JP3757867B2 - 温度センサ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、筒状の金属カバー内に円盤状のサーミスタ素子を収納してなる温度センサに関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の温度センサの一般的な構造を図14及び図15に示す。図14は、全体構成を示す断面図、図15は、図14中のA部を、矢印B方向から視たときの拡大断面図である。
【0003】
信号取り出し用のシースピン40には、有底筒状の金属カバー10が被せられており、この金属カバー10の底部側には、直径が厚さよりも大なる円盤状のサーミスタ素子(ディスクタイプのサーミスタ素子)20が収納されている。通常、サーミスタ素子20は、その両円形面21が金属カバー10の軸方向に沿うように配置されている。
【0004】
サーミスタ素子20には、サーミスタ信号取り出し用の一対の電極線31、32が埋設されている。各々の電極線31、32は、互いに金属カバー10の軸方向に略平行に間隔を開けて配置され、金属カバー10の開口部側へ向かってサーミスタ素子20から引き出されている。
【0005】
一方、金属カバー10の開口部側においては、シースピン40の一対の信号線41、42が、互いに金属カバー10の軸方向に略平行に間隔を開けて配置されている。そして、引き出された一対の電極線31、32は、それぞれシースピン40の一対の信号線41、42の一端側に溶接により接続されている。さらに、シースピン40の信号線41、42の他端側は、それぞれ外部と接続するためのリード線60に接続されている。
【0006】
この温度センサは、サーミスタ素子20が収納された金属カバー10の部分(感温部)を測定環境下にさらした状態で、シースピン40の外側に配設された取付部材80を介して、被測定部材(図示せず)に取り付けられる。そして、サーミスタ素子20を介した一対の電極線31、32間の抵抗値変化に基づく電気信号がサーミスタ信号として、シースピン40の芯線41、42、リード線60を介して外部へ出力されるようになっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記のように、サーミスタ素子20を金属カバー10内に収納する場合、温度検出における応答性を向上させるために、金属カバー10とサーミスタ素子20との間隔を極力狭くする(例えば0.数mm)必要がある。この場合、ディスクタイプのサーミスタ素子20においては、形状的に円周側面22の局所が、大幅に金属カバー10に近づく配置となる。
【0008】
そのため、センサに外部振動等の外力が加わると、サーミスタ素子20と金属カバー10とが接触しやすい。このような接触が起こると、サーミスタ素子20と金属カバー10との間が導通することにより、サーミスタ素子20からの信号に変動が発生するため、好ましくない。
【0009】
そこで、本発明は上記問題に鑑み、円盤状のサーミスタ素子を金属カバーに収納してなる温度センサにおいて、サーミスタ素子と金属カバーとの接触による信号変動を抑制することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、筒状の金属カバー(10)と、この金属カバーの一端側に収納されその両円形面が前記金属カバーの軸方向に沿うように配置された円盤状のサーミスタ素子(20)と、互いに金属カバーの軸方向に略平行に間隔を開けて配置された状態でサーミスタ素子に埋設され、サーミスタ素子から金属カバーの他端側へ引き出されたサーミスタ信号取り出し用の一対の電極線(31、32)とを備える温度センサにおいて、
サーミスタ素子の1つの円形面における金属カバーの軸と直交する直径方向に位置する両エッジ部のうち、一方の電極線側のエッジ部(21a)と当該一方の電極線との距離をa1とし、他方の電極線側のエッジ部(21b)と当該他方の電極線との距離をa2とし、一対の電極線間の距離をcとしたとき、サーミスタ素子の両円形面に対して、距離a1と距離a2との和(a1+a2)が距離cよりも大きくなるような寸法関係が満足されていることを特徴としている。
本発明のような温度センサにおいては、サーミスタ素子のうち両円形面におけるエッジ部が、最も金属カバーに近く接触しやすい部位である。ここで、本発明によれば、上記した(a1+a2)>cの関係を満足させることにより、各エッジ部と各電極線との間の電気抵抗を、両電極線間の電気抵抗よりも大きくすることができる。
そのため、もし、上記エッジ部にてサーミスタ素子と金属カバーとが接触したとしても、各電極線からエッジ部を介して金属カバーへ電流が流れるのを抑制し、一対の電極線間の方にて電流が流れやすくできる。従って、本発明によれば、サーミスタ素子と金属カバーとの接触による金属カバーへの電流の漏れを極力抑えることができるため、信号変動を抑制することができる。
請求項2に記載の発明では、金属カバーとサーミスタ素子との間に、当該間の電気絶縁性を確保するための絶縁部材(50、51)を介在させたことを特徴としている。
【0011】
それによれば、金属カバーとサーミスタ素子との間に、当該間の電気絶縁性を確保するための絶縁部材が介在設定されているため、サーミスタ素子と金属カバーとの接触は、絶縁部材を介したものとなる。よって、本発明によれば、サーミスタ素子と金属カバーとの接触による導通を防止することができ、信号変動を抑制することができる。
