JP2017075800A - 温度センサ - Google Patents
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Abstract
【課題】芯線におけるショートを抑制することができる温度センサを提供すること。【解決手段】温度センサ1は、その先端側を覆うように金属製のプロテクタ5が取り付けられている。このプロテクタ5は、感温素子13と(感温素子13と先端ガラス部65との間の)シース芯線15と先端ガラス部65の先端面71とを覆うと共に、その覆った部分の空間73と外部と連通する連通孔74を有している。このオープンタイプの温度センサ)1では、先端ガラス部65の先端面71の表面粗さRaは、プロテクタ5の内周面75の表面粗さRaよりも小さい。先端ガラス部65の先端面71にすすが付着しにくいので、シース芯線15がショートし難い。【選択図】図2
Description
本発明は、例えば車両用のエンジンや設置式の汎用エンジン等の排ガスなどの温度を検知する温度センサに関する。
例えばエンジンの排ガス等の温度を検知する温度センサとして、感温素子と、シース部材と、チューブとを備える構成の温度センサが知られている(特許文献1参照)。
この温度センサにおいては、感温素子とシース部材の芯線とが電気的に接続されるとともに、感温素子と芯線とシース部材とがチューブによって覆われている。
この温度センサにおいては、感温素子とシース部材の芯線とが電気的に接続されるとともに、感温素子と芯線とシース部材とがチューブによって覆われている。
このうち、感温素子としては、温度によって電気的特性(電気抵抗値)が変化する金属抵抗体(例えば白金抵抗体)を備える素子や、温度によって電気的特性(電気抵抗値)が変化する導電性酸化物焼結体を備えるサーミスタ素子などがある。
シース部材は、感温素子と電気的に接続される芯線と、芯線の周囲を覆う絶縁部材と、絶縁部材を覆う筒状に形成された金属製の外皮部材と、を備える。この外皮部材は、筒状に形成されると共に、長手方向における両端部がそれぞれ開口している。つまり、絶縁部材は、外皮部材の両端部にて露出している。
チューブは、感温素子と芯線とシース部材とを収容する金属製の円筒形状の部材であり、その先端側は、感温素子や芯線等が露出しないように閉塞されている。
また、このような構造の温度センサ(即ちクローズタイプの温度センサ)とは別に、例えば排ガスの温度を応答良く検出する等のために、チューブの先端側を外部に開放して、感温素子が排ガスに直接に晒されるようにしたオープンタイプの温度センサが知られている。
また、このような構造の温度センサ(即ちクローズタイプの温度センサ)とは別に、例えば排ガスの温度を応答良く検出する等のために、チューブの先端側を外部に開放して、感温素子が排ガスに直接に晒されるようにしたオープンタイプの温度センサが知られている。
このようなオープンタイプの温度センサでは、感温素子などが外部に露出しているので、感温素子等を排ガス中の塵などから保護するために、通常、温度センサの先端に、多数の開口部(連通孔)が開けられた金属製のプロテクタが取り付けられている。
しかしながら、近年では、例えばエンジンのダウンサイズ化などにより、温度センサがより高温(例えば850℃以上)で使用(常用)されることがあり、従来のオープンタイプの温度センサでは不具合が生じる恐れがあった。
例えば、高温の排ガスにはすすが多く含まれることがあるが、上述した連通孔を有するプロテクタを取り付けた温度センサでは、感温素子やシース部材の先端側は排ガス等の外気に晒されているので、排ガス中のすすがシース部材の先端側の端面(即ち芯線が突出するシース端面)に堆積することがあった。
そのため、芯線間の抵抗値が小さくなって(即ちショートが発生して)、温度センサの測定精度が低下する恐れがあった。
そこで、本発明は、芯線におけるショートを抑制することができる温度センサを提供することを目的とする。
そこで、本発明は、芯線におけるショートを抑制することができる温度センサを提供することを目的とする。
(1)本発明の第1局面の温度センサは、シース部材とプロテクタとを備えている。
このシース部材は、長手方向の先端側に配置されて、温度に応じて電気的特性が変化する感温素子と、長手方向に延びると共に、感温素子と電気的に接続される少なくとも1本の電極線と、電極線の径方向を覆う電気絶縁性を有する絶縁部材と、長手方向の少なくとも一部において絶縁部材の径方向を覆うと共に、長手方向の先端側が開口した金属製の外皮部材とを有する。
このシース部材は、長手方向の先端側に配置されて、温度に応じて電気的特性が変化する感温素子と、長手方向に延びると共に、感温素子と電気的に接続される少なくとも1本の電極線と、電極線の径方向を覆う電気絶縁性を有する絶縁部材と、長手方向の少なくとも一部において絶縁部材の径方向を覆うと共に、長手方向の先端側が開口した金属製の外皮部材とを有する。
また、プロテクタは、感温素子と、感温素子と絶縁部材との間の電極線と、絶縁部材の先端面(絶縁部材の先端側の端面)と、を覆うと共に、当該覆った部分の空間と外部と連通する連通孔を有する金属製の部材である。
さらに、この温度センサ(即ち外気が前記空間内に導入されるいわゆる先端側が開放されたオープンタイプの温度センサ)では、絶縁部材の先端面の表面粗さRaは、プロテクタの内周面の表面粗さRaよりも小さい。
従って、温度の測定対象である排ガス等の雰囲気中に多くのすすが含まれている場合(例えば温度センサが高温の環境(例えば850℃以上)で使用された場合)でも、すすは、表面粗さRaの大きなプロタクタの内周面に捕集され易く、表面粗さRaの小さな絶縁部材の先端面には付着し難い(従って堆積し難い)。
また、温度センサが高温の環境(例えば850℃以上)で使用された場合でも、プロテクタの内周面等から蒸発した金属成分(詳しくは酸化物となった導電性を有する金属酸化物)は、表面粗さRaの大きなプロテクタの内周面に捕集され易く、表面粗さRaの小さな絶縁部材の先端面には付着し難い(従って堆積し難い)。
そのため、電極線と他の電極線やプロテクタ等との間の電気絶縁性が高いので、電極線がショートし難い。よって、温度センサの測定精度が低下し難いので、耐久性が向上するという効果がある。
ここで、表面粗さRaとは、算術平均粗さRaである(JIS B 0601:2013参照)。
