定を行なう方法等が一般的に行なわれている。
しかしながら、上記のような、熱電対を配線基板に直接取付ける方法においては、配線基板上において熱電対を取付けるための面積を確保する必要があり、小型化、高密度化が進む配線基板においては熱電対を取付けるための面積が確保できないため、上記の方法を用いるのは困難な状況になりつつある。特に、DNAなどの検体を照合、合成、増幅するための溝付きの配線基板においては、検体を液状の試薬中で泳動させるための溝の幅が小型化により年々細くなってきており、熱電対の素線を配線基板の表面に取付けるための面積は確保できなくなる傾向にある。また、強酸性、強アルカリ性の化学薬品による処理が検体を照合、合成、増幅する過程において施されるために、金属のロウ材や取付け金具は化学薬品により侵食されるので使用に制限が生じる。
そこで、近年、配線基板内部に熱電対を形成する方法として、アルミナ等から成るグリーンシートに、配線導体と成るタングステン(W),モリブデン(Mo)等の金属ペーストを印刷形成するとともに、熱電対と成る白金と白金−ロジウム合金との金属ペーストを印刷形成してグリーンシートを積層し、1650℃程度で焼成する方法が実施されるようになってきている。
特開昭54−137141号公報 特開平11−214127号公報
しかしながら、上記従来の配線基板内部に熱電対を形成する方法においては、熱電対として白金(Pt)−白金ロジウム(Pt−Rh)合金熱電対を用いているので、DNA解析における検体の分解温度や、ICチップの自己発熱温度または使用環境温度である300℃以下の温度において、発生する起電力が100〜2400μV程度と小さい。そのため、電圧計測機器の配線や接続線等により発生するノイズや使用雰囲気によるドリフトにより測定精度が安定せず、測定起電力に補正を加えて使用することが必要であるという問題点があった。
この問題点を解決する手段として、300℃時の起電力が12209μVであり、白金(Pt)−白金ロジウム合金(Pt−Rh)熱電対の約5倍の大きな起電力を得ることが可能であり、電圧計測機器の配線や接続線等により発生するノイズに起電力値が埋もれることが無く補正を加えなくても安定した測定精度が得られる、アルメル−クロメル熱電対や鉄(Fe)−コンスタンタン熱電対,クロメル−コンスタンタン熱電対等の比較的低融点の金属からなる熱電対を使用することが考えられる。
しかしながら、これらの比較的低融点の金属からなる熱電対は、それを構成する金属の融点が900〜1700℃程度であることから、使用限界温度が800〜1000℃程度である。その結果、従来のアルミナ等から成るグリーンシートに、配線導体としてタングステン(W),モリブデン(Mo)等の金属ペーストを、熱電対として白金と白金ロジウム合金の金属ペーストを印刷形成してグリーンシートを積層し、1650℃程度で焼成する方法においては、熱電対の金属接点において、熱電対を構成する金属同士の相互拡散が進み熱電対としての機能を失うという問題点があった。
また、300℃時の起電力が12209μVであり、白金(Pt)−白金ロジウム合金(Pt−Rh)熱電対の約5倍の大きな起電力を得ることが可能なアルメル−クロメル熱電対を、グリーンシートに印刷するかもしくは搭載し、その後グリーンシートの複数枚を積層し、1650℃程度で焼成する製造手法を例にとると、この熱電対の基本組成を成す金属はニッケル(Ni)であるが、ニッケルは空気中で加熱すると酸素と結合し酸化ニッケル(NiO)を形成していく。この酸化過程において、950℃以下では酸素欠陥を有した酸化ニッケル(NiO1.2)を形成するが、これは酸化膜が薄く、欠陥を有しているので金属ニッケルとしての性質を維持している。しかしながら、950℃を超えると、ニッケルの酸化が進み酸化ニッケル(NiO)を形成し、これは酸化膜の欠陥がほとんど無く抵抗率が10Ωcmと非常に高いため、金属ニッケルとしての特性を示さない。そのため、配線基板内部で異種金属組成の内層配線導体と接合する場合、この酸化ニッケル膜が非常に安定であり不活性であるために、内層配線導体と構造的および電気的に接続できず絶縁するという問題点もあった。
