JP2011038926A - 温度センサ - Google Patents
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Abstract
【課題】高熱衝撃、高熱振動の環境下で使用された場合でも、導電線と電極線との接合部分に剥離が生じにくい温度センサを提供すること。
【解決手段】シース芯線3、4と電極線25〜31との接合部分においては、第1のサーミスタ素子54の電極線25と第2のサーミスタ素子56の電極線29は、一方のシース芯線3の軸線方向に沿って配置されるとともに、シース芯線3を挟むようにシース芯線3の径方向の両側に対向して配置されている。また、同様に、第1のサーミスタ素子54の電極線27と第2のサーミスタ素子56の電極線31は、他方のシース芯線4の軸線方向に沿って配置されるとともに、シース芯線4を挟むようにシース芯線4の径方向の両側に対向して配置されている。
【選択図】図2
【解決手段】シース芯線3、4と電極線25〜31との接合部分においては、第1のサーミスタ素子54の電極線25と第2のサーミスタ素子56の電極線29は、一方のシース芯線3の軸線方向に沿って配置されるとともに、シース芯線3を挟むようにシース芯線3の径方向の両側に対向して配置されている。また、同様に、第1のサーミスタ素子54の電極線27と第2のサーミスタ素子56の電極線31は、他方のシース芯線4の軸線方向に沿って配置されるとともに、シース芯線4を挟むようにシース芯線4の径方向の両側に対向して配置されている。
【選択図】図2
Description
本発明は、例えば、自動車用の排気系、吸気系などに好適に使用できる温度センサに関する。
従来より、例えば自動車の排気ガスの浄化を効果的に行うために、排気ガスの温度を測定する温度センサが使用されている。
この温度センサとしては、厳しくなる環境規制に対応するために、より広範囲にわたって高精度な温度測定が可能なセンサが求められている。また、温度センサが置かれる環境に関しても、より高熱衝撃(即ち高い温度でのヒートショック)、高熱振動(即ち高い温度での振動)のある環境下で使用される状況となっている。
この温度センサとしては、厳しくなる環境規制に対応するために、より広範囲にわたって高精度な温度測定が可能なセンサが求められている。また、温度センサが置かれる環境に関しても、より高熱衝撃(即ち高い温度でのヒートショック)、高熱振動(即ち高い温度での振動)のある環境下で使用される状況となっている。
ここで、広い温度領域に亘って使用できる温度センサとしては、その感温体として、サーミスタや白金抵抗体を用いた温度センサが知られている。
このうち、サーミスタは、温度によって抵抗値が変化する特性(例えば温度が上昇すると抵抗値が低下する特性)を有しており、通常は、サーミスタ焼結体に一対の電極線を接続したサーミスタ素子として使用されている。
このうち、サーミスタは、温度によって抵抗値が変化する特性(例えば温度が上昇すると抵抗値が低下する特性)を有しており、通常は、サーミスタ焼結体に一対の電極線を接続したサーミスタ素子として使用されている。
このサーミスタ素子を用いた温度センサとしては、図7に示す様に、センサ先端のチューブ(P1)内にサーミスタ素子(P2)を配置するとともに、サーミスタ焼結体(P3)から伸びる一対の電極線(P4)を、サーミスタ素子(P2)から信号を取り出すための導電線である一対のシース芯線(P5)にそれぞれ接合し、周囲をセメント(P6)等で固定したものが知られている(特許文献1、2参照)。
上述した温度センサを、高熱衝撃、高熱振動の環境下に置いた場合には、サーミスタ素子の電極線とシース芯線との接続部分に最も負荷がかかるので、従来より、電極線とシース芯線とを抵抗溶接やレーザ溶接により接合しているが、それでも十分ではなく、溶接部分が剥離するという問題があった。
つまり、1本のシース芯線と1本の電極線を溶接する場合には、シース芯線の径方向の一方の側(図7では上方)に電極線を溶接することになるので、例えば温度が上昇してシース芯線及び電極線の両方が伸びると、シース芯線の片側(即ち溶接部分)のみに大きな力が加わって、溶接部分に剥離が生じやすいという問題があった。