なお、プロテクタの内周面の表面粗さRaと絶縁部材の先端面の表面粗さRaとの大小は、カットオフ値λcを同じにする等のように、同様な測定方法で測定した値(表面粗さRa)で比較することができる。例えば、基準長さを0.25mmとし、カットオフ値λcを0.25mmとしてもよい。
なお、プロテクタの内周面の表面粗さRaと絶縁部材の先端面の表面粗さRaとの大小は、カットオフ値λcを同じにする等のように、同様な測定方法で測定した値(表面粗さRa)で比較することができる。例えば、基準長さを0.25mmとし、カットオフ値λcを0.25mmとしてもよい。
なお、プロテクタの内周面の表面粗さRaとしては、11〜16μmの範囲が挙げられ、絶縁部材の先端面の表面粗さRaとしては、4〜15μmの範囲が挙げられる。
また、外皮部材やプロテクタを構成する金属としては、各種の金属単体や合金が挙げられる。例えば850℃以上で使用されても劣化し難い耐熱性が高い金属が望ましく、例えばSUS310Sなどのステンレス合金などが挙げられる。
また、外皮部材やプロテクタを構成する金属としては、各種の金属単体や合金が挙げられる。例えば850℃以上で使用されても劣化し難い耐熱性が高い金属が望ましく、例えばSUS310Sなどのステンレス合金などが挙げられる。
なお、電極線としては、複数の導電線を溶接等によって接続して1本の電極線として用いてもよい(例えば感温素子から延びる引き出しリード線とシース芯線とを接合してもよい)。
また、絶縁部材の電気絶縁性を示す絶縁抵抗値としては、900℃において0.01MΩ〜1000MΩの範囲が挙げられる。
(2)本発明の第2局面の温度センサでは、絶縁部材の先端面を含む先端部分は、ガラスを主体にしたガラス部である。
(2)本発明の第2局面の温度センサでは、絶縁部材の先端面を含む先端部分は、ガラスを主体にしたガラス部である。
絶縁部材の先端側は電気絶縁性を有するガラス部にて構成されており、このガラス部の先端面の表面粗さRaは、プロテクタの内周面の表面粗さRaより小さい。よって、ガラス部の表面(先端面)にすす等が付着しにくいので、電極線がショートし難いという効果がある。
また、ガラスは水分を透過させにくいので、ガラス部で絶縁部材の先端側を覆うことで、絶縁部材の内部への水分の侵入を抑制できる。
ここで、「ガラスを主体とした」とは、ガラス部を構成する材料の中でガラスが最も多く含まれていること(例えば質量%が最大であること)を意味する。このガラスとしては、後述するように、例えばアルミノケイ酸塩ガラスなどの各種のガラス(使用温度で軟化しないガラス)を採用できる。
ここで、「ガラスを主体とした」とは、ガラス部を構成する材料の中でガラスが最も多く含まれていること(例えば質量%が最大であること)を意味する。このガラスとしては、後述するように、例えばアルミノケイ酸塩ガラスなどの各種のガラス(使用温度で軟化しないガラス)を採用できる。
なお、ガラス部の先端側の先端面の表面粗さRaとしては、4〜8μmの範囲が挙げられる。
(3)本発明の第3局面の温度センサでは、絶縁部材を構成する部材として、ガラス部の後端側に絶縁体を有すると共に、ガラス部の電気絶縁性(絶縁抵抗値)が絶縁体の電気絶縁性(絶縁抵抗値)より高い。
(3)本発明の第3局面の温度センサでは、絶縁部材を構成する部材として、ガラス部の後端側に絶縁体を有すると共に、ガラス部の電気絶縁性(絶縁抵抗値)が絶縁体の電気絶縁性(絶縁抵抗値)より高い。
これにより、絶縁部材の先端面の電気絶縁性が向上するので、先端面におけるショートがより発生し難くなる。
このように、絶縁部材の構成としては、先端側に配置されたガラス部と後端側に配置された絶縁体(即ちガラス部とは異なる絶縁体)からなる構成を採用できる。この絶縁体の材料としては、後述するように、電気絶縁性を有するマグネシア(MgO)等を採用できる。
このように、絶縁部材の構成としては、先端側に配置されたガラス部と後端側に配置された絶縁体(即ちガラス部とは異なる絶縁体)からなる構成を採用できる。この絶縁体の材料としては、後述するように、電気絶縁性を有するマグネシア(MgO)等を採用できる。
なお、ガラス部の絶縁抵抗値としては、900℃において0.01MΩ〜10000MΩの範囲が挙げられる。絶縁体の絶縁抵抗値としては、900℃において0.01MΩ〜1000MΩの範囲が挙げられる。
また、これとは別に、絶縁部材の全体をガラス部とは異なる絶縁体から構成してもよく、この場合には、絶縁部材の先端面には、絶縁体が露出する。この絶縁体の先端側の先端面の表面粗さRaとしては、4〜15μmの範囲が挙げられる。
(4)本発明の第4局面の温度センサでは、絶縁部材の先端面は、先端側に凸となっている。
これにより、先端面が平坦である場合に比べて、電極線と他の電極線又はキャップとの間の沿面距離が大きくなるので、電極線のショートを抑制できる。
これにより、先端面が平坦である場合に比べて、電極線と他の電極線又はキャップとの間の沿面距離が大きくなるので、電極線のショートを抑制できる。
(5)本発明の第5局面の温度センサでは、絶縁部材の先端面は、先端面自身の表面粗さRaより粗さの程度が大きなうねりを有している。
つまり、絶縁部材の先端面は、その表面粗さ(算術平均粗さ)Raより、算術平均うねりWa(JIS B 0601:2013参照)が大きいうねりを有している(同じカットオフ値λcとした場合)。
つまり、絶縁部材の先端面は、その表面粗さ(算術平均粗さ)Raより、算術平均うねりWa(JIS B 0601:2013参照)が大きいうねりを有している(同じカットオフ値λcとした場合)。
これにより、先端面がうねりの無い平坦である場合に比べて、電極線と他の電極線又はプロテクタとの間の沿面距離が大きくなるので、電極線のショートを抑制できる。
このうねりとしては、基準長さを0.25mm、カットオフ値λcを0.25mmとした場合の算術平均うねりWaが挙げられる。
このうねりとしては、基準長さを0.25mm、カットオフ値λcを0.25mmとした場合の算術平均うねりWaが挙げられる。
なお、表面粗さ(算術平均粗さ)Raやうねり(算術平均うねり)Waを測定する方法としては、周知の方法を採用できる(JIS B 0601:2013参照)。例えば実表面での断面曲線を求め、その断面曲線に対してカットオフ値λcの高域フィルタを用いて粗さ曲線を求め、この粗さ曲線から表面粗さRa(算術平均粗さRa)を求めることができる。また、断面曲線に対してカットオフ値λc〜λfを通過域とする帯域通過フィルタを用いてうねり曲線を求め、このうねり曲線からうねり(算術平均うねりWa)を求めることができる。
