JP2007187562A - 温度センサ素子および温度センサ - Google Patents

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Abstract

【課題】外気が金属薄膜抵抗体に到達しがたく、Pt薄膜抵抗体の抵抗値が変化しがたい温度センサ素子、および、このような温度センサ素子を備える温度センサを提供する。
【解決手段】温度センサ101の感温素子2は、セラミックス基体414とカバー基板417との隙間空間420に接着部材416が配置される構成ではなく、接着部材416がセラミックス基体414の側面およびカバー基板417の側面にそれぞれ当接して構成されている。つまり、感温素子2は、隙間空間420の厚さ寸法を非常に小さくし、さらにその隙間空間420の周囲を覆うように接着部材416を配置することで、外気が隙間空間420を通過するのを抑制でき、金属薄膜抵抗体415への外気到達量を低減できることから、感温素子2は、外気の影響(酸化など)による金属薄膜抵抗体415の抵抗値変化を抑制できる。
【選択図】図4

Description

本発明は、セラミックス素子基板、温度変化に応じて電気抵抗値が変化する金属薄膜抵抗体、カバー基板、を有する温度センサ素子、および、このような温度センサ素子を備える温度センサに関する。
従来より、電気機器や機械装置などの内部温度の検出や、内燃機関の排気ガス温度を検出するための温度検出部材として、2つの絶縁セラミックシートの間にPTC抵抗を配置してなる温度センサ素子が知られている(特許文献1)。
また、他の温度センサ素子としては、セラミックス基板と、金属薄膜抵抗体(Pt薄膜抵抗体)と、カバー基板とを備える温度センサ素子が提案されている(特許文献2)。
この温度センサ素子は、セラミックス基板とカバー基板とが連結層によって連結される構成であり、セラミックス基板とカバー基板と連結層とがPt薄膜抵抗体を覆うことで、外気がPt薄膜抵抗体に到達しがたい構成となっている。これにより、Pt薄膜抵抗体の酸化を防止でき、酸化に起因したPt薄膜抵抗体の抵抗値変化を抑制できる。
さらに、Pt薄膜抵抗体への外気の流入を防止する構成の温度センサ素子としては、ガラスを用いてPt薄膜抵抗体の周囲を封止する構成の温度センサ素子も提案されている(特許文献3)。
特表平03−500349号公報 特表2002−535609号公報 特開2000−081354号公報
しかしながら、上記特許文献2に記載の温度センサ素子においては、連結層が多孔質状に形成されるため、外気の流入を完全に阻止することはできず、外気が連結層の内部を通過してPt薄膜抵抗体に到達することがある。このような場合に、外気の影響によってPt薄膜抵抗体が劣化すると抵抗値が変化してしまい、温度検出精度が低下する、という問題が生じる。
これに対して、上記特許文献3に記載の温度センサ素子においては、ガラスは多孔質状ではないため内部を外気が通過することがないため、ガラスによる封止構造を採ることで外気の流入を阻止することが可能となる。しかし、この温度センサ素子を高温環境下で長期間使用すると、ガラスに含まれる成分が拡散してPt薄膜抵抗体に到達し、マイグレーションなどの現象が生じて、Pt薄膜抵抗体の抵抗値変化を招いてしまう。
そこで、本発明は、こうした問題に鑑みなされたものであり、外気が金属薄膜抵抗体に到達しがたく、Pt薄膜抵抗体の抵抗値が変化しがたい温度センサ素子、および、このような温度センサ素子を備える温度センサを提供することを目的とする。
かかる目的を達成するためになされた請求項1に記載の発明は、セラミックスからなる平板形状のセラミックス素子基板と、セラミックス素子基板の外表面のうち表側板面に形成され、温度変化に応じて電気抵抗値が変化する金属薄膜抵抗体と、セラミックスからなる平板形状であり、セラミックス素子基板の表側板面のうち少なくとも金属薄膜抵抗体の形成領域を覆うようにセラミックス素子基板に積層配置されたカバー基板と、を有する温度センサ素子であって、カバー基板は、金属薄膜抵抗体に当接しつつ、セラミックス素子基板の表側板面との間で隙間空間を形成した形態で当該セラミックス素子基板に積層されており、隙間空間の周囲を覆うようにセラミックス素子基板とカバー基板とを接着するセラミックスからなる接着部材が配置されていること、を特徴とする温度センサ素子である。
この温度センサ素子では、カバー基板を金属薄膜抵抗体に当接する形態でセラミックス素子基板に積層しているため、セラミックス素子基板とカバー基板との間の距離(即ち、隙間空間の厚み寸法)を、2つの基板間(セラミックス素子基板とカバー基板との間)に接着部材を配置させる従来構成に比べて、非常に小さくすることができる。つまり、カバー基板が金属薄膜抵抗体に当接していることから、隙間空間の厚さ寸法は、金属薄膜抵抗体の厚さ寸法と同等の大きさとなる。
そして、このように厚さ寸法の非常に小さい隙間空間を2つの基板間に介在させ、かつその隙間空間の周囲を覆うように2つの基板を接着する接着部材を配置させることで、外気が隙間空間を通過する(換言すれば、外気が基板間に入り込む)のを抑制でき、金属薄膜抵抗体への外気到達量を大幅に低減できることから、外気の影響(酸化など)による金属薄膜抵抗体の抵抗値変化を抑制できる。
