JP5569455B2 - 温度センサ及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、感温素子と、該感温素子の表面に設けられた一対の電極に電気的に接続する一対の信号線を先端側に内蔵するシースピンとを備えた温度センサ及びその製造方法に関する。
自動車エンジンの排ガス規制に対応するため、NOxの発生を抑制する排ガス再循環システム(以下、EGRシステム)や、触媒等を用いた排ガス処理システムが広く利用されている。これらのシステムでは、EGRガス又は排ガス流路内に温度センサを設けてEGRガス又は排ガス温度に基づく最適な制御を実施することで、排気エミッションの低減を図っている。このような用途に用いられる温度センサには、高応答で検出温度範囲の広い温度センサが求められ、温度により電気抵抗が変化する感温素子を用いた温度センサが用いられる。
温度により抵抗が変化する感温素子を用いた温度センサは、例えば一対の電極が接合されたサーミスタ素子と、上記一対の電極線にそれぞれ接続された一対の信号線と、該信号線を内蔵するシースピンと、上記サーミスタ素子を覆うように先端部に配設された先端カバー等から構成される(特許文献1及び2参照)。
そして、電極線のサーミスタ素子への接合は、例えば、サーミスタ素子の表面にPtペースト(白金ペースト)を塗布して電極線を貼り付けた後、焼き付けることにより行われる。ところが、エンジン付近に温度センサを設置する場合などにおいては、大きな振動が温度センサに伝わり、サーミスタ素子が振動して、サーミスタ素子と電極線との接合部が断線してしまうおそれがある。また、先端カバー内の還元ガスによってサーミスタ素子が変質し、抵抗特性が変化してしまうおそれがある。
そこで、先端カバー内にアルミナやガラス等を含有する充填材を充填した温度センサが開発されている(特許文献1及び特許文献2参照)。このような構造を有する温度センサは、感温素子と電極線の安定した導通特性を確保することが可能になる。
特開2007−93623号公報 特開2008−209267号公報
しかしながら、従来の温度センサにおいては、高温環境下において充填材の絶縁性能が低下するおそれがあった。その結果、高温環境下における正確な温度測定が困難になるという問題があった。特に、上述の特許文献1に記載のように、Na2Oを比較的多く含有する充填材を用いた場合には、絶縁性能の低下が起りやすい。近年、エンジン性能の向上に伴って、排ガス温度も高くなる傾向にある。したがって、温度センサに対する絶縁性能及び耐熱性に対する要求も更に高まっている。また、エンジン性能の向上に伴って振動も増大する傾向にあり、さらに優れた耐振性を有する温度センサが要求される。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、耐振性、耐熱性、及び感温素子周囲の絶縁性能に優れた温度センサ及びその製造方法を提供しようとするものである。
第1の発明は、温度によって電気的特性が変化する感温素子と、
該感温素子に接続された一対の電極線と、
該電極線と電気的に接続する一対の信号線を先端側に露出させた状態で内蔵するシースピンと、
上記感温素子を覆うように先端部に配設された先端カバーと、
上記感温素子と上記先端カバーとの間に充填され上記感温素子を保持固定するための充填材とを有し、
該充填材は、実質的に骨材粒子と、該骨材粒子を被覆する結晶化ガラスからなるガラス層とより構成され、上記充填材において、上記骨材粒子同士は上記ガラス層を介して相互に結合されており、
上記骨材粒子は、アルミナを主成分とし、上記結晶化ガラスは、Al 5 2 9 、ZnAl 2 4 、及びBaAl 2 Si 2 8 より選ばれる少なくとも1つの結晶相を含むことを特徴とする温度センサにある(請求項1)。
第2の発明は、温度によって電気的特性が変化する感温素子と、
該感温素子に接続された一対の電極線と、
該電極線と電気的に接続する一対の信号線を先端側に露出させた状態で内蔵するシースピンと、
上記感温素子を覆うように先端部に配設された先端カバーと、
上記感温素子と上記先端カバーとの間に充填され上記感温素子を保持固定するための充填材とを有し、
該充填材は、実質的に骨材粒子と、該骨材粒子を被覆する結晶化ガラスからなるガラス層とより構成され、上記充填材において、上記骨材粒子同士は上記ガラス層を介して相互に結合されており、
上記骨材粒子は、アルミナ、ジルコニア、酸化バリウム、マグネシア、酸化ケイ素、酸化亜鉛、及び酸化ホウ素から選ばれる少なくとも1種の酸化物を主成分とし、
上記結晶化ガラスは、上記骨材粒子の主成分である上記酸化物を構成する元素であるAl、Zr、Ba、Mg、Si、Zn、又はBを少なくとも含み、
上記充填材を100wt%とすると、上記結晶化ガラスの含有量は、1.5wt%以上かつ10wt%未満であることを特徴とする温度センサにある(請求項2)。
の発明は、温度によって電気的特性が変化する感温素子と、該感温素子に接続された一対の電極線と、該電極線と電気的に接続する一対の信号線を先端側に露出させた状態で内蔵するシースピンと、上記感温素子を覆うように先端部に配設された先端カバーと、上記感温素子と上記先端カバーとの間に充填され上記感温素子を保持固定するための充填材とを有する温度センサの製造方法において、
上記感温素子に接続された一対の上記電極線と、上記シースピンに内蔵された一対の上記信号線とを上記先端側において電気的に接続する接続工程と、
アルミナ主成分とする骨材粉末と、該骨材粉末の主成分であるアルミナ中に含まれる元素であるAl用いて結晶化する非晶質ガラス粉末と、溶媒と、分散材とを混合して原料スラリーを作製する分散工程と、
上記原料スラリーを上記先端カバーに充填する注入工程と、
上記原料スラリーが充填された上記先端カバー内に、上記シースピンと接続された上記感温素子を挿入する挿入工程と、
該挿入工程後に、上記先端カバーと上記感温素子との間にある上記原料スラリーを乾燥する乾燥工程と、