本発明は、このような問題に鑑みなされたものであり、高熱衝撃、高熱振動の環境下で使用された場合でも、感温素子の電極線と導電線との接合部分に剥離が生じにくい温度センサを提供することを目的とする。
(1)かかる目的を達成するために成された本発明は、温度によって電気的特性が変化する感温体に一対の電極線を設けた2個の感温素子と、前記感温素子の信号を取り出す一対の導電線と、を備えた温度センサにおいて、前記両感温素子を電気的に並列に接続するように、前記一対の導電線と前記各感温素子の各一対の電極線とをそれぞれ接合した構成を有するとともに、前記各導電線と前記各電極線との接合部分においては、前記両感温素子の各電極線を前記各導電線の軸線方向に沿って配置し、且つ、前記各導電線を挟むように前記両感温素子の各電極線を前記各導電線の径方向の両側に配置したことを特徴とする。
本発明では、一方の導電線に対して両感温素子の一方の電極線(従って合計2本の電極線)が接合されるとともに、他方の導電線に対して両感温素子の他方の電極(従って別の合計2本の電極線)が接合されることにより、両感温素子が電気的に並列に接続されており、特に、電極線と導電線との接合部分においては、両感温素子の電極線は導電線の軸線方向に沿って配置されるとともに、導電線を挟むように両感温素子の電極線が導電線の径方向の両側に対向して配置されている。
つまり、本発明では、電極線は導電線を中心としてほぼ対称となるように向かい合わせに配置されている。よって、温度変化によって、電極線と導電線とが伸縮した場合でも、導電線に対して(一対の電極線が接合された)両側からほぼ均等に応力が加わることになるので、従来の様に、導電線の片側のみに電極線が接合された(片持ちの接合構造の)場合に比べて、接合部分における剥離が生じ難い。
従って、本発明では、温度センサが、温度変化が激しい(特に温度変化の幅が大きな)環境下や、車両の搭載時のように振動が激しい環境下に置かれた場合でも、電極線と導電線の接合部分に剥離が生じにくく、耐久性が高いという効果がある。
(2)上述した温度センサにおいては、請求項2の発明のように、両感温素子として、温度に対する電気的特性が異なる感温素子を用いてもよい。
例えば両感温素子としてサーミスタ素子を用いた場合には、異なるB定数のサーミスタ素子を用い、それらを並列に接続してもよい。
例えば両感温素子としてサーミスタ素子を用いた場合には、異なるB定数のサーミスタ素子を用い、それらを並列に接続してもよい。
(3)上述した温度センサにおいては、請求項3の発明のように、感温体を絶縁層を介して一体に積層してもよい。
例えば両感温素子としてサーミスタ素子を用いた場合には、一対のサーミスタ素子の各サーミスタ焼結体を、電気的に絶縁された状態で一体化してもよい。
例えば両感温素子としてサーミスタ素子を用いた場合には、一対のサーミスタ素子の各サーミスタ焼結体を、電気的に絶縁された状態で一体化してもよい。
つまり、複数のサーミスタ焼結体を、絶縁層を介して一体化することにより、温度センサの製造時などにおいて、サーミスタ素子等の扱いが容易で破損し難いという利点がある。
なお、各サーミスタ焼結体を絶縁する方法としては、例えばサーミスタ焼結体間に、サーミスタ焼結体と反応(界面反応を含む)を起こさず、且つ、絶縁性の高い材料(例えばAl2O3、ムライト、SrAl2O4など)からなる絶縁層を挟む方法が挙げられる。
(4)上述した温度センサにおいては、請求項4の発明のように、感温体を別体に設け、各感温体の表面を絶縁層でコーティングしてもよい。
例えば両感温素子としてサーミスタ素子を用いた場合には、一対のサーミスタ素子の各サーミスタ焼結体の表面を、電気的な絶縁層によってコーティングしてもよい。
例えば両感温素子としてサーミスタ素子を用いた場合には、一対のサーミスタ素子の各サーミスタ焼結体の表面を、電気的な絶縁層によってコーティングしてもよい。
これにより、サーミスタ素子を容易に製造することができる。
なお、各サーミスタ焼結体を絶縁する方法としては、サーミスタ焼結体と反応(界面反応を含む)を起こさず、且つ、絶縁性の高い、例えばセラミック製セメント、ガラス等の無機絶縁物で、サーミスタ焼結体の表面をコートする方法などを採用できる。