さらに、この温度センサ素子は、セラミックスからなる接着部材を備えることから、ガラスで形成された接着部材を備える場合に比べて、長期間高温環境下で使用した場合にも、金属薄膜抵抗体のマイグレーションが生じがたくなり、その観点からも、金属薄膜抵抗体の抵抗値変化を抑制できる。
よって、本発明によれば、外気が金属薄膜抵抗体に到達しがたく、金属薄膜抵抗体の抵抗値が変化しがたい温度センサ素子を実現できる。
なお、「金属薄膜抵抗体の厚さ寸法」は、10μm未満とすることが好ましく、5μm以下とすることが隙間空間の厚さ寸法を小さく設定する上でより好ましい。
ところで、接着部材の配置領域が、隙間空間の周囲を跨ぐようにしてカバー基板の側面およびセラミックス素子基板の側面にそれぞれ当接する領域となる場合には、固化する前段階の粘性が高い特性を有する接着部材を用いることで、適切に2つの基板を接着することが可能となる。しかしながら、固化する前段階の粘性が低い特性の接着部材を用いると、接着部材が固化する前にカバー基板の側面およびセラミックス素子基板側面から接着部材が自重により垂れ落ちてしまい、2つの基板を適切に接着できない虞がある。
そこで、上述の温度センサ素子においては、カバー基板は、セラミックス素子基板よりも板面が小さく形成されており、セラミックス素子基板における接着部材との接着当接部は、セラミックス素子基板の表側板面に形成されるように構成することができる。
つまり、この温度センサ素子においては、セラミックス素子基板を下側に配置し、カバー基板を上側に配置した積層状態で接着部材を塗布し固化することで、セラミックス素子基板の表側板面が接着部材を支持できるため、接着部材の垂れ落ちを防止できる。
よって、本発明によれば、固化前における粘性の低い接着部材を用いる場合でも、接着部材が垂れ落ちるのを防止できることから、2つの基板(セラミックス素子基板およびカバー基板)を適切に接着することができる。また、この構成においては、隙間空間の周囲を覆うように接着部材を塗布することが容易になることから、隙間空間への外気の侵入をより確実に抑制することができる。
また、上述の温度センサ素子においては、セラミックス素子基板は、表側板面において、隙間空間に面しない空間非当接領域を有しており、セラミックス素子基板における接着部材との接着当接部の少なくとも一部は、表側板面の空間非当接領域に形成されており、カバー基板は、外表面のうち金属薄膜抵抗体に対向する抵抗体対向板面において、隙間空間に面しない空間非当接領域を有しており、カバー基板における接着部材との接着当接部の少なくとも一部は、抵抗体対向板面の空間非当接領域に形成されるように、構成しても良い。
つまり、この温度センサ素子は、セラミックス素子基板の表側板面において隙間空間に面しない空間非当接領域を有していることから、セラミックス素子基板を下側に配置し、カバー基板を上側に配置した積層状態で接着部材を塗布し固化することで、セラミックス素子基板の表側板面における空間非当接領域が接着部材を支持できるため、接着部材の垂れ落ちを防止できる。
また、この温度センサ素子は、カバー基板の抵抗体対向板面において隙間空間に面しない空間非当接領域を有していることから、セラミックス素子基板を上側に配置し、カバー基板を下側に配置した積層状態で接着部材を塗布し固化することで、カバー基板の抵抗体対向板面における空間非当接領域が接着部材を支持できるため、接着部材の垂れ落ちを防止できる。
なお、この温度センサ素子における接着部材の形成作業は、セラミックス素子基板とカバー基板との積層体について、セラミックス素子基板を上側に配置した状態で接着部材を塗布し固化する工程と、セラミックス素子基板を下側に配置した状態で接着部材を塗布し固化する工程との、2つの工程を実行することで完了する。
よって、本発明によれば、固化前における粘性の低い接着部材を用いる場合でも、接着部材が垂れ落ちるのを防止できることから、2つの基板(セラミックス素子基板およびカバー基板)を適切に接着することができ、また、接着部材が適切な位置に配置されることで隙間空間への外気の侵入を抑制できる。
次に、上述の温度センサ素子においては、カバー基板、セラミックス素子基板、接着部材は、いずれもがアルミナ純度99%以上で構成してもよい。
この温度センサ素子においては、カバー基板、セラミックス素子基板、接着部材を構成する材料におけるアルミナ純度を99.9%以上としているため、アルミナ以外の物質(例えば、シリカやアルミナ土類金属など)を低減させることができる。なお、アルミナは、金属薄膜抵抗体の劣化(マイグレーションなど)の原因とはならない。
これにより、カバー基板、セラミックス素子基板、接着部材に含まれるアルミナ以外の物質によりマイグレーションが生じるのを効果的に抑えることができ、金属薄膜抵抗体の抵抗値変化をより一層抑制できる。
次に、上記目的を達成するためになされた請求項5に記載の発明は、測定対象物の温度を検出する温度検出部材と、温度検出部材を保持すると共に温度測定位置に配置する素子保持部材と、を備える温度センサであって、温度検出部材は、請求項1から請求項4のいずれかに記載の温度センサ素子であること、を特徴とする温度センサである。
このように構成された温度センサによれば、請求項1から4のいずれかに記載の温度センサ素子により得られるのと同様の作用効果を得ることができる。
以下に、本発明の好適な実施形態を説明する。
尚、本発明は、以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採り得ることはいうまでもない。