ここで、表面粗さRaやうねりWaを測定する箇所は、1箇所でもよいが、複数の箇所(例えば8箇所以上)を測定してその平均値を求めることが好ましい。
以下、本発明が適用された実施形態について、図面を用いて説明する。
[1.第1実施形態]
[1−1.全体構成]
第1実施形態として、自動車などの内燃機関の排ガス温度検出に用いられる温度センサ1について説明する。
[1.第1実施形態]
[1−1.全体構成]
第1実施形態として、自動車などの内燃機関の排ガス温度検出に用いられる温度センサ1について説明する。
図1に示すように、温度センサ1は、軸線方向に長い形状を有するセンサであり、例えば、内燃機関の排気管などの流通管に装着され、自身の先端側が測定対象ガス(排ガス)が流れる流通管内に配置されることにより、測定対象ガスの温度を検出する。
なお、軸線方向とは、温度センサ1の長手方向であり、図1においては図の上下方向に相当する。また、軸線方向に対する垂直方向が径方向である。さらに、温度センサ1における先端側は図1における下側であり、後端側は図1における上側である。
この温度センサ1は、その先端側が開放されたオープンタイプの温度センサ1であり、シース部材3と、チューブ4と、プロテクタ5と、取付部材7と、ナット部材9と、外筒11と、感温素子13と、を備えている。
図2に示すように、シース部材3は、一対のシース芯線(電極線)15と、一対のシース芯線15の両端部分を除いた外周側(即ち径方向の外側)を覆う絶縁部材17と、絶縁部材17の外周側の全体を覆う金属製の外皮部材19と、を備える。なお、シース部材3の詳細については後述する。
チューブ4は、外皮部材19に外嵌しており、外皮部材19の外周側の一部(外周の先端側)を囲むと共に、外皮部材19より先端側に突出している。このチューブ4は、耐腐食性金属(例えば、耐熱性金属でもあるSUS310Sなどのステンレス合金)で形成された金属カバーであり、軸線方向に延びてその両端が開口した筒状(円筒形状)をなしている。
プロテクタ5は、チューブ4に外嵌しており、チューブ4の外周側の一部(先端側)を囲むと共に、チューブ4の先端側(従って温度センサ1の先端側)を覆っている。
このプロテクタ5は、耐腐食性金属(例えば、耐熱性金属でもあるSUS310Sなどのステンレス合金)で形成されたチューブ形状のキャップである。また、プロテクタ5には、排ガスの流通が可能なように、プロテクタ5の内部と外部とを連通する複数の連通孔21が形成されている。なお、プロテクタ5の詳細については後述する。
このプロテクタ5は、耐腐食性金属(例えば、耐熱性金属でもあるSUS310Sなどのステンレス合金)で形成されたチューブ形状のキャップである。また、プロテクタ5には、排ガスの流通が可能なように、プロテクタ5の内部と外部とを連通する複数の連通孔21が形成されている。なお、プロテクタ5の詳細については後述する。
取付部材7は、図1に示すように、径方向外側に突出する突出部31と、突出部31の後端側に位置すると共に軸線方向に延びる後端側鞘部33と、を有している。取付部材7は、チューブ4の後端側の外周面を取り囲み、チューブ4と溶接されることで、当該チューブ4を保持する。突出部31は、先端側の当接面31aで温度センサ1の設置位置に当接する。
ナット部材9は、六角ナット部35およびネジ部37を有する。外筒11は、取付部材7の後端側に嵌め合わされている。
感温素子13は、温度によって電気的特性(電気抵抗値)が変化する。なお、この感温素子13は、例えば温度上昇に伴い電気抵抗値が上昇する特性(正特性)を有する。
感温素子13は、温度によって電気的特性(電気抵抗値)が変化する。なお、この感温素子13は、例えば温度上昇に伴い電気抵抗値が上昇する特性(正特性)を有する。
詳しくは、図3に示すように、この感温素子13は、アルミナ純度99.5〜99.9%のセラミックス基体41と、セラミックス基体41の表面に所定のパターン形状(本第1実施形態ではミアンダ形状)に形成される金属抵抗体43と、金属抵抗体43のうちセラミックス基体41と接する面とは反対側の面において金属抵抗体43を被覆するアルミナ純度99.5〜99.9%のセラミックス被覆層45と、を有している。
金属抵抗体43は、白金(Pt)を主体に構成された白金抵抗体であり、この金属抵抗体43は、温度変化に応じて電気抵抗値が変化する。
セラミックス被覆層45は、セラミックスのグリーンシートを予め焼成することで得られた焼成済みのシートであり、接合層47により焼成済みのセラミックス基体41の先端側(図3における左側)に接合されて、金属抵抗体43の先端側を覆う状態で備えられている。
セラミックス被覆層45は、セラミックスのグリーンシートを予め焼成することで得られた焼成済みのシートであり、接合層47により焼成済みのセラミックス基体41の先端側(図3における左側)に接合されて、金属抵抗体43の先端側を覆う状態で備えられている。
なお、接合層47についても、アルミナ純度99.5〜99.9%で構成されている。なお、この接合層47は、接合前はアルミナ粉末を含むペーストであり、焼成済みのセラミックス基体41とセラミックス被覆層45とを上記ペーストで貼り合わせた後、熱処理されることで、最終的に接合層47となる。
そして、金属抵抗体43のうち後端側(図3における右側)は、セラミックス被覆層45によって被覆される導体パターンより幅広に形成された電極パッド49を介してシース部材3のシース芯線15と電気的に接続される。このとき、電極パッド49とシース芯線15とは、抵抗溶接やレーザ溶接などの溶接により溶接点51で電気的に接続される。
このあと、感温素子13とシース芯線15との接続部分が芯線固定材53により覆われることにより、感温素子13とシース芯線15とが強固に接続される。芯線固定材53は、アルミノケイ酸塩ガラスを主体とするガラス材料で構成されている。
このように構成された感温素子13は、シース芯線15を介して外部機器などと電気的に接続される。
そして、この温度センサ1は、例えば、排気管に設けられたセンサ取付部にネジ部37が螺合固定されて、自身の先端が排気管の内部に配置されることで、測定対象ガスの温度を検出する。