なお、各サーミスタ焼結体を絶縁する方法としては、サーミスタ焼結体と反応(界面反応を含む)を起こさず、且つ、絶縁性の高い、例えばセラミック製セメント、ガラス等の無機絶縁物で、サーミスタ焼結体の表面をコートする方法などを採用できる。
(5)上述した温度センサにおいては、請求項5の発明のように、感温体として、負の温度係数を有するNTC(Negative Temperature Coefficient)サーミスタを用いてもよい。
本発明は、感温体を例示したものである。ここで、負の温度係数を有するNTCサーミスタとは、負の抵抗温度特性(温度が上昇すると抵抗値が低下する特性)を有するサーミスタのことである。
次に、本発明を実施するための好適な形態について説明する。
[第1実施形態]
a)まず、本実施形態の温度センサの概要について説明する。
[第1実施形態]
a)まず、本実施形態の温度センサの概要について説明する。
図1に示す様に、温度センサ1は、一対の導電線(シース芯線)3、4を筒状部材5の内側にて絶縁保持したシース部材7と、先端側が閉塞した軸線方向に延びる筒状の金属チューブ9と、金属チューブ9を支持する取付部材11と、六角ナット部13及びネジ部15を有するナット部材17と、取付部材11の後端側に接合される外筒19とを備えている。
なお、軸線方向とは、温度センサ1の長手方向であり、図1においては上下方向に相当する。また、温度センサ1における先端側は図における下側であり、温度センサ1における後端側は図における上側である。
この温度センサ1は、金属チューブ9の先端側の内部に、感温素子としてサーミスタ素子21を収納したセンサであり、例えば内燃機関の排気管などの流通管に装着され、温度センサ1の先端側が、被測定ガス(排気ガス)が流れる流通管内に配置されることにより、被測定ガスの温度を検出する。
以下、各構成について説明する。
前記サーミスタ素子21は、後に詳述する様に、その先端側のサーミスタ本体部23と、サーミスタ本体部23から伸びる例えばPt/Rh合金からなる4本の電極線25、27、29、31(図2参照)とを備えている。
前記サーミスタ素子21は、後に詳述する様に、その先端側のサーミスタ本体部23と、サーミスタ本体部23から伸びる例えばPt/Rh合金からなる4本の電極線25、27、29、31(図2参照)とを備えている。
前記シース部材7は、例えばSUS310Sからなる筒状部材5と、例えばSUS310Sからなるシース芯線3、4と、筒状部材5と2本のシース芯線3、4との間を電気的に絶縁してシース芯線3、4を保持するシリカ等の絶縁粉末32(図3参照)とから構成される。
前記シース芯線3、4は、後端部が加締め端子33、35と接続されている。これにより、シース芯線3、4は、外部回路(例えば、車両の電子制御装置(ECU)等)接続用のリード線37、39と接続されている。なお、一対のシース芯線3、4及び一対の加締め端子33、35は、絶縁チューブ41により互いに絶縁され、リード線37、39は、耐熱ゴム製の補助リング43の内部を貫通する状態で配置される。
前記取付部材11は、径方向外側に突出する突出部47と、突出部47の後端側に位置すると共に軸線方向に延びる後端側鞘部49とを有している。この取付部材11は、金属チューブ9の後端側の外周面を取り囲んで金属チューブ9を支持する。
前記金属チューブ9は、例えばSUS310Sからなり、チューブ先端側が閉塞した軸線方向に延びる筒状をなし、筒状のチューブ後端側が開放した形態で構成されている。
この金属チューブ9の内部に、サーミスタ素子21およびセメント51が収納されており、セメント51は、サーミスタ素子21の周囲に充填されることで、サーミスタ素子21の揺動を防止している。なお、セメント51は、非晶質のシリカにアルミナ骨材を含有した絶縁材よりなる。
この金属チューブ9の内部に、サーミスタ素子21およびセメント51が収納されており、セメント51は、サーミスタ素子21の周囲に充填されることで、サーミスタ素子21の揺動を防止している。なお、セメント51は、非晶質のシリカにアルミナ骨材を含有した絶縁材よりなる。