図1は、本発明の実施の形態である温度センサ101の内部構造を示す部分破断断面図である。
温度センサ101は、一対の金属芯線7を絶縁保持したシース部材108と、先端側が閉塞した軸線方向に延びる有底筒状の金属チューブ114と、金属チューブ114を支持する取り付け部材304と、を備えて構成されている。なお、軸線方向とは、温度センサ101の長手方向であり、図1においては上下方向に相当する。また、温度センサ101における先端側は図における下側であり、温度センサ101における後端側は図における上側である。
また、温度センサ101は、六角ナット部251およびネジ部252を有するナット部材205を備えて構成されている。
そして、温度センサ101は、金属チューブ114の内部に金属薄膜抵抗体を有する感温素子2を備えており、例えば、車両などの内燃機関における流通管(排気管など)に装着されて、感温素子2を測定対象ガス(排気ガスなど)が流れる流通管内に配置させることで、測定対象ガスの温度検出に使用することができる。つまり、温度センサ101は、いわゆる車両用温度センサに相当する。
図2に、感温素子2の外観を表す平面図を示し、図3に、カバー基板417およびリード線固定材419を省略したときの感温素子2の内部構造を表した説明図を示す。なお、図3においては、接着部材416が出力取出用電極421の一部に重なる状態の感温素子2を図示している。
また、図4に、図2における感温素子2のA−A視断面における断面図を示し、図5に、図2における感温素子2のB−B視断面における断面図を示す。
感温素子2は、アルミナ純度99.9%の平板形状のセラミックス基体414と、セラミックス基体414の外表面のうち表側板面に薄膜状に形成される金属薄膜抵抗体415と、金属薄膜抵抗体415を覆うようにセラミックス基体414に積層配置されたアルミナ純度99.9%の平板形状のカバー基板417と、を有している。
金属薄膜抵抗体415は、白金(Pt)を主体に構成されており、温度変化に応じて電気抵抗値が変化する。金属薄膜抵抗体415の厚さ寸法は、約1.2[μm]である。なお、「白金を主体とする」とは、白金を50wt%以上包含することを意味する。
セラミックス基体414およびカバー基板417は、アルミナ純度99.9%のグリーンシートを予め焼成することで得られた焼成済みの平板形状の絶縁性セラミックス基板である。
カバー基板417は、セラミックス基体414の表側板面のうち少なくとも金属薄膜抵抗体415の形成領域を覆う状態で、セラミックス基体414に積層配置されている。なお、カバー基板417は、金属薄膜抵抗体415に当接している。
また、感温素子2は、セラミックス基体414とカバー基板417とを接着するための接着部材416を備えている。
接着部材416は、セラミックス基体414の外表面のうち側面および表側板面に当接し、また、カバー基板417の外表面のうち側面に当接することで、セラミックス基体414とカバー基板417とを接着している。
つまり、接着部材416は、2つの基板(セラミックス基体414およびカバー基板417)におけるそれぞれの外表面のうち、セラミックス基体414とカバー基板417とが対向することで形成された隙間空間420(金属薄膜抵抗体415の厚さ寸法と同様の大きさを有する隙間空間420)の周囲を覆うようにして、2つの基板の側面に当接している。なお、接着部材416は、アルミナ純度99.9%で構成されている。
なお、この接着部材416は、2つの基板(セラミックス基体414およびカバー基板417)を接着する前段階においては、アルミナ粉末を含むペーストで形成されている。つまり、焼成済みのセラミックス基体414とカバー基板417とを積層した状態で、これらの側面に上記ペーストを塗布した後に熱処理することで、最終的に接着部材416が形成される。
さらに、感温素子2は、セラミックス基体414の表側板面に、金属薄膜抵抗体415の両端にそれぞれ接続される2つの出力取出用電極421を備えている。また、感温素子2は、出力取出用電極421に積層される2つの厚膜パッド418と、厚膜パッド418に接続される2つの引出リード線409と、セラミックス基体414に対して2つの引出リード線409を固定するリード線固定材419と、を備えている。
次に、感温素子2の製造方法について説明する。
まず、セラミックス基体414に対して、白金(Pt)薄膜を形成し、通常のフォトリソグラフィー、ウェットエッチングにより、金属薄膜抵抗体415と、2つの出力取出用電極421と、を形成する。その後、トリミングにより金属薄膜抵抗体415のパターン形状や長さを調整することで、金属薄膜抵抗体415の抵抗値を目標数値(目標抵抗値)に設定する処理を行う。
なお、薄膜形成方法については、特に制限はないが、本実施形態では、セラミックス基体414の上にPt薄膜を加熱RFスパッタリング法により形成し、王水を用いたウェットエッチングにより金属薄膜抵抗体415および出力取出用電極421を形成した。また、トリミング方法については、特に制限はないが、本実施形態では、YAGレーザを用いている。
金属薄膜抵抗体415の抵抗値を安定させるためには、薄膜形成工程からトリミング工程までの間に、アニール処理を行うことが望ましい。本実施形態では、金属薄膜抵抗体415および出力取出用電極421を形成したセラミックス基体414を、1150[℃]の窒素(N2 )雰囲気中において2時間にわたりアニール処理を行った後に、トリミング工程を実施した。