そして、この温度センサ1は、例えば、排気管に設けられたセンサ取付部にネジ部37が螺合固定されて、自身の先端が排気管の内部に配置されることで、測定対象ガスの温度を検出する。
なお、本第1実施形態では、測定対象ガスである排気ガスの温度は例えば850℃以上であるが、それ以下の温度でも使用可能である。
[1−2.シース部材]
次に、シース部材3の詳細について説明する。
[1−2.シース部材]
次に、シース部材3の詳細について説明する。
上述のように、シース部材3は、一対のシース芯線15と、絶縁部材17と、外皮部材19と、を備える(図1参照)。
シース芯線15は、Alを含有するNi基合金で形成されており、その先端部がレーザ溶接によって感温素子13と接続され、後端部が抵抗溶接により加締め端子61と接続されている。これにより、シース芯線15は、自身の後端側が加締め端子61を介して外部回路(例えば、車両の電子制御装置(ECU)等)接続用の外部リード線63と接続されている。
シース芯線15は、Alを含有するNi基合金で形成されており、その先端部がレーザ溶接によって感温素子13と接続され、後端部が抵抗溶接により加締め端子61と接続されている。これにより、シース芯線15は、自身の後端側が加締め端子61を介して外部回路(例えば、車両の電子制御装置(ECU)等)接続用の外部リード線63と接続されている。
なお、一対のシース芯線15および一対の加締め端子61は、絶縁チューブ64により互いに絶縁される。外部リード線63は、導線を絶縁性の被覆材にて被覆され耐熱ゴム製のグロメット66の内部を貫通する状態で配置される。
図2に示すように、絶縁部材17は、電気絶縁性を有する部材であり、先端側のガラス部(以下先端ガラス部と称することもある)65と後端側のガラス部67(図1参照)と両ガラス部65、67の間に配置された絶縁体69とから構成されている。
このうち、絶縁体69は、外皮部材19内に充填されており、外皮部材19と2本のシース芯線15との間を電気的に絶縁してシース芯線15を保持するように、マグネシア(MgO)からなる電気絶縁材料で形成されている。
先端ガラス部65は、絶縁体69の先端側の端面を覆うように配置されている円盤形状の部材である。この先端ガラス部65は、例えば、アルミノケイ酸塩ガラスで形成されており、水分を透過しないように緻密に形成されている。
なお、先端ガラス部65を、アルミノケイ酸塩ガラスを主体(例えば50質量%)とするガラス材料で形成してもよく、この場合には、ガラス以外に例えばアルミナが含まれている。
一方、後端側のガラス部67は、絶縁体69の後端側の端面を覆うように配置されている円盤形状の部材である。なお、この後端側のガラス部67も、先端ガラス部65と同様な材料から同様に構成されている。
ここで、電気絶縁性を有する両ガラス部65、67及び絶縁体69については、両ガラス部65、67の電気絶縁性(絶縁抵抗値)は、絶縁体69の電気絶縁性(絶縁抵抗値)より高い。
外皮部材19は、Alを含有するNi基合金で形成されており、絶縁体69の周囲を覆う筒状に形成されている。
なお、上述したガラス部65、67を形成する場合には、シース芯線15が貫挿された絶縁体69の端面に凹状の谷部を形成し、その谷部にガラスを流し込んでガラス部65、67を形成すればよい。
なお、上述したガラス部65、67を形成する場合には、シース芯線15が貫挿された絶縁体69の端面に凹状の谷部を形成し、その谷部にガラスを流し込んでガラス部65、67を形成すればよい。
[1−3.温度センサの先端側の構成]
次に、温度センサ1の先端側に構成について説明する。
図2に示すように、本第1実施形態では、温度センサ1の先端側において、その先端側を覆うように、オープンタイプのキャップ形状のプロテクタ5が取り付けられている。
次に、温度センサ1の先端側に構成について説明する。
図2に示すように、本第1実施形態では、温度センサ1の先端側において、その先端側を覆うように、オープンタイプのキャップ形状のプロテクタ5が取り付けられている。
つまり、プロテクタ5は、円筒状の外周部5aと、外周部5aの先端側の開口部分を覆うように形成された円盤状の先端部5bとから構成されている。従って、このプロテクタ5の外周部5aが、チューブ4の先端側に外嵌されることによって、温度センサ1の先端側がプロテクタ5で覆われる。なお、プロテクタ5は、外周部5aの後端側にて、溶接よってチューブ4に接合されている。
そして、プロテクタ5の内部のうち、シース部材3の先端ガラス部65の先端面71(図2(b)参照)より先端側に略円柱状の空間73があり、この空間73内に、感温素子13及び一対のシース芯線15が配置されている。
特に、プロテクタ5の外周部5a及び先端部5bには、プロテクタ5の内部(空間73)と外部とを連通するように、複数の連通孔21が形成されている。
詳しくは、プロテクタ5の外周部5aには、軸方向に沿って複数の連通孔21が形成されるとともに、径方向にも複数の連通孔21が形成されている。また、プロテクタ5の先端部5bには、軸中心と同軸に円形の連通孔21が形成されている(但し、先端側の連通孔21の直径は、外周部5aの内径よりも小さい)。これによって、感温素子13等が外部の雰囲気(排ガス)に直接に接する(即ち露出する)構成となっている。
詳しくは、プロテクタ5の外周部5aには、軸方向に沿って複数の連通孔21が形成されるとともに、径方向にも複数の連通孔21が形成されている。また、プロテクタ5の先端部5bには、軸中心と同軸に円形の連通孔21が形成されている(但し、先端側の連通孔21の直径は、外周部5aの内径よりも小さい)。これによって、感温素子13等が外部の雰囲気(排ガス)に直接に接する(即ち露出する)構成となっている。
なお、上述した構成のプロテクタ5を製造する場合は、例えば、鋼板の深絞り加工によりチューブ先端側が閉塞して軸線方向に延びる筒状(円筒形状)とし(チューブ後端側は開放した形態である)、その後、ドリル加工等によって、プロテクタ5に連通孔21を形成してもよい。
特に本第1実施形態では、プロテクタ5の内周面75(特に空間73に面する内周面:図2(b)参照)の表面粗さRaは、11〜16μmの範囲内の例えば13μmである。また、先端ガラス部65の先端面71の表面粗さRaは、4〜8μmの範囲内の例えば6μmである。つまり、先端ガラス部65の先端面71の表面粗さRaは、プロテクタ5の内周面75の表面粗さRaよりも小さく設定されている。