上記乾燥工程後の上記原料スラリーを焼成し、上記骨材粒子の主成分に含まれるAl利用して該骨材粒子の表面において上記非晶質ガラス粉末を結晶化させることにより、上記骨材粒子を被覆する結晶化ガラスからなるガラス層を形成すると共に、該ガラス層により上記骨材粒子同士を相互に結合させて、上記充填材を形成する加熱工程とを有し、
上記非晶質ガラス粉末としては、上記加熱工程後に、Al 5 2 9 、ZnAl 2 4 、及びBaAl 2 Si 2 8 より選ばれる少なくとも1つからなる結晶化ガラスを形成するものを採用することを特徴とする温度センサの製造方法にある(請求項6)。
第4の発明は、温度によって電気的特性が変化する感温素子と、該感温素子に接続された一対の電極線と、該電極線と電気的に接続する一対の信号線を先端側に露出させた状態で内蔵するシースピンと、上記感温素子を覆うように先端部に配設された先端カバーと、上記感温素子と上記先端カバーとの間に充填され上記感温素子を保持固定するための充填材とを有する温度センサの製造方法において、
上記感温素子に接続された一対の上記電極線と、上記シースピンに内蔵された一対の上記信号線とを上記先端側において電気的に接続する接続工程と、
アルミナ、ジルコニア、酸化バリウム、マグネシア、酸化ケイ素、酸化亜鉛、及び酸化ホウ素から選ばれる少なくとも1種の酸化物を主成分とする骨材粉末と、該骨材粉末の主成分である上記酸化物中に含まれる元素であるAl、Zr、Ba、Mg、Si、Zn、又はBを用いて結晶化する非晶質ガラス粉末と、溶媒と、分散材とを混合して原料スラリーを作製する分散工程と、
上記原料スラリーを上記先端カバーに充填する注入工程と、
上記原料スラリーが充填された上記先端カバー内に、上記シースピンと接続された上記感温素子を挿入する挿入工程と、
該挿入工程後に、上記先端カバーと上記感温素子との間にある上記原料スラリーを乾燥する乾燥工程と、
上記乾燥工程後の上記原料スラリーを焼成し、上記骨材粒子の主成分に含まれるAl、Zr、Ba、Mg、Si、Zn、又はBを利用して該骨材粒子の表面において上記非晶質ガラス粉末を結晶化させることにより、上記骨材粒子を被覆する結晶化ガラスからなるガラス層を形成すると共に、該ガラス層により上記骨材粒子同士を相互に結合させて、上記充填材を形成する加熱工程とを有し、
上記分散工程においては、上記骨材粉末と上記非晶質ガラス粉末との合計100質量部に対して、上記非晶質ガラス粉末を1.0〜8.0質量部混合することを特徴とする温度センサの製造方法にある(請求項7)。
上記第1、第2の発明の温度センサにおいては、骨材粒子と、該骨材粒子を被覆する結晶化ガラスからなるガラス層とより構成され、かつ上記骨材粒子同士が上記ガラス層を介して相互に結合された上記充填材が、上記感温素子と上記先端カバーとの間に充填され、上記感温素子を保持固定している。そして、上記結晶化ガラスは、上記骨材粒子の主成分である上記酸化物を構成する元素であるAl、Zr、Ba、Mg、Si、Zn、又はBを少なくとも含む。即ち、上記結晶化ガラスは、上記骨材粒子の主成分である上記酸化物を構成する元素(酸素を除く)を取り込んで結晶構造を形成している。
そのため、上記充填材の強度を向上させることができる。その結果、上記温度センサにおいては、振動時にも上記感温素子の一対の上記電極線と上記信号線との間の断線を防止することができ、耐振性を向上させることができる。
また、上記構成を備えた上記充填材においては、結晶化ガラスの量を少なくしても十分に優れた強度を示すことができる。そのため、上記充填材は、優れた絶縁性能を発揮することができ、例えば温度850℃という高温環境下においても、絶縁性能が低下し難い。そのため、上記温度センサは、高温環境下においても正確に温度を測定することが可能になる。
また、上述のごとく、上記充填材においては結晶化ガラスの量を少なくすることができるため、上記充填材は熱応力を緩和することができる。その結果、上記温度センサにおいては冷熱サイクルを繰り返し行なっても上記感温素子の上記電極線と上記信号線間で断線が起ることを防止することができる。
このように、上記第1、第2の発明によれば、耐振性、耐熱性、及び感温素子周囲の絶縁性能に優れた温度センサを提供することができる。
第3、第4の発明においては、上記接続工程と上記分散工程と上記注入工程と上記挿入工程と上記乾燥工程と上記加熱工程とを行うことにより、温度によって電気的特性が変化する感温素子と、該感温素子に接続された一対の電極線と、該電極線と電気的に接続する一対の信号線を先端側に露出させた状態で内蔵するシースピンと、上記感温素子を覆うように先端部に配設された先端カバーと、上記感温素子と上記先端カバーとの間に充填され上記感温素子を保持固定するための充填材とを有する温度センサを製造する。
上記接続工程においては、上記感温素子に接続された一対の上記電極線と、上記シースピンに内蔵された一対の上記信号線とを上記先端側において電気的に接続する。これにより、上記感温素子を上記シースピンと接続することができる。
また、上記分散工程においては、アルミナ、ジルコニア、酸化バリウム、マグネシア、酸化ケイ素、酸化ホウ素から選ばれる少なくとも1種の酸化物を主成分とする骨材粉末と、該骨材粉末の主成分である上記酸化物中に含まれる元素であるAl、Zr、Ba、Mg、Si、Zn、又はBを用いて結晶化する非晶質ガラス粉末と、溶媒と、分散材とを混合して原料スラリーを作製する。このとき、上記非晶質ガラス粉末としては、上述のように、上記骨材粉末中に含まれるAl、Zr、Ba、Mg、Si、Zn、又はBを利用して結晶化する材料を選択的に用いる。これにより、後述する加熱工程において上記非晶質ガラス粉末が結晶化する際に、上記非晶質ガラス粉末は上記骨材粉末中のAl、Zr、Ba、Mg、Si、Zn、又はBを取り込んで結晶化し、結晶化ガラスを形成することができる。
上記注入工程においては、上記原料スラリーを上記先端カバーに充填する。そして、上記原料スラリーが充填された上記先端カバー内に、上記シースピンと接続された上記感温素子を挿入する。これにより、上記感温素子を挿入した上記先端カバー内の空間は、上記原料スラリーにより満たされる。
上記乾燥工程においては、上記挿入工程後に、上記先端カバーと上記感温素子との間にある上記原料スラリーを乾燥する。