トリミング工程におけるトリミング目標値は、抵抗パターン(金属薄膜抵抗体415)の温度特性と作業温度、トリミング後の熱工程による抵抗値変化を考慮して決定する。なお、作業温度には、作業場の温度、作業時のセラミックス基体414の温度、作業ステージの温度などが含まれており、これらの温度を制御している場合には、その制御値を考慮して、トリミング目標値を決定する。本実施形態においては、感温素子2の完成時において、0[℃]での金属薄膜抵抗体415の抵抗値R0が200[Ω]となる様に、トリミング目標値を設定している。
次に、出力取出用電極421の上に白金(Pt)ペーストを印刷し、この白金ペーストを焼成してなる厚膜パッド418を形成する工程を実行する。厚膜パッド418は、出力取出用電極421との電気的接続が確保されていればよく、形状については特に制限はない。しかし、金属薄膜抵抗体415よりも厚みのある厚膜パッド418の配置位置については、セラミックス基体414とカバー基板417との重なり領域を避ける必要がある。セラミックス基体414とカバー基板417との隙間空間420の厚さ寸法が、厚膜パッド418の厚み寸法に起因して拡大するのを避けるためである。
次に、金属薄膜抵抗体415を完全に被覆するように、カバー基板417をセラミックス基体414の上に載置する。本実施形態では、セラミックス基体414およびカバー基板417の幅寸法が同一寸法に設定されており、カバー基板417の板面における輪郭の3辺が、セラミックス基体414の板面における輪郭と一致する状態で、カバー基板417をセラミックス基体414に載置する。
このあと、セラミックス基体414とカバー基板417とを接着するための接着ペーストを塗布し、この接着ペーストを焼成することで、接着部材416を形成する工程を実施する。
接着ペーストの塗布作業は、本実施形態では、カバー基板417およびセラミックス基体414の輪郭が一致する3辺については、カバー基板417の側面およびセラミックス基体414の側面にそれぞれ当接するように接着ペーストを塗布することで実施する。また、カバー基板417の残りの1辺については、カバー基板417の側面およびセラミックス基体414の表側板面にそれぞれ当接するように接着ペーストを塗布する。なお、本実施形態では、接着ペーストとして高純度のアルミナ微粉末からなるペーストを用いており、大気中において1300[℃]で2時間かけて焼成することで、接着部材416を形成した。
なお、本実施形態では、接着ペースト(接着部材416)の焼成工程において、上述した厚膜パッド418としての白金ペーストについても、接着部材416と同時に焼成している。
次に、厚膜パッド418と引出リード線409とを溶接して、厚膜パッド418に対して引出リード線409を接続する工程を実施する。本実施形態の引出リード線409は、白金(Pt)製の貴金属リード線で形成されている。
さらに、厚膜パッド418と引出リード線409との溶接部を補強するために、固定用ガラスペーストを溶接部の周囲に塗布し、大気中1200[℃]で0.5時間にわたり焼成して、リード線固定材419を形成する工程を実施する。なお、本実施形態では、リード線固定材419(固定用ガラスペースト)は、軟化点が850[℃]以上の高耐熱性ガラスを用いている。
このようにして、感温素子2が製造される。
なお、このように構成された感温素子2は、引出リード線409を介して外部機器などと電気的に接続される。
図1に戻り、金属芯線7は、先端側が感温素子2の引出リード線409と接続されており、後端側が抵抗溶接により加締め端子11と接続されている。これにより、金属芯線7は、自身の後端側が加締め端子11を介して外部回路(例えば、車両の電子制御装置(ECU)等)接続用のリード線12と接続されている。
なお、一対の金属芯線7は、絶縁チューブ15により互いに絶縁され、また、一対の加締め端子11は、絶縁チューブ15により互いに絶縁される。リード線12は、導線を絶縁性の被覆材にて被覆したものである。このリード線12は、耐熱ゴム製の補助リング13の内部を貫通する状態で配置される。
シース部材108は、詳細は図示しないが、金属製の外筒と、導電性金属からなる一対の金属芯線7と、外筒と2本の金属芯線7との間を電気的に絶縁して金属芯線7を保持する絶縁粉末と、を備えて構成される。
なお、シース部材108には、熱処理が施されており、金属表面に酸化膜が形成されている。
金属チューブ114は、耐腐食性金属(例えば、SUS310SやSUS316などのステンレス合金)からなり、鋼板の深絞り加工によりチューブ先端側131が閉塞した軸線方向に延びる有底筒状をなし、筒状のチューブ後端側132が開放した形態で構成されている。金属チューブ114は、チューブ先端側131において感温素子2およびシース部材108の先端側を収容し、且つ、チューブ後端側132が取り付け部材304の第2段部46の内面に当接するように、軸線方向寸法が設定されている。
なお、金属チューブ114には、熱処理が施されており、内外面に酸化膜が形成されている。
金属チューブ114は、先端側の内部に感温素子2およびセメント17を収納している。そして、セメント17は、感温素子2の周囲に充填されることで、感温素子2および金属チューブ114にそれぞれ接する状態で備えられており、感温素子2の揺動を防止している。なお、セメント17は、アルミナを主成分とする骨材とガラス成分とから構成される。
