JP2015212638A - 感温素子および温度センサ - Google Patents

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Abstract

【課題】出力線とパッド部との間の剥離を低減できる感温素子および温度センサを提供する。
【解決手段】温度センサにおける感温素子3は、アルミナおよびアルミノケイ酸塩ガラスで形成された被覆部材65を備えており、被覆部材65におけるアルミナとアルミノケイ酸塩ガラスとの体積比率(アルミナ/アルミノケイ酸塩ガラス)は、30vol%/70vol%である。また、被覆部材65に含まれるアルミノケイ酸塩ガラスは、軟化点900℃以上の高耐熱ガラスである。この被覆部材65は、アルミノケイ酸塩ガラスのみで形成された被覆部材に比べて、より高温となる環境下でも、出力線5およびパッド部59を保持することができ、出力線5とパッド部59との剥離やパッド部59とセラミックス基体51との剥離を抑制できる。
【選択図】図2

Description

本発明は、内燃機関(例えば、自動車エンジンなど)の排気系などにおいて使用される感温素子およびその感温素子を備えた温度センサに関する。
内燃機関(例えば、自動車エンジンなど)の排気系において使用される温度センサとして、金属抵抗体(白金抵抗体など)を有する感温素子を備えた温度センサが知られている。この温度センサは、温度変化による金属抵抗体の電気抵抗値の変化を利用して、被測定物(被測定ガスなど)の温度を検出するものである(特許文献1参照)。
上述した感温素子としては、図9に例示するように、例えばアルミナ基板P1の表面に、白金抵抗体P2に接続されたPtからなる薄膜端子P3が形成されるとともに、薄膜端子P3の表面にPtペーストによって形成された厚膜のパッド部P4が形成され、そのパッド部P4にPtからなる出力線P5が接合されたものが知られている。なお、出力線は、図示しない金属芯線に接合されており、パッド部P4や出力線P5は、ガラスからなる被覆部材P6に覆われている。
特開2006−234632号公報
上述の感温素子は、従来は、高温(例えば850℃以上)での常用使用が殆どなく、熱衝撃条件が厳しくなかったために、出力線P5とパッド部P4との間の剥離は問題とされてこなかった。
しかしながら、近年では、エンジンのダウンサイズ化が図られており、それによって、温度センサの使用領域がより高温にシフトしている。その結果、温度変化の幅が大きくなるので、大きな温度変化による熱膨張の大きな変化によって、出力線P5とパッド部P4とが剥離する恐れが生じつつある。
とりわけ、被覆部材P6が高温によって軟化した場合には、被覆部材P6が出力線P5およびパッド部P4を保持する力が低下してしまい、出力線P5とパッド部P4との剥離が生じやすくなる。
この出力線P5とパッド部P4とが剥離すると、温度センサの性能が劣化するので、その対策が重要である。
本発明は、こうした問題に鑑みてなされたものであり、出力線とパッド部との間の剥離を低減できる感温素子および温度センサを提供することを目的とする。
本発明の1つの局面における感温素子は、セラミックス基体と、セラミックス基体上に形成された金属抵抗体層と、セラミックス基体上に形成されるとともに金属抵抗体層と電気的に接続された導電性を有するパッド部と、パッド部の表面に接合された金属からなる出力線と、を備える感温素子であって、被覆部材をさらに備える。
被覆部材は、出力線のうち少なくともパッド部上に位置する部位を被覆するようにパッド部上に設けられる。被覆部材は、ガラスおよびセラミックスの混合体で形成されている。
そして、被覆部材におけるセラミックスとガラスとの体積比率(セラミックス/ガラス)は、3vol%/97vol%〜50vol%/50vol%の範囲内である。また、被覆部材におけるガラスの軟化点または溶融点は900℃以上である。
本局面の感温素子においては、被覆部材は、ガラスおよびセラミックスを上記の体積比率で備える構成であることから、ガラスが軟化(または溶融)する温度であってもセラミックスが軟化しない温度であれば、セラミックスの存在によって被覆部材としての形状を維持できる。つまり、この被覆部材は、ガラスのみで形成された被覆部材に比べて、より高温となる環境下でも、出力線およびパッド部を保持することができ、出力線とパッド部との剥離やパッド部とセラミックス基体との剥離を抑制できる。
そして、被覆部材におけるガラスの軟化点または溶融点は900℃以上であることから、この被覆部材は、900℃以上であってセラミックスが軟化しない温度であれば、被覆部材によって出力線およびパッド部を保持することができ、出力線とパッド部との剥離やパッド部とセラミックス基体との剥離を抑制できる。
よって、本局面の感温素子によれば、被覆部材の軟化を抑制でき、出力線とパッド部との間の剥離が発生することを低減できる。