ここで、プロテクタ5の内周面75の表面粗さRaを上述した範囲や値に設定する方法としては、例えばサンドブラストや薬剤等によって粗化して設定する方法が挙げられる。例えば、サンドブラストに用いる砂の種類や粒径等を調節することによって、上述した範囲や値に設定することができる。
一方、先端ガラス部65の先端面71の表面粗さRaを上述した範囲や値に設定する方法としては、先端ガラス部65を形成する材料の種類や粒径や焼成温度を調整する方法が挙げられる。例えば材料の粒径を大きくし焼成温度を短くすることによって、表面粗さRaを大きくすることができる。また、形成された先端ガラス部65の先端面71を、例えば上述したサンドブラストや薬剤等によって粗化する方法も採用できる。
なお、プロテクタ5の内周面75及び先端ガラス部65の先端面71の表面粗さRaの両方を、上述した方法で前記表面粗さRaの大小関係を満たす所定の範囲に設定してもよいが、どちらか一方の表面粗さRaのみを調整してもよい。例えばプロテクタ5を(表面の加工を行うことなく)深絞りにて形成し、先端ガラス部65側の表面粗さRaのみを前記大小関係を満たすように調整してもよい。
[1−4.効果]
以上説明したように、本第1実施形態の温度センサ1は、その先端側を覆うように金属製のプロテクタ5が取り付けられている。このプロテクタ5は、感温素子13と(感温素子13と先端ガラス部65との間の)シース芯線15と先端ガラス部65の先端面71とを覆うと共に、その覆った部分の空間73と外部と連通する連通孔74を有している。
以上説明したように、本第1実施形態の温度センサ1は、その先端側を覆うように金属製のプロテクタ5が取り付けられている。このプロテクタ5は、感温素子13と(感温素子13と先端ガラス部65との間の)シース芯線15と先端ガラス部65の先端面71とを覆うと共に、その覆った部分の空間73と外部と連通する連通孔74を有している。
さらに、この温度センサ(即ち外気が空間73内に導入されるいわゆる先端側が開放されたオープンタイプの温度センサ)1では、先端ガラス部65の先端面71の表面粗さRaは、プロテクタ5の内周面75の表面粗さRaよりも小さい。
従って、温度の測定対象である排ガス中に多くのすすが含まれている場合でも、すすは、表面粗さRaの大きなプロテクタ5の内周面75に捕集され易く、表面粗さRaの小さな先端ガラス部65の先端面71には付着し難い(従って堆積に難い)。
また、温度センサ1が高温の環境(例えば850℃以上)で使用された場合でも、プロテクタ5の内周面75等から蒸発した金属成分(詳しくは酸化物となった導電性を有する金属酸化物)は、表面粗さRaの大きなプロテクタ5の内周面75に捕集され易く、表面粗さRaの小さな先端ガラス部65の先端面71には付着し難い(従って堆積に難い)。
そのため、シース芯線15と他のシース芯線15やキャップ5との間の絶縁性が高いので、シース芯線15がショートし難い。よって、測定精度が低下し難いので、耐久性が向上するという効果がある。
また、本第1実施形態では、先端ガラス部65の電気絶縁性(絶縁抵抗値)は、絶縁体69の電気絶縁性(絶縁抵抗値)より高い。これにより、先端ガラス部65の先端面71の電気絶縁性が向上するので、先端面71におけるショートがより発生し難くなる。
[1−5.特許請求の範囲との対応関係]
ここで、特許請求の範囲と本第1実施形態とにおける文言の対応関係について説明する。
ここで、特許請求の範囲と本第1実施形態とにおける文言の対応関係について説明する。
シース部材3がシース部材の一例に相当し、プロテクタ5がプロテクタの一例に相当し、感温素子13が感温素子の一例に相当し、シース芯線15が電極線の一例に相当し、絶縁部材17が絶縁部材の一例に相当し、外皮部材19が外皮部材の一例に相当し、ガラス部65がガラス部の一例に相当し、連通孔21が連通孔の一例に相当し、先端面71が先端面の一例に相当し、空間73が空間の一例に相当する。
[2.第2実施形態]
次に、第2実施形態について説明するが、第1実施形態と同様な内容の説明は省略する。なお、第1実施形態と同様な構成の番号は、第2実施形態でも同様に使用する。
次に、第2実施形態について説明するが、第1実施形態と同様な内容の説明は省略する。なお、第1実施形態と同様な構成の番号は、第2実施形態でも同様に使用する。
図4に示すように、本第2実施形態の温度センサ81は、第1実施形態と同様に、温度センサ81の先端側を覆うように、複数の連通孔21を有するプロテクタ5が、チューブ4の先端側(図4の左側)に外嵌されている。
特に本第2実施形態では、シース部材83の絶縁部材85は、第1実施形態のような先端ガラス部を備えておらず、絶縁部材85の全体が第1実施形態と同様な材料の絶縁体86から構成されている。
つまり、外皮部材87はチューブ4の先端側まで延びており、この外皮部材87の先端側まで絶縁体86が配置されて、絶縁体86自体が先端面89に露出している。なお、この絶縁体86には、一対のシース芯線15が貫挿されている。
本第2実施形態では、第1実施形態と同様に、プロテクタ5の内周面75の表面粗さRaは、11〜16μmの範囲内の例えば13μmである。また、絶縁体86の先端面89の表面粗さRaは、4〜15μmの範囲内の例えば8μmである。つまり、絶縁体86の先端面89の表面粗さRaは、プロテクタ5の内周面75の表面粗さRaよりも小さく設定されている。
このような構成によって、本第2実施形態においても、前記第1実施形態と同様に、シース芯線15のショートを抑制できるという効果を奏する。
[3.第3実施形態]
次に、第3実施形態について説明するが、第1実施形態と同様な内容の説明は省略する。なお、第1実施形態と同様な構成の番号は、第3実施形態でも同様に使用する。
[3.第3実施形態]
次に、第3実施形態について説明するが、第1実施形態と同様な内容の説明は省略する。なお、第1実施形態と同様な構成の番号は、第3実施形態でも同様に使用する。
本第3実施形態では、プロテクタの構成が第1実施形態と異なっている。
図5に示すように、本第3実施形態の温度センサ91は、第1実施形態と同様に、温度センサ91の先端側(図5(a)の左側)に、感温素子13、シース部材3、チューブ4を備えている。また、シース部材3は、シース芯線15、(先端ガラス部65及び絶縁体69を有する)絶縁部材17、外皮部材19を備えている。