また、金属チューブ114は、感温素子2が配置される格納先端部115の内径寸法および外径寸法が、それ以外の部位の内径寸法および外径寸法よりも小さく形成されている。
取り付け部材304は、径方向外側に突出する突出部341と、突出部341の先端側に位置すると共に軸線方向に延びる振動補強部347と、振動補強部347の先端側に位置すると共に軸線方向に延びる接合部343と、突出部341の後端側に位置すると共に軸線方向に延びる後端側鞘部42と、を有している。
そして、取り付け部材304は、少なくとも金属チューブ114の先端が外部に露出する状態で金属チューブ114の後端側の外周面を取り囲んで金属チューブ114を支持する。
突出部341は、先端側向き縮径状のテーパ形状となる取り付け座345を先端側に有する環状に形成されている。取り付け座345は、図示しない排気管のセンサ取り付け位置における後端側向き拡径状のテーパ部に対応したテーパ形状である。
つまり、取り付け部材304は、排気管のセンサ取り付け位置に配置される際には、取り付け座345がセンサ取り付け位置のテーパ部に直接密着することで、排気ガスが排気管外部へ漏出するのを防止するよう構成されている。
接合部343は、金属チューブ114を内部に挿通可能な環状に形成されており、金属チューブ114の径方向周囲を取り囲んで金属チューブ114と接合される。また、接合部343は、加締めによる変形が可能となるように、厚さ寸法(環状の内径寸法と外径寸法との径差寸法)が薄く設定されている。
後端側鞘部42は、環状に形成されると共に、先端側に位置する第1段部44と、第1段部44よりも小さい外径を有する第2段部46と、を備える二段形状をなしている。このうち、第2段部46は、加締めによる変形が可能となるように、厚さ寸法(環状の内径寸法と外径寸法との径差寸法)が薄く設定されている。
そして、取り付け部材304は、自身の内部に金属チューブ114が挿通されたあと、接合部343および第2段部46のそれぞれに対して、径方向内向きの加締め作業およびアルゴン溶接作業(あるいは電子ビーム溶接作業)が行われることで、金属チューブ114の外周面を取り囲んで金属チューブ114を支持する。つまり、金属チューブ114は、接合部343および第2段部46に接合されることにより、取り付け部材304に固定される。
なお、溶接作業により、接合部343と金属チューブ114とに跨る先端側溶接部362が形成され、第2段部46と金属チューブ114とに跨る後端側溶接部363が形成される。
振動補強部347は、金属チューブ114を内部に挿通可能な環状に形成されており、金属チューブ114が取り付け部材304に固定されることで、金属チューブ114の径方向周囲を取り囲み、金属チューブ114の移動範囲を制限する。
また、取り付け部材304のうち後端側鞘部42の第1段部44の径方向外側には、ステンレス合金からなる筒状の継手部材6が接合されている。具体的には、後端側鞘部42の第1段部44の外周面に継手部材6の内周面が重なり合うように、継手部材6が後端側鞘部42の第1段部44に圧入され、継手部材6と第1段部44とを周方向にわたってレーザー溶接している。このレーザー溶接がなされることにより、後端側鞘部42の第1段部44と継手部材6とに跨る継手溶接部61が形成される。
継手部材6は、加締め端子11、絶縁チューブ15、補助リング13を内部に収容した状態で、補助リング13に対応する部分が径方向内向きに丸加締め或いは多角加締めされることで、補助リング13との間の気密性を保ちつつ補助リング13と加締め接合される。
取り付け部材304は、継手部材6の周囲にナット部材205が回動自在に嵌挿された状態で、取り付け座345がセンサ取り付け位置のテーパ面に当接するように配置された後、ナット部材205のネジ部252がセンサ取り付け位置の周囲に形成されたネジ溝に螺合されることで、センサ取り付け位置に固定される。つまり、取り付け部材304は、ナット部材205とセンサ取り付け位置のテーパ面との間に挟持される状態で固定される。また、取り付け部材304は、取り付け座345がセンサ取り付け位置のテーパ面に接することで、センサ取り付け位置での挿通方向における配置位置が決定される。
そして、リード線12を介して温度センサ101に接続された外部回路は、測定対象物の温度に応じて変化する感温素子2の電気的特性を取り出し、取り出した電気的特性に基づいて排気ガスの温度を検出する。
なお、本実施形態においては、セラミックス基体414が特許請求の範囲におけるセラミックス素子基板に相当し、金属薄膜抵抗体415が金属薄膜抵抗体に相当し、カバー基板417がカバー基板に相当し、感温素子2が温度センサ素子および温度検出部材に相当し、接着部材416が接着部材に相当している。
また、金属チューブ114,シース部材108,取り付け部材304,ナット部材205が、特許請求の範囲における素子保持部材に相当する。
以上説明したように、温度センサ101においては、感温素子2は、セラミックス基体414とカバー基板417との間に接着部材416が配置される構成ではない。つまり、感温素子2は、カバー基板417を金属薄膜抵抗体415に当接させてセラミックス基体414の表側板面との間に1.2μmという微小な厚み寸法を有する隙間空間420を維持した状態で、かつその隙間空間420の周囲を覆うように、接着部材416がセラミックス基体414の側面およびカバー基板417の側面にそれぞれ当接(接着)して構成されている。