【0012】
ここで、絶縁部材としては、金属カバー(10)内にてサーミスタ素子(20)を収納する碍子管(50)を採用したり(請求項3の発明)、サーミスタ素子(20)の円周側面のうち少なくとも金属カバー(10)の内面と最短距離にある部位に形成された電気絶縁性の皮膜(51)を採用したり(請求項4の発明)することができる。
【0013】
絶縁部材として上記皮膜(51)を採用する場合、その皮膜を、サーミスタ素子(20)の円周側面の全周に形成すれば、より確実に、サーミスタ素子と金属カバーとの接触による導通を抑制することができ、好ましい。また、そのような皮膜(51)としては、電気絶縁性のセラミックよりなるものを採用することができる。
【0014】
また、サーミスタ信号取り出し用の電極線は、通常、サーミスタ素子に埋設成形され高温(例えば1300℃〜1600℃程度)で焼成(焼きばめ)されることにより、サーミスタ素子に接続されている。ここにおいて、電極線は、従来は白金材が用いられているが、本発明者の検討によれば、上記焼成により白金材の結晶粒が粗大化し、外部振動によってその粗大化した結晶の粒界でズレが誘発されるため、電極線の強度が低下する恐れがあることがわかった。
【0015】
電極線の強度が低下すると、外部振動等によりサーミスタ素子が大きく変位しやすくなる。そこで、本発明者は、電極線として用いる白金材を、高温に晒しても結晶粒が粗大化しないような構造とし、電極線の強度を高めることにより、外部振動によるサーミスタ素子の変位を抑制すれば、結果的に、サーミスタ素子と金属カバーとの接触を抑制できると考えた。
【0016】
請求項7〜請求項15に記載の発明は、そのような考えに基づいて、より強度の高い電極線材料を見出すべく鋭意検討を行った結果、なされたものである。
【0017】
すなわち、請求項7に記載の発明では、電極線を、白金又は白金合金を主成分とする分散強化材からなるものとしたことを特徴としている。
【0018】
それによれば、電極線において、高温に晒しても結晶粒の粗大化が抑制されるため、従来に比べて電極線の強度を高めることができ、外部振動によるサーミスタ素子の変位を抑制することができる。よって、本発明によっても、サーミスタ素子と金属カバーとの接触による信号変動を抑制することができる。
【0019】
ここで、分散強化材は、線径方向における結晶の粒径が線径よりも小さいものであること(請求項8の発明)が好ましく、より望ましくは、分散強化材の結晶粒径が線径の1/2以下であること(請求項9の発明)が好ましい。
【0020】
また、請求項10に記載の発明のように、分散強化材は、白金又は白金合金を100として金属酸化物が0.02重量%以上添加されたものであることが好ましい。これは、金属酸化物が白金や白金合金の粒子の粗大化を抑制する機能を有するのであるが、該金属酸化物が0.02重量%より小であると、白金や白金合金の粒子の粗大化を十分に抑制することができないためである。
【0021】
さらに、金属酸化物は、白金又は白金合金を100として2重量%以下添加されていること(請求項11の発明)が好ましい。これは、金属酸化物が2重量%より大であると、電極線の線引き加工性が著しく悪化及び電極線自体の抵抗が大きくなってしまい、サーミスタ素子の抵抗変化を十分検出することが困難になるためである。
【0022】
ここで、上記金属酸化物としては、ジルコニア、イットリア、アルミナ、チタニアから選択された少なくとも一種を用いること(請求項12の発明)ができ、上記白金合金としては、白金に対して、ロジウム、金、タングステン、パラジウムから選択された少なくとも一種が含有されたものを用いること(請求項13の発明)ができる。
【0023】
また、請求項14に記載の発明では、電極線を、白金とイリジウムとの合金線材からなるものとしたことを特徴としている。
【0024】
本発明のような電極線材料を用いることによっても、電極線自体を振動に対して強固なものにでき、外部振動によるサーミスタ素子の変位を抑制することができるため、サーミスタ素子と金属カバーとの接触による導通を抑制することができる。
【0025】
ここで、この白金とイリジウムとの合金線材は、その合金組成として、線引き、減径、切断等の加工性を考慮すれば、イリジウムが1〜60重量%添加され、残部白金であるものを用いること(請求項15の発明)が好ましい。
【0026】
また、上記図14及び図15に示した様に、従来の温度センサでは、円盤状のサーミスタ素子20から引き出された一対の電極線31、32を、一対の信号線42、42に接続する構成において、一対の電極線31、32の両方を、一対の信号線41、42に対して同一方向から重ね合わせ、この重なり部K1、K2を溶接している。
【0027】
このような電極線と信号線との接続構成では、外部振動等の外力が、片方の重なり部分で電極線と信号線とが離れる方向に加わると、他方の重なり部分でも両線が同様に離れる方向に加わるため、接合信頼性が低い。そのため、上記両線の溶接部が強度的に弱くなり、外部振動等によりサーミスタ素子が大きく変位しやすい。
【0028】
請求項16に記載の発明は、円盤状のサーミスタ素子を金属カバーに収納してなる温度センサにおいて、一対の電極線と一対の信号線との接続構成に工夫を施したものである。