なお、上記の「ガラスの軟化点または溶融点」は、非晶質ガラスの場合には軟化点であり、結晶化ガラスの場合には溶融点を意味している。軟化点と溶融点の両方を有するガラスの場合には、ガラスの軟化点または溶融点のうちいずれか低い方を採用する。すなわち、被覆部材におけるガラスの軟化点または溶融点のうちいずれか低い方が900℃以上であることを意味しており、換言すると、ガラスの軟化点及び溶融点がいずれも900℃以上であることを意味している。
次に、本発明の他の局面における感温素子では、被覆部材のガラスは、アルカリ金属元素の含有量が0.2wt%以下(0wt%を含む)であっても良い。
もし、被覆部材のガラスがアルカリ金属元素を多量に含む場合には、被覆部材の導電性が高まり、被覆部材を通じて漏洩電流が発生してしまい、感温素子としての温度検出精度が低下する可能性が高まる。
これに対して、被覆部材のガラスにおけるアルカリ金属元素の含有量が0.2wt%以下(0wt%を含む)であること(換言すれば、被覆部材におけるガラス組成がアルカリ金属元素を実質的に含まないこと)で、被覆部材の導電性が高まるのを抑えることができ、感温素子としての温度検出精度が低下するのを抑制できる。
次に、本発明の他の局面における感温素子では、被覆部材の熱膨張係数は、出力線の熱膨張係数と同等以下であってもよい。
本局面の感温素子においては、被覆部材の熱膨張係数が出力線の熱膨張係数と同等以下であるため、温度変化に対する膨張量は、出力線と被覆部材とが同程度、あるいは、出力線よりも被覆部材の方が小さくなる。
これにより、高温環境下であっても、被覆部材は出力線に比べて変形しがたくなり、被覆部材は出力線およびパッド部を保持することができ、出力線とパッド部との剥離やパッド部とセラミックス基体との剥離を抑制できる。
次に、本発明の他の局面における感温素子では、被覆部材におけるセラミックスとガラスとの体積比率(セラミックス/ガラス)は、10vol%/90vol%〜40vol%/60vol%の範囲内であってもよい。
被覆部材におけるセラミックスとガラスとの体積比率(セラミックス/ガラス)をこのように規定することで、高温環境下においても、より一層、セラミックスの存在によって被覆部材としての形状を維持できる。この被覆部材は、高温環境下であっても、より一層、出力線およびパッド部を保持することができ、出力線とパッド部との剥離やパッド部とセラミックス基体との剥離を抑制できる。
次に、本発明の他の局面における温度センサは、感温素子と、感温素子を保持する保持部と、感温素子および保持部を被取付部に取り付けるための取付部と、を備える温度センサであって、感温素子が上述のいずれかの感温素子である。
この温度センサは、例えば850℃以上の高温で使用された場合でも、被覆部材の軟化を抑制でき、感温素子における剥離を抑制できるので、高温耐久性が高く、好適に高温下で使用できるという利点がある。
本発明の感温素子によれば、被覆部材の軟化を抑制でき、出力線とパッド部との間の剥離が発生することを低減できる。
本発明の温度センサによれば、被覆部材の軟化を抑制でき、感温素子における出力線とパッド部との間の剥離を抑制できるので、高温耐久性が高く、好適に高温下で使用することができる。
温度センサの構造を示す部分破断断面図である。 (a)は(b)に示す感温素子のA−A断面を示す断面図であり、(b)は感温素子の構成を示す平面図である。 感温素子を分解して示す斜視図である。 感温素子の製造工程を順を追って示す説明図である。 感温素子の製造手順を平面視で示す説明図である。 試料1から試料16の感温素子の被覆部材における出力線の保持強度についての測定試験結果である。 試料21から試料36の感温素子の被覆部材における出力線の保持強度についての測定試験結果である。 被覆部材のガラスにおけるアルカリ金属元素の含有量と感温素子での漏れ電流との関係についての測定試験結果である。 従来の感温素子の内部構造を示す説明図である。
以下、本発明が適用された実施形態について、図面を用いて説明する。
なお、以下に示す実施形態では、内燃機関の排気管などの流通管に装着することにより、測定対象ガスが流れる流通管内に配置されて、測定対象ガス(排気ガス)の温度検出に用いられる温度センサを例に挙げて説明する。
[1.第1実施形態]
[1−1.全体構成]
本実施形態の温度センサ1の全体の構成について、図1に基づいて説明する。
図1は、温度センサ1の内部構成を表す断面図である。なお、ここでは、温度センサ1の長手方向(図1の上下方向)が軸線方向である。また、温度センサ1の先端側は図1の下側であり、後端側は図1の上側である。
この温度センサ1には、感温素子3と、シース部7と、金属チューブ9と、取付け部11と、ナット部13と、が主に設けられている。
感温素子3は、測定対象ガスが流れる流通管内に配置される測温素子であり、金属チューブ9の内部に配置されるものである。
この感温素子3には、後に詳述するように、温度によって内部の金属抵抗体の電気的特性(電気抵抗値)が変化する感温部4と、この感温部4に接続された一対の出力線5(素子電極線5)とが設けられている。
シース部7は、一対の金属芯線15(シース芯線15)を外筒17の内側にて絶縁保持するものである。このシース部7には、金属製の外筒17と、導電性金属からなる一対の金属芯線15と、外筒17と2本の金属芯線15との間を電気的に絶縁して金属芯線15を保持する絶縁粉末(図示せず)と、が設けられている。
