JP3084167B2 - 抵抗体素子及び熱式流量計 - Google Patents

抵抗体素子及び熱式流量計

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JP3084167B2
JP3084167B2 JP05061847A JP6184793A JP3084167B2 JP 3084167 B2 JP3084167 B2 JP 3084167B2 JP 05061847 A JP05061847 A JP 05061847A JP 6184793 A JP6184793 A JP 6184793A JP 3084167 B2 JP3084167 B2 JP 3084167B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、抵抗体素子及びこれを
用いた熱式流量計に関する。かかる熱式流量計は、内燃
機関等の吸入空気量の測定に好適に用いることができ
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、熱式流量計に用いられる抵抗
体素子は、金属抵抗に白金等の金属薄膜を用い、セラミ
ックス等の筒状体の外側面に薄膜を形成する薄膜型と、
金属抵抗に白金等の金属細線を用い、筒状体の外側面に
巻き回す巻線型とが知られている。いずれの型であって
もガラス等の保護膜で金属抵抗又は金属細線を含む筒状
体を覆っている。筒状体としては、外径0.5mm、内
径0.3mm、長さ2〜3mm程度のアルミナパイプ等
のセラミックスが用いられている。また、薄膜を被覆す
る基体が筒状ではなく、板状となっているものも知られ
ている。何れの型の抵抗体素子も、流体の流量又は流速
を検出する検出素子、即ち、発熱抵抗体又は温度補償用
抵抗体として好適に用いられている。このような場合、
抵抗体素子は、流体中に設けられたステンレススチール
等の導電性支持体にリードをスポット電気溶接等するこ
とによって固着し、測定される流体が通過せしめられる
ガス流路中に配置する。そして、この導電性支持体は、
樹脂等に固着され、外部の制御回路に接続されるように
なっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】抵抗体素子の金属薄膜
18等の金属抵抗の表面はガラス等からなる保護層19
が被覆していて、通常は、この保護層19がリード14
を基体に接着して固定する接着部16の表面をも被覆す
る。しかし、ガラス等からなる保護層19を、金属薄膜
18及び接着部16を被覆するように形成するとき、図
5に示すように、しばしば、保護層19が接着部16の
表面を被覆するのみならず、保護層がリード14に裾を
引いて、接着部16に挿入されているリード14部分の
外側のリード表面まで薄く長く被覆することがあった。
このような形態では、リードが外力で曲げられたとき、
このリード表面に薄く被覆している保護層部分19aに
ひびが入りやすい、及び、リード上へあまりにも長くガ
ラスがすそをひくと支持体へのリードの溶接がしにくい
等の問題が生じることがある。抵抗体素子を熱式流量計
として用いるとき、200〜300℃の高温から−50
℃の低温で長期間、信頼性があることが求められる。従
って、本発明は前記のような問題が生じ難く、より信頼
性の高い抵抗体素子を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明によれば、
電気絶縁性の基体と、基体上に形成される金属抵抗と、
金属抵抗の表面を被覆する保護層と、金属抵抗と電気的
に接続するリードと、リードを基体に対して固定する接
着部と、を有する抵抗体素子において、接着部が、ガラ
ス軟化点の異なる2種以上のガラスを含有することを特
徴とする抵抗体素子が提供される。本発明において、ガ
ラス層が接着部の表面を被覆していることが好ましい。
また、本発明において、少なくとも上記接着部を焼成す
ることで、接着部に含有する最も軟化点の低いガラスに
起因して、上記ガラス層を形成せしめることが好まし
い。更に本発明において、上記接着部に含有する最も軟
化点の低いガラスと上記接着部に含有する軟化点が二番
目に低いガラスとの軟化点の差が、20〜200℃であ
ることが好ましい。更にまた本発明において、上記ガラ
ス層の厚さが、0.5〜10μmであることが好まし
い。更に本発明において、上記保護層が実質的に第2ガ
ラスからなり、第2ガラスの軟化点が、接着部に含有す
る最も軟化点の低いガラスの軟化点より20℃高い温度
より低いことが好ましい。更にまた、上記基体の形状が
円筒形であり、上記リードが基体の両側に挿嵌されてい
ることが好ましい。また本発明によれば、上記いずれか