一方、金属の表面酸化を防ぐ手法として、金属表面の酸化を防ぐことができる金(Au),白金(Pt)、パラジウム(Pd)等の比較的化学的に安定した金属を、めっき法や蒸着法で金属表面に被着させ酸化を防ぐ手法が取られている。しかしながら、この手法においては、めっき工程や蒸着の前処理工程が必要となる。また、めっき法や蒸着法は電子の授受をもって被形成体に膜を形成するものであり、その加工法の性質上、膜の厚みムラや膜の欠けが生じる可能性がある。その結果、被形成体である金属の表面が酸化するという問題点があった。
更に、金属の表面酸化を防ぐ手法として、焼成雰囲気を窒素(N)等の非酸化性雰囲気として焼成する方法、水素(H)と窒素(N)等の還元雰囲気にて焼成する方法が挙げられるが、通常、セラミックスの焼成ではセラミックグリーンシート内の樹脂バインダを酸素(O)と反応させ二酸化炭素(CO)として気化させて焼成される。焼成雰囲気を窒素(N)や、水素(H)と窒素(N)の混合雰囲気とした場合、この二酸化炭素(CO)が生成されないため、セラミックス内に炭素(C)が残留し、配線間の絶縁抵抗を低下させる問題が発生する。
本発明は、上記従来技術の問題点を解決すべく完成されたものであり、その目的は、熱電対を内蔵した配線基板において、配線基板の使用温度域である300℃以下での温度測定を行なった場合に、計測機器の配線や接続線等により発生するノイズや使用雰囲気によるドリフトによって測定精度低下が発生せず、測定起電力に補正を加えることもなく安定した測定が可能となるため、配線基板に内蔵される熱電対表面の酸化を防止することで、配線基板内の配線導体と熱電対とを十分に接合させることができ、その結果、配線基板に搭載されるICチップの熱による誤動作や動作停止を容易に防止し、さらに、化学薬品の処理に対しても安定した特性を維持することが可能な熱電対を内蔵した配線基板を得ることにある。
本発明の配線基板は、ガラスセラミックスから成る複数の絶縁層が積層されて成る絶縁基板と、前記絶縁基板の表面および前記絶縁層の層間に形成された配線導体と、該配線導体に電気的に接続された熱電対とを具備しており、前記熱電対は前記配線導体との接合面に非酸化層が形成されており、前記熱電対と前記配線導体との間に前記配線導体を成す金属とアルカリ金属とを含む接続配線部が形成されていることを特徴とする。
本発明の配線基板は好ましくは、前記配線導体は、銀、銅、パラジウムおよび白金のうちの少なくとも一種から成ることを特徴とする。
また、本発明の配線基板は好ましくは、前記アルカリ金属は、ナトリウムまたはカリウムから成るとともにホウ酸化物として前記接続配線部に含まれていることを特徴とする。
また、本発明の配線基板は好ましくは、前記接続配線部は、その幅が前記熱電対の幅よりも大きいことを特徴とする。
本発明の配線基板の製造方法は、上記本発明の配線基板の製造方法であって、ガラスセラミックグリーンシートの主面に、前記配線導体と成る第1の導体ペースト層を印刷する工程と、前記ガラスセラミックグリーンシートの主面および前記第1の導体ペースト層の一部を覆って前記配線導体を成す金属と水素化ホウ素塩とから成る、前記接続配線部と成る第2の導体ペースト層を印刷する工程と、前記ガラスセラミックグリーンシートの主面および前記第2の導体ペースト層上に、前記熱電対を位置決めし載置するかまたは前記熱電対と成る第3の導体ペースト層を印刷する工程と、前記ガラスセラミックグリーンシートおよび他のガラスセラミックグリーンシートを複数枚加圧積層して積層体を作製する工程と、前記積層体を焼成する工程とを具備することを特徴とするものである。
本発明の配線基板の製造方法は好ましくは、前記配線導体は、銀、銅、パラジウムおよび白金のうちの少なくとも一種から成ることを特徴とする。