b)次に、本実施形態の要部であるサーミスタ素子21とシース芯線3、4との接合部分について説明する。
図2〜図4に示す様に、サーミスタ素子21は、上述したサーミスタ本体部23と電極線25〜31を備えている。
図2〜図4に示す様に、サーミスタ素子21は、上述したサーミスタ本体部23と電極線25〜31を備えている。
前記サーミスタ本体部23は、負の抵抗温度特性を有する第1のサーミスタ焼結体53と第2のサーミスタ焼結体55とが、絶縁層57を介して一体に焼成された焼結体である。つまり、第1のサーミスタ焼結体53と第2のサーミスタ焼結体55とは、例えばSrAl2O4からなる絶縁層57により電気的に絶縁されている。
また、第1のサーミスタ焼結体53には、一対の電極線25、27が接続され、第2のサーミスタ焼結体55には、一対の電極線29、31が接続されている。なお、第1のサーミスタ焼結体53とその電極線25、27によって、第1のサーミスタ素子54が構成され、第2のサーミスタ焼結体55とその電極線29、31によって、第2のサーミスタ素子56が構成されている。
このサーミスタ素子21においては、第1のサーミスタ素子54は、−40〜900℃の温度範囲のB定数が1000〜2000Kの範囲に設定され、第2のサーミスタ素子56は、−40〜900℃の温度範囲のB定数が4000〜8000Kの範囲に設定され、且つ、第1のサーミスタ素子54のB定数と第2のサーミスタ素子56のB定数とは3.0倍以上異なっている。
また、このサーミスタ素子21は、所定温度(例えば本実施形態では500℃)より低温側にて、第1のサーミスタ素子54の抵抗値が第2のサーミスタ素子56の抵抗値より低く、且つ、所定温度より高温側にて、第1のサーミスタ素子54の抵抗値が第2のサーミスタ素子56の抵抗値より高い特性を有する。
特に、本実施形態においては、一方のシース芯線3は、先端部が第1のサーミスタ焼結体53の電極線25と接続されるとともに、第2のサーミスタ焼結体55の電極線29と接続されている。同様に、他方のシース芯線4は、第1のサーミスタ焼結体53の電極線27と接続されるとともに、第2のサーミスタ焼結体55の電極線31と接続されている。
ここで、電極線25〜31とシース芯線3、4との接合部分について、更に詳しく説明する。
図4に示す様に、第1のサーミスタ焼結体53の電極線27は、他方のシース芯線4側(図4の下方)に曲げられ、その先端は他方のシース芯線4の軸線方向に沿って伸びて、他方のシース芯線4の径方向(軸線方向と垂直の方向)における一方の側(図4の上方)に接触するように配置されている。そして、この電極線27とシース芯線4とは、レーザ溶接によって、それぞれ2箇所(メッシュ部分59)にて溶接されて一体に接合されている。
図4に示す様に、第1のサーミスタ焼結体53の電極線27は、他方のシース芯線4側(図4の下方)に曲げられ、その先端は他方のシース芯線4の軸線方向に沿って伸びて、他方のシース芯線4の径方向(軸線方向と垂直の方向)における一方の側(図4の上方)に接触するように配置されている。そして、この電極線27とシース芯線4とは、レーザ溶接によって、それぞれ2箇所(メッシュ部分59)にて溶接されて一体に接合されている。
同様に、第2のサーミスタ焼結体55の電極線31は、他方のシース芯線4側(図4の上方)に曲げられ、その先端は他方のシース芯線4の軸線方向に沿って伸びて、他方のシース芯線4の径方向における他方の側(図4の下方)に接触するように配置されている。そして、この電極線31とシース芯線4とは、レーザ溶接によって、それぞれ2箇所(メッシュ部分61)にて溶接されて一体に接合されている。
これによって、他方のシース芯線4は、その180度対向する両側(図4の上下方向)にて、電極線27、31が接合されていることになる。つまり、電極線27、31は、他方のシース芯線4を挟むように配置されて接合されている。なお、上記以外のシース芯線3と電極線25、29との接合部分も同様であるので、その説明は省略する。