【0029】
すなわち、請求項16に記載の発明においては、一対の電極線(31、32)と一対の信号線(41、42)とが、金属カバー(10)の軸方向からみたとき、各電極線を結ぶ対角線(T1)と各信号線を結ぶ対角線(T2)とが交差するように重なり合って接合されていることを特徴としている。
【0030】
それによれば、電極線および信号線を上記両対角線が交差するように重なり合って接合しているから、振動等の外力が、片方の重なり部分(K1)で電極線(31)と信号線(41)とが離れる方向に加わっても、他方の重なり部分(K2)では両線(32、42)は互いに引っつき合うように作用し、接合信頼性が確保される。
【0031】
そのため、本発明によれば、一対の電極線と一対の信号線との溶接部を、従来に比べて外力に対して強度的に強くすることができ、外部振動等によるサーミスタ素子の変位を抑制することができる。よって、本発明によっても、サーミスタ素子と金属カバーとの接触による信号変動を抑制することができる。
【0038】
また、上記各手段におけるサーミスタ素子(20)は、その直径Wと厚さtとの比W/tが1よりも大きく1.5以下となっているものであることが好ましい。上記比W/tがこの範囲にあるとき、サーミスタ素子は、限られた空間の中で効率よく素子体積を大きくできるものになり、応答性向上等のためには好ましい。
【0039】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
【0040】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図に示す実施形態について説明する。なお、以下に示す各実施形態において、上記図14、図15と同一の部分、および各実施形態相互にて同一の部分には、図中、同一符号を付してある。
【0041】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係る温度センサS1の全体構成を示す図であり、図2は、図1中のC部を矢印D方向から視たときの拡大断面図である。本センサS1は、例えば自動車の排気系統に取り付けられ、排気温センサとして使用可能である。
【0042】
10は、ステンレス等の耐熱性に優れた金属よりなる金属カバーであり、本例では、一端側に底部を有し、他端側に開口部を有する有底円筒状をなしている。金属カバー10の一端側(底部側)の内部には、2個の円形面21及び円周側面22を有し、その直径が厚さよりも大なる円盤状のサーミスタ素子20が収納されている。
【0043】
サーミスタ素子20は、その両円形面21が金属カバーの軸方向に沿うように配置されている。本例では、サーミスタ素子20は、高温(例えば1000℃以上)での使用に耐えうるものであり、Cr−Mnを主成分とする半導体材料(サーミスタ材料)等よりなる焼結成形体である。
【0044】
このサーミスタ素子20には、サーミスタ信号(抵抗(R)−温度(T)特性を用いた出力信号)を取り出すための白金等よりなる一対の電極線31、32が、接続されている。
【0045】
各電極線31、32は、互いに金属カバー10の軸方向に略平行に間隔を開けて配置された状態でサーミスタ素子20に埋設成形され、高温(例えば1300℃〜1600℃程度)で焼成(焼きばめ)されることにより、サーミスタ素子20に接続されている。そして、各電極線31、32は、サーミスタ素子20から金属カバー10の他端側(開口部側)へ引き出されている。
【0046】
また、金属カバー10の他端側(開口部側)には、電極線31、32からのサーミスタ信号を外部に取り出すための配線部材としてのシースピン40が、その一端側を金属カバー10の開口部から挿入することにより、配置されている。
【0047】
このシースピン40は、ステンレス等の金属よりなる一対の芯線(本発明でいう一対の信号線)41、42を、ステンレス等の金属よりなる外筒43内に収納し、芯線41、42と外筒43との間にマグネシア等の絶縁粉末を充填してなるものである。
【0048】
ここで、シースピン40と金属カバー10とは、金属カバー10の他端側をシースピン40の外筒43に対して、かしめを行い、そのかしめ部を全周溶接することにより、接合固定されている。これにより、金属カバー10の内部は外部環境にさらされないようになっている。
【0049】
そして、シースピン40の一端側(金属カバー10への挿入端側)では、外筒43から一対の芯線41、42が突出しており、突出した一対の芯線41、42は、金属カバー10の他端側にて互いに金属カバー10の軸方向に略平行に間隔を開けて配置されている。
【0050】
さらに、一対の芯線41、42の突出先端側と一対の電極線31、32の引き出し側とは、抵抗溶接やレーザ溶接等により接合され、電気的に接続されている。本例では、両線31、32、41、42は、一対の電極線31、32の両方を、各芯線41、42に対して同一方向から重ね合わせ、この重なり部K1、K2(図2参照)を溶接している。
【0051】
ここにおいて、本実施形態では、金属カバー10の内部にて、金属カバー10とサーミスタ素子20との間に、当該間の電気絶縁性を確保するための絶縁部材としての碍子管50を介在させた構成としている。この碍子管50は、アルミナ等の電気絶縁性セラミック等よりなり、サーミスタ素子20を収納する円筒状のものである。