次いで、上記加熱工程においては、上記乾燥工程後の上記原料スラリーを焼成し、骨材粒子中に含まれるAl、Zr、Ba、Mg、Si、Zn、又はBを利用して該骨材粒子の表面において上記非晶質ガラス粉末を結晶化させることにより、上記骨材粒子を被覆する結晶化ガラスからなるガラス層を形成すると共に、該ガラス層により骨材粒子同士を相互に結合させて、上記充填材を形成する。
上記加熱工程においては、骨材粒子中に含まれるAl、Zr、Ba、Mg、Si、Zn、又はBを取り込みながら、上記骨材粒子の表面において上記非晶質ガラス粉末を結晶化させている。そのため、上記ガラス層により骨材粒子同士が相互に強固に結合した上記充填材を形成することができる。その結果、振動時にも上記感温素子の一対の上記電極線と上記信号線との間の断線を防止することができ、耐振性を向上させることができる温度センサを製造することができる。
また、上記製造方法によって得られる温度センサにおいは、上記充填材における結晶化ガラスの量を少なくしても十分に優れた強度を示す充填材を形成することができる。そのため、上記温度センサにおいては、上記充填材が優れた絶縁性能を発揮することができ、例えば温度850℃という高温環境下においても、絶縁性能が低下し難い。そのため、上記温度センサは、高温環境下においても正確に温度を測定することが可能になる。
また、上述のごとく上記充填材においては結晶化ガラスの量を少なくすることができるため、上記充填材は熱応力を緩和することができる。その結果、上記温度センサにおいては冷熱サイクルを繰り返し行なっても上記感温素子の上記電極線と上記信号線間で断線が起ることを防止することができる。
このように、上記第3、第4の発明によれば、耐振性、耐熱性、及び感温素子周囲の絶縁性能に優れた温度センサの製造方法を提供することができる。
実施例1における、温度センサの断面図。 実施例1における、温度センサの先端部側の断面図。 実施例1における、先端カバー内に充填材スラリーを注入した状態を示す説明図。 実施例1における、感温素子及びこれに接続したシースピンを先端カバー内に挿入し、感温素子を充填材スラリーに浸漬させる様子を示す説明図。 実施例1における、感温素子を浸漬させた状態の充填材スラリーを固化させて充填材を形成した様子を示す説明図。 実施例1における、充填材のXRD回折結果を示す説明図。 実施例2における、充填材における結晶化ガラスの配合割合(wt%)と圧壊強度(MPa)との関係を示す説明図。 実施例2における、充填材におけるアルミナ(Al23)の配合割合(wt%)と圧壊強度(MPa)との関係を示す説明図。 実施例1における、充填材の構成を模式的に示す説明図。 従来の充填材の構成を模式的に示す説明図。
次に、本発明の好ましい実施形態について説明する。
本発明の温度センサにおいて、上記充填材は、上記骨材と上記結晶化ガラスとを含有する。
上記充填材は、アルミナ、ジルコニア、酸化バリウム、マグネシア、酸化ケイ素、酸化亜鉛、及び酸化ホウ素から選ばれる少なくとも1種の酸化物を主成分とする骨材粒子と、該骨材粒子を被覆する結晶化ガラスからなるガラス層とより構成され、上記充填材において、上記骨材粒子同士は上記ガラス層を介して相互に結合されている。そして、上記結晶化ガラスは、上記骨材粒子の主成分である上記酸化物を構成する元素であるAl、Zr、Ba、Mg、Si、Zn、又はBを少なくとも含む。
例えば、上記骨材粒子がアルミナを主成分とする場合には、上記結晶化ガラスは、Alを含有する。上記結晶化ガラス中のAlは、製造時に骨材粒子から取り込まれたAlを含んでいる。
また、上記骨材粒子は、アルミナ以外にもジルコニア、酸化バリウム、マグネシア、酸化ケイ素、酸化亜鉛、酸化ホウ素等のセラミック粒子であっても良い。この場合には、上記結晶化ガラスは、それぞれZr、Ba、Mg、Si、Zn、Bなどを含有する。
上記骨材粒子は、アルミナを主成分とし、上記結晶化ガラスは、Al529、ZnAl24、及びBaAl2Si28より選ばれる少なくとも1つの結晶相を含むことが好ましい(請求項1、請求項3)。
この場合には、耐振性をより一層向上させることができる。
上記充填材を100wt%とすると、上記結晶化ガラスの含有量は、1.5wt%以上かつ10wt%未満であることが好ましい(請求項)。
上記結晶化ガラスの含有量が1.5wt%未満の場合には、上記充填材の強度が低下するおそれがある。一方、10wt%以上の場合には、上記温度センサの耐熱性が不十分になるおそれがある。即ち、冷熱サイクルを繰り返し行なった場合に、上記電極線と信号線との間で断線が起るおそれがある。より確実に断線を防止するという観点から、上記結晶化ガラスの含有量は8wt%以下がより好ましく、6wt%以下がさらにより好ましい。
また、上記結晶化ガラスは、副成分として、例えばNa2O成分及び/又はK2O成分等を含有することができる。
また、上記充填材中に含まれるNaの含有量は酸化物換算で0.04wt%以下であることが好ましい(請求項4)
この場合には、上記充填材の絶縁性能をより一層向上させることができる。
上記充填材中のNaは、主として結晶化ガラスの上記副成分によってもたらされる。例えば上記結晶化ガラスがNa(酸化物としてはNa2O)を含有する場合には、その酸化物換算量であるNa2O成分量を上述のごとく、0.04wt%以下にすることが好ましい。また、Naの代わりにK(酸化物としてはK2O)を含有させたり、NaとKの両方を含有させることもできる。
次に、上記温度センサにおいて、上記シースピンが内蔵する上記信号線は、上記電極線を介して上記感温素子に電気的に接続されている。
好ましくは、上記電極線は、Ptを主成分とすることがよい(請求項5)。
この場合には、上記電極線の耐食性を確保することができ、断線を抑制することができる。また、この場合には、上記電極線と上記充填材の熱膨張係数の値を近づけることが可能になる。そのため、熱膨張差によって上記電極線に応力がかかることをより一層抑制することができる。同様の観点から、上記先端カバーは、ステンレス鋼もしくはNi基耐熱合金からなることが好ましく、Ni基耐熱合金の中でもINCONEL601(登録商標)がより好ましい。