これにより、第1のサーミスタ焼結体53の一対の電極線25、27は、一対のシース芯線3、4にそれぞれ接続されるとともに、第2のサーミスタ焼結体55の一対の電極線29、31も、同じ一対のシース芯線3、4にそれぞれ接続され、第1のサーミスタ素子54と第2のサーミスタ素子56とが電気的に並列に接続されていることになる。
c)次に、本実施形態の温度センサ1の製造方法について説明する。
ここでは、−40〜900℃におけるB定数が1160Kの第1のサーミスタ素子と−40〜900℃におけるB定数が4668Kの第2のサーミスタ素子とを並列に接続したサーミスタ素子を用いた例について述べる。
ここでは、−40〜900℃におけるB定数が1160Kの第1のサーミスタ素子と−40〜900℃におけるB定数が4668Kの第2のサーミスタ素子とを並列に接続したサーミスタ素子を用いた例について述べる。
(1)まず、金属チューブ9、シース部材7、取付部材11などの部品を、公知の手法により準備した。
(2)また、第1のサーミスタ(B定数=1160K)用の粉末と、絶縁層用のSrAl2O4を主成分とする粉末と、第2のサーミスタ(B定数=4668K)用の粉末とを、公知の方法により準備した。
(2)また、第1のサーミスタ(B定数=1160K)用の粉末と、絶縁層用のSrAl2O4を主成分とする粉末と、第2のサーミスタ(B定数=4668K)用の粉末とを、公知の方法により準備した。
詳しくは、第1サーミスタ用粉末は、特開平9−208310号公報の段落番号[0043]に記載の方法(表2の試料番号1の作製方法)で作製した。具体的には、コバルトに対するランタンの比率が0.95になるように、La2O3、La(OH)3等のランタンを含む化合物と、CoCO3、Co3O4、CoO等のコバルトを含む化合物との粉末を秤量し、Cr2O3又はCrO3等のクロムを含む化合物を0.01mol%添加した。次に、この材料を、16時間湿式混合し、乾燥後、900〜1200℃で2時間仮焼成し、この仮焼成粉を粉砕して、第1のサーミスタ用粉末を得た。
また、第2のサーミスタ用粉末は、例えば特許3970851号公報の段落番号[0021]に記載の方法(表2及び表4の実施例17の作製方法)で作製した。具体的には、Y2O3粉末(純度99.9%以上)、SrCO3(純度99.0%以上)、Fe2O3粉末(純度99.2%以上)、MnO3(純度99.0%以上)、Al2O3(純度99.5%以上)を用いた。そして、Srのモル数をx、Yのモル数を1−x、Mnのモル数をy、Alのモル数をz、Feのモル数を1−y−zとした場合に、表2の実施例17のモル比(x:y:z:1−y−z=0.148:0.148:0.672:0.180)となるように秤量し、湿式混合した。その後、乾燥して粉末状とし、大気中で1400℃で2時間仮焼した。次いで、この仮焼粉末100質量%に対して、1質量%の焼結助剤としてのSiO2粉末を更に添加して、湿式粉砕、乾燥し、第2のサーミスタ用粉末を得た。
更に、絶縁層用の粉末は、例えば特開2007−246381号公報の段落番号[0046]に記載の様に、SrAl2O4となるように、SrCO3、Al2O3(全て純度99%以上)の粉末をそれぞれ秤量し、この原料粉末を湿式混合して乾燥し、この混合物を大気雰囲気下で1200℃で2時間仮焼成し、(SrAl2O4からなる)絶縁層用の粉末を得た。
(3)そして、前記の様に準備した各粉末を、サーミスタ本体部23の形状に対応した金型に順次投入(例えば第1のサーミスタ用粉末、絶縁層用粉末、第2のサーミスタ用粉末の順番で投入)するとともに、電極線25〜31として、0.3mmφのPR線(87質量%Pt−13質量%Rh線)各2本を、それぞれ第1のサーミスタ用粉末の充填部分と第2のサーミスタ用粉末の充填部分に挿入した。
(4)次に、金型内に充填した粉末に対して、4500kg/cm3の圧力でプレスし、1550℃の温度にて焼成して、サーミスタ素子21を得た。
(5)このサーミスタ素子21の4本の電極線25〜31を、前記図2に示した様に、シース部材7の各シース芯線3、4に対して、第1、第2のサーミスタ素子54、56が並列接続となるように、レーザ溶接により接合した。
