JP2008270168A - セラミックヒータ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】排ガス中の特定ガス濃度を検出するガスセンサに内蔵されるセラミックヒータ1。セラミック製のヒータ基材10と、該ヒータ基材10の内部に形成される発熱体と、ヒータ基材10の外表面に設けられるとともに外部リードの取出端子2と接触する外部電極パッド12とを有する。発熱体、ヒータリード部11、及び外部電極パッド12は卑金属からなる。外部電極パッド12は、貴金属からなる緻密な保護膜14のみによって外表面が覆われている。
【選択図】図1
Description
該セラミックヒータ9は、セラミック製のヒータ基材910の内部に発熱体(図示略)を有する。そして、上記ヒータ基材910の外表面には、図11に示すごとく、上記発熱体に接続された外部電極パッド912が設けられている。該外部電極パッド912は、タングステンからなるとともに、例えば、Niめっきからなる保護膜914によって外表面が覆われている(特許文献1参照)。また、上記保護膜914は、例えばAu−Cu合金からなるろう材915により、外部リード92と接合されている。これにより、外部電極パッド912の耐熱性を確保するとともに酸化を抑制している。
上記ガスセンサ素子80の先端外周面は排ガスが導入される被測定ガス室82に曝され、内周面は大気が導入される大気室83に曝される。また、セラミックヒータ9の外部電極パッド912は、大気室83に曝される。そして、上記被測定ガス室82と大気室83とは、ガスセンサ素子80とハウジング81との間に配されたシール材84によって、気密性が確保されている。
これにより、大気室83に排ガスが侵入することを防いでいる。
これにより、大気室83に排ガスが侵入し、排ガス中の腐食成分(窒素酸化物等)が保護膜914に達するおそれがある。保護膜914は、上記のごとく、Niめっき等からなり、Niは窒素酸化物をもとにして生成される硝酸等の腐食成分と反応しやすい。それゆえ、保護膜914のNiが窒素酸化物によって腐食してしまうおそれがある。
そのため、耐腐食性及び耐熱性に優れた外部電極パッドを有するセラミックヒータが求められていた。
セラミック製のヒータ基材と、該ヒータ基材の内部に形成される発熱体と、上記ヒータ基材の外表面に設けられるとともに外部リードの取出端子と接触する外部電極パッドと、該外部電極パッドと上記発熱体とを接続するヒータリード部とを有し、
上記外部電極パッド、上記発熱体、及び上記ヒータリード部は卑金属からなり、
上記外部電極パッドは、外表面の少なくとも一部が貴金属からなる緻密な保護膜のみによって覆われていることを特徴とするセラミックヒータにある(請求項1)。
上記保護膜は、貴金属のみからなる。すなわち、保護膜を、耐腐食性に優れた材料のみによって形成することができる。その結果、排ガスに曝されても外部電極パッドの腐食を防ぐことができ、耐腐食性に優れたセラミックヒータを得ることができる。
セラミック製のヒータ基材と、該ヒータ基材の内部に形成される発熱体と、上記ヒータ基材の外表面に設けられるとともに外部リードの取出端子と接触する外部電極パッドと、該外部電極パッドと上記発熱体とを接続するヒータリード部とを有し、
上記外部電極パッド、上記発熱体、及び上記ヒータリード部は卑金属からなり、
上記外部電極パッドは、外表面の少なくとも一部が、貴金属からなる緻密な保護膜と、Crからなる緻密な保護膜とからなる保護層のみによって覆われていることを特徴とするセラミックヒータにある(請求項2)。
その結果、耐腐食性及び耐熱性に優れたセラミックヒータを容易に得ることができる。
セラミック製のヒータ基材と、該ヒータ基材の内部に形成される発熱体と、上記ヒータ基材の外表面に設けられるとともに外部リードの取出端子と接触する外部電極パッドと、該外部電極パッドと上記発熱体とを接続するヒータリード部とを有し、
上記外部電極パッド、上記発熱体、及び上記ヒータリード部は卑金属からなり、
上記外部電極パッドは、外表面の少なくとも一部がCrからなる緻密な保護膜のみによって覆われていることを特徴とするセラミックヒータにある(請求項8)。
セラミック製のヒータ基材と、該ヒータ基材の内部に形成される発熱体と、上記ヒータ基材の外表面に設けられるとともに外部リードの取出端子と接触する外部電極パッドと、該外部電極パッドと上記発熱体とを接続するヒータリード部とを有し、