【0052】
この碍子管50は、シースピン40と一体化されたサーミスタ素子20を金属カバー10へ組み付けるときに、予め金属カバー10内へ挿入配置させておくか、サーミスタ素子20を収納した状態で金属カバー10内へ挿入する等により、組み付け可能である。
【0053】
また、シースピン40の他端側には、一対の芯線41、42が突出しており、各芯線41、42は、それぞれ外部と接続するためのリード線60に電気的に接続されている。このリード線60は図示しない外部回路と電気的に接続されるもので、このリード線60を介して、温度センサS1と上記外部回路とが、信号のやり取りが可能なように連絡される。
【0054】
各リード線60とシースピン40の各芯線41、42とは、接続端子62を介して電気的に接続されている。例えば、各芯線41、42と接続端子62とは溶接により接合され、各リード線60と接続端子62とは、接続端子62のかしめにより接合される。
【0055】
また、シースピン40のうち金属カバー10への挿入部以外の部位は、ステンレス等の金属よりなる段付円筒状の保護チューブ70の内部に収納され、この保護チューブ70に被覆されている。ここで、保護チューブ70は、シースピン40の外筒43と、かしめや溶接等により接合されている。
【0056】
また、リード線60とシースピン40の芯線41、42との接合部は、ステンレス等の金属チューブ64にて被覆保護されている。この金属チューブ64は、リード線60側においては、リード線60の周囲に設けられたゴム等よりなるブッシュ66を介して、リード線60に、かしめ固定されると共に、シースピン40側においては、保護チューブ70に挿入され、かしめや溶接により固定されている。
【0057】
さらに、保護チューブ70の外側には、取付部材80が嵌合されている。本例では、この取付部材80は、外周面にネジ部81およびナット部82を有するものであり、被測定部材(自動車の排気管等)に形成された取付穴にネジ結合されるものである。取付部材80は、保護チューブ70回りに回転可能となっている。
【0058】
この温度センサS1は、例えば、次のようにして組み付けることができる。なお、各部の接続や取付は、各部に応じて上記したかしめ、溶接等を用いて行うことができる。
【0059】
シースピン40の外周に、保護チューブ70及び取付部材80を取り付けるとともに、シースピン40とリード線60とを、接続端子62を介して接続し、当該接続部の外側にブッシュ66とともに金属チューブ64を取り付ける。一方、サーミスタ素子20と一体化した電極線31、32を、シースピン40の芯線41、42と接続する。
【0060】
そして、サーミスタ素子20の周囲に碍子管50を組み付けるとともに、サーミスタ素子20及び碍子管50を、金属カバー10の内部へ挿入し、金属カバー10とシースピン40とを接合する。こうして、図1に示す温度センサS1が出来上がる。
【0061】
なお、温度センサS1は、例えば、上記した自動車の排気管の取付穴(図示せず)に金属カバー10側を先端にして挿入され、保護チューブ70のテーパ部71と当該取付穴とが当たって位置決めが行われるとともに、取付部材80を介して当該取付穴へネジ結合されることにより、上記排気管に脱着可能に取り付けられる。
【0062】
そして、上記排気管内に突出する金属カバー10に測定流体(排気ガス等)が当たると、その測定流体の温度に応じた信号が、サーミスタ素子20を介した一対の電極線31、32間の抵抗値変化に基づく電気信号として発生する。この電気信号は、サーミスタ信号として、シースピン40の芯線41、42、リード線60を介して外部へ出力されるようになっている。
【0063】
ところで、本実施形態によれば、金属カバー10とサーミスタ素子20との間に、当該間の電気絶縁性を確保するための絶縁部材としての碍子管50が介在設定されているため、外部振動等によるサーミスタ素子20と金属カバー10との接触は、碍子管50を介したものとなる。そのため、サーミスタ素子20と金属カバー10との接触による導通を防止することができ、信号変動を抑制することができる。
【0064】
また、本実施形態において、金属カバー10とサーミスタ素子20との間に介在させる絶縁部材としては、上記碍子管50以外にも、サーミスタ素子20の円周側面22のうち少なくとも金属カバー10の内面と最短距離にある部位に形成された電気絶縁性の皮膜51を採用しても良い。その皮膜51を採用した場合を図3に示す。
【0065】
図3(b)では、サーミスタ素子20の円周側面22のうち金属カバー10の内面と最短距離にある部位にのみ皮膜51を形成している。この皮膜51が形成されたサーミスタ素子20の部位は、金属カバー10と接触する可能性がある部位であり、それによっても、サーミスタ素子20と金属カバー10との接触による導通を防止することができ、信号変動を抑制することができる。
【0066】
また、図3(a)に示す様に、皮膜51を、サーミスタ素子20の円周側面22の全周に形成すれば、より確実に、サーミスタ素子20と金属カバー10との接触による導通を抑制することができ、好ましい。
【0067】