に記載する抵抗体素子に係る金属抵抗が流体の流量を検
出し、金属抵抗の温度に依存する抵抗変化に基づいて流
体の流量を測定することを特徴とする熱式流量計が提供
される。
【0005】
【作用】本発明の抵抗体素子では、リード14を基体1
2に固定する接着部16が、ガラス軟化点の異なる2種
以上のガラスを含有する。接着部16が、ガラス軟化点
の異なる2種のガラスを含有することが好ましい。この
2種以上のガラスは軟化点が異なっていれば、ガラスの
種類に制限はなく、同じ種類のガラスを用いても良けれ
ば、異なる種類のガラスを用いてもよい。ガラスは、そ
れを構成する成分の組成比、微量成分の添加等により、
限りない組成があり得るが、ガラスを構成する代表的成
分によって分類するガラスの種類及びその代表的な軟化
点を表1に例示する。これらのガラスには、様々な微量
成分を添加することができ、また、その微量成分のた
め、軟化点がこの表の範囲外となることも有り得る。な
お、このいずれのガラスも保護層19を構成するガラス
に用いることもできる。
【0006】
【表1】
【0007】また、特願平4−30899号に記載され
るアルカリ成分の含有量が小さいガラスを第1ガラス、
第2ガラス又は及び第3ガラスに用いることは、好まし
い。例えば、ZnOを30〜70mol%、B23
10〜30mol%、Na2O及びK2O を3mol%
以下、好ましくは2mol%以下、含有し、更に、Ca
O、Al23 、SiO2、MgO、BaO等の成分を少
なくとも1種以上含有するガラスを用いることができ
る。この接着部16が、リード14と金属薄膜18とを
電気的に接続するため、金属粉末を含有して、接着部1
6が導電性であることが好ましい。しかし、巻線型抵抗
体素子であって、金属細線が物理的にリード14と接触
して、金属抵抗である細線がリードと電気的に接続して
いるときは、必ずしも接着部16は導電性であるとは限
らない。本発明において、ガラス層17が接着部16の
表面を被覆していることが好ましい。従って、従来の抵
抗体素子と異なり、接着部16の外側のリード14表面
をガラスが被覆することがない。従って、リードに曲げ
応力がかかったとき、ガラス層17はひびがはいり難
く、抵抗体素子の信頼性が向上する。また、ガラス層1
7により、保護層19を従来の抵抗体素子の如く、接着
部上にまで設ける必要がなくなった。ガラス層17は、
気密であることが好ましく、接着部16を水分、塩分、
薬品等の滲み込みから保護する。ガラス層17が被覆せ
ず、接着部16が直接、抵抗体素子10の表面になる
と、湿気等が接着部16の内部に侵入して接着部16の
接着強度を低下させたり、また、接着部16の抵抗値を
変化させたりするので、好ましくない。なお、ガラス層
17と、接着部16との間に必ずしも明確な境界がある
ことが必要でない。
【0008】また、本発明において、少なくとも接着部
16を焼成することで、接着部16に含有する最も軟化
点の低いガラスに起因して、ガラス層17を形成せしめ
ることが好ましい。この焼成により、接着部16に含有
する最も軟化点の低いガラスが流動性を増加し、接着部
16表面にしみ出し、接着部表面にほぼ均一な厚さにガ
ラス層を形成することができるからである。このガラス
層17の組成は、接着部16に含有する最も軟化点の低
いガラスの組成と近似することが多いが、必ずしも同
じ、又は近似する必要はない。接着部16に含有する他
のガラス組成の成分が、ガラス層17に含有してもよい
からである。この焼成温度は、接着部16に含有する最
も軟化点の低いガラスに起因して、ガラス層17を形成
することができる温度に設定する。具体的には、接着部
16に含有する最も軟化点の低いガラスの軟化点の50
℃以上であることが好ましく、100℃以上であること
が更に好ましい。この温度以下では、接着部16に含有
する最も軟化点の低いガラスが、接着部16表面にしみ
出すまでに時間がかかり過ぎるからである。
【0009】本発明において、接着部16に含有する最
も軟化点の低いガラスと接着部16に含有する軟化点が
二番目に低いガラスとの軟化点の差が、20〜200℃
であることが好ましく、この差が、50〜150℃であ
ることが更に好ましい。このようにガラス軟化点が異な
るガラスの組み合わせで、接着部16に含有する最も軟
化点の低いガラスに起因して、ガラス層17を接着部1
6表面に被覆させ易いからである。本発明において、ガ
ラス層17の厚さが、0.5〜10μmであることが好
ましく、1〜7μmであることが更に好ましい。ガラス
層17の厚さが10μmより大きくなると、リードに曲
げ応力がかかったとき、ガラス層17がひび割れしやす
くなるからである。また、ガラス層17の厚さが、0.