また、上記温度センサにおいては、一対の電極線が感温素子に接続されている。上記電極線の上記感温素子への接続は、例えば上記感温素子に上記電極線を挿入した状態で一体化させることにより行なうことができる。即ち、感温素子の未焼成体に挿入孔を形成し、該挿入孔に電極線を挿入した状態で感温素子を焼結させる。これにより、電極線を挿入した状態で感温素子と一体化させることができる。
また、上記電極線の感温素子への接続は、例えば上記感温素子の表面に設けた一対の電極膜を介して行なうこともできる。即ち、感温素子の表面に、Pt等を主成分とする一対の電極膜を形成し、この電極膜に一対の電極線をそれぞれ電気的に接続させることができる。
上記充填材を備える温度センサは、例えば次のようにして作製することができる。
即ち、アルミナを主成分とする骨材粉末と、Al23、SiO2、B23、及びZnOを主成分とする非晶質ガラス粉末とを分散媒中に分散させた充填材スラリー(原料スラリー)を作製する分散工程と、上記分散スラリーを上記先端カバー内に注入する注入工程と、シースピンに信号線及び電極線を介して接続された感温素子を上記先端カバー内に挿入し、充填材スラリーに浸漬させる挿入工程と、上記充填材スラリーを加熱して固化させ、上記先端カバー内に上記感温素子を固定する加熱工程とを行なう。
このようにして上記温度センサを作製することができる。
具体的には、上記第3、第4の発明のように、上記接続工程と上記分散工程と上記注入工程と上記挿入工程と上記乾燥工程と上記加熱工程とを行うことにより、温度センサを製造することができる。
上記接続工程においては、上記感温素子に接続された一対の上記電極線と、上記シースピンに内蔵された一対の上記信号線とを上記先端側において電気的に接続する。
また、上記分散工程においては、アルミナ、ジルコニア、酸化バリウム、マグネシア、酸化ケイ素、及び酸化ホウ素から選ばれる少なくとも1種の酸化物を主成分とする骨材粉末と、該骨材粉末の主成分である上記酸化物中に含まれる元素であるAl、Zr、Ba、Mg、Si、又はBを用いて結晶化する非晶質ガラス粉末と、溶媒と、分散材とを混合して原料スラリーを作製する。
このとき、上記分散工程においては、上記骨材粉末と上記非晶質ガラス粉末との合計100質量部に対して、上記非晶質ガラス粉末を1.0〜8.0質量部混合することが好ましい(請求項7)。
上記非晶質ガラス粉末が1.0wt%未満の場合には、上記充填材の強度が低下するおそれがある。一方、8.0wt%を超える場合には、温度センサの耐熱性が不十分になるおそれがある。即ち、冷熱サイクルを繰り返し行なった場合に、上記電極線と信号線との間で断線が起こるおそれがある。
上記分散工程においては、上述のように骨材粉末と非晶質ガラス粉末との合計100質量部に対して、1.0〜8.0質量部の非晶質ガラス粉末を用いることが好ましいが、加熱工程後に得られる結晶化ガラスにおいては骨材中の成分が取り込まれるため、上述のように上記充填材を100wt%に対して1.5wt%以上かつ10wt%未満の結晶化ガラスを含有することが好ましい。
また、上記分散工程においては、上記骨材粉末としてアルミナを主成分とするものを採用し、上記非晶質ガラス粉末としては、上記加熱工程後に、Al529、ZnAl24、及びBaAl2Si28より選ばれる少なくとも1つからなる結晶化ガラスを形成するものを採用することが好ましい(請求項6、請求項8)。
この場合には、得られる温度センサの耐振性をより一層向上することができる。
上記結晶化ガラスにおいて、Al529、ZnAl24、及びBaAl2Si28由来の結晶構造は、例えばX線回折(XRD)等により調べることができる。
また、上記非晶質ガラス粉末としては、Al元素の含有量が酸化物(Al23)換算で10〜30wt%であるものを用いることが好ましい(請求項9)。
Al23成分が10wt%未満の場合には、骨材と非晶質ガラスの結晶化が不十分になり、上記充填材の強度を十分に向上させることができなくなるおそれがある。一方、30wt%を超える場合には、結晶性が強くなりすぎて加熱時に非晶質ガラスだけで結晶化し、骨材との結合が弱くなってしまうおそれがある。その結果、やはり上記充填材の強度を十分に向上させることができなくなるおそれがある。
また、上記非晶質ガラス粉末としては、例えばAl23成分を10〜30wt%、SiO2成分を29〜39wt%、B23成分を17〜27wt%、ZnO成分を9〜19wt%、及びBaOを1〜11wt%含有するものを用いることができる。
上記製造方法においては、これらの主成分のうち特にAl23成分量が重要である。Al23成分量を調整することにより、加熱工程における非晶質ガラス粉末の結晶化に際し、上記骨材から結晶化ガラスに取り込まれるAl量を変化させることができる。
SiO2成分、B23成分、ZnO成分、BaO成分の各含有量については、上述の結晶構造を形成させると共に熱処理時にアルミナとも結合させるという観点からそれぞれ上記特定の範囲内にすることが好ましい。
上記非晶質ガラス粉末としては、副成分として、例えばNa2O成分及び/又はK2O成分等を含有することができる。
上記分散工程においては、上記非晶質ガラス粉末としては、Naの含有量が酸化物(Na2O))換算で3wt%以下であるものを用いることが好ましい(請求項10)。
この場合には、上記充填材の絶縁性能をより一層向上させることができる。
次に、上記注入工程においては、上記原料スラリーを上記先端カバーに充填する。
上記先端カバーとしては、上述のように、例えばステンレス鋼もしくはNi基耐熱合金からなるものを用いることができる。より好ましくはNi基耐熱合金からなるものがよく、中でもINCONEL601(登録商標)からなるものがさらにより好ましい。
また、上記挿入工程においては、上記原料スラリーが充填された上記先端カバー内に、上記シースピンと接続された上記感温素子を挿入する。これにより、上記感温素子を挿入した上記先端カバー内の空間を、上記原料スラリーにより満たすことができる。
また、上記乾燥工程においては、上記先端カバーと上記感温素子との間にある上記原料スラリーを乾燥する。