(5)このサーミスタ素子21の4本の電極線25〜31を、前記図2に示した様に、シース部材7の各シース芯線3、4に対して、第1、第2のサーミスタ素子54、56が並列接続となるように、レーザ溶接により接合した。
(6)次に、前記図1に示す様に、取付部材11の内部に金属チューブ9を挿通し、加締め及び溶接により、金属チューブ9と取付部材11とを一体化した。
(7)次に、前記図3及び図4に示す様に、サーミスタ素子21が溶接されたシース部材7を金属チューブ9内に入れて固定した先端部材65を作製した。
(7)次に、前記図3及び図4に示す様に、サーミスタ素子21が溶接されたシース部材7を金属チューブ9内に入れて固定した先端部材65を作製した。
具体的には、まず、サーミスタ素子21が挿入されていない状態における、金属チューブ9の先端部分の中にノズル(図示せず)を挿入し、ペースト状、即ち未硬化状態のセメント51を注入した。
そして、サーミスタ素子21が溶接されたシース部材7を、セメント51が注入された金属チューブ9の内部に挿入した。
そして、シース部材7を金属チューブ9の内部に挿入した状態で、金属チューブ9に径方向外側から長孔加締を行った。
そして、シース部材7を金属チューブ9の内部に挿入した状態で、金属チューブ9に径方向外側から長孔加締を行った。
(8)その後、先端部材65に対して、周知の遠心脱泡処理を実施した。そして、この遠心脱泡処理が終了すると、この先端部品65を800℃で熱処理し、セメント51を乾燥(硬化)させた。このようにして、熱処理後の先端部品65を得た。
(9)その後、従来と同様に、先端部品65とその他の部品との組み付けを行って温度センサ1を完成した。
d)次に、本実施形態の効果について説明する。
d)次に、本実施形態の効果について説明する。
本実施形態では、前記図2に示す様に、シース芯線3、4と電極線25〜31との接合部分においては、第1のサーミスタ素子54の電極線25と第2のサーミスタ素子56の電極線29は、一方のシース芯線3の軸線方向に沿って配置されるとともに、シース芯線3を挟むようにシース芯線3の径方向の両側に対向して配置されている。また、同様に、第1のサーミスタ素子54の電極線27と第2のサーミスタ素子56の電極線31は、他方のシース芯線4の軸線方向に沿って配置されるとともに、シース芯線4を挟むようにシース芯線4の径方向の両側に対向して配置されている。
つまり、電極線25、29は、一方のシース芯線3を中心としてほぼ線対称となるように向かい合わせに配置されているとともに、電極線27、31は他方のシース芯線4を中心としてほぼ線対称となるように向かい合わせに配置されている。
よって、温度変化によって、電極線25〜31とシース芯線3、4とが伸縮した場合でも、シース芯線3、4に対して(一対の電極線25〜31が接合された)両側からほぼ均等に応力が加わることになるので、従来の様に、シース芯線の片側のみに電極線が接合された(片持ちの接合構造の)場合に比べて、接合部分における剥離が生じ難い。
従って、本実施形態では、温度センサ1が、温度変化が激しい(特に温度変化の幅が大きな)環境下や、車両の搭載時のように振動が激しい環境下に置かれた場合でも、電極線25〜31とシース芯線3、4の接合部分に剥離が生じにくく、耐久性が高いという効果がある。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態の温度センサについて説明するが、前記第1実施形態と同様な内容の説明は省略する。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態の温度センサについて説明するが、前記第1実施形態と同様な内容の説明は省略する。
本実施形態では、前記第1実施形態とは、サーミスタ素子の製造方法が異なるので、主として異なる箇所を説明する。
図5に示す様に、本実施形態の温度センサで用いられるサーミスタ素子71は、前記第1実施形態と同様に、B定数が1160Kの第1のサーミスタ素子73と、B定数が4668Kの第2のサーミスタ素子75とを並列に接続したものである。
図5に示す様に、本実施形態の温度センサで用いられるサーミスタ素子71は、前記第1実施形態と同様に、B定数が1160Kの第1のサーミスタ素子73と、B定数が4668Kの第2のサーミスタ素子75とを並列に接続したものである。