金属チューブ9は、軸線方向に延びる筒状の部材であって、その先端側を閉塞して形成した部材であり、耐腐食性金属(例えば、耐熱性金属でもあるSUS310Sなどのステンレス合金)で形成されている。
この金属チューブ9は、鋼板の深絞り加工によりチューブ先端19(底部)が閉塞した軸線方向に延びる筒状に形成され、筒状のチューブ後端が開放した形状に形成されている。また、金属チューブ9は、チューブ後端側が取付け部11の第2段部21の内面に当接するように、軸線方向寸法が設定されている。
更に、金属チューブ9の内部には、感温素子3およびセメント23(保持部材23)が配置されている。この金属チューブ9には、先端部分に小径部25が形成され、その後端側に小径部25よりも径が大きな大径部27が形成されている。そして、この小径部25および大径部27の間は、段差部29により接続されている。
セメント23は、感温素子3の周囲に充填されるものであり、感温素子3を保持してその揺動を防止するものである。このセメント23としては、熱伝導率が高く、高耐熱、高絶縁性の材料を用いることが好ましい。
例えば、Al23やMgOなどの酸化物、AlNやTiNやSi34やBN等の窒化物、および、SiCやTiCやZrC等の炭化物が主体のセメント、または、Al23やMgOなどの酸化物、AlNやTiNやSi34やBN等の窒化物、および、SiCやTiCやZrC等の炭化物が主体で、Al23やSiO2やMgO等の無機バインダーを混合したセメントを用いることが好ましい。
取付け部11は、金属チューブ9を支持する部材であり、少なくとも金属チューブ9の先端が外部に露出する状態で金属チューブ9の後端側の外周面を取り囲んで、金属チューブ9を支持するものである。この取付け部11には、径方向外側に突出する突出部31と、突出部31の後端側に位置すると共に軸線方向に延びる後端側鞘部33と、が設けられている。
突出部31は、先端側に取り付け座35が設けられた環状の部材である。取り付け座35は、先端側に向かって径が小さくなるテ―パ形状の部材であり、排気管(図示せず)のセンサ取り付け位置に形成された後端側に向かって径が大きくなるテ―パ形状と対応したものである。
なお、取付け部11は、排気管のセンサ取り付け位置に配置されると、取り付け座35がセンサ取り付け位置のテーパ部に密着し、排気管外部への排気ガスの漏出を防止するものである。
後端側鞘部33は、環状に形成された部材であり、この後端側鞘部33には、先端側に位置する第1段部37と、第1段部37よりも外径が小さな前記第2段部21と、が形成されている。
ナット部13は、六角ナット部39およびネジ部41を有するものである。
金属芯線15は、先端部が溶接点(接合部:図示せず)により、感温素子3の出力線5と電気的に接続されるものであり、後端部が抵抗溶接により加締め端子43と接続されるものである。つまり金属芯線15は、自身の後端が加締め端子43を介して外部回路、例えば車両の電子制御装置(ECU)等の接続用のリード線45と接続されるものである。
一対の金属芯線15は、絶縁チューブ47によって互いに絶縁されており、一対の加締め端子43も絶縁チューブ47により互いに絶縁されている。リード線45は、導線を絶縁性の被覆材により被覆したものであり、このリード線45は、耐熱ゴム製の補助リング49の内部を貫通して配置されている。
[1−2.感温素子]
次に、感温素子3の構成について説明する。
図2(a)は、図2(b)に示す感温素子のA−A断面を示す断面図であり、図2(b)は、感温素子の構成を示す平面図である。なお、図2(b)では、被覆部材は除き、セラミックス被覆層は透過した状態の感温素子を示している。
図3は、感温素子を分解して示す斜視図である。なお、図3では、被覆部材は除き、セラミックス被覆層は透過した状態の感温素子を分解して示している。
図2及び図3に示すように、感温素子3は、セラミックス基板51(セラミックス基体51)と、金属抵抗体層53と、揮発抑制層55と、一対のパッド部59a、59b(59と総称する)と、一対の出力線5a、5b(5と総称する)と、セラミックス被覆層63と、被覆部材65と、を備えている。
金属抵抗体層53は、セラミックス基板51の一方(図2(a)の上側)の主面に形成されている。揮発抑制層55は、セラミックス基板51のうち金属抵抗体層53と同じ主面に形成されている。一対のパッド部59a,59bは、セラミックス基板51のうち金属抵抗体層53と同じ主面の後端側(図2(a)の左側)にて金属抵抗体層53の表面の一部に形成されている。
一対の出力線5a、5bは、各パッド部59の表面に接合されている。セラミックス被覆層63は、金属抵抗体層53の先端側の上側(図2(a)の上側)を覆う。被覆部材65は、出力線5の先端側及び一対のパッド部59等を覆う。
なお、感温部4は、感温素子3のうち、出力線5以外の板状部分である。
以下、各構成について説明する。
セラミックス基板51は、例えば純度99.9%のアルミナからなる(平面視で)長方形の板材である。