次いで、上記加熱工程においては、上記乾燥工程後の上記原料スラリーを焼成し、骨材粒子の主成分に含まれるAl、Zr、Ba、Mg、Si、Zn、又はBを利用して該骨材粒子の表面において上記非晶質ガラス粉末を結晶化させることにより、上記骨材粒子を被覆する結晶化ガラスからなるガラス層を形成すると共に、該ガラス層により骨材粒子同士を相互に結合させて、上記充填材を形成する。
上記乾燥工程と上記加熱工程との間に、上記先端カバーと上記シースピンとを接合する接合工程を行うことができる。接合は、例えばレーザー溶接などにより行うことができる。
上記加熱工程においては、温度750〜1050℃で加熱を行うことが好ましい(請求項11)。
温度750℃未満の場合には、ガラスが充分に結晶化しなくなるおそれがある。より好ましくは800℃以上、さらに好ましくは850℃以上がよい。一方、1050℃を超える場合には、上記充填材自体はほとんど影響を受けないものの、上記温度センサにおける電極線等の金属製部材に溶融等が起りその機能が損なわれてしまうおそれがある。より好ましくは1000℃以下、さらに好ましくは950℃以下がよい。
(実施例1)
次に、本発明の実施例について、図1〜図6を用いて説明する。
図1及び図2に示すごとく、本例の温度センサ1は、温度によって電気的特性が変化する感温素子2と、この感温素子2に接続された電極線21と、この電極線21と電気的に接続する一対の信号線31を先端側に露出させた状態で内蔵するシースピン3と、感温素子2を覆うように先端部に配設された先端カバー4と、感温素子2と先端カバー4との間に充填された充填材5とを有する。本例において、一対の電極線21は感温素子2を貫通して配置され、シースピン3から先端が露出する一対の信号線31は、これら一対の電極線21に電気的に接続される。
充填材5は、アルミナを主成分とする骨材と、Al529、ZnAl24、及びBaAl2Si28由来の結晶構造を有する結晶化ガラスとを含有する。充填材中の結晶化ガラスの含有量は、1.5wt%以上かつ10wt%未満である。この充填材5によって、感温素子2は先端カバー4内に固定されている。
以下、本例の温度センサについて詳細に説明する。
図1及び図2に示すごとく、本例の温度センサ1は、自動車の排気ガス温度測定用のセンサである。温度センサ1は、サーミスタからなる感温素子2を内蔵する先端カバー4が設けられた先端部側を排ガス通路内に配置して用いられる。
図1に示すごとく、温度センサ1においては、先端カバー4よりも後端側において、ガードチューブ11が、シースピン3の外周を覆うように設けられている。そしてガードチューブ11は、その後端部112においてシースピン3の後端部302と固定されている。ガードチューブ11の後端部112とシースピン3の後端部302とは、全周溶接されている。また、ガードチューブ11の先端部111は、シースピン3に固定されてはいないが、シースピン3の側面との間にほとんどクリアランスを設けずに、シースピン3の側面と干渉するように形成されている。
また、ガードチューブ11は、先端部111と後端部112とを、これらの間の部分よりも縮径したものであり、先端部111及び後端部112以外の部分においては、ガードチューブ11とシースピン3との間にクリアランスが形成されている。
また、ガードチューブ11の外周にはリブ12が配されている。そして、リブ12は、ガードチューブ11を介してシースピン3を保持している。
リブ12は、内燃機関への取付け用ボスの内壁の先端面に当接させる当接部121と、その後方に延びると共に当接部121よりも外径の小さい第1延設部122と、該第1延設部122よりも更に後方に延び、更に外径の小さい第2延設部123とからなる。これらの当接部121と第1延設部122と第2延設部123との内側に、ガードチューブ11が挿嵌されている。
また、第1延設部122の外周には、シースピン3、ガードチューブ11及び外部リード17の一部を保護する保護チューブ13の一端が溶接固定されている。
また、第2延設部123においては、リブ12がガードチューブ11に対して全周溶接されている。
また、先端カバー4は、シースピン3の先端部301の外周に対して、全周溶接されている。
ガードチューブ11、シースピン3、及び先端カバー4は、ステンレス鋼またはNi基耐熱合金からなる。更に、リブ12、保護チューブ13も、ステンレス鋼またはNi基耐熱合金からなる。
また、ガードチューブ11の厚みは、シースピン3の外管部34の厚みよりも大きくしてあり、ガードチューブ11は、シースピン3の外管部34よりも剛性が高い。
また、図1に示すごとく、シースピン3は、ステンレス鋼またはNi基耐熱合金からなる2本の信号線31と、該信号線31の周りに配置したマグネシア等の絶縁粉末からなる絶縁部33と、該絶縁部33の外周を覆うステンレス鋼又はNi基耐熱合金からなる外管部34とからなる。シースピン3は円柱形状を有し、外管部34は円筒形状を有する。また、信号線31は、絶縁部33及び外管部34から先端側及び後端側に露出している。そして、信号線31の先端は、感温素子2を貫通する電極線21に接続され(図2参照)、信号線31の後端は外部リード線17に接続されている(図1参照)。
図2に示すごとく、先端カバー4内に配置された感温素子2の周囲の空間には充填材5が充填されており、感温素子2が先端カバー4内で固定されている。
以下、本例の温度センサ1の製造方法について説明する。
本例においては、分散工程と、注入工程と、挿入工程と、加熱工程とを行なって温度センサ1を作製する。
分散工程においては、アルミナを主成分とする骨材粉末と、Al23、SiO2、B23、ZnO、及びBaOを含有する非晶質ガラス粉末とを分散媒中に分散させた充填材スラリー50を作製する。注入工程においては、図3に示すごとく、分散スラリー50を先端カバー4内に注入する。挿入工程においては、図4に示すごとく、シースピン3に信号線31及び電極線21を介して接続された感温素子2を先端カバー4内に挿入し、充填材スラリー50に浸漬させる。加熱工程においては、充填材スラリー50を加熱して固化させて充填材5を形成し、図5に示すごとく、先端カバー4内に感温素子2を固定する。