上記発熱体、及び上記ヒータリード部は卑金属からなり、
上記外部電極パッドは、貴金属からなることを特徴とするセラミックヒータにある(請求項11)。
また、外部電極パッドが耐熱性に優れる貴金属からなるため、高温の排ガスに曝されても外部電極パッドが熱劣化することを防ぐことができる。その結果、耐熱性に優れたセラミックヒータを得ることができる。
セラミック製のヒータ基材と、該ヒータ基材の内部に形成される発熱体と、上記ヒータ基材の外表面に設けられるとともに外部リードの取出端子と接触する外部電極パッドと、該外部電極パッドと上記発熱体とを接続するヒータリード部とを有し、
上記発熱体、及び上記ヒータリード部は卑金属からなり、
上記外部電極パッドは、Crからなることを特徴とするセラミックヒータにある(請求項13)。
また、上記外部電極パッドのCrが耐熱性に優れる酸化クロムを形成することにより、高温の排ガスに曝されても外部電極パッドが熱劣化することを防ぐことができる。その結果、耐熱性に優れたセラミックヒータを得ることができる。
この場合には、耐腐食性及び耐熱性に優れた保護膜を形成することができる。その結果、耐腐食性及び耐熱性に一層優れたセラミックヒータを得ることができる。
この場合には、外部電極パッド全体の腐食や熱劣化を防ぐことができる。
この場合には、耐腐食性に優れる安価なセラミックヒータを得ることができる。
この場合には、熱処理によって貴金属めっきを溶融させることができるため、貴金属めっきをより一層外部電極パッドになじませることができる。その結果、外部電極パッドと保護膜との密着力をより一層向上させることができる。
この場合には、耐腐食性及び耐熱性に優れた外部電極パッドを形成することができる。その結果、耐腐食性及び耐熱性に一層優れたセラミックヒータを得ることができる。
この場合には、耐腐食性に優れる安価なセラミックヒータを得ることができる。
本発明の実施例に係るセラミックヒータにつき、図1〜図3を用いて説明する。
本例のセラミックヒータ1は、排ガス中の特定ガス濃度を検出するガスセンサに内蔵される。
セラミックヒータ2は、図1に示すごとく、セラミック製のヒータ基材10と、該ヒータ基材10の内部に形成される発熱体(図示略)と、ヒータ基材10の外表面に設けられるとともに外部リード(図示略)の取出端子2と接触する外部電極パッド12と、該外部電極パッド12と上記発熱体とを接続するヒータリード部11とを有する。
外部電極パッド12は、Auめっきからなる緻密な保護膜14のみによって外表面全体が覆われている。
外部電極パッド12、発熱体、及びヒータリード部11は、卑金属であるタングステン(W)からなる。
保護膜14は、Auのみからなる。すなわち、保護膜14を、耐腐食性に優れた材料のみによって形成することができる。その結果、排ガスに曝されても外部電極パッド12の腐食を防ぐことができ、耐腐食性に優れたセラミックヒータ1を得ることができる。
特に、本例においては、図1に示すように外部電極パッド12の外表面全体をAuからなる保護膜14によって覆われているため、外部電極パッド12の腐食や熱劣化をより一層防ぐことができる。
本例は、図4に示すごとく、保護膜14が、二層で形成されているセラミックヒータ1の例である。すなわち、外部電極パッド12の外表面全体は第1保護膜141により覆われており、さらに該第1保護膜141の外表面は第2保護膜142により覆われている。
また、本例の第1保護膜141と第2保護膜142とは、Au、Ag、Pt、Rh、Pdのうちから選ばれる互いに異なる貴金属によって形成されている。さらに、上記の貴金属とCrとを組み合わせて保護膜14を形成することもできる。この場合には、第2保護膜142をCrによって形成するとよい。
その他は、実施例1と同様の構成及び作用効果を有する。
本例は、図5に示すごとく、外部電極パッド12が、貴金属からなるセラミックヒータ1の例である。すなわち、外部電極パッド12は、Au、Ag、Pt、Rh、Pdの少なくともいずれか一種以上からなる。
その他は、実施例1と同様である。
また、外部電極パッド12が耐熱性に優れる貴金属からなるため、外部電極パッド12が熱劣化することを抑制することができる。その結果、耐熱性に優れたセラミックヒータ1を得ることができる。
その他、実施例1と同様の作用効果を有する。