図5に示すように、本第3実施形態の温度センサ91は、第1実施形態と同様に、温度センサ91の先端側(図5(a)の左側)に、感温素子13、シース部材3、チューブ4を備えている。また、シース部材3は、シース芯線15、(先端ガラス部65及び絶縁体69を有する)絶縁部材17、外皮部材19を備えている。
特に本第3実施形態では、温度センサ91の先端側に取り付けられたプロテクタ93は、円筒状の外周部93aを備えているが、第1実施形態のような先端部を備えておらず、先端側が開放されている。
つまり、プロテクタ93は全体が円筒形状であり、その軸線方向の両端(図5(a)の左右方向の両端)は、外周部93aと同じ内径にて開口する円形の開口部95a、95bとなっている。
従って、プロテクタ93は、その後端側の開口部95bにてチューブ4に外嵌するとともに、先端側の開口部95aにて開放されているので、感温素子13や先端ガラス部65の先端面71が、外部に露出する構成となっている。なお、プロテクタ93の外周部93aには、第1実施形態と同様に、複数の連通孔96が形成されている。
また、第1実施形態と同様に、先端ガラス部56の先端面71の表面粗さRaは、プロテクタ93の内周面97の表面粗さRaよりも小さく設定されている。
本第3実施形態では、第1実施形態と同様な効果を奏するとともに、プロテクタ93の先端側には、第1実施形態の先端側の連通孔21より開口面積の大きな開口部95aが形成されているので、排ガスが感温素子13に到達し易く、よって、応答性が高いという利点がある。
本第3実施形態では、第1実施形態と同様な効果を奏するとともに、プロテクタ93の先端側には、第1実施形態の先端側の連通孔21より開口面積の大きな開口部95aが形成されているので、排ガスが感温素子13に到達し易く、よって、応答性が高いという利点がある。
なお、ここでは、絶縁体69の先端側は、その全体が外皮部材19の先端側と軸線方向において同じ位置まで形成されており、先端ガラス部65は、絶縁体69及び外皮部材19の先端側の端面を覆うように形成されている(以下、先端側及び後端側にガラス部65、67を設ける場合には、他の実施形態等においても同様な構成とすることができる)。
[4.第4実施形態]
次に、第4実施形態について説明するが、第1実施形態と同様な内容の説明は省略する。なお、第1実施形態と同様な構成の番号は、第4実施形態でも同様に使用する。
次に、第4実施形態について説明するが、第1実施形態と同様な内容の説明は省略する。なお、第1実施形態と同様な構成の番号は、第4実施形態でも同様に使用する。
図6に示すように、本第4実施形態の温度センサ101は、第1実施形態とは異なり、チューブ103の先端側(図6(a)の左側)がプロテクタ105として使用されている。
具体的には、チューブ103は、先端ガラス部65の先端面71より先端側に延びて、感温素子13の径方向の外周側を囲むとともに、さらに、感温素子13の先端より先端側に延びている。従って、チューブ103のうち、先端ガラス部65の先端面71より先端側の部分がプロテクタ105である。
このプロテクタ105は、チューブ103と同様に全体が円筒形状であるので、その先端側には、プロテクタ105の内径と同じ直径の円形の開口である連通孔107を有している。
本第4実施形態でも、第1実施形態と同様に、プロテクタ105の内周面109の表面粗さRaは、先端ガラス部65の先端面71の表面粗さRaよりも大きく設定されている。
従って、本第4実施形態においても、前記第1実施形態と同様な効果を奏するとともに、プロテクタ105を別途取り付ける必要がないので、構造を簡易化できるという利点がある。
なお、第1〜第3実施形態と同様に、外周部に同様な連通孔を設けて、通気性を向上させてもよい。
また、図7に示すように、第4実施形態の変形例の温度センサ111として、感温素子13の先端側の一部を、プロテクタ105の先端(即ち連通孔107)より突出するように配置してもよい。これによって、応答性が一層向上する。
また、図7に示すように、第4実施形態の変形例の温度センサ111として、感温素子13の先端側の一部を、プロテクタ105の先端(即ち連通孔107)より突出するように配置してもよい。これによって、応答性が一層向上する。
[5.他の実施形態]
次に、他の実施形態について説明するが、第1実施形態と同様な内容の説明は省略する。なお、他の実施形態と同様な構成の番号は、他の実施形態でも同様に使用する。
次に、他の実施形態について説明するが、第1実施形態と同様な内容の説明は省略する。なお、他の実施形態と同様な構成の番号は、他の実施形態でも同様に使用する。
図8(a)に模式的に示すように、第5実施形態の温度センサ121は、先端ガラス部123の先端面125は、先端側(図8(a)の左側)に凸となるように、緩やかに湾曲している。
本第5実施形態では、先端面が平坦な場合に比べて沿面距離が長いので、シース芯線15のショートが生じ難いという利点がある。
図8(b)に模式的に示すように、第6実施形態の温度センサ131は、先端ガラス部133の先端面135には、先端面135の表面粗さRaより粗い凹凸であるうねりがある。
図8(b)に模式的に示すように、第6実施形態の温度センサ131は、先端ガラス部133の先端面135には、先端面135の表面粗さRaより粗い凹凸であるうねりがある。
例えば先端面135の表面粗さRaは6μmである(カットオフ値λc:0.25mm)。一方、先端面135の算術平均うねりWaは35μmである(カットオフ値λc:0.25mm)。なお、表面粗さRa及び算出平均うねりWaの値は、複数箇所(例えば8箇所等)の測定値の平均値である(以下同様)。
この第6実施形態では、先端面が平坦な場合に比べて沿面距離が長いので、シース芯線15のショートが生じ難いという利点がある。
図8(c)に模式的に示すように、第7実施形態の温度センサ141は、先端ガラス部143の先端面145には、先端面145の表面粗さRaより粗い凹凸であるうねりがある。例えば、第6実施形態より算術平均うねりWaが小さなうねりがある。
図8(c)に模式的に示すように、第7実施形態の温度センサ141は、先端ガラス部143の先端面145には、先端面145の表面粗さRaより粗い凹凸であるうねりがある。例えば、第6実施形態より算術平均うねりWaが小さなうねりがある。