具体的には、成分組成がAl23:91.2wt%、CaCO3:3.6wt%、カオリン:1.7wt%、ホウ酸:0.5wt%である骨材粉末98重量部と、分散剤(第一工業(株)製の「セラモ」)0.85重量部とを純水19重量部に混合した。次いで、成分組成がAl23:16wt%、SiO2:34wt%、B23:22wt%、ZnO:14wt%、BaO:2wt%、Na2O:1wt%、その他:11wt%である非晶質ガラス粉末2重量部を添加し、分散スラリーを得た(分散工程)。
次に、ディスペンサーを用いて、図3に示すごとく、先端カバー4内に分散スラリー50を注入した(注入工程)。本例において、注入量は36mgとした。
次いで、図4に示すごとく、シースピン3に信号線31及び電極線21を介して接続された感温素子2を先端カバー4内に挿入し、充填スラリー50中に浸漬させた(挿入工程)。
次いで、温度80℃で充填材スラリーの水分を乾燥させた(乾燥工程)後、先端カバー4をレーザ溶接してシースピン3を外周から加締めるかしめ加工を行なった(接合工程)。次に、温度900℃で3時間加熱し、図5に示すごとく、充填材5で先端カバー4内に感温素子2を固定した(加熱工程)。このようにして、温度センサ1を作製した。
また、本例においては、上述の温度センサ1と同条件で作製した充填材の試料について、X線回折強度(2θ法、CuKα線)を測定した。測定は、回折角(2θ):16〜60°の範囲で行なった。その結果を図6に示す。同図において、横軸は、回折角:2θ(°)を示し、縦軸はX線回折強度を示す。
図6より知られるごとく、本例の温度センサ1の充填材においては、Al529、ZnAl24、及びBaAl2Si28の結晶構造に由来のピークが確認された。したがって、温度センサ1の充填材においては、Al529、ZnAl24、及びBaAl2Si28が形成されていることがわかる。
また、ミクロオーダーでのSEM観察にてアルミナ骨材粒子の各々を囲むように上記結晶構造をもつ結晶化ガラスを確認することができる。
図1及び図2に示すごとく、本例の温度センサ1においては、感温素子2と先端カバー4との間に充填される充填材5として、アルミナを主成分とする骨材と、Al529、ZnAl24、及びBaAl2Si28由来の結晶構造を有する結晶化ガラスとを含有する充填材を採用している。また、加熱工程前の非晶質ガラス粉末としては、酸化物換算でAl23成分を10〜30wt%含有するものを用いている。
そのため、充填材5においては、加熱工程中に非晶質ガラスが骨材のアルミナと結晶構造を形成することができ、強度を向上させることができる。その結果、温度センサ1においては、振動時にも感温素子2の一対の電極線21と信号線31との電気的接続が遮断されてしまうことを防止することができ、耐振性を向上させることができる。
また、充填材5中の結晶化ガラスの含有量を1.5wt%以上かつ10wt%未満としている。そのため、充填材5は、上記のごとく優れた耐振性を発揮しつつ、優れた絶縁性能を発揮することができる。そのため、例えば温度850℃という高温環境下においても、絶縁性能が低下し難い。その結果、温度センサ1は、高温環境下において正確に温度を測定することが可能になる。
さらに、結晶化ガラスの含有量を1.5wt%以上かつ10wt%未満としているため、充填材1は熱応力を緩和することができる。その結果、温度センサ1においては冷熱サイクルを繰り返し行なっても感温素子2の電極線21と信号線31間で断線が起ることを防止することができる。
図9に本例にかかる温度センサにおける充填材の構成を模式的に示す。
同図に示すごとく、充填材5は、実質的に骨材粒子51と、これを被覆する結晶化ガラスからなるガラス層52とより構成される。充填材5において、骨材粒子51同士はガラス層52を介して相互に結合されている。そして、骨材粒子51はアルミナを主成分とし、ガラス層52を構成する結晶化ガラスは、骨材粒子51の主成分であるアルミナを構成する元素であるAlを少なくとも含む。即ち、ガラス層52における結晶化ガラスにおいては、骨材粒子51の主成分であるアルミナを構成するAlを取り込んで結晶構造が形成されている。そのため、充填材5の強度を向上させることができる。その結果、温度センサ1においては、振動時にも感温素子2の一対の電極線21と信号線31との間の断線を防止することができ、耐振性を向上させることができる(図1及び図2参照)。
一方、従来においても、骨材91と結晶化ガラス92を用いた充填材9は存在していた(図10参照)。しかしながら、骨材粒子中の主成分を利用し、当該主成分中に含まれるAl等の元素を取り込んで結晶化ガラスを構成させるという技術的思想はなかったため、従来の充填材9においては、骨材粒子を覆うように形成されるガラス層は形成されていない。従来の充填材9において、結晶化ガラスを構成する成分は、全て加熱前の非晶質ガラス粉末から供給されるものである。そのため、充填材は、強度が不十分になり、耐振性が不十分になるおそれがある。
このように、本例によれば、耐振性、耐熱性、及び感温素子周囲の絶縁性能に優れた温度センサを提供することができる。
(実施例2)
本例は、結晶化ガラスの配合割合を変えた充填材について、圧壊強度及び耐熱性を評価する例である。以下、その評価方法及び評価結果について説明する。
「圧壊強度」
実施例1の分散工程と同様にして、骨材粉末と非晶質ガラス粉末と分散剤と水とを混合して充填材スラリーを作製した。
次いで、セラミック製の筒に充填材スラリーを流し込み、温度80℃で乾燥させた。次いで、温度900℃で3時間加熱し、円柱形状(φ10mm×8mm)の充填材を作製した。
本例においては、充填スラリー作製時の非晶質ガラス粉末の配合割合を変えて、結晶化ガラスの配合割合が異なる9種類の充填材の試験片を作製した。具体的には、ばらつきを配慮して、結晶化ガラスの配合割合が0wt%、1wt%、2wt%、3wt%、4wt%、6wt%、7wt%、8wt%、及び10wt%である充填材試験片をそれぞれ4つずつ作製した。
次に、各試験片について、圧壊強度を測定した。圧壊強度は、円柱形状の試験片の上面と下面を板などで挟んで押圧し、その押圧力を徐々に大きくし、試験片が割れる時点での押圧力を圧壊強度として測定した。その結果を図7に示す。図7においては、横軸は、充填材における結晶化ガラスの配合割合(wt%)を示し、縦軸は圧壊強度(MPa)を示す。圧壊強度の測定にあたっては、結晶化ガラスの配合割合が同じ試験片を4つずつ(N=4)作製して測定を行なった。