本例は、図6に示すように、外部電極パッド12の一部の外表面が、貴金属からなる緻密な保護膜14によって覆われているセラミックヒータの例である。
すなわち、外部電極パッド12は、該外部電極パッド12において取出端子2と実質的に直接接触する部分とその周囲のみが保護膜14によって覆われており、その他の部分は、ガラス15によって覆われている。
この場合には、外部電極パッド12の外表面全体に保護膜14を形成する必要がないため、耐腐食性及び耐熱性に優れた安価なセラミックヒータ1を製造することができる。
その他は、実施例1と同様の構成及び作用効果を有する。
本例は、図7〜図9に示すように、本発明のセラミックヒータ1を備えた積層型のガスセンサ素子3を内蔵するガスセンサ4の例である。
ハウジング42の先端側には、ガスセンサ素子3の先端部を保護する素子カバー46が配設され、ハウジング42の基端側には、ガスセンサ素子3の基端側を覆う大気側カバー44が配設されている。
また、大気側カバー44の基端側には、外部電源と接続されたリード線47を挿通するブッシュ45が配設されている。さらに、大気側カバー44の内側には、ガスセンサ素子3の基端部を覆う大気側絶縁碍子43が配設されている。
また、測定電極32は、多孔質体からなる多孔質拡散抵抗層37を介して緻密な遮蔽層36によって覆われている。
また、固体電解質体31における基準電極33を設けた側の表面には、大気が導入される大気室を形成するための大気室形成層34が積層されている。
そしてさらに、大気室形成層34には、板状のセラミックヒータ1が積層されている。
第2ヒータ基材102には、発熱体110が設けられている側の表面と反対側の表面に外部電極パッド12が設けられている。
発熱体110は、第2ヒータ基材102の長手方向に平行に形成されるヒータリード部11と、第2ヒータ基材102を貫通してなるスルーホール100とを介して、外部電極パッド12と電気的に接続されている。
図7、図8に示されるような積層型のガスセンサ素子3に積層する板状のセラミックヒータにおいても、本発明を適用することにより、本発明の作用効果を効果的に発揮することができる。
本例は、実施例1(図1参照)において示されるような貴金属からなる保護膜14によって外部電極パッド12の外表面を覆ったセラミックヒータ1を製造する方法の例である。
なお、本例において使用した符号は、図1において使用した符号に準ずる。
次いで、Auの融点である1064℃以上の温度で該Auめっきを熱処理する。
次いで、第1めっき層の外表面に電解めっきを施してAuめっきからなる第2めっき層を形成する。
なお、本例においては、二層のみめっき層を形成しているが、さらに複数のめっき層を形成することもできる。かかる場合にも、めっき層のうち、最も外側に形成されるめっき層以外のめっき層の少なくとも一つを無電解めっきにより形成することが好ましい。
その結果、耐腐食性及び耐熱性に優れたセラミックヒータ1を容易に得ることができる。
また、第1保護膜141を無電解めっきにより形成するため、電解めっきのみで保護膜14を形成する場合のように、めっき治具の電極接点跡によってめっきの未着部が形成されることを抑制することができる。
さらに、第2保護膜142を電解めっきにより形成しているため、最外層の保護膜14を緻密なものとすることができる。それゆえ、取出端子2と保護膜14との接点部における摩耗を抑制することができる。
本例は、保護膜14をペースト印刷により形成するセラミックヒータ1の製造方法の例である。
なお、本例において使用した符号は、図1において使用した符号に準ずる。
次いで、このペーストを、高温にて焼き付けてセラミックヒータ1を形成する。
本例の製造方法によって形成されたセラミックヒータ1においても、本発明の作用効果を十分効果的に発揮することができる。
10 ヒータ基材
11 ヒータリード部
12 外部電極パッド
14 保護膜
2 取出端子
Claims (15)
- 排ガス中の特定ガス濃度を検出するガスセンサに内蔵されるセラミックヒータであって、
セラミック製のヒータ基材と、該ヒータ基材の内部に形成される発熱体と、上記ヒータ基材の外表面に設けられるとともに外部リードの取出端子と接触する外部電極パッドと、該外部電極パッドと上記発熱体とを接続するヒータリード部とを有し、
上記外部電極パッド、上記発熱体、及び上記ヒータリード部は卑金属からなり、