また、本発明の配線基板の製造方法は好ましくは、前記水素化ホウ素塩は、水素化ホウ素ナトリウムまたは水素化ホウ素カリウムから成ることを特徴とする。
また、本発明の配線基板の製造方法は好ましくは、前記接続配線部は、その幅が前記熱電対の幅よりも大きいことを特徴とする。
本発明の配線基板は、熱電対は配線導体との接合面に非酸化層を有し、熱電対と配線導体との間に配線導体を成す金属とアルカリ金属とから成る接続配線部を形成したことから、熱電対と配線導体との接合面に酸化膜が存在しないため、熱電対と配線導体の構造的および電気的接続を確実なものとすることができる。また、ガラスセラミックスを絶縁層としたことから、1000℃以上の焼成では溶融し配線導体を形成することができない、低融点かつ低抵抗の金属を配線導体として形成することができるとともに、アルメル−クロメル熱電対や鉄(Fe)−コンスタンタン熱電対,クロメル−コンスタンタン熱電対等の比較的低融点の金属からなる起電力が大きい熱電対を使用することができる。その結果、ICチップが搭載される配線基板における使用温度域である300℃以下で熱電対の起電力が小さいことに起因する計測機器の配線や接続線等により発生するノイズや使用雰囲気によるドリフトによって測定精度が安定しないという問題を効果的に抑制することができ、測定起電力に補正を加えて使用する必要性をなくすことができる。
本発明の配線基板において好ましくは、配線導体は、銀、銅、パラジウム、白金のうち少なくとも一種から成ることから、配線導体が抵抗率が1.59〜1.67μΩcmと低いものから成ることから、熱電対の起電力を低下させることなく計測機器へ伝達することができ、精度の高い測定をすることができる。
また、本発明の配線基板において好ましくは、接続配線部のアルカリ金属は、ナトリウムまたはカリウムから成るとともにホウ酸化物として接続配線部に含まれていることから、上記ホウ酸化物は500℃以上で分解する性質を有しているため、熱電対と配線導体の焼結が開始される500〜600℃の温度域で熱電対の表面酸化膜を還元することができる。
また、本発明の配線基板において好ましくは、接続配線部はその幅が熱電対の幅よりも大きいことから、接続配線部の熱電対との接合面積が大きくなり、接続配線部の熱電対との接合部の抵抗値が大きくなることを効果的に抑制することができる。
本発明の配線基板の製造方法は、ガラスセラミックグリーンシートの主面に、配線導体と成る第1の導体ペースト層を印刷する工程と、ガラスセラミックグリーンシートの主面および第1の導体ペースト層の一部を覆って配線導体を成す金属と水素化ホウ素塩とから成る、接続配線部と成る第2の導体ペースト層を印刷する工程と、ガラスセラミックグリーンシートの主面および第2の導体ペースト層上に、熱電対を位置決めし載置するかまたは熱電対と成る第3の導体ペースト層を印刷する工程と、ガラスセラミックグリーンシートおよび他のガラスセラミックグリーンシートを複数枚加圧積層して積層体を作製する工程と、積層体を焼成する工程とを具備することから、焼成工程において、配線導体を成す金属と水素化ホウ素塩から成る接続配線部の水素化ホウ素塩とが、熱電対表面の酸化膜を還元し、熱電対の配線導体との接合面の酸化膜を除去することができ、熱電対の配線導体との接合面に非酸化層を形成することと、熱電対と配線導体との間に配線導体を成す金属とアルカリ金属とから成る接続配線部を容易に形成することができる。
本発明の配線基板の製造方法において好ましくは、水素化ホウ素塩は水素化ホウ素ナトリウムまたは水素化ホウ素カリウムから成ることから、水素化ホウ素ナトリウムまたは水素化ホウ素カリウムの分解温度が500℃以上であるため、焼成工程における熱電対と配線導体の金属の反応において、効果的に熱電対表面の酸化膜を還元することができる。
また、本発明の配線基板の製造方法において好ましくは、接続配線部はその幅が熱電対の幅よりも大きいことから、熱電対と接続配線部との接合面積を大きくすることができるため、接続配線部に含まれる水素化ホウ素塩の還元効果を熱電対表面の酸化膜に充分に行き渡らすことができ、熱電対表面の酸化膜を効果的に還元することができる。