金属抵抗体層53は、金属抵抗体(例えばPt)からなる導電性を有する薄膜であり、例えば厚さが0.5〜3.0μmである。金属抵抗体層53は、先端側の細線部71と、後端側の一対の端子部73a、73b(73と総称する)と、を備える。
このうち、細線部71は、線幅の狭い(例えば幅20μmの)細線であり、セラミックス被覆層63で覆われた領域内にて複数回蛇行するように形成されている。
一方、各端子部73は、細線部71の後端側の一対の端部にそれぞれ接続されて後端側に伸びるように形成された(細線部71より幅の広い)端子である。
詳しくは、各端子部73は、(細線部71と接続された)先端側の長方形の端子先端部73a1、73b1と、後端側の長方形の端子後端部73a2、73b2と、を備えて構成されている。なお、端子後端部73a2、73b2は、端子先端部73a1、73b1より幅(図2(b)のY方向の寸法)が広く、面積が大きな端子である。
揮発抑制層55は、金属抵抗体層53と同様な材料からなる同様な厚さの層であり、金属抵抗体層53と同じ平面にて、金属抵抗体層53の細線部71における三方向(先端側及び幅方向(Y方向)の両側)を囲むように形成されている。これにより、揮発抑制層55は、その形成材料である白金の揮発に伴い白金蒸気圧を発生し、金属抵抗体層53の揮発を抑制する。
パッド部59は、端子後端部73a2、73b2の表面にて、端子後端部73a2、73b2の外周より僅かに内側に形成された(平面視で)長方形の導電性を有する層である。パッド部59は、その厚みが金属抵抗体層53より厚く(例えば厚さ1〜30μm)形成された厚膜である。
このパッド部59は、Pt及びガラスからなる混合材料で形成されており、ここでは、Ptとガラスの割合は、Pt及びガラスの合計を100vol%とした場合において、ガラスが40vol%となる割合である。なお、Ptとガラスの割合は、Pt及びガラスを100vol%とした場合、ガラスが5vol%〜80vol%(好ましくは10vol%〜50vol%)の範囲内となる任意の割合としてもよい。
なお、パッド部59は、Pt及びガラスからなる混合材料以外に、金属及びガラスに例えばセラミックフィラー等を添加した(金属及びガラスを主成分とする)ガラス系材料を使用して形成してもよい。
パッド部59に含まれるガラスは、例えば転移点700℃以上で軟化点900℃以上の高耐熱ガラスであり、ここでは、その組成は、例えば、SiO2:52wt%、CaO:25wt%、Al23:15wt%、SrO:8wt%である。
このガラスとしては、出力線5の熱膨張係数より熱膨張係数が小さいガラスが使用される。なお、このガラスとしては、出力線5の熱膨張係数より小さい熱膨張係数を有する各種のガラス、例えば、ケイ酸塩ガラス、アルミノケイ酸塩ガラス、ホウ酸塩ガラス、ホウケイ酸塩ガラス、リンケイ酸塩ガラス等、各種のガラスを採用できる。
そして、パッド部59の熱膨張係数は、温度センサ1の使用温度領域(例えば20−300℃)において、例えば6.0×10-6/℃〜9.5×10-6/℃の範囲内であり、出力線5の熱膨張係数より小さい熱膨張係数に設定されている。
更に、出力線5とパッド部59との熱膨張係数の差分値(熱膨張係数差)は、例えば、2.0×10-6/℃である。なお、出力線5とパッド部59との熱膨張係数差は、例えば、0.2×10-6/℃〜4.0×10-6/℃の範囲(より好ましくは、0.4×10-6/℃〜2.5×10-6/℃の範囲)で任意の値としてもよい。
出力線5は、Ptからなる線材であって、熱膨張係数が9.5×10-6/℃(20−300℃)の線材(Pt線)であり、その先端は、パッド部59の表面に接合されている。なお、出力線5としては、Pt合金を用いてもよい。
この出力線5は、パラレル溶接(抵抗溶接)によってパッド部59に接合されるので、出力線5とパッド部59との接合部分75(図2(a)参照)はスポット状に形成される。
セラミックス被覆層63は、例えば純度99.9%のアルミナからなる基板であり、このセラミックス被覆層63によって、金属抵抗体層53の細線部71及び端子先端部73a1、73b1の先端側と揮発抑制層55とが覆われている。
なお、セラミックス被覆層63は、例えば純度99.9%のアルミナからなる接合層64(図2(a)参照)によって、セラミックス基板51等に接合されている。
被覆部材65は、アルミノケイ酸塩ガラスとアルミナとの混合材料(混合体)で形成された被覆層であり、出力線5の先端側、パッド部59の全体、セラミックス被覆層63の後端側を覆うように形成されている。特に、被覆部材65は、出力線5のうち少なくともパッド部59上に位置する部位を被覆するようにパッド部59上に設けられる。
被覆部材65に含まれるアルミノケイ酸塩ガラスは、例えば転移点700℃以上で軟化点900℃以上の高耐熱ガラスであり、ここでは、その組成は、例えば、SiO2:58wt%、CaO:17wt%、Al23:20wt%、MgO:5wt%である。また、被覆部材65におけるアルミノケイ酸塩ガラスは、不可避不純物としてのアルカリ金属元素の含有量が0.2wt%以下である。このため、被覆部材65におけるアルミノケイ酸塩ガラスは、アルカリ金属元素を実質的に含まない構成である。