このような皮膜51としては、電気絶縁性のセラミックよりなるものを採用することができる。例えば、アルミナやイットリア等を溶液化したものをサーミスタ素子20に塗布し、焼成することで皮膜51を形成することができる。皮膜51の膜厚としては、電気絶縁性を確保するために、例えば1μm以上とする。
【0068】
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態について、主として上記第1実施形態と相違するところについて述べる。図4は、本実施形態に係る温度センサS1の要部を上記図2に対応した視点にて示す図である。図4に示す例では、第1実施形態に述べた絶縁部材50、51を設けていない。
【0069】
本実施形態は、電極線31、32の強度を高め、外部振動によるサーミスタ素子20の変位を抑制することにより、サーミスタ素子20と金属カバー10との接触を抑制するものである。そのために、本実施形態では、上記電極線31、32の材料に工夫を施している。
【0070】
すなわち、本実施形態においては、各電極線31、32として、高温に晒されても結晶安定性のある白金又は白金合金を主成分とする分散強化材を用いている。そのため、高周波振動が加わっても粒界破断に至ることがなく、通常の白金線に比べて電極線31、32の強度を高めることができる。
【0071】
その結果、上記第1実施形態にて示した絶縁部材50、51が無い場合でも、外部振動によるサーミスタ素子20の変位を抑制することができ、サーミスタ素子20と金属カバー10との接触による信号変動を抑制することができる。なお、本実施形態においても、上記絶縁部材を設ければ、より効果的であることは明らかである。
【0072】
ここで、図5に上記分散強化材の高温下(900℃×100時間)での結晶構造を示す。図5は、顕微鏡像を模式化した図であり、(a)に通常用いられている一般白金(比較例)からなる電極線31、32、(b)に本実施形態の上記分散強化材からなる電極線(分散強化白金と図示)31、32を表してある。
【0073】
一般白金では、高温雰囲気下において白金結晶粒が粗大化し、線径方向における白金結晶粒の粒径は、最大、線径と同等レベルになる。そして、高周波域の強振動が線径と同等レベルの結晶粒の粒界でズレを誘発すると、電極線31、32の強度が低下し、最悪、断線に至ってしまう。
【0074】
しかし、上記分散強化材では線径方向における白金結晶粒の粒径が線径よりも小さく、上記粒界ズレが誘発されても電極線31、32の強度低下を極力小さくすることができる。なお、望ましくは、上記白金結晶粒の粒径が線径の1/2以下であることが好ましい。
【0075】
ここで、白金や白金合金の粒子の粗大化を十分抑制するためには、上記分散強化材は、白金又は白金合金を100として金属酸化物が0.02重量%以上添加されたものであることが好ましい
さらに、電極線31、32自体の抵抗の過大化を防止し、サーミスタ素子20の抵抗変化を十分検出するためには、該金属酸化物は、白金又は白金合金を100として2重量%以下添加されたものであることが好ましい。ここで、該金属酸化物としては、例えば、ジルコニア、イットリア、アルミナ、チタニア等から選択された少なくとも一種を用いることができる。
【0076】
また、上記白金合金としては、例えば、白金に対して、ロジウム、金、タングステン、パラジウム等から選択された少なくとも一種が含有されたものを用いることができる。このような白金合金とすることにより、電極線31、32自体の強度を向上させることができる。
【0077】
また、本実施形態においては、電極線31、32は、上記分散強化材以外にも、白金とイリジウムとの合金線材からなるものとしてもよい。それによっても、電極線31、32の線材自体を振動に対して強固なものでき、外部振動等によるサーミスタ素子20の変位を抑制することができるため、サーミスタ素子20と金属カバー10との接触による導通を抑制することができる。
【0078】
ここで、該白金とイリジウムとの合金線材は、その合金組成として、線引き、減径、切断等の線材加工性を考慮すれば、イリジウムが1〜60重量%添加され、残部白金である白金合金を用いることが好ましい。
【0079】
(第3実施形態)
ところで、上記図1〜図4に示す温度センサS1では、円盤状のサーミスタ素子20から引き出された一対の電極線31、32を、一対の芯線(信号線)42、42に接続する構成において、一対の電極線31、32の両方を、一対の芯線41、42に対して同一方向から重ね合わせ、この重なり部K1、K2を溶接している。
【0080】
図6は、上記図1においてE−E線に沿った重なり部K1、K2の断面を模式的に示す図(ただし、碍子管50は省略)である。この場合、振動等の外力が、例えば片方の重なり部K1にて両線31、41が離れる方向に加わると、他方の重なり部K2にても両線32、42が同様に離れる方向に加わる。そのため、接合信頼性が低く、上記両線の溶接部が強度的に弱くなり、外部振動等によりサーミスタ素子20が大きく変位しやすい。
【0081】
それに対して、本発明の第3実施形態における電極線31、32と芯線41、42との接続構成を図7に示す。図7中、(a)は上記図2に対応した視点にて示す図であり、(b)は(a)中のF−F拡大断面図である。本実施形態は、一対の電極線31、32と一対の芯線(信号線)41、42との接続構成に工夫を施したものである。
【0082】