なお、2つの基板間に接着部材が配置される場合には、接着部材416を両基板間に層状に形成するために、両基板間の距離は数十[μm]となる。これに対して、本実施形態においては、カバー基板417が金属薄膜抵抗体415に当接していることから、隙間空間420の厚さ寸法(換言すれば、両基板間の距離)は、金属薄膜抵抗体415の厚さ寸法(約1.2[μm])と同等の大きさまで縮小される。
このように隙間空間420の厚さ寸法を非常に小さくし、さらにその隙間空間420の周囲を覆うように接着部材416を配置することで、外気が隙間空間420を通過するのを抑制でき、金属薄膜抵抗体415への外気到達量を低減できることから、感温素子2は、外気の影響(酸化など)による金属薄膜抵抗体415の抵抗値変化を抑制できる構成となる。
さらに、接着部材416がセラミックスで構成されていることから、感温素子2は、ガラスで形成された接着部材を備える感温素子(温度センサ素子)に比べて、金属薄膜抵抗体415のマイグレーションが生じがたくなり、その観点からも、金属薄膜抵抗体415の抵抗値変化を抑制できる。
よって、本実施形態の感温素子2によれば、外気が金属薄膜抵抗体415に到達しがたく、金属薄膜抵抗体415の抵抗値が変化しがたくなり、時間経過に伴う温度検出精度の低下を抑制できる。また、このような感温素子2を備える温度センサ101は、時間経過に伴う温度検出精度の低下を抑制でき、耐久性に優れたものとなる。
また。感温素子2は、カバー基板417、セラミックス基体414、接着部材416がいずれもアルミナ純度99.9%以上で構成されている。
つまり、カバー基板417、セラミックス基体414、接着部材416は、いずれもアルミナ純度99.9%で構成されることから、これらを構成する成分のうちアルミナ以外の成分が低減される、なお、アルミナは、金属薄膜抵抗体415の劣化(マイグレーションなど)の原因とはならない。
これにより、本実施形態の感温素子2は、自身を構成する材料に含まれる成分として、金属薄膜抵抗体415の劣化(マイグレーションなど)の原因となる成分の割合を低減することができ、金属薄膜抵抗体415の劣化に伴う抵抗値変化を抑制できる。
ここで、本実施形態の感温素子2と、従来構成の感温素子とを用いて、高温環境下に長時間晒したときの抵抗値変化を比較した試験結果について説明する。
なお、従来構成の比較用感温素子105における断面図を、図10に示す。
比較用感温素子105は、図10に示す様に、セラミックス基体414とカバー基板417との間に、多孔質状のアルミナからなる連結層426を備えており、セラミックス基体414とカバー基板417との間の距離(換言すれば、連結層426の厚さ寸法)が、約20[μm]に形成されている。つまり、比較用感温素子105は、両基板間の距離が比較的大きいため、多孔質状の連結層426を介して金属薄膜抵抗体415に到達する外気の量が、本実施形態の感温素子2に比べて多くなる。
なお、試験方法は、感温素子2および比較用感温素子105のそれぞれに対して5[V]通電した状態で、1050[℃]の大気炉の中に150時間配置する耐久試験方法を採用した。そして、耐久前の室温における抵抗値と、耐久後の室温における抵抗値とを計測し、両者を比較して抵抗値の変化度合い(抵抗値変化率)を算出した。
感温素子2および比較用感温素子105のそれぞれにおける抵抗値変化率の試験結果を[表1]に示す。
この試験結果によれば、本実施形態の感温素子2は、従来構成の感温素子に比べて、抵抗値変化率が小さいことが判る。したがって、本実施形態の感温素子2は、金属薄膜抵抗体の抵抗値が変化しがたい構成であることが、本試験結果により裏付けられる。
なお、温度センサ素子は、上記実施形態(以下、第1実施形態ともいう)の温度センサに備えられる感温素子2のように、接着部材が2つの基板(セラミックス基体414およびカバー基板417)のそれぞれの側面に当接する構成に限られることはない。
そこで、第2実施形態として、接着部材416がセラミックス基体414の表側板面に当接する構成の第2感温素子102について説明する。なお、第2感温素子102は、第1実施形態の温度センサ101において感温素子2に置き換えて利用することができる。
図6に、第2感温素子102の外観を表す平面図を示し、図7に、図6における第2感温素子102のB−B視断面における断面図を示す。
図6および図7に示す様に、第2感温素子102は、第1実施形態の感温素子2におけるカバー基板417よりも板面の大きさが小さく形成された第2カバー基板427を備えて構成されている。つまり、第2カバー基板427は、セラミックス基体414よりも板面が小さく形成されており、とりわけ、板面の幅寸法(図6においては上下方向寸法)がセラミックス基体414よりも小さく形成されている。
そして、第2感温素子102における第2カバー基板427は、自身の板面における輪郭の4辺がいずれもセラミックス基体414の板面における輪郭と一致しない状態となるように、隙間空間420を介してセラミックス基体414の上側に配置されている。
つまり、第2感温素子102は、セラミックス基体414の表側板面において、隙間空間420に面する空間当接領域431と、この空間当接領域の周囲に形成される空間非当接領域432と、を備えている(図7参照)。