以下では、本実施形態におけるサーミスタ素子71の製造方法について説明する。
前記図5に示す様に、予め公知の方法で、厚さ0.5mmの2枚の第1のサーミスタ用シート77、79と、厚さ0.3mmのSrAl2O4を主成分とする1枚の絶縁層用シート81と、厚さ0.5mmの2枚の第2のサーミスタ用シート83、85とを準備した。
前記図5に示す様に、予め公知の方法で、厚さ0.5mmの2枚の第1のサーミスタ用シート77、79と、厚さ0.3mmのSrAl2O4を主成分とする1枚の絶縁層用シート81と、厚さ0.5mmの2枚の第2のサーミスタ用シート83、85とを準備した。
具体的には、第1実施形態と同様な第1のサーミスタ焼結体87の組成の材料に、DBPを加え、PVDバインダで混練し、ドクターブレード法で、一対の第1のサーミスタ用シート77、79を作製した。
また、第1実施形態と同様な第2のサーミスタ焼結体89の組成の材料に、DBPを加え、PVDバインダで混練し、ドクターブレード法で、一対の第2のサーミスタ用シート83、85を作製した。
なお、同様なドクターブレード法によって、絶縁層用シート81を作製した。
次に、1対の第1のサーミスタ用シート77、79の間に、電極線91、93として、0.25mmφのPR線(87質量%Pt−13質量%Rh線)を2本挟むとともに、1対の第2のサーミスタ用シート83、85の間に、電極線95、97として、同様な0.25mmφのPR線を挟んだ。
次に、1対の第1のサーミスタ用シート77、79の間に、電極線91、93として、0.25mmφのPR線(87質量%Pt−13質量%Rh線)を2本挟むとともに、1対の第2のサーミスタ用シート83、85の間に、電極線95、97として、同様な0.25mmφのPR線を挟んだ。
そして、一方の第2のサーミスタ用シート85、他方の第2のサーミスタ用シート83、絶縁層用シート81、一方の第1のサーミスタ用シート79、他方の第1のサーミスタ用シート77となるように順次積層し、圧着した。
次に、この圧着体を1550℃で焼成することにより、第1のサーミスタ焼結体87と絶縁層101と第2のサーミスタ焼結体89とが一体となったサーミスタ本体部103を備えたサーミスタ素子71を得た。
そして、このサーミスタ素子71の電極線91〜97についても、前記第1実施形態と同様に、各シース芯線(図示せず)に対してその径方向の両側から挟むように配置して、同様にレーザ溶接した。
本実施形態の温度センサにおいても、前記第1実施形態と同様な効果を奏する。
[第3実施形態]
次に、第3実施形態の温度センサについて説明するが、前記第1実施形態と同様な内容の説明は省略する。
[第3実施形態]
次に、第3実施形態の温度センサについて説明するが、前記第1実施形態と同様な内容の説明は省略する。
図6に示す様に、本実施形態の温度センサに用いられるサーミスタ素子111は、第1のサーミスタ素子113のサーミスタ焼結体115が、ガラス等の絶縁層117で覆われるとともに、第2のサーミスタ素子119のサーミスタ焼結体121も、ガラス等の絶縁層123で覆われたものであり、両サーミスタ焼結体115、121は電気的に絶縁されている。
また、第1のサーミスタ焼結体115から伸びる一対の電極線125、127と第2のサーミスタ焼結体121から伸びる一対の電極線129、131とは、前記第1実施形態と同様に、一対のシース芯線133、135に対してそれぞれ挟むように配置されてレーザ溶接されている。
なお、各サーミスタ素子113、119は、例えばガラス材料からなるディップ材料に(各電極線125〜131を備えた)各サーミスタ焼結体115、121を漬け、その後に焼成することにより製造することができる。
また、第1、第2のサーミスタ素子113、119の材料としては、前記第1実施形態と同様な特性(B定数、抵抗値)を有する材料を採用できる。
本実施形態においても、前記第1実施形態と同様な効果を奏する。
本実施形態においても、前記第1実施形態と同様な効果を奏する。