すなわち、一対の電極線31、32と一対の芯線41、42とが、金属カバー10の軸方向からみたとき、各電極線31、32を結ぶ対角線T1と各芯線41、42を結ぶ対角線T2とが交差するように重なり合って接合されている。なお、接合された両線31、32、41、42の長さLは、例えば数mmである。以下、この接続構成を「たすきがけ接続」という。
【0083】
この場合、振動等の外力が、例えば片方の重なり部K1にて両線31、32が離れる方向に加わっても、他方の重なり部K2では両線32、42が互いに引っつき合うように作用し、接合信頼性が確保される。
【0084】
そのため、本実施形態によれば、一対の電極線31、32と一対の芯線(一対の信号線)41、42との溶接部を、従来に比べて強度的に強くすることができる。そのため、外部振動等によるサーミスタ素子20の変位を抑制することができ、サーミスタ素子20と金属カバー10との接触による信号変動を抑制することができる。
【0085】
なお、本実施形態においても、上記した絶縁部材50、51を設けても良い。さらに、一対の電極線31、32として、上記した白金又は白金合金を主成分とする分散強化材、または、白金とイリジウムとの合金線材を採用しても良い。それにより、より効果的であることは明らかである。
【0086】
(第4実施形態)
本発明の第4実施形態に係る温度センサの要部を図8に示し、上記実施形態と相違するところについて述べる。図8は、上記図4中のG−G線に沿った断面に相当する断面にて、本実施形態を示すものである。この断面は、金属カバー10の軸と直交し且つサーミスタ素子20の直径部分を含む断面である。
【0087】
図8においては、外部振動等によってサーミスタ素子20が偏芯し、サーミスタ素子20のうち一方の円形面21における両エッジ部21a、21bが、金属カバー10に接触した状態を示す。筒状の金属カバー10内にて、その両円形面21が金属カバー10の軸方向に沿うように配置された円盤状のサーミスタ素子20においては、両円形面21におけるエッジ部21a、21b、21c、21dが、最も金属カバー10に近く接触しやすい部位である。
【0088】
ここで、図8に示す様に、サーミスタ素子20の1つの円形面(図8では右側の円形面)21における金属カバー10の軸と直交する直径方向に位置する両エッジ部のうち、一方の電極線31側のエッジ部21aと一方の電極線31との距離をa1とし、他方の電極線32側のエッジ部21bと他方の電極線32との距離をa2とし、一対の電極線31、32間の距離をcとする。
【0089】
このとき、本実施形態では、サーミスタ素子20の両円形面21のそれぞれにおいて、距離a1と距離a2との和が距離cよりも大きくなるような寸法関係((a1+a2)>c)が満足されている。つまり、図8中の左側の円形面21のエッジ部21c、21dにおいても、上記寸法関係を同様に満足している。
【0090】
図8に示す様に、サーミスタ素子20が偏芯し、両エッジ部21a、21bにて金属カバー10に接触した場合、一対の電極線31、32と金属カバー10との間に回路が形成される。また、上述したように、サーミスタ素子20を介した一対の電極線31、32間の抵抗値変化が、サーミスタ信号となる。
【0091】
そのため、もし、各エッジ部21a、21bと各電極線31、32との間の電気抵抗が、両電極線31、32間の電気抵抗よりも小さいと、電極線31、32から金属カバー10の方へ電流が流れやすくなる。つまり、金属カバー10への漏れ電流が発生しやすくなる。
【0092】
ここにおいて、上記寸法関係((a1+a2)>c)を設定することにより、各エッジ部21a、21bと各電極線31、32との間の電気抵抗((a1+a2)間の電気抵抗)を、両電極線31、32間の電気抵抗(c間の電気抵抗)よりも大きくすることができる。
【0093】
そのため、もし、上記エッジ部21a、21bにてサーミスタ素子20と金属カバー10とが接触したとしても、各電極線31、32から金属カバー10へ電流が流れるのを抑制し、一対の電極線31、32間の方にて電流が流れやすくできる。
【0094】
つまり、本実施形態によれば、サーミスタ素子20と金属カバー10との接触による金属カバー10への電流の漏れを極力抑えることができるため、信号変動を抑制することができる。なお、望ましくは、距離a1と距離a2との和(a1+a2)が距離cの1.5倍以上であることが好ましい。
【0095】
また、本実施形態においても、上記した絶縁部材50、51の設置、一対の電極線31、32に対する上記分散強化材や合金線材の採用、「たすきがけ接続」を採用しても良い。それにより、より効果的であることは明らかである。
【0096】
(第5実施形態)
本発明の第5実施形態に係る温度センサの要部を図9に示し、上記実施形態と相違するところについて述べる。図9は、上記図4中のG−G線に沿った断面に相当する断面にて、本実施形態を示すものである。この断面は、金属カバー10の軸と直交し且つサーミスタ素子20の直径部分を含む断面である。
【0097】
図9に示す様に、サーミスタ素子20の円周側面22を、凸面形状(図9(a))または凹面形状(図9(b))としている。
【0098】
なお、本実施形態においても、上記した絶縁部材50、51の設置、一対の電極線31、32に対する上記分散強化材や合金線材の採用、「たすきがけ接続」、上記寸法関係((a1+a2)>c)を採用しても良い。それにより、より効果的であることは明らかである。