被覆部材65におけるアルミナとアルミノケイ酸塩ガラスとの体積比率(アルミナ/アルミノケイ酸塩ガラス)は、30vol%/70vol%である。
また、被覆部材65の熱膨張係数は、7.5×10-6/℃(20−300℃)であり、出力線5の熱膨張係数と同等以下である。被覆部材65は、出力線5より熱膨張係数が小さく、出力線5と被覆部材65との熱膨張係数差は、2.0×10-6/℃である。なお、被覆部材65に混合するセラミックスの比率や材質を調整することによって出力線5との熱膨張係数差を所定の範囲内となるように制御することが可能である。
パッド部59は、上述したように、その熱膨張係数は出力線5の熱膨張係数より小さく設定されている。
[1−3.感温素子の製造方法]
次に、感温素子3の製造方法について説明する。
図4は、感温素子の製造工程を順を追って示す説明図である。図5は、感温素子の製造手順を平面視で示す説明図である。
図4及び図5に示すように、まず、第1工程では、セラミックス基板51の母材(図示せず)を、超音波洗浄によって洗浄する。なお、この母材とは、複数の感温素子3を1枚の大判の基板から作製するための板材であり、複数のセラミックス基板51を含んだ板材である。図5では、1個の感温素子3に相当する部分を示している。
次に、第2工程では、金属抵抗体層53及び揮発抑制層55を形成するために、母材(従ってセラミックス基板51)の表面のうち、金属抵抗体層53及び揮発抑制層55の形成する表面部分に、周知のPVD法(例えば、スパッタリング法)によってPt膜(図示せず)を形成する。
次に、第3工程では、周知のレジスト膜形成、露光処理、現像、エッチング、レジスト膜剥離等のフォトリソグラフィ工程によって、図5(a)に示すように、金属抵抗体層53及び揮発抑制層55を形成する。
次に、第4工程では、アニール処理(エイジング処理)を行う。なお、アニール処理としては、ここでは、大気又はN2雰囲気下で、1000〜1400℃に加熱し、その後、自然冷却を行う。
次に、第5工程では、パッド部59の組成となるように、例えばPt材料(粉末)を93質量部及び前記組成のガラス粉末を7質量部の合計100質量部に対してセルロース樹脂10質量部を加えた材料を用いて、Pt−ガラスペースト59Pを作製する。
そして、図5(b)に示すように、そのPt−ガラスペースト59Pを、パッド部59を形成する箇所に印刷する。即ち、Pt−ガラスペースト59Pを、金属抵抗体層53の端子部73の端子後端部73a2、73b2の表面に、(端子後端部73a2、73b2の外周より内側の範囲にて)長方形状に印刷する。
次に、第6工程では、アルミナ粉末90質量部とブチラール樹脂10質量部とを加えてアルミナペースト(図示せず)を作製し、そのアルミナペーストを、母材(従ってセラミックス基板51)上のセラミックス被覆層63で覆う箇所(接合層64となる箇所)に印刷する。
次に、第7工程では、図5(b)に(透視して)示すように、アルミナペーストを印刷した箇所に重ねるように、(焼成済みのセラミックス基板である)セラミックス被覆層63を配置する。
次に、第8工程では、上述したように、表面に各層などが配置された母材(セラミックス基板51)を、焼成温度1000〜1400℃で2時間焼成する。これによって、各ペーストが焼成される。
次に、第9工程では、ダイシングによって、母材を後述する溶接向けのワークサイズにカットする。
次に、第10工程では、図5(c)に示すように、パッド部59上に出力線5を配置し、パラレル溶接(抵抗溶接)によって、出力線5をパッド部59に接合する。
次に、第11工程では、被覆部材65の組成のガラス材料(粉末)60質量部と、アルミナ材料(粉末)40質量部と、ブチラール樹脂10質量部と、を加えてガラス−アルミナ混合ペースト(図示せず)を作製し、そのペーストを、被覆部材65を形成する箇所に塗布する。即ち、ペーストを、出力線5の先端側、パッド部59、セラミックス被覆層63の後端側を覆うように塗布する。
次に、第12工程では、ワークサイズの基板を例えば焼成温度1000〜1400℃で2時間焼成する。
次に、第13工程では、ダイシングによって、ワークサイズの基板をカットして、各感温素子3を分離する。
このように、上述した工程によって、感温素子3を製造することができる。
なお、温度センサ1は、上述したように製造された感温素子3を、従来と同様な手順で組み付けることによって製造することができる。
[1−4.測定試験]
まず、感温素子の被覆部材における出力線の保持強度(初期強度および耐久後強度)についての測定試験に関する試験結果について説明する。
本測定試験では、アルミナとアルミノケイ酸塩ガラスとの混合材料(混合体)で形成された被覆部材を備える感温素子と、コージェライトとアルミノケイ酸塩ガラスとの混合材料(混合体)で形成された被覆部材を備える感温素子と、を用いて測定試験を実施した。具体的には、アルミナとアルミノケイ酸塩ガラスとの体積比率が異なる8種類の感温素子(試料1〜試料8)と、コージェライトとアルミノケイ酸塩ガラスとの体積比率が異なる8種類の感温素子(試料9〜試料16)と、を用いて測定試験を実施した。各感温素子におけるそれぞれのアルミナとアルミノケイ酸塩ガラスとの体積比率またはコージェライトとアルミノケイ酸塩ガラスとの体積比率は、図6に示すとおりである。