以上より、例えばDNAやたんぱく質などの検体を照合、合成、増幅するための溝付きの配線基板において、配線基板上での諸反応温度を正確に安定して計測できるため、検体の照合不良や合成不良、増幅率低下が発生するという問題の発生を防止できるので、DNA解析の信頼性を向上させることができ、照合時間を短縮させることが可能となる。
本発明の配線基板を以下に説明する。図1,図2は本発明の配線基板の実施の形態の一例を示し、図1の(a)は内層の構成を一部示す部分切欠斜視図、(b)は斜視図である。図2は配線基板の断面図である。図1および図2において、1は複数の絶縁層が積層されて成る絶縁基板、2は絶縁基板1の上側の主面に形成された配線導体、3は内層配線導体、4は貫通導体、5は線状の熱電対(熱電対素線)である。また、6は熱電対5に接合され、熱電対の起電力を外部へ引き出す引き出し配線、7は熱電対と引き出し配線(配線導体)6との間の接続配線部、8は耐薬品性の保護膜を有するICチップ、9はDNAやたんぱく質を泳動させる溝である。
本発明において、絶縁層1はガラスセラミックス質焼結体から成る。ガラスセラミックス質焼結体は、ガラス成分とフィラー成分とから成るが、ガラス成分としては、例えばSiO−B系、SiO−B−Al系、SiO−B−Al−MO系(但し、MはCa,Sr,Mg,BaまたはZnを示す)、SiO−Al−MO−MO系(但し、MおよびMは同じまたは異なっており、Ca,Sr,Mg,BaまたはZnを示す)、SiO−B−Al−MO−MO系(但し、MおよびMは上記と同じである)、SiO−B−M O系(但し、MはLi、NaまたはKを示す)、SiO−B−Al−M O系(但し、Mは上記と同じである)、Pb系ガラス、Bi系ガラス等が挙げられる。
また、フィラー成分としては、例えばAl,SiO,ZrOとアルカリ土類金属酸化物との複合酸化物、TiOとアルカリ土類金属酸化物との複合酸化物、AlおよびSiOから選ばれる少なくとも1種を含む複合酸化物(例えばスピネル,ムライト,コージェライト)等が挙げられる。
配線導体2、内層配線導体3および貫通導体4は、例えば、銀(Ag),銅(Cu),パラジウム(Pd),白金(Pt)等の金属の粉末を主成分とするメタライズ金属からなる。このメタライズ金属は、上記金属の粉末を含む導体ペーストを焼結させることにより得られるが、導体ペーストの焼成収縮とガラスセラミックスの焼成収縮とを合わせたり、ガラスセラミックス質焼結体から成る絶縁基板1との接合強度を確保したりするために、導体ペースト中にガラス粉末やセラミック粉末を添加してもよい。また、配線導体2、内層配線導体3および貫通導体4は、それぞれ添加するガラス粉末やセラミック粉末の種類および添加量が異なっていてもよい。
線状の熱電対5は、例えばアルメル−クロメル熱電対や鉄(Fe)−コンスタンタン熱電対,クロメル−コンスタンタン熱電対等が挙げられるが、特に工業用として最も多く使用されているアルメル−クロメル熱電対が最良の結果が得られた。
線状の熱電対5と接合され、熱電対5の起電力を外部へ引き出すための引き出し配線6は、例えば、銀,銅等の金属の粉末を主成分とするメタライズ層からなる。このメタライズ層は、上記金属の粉末を含有する導体ペーストを焼結させることにより得られるが、導体ペーストの焼成収縮とガラスセラミックスの焼成収縮とを合わせたり、ガラスセラミックス質焼結体から成る絶縁基板1との接合強度を確保したりするために、導体ペースト中にガラス粉末やセラミック粉末を添加してもよい。