5μmより小さいと、ガラス層17が接着部16を充分
に保護することが難しいからである。ガラス層17の厚
さは、ほぼ均一であることが好ましい。これにより、ガ
ラス層に起因して、リード表面にガラスが被覆し難くな
るからである。本発明において、保護層19が実質的に
ガラスからなり、この保護層19のガラスの軟化点が、
接着部16に含有する最も軟化点の低いガラスの軟化点
より20℃高い温度より低いことが好ましい。これによ
り、保護層19を形成するときの焼成温度が、ガラス層
17を形成するときの焼成温度より低くすることがで
き、保護層19の形成工程がガラス層17に悪影響を及
ぼさないにようすることができるからである。従って、
保護層19を構成するガラスの軟化点が、接着部16に
含有する最も軟化点の低いガラスの軟化点に近似するこ
とは好ましく、保護層19を構成するガラスと接着部1
6に含有する最も軟化点の低いガラスとが同じものであ
ってもよい。
【0010】図1又は図2に示すように、基体12の形
状が円筒形であり、リード14が基体12の両側に挿嵌
されていることが好ましい。また、図1又は図2に示す
ように、薄膜型の抵抗体素子であることが更に好まし
い。このように円筒形で薄膜型の抵抗体素子のとき、図
1に示すように、接着部16は基体12の筒の内側の側
面部と筒の底部とに、金属薄膜18を介して設けられて
いるが、筒の外側の側面部にまでは設けられていない。
接着部16の表面を被覆するガラス層17も同様であ
る。しかし、図2では、接着部16は基体12の筒の内
側の側面部と筒の底部とに金属薄膜18を介して設けら
れているのみならず、筒の外側の側面部にまで、金属薄
膜18を介して設けられている。接着部16の表面を被
覆するガラス層17も同様である。抵抗体素子10は、
いずれの構成をも取ることができる。
【0011】以下、本発明の抵抗体素子の製造方法を説
明する。図1又は図2で、基体12の材料としては、ア
ルミナ、石英等の電気絶縁性セラミックスが好適に用い
られる。また、基体12は、円筒形状であることが好ま
しい。この場合、外径が0.3〜1mm程度であり、長
さは、1〜5mmであることが好ましく、長さが、2〜
3mmが更に好ましい。しかし、基体が平板形状である
ことを妨げない。薄膜型抵抗体素子の製造方法は、セラ
ミックス等の基体12に、スパッタリング、物理蒸着法
(PVD)、化学蒸着法(CVD)、メッキ等の公知方
法により金属薄膜18を形成する。図1又は図2にある
ように、金属薄膜18は必ずしも基体12の表面に付着
する必要はなく、基体12と金属薄膜18との間にガラ
ス等からなる中間層を介在させることもできる。
【0012】次いで、この金属薄膜18をレーザートリ
ミング等により、スパイラル状や蛇行形状等の適当な形
状に作成し、特定の抵抗値を有する薄膜抵抗18とす
る。熱式流量計用に用いる抵抗体素子では、金属薄膜材
料として、白金、イリジウム、ロジウム、パラジウム、
金、銀等の貴金属であって高純度のもの、又はこれらの
合金を用いることができる。また、ニッケル、コバル
ト、又はこれらと前記の貴金属等との合金を用いること
ができる。金属薄膜材料として、特に白金が好ましい。
薄膜の厚さは0.2〜5μmが好ましい。薄膜の厚さと
例えばスパイラルピッチを調整することによって、薄膜
抵抗の抵抗値を数オームから1000オーム程度にまで
調節することができる。基体12にリード14を固定す
る工程は、最終の保護層被覆工程前に行えばよく、薄膜
形成工程の前、薄膜形成工程とトリミング工程との間、
トリミング工程と保護層被覆工程の間の任意のときに行
えばよい。リード14は、直径0.1〜0.3mm程度
の金属線であり、具体的には、白金線、白金イリジウム
等の白金を含有する合金線、ステンレススチール若しく
はFeNi合金線に白金被膜又は白金合金被膜を施した
線などが用いられる。
【0013】白金とガラスとの混合ペースト等の導電性
の接着剤を用いて、基体12の両端に挿入したリード1
4を接着し、固定する。こうして、導電性接着剤は、リ
ード14と白金薄膜18とを電気的に接続する接着部1
6を形成する。接着剤は、金属粉とガラス粉とを配合し
て調整する。ガラスとしては、表1に挙げたものを含
め、ホウケイ酸ガラス、アルカリガラス、亜鉛系ガラ
ス、マグネシア系ガラス、鉛ガラス、燐酸ガラス等を用