本測定試験では、感温素子3のうちセラミックス基板51およびセラミックス被覆層63を保持した状態で、出力線5に対して被覆部材65から引き抜く方向の荷重を加えて、その加重を徐々に増大させた。そして、出力線5のうち被覆部材65で覆われていない部分のどこかが断線(破断)するまで、あるいは、出力線5が被覆部材65から抜け落ちるまで、荷重を増大させた。なお、本測定試験は、金属材料引張試験(JIS Z2241:2011)に準拠した方法で行った。また、本測定試験では、各試料について10個の感温素子を用いた。
なお、「初期強度」の試験は、高温炉における950℃の環境下で50時間経過する前の感温素子における測定試験であり、「耐久後強度」の試験は、高温炉における950℃の環境下で50時間経過した後の感温素子における測定試験である。
図6に、本測定試験の試験結果を示す。この試験結果は、被覆部材における出力線の保持強度を、優良(◎)、良(○)、不可(×)の3段階で示している。
試験結果が優良(◎)と判定されるのは、10個の感温素子の全てが「出力線5が被覆部材65から抜け落ちることなく、かつ、出力線5のうち被覆部材65で覆われていない部分が断線(破断)した感温素子」となる場合である。
試験結果が良(○)と判定されるのは、10個の感温素子のうち少なくとも1個が「出力線5が被覆部材65から抜け落ちたが、そのときの荷重が必要荷重(本測定試験では、150MPa)以上である感温素子」であり、その他の感温素子が「出力線5が被覆部材65から抜け落ちることなく、かつ、出力線5のうち被覆部材65で覆われていない部分が断線(破断)した感温素子」となる場合である。
試験結果が不可(×)と判定されるのは、10個の感温素子のうち少なくとも1個が「出力線5が被覆部材65から抜け落ちており、そのときの荷重が必要荷重未満である感温素子」となる場合である。
なお、「初期強度」の試験結果で「×」となった試料8および試料16については、「耐久後強度」の試験を省略した。
試験結果によれば、セラミックス成分(アルミナ、コージェライト)が50vol%以下であれば、初期強度の試験結果が「優良」または「良」となり、被覆部材が出力線を保持できることが分かる。また、セラミックス成分(アルミナ、コージェライト)が3vol%以上であれば、耐久後強度の試験結果が「優良」または「良」となり、出力線の脱落を抑制できることが分かる。
よって、この試験結果によれば、アルミナとアルミノケイ酸塩ガラスとの体積比率(アルミナ/アルミノケイ酸塩ガラス)を3vol%/97vol%〜50vol%/50vol%の範囲内に設定された被覆部材を備える感温素子は、被覆部材による出力線の保持状態が強固となる。また、被覆部材による出力線の保持状態をより強固とするためには、「初期強度」および「耐久後強度」がいずれも優良(◎)に相当する強度となるように、アルミナとアルミノケイ酸塩ガラスとの体積比率(アルミナ/アルミノケイ酸塩ガラス)を10vol%/90vol%〜40vol%/60vol%の範囲内に設定してもよい。
次に、被覆部材を形成するセラミックス成分およびガラス成分の組合せが異なる16種類の感温素子(試料21〜試料36)を用いて、被覆部材における出力線の保持強度(初期強度および耐久後強度)についての測定試験を実施した。16種類の感温素子におけるそれぞれのセラミックス成分およびガラス成分の内容は、図7に示すとおりである。
なお、この測定試験では、16種類の感温素子の全てについて、被覆部材におけるセラミックス成分とガラス成分との体積比率(セラミックス成分/ガラス成分)を30vol%/70vol%に設定して測定試験を実施した。
試験結果によれば、16種類の感温素子の全てが、「初期強度」および「耐久後強度」の試験結果が優良(◎)である。
このため、被覆部材におけるセラミックス成分とガラス成分との体積比率(セラミックス成分/ガラス成分)を30vol%/70vol%に設定することで、「初期強度」および「耐久後強度」が優良となり、被覆部材から出力線が脱落するのを抑制できることが分かる。
よって、この試験結果によれば、セラミックス成分とガラス成分との体積比率(セラミックス成分/ガラス成分)が30vol%/70vol%に設定された被覆部材を備える感温素子は、被覆部材による出力線の保持状態が強固となる。
次に、被覆部材のガラスにおけるアルカリ金属元素の含有量と感温素子での漏れ電流との関係についての測定試験に関する試験結果について説明する。
本測定試験では、被覆部材のガラスがアルカリ金属元素を含まない感温素子での検出温度(試料41)を基準として、被覆部材のガラスがアルカリ金属元素を含む感温素子(試料42〜44)での検出温度における精度誤差を測定した。
なお、本測定試験では、アルカリ金属元素として、Na2OとK2Oとを混合したものを使用した。