なお、本発明は、以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採り得ることはいうまでもない。
例えば、導電線としては、ステンレス又はインコネルからなる線材が挙げられる。更に、導電線として、筒状部材に貫挿されたシース芯線を用いることができ、筒状部材は、導電線に相当するシース芯線の先端が筒状部材より突出した状態で絶縁保持することができる。また、電極線としては、Pt、PR(Pt/Rh合金)、又は、Pt/Ir合金からなる線材が挙げられる。
例えば、導電線としては、ステンレス又はインコネルからなる線材が挙げられる。更に、導電線として、筒状部材に貫挿されたシース芯線を用いることができ、筒状部材は、導電線に相当するシース芯線の先端が筒状部材より突出した状態で絶縁保持することができる。また、電極線としては、Pt、PR(Pt/Rh合金)、又は、Pt/Ir合金からなる線材が挙げられる。
1…温度センサ
3、4、133、135…導電線(シース芯線)
7…シース部材
9…金属チューブ
21、71、111…サーミスタ素子
23、103…サーミスタ本体部
25、27、29、31、91、93、95、97、125、127、129、131…電極線
53、87、115…第1のサーミスタ焼結体
55、89、121…第2のサーミスタ焼結体
54、73、113…第1のサーミスタ素子
56、75、119…第2のサーミスタ素子
57、101、117、123…絶縁層
3、4、133、135…導電線(シース芯線)
7…シース部材
9…金属チューブ
21、71、111…サーミスタ素子
23、103…サーミスタ本体部
25、27、29、31、91、93、95、97、125、127、129、131…電極線
53、87、115…第1のサーミスタ焼結体
55、89、121…第2のサーミスタ焼結体
54、73、113…第1のサーミスタ素子
56、75、119…第2のサーミスタ素子
57、101、117、123…絶縁層
Claims (5)
- 温度によって電気的特性が変化する感温体に一対の電極線を設けた2個の感温素子と、前記感温素子の信号を取り出す一対の導電線と、を備えた温度センサにおいて、
前記両感温素子を電気的に並列に接続するように、前記一対の導電線と前記各感温素子の各一対の電極線とをそれぞれ接合した構成を有するとともに、
前記各導電線と前記各電極線との接合部分においては、前記両感温素子の各電極線を前記各導電線の軸線方向に沿って配置し、且つ、前記各導電線を挟むように前記両感温素子の各電極線を前記各導電線の径方向の両側に配置したことを特徴とする温度センサ。 - 前記両感温素子の温度に対する電気的特性が異なることを特徴とする請求項1に記載の温度センサ。
- 前記感温体が絶縁層を介して一体に積層されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の温度センサ。
- 前記感温体が別体に設けられ、該感温体の表面が絶縁層でコーティングされていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の温度センサ。
- 前記感温体が、負の温度係数を有するNTCサーミスタであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の温度センサ。
Priority Applications (1)
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US10422701B2 (en) | 2015-04-03 | 2019-09-24 | Denso Corporation | Temperature sensor |
JP2020046181A (ja) * | 2018-09-14 | 2020-03-26 | 日本特殊陶業株式会社 | 温度センサの製造方法 |
-
2009
- 2009-08-12 JP JP2009187385A patent/JP2011038926A/ja active Pending
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