いることができる。これらのガラスは、主成分を表示し
たものであり、これらのガラスに様々な微量元素を含有
していることを妨げない。上記したように、ガラス軟化
点の異なる2種以上のガラスを用いる。金属粉として
は、白金、イリジウム、ロジウム、パラジウム、金、銀
等の貴金属の単体粉末、又はこれらの貴金属とニッケ
ル、コバルト等との合金粉末を用いることができる。一
般に、白金、イリジウム、ロジウム、パラジウム、金、
銀等の貴金属の単体の粉末、若しくはこれらの貴金属ど
うしの合金の粉末、又はこれらの貴金属ととニッケル、
コバルト等との合金の粉末を用いることができる。一般
に、白金又は白金を主成分とする合金を好適に用いるこ
とができる。
【0014】金属粉とガラス粉は、ブチルカルビトー
ル、テルピネオール等の適当な有機溶剤及びエチルセル
ロース等のバインダーと混合して、接着ペーストとして
用いることが好ましい。このペーストの粘性はバインダ
ー又は有機溶剤等により、調整することができる。接着
ペーストを焼成し、リード14と基体12とを固定す
る。この焼成温度は、接着ペーストに含有する最もガラ
ス軟化点が高いガラスの軟化点より、20〜150℃高
いことが好ましい。
【0015】最後に、基体12の回りに形成された金属
薄膜18及び接着部16を覆うようにガラス等からなる
保護層19を形成する。例えば、接着ペーストに用いる
ことができるガラス粉末を用いて、スラリー又はペース
トとし、このスラリー又はペーストを浸漬、ブレード塗
布、スプレー塗布等によって、基体12の表面に付着さ
せる。この表面に付着しているスラリーを乾燥させた
後、焼成して、保護層19を形成する。この焼成温度
は、接着ペーストの焼成温度と同じ又は接着ペーストの
焼成温度より低いことが好ましく、接着ペーストの焼成
温度より50℃以上低いことが更に好ましく、100℃
以上低いことが更になお好ましい。保護層19の厚さ
は、3〜50μmが好ましく、5〜30μmが更に好ま
しい。この範囲で、白金薄膜18又は白金細線18’を
保護することができるからである。巻線型抵抗体素子の
製造方法は、基本的に、薄膜型抵抗体素子の製造方法と
同様である。ただし、金属薄膜を形成する代わりに、白
金線等の導電性の高い線18’を基体12の回りに巻き
回すことが異なる。例えば、直径が0.5mmで長さが
2mmの円筒形アルミナボビンに直径20μmの白金線
を35μmのピッチで巻き付けると、約20オームの抵
抗となる。
【0016】図3は、熱式流量計における抵抗体素子の
配置構成の一例を示す概略説明図である。熱式流量計
は、通常は、抵抗体素子10、2つを一組とし、一方を
流体温度補償用素子31とし、他方を発熱素子32と
し、被測定流体を通過させる流体流路24内に配設され
ている。抵抗体素子10は、その両端のリード14を介
して、スポット溶接等によりステンレス製等の導電性支
持棒22に固定され、導電性支持棒22は、合成樹脂2
3で流体流路を構成する流路壁25に固定される。
【0017】熱式流量計の駆動回路の回路図を図7に示
す。また、温度補償用素子31と発熱素子32とは、他
の抵抗33、34と共にブリッジを構成する。温度補償
用素子31は、被測定流体と同一温度になるようにし、
一方、発熱素子32の温度は、温度補償用素子31よ
り、約100〜200℃程度の所定の温度だけ高くなる
ように、差動アンプ36にてフィードバック制御される
ようになっている。このとき、温度補償用素子31に
は、発熱が無視できる程度の微小電流が流れるように
し、発熱素子32の発熱量を被測定流体の温度で補償す
るために用いている。そして、このような通電制御のも
とでは、空気流量が変化すると発熱素子32及びそれに
直列に接続する抵抗33の電流量が変化する。そこで、
発熱素子32に流れる電流量、又は、図示するように抵
抗33に流れる電流量、即ち、出力端子38、38間に
出力される電流量によって、発熱素子32を加熱するの
に要する電力が分かり、ひいては、流体通路24内を通
過させられる流体量及び流体速度が算出されて、計測さ
れ得るのである。なお、流体通路24を、流体の主通路
から分流して設けることは好ましい。
【0018】
【実施例】以下、本発明を実施例により詳細に説明す
る。ただし、本発明は下記実施例により制限されるもの
ではない。 (実施例1)外径0.5mm、内径0.3mm、長さ