図8に、本測定試験の試験結果を示す。試験結果によれば、アルカリ金属元素が0.1wt%である試料42は、精度誤差が0.5[℃]であり、判定結果が優良(◎)である。アルカリ金属元素が0.2wt%である試料43は、精度誤差が1.0[℃]であり、判定結果が良(○)である。アルカリ金属元素が0.3wt%である試料44は、精度誤差が2.0[℃]であり、判定結果が不可(×)である。
この試験結果によれば、被覆部材のガラスにおけるアルカリ金属元素の含有量が0.2wt%以下(0wt%を含む)であること(換言すれば、被覆部材のガラスがアルカリ金属元素を実質的に含まないこと)で、被覆部材の導電性が高まるのを抑えることができる。つまり、被覆部材のガラスにおけるアルカリ金属元素の含有量を0.2wt%以下(0wt%を含む)に設定することで、被覆部材を通じて漏洩電流が発生するのを抑制でき、感温素子としての温度検出精度が低下するのを抑制できる。
なお、本測定試験では、アルカリ金属元素として、Na2OとK2Oとを混合したものを使用したが、Na2O単体あるいはK2O単体を使用してもよく、この場合でも、アルカリ金属元素の含有量を0.2wt%以下(0wt%を含む)に設定することで、被覆部材を通じて漏洩電流が発生するのを抑制できる。また、アルカリ金属元素は、NaやKに限られることはなく、このほかのアルカリ金属元素であっても、その含有量を0.2wt%以下(0wt%を含む)に設定することで、被覆部材を通じて漏洩電流が発生するのを抑制できる。
[1−5.効果]
以上説明したように、本実施形態の温度センサ1における感温素子3は、アルミナおよびアルミノケイ酸塩ガラスの混合材料で形成された被覆部材65を備えており、被覆部材65におけるアルミナとアルミノケイ酸塩ガラスとの体積比率(アルミナ/アルミノケイ酸塩ガラス)は、30vol%/70vol%である。また、被覆部材65に含まれるアルミノケイ酸塩ガラスは、軟化点900℃以上の高耐熱ガラスである。
感温素子3においては、被覆部材65がアルミナとアルミノケイ酸塩ガラスとを上記の体積比率で備える構成であることから、アルミノケイ酸塩ガラスが軟化(または溶融)する温度であってもアルミナが軟化しない温度であれば、アルミナの存在によって被覆部材65としての形状を維持できる。つまり、この被覆部材65は、アルミノケイ酸塩ガラスのみで形成された被覆部材に比べて、より高温となる環境下でも、出力線5およびパッド部59を保持することができ、出力線5とパッド部59との剥離やパッド部59とセラミックス基体51との剥離を抑制できる。
そして、被覆部材65におけるアルミノケイ酸塩ガラスの軟化点(溶融点)は900℃以上であることから、この被覆部材65は、900℃以上であってアルミナが軟化しない温度であれば、被覆部材65によって出力線5およびパッド部59を保持することができ、出力線5とパッド部59との剥離やパッド部59とセラミックス基体51との剥離を抑制できる。
よって、感温素子3によれば、被覆部材65の軟化を抑制でき、出力線5とパッド部59との間の剥離が発生することを低減できる。
次に、感温素子3では、被覆部材65におけるアルミノケイ酸塩ガラスは、アルカリ金属元素の含有量が0.2wt%以下であり、アルカリ金属元素を実質的に含まない構成である。
もし、被覆部材65のアルミノケイ酸塩ガラスがアルカリ金属元素を多量に含む場合には、被覆部材65の導電性が高まり、被覆部材65を通じて漏洩電流が発生してしまい、感温素子3としての温度検出精度が低下する可能性が高まる。
これに対して、被覆部材65のアルミノケイ酸塩ガラスがアルカリ金属元素を実質的に含まないことで、被覆部材65の導電性が高まるのを抑えることができ、感温素子3としての温度検出精度が低下するのを抑制できる。
次に、感温素子3では、被覆部材65の熱膨張係数は、出力線5の熱膨張係数よりも小さい値である。
この感温素子3においては、温度変化に対する膨張量は、出力線5よりも被覆部材65の方が小さくなる。
これにより、高温環境下であっても、被覆部材65は出力線5に比べて変形しがたくなり、被覆部材65は出力線5およびパッド部59を保持することができ、出力線5とパッド部59との剥離やパッド部59とセラミックス基体51との剥離を抑制できる。
次に、温度センサ1は、上述のような感温素子3を備えることから、例えば850℃以上の高温で使用された場合でも、被覆部材65の軟化を抑制でき、感温素子3における剥離(出力線5とパッド部59との剥離やパッド部59とセラミックス基体51との剥離)を抑制できるので、高温耐久性が高く、好適に高温下で使用できるという利点がある。
[1−6.特許請求の範囲との対応関係]
ここで、特許請求の範囲と本実施形態とにおける文言の対応関係について説明する。
感温素子3が感温素子の一例に相当し、セラミックス基体51がセラミックス基体の一例に相当し、金属抵抗体層53が金属抵抗体層の一例に相当し、パッド部59(パッド部59a,59b)がパッド部の一例に相当し、出力線5(素子電極線5,出力線5a,5b)が出力線の一例に相当し、被覆部材65が被覆部材の一例に相当する。