また、非晶質ガラス中のアルミナ(Al23)の配合割合と加熱工程後の圧壊強度との関係を調べた。アルミナの配合割合の調整は、上述のように非晶質ガラスの配合割合を調整することにより行なった。そして、アルミナの配合割合を変えて作製した充填材試験片を上述の方法と同様にして作製し、圧壊強度を測定した。なお、充填材スラリー中の非晶質ガラス粉末の配合割合は、加熱工程後の充填材中の結晶化ガラスの配合割合が1.5wt%になるように調整した。
圧壊強度の測定は、アルミナの配合割合が同じ試験片を10ずつ(N=10)作製してこれらの試験片について行なった。次いで、各試験片の圧壊強度データから故障確率を0.13%としたときの圧壊強度を算出してグラフにプロットした。その結果を図8に示す。図8においては、横軸はアルミナの含有量(wt%)を示し、縦軸は圧壊強度(MPa)を示す。
図7より知られるごとく、結晶化ガラスの配合割合が1.5wt%以上の充填材は、圧壊強度に優れていることがわかる。そのため、かかる充填材を採用することにより、耐振性に優れた温度センサを提供できることがわかる。
また、図8より知られるごとく、非晶質ガラス中に酸化物換算でAl23成分を10〜30wt%含有する場合には、故障確率0.13%という条件において実用上充分な圧壊強度を発揮できる。
次に、本例においては、耐熱性の評価として、冷熱サイクル試験を行なった。
「冷熱サイクル試験」
即ち、まず、上記分散工程における非晶質ガラス粉末の配合割合を変え、その他は実施例1と同様にして5種類の温度センサ(試料X1〜X5)を作製した。
各試料は、充填材中の結晶化ガラスの配合割合が異なる温度センサである。各試料における結晶化ガラスの配合割合を後述の表1に示す。
次に、各試料X1〜X5を室温(温度25℃)から温度850℃まで昇温させ、次いで温度850℃から室温まで冷却するという冷熱サイクルを1サイクルとし、この冷熱サイクルを合計12000サイクル実施した。そして、12000サイクル後に、電極線における断線の有無を顕微鏡により観察した。
本例においては、試料X1〜X5をそれぞれ4つずつ(N=4)作製して冷熱サイクル試験を行なった。
各試料X1〜X5における4つの試料のうち1つでも断線が観察された場合を「×」として評価し、断線が観察されなかった場合を「○」として評価した。その結果を表1に示す。
Figure 0005569455
表1より知られるごとく、結晶化ガラスの配合割合が10wt%未満の試料X1〜試料X4は、12000回の冷熱サイクル試験においても断線はなく、耐熱性に優れていた。
一方、結晶化ガラスが10wt%配合された試料X5は、冷熱サイクル試験後に断線が観察されていた。
また、本例においては、結晶化ガラスの配合割合と絶縁抵抗の関係を調べるために、絶縁抵抗試験を行なった。
「絶縁抵抗試験」
即ち、まず、上記分散工程における非晶質ガラス粉末の配合割合を変え、その他は実施例1と同様にして9種類の温度センサ(試料X6〜X14)を作製した。
各試料は、充填材中の結晶化ガラスの配合割合が異なる温度センサである。各試料における充填材中の結晶化ガラスの配合割合及びNa含有量(酸化物換算)を後述の表1に示す。そして、各試験片について、以下のようにして絶縁抵抗を測定した。
即ち、まず、各試料の温度センサ1のリブ12から先端側を加熱炉(図示略)内に挿入した(図1参照)。そして、加熱炉内の温度を850℃にし、温度センサ1の感温素子を温度850℃まで加熱した。次いで、電圧50Vという条件で、温度センサ1の外部リード線17と保護チューブ13の絶縁抵抗を測定した。絶縁抵抗は、各試料(試料X6〜X14)と同条件で作製した5つの試料(N=5)についてそれぞれ測定し、各試料における絶縁抵抗の最低値を表2に示す。
Figure 0005569455
表2より知られるごとく、結晶化ガラスの配合割合が10wt%未満の充填材を含有する温度センサ(試料X7〜試料X12)は少なくとも500kΩ以上の絶縁抵抗を示し、高い信頼性で絶縁性能を確保できることがわかる。また、Naの含有量を酸化物換算(Na2O)で0.04wt%以下にすることにより、絶縁性能の信頼性をより一層向上できることがわかる。
以上のように、本例によれば、結晶化ガラスの配合割合を1.5wt%以上かつ10wt%未満とすることにより、充填材の耐振性、耐熱性及び絶縁性能を向上できることがわかる。
1 温度センサ
2 感温素子
21 電極線
3 シースピン
31 信号線
4 先端カバー
5 充填材

Claims (11)

  1. 温度によって電気的特性が変化する感温素子と、
    該感温素子に接続された一対の電極線と、
    該電極線と電気的に接続する一対の信号線を先端側に露出させた状態で内蔵するシースピンと、
    上記感温素子を覆うように先端部に配設された先端カバーと、
    上記感温素子と上記先端カバーとの間に充填され上記感温素子を保持固定するための充填材とを有し、
    該充填材は、実質的に骨材粒子と、該骨材粒子を被覆する結晶化ガラスからなるガラス層とより構成され、上記充填材において、上記骨材粒子同士は上記ガラス層を介して相互に結合されており、
    上記骨材粒子は、アルミナを主成分とし、上記結晶化ガラスは、Al 5 2 9 、ZnAl 2 4 、及びBaAl 2 Si 2 8 より選ばれる少なくとも1つの結晶相を含むことを特徴とする温度センサ。
  2. 温度によって電気的特性が変化する感温素子と、
    該感温素子に接続された一対の電極線と、
    該電極線と電気的に接続する一対の信号線を先端側に露出させた状態で内蔵するシースピンと、
    上記感温素子を覆うように先端部に配設された先端カバーと、
    上記感温素子と上記先端カバーとの間に充填され上記感温素子を保持固定するための充填材とを有し、
    該充填材は、実質的に骨材粒子と、該骨材粒子を被覆する結晶化ガラスからなるガラス層とより構成され、上記充填材において、上記骨材粒子同士は上記ガラス層を介して相互に結合されており、