上記外部電極パッドは、外表面の少なくとも一部が、貴金属からなる緻密な保護膜のみによって覆われていることを特徴とするセラミックヒータ。 - 排ガス中の特定ガス濃度を検出するガスセンサに内蔵されるセラミックヒータであって、
セラミック製のヒータ基材と、該ヒータ基材の内部に形成される発熱体と、上記ヒータ基材の外表面に設けられるとともに外部リードの取出端子と接触する外部電極パッドと、該外部電極パッドと上記発熱体とを接続するヒータリード部とを有し、
上記外部電極パッド、上記発熱体、及び上記ヒータリード部は卑金属からなり、
上記外部電極パッドは、外表面の少なくとも一部が、貴金属からなる緻密な保護膜と、Crからなる緻密な保護膜とからなる保護層のみによって覆われていることを特徴とするセラミックヒータ。 - 請求項1又は2において、上記貴金属は、Au、Ag、Pt、Rh、Pdの少なくともいずれか一種以上からなることを特徴とするセラミックヒータ。
- 請求項1〜3のいずれか一項において、上記外部電極パッドは、外表面の全体が、上記保護膜によって覆われていることを特徴とするセラミックヒータ。
- 請求項1〜4のいずれか一項において、上記外部電極パッド、上記発熱体、及び上記ヒータリード部は、タングステンからなることを特徴とするセラミックヒータ。
- 請求項1〜5のいずれか一項に記載のセラミックヒータを製造する方法であって、上記外部電極パッドの外表面に上記貴金属からなる上記保護膜を形成するに当たって、上記外部電極パッドの外表面の少なくとも一部に、上記貴金属からなる上記保護膜を形成するための貴金属めっきを施した後、該貴金属の融点より150℃低い温度以上の温度で上記貴金属めっきを熱処理することを特徴とするセラミックヒータの製造方法。
- 請求項6において、上記熱処理は、上記貴金属の融点以上の温度で行うことを特徴とするセラミックヒータの製造方法。
- 排ガス中の特定ガス濃度を検出するガスセンサに内蔵されるセラミックヒータであって、
セラミック製のヒータ基材と、該ヒータ基材の内部に形成される発熱体と、上記ヒータ基材の外表面に設けられるとともに外部リードの取出端子と接触する外部電極パッドと、該外部電極パッドと上記発熱体とを接続するヒータリード部とを有し、
上記外部電極パッド、上記発熱体、及び上記ヒータリード部は卑金属からなり、
上記外部電極パッドは、外表面の少なくとも一部が、Crからなる緻密な保護膜のみによって覆われていることを特徴とするセラミックヒータ。 - 請求項8において、上記外部電極パッドは、外表面の全体が、上記保護膜によって覆われていることを特徴とするセラミックヒータ。
- 請求項8又は9において、上記外部電極パッド、上記発熱体、及び上記ヒータリード部は、タングステンからなることを特徴とするセラミックヒータ。
- 排ガス中の特定ガス濃度を検出するガスセンサに内蔵されるセラミックヒータであって、
セラミック製のヒータ基材と、該ヒータ基材の内部に形成される発熱体と、上記ヒータ基材の外表面に設けられるとともに外部リードの取出端子と接触する外部電極パッドと、該外部電極パッドと上記発熱体とを接続するヒータリード部とを有し、
上記発熱体、及び上記ヒータリード部は卑金属からなり、
上記外部電極パッドは、貴金属からなることを特徴とするセラミックヒータ。 - 請求項11において、上記外部電極パッドは、Au、Ag、Pt、Rh、Pdの少なくともいずれか一種以上からなることを特徴とするセラミックヒータ。
- 排ガス中の特定ガス濃度を検出するガスセンサに内蔵されるセラミックヒータであって、
セラミック製のヒータ基材と、該ヒータ基材の内部に形成される発熱体と、上記ヒータ基材の外表面に設けられるとともに外部リードの取出端子と接触する外部電極パッドと、該外部電極パッドと上記発熱体とを接続するヒータリード部とを有し、
上記発熱体、及び上記ヒータリード部は卑金属からなり、
上記外部電極パッドは、Crからなることを特徴とするセラミックヒータ。 - 請求項11〜13のいずれか一項において、上記発熱体、及び上記ヒータリード部は、タングステンからなることを特徴とするセラミックヒータ。
- 請求項1〜14のいずれか一項に記載のセラミックヒータを内蔵することを特徴とするガスセンサ。
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