例えば先端面145の表面粗さRaは6μmである(カットオフ値λc:0.3mm)。一方、先端面145の算術平均うねりWaは103μmである(カットオフ値λc:0.25mm)。
この第7実施形態では、先端面が平坦な場合に比べて沿面距離が長いので、シース芯線15のショートが生じ難いという利点がある。
[5.実験例]
次に、本発明に関わる実験例について説明する。
[5.実験例]
次に、本発明に関わる実験例について説明する。
<実験例1>
本実験例1は、絶縁部材の先端側の端面(シース端面)への金属酸化物の堆積の影響(抵抗値の変化)を調べたものである。
本実験例1は、絶縁部材の先端側の端面(シース端面)への金属酸化物の堆積の影響(抵抗値の変化)を調べたものである。
具体的には、試料として、第2実施形態と同様な(先端ガラス部の無い)構成の試料1の温度センサ(耐久初期の温度センサ)と、試料1の温度センサを900℃で200時間使用した試料2の温度センサ(耐熱後の温度センサ)と、試料2の温度センサのシース端面(絶縁体の先端面)の金属酸化物を除去した試料3の温度センサを作製した。
そして、試料1〜3の温度センサを0℃〜900℃の環境に配置し、そのときのシース芯線間の抵抗値(Ω)を調べた。その結果を、図9に示す。
図9から明らかなように、試料3のシース端面の金属酸化物を除去した温度センサは、試料1の耐久初期の温度センサと同様な性能を有しており、試料2の温度センサに比べて耐久性が高いという効果がある。
図9から明らかなように、試料3のシース端面の金属酸化物を除去した温度センサは、試料1の耐久初期の温度センサと同様な性能を有しており、試料2の温度センサに比べて耐久性が高いという効果がある。
<実験例2>
本実験例2は、第1実施形態の温度センサのプロテクタの内周面の表面粗さRaと先端ガラス部の先端面の表面粗さRaとを調べたものである。
本実験例2は、第1実施形態の温度センサのプロテクタの内周面の表面粗さRaと先端ガラス部の先端面の表面粗さRaとを調べたものである。
具体的には、プロテクタの材料として、SUS310Sの板材を用い、上述した深絞り等によってプロテクタを作製した。そして、その内周面の表面粗さRaを、JIS B 0601(2013)の規定に従って、2箇所測定した。なお、基準長さ及びカットオフ値λcを0.25mmとした。
一方、先端ガラス部の材料として、平均粒径5μmのアルミノケイ酸塩ガラスを用い、1100℃で2時間保持の条件にて焼成した。そして、その先端面の表面粗さRaを、前記プロテクタと同様な方法で、5箇所測定した。
その結果、プロテクタの内周面の表面粗さRaは、11.76μm、15.07μmであり、その平均値は13.42μmであった。一方、先端ガラス部の先端面の表面粗さRaは、6.59μm、7.97μm、6.03μm、4.87μm、7.75μmであり、その平均値は6.64μmであった。
この実験結果から、第1実施形態の温度センサにおいては、プロテクタの内周面の表面粗さRa(平均値が13.42μm)は、先端ガラス部の先端面の表面粗さRa(平均値6.64μm)より大であることが分かる。
<実験例3>
本実験例3は、第2実施形態の(先端ガラス部の無い)温度センサのプロテクタの内周面の表面粗さRaと絶縁部材である絶縁体の先端面の表面粗さRaとを調べたものである。
本実験例3は、第2実施形態の(先端ガラス部の無い)温度センサのプロテクタの内周面の表面粗さRaと絶縁部材である絶縁体の先端面の表面粗さRaとを調べたものである。
具体的には、絶縁体の材料として、平均粒径1μmのマグネシア(MgO)を用いた。そして、その先端面の表面粗さRaを、前記先端ガラス部と同様な方法で、8箇所測定した。なお、プロテクタは、実験例1と同様とした。
その結果、絶縁体の先端面の表面粗さRaは、13.226μm、5.79μm、7.77μm、14.64μm、4.86μm、6.51μm、8.97μm、5.41μmであり、その平均値は8.39μmであった。なお、プロテクタの内周面の表面粗さRaの平均値としては、上述の13.42μmである。
この実験結果から、第2実施形態の温度センサにおいては、プロテクタの内周面の表面粗さRa(平均値が13.42μm)は、絶縁体の先端面の表面粗さRa(平均値8.39μm)より大であることが分かる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、様々な態様にて実施することが可能である。
(1)例えば、上記各実施形態では、感温素子(詳細には、電極パッド)がシース部材のシース芯線と直接に接続される構成について説明したが、感温素子(詳細には、電極パッド)が他部材を介してシース芯線と接続される構成であっても良い。
具体的には、図10(a)に示すように、白金または白金合金で形成された引出リード線151を介して、感温素子13の電極パッド(図示せず)がシース部材153のシース芯線155と接続される構成であっても良い。つまり、引出リード線151とシース芯線155とによって電極線を構成してもよい。なお、第1実施形態等と同一な構成については、同一符号を付して表した(以下同様)。
(2)また、上記各実施形態では、感温素子が白金抵抗体を備えた構成について説明したが、他の種類の感温素子を用いてもよい。具体的には、導電性酸化物焼結体を備えるサーミスタ素子を感温素子として採用することができる。
具体的には、図10(b)に示すように、感温素子161として、サーミスタ素子を使用する。この感温素子161は、温度によって電気的特性(電気抵抗値)が変化する導電性酸化物焼結体を主体に形成された素子本体部163と、素子本体部163の上面および下面に形成された2つの電極部165と、を備えて構成されている。
そして、2つの電極部165は、それぞれ導電性ペーストによってシース部材3のシース芯線15と接合されている。また、電極部165を含むようにして感温素子161の全体、および、シース芯線15の一部を覆うように、ガラスを主体とする被覆部材167が形成されている。
このようにしてシース部材3のシース芯線15と接続された感温素子161は、第1実施形態と同様に、プロテクタ5の内部に収容されて、温度センサが構成される。