線状の熱電対5と引き出し配線6との間の接続配線部7は、例えば、銀(Ag)と水素化ホウ素ナトリウム(NaBH)、または銅(Cu)と水素化ホウ素ナトリウム(NaBH)から成る粉末を主成分とするメタライズ層からなる。このメタライズ層をガラスセラミックグリーンシート上にパターン印刷し形成した、銀(Ag),銅(Cu),パラジウム(Pd),白金(Pt)等からなる引き出し配線6の上にスクリーン印刷等でパターン印刷し接続配線部7を形成する。接続配線部7は、熱電対5の感温部、すなわちアルメルとクロメルとの接合部には形成してはならない。これは、例えばアルメルとクロメルにまたがって導電性物質が接触すると、アルメルとクロメルとの電位差がなくなり、起電力が発生せず、熱電対5として機能しなくなるためである。
ここで、下記表1および図3のグラフは、本発明の配線基板においてアルメル−クロメル熱電対を用いた場合の−40℃〜300℃での起電力曲線を測定した結果を示しており、起電力の理論値とほぼ一致した特性を得ることができた。
Figure 0004471765
そして、本発明の配線基板は以下のようにして作製される。本発明の配線基板の絶縁基板1がガラスセラミックス質焼結体から成る場合、まずセラミック粉末,ガラス粉末等の原料粉末に所望の樹脂バインダ,可塑剤,有機溶剤等を添加混合して泥漿状となし、これを従来周知のドクターブレード法やカレンダーロール法によりシート状に成形してグリーンシートを作製する。また、銅,銀等の低融点金属の粉末に所望のガラス粉末,樹脂バインダ,溶剤,可塑剤等を添加混合して導体ペーストを作製する。
次に、DNAやたんぱく質を泳動させる溝9を形成するために、溝パターンが凸状に形成された金型等を用いて、50〜150℃の温度と3〜200MPaの圧力でグリーンシートを加圧し、グリーンシートの表面に所定パターンの溝9を形成する。
次に、溝9を形成したグリーンシートに、例えば打ち抜き法により貫通導体4を形成するための貫通孔を形成し、例えばスクリーン印刷法によりその貫通孔に導体ペーストを充填する。続いて、配線導体2や内層配線導体3、引き出し配線6となる導体ペースト層を、各グリーンシートの表面に所定パターンで印刷塗布する。
次に、溝9を形成したグリーンシートの下層にあたるグリーンシートに、例えば打ち抜き法により貫通導体4を形成するための貫通孔を形成し、スクリーン印刷法によりその貫通孔に導体ペーストを充填する。続いて、配線導体2や内層配線導体3、引き出し配線6となる導体ペースト層を、各グリーンシートの表面に所定パターンで印刷塗布する。
次に銀(Ag)と水素化ホウ素ナトリウム(NaBH)から成る粉末に所望のガラス粉末,樹脂バインダ,溶剤,可塑剤等を添加混合して接続配線部7用のペーストを作製する。本例においては、水素化ホウ素ナトリウム(NaBH)の添加量は銀(Ag)に対して5wt%とした。その後、引き出し配線6の所定位置に重なるように接続配線部7用のペーストをスクリーン印刷し、接続配線部7用を形成する。本例においては接続配線部7を15μmにて印刷形成した。
本例においては、熱電対5の径を0.2mm、引き出し配線6の配線幅を0.4mmとした。しかる後、導体ペーストが印刷塗布された溝を形成したグリーンシートの下層にあたるグリーンシート上の接続配線部7の所定位置に、熱電対5を位置決めして搭載し、その後、3〜200MPaの圧力でグリーンシートを加圧し熱電対5をグリーンシートに固定する。
次に、溝9を形成したグリーンシートと、その下層にあたるグリーンシートとを重ねて積層し、必要に応じて50〜100℃の温度で3〜200MPaの圧力で圧着し、大気中で約800〜950℃の温度で焼成する。焼成温度の上昇とともに、熱電対5の表面に酸化ニッケル(NiO)が形成されるが、水素化ホウ素ナトリウムが500〜600℃で分解し熱電対5の表面を還元させ非酸化層を形成する。非酸化層の厚みは300〜1000nm程度である。この作用により熱電対5と引き出し配線6は接続配線部7を介して電気的に接続される。
その後、絶縁基板1の主面に露出する配線導体2や引き出し配線6の表面に、腐食防止等のためにニッケルめっき層、パラジウムめっき層および金めっき層等を被着させるとよい。