    上記骨材粒子は、アルミナ、ジルコニア、酸化バリウム、マグネシア、酸化ケイ素、酸化亜鉛、及び酸化ホウ素から選ばれる少なくとも1種の酸化物を主成分とし、
    上記結晶化ガラスは、上記骨材粒子の主成分である上記酸化物を構成する元素であるAl、Zr、Ba、Mg、Si、Zn、又はBを少なくとも含み、
    上記充填材を100wt%とすると、上記結晶化ガラスの含有量は、1.5wt%以上かつ10wt%未満であることを特徴とする温度センサ。
  3. 請求項に記載の温度センサにおいて、上記骨材粒子は、アルミナを主成分とし、上記結晶化ガラスは、Al529、ZnAl24、及びBaAl2Si28より選ばれる少なくとも1つの結晶相を含むことを特徴とする温度センサ。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の温度センサにおいて、上記充填材中に含まれるNaの含有量が酸化物換算で0.04wt%以下であることを特徴とする温度センサ。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の温度センサにおいて、上記電極線は、Ptを主成分とすることを特徴とする温度センサ。
  6. 温度によって電気的特性が変化する感温素子と、該感温素子に接続された一対の電極線と、該電極線と電気的に接続する一対の信号線を先端側に露出させた状態で内蔵するシースピンと、上記感温素子を覆うように先端部に配設された先端カバーと、上記感温素子と上記先端カバーとの間に充填され上記感温素子を保持固定するための充填材とを有する温度センサの製造方法において、
    上記感温素子に接続された一対の上記電極線と、上記シースピンに内蔵された一対の上記信号線とを上記先端側において電気的に接続する接続工程と、
    アルミナ主成分とする骨材粉末と、該骨材粉末の主成分であるアルミナ中に含まれる元素であるAl用いて結晶化する非晶質ガラス粉末と、溶媒と、分散材とを混合して原料スラリーを作製する分散工程と、
    上記原料スラリーを上記先端カバーに充填する注入工程と、
    上記原料スラリーが充填された上記先端カバー内に、上記シースピンと接続された上記感温素子を挿入する挿入工程と、
    該挿入工程後に、上記先端カバーと上記感温素子との間にある上記原料スラリーを乾燥する乾燥工程と、
    上記乾燥工程後の上記原料スラリーを焼成し、上記骨材粒子の主成分に含まれるAl利用して該骨材粒子の表面において上記非晶質ガラス粉末を結晶化させることにより、上記骨材粒子を被覆する結晶化ガラスからなるガラス層を形成すると共に、該ガラス層により上記骨材粒子同士を相互に結合させて、上記充填材を形成する加熱工程とを有し、
    上記非晶質ガラス粉末としては、上記加熱工程後に、Al 5 2 9 、ZnAl 2 4 、及びBaAl 2 Si 2 8 より選ばれる少なくとも1つからなる結晶化ガラスを形成するものを採用することを特徴とする温度センサの製造方法。
  7. 温度によって電気的特性が変化する感温素子と、該感温素子に接続された一対の電極線と、該電極線と電気的に接続する一対の信号線を先端側に露出させた状態で内蔵するシースピンと、上記感温素子を覆うように先端部に配設された先端カバーと、上記感温素子と上記先端カバーとの間に充填され上記感温素子を保持固定するための充填材とを有する温度センサの製造方法において、
    上記感温素子に接続された一対の上記電極線と、上記シースピンに内蔵された一対の上記信号線とを上記先端側において電気的に接続する接続工程と、
    アルミナ、ジルコニア、酸化バリウム、マグネシア、酸化ケイ素、酸化亜鉛、及び酸化ホウ素から選ばれる少なくとも1種の酸化物を主成分とする骨材粉末と、該骨材粉末の主成分である上記酸化物中に含まれる元素であるAl、Zr、Ba、Mg、Si、Zn、又はBを用いて結晶化する非晶質ガラス粉末と、溶媒と、分散材とを混合して原料スラリーを作製する分散工程と、
    上記原料スラリーを上記先端カバーに充填する注入工程と、
    上記原料スラリーが充填された上記先端カバー内に、上記シースピンと接続された上記感温素子を挿入する挿入工程と、
    該挿入工程後に、上記先端カバーと上記感温素子との間にある上記原料スラリーを乾燥する乾燥工程と、
    上記乾燥工程後の上記原料スラリーを焼成し、上記骨材粒子の主成分に含まれるAl、Zr、Ba、Mg、Si、Zn、又はBを利用して該骨材粒子の表面において上記非晶質ガラス粉末を結晶化させることにより、上記骨材粒子を被覆する結晶化ガラスからなるガラス層を形成すると共に、該ガラス層により上記骨材粒子同士を相互に結合させて、上記充填材を形成する加熱工程とをし、
    上記分散工程においては、上記骨材粉末と上記非晶質ガラス粉末との合計100質量部に対して、上記非晶質ガラス粉末を1.0〜8.0質量部混合することを特徴とする温度センサの製造方法。
  8. 請求項に記載の製造方法において、上記分散工程においては、上記骨材粉末としてアルミナを主成分とするものを採用し、上記非晶質ガラス粉末としては、上記加熱工程後に、Al529、ZnAl24、及びBaAl2Si28より選ばれる少なくとも1つからなる結晶化ガラスを形成するものを採用することを特徴とする温度センサの製造方法。
  9. 請求項8に記載の製造方法において、上記非晶質ガラス粉末としては、Al元素の含有量が酸化物(Al23)換算で10〜30wt%であるものを用いることを特徴とする温度センサの製造方法。
  10. 請求項6〜9のいずれか一項に記載の製造方法において、上記分散工程においては、上記非晶質ガラス粉末としては、Naの含有量が酸化物換算で3wt%以下であるものを用いることを特徴とする温度センサの製造方法。
  11. 請求項6〜10のいずれか一項に記載の製造方法において、上記加熱工程においては、温度750〜1050℃で加熱を行うことを特徴とする温度センサの製造方法。
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