【0099】
(第6実施形態)
本発明の第6実施形態では、上記各実施形態における円盤状のサーミスタ素子20において、その直径Wと厚さtとの比W/tが1よりも大きく1.5以下となっているものを提供する。
【0100】
1<W/t≦1.5とする根拠について述べる。図10(a)に示すように、金属カバー10内において円盤状のサーミスタ素子20の直径Wと厚さtとを、図中の一点鎖線に示すように変えていった。なお、図10において(b)は(a)のJ−J断面図、(d)は(c)のM−M断面図である。
【0101】
ここで、図10(a)、(b)は、内径がφ2.4mmのストレートな形状を持つノーマルタイプの金属カバー10を用いた場合を示し、図10(c)、(d)は、サーミスタ素子20を収納する部分を絞って細くし、細くなった部分の内径がφ1.65mmである高応答タイプの金属カバー10を用いた場合を示す。両タイプとも、金属カバー10とサーミスタ素子20との隙間は少なくとも0.1mmは確保するようにする。
【0102】
具体的に、図10(a)、(b)の場合では、サーミスタ素子20の半径W/2および厚さtの値(W/2、t)を、(0.5、1.96)、(0.55、1.91)、(0.6、1.84)、(0.65、1.77)、(0.7、1.7)、(0.75、1.61)、(0.8、1.51)、(0.85、1.4)、(0.9、1.26)、(0.95、1.11)、(1、0.92)、(1.05、0.66)と変えていった。
【0103】
一方、図10(c)、(d)の場合では、上記値(W/2、t)を、(0.5、1.12)、(0.55、1.02)、(0.6、0.9)、(0.65、0.75)、(0.7、0.54)、(0.75、0.38)と変えていった。なお、値(W/2、t)の単位はmmである。
【0104】
このように値(W/2、t)を変えていき、そのときの上記比(直径W/厚さt)、サーミスタ素子20の直径×厚さに相当する空間断面積(単位:mm2)、サーミスタ素子20の体積である素子体積(単位:mm3)を求めた。その結果を図11に示す。図11において、(a)は図10(a)、(b)の場合であり、(b)は図10(c)、(d)の場合である。
【0105】
図11(a)、(b)では、横軸に半径W/2(mm)をとり、縦軸は上記比(直径W/厚さt)、空間断面積(単位:mm2)、素子体積(単位:mm3)の各値を共通して示す目盛軸としている。また、比(直径W/厚さt)は白三角プロット、空間断面積は白菱プロット、素子体積は白四角プロットで示してある。
【0106】
サーミスタ素子20と金属カバー10との空間(距離)を極力少なくし、熱交換を良くし、応答性を向上させるためには、サーミスタ素子20は、少ない空間断面積で大きな素子体積を得る形状であることが好ましい。
【0107】
このような観点に加えて、サーミスタ素子20が直径が厚さよりも大なる円盤状であるという点を考慮して、図11に示す結果をながめると、素子体積がほぼ最大になるような比(直径W/厚さt)の範囲としては、1よりも大きく1.5以下とすることができる。
【0108】
そして、比(直径W/厚さt)がこの範囲にあるとき、サーミスタ素子20は、金属カバー10内の限られた空間の中で効率よく素子体積を大きくできるものになり、応答性向上等のために好ましいものとすることができる。
【0109】
(他の実施形態)
なお、上記各実施形態では、一対の電極線31、32がサーミスタ素子20に埋設されていた。ここで、特に、第1〜第3および第5実施形態においては、図12に示す様に、電極線31、32がサーミスタ素子20の円周側面22に接合されているものであってもよい。なお、図12において、(a)はサーミスタ素子20の円形面21を見た図、(b)は(a)のH−H断面図である。
【0110】
この場合、電極線31、32とサーミスタ素子20とは、サーメット等を用いた接続方法にて接合することができる。また、電極線31、32が金属カバー10に最も近接した配置となるため、電極線31、32の金属カバー10への電流の漏れを防止するために、電極線31、32と金属カバー10とが隙間を介して非接触の状態にあることが好ましい。
【0111】
なお、本発明でいう円盤状のサーミスタ素子20とは、盤面が円形に近いものであれば良く、図13(a)、(b)に示すような楕円型のものや、図13(c)、(d)に示すような俵型のものも含むものである。なお、図13において、(b)は(a)のN−N断面図、(d)は(c)のP−P断面図である。
【0112】
これら楕円型のサーミスタ素子20や俵型のサーミスタ素子20のものは、サーミスタ素子20と金属カバー10との空間(距離)を少なくし、熱交換を良くし、応答性を向上させる形状としては好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る温度センサの全体構成を示す概略断面図である。
【図2】図1中のC部のD矢視拡大断面図である。
【図3】第1実施形態における絶縁部材として皮膜を採用した例を示す図である。
【図4】本発明の第2実施形態に係る温度センサの要部を示す図である。
【図5】高温下での白金の結晶構造を示す図である。
【図6】図1中の電極線と芯線との重なり部におけるE−E概略断面図である。