2.5mmのアルミナパイプを基体12として用い、そ
の外側面に厚さ0.4μmの白金薄膜を公知のスッパタ
リング法により形成した。次いで、この白金薄膜をレー
ザーにより、スパイラル状にトリミングし、抵抗値が2
0オームとなるように、白金薄膜18を形成した。
【0019】一方、白金系接着剤を調整した。平均白金
粒子径が約0.3μmであり、平均白金団粒径が約5μ
mの白金粉体を用いた。また、Na2O・BaO・Si
2系のガラス軟化点が約700℃のガラスを粉体で用
い、このガラス粉体の平均粒子径が約1.5μmであ
り、平均団粒径が約8μmであった。更に、Na2O ・
BaO・SiO2 系のガラス軟化点が約610℃のガラ
スを粉体で用い、このガラス粉体の平均粒子径が約1.
5μmであり、平均団粒径が約8μmであった。これら
の白金粉体50容量%、ガラス軟化点が700℃のガラ
ス粉体を30容量%及びガラス軟化点が610℃のガラ
ス粉体を20容量%を混合し、この混合物に対して5重
量%のエチルセルロースを粘性を調節するために加え、
また、ブチルカルビトールを溶媒として添加し、これら
を作業しやすい粘性のペーストに調整した。このペース
トを、上記した円筒型の基体12の接着部16に塗布し
た後、外径が0.2mmの白金イリジウム合金線を基体
12の両端に挿入した。上記ペーストを乾燥させた後、
この前駆体を予め750℃になっている電気炉を通し、
ペーストを焼成し、接着部16を形成した。この接着部
16では、この表面に融点の低い方のガラスがしみ出
し、図1に示すように、気密性の高いガラス層17を形
成した。
【0020】また、ペーストを作成するときに用いたN
2O・BaO・SiO2系のガラス軟化点が約610℃
のガラス粉体に、これに対して3重量%のエチルセルロ
ースを粘性を調節するために加え、また、ブチルカルビ
トールを溶媒として添加し、これらを作業しやすい粘性
のペーストに調整した。このペーストを金属薄膜18が
被覆されている基体12の外側面に所定の厚さに塗布
し、予め650℃になっている電気炉中で5分焼成して
保護層19を形成し、抵抗体素子10を得た。この抵抗
体素子10では、ガラス層17が図1に示すように形成
され、ガラス層17がリード14に裾をひくように形成
されなかった。また、支持体へのリードの溶接も問題が
なかった。更に、抵抗体素子10を熱式流量計の発熱抵
抗体として、200〜300℃の温度で1000時間、
使用した後でも、ガラス層17は、保護層19が金属薄
膜18を保護していたのと同様に、接着部16を保護し
ていた。
【0021】(実施例2〜7)実施例2〜7では、表2
に示すように、接着ペーストに含有するガラス粉体の組
み合わせを実施例1と異なるように変化させた。即ち、
実施例1で用いた白金粉体50容量%、表2の接着部の
左側にあるガラス粉体を30容量%及び表2の接着部の
右側にあるガラス粉体を20容量%を混合し、次いで、
実施例1と同様に、この混合物に対して5重量%のエチ
ルセルロースを粘性を調節するために加え、また、ブチ
ルカルビトールを溶媒として添加し、これらを作業しや
すい粘性のペーストに調整した。このペーストを用い
て、実施例1と同様に接着部16を形成したが、このと
き、焼成温度(℃)のみを表2にあるように実施例1の
焼成温度と異なるようにした。
【0022】
【表2】
【0023】また、保護層を形成するには、表2にある
ガラス粉体を用いて、実施例1と同様に、これに対して
3重量%のエチルセルロースを粘性を調節するために加
え、また、ブチルカルビトールを溶媒として添加し、こ
れらを作業しやすい粘性のペーストに調整した。実施例
1と同様にこのペーストを塗布した後、表2にある保護
層の焼成温度(℃)で焼成し、保護層を形成した。こう
して得られた抵抗体素子10では、ガラス層17が図1
に示すように形成され、ガラス層17がリード14に裾
をひくように形成されなかった。また、支持体へのリー
ドの溶接も問題がなかった。更に、抵抗体素子10を熱
式流量計の発熱抵抗体として、200〜300℃の温度
で1000時間、使用した後でも、ガラス層17は、保
護層19が金属薄膜18を保護していたのと同様に、接
着部16を保護していた。
【0024】(比較例1)接着部ペーストのみを実施例
1と異なるようにし、接着部の焼成温度を含めたその他
の条件を同様にして、抵抗体素子を作成した。接着部ペ