温度センサ1が温度センサの一例に相当し、セメント23および金属チューブ9が保持部の一例に相当し、取付け部11およびナット部13が取付部の一例に相当する。
[2.他の実施形態]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、様々な態様にて実施することが可能である。
例えば、上記実施形態では、被覆部材65におけるアルミナとアルミノケイ酸塩ガラスとの体積比率(アルミナ/アルミノケイ酸塩ガラス)が30vol%/70vol%である実施形態について説明したが、体積比率はこの数値に限定されることはない。
つまり、図6に示す測定結果によれば、被覆部材65におけるアルミナとアルミノケイ酸塩ガラスとの体積比率(アルミナ/アルミノケイ酸塩ガラス)は、3vol%/97vol%〜50vol%/50vol%の範囲内における任意の体積比率であってもよい。
さらに、被覆部材65におけるアルミナとアルミノケイ酸塩ガラスとの体積比率(アルミナ/アルミノケイ酸塩ガラス)は、10vol%/90vol%〜40vol%/60vol%の範囲内とすることで、高温環境下においても、より一層、アルミナの存在によって被覆部材65としての形状を維持できる。この被覆部材65は、高温環境下であっても、より一層、出力線5およびパッド部59を保持することができ、出力線5とパッド部59との剥離やパッド部59とセラミックス基体51との剥離を抑制できる。
次に、上記実施形態では、被覆部材65がアルミナとアルミノケイ酸塩ガラスとの混合材料で形成された実施形態について説明したが、被覆部材は、その他のセラミックス成分およびその他のガラス成分の混合材料で形成してもよい。具体的には、図6の試料9〜16や図7の試料21〜36に示すようなセラミックス成分およびガラス成分の混合材料を用いて、被覆部材を形成しても良い。
また、このような被覆部材におけるセラミックス成分とガラス成分との体積比率(セラミックス/ガラス)は、30vol%/70vol%に限られることはない。この被覆部材におけるセラミックス成分とガラス成分との体積比率(セラミックス/ガラス)は、3vol%/97vol%〜50vol%/50vol%の範囲内における任意の体積比率であってもよく、より好ましくは、10vol%/90vol%〜40vol%/60vol%の範囲内における任意の体積比率としても良い。
さらに、感温素子を構成する各部(例えば、セラミックス基板、金属抵抗体層、出力線、被覆部材など)の材料としては、上記の材料に限られることはなく、本発明の技術的範囲において、公知の各種の材料を使用できる。
また、感温素子を収容する温度センサの構成は、上記の構成に限られることはなく、温度センサとして公知の各種の構成を採用できる。
1…温度センサ、3…感温素子、5…出力線(素子電極線)、7…シース部、9…金属チューブ、11…取付け部、13…ナット部、15…金属芯線(シース芯線)、17…外筒、23…セメント(保持部材)、51…セラミックス基板(セラミックス基体)、53…金属抵抗体層、55…揮発抑制層、59…パッド部、63…セラミックス被覆層、65…被覆部材、73…端子部。

Claims (5)

  1. セラミックス基体と、
    前記セラミックス基体上に形成された金属抵抗体層と、
    前記セラミックス基体上に形成されるとともに、前記金属抵抗体層と電気的に接続された導電性を有するパッド部と、
    前記パッド部の表面に接合された金属からなる出力線と、
    を備える感温素子であって、
    前記出力線のうち少なくとも前記パッド部上に位置する部位を被覆するように前記パッド部上に設けられる被覆部材をさらに備え、
    前記被覆部材は、ガラスおよびセラミックスの混合体で形成されており、
    前記被覆部材における前記セラミックスと前記ガラスとの体積比率(セラミックス/ガラス)は、3vol%/97vol%〜50vol%/50vol%の範囲内であり、
    前記ガラスの軟化点または溶融点は900℃以上であること、
    を特徴とする感温素子。
  2. 前記ガラスは、アルカリ金属元素の含有量が0.2wt%以下(0wt%を含む)であること、
    を特徴とする請求項1に記載の感温素子。
  3. 前記被覆部材の熱膨張係数は、前記出力線の熱膨張係数と同等以下であること、
    を特徴とする請求項1または請求項2に記載の感温素子。
  4. 前記被覆部材における前記セラミックスと前記ガラスとの体積比率(セラミックス/ガラス)は、10vol%/90vol%〜40vol%/60vol%の範囲内であること、
    を特徴とする請求項1から請求項3のうちいずれか一項に記載の感温素子。
  5. 感温素子と、
    前記感温素子を保持する保持部と、
    前記感温素子および前記保持部を被取付部に取り付けるための取付部と、
    を備える温度センサであって、
    前記感温素子は、請求項1から請求項4のうちいずれか1項に記載の感温素子であること、
    を特徴とする温度センサ。
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