【図7】本発明の第3実施形態に係る電極線と芯線との接続構成を示す図である。
【図8】本発明の第4実施形態に係る温度センサの要部を示す図である。
【図9】本発明の第5実施形態に係る温度センサの要部を示す図である。
【図10】金属カバー内において円盤状のサーミスタ素子の直径と厚さとを変えていった様子を示す図である。
【図11】サーミスタ素子における好適な直径/厚さの比を調べた結果を示す図である。
【図12】本発明の他の実施形態を示す図である。
【図13】本発明のもう一つの他の実施形態を示す図である。
【図14】従来の温度センサの一般的な全体構成を示す断面図である。
【図15】図14中のA部のB矢視拡大断面図である。
【符号の説明】
10…金属カバー、20…サーミスタ素子、
21a、21b…サーミスタ素子の一方の円形面におけるエッジ部、
31、32…電極線、41、42…シースピンの芯線、50…碍子管、
51…皮膜、T1…一対の電極線を結ぶ対角線、
T2…一対の芯線を結ぶ対角線。
Claims (17)
- 筒状の金属カバー(10)と、
この金属カバーの一端側に収納され直径が厚さよりも大なる円盤状をなし、その両円形面が前記金属カバーの軸方向に沿うように配置されているサーミスタ素子(20)と、
互いに前記金属カバーの軸方向に略平行に間隔を開けて配置された状態で前記サーミスタ素子に埋設され、前記サーミスタ素子から前記金属カバーの他端側へ引き出されたサーミスタ信号取り出し用の一対の電極線(31、32)とを備える温度センサにおいて、
前記サーミスタ素子の1つの円形面における前記金属カバーの軸と直交する直径方向に位置する両エッジ部のうち、一方の前記電極線側のエッジ部(21a)と当該一方の前記電極線との距離をa1とし、他方の前記電極線側のエッジ部(21b)と当該他方の前記電極線との距離をa2とし、前記一対の電極線間の距離をcとしたとき、
前記サーミスタ素子の両円形面に対して、前記距離a1と前記距離a2との和(a1+a2)が前記距離cよりも大きくなるような寸法関係が満足されていることを特徴とする温度センサ。 - 前記金属カバーと前記サーミスタ素子との間には、当該間の電気絶縁性を確保するための絶縁部材(50、51)が介在設定されていることを特徴とする請求項1に記載の温度センサ。
- 前記絶縁部材は、前記金属カバー(10)内にて前記サーミスタ素子(20)を収納する碍子管(50)であることを特徴とする請求項2に記載の温度センサ。
- 前記絶縁部材は、前記サーミスタ素子(20)の円周側面のうち少なくとも前記金属カバー(10)の内面と最短距離にある部位に形成された電気絶縁性の皮膜(51)であることを特徴とする請求項2に記載の温度センサ。
- 前記皮膜(51)は、前記サーミスタ素子(20)の円周側面の全周に形成されていることを特徴とする請求項4に記載の温度センサ。
- 前記皮膜(51)は、電気絶縁性のセラミックよりなるものであることを特徴とする請求項4または5に記載の温度センサ。
- 前記電極線は、白金又は白金合金を主成分とする分散強化材からなることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1つに記載の温度センサ。
- 前記分散強化材は、線径方向における結晶の粒径が線径よりも小さいものであることを特徴とする請求項7に記載の温度センサ。
- 前記分散強化材の結晶粒径が線径の1/2以下であることを特徴とする請求項8に記載の温度センサ。
- 前記分散強化材は、白金又は白金合金を100として金属酸化物が0.02重量%以上添加されたものであることを特徴とする請求項7ないし9のいずれか1つに記載の温度センサ。
- 前記金属酸化物は、白金又は白金合金を100として2重量%以下添加されていることを特徴とする請求項8に記載の温度センサ。
- 前記金属酸化物は、ジルコニア、イットリア、アルミナ、チタニアから選択された少なくとも一種であることを特徴とする請求項10または11に記載の温度センサ。
- 前記白金合金は、白金に対して、ロジウム、金、タングステン、パラジウムから選択された少なくとも一種が含有されたものであることを特徴とする請求項7ないし12のいずれか1つに記載の温度センサ。
- 前記電極線は、白金とイリジウムとの合金線材からなることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1つに記載の温度センサ。
- 前記白金とイリジウムとの合金線材は、イリジウムが1〜60重量%添加され、残部白金であることを特徴とする請求項14に記載の温度センサ。
- 前記金属カバーの他端側にて互いに前記金属カバーの軸方向に略平行に間隔を開けて配置され、前記一対の電極線の各々と接続された一対の信号線(41、42)を備え、
前記一対の電極線と前記一対の信号線とは、前記金属カバーの軸方向からみたとき、前記各電極線を結ぶ対角線(T1)と前記各信号線を結ぶ対角線(T2)とが交差するように重なり合って接合されていることを特徴とする請求項1ないし15のいずれか1つに記載の温度センサ。 - 前記サーミスタ素子(20)は、その直径Wと厚さtとの比W/tが1よりも大きく1.5以下となっているものであることを特徴とする請求項1ないし16のいずれか1つに記載の温度センサ。
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