ーストとして、実施例1の接着部ペーストに用いた白金
粉体50容量%と、実施例1の接着部ペーストに用いた
Na2O・BaO・SiO2系のガラス軟化点が約700
℃のガラス粉体50容量%を混合し、この混合物に対し
て5重量%のエチルセルロースを粘性を調節するために
加え、また、ブチルカルビトールを溶媒として添加し、
これらを作業しやすい粘性のペーストに調整した。こう
して得られた抵抗体素子10では、接着部16表面にガ
ラス層17が形成されなかった。
【0025】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る抵抗
体素子では、リード表面をガラスがすそをひくように長
く被覆しないため、リードの曲げに対して信頼性が向上
する。また、接着部もガラス層によって保護される。ま
た、このような抵抗体素子を熱式流量計に用いることに
より、熱式流量計の信頼性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用される薄膜型抵抗体素子の一具体
例を示す縦断面図である。
【図2】本発明が適用される薄膜型抵抗体素子の一具体
例を示す縦断面図である。
【図3】熱式流量計における抵抗体素子の配置構成の一
具体例を示す概略説明図である。
【図4】本発明が適用される熱式流量計の駆動回路の回
路図である。
【図5】従来の薄膜型抵抗体素子の一具体例を示す縦断
面図である。
【符号の説明】
10 抵抗体素子 12 基体 14 リード 16 接着部 17 ガラス層 18 金属薄膜 19 保護層 22 導電性支持棒 23 合成樹脂 24 流体流路 25 流路壁 30 駆動回路 31 温度補償用素子 32 発熱素子 33 抵抗 34 抵抗 36 差動アンプ 38 出力端子

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電気絶縁性の基体と、当該基体上に形成
    される金属抵抗と、当該金属抵抗の表面を被覆する保護
    層と、当該金属抵抗と電気的に接続するリードと、当該
    リードを当該基体に対して固定する接着部と、を有する
    抵抗体素子において、 接着部が、ガラス軟化点の異なる2種以上のガラスを含
    有することを特徴とする抵抗体素子。
  2. 【請求項2】 ガラス層が上記接着部の表面を被覆して
    いることを特徴とする請求項1に記載の抵抗体素子。
  3. 【請求項3】 少なくとも上記接着部を焼成すること
    で、当該接着部に含有する最も軟化点の低いガラスに起
    因して、上記ガラス層を形成せしめることを特徴とする
    請求項2に記載の抵抗体素子。
  4. 【請求項4】 上記接着部に含有する最も軟化点の低い
    ガラスと上記接着部に含有する軟化点が二番目に低いガ
    ラスとの軟化点の差が、20〜200℃であることを特
    徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の抵抗体素子。
  5. 【請求項5】 上記ガラス層の厚さが、0.5〜10μ
    mであることを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記
    載の抵抗体素子。
  6. 【請求項6】 上記保護層が実質的に第2ガラスからな
    り、当該第2ガラスの軟化点が、上記接着部に含有する
    最も軟化点の低いガラスの軟化点より20℃高い温度よ
    り低いことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載
    の抵抗体素子。
  7. 【請求項7】 上記基体の形状が円筒形であり、上記リ
    ードが当該基体の両側に挿嵌されていることを特徴とす
    る請求項1〜6のいずれかに記載の抵抗体素子。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれかに記載する抵抗
    体素子に係る金属抵抗が流体の流量を検出し、当該金属
    抵抗の温度に依存する抵抗変化に基づいて流体の流量を
    測定することを特徴とする熱式流量計。
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