そして、接着部材416は、セラミックス基体414における表側板面の空間非当接領域432のうち接着当接部441に接着(当接)し、第2カバー基板427における側面に接着(当接)する状態で形成されることで、セラミックス基体414と第2カバー基板427とを接着している。
このような構成においては、接着ペーストを塗布するに当たり、セラミックス基体414を下側に配置し、第2カバー基板427を上側に配置した積層状態で接着ペーストを塗布し焼成することで、セラミックス基体414の表側板面(詳細には、空間非当接領域432)が接着ペーストを支持でき、接着ペーストの垂れ落ちを防止できる。
よって、第2感温素子102によれば、固化前における粘性の低い接着部材416を用いる場合でも、接着部材416(接着ペースト)が垂れ落ちるのを防止できることから、2つの基板(セラミックス基体414および第2カバー基板427)を適切に接着することができる。また、第2感温素子102は、隙間空間420の周囲を覆うように接着部材416(接着ペースト)を塗布することが容易になることから、隙間空間420への外気の侵入をより確実に抑制することができる。
なお、第2実施形態においては、第2感温素子102が特許請求の範囲における温度センサ素子に相当し、セラミックス基体414がセラミックス素子基板に相当し、第2カバー基板427がカバー基板に相当し、接着当接部441がセラミックス素子基板の接着当接部に相当している。
次に、第3実施形態として、接着部材416がカバー基板の抵抗体対向板面に当接する構成の第3感温素子103について説明する。なお、第3感温素子103は、第1実施形態の温度センサ101において感温素子2に置き換えて利用することができる。
図8に、第3感温素子103の外観を表す平面図を示し、図9に、図8における第3感温素子103のB−B視断面における断面図を示す。
図8および図9に示す様に、第3感温素子103は、第1実施形態の感温素子2におけるカバー基板417よりも板面の大きさが大きく形成された第3カバー基板428を備えて構成されている。つまり、第3カバー基板428は、セラミックス基体414よりも板面の幅寸法(図8においては上下方向寸法)がセラミックス基体414よりも大きく形成されている。
そして、第3感温素子103における第3カバー基板428は、自身の板面における輪郭の4辺がいずれもセラミックス基体414の板面における輪郭と一致しない状態となるように、隙間空間420を介してセラミックス基体414の上側に配置されている。
つまり、第3感温素子103は、第3カバー基板428の外側表面のうち、金属薄膜抵抗体415に対向する板面(抵抗体対向板面)において、隙間空間420に面する空間当接領域435と、この空間当接領域435の周囲に形成される空間非当接領域436と、を備えている(図9参照)。
また、第3感温素子103は、セラミックス基体414の表側板面において、隙間空間420に面する空間当接領域433と、この空間当接領域433の後端側に形成される空間非当接領域434と、を備えている(図8参照)。
そして、隙間空間420の周囲のうち3辺(先端側、2つの側方側の各辺)においては、接着部材416は、第3カバー基板428における抵抗体対向板面の空間非当接領域436のうち接着当接部443に接着(当接)し、セラミックス基体414における側面に接着(当接)する状態で形成されることで、セラミックス基体414と第3カバー基板428とを接着している。
また、図8に示すように、隙間空間420の周囲のうち後端側の1辺においては、接着部材416は、第3カバー基板428における側面に接着(当接)し、セラミックス基体414における表側板面の空間非当接領域434のうち接着当接部442に接着(当接)する状態で形成されることで、セラミックス基体414と第3カバー基板428とを接着している。
このような構成においては、隙間空間420の周囲のうち後端側の1辺に対して接着ペーストを塗布する際には、セラミックス基体414を下側に配置し、第3カバー基板428を上側に配置した積層状態で、隙間空間420における後端側の1辺領域に対して接着ペーストを塗布し焼成する。これにより、セラミックス基体414の表側板面が接着ペーストを支持でき、接着ペーストの垂れ落ちを防止できる。
また、隙間空間420の周囲のうち3辺(先端側、2つの側方側の各辺)に対して接着ペーストを塗布する際には、セラミックス基体414を上側に配置し、第3カバー基板428を下側に配置した積層状態で、隙間空間420における先端側および2つの側方側の3辺領域に対して接着ペーストを塗布し焼成する。これにより、第3カバー基板428の抵抗体対向板面の空間非当接領域436において接着ペーストを支持でき、接着ペーストの垂れ落ちを防止できる。
なお、これらの2つの塗布作業(接着ペーストの塗布作業)は、一方の塗布作業を実行した後、セラミックス基体414および第3カバー基板428の積層体を上下反転させて、他方の塗布作業を実行することで、隙間空間420の全周に対して接着部材416を配置できる。
よって、第3感温素子103によれば、固化前における粘性の低い接着部材416を用いる場合でも、接着部材416(接着ペースト)が垂れ落ちるのを防止できることから、2つの基板(セラミックス基体414および第3カバー基板428)を適切に接着することができる。また、第3感温素子103は、隙間空間420の周囲を覆うように接着部材416(接着ペースト)を塗布することが容易になることから、隙間空間420への外気の侵入をより確実に抑制することができる。