上記のようにして製造された本発明の配線基板は、複数の絶縁層が積層されて成る絶縁基板1と、絶縁層の層間および絶縁層の表面に形成された配線導体2と、配線導体2に電気的に接続される熱電対とを具備し、絶縁層はガラスセラミックスから成り、配線導体2は、銀,銅またはそれを主成分とする合金から成るとともに、熱電対5との接続部に銀,パラジウム,金またはそれらの少なくとも1種を含む合金から成る接続配線部7が形成されているものとなる。これにより、DNAなどの検体を照合、合成、増幅するための溝付きの配線基板において、配線基板上での諸反応温度を正確に安定して計測できるため、検体の照合不良や合成不良、増幅率低下が発生するという問題を防止できるので、DNA解析の信頼性を向上させることができ、照合時間を短縮させることが可能となる。
なお、本発明は上述の実施の形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変更は可能である。例えば、線状の熱電対5と引き出し配線6との間の接続配線部7は、例えば、銀(Ag)と水素化ホウ素カリウム(KBH)、または銅(Cu)と水素化ホウ素カリウム(KBH)から成っていても良い。
(a),(b)は本発明の配線基板の実施の形態の一例を示し、(a)は内層の構成を一部示す部分切欠斜視図、(b)は斜視図である。 本発明の配線基板の実施の形態の一例を示す断面図である。 本発明の配線基板について、アルメル−クロメル熱電対を用いた場合の起電力曲線を測定した結果を示すグラフである。
符号の説明
1:絶縁基板
2:配線導体
3:内層配線導体
4:貫通導体
5:熱電対
6:引き出し配線
7:接続配線部
8:ICチップ
9:溝

Claims (8)

  1. ガラスセラミックスから成る複数の絶縁層が積層されて成る絶縁基板と、該絶縁基板の表面および前記絶縁層の層間に形成された配線導体と、該配線導体に電気的に接続された熱電対とを具備しており、前記熱電対は前記配線導体との接合面に非酸化層が形成されており、前記熱電対と前記配線導体との間に前記配線導体を成す金属とアルカリ金属とを含む接続配線部が形成されていることを特徴とする配線基板。
  2. 前記配線導体は、銀、銅、パラジウムおよび白金のうちの少なくとも一種から成ることを特徴とする請求項1記載の配線基板。
  3. 前記アルカリ金属は、ナトリウムまたはカリウムから成るとともにホウ酸化物として前記接続配線部に含まれていることを特徴とする請求項1または請求項2記載の配線基板。
  4. 前記接続配線部は、その幅が前記熱電対の幅よりも大きいことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の配線基板。
  5. 請求項1記載の配線基板の製造方法であって、ガラスセラミックグリーンシートの主面に、前記配線導体と成る第1の導体ペースト層を印刷する工程と、前記ガラスセラミックグリーンシートの主面および前記第1の導体ペースト層の一部を覆って前記配線導体を成す金属と水素化ホウ素塩とから成る、前記接続配線部と成る第2の導体ペースト層を印刷する工程と、前記ガラスセラミックグリーンシートの主面および前記第2の導体ペースト層上に、前記熱電対を位置決めし載置するかまたは前記熱電対と成る第3の導体ペースト層を印刷する工程と、前記ガラスセラミックグリーンシートおよび他のガラスセラミックグリーンシートを複数枚加圧積層して積層体を作製する工程と、前記積層体を焼成する工程とを具備することを特徴とする配線基板の製造方法。
  6. 前記配線導体は、銀、銅、パラジウムおよび白金のうちの少なくとも一種から成ることを特徴とする請求項5記載の配線基板の製造方法。
  7. 前記水素化ホウ素塩は、水素化ホウ素ナトリウムまたは水素化ホウ素カリウムから成ることを特徴とする請求項5または請求項6記載の配線基板の製造方法。
  8. 前記接続配線部は、その幅が前記熱電対の幅よりも大きいことを特徴とする請求項5乃至請求項7のいずれかに記載の配線基板の製造方法。
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