(3)さらに、上記各実施形態では、先端ガラス部が外皮部材の外部に配置される構成のシース部材について説明したが、シース部材は、先端ガラス部が外皮部材の内部に配置される構成であってもよい。
(3)さらに、上記各実施形態では、先端ガラス部が外皮部材の外部に配置される構成のシース部材について説明したが、シース部材は、先端ガラス部が外皮部材の内部に配置される構成であってもよい。
例えば、図11(a)に示すように、外皮部材19の内部の先端側に、先端ガラス部171を配置してもよい。
また、図11(b)に示すように、外皮部材19の内部の先端側に、先端ガラス部181の一部(後部181a)を配置するとともに、(第3実施形態と同様に)外皮部材19の先端面19aと開口部19bを閉塞するように先端ガラス部181の一部(先端部181b)を配置してもよい。
また、図11(b)に示すように、外皮部材19の内部の先端側に、先端ガラス部181の一部(後部181a)を配置するとともに、(第3実施形態と同様に)外皮部材19の先端面19aと開口部19bを閉塞するように先端ガラス部181の一部(先端部181b)を配置してもよい。
(4)また、上記各実施形態では、ガラス部(先端ガラス部等)の材料として、アルミノケイ酸塩ガラスを主体とするガラス材料を挙げたが、他のガラス材料でもよい。
例えば、ケイ酸塩ガラス、ホウ酸塩ガラス、ホウケイ酸塩ガラス、リンケイ酸塩ガラスなどで形成しても良い。
例えば、ケイ酸塩ガラス、ホウ酸塩ガラス、ホウケイ酸塩ガラス、リンケイ酸塩ガラスなどで形成しても良い。
ケイ酸塩ガラスとしては、SiO2を含み、その他元素として、アルカリ土類金属酸化物(MgO,CaO,BaO,SrO)を含むガラス材料を用いることができる。ホウ酸塩ガラスとしては、B2O3を含み、その他元素として、アルカリ土類金属酸化物(MgO,CaO,BaO,SrO)を含むガラス材料を用いることができる。ホウケイ酸塩ガラスとしては、B2O3,SiO2を含み、その他元素として、アルカリ土類金属酸化物(MgO,CaO,BaO,SrO)を含むガラス材料を用いることができる。リンケイ酸塩ガラスとしては、P2O5,SiO2を含み、その他元素として、アルカリ土類金属酸化物(MgO,CaO,BaO,SrO)を含むガラス材料を用いることができる。
また、アルミノケイ酸塩ガラスとしては、SiO2,Al2O3を含み、その他の元素として、アルカリ土類金属酸化物(MgO,CaO,BaO,SrO)を含むガラス材料を用いることができる。
なお、これらのガラス材料としては、絶縁性を悪化させるアルカリ金属元素が実質的に含まれていない(例えば、0.2wt%以下である)材料を用いることで、絶縁性の悪化を抑制できる。
さらに、ガラスを主体に構成される材料に、セラミック材料を含有させてもよく、含有させるセラミック材料はアルミナに限定されない。例えば、スピネル、コージェライト、ムライト、ステアタイト、ジルコン、炭化ケイ素、窒化ケイ素、窒化アルミニウムなどが挙げられる。
(5)さらに、上記各実施形態では、シース部材の絶縁体がマグネシアで形成された構成について説明したが、絶縁体は、マグネシアに限らず、シリカなどの絶縁材料で構成しても良い。
(6)温度センサの構成としては、上記各実施形態のように、感温素子から延びる一対の電極線がチューブ状の外皮部材の内部(貫通孔)を貫くように配置された構成、即ち、ガラス部や絶縁体の絶縁部材を貫くように配置された構成以外に、1本の電極線が外皮部材(従って絶縁部材)を貫通するように配置される構成を採用できる。
例えば、感温素子(例えば金属抵抗体)において電気的変化を取り出す一対の端子がある場合に、一方の端子に1本の電極線を接続し、他方の端子は金属製のキャップや外皮部材に電気的に接続する構成としてもよい。
これによっても、温度変化による感温素子の電気的特性(例えば抵抗値)の変化を検出することができる。
1、81、91、101、111、121、131、141…温度センサ
3、83、153…シース部材
4…チューブ
5、93、105、115…プロテクタ
13、161…感温素子
15、155…シース芯線(電極線)
17、85…絶縁部材
19、87…外皮部材
65、67、123、133、143、171、181…ガラス部
69、86…絶縁体
71、89、125、135、145…先端面
73…空間
74、96、107…連通孔
75、97、109…内周面
3、83、153…シース部材
4…チューブ
5、93、105、115…プロテクタ
13、161…感温素子
15、155…シース芯線(電極線)
17、85…絶縁部材
19、87…外皮部材
65、67、123、133、143、171、181…ガラス部
69、86…絶縁体
71、89、125、135、145…先端面
73…空間
74、96、107…連通孔
75、97、109…内周面
Claims (5)
- 長手方向の先端側に配置されて、温度に応じて電気的特性が変化する感温素子と、
前記長手方向に延びると共に、前記感温素子と電気的に接続される少なくとも1本の電極線と、前記電極線の径方向の周囲を覆う電気絶縁性を有する絶縁部材と、前記長手方向の少なくとも一部において前記絶縁部材の径方向の周囲を覆うと共に、前記長手方向の先端側が開口した金属製の外皮部材と、を有するシース部材と、
前記感温素子と、前記感温素子と前記絶縁部材との間の前記電極線と、前記絶縁部材の先端面と、を覆うと共に、当該覆った部分の空間と外部と連通する連通孔を有する金属製のプロテクタと、
を備える温度センサであって、
前記絶縁部材の先端面の表面粗さRaは、前記プロテクタの内周面の表面粗さRaよりも小さいことを特徴とする温度センサ。 - 前記絶縁部材の先端面を含む先端部分は、ガラスを主体にしたガラス部であることを特徴とする請求項1に記載の温度センサ。
- 前記絶縁部材を構成する部材として、前記ガラス部の後端側に絶縁体を有すると共に、前記ガラス部の電気絶縁性が前記絶縁体の電気絶縁性より高いことを特徴とする請求項2に記載の温度センサ。
- 前記絶縁部材の先端面は、前記先端側に凸となっていることを特徴とする請求項1から請求項3のうちいずれか一項に記載の温度センサ。
- 前記絶縁部材の先端面は、該先端面自身の表面粗さRaより粗さの程度が大きなうねりを有していることを特徴とする請求項1から請求項4のうちいずれか一項に記載の温度センサ。
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