なお、第3実施形態においては、第3感温素子103が特許請求の範囲における温度センサ素子に相当し、セラミックス基体414がセラミックス素子基板に相当し、第3カバー基板428がカバー基板に相当し、接着当接部442がセラミックス素子基板の接着当接部に相当し、接着当接部443がカバー基板の接着当接部に相当している。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されることはなく、種々の態様をとることができる。
例えば、接着ペースト(接着部材)の塗布回数は一回に限られることはなく、複数回にわたり塗布を実施しても良い。また、複数回にわたり接着ペーストを塗布する場合には、その途中段階において、塗布済みの接着ペーストに対する焼成工程を実施しても良い。
また 上記の実施形態では、接着ペースト(接着部材416)と上述した白金ペースト(厚膜パッド418)とを同一工程で焼成する製造方法について説明したが、それぞれ異なる工程で焼成しても良い。
引出リード線は、白金(Pt)製の貴金属リード線に限られることはなく、Pt−Rh線(白金−ロジウム製のリード線)、他の貴金属製のリード線、合金からなるリード線などを用いても良い。さらに、引出リード線は、卑金属製のリード線を用いても良い。
また、用途に応じて、溶接部の補強のためのリード線固定材として軟化点の比較的低い材料を用いてもよい。
さらに、温度センサ素子(感温素子)は、その使用環境、実際の取付構造によっては、厚膜パッド、引出リード線、リード線固定材を省略した構成としてもよい。
温度センサの内部構造を示す部分破断断面図である。 感温素子の外観を表す平面図である。 カバー基板およびリード線固定材を省略したときの感温素子の内部構造を表した説明図である。 図2における感温素子のA−A視断面における断面図である。 図2における感温素子のB−B視断面における断面図である。 第2感温素子の外観を表す平面図である。 図6における第2感温素子のB−B視断面における断面図である。 第3感温素子の外観を表す平面図である。 図8における第3感温素子のB−B視断面における断面図である。 従来構成の比較用感温素子における断面図である。
符号の説明
2…感温素子、101…温度センサ、102…第2感温素子、103…第3感温素子、108…シース部材、114…金属チューブ、205…ナット部材、304…取り付け部材、409…引出リード線、414…セラミックス基体、415…金属薄膜抵抗体、416…接着部材、417…カバー基板、418…厚膜パッド、419…リード線固定材、420…隙間空間、421…出力取出用電極、427…第2カバー基板、428…第3カバー基板、431,433,435…空間当接領域、432,434,436…空間非当接領域、441,442,443…接着当接部。

Claims (5)

  1. セラミックスからなる平板形状のセラミックス素子基板と、
    前記セラミックス素子基板の外表面のうち表側板面に形成され、温度変化に応じて電気抵抗値が変化する金属薄膜抵抗体と、
    セラミックスからなる平板形状であり、前記セラミックス素子基板の表側板面のうち少なくとも前記金属薄膜抵抗体の形成領域を覆うように前記セラミックス素子基板に積層配置されたカバー基板と、
    を有する温度センサ素子であって、
    前記カバー基板は、前記金属薄膜抵抗体に当接しつつ、前記セラミックス素子基板の表側板面との間で隙間空間を形成した形態で当該セラミックス素子基板に積層されており、
    前記隙間空間の周囲を覆うように前記セラミックス素子基板と前記カバー基板とを接着するセラミックスからなる接着部材が配置されていること、
    を特徴とする温度センサ素子。
  2. 前記カバー基板は、前記セラミックス素子基板よりも板面が小さく形成されており、
    前記セラミックス素子基板における前記接着部材との接着当接部は、前記セラミックス素子基板の前記表側板面に形成されること、
    を特徴とする請求項1に記載の温度センサ素子。
  3. 前記セラミックス素子基板は、前記表側板面において、前記隙間空間に面しない空間非当接領域を有しており、
    前記セラミックス素子基板における前記接着部材との接着当接部の少なくとも一部は、前記表側板面の前記空間非当接領域に形成されており、
    前記カバー基板は、外表面のうち前記金属薄膜抵抗体に対向する抵抗体対向板面において、前記隙間空間に面しない空間非当接領域を有しており、
    前記カバー基板における前記接着部材との接着当接部の少なくとも一部は、前記抵抗体対向板面の前記空間非当接領域に形成されること、
    を特徴とする請求項1に記載の温度センサ素子。
  4. 前記カバー基板、前記セラミックス素子基板、前記接着部材は、いずれもがアルミナ純度99%以上で構成されていること、
    を特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の温度センサ素子。
  5. 測定対象物の温度を検出する温度検出部材と、
    前記温度検出部材を保持すると共に温度測定位置に配置する素子保持部材と、
    を備える温度センサであって、
    前記温度検出部材は、請求項1から請求項4のいずれかに記載の温度センサ素子であること、
    を特徴とする温度センサ。
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