JP2009068963A - セラミックヒータ及びこれを内蔵するガスセンサ - Google Patents

セラミックヒータ及びこれを内蔵するガスセンサ Download PDF

Info

Publication number
JP2009068963A
JP2009068963A JP2007237015A JP2007237015A JP2009068963A JP 2009068963 A JP2009068963 A JP 2009068963A JP 2007237015 A JP2007237015 A JP 2007237015A JP 2007237015 A JP2007237015 A JP 2007237015A JP 2009068963 A JP2009068963 A JP 2009068963A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
ceramic heater
external terminal
bonding
coating layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2007237015A
Other languages
English (en)
Inventor
Yukihiko Hattori
幸彦 服部
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Corp filed Critical Denso Corp
Priority to JP2007237015A priority Critical patent/JP2009068963A/ja
Publication of JP2009068963A publication Critical patent/JP2009068963A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Measuring Oxygen Concentration In Cells (AREA)

Abstract

【課題】耐腐食性に優れたセラミックヒータ及びこれを内蔵するガスセンサを提供しようとするものである。
【解決手段】セラミック体11の内部に発熱体を内蔵するセラミックヒータ1。セラミックヒータ1は、セラミック体11の外表面に設けられ、かつ発熱体に電気的に接続された外部端子12と、外部端子12に設けられた金属よりなる接合層13と、接合層13を介して外部端子12に電気的に接続された接合部材14とを有する。外部端子12と接合層13と接合部材14とからなる接合構成体10は、その表面に下地層17を介して形成された被覆層18によって覆われている。下地層17は、Zn、Sn、Cuのいずれか一種以上からなる。被覆層18は、Au、Pt、Rh、Pd、Crのいずれか一種以上からなる。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば自動車エンジン等の内燃機関におけるガスセンサ等に用いられるセラミックヒータ及びこれを内蔵するガスセンサに関する。
従来より、自動車エンジン等の内燃機関の排気系には、排ガス等の被測定ガス中の特定ガス濃度を検出するためのガスセンサが配設されている。
該ガスセンサは、固体電解質体と、該固体電解質体の一方の面と他方の面にそれぞれ形成された被測定ガス側電極と基準ガス側電極とを有し、特定ガス濃度に応じて両電極間に生じる電流或いは電圧によって、特定ガス濃度を検出する。かかる検出は、固体電解質体の温度が活性温度に達している状態で可能となるため、固体電解質体を加熱するセラミックヒータがガスセンサには内蔵されている。
このようなセラミックヒータとしては、例えば図9に示すごとく、セラミック体91と、その表面に設けられた金属層92と、該金属層92に設けられた接合層93と、該接合層93により金属層92に対して接合された接合部材94とよりなるセラミック−金属接合体9がある。このような構成のセラミック−金属接合体9においては、接合層93が酸化劣化し、接合部材94が剥がれて断線してしまうおそれがあるため、接合層93と接合部材94とをニッケルやニッケル−硼素系の無電解メッキ層95により被覆することが行われていた(特許文献1参照)。
しかしながら、近年の自動車の使用環境の変化により、排気ガスがますます高温化する傾向にある。そのため、接合層93と接合部材94との接合部分を上記のようなメッキ層95で保護したとしても、メッキ層95が腐食し、接合層93が酸化劣化して接合部材94が剥がれ、断線等の不具合が発生するおそれがある。
また、自動車用のガスセンサにおいては、走行時に微量な排ガスがセンサ内部に侵入する場合があるが、その排気ガス中のNOxがセンサ内に漏洩することにより、NOxが吸着等により残留し、エンジンが停止している時などの冷間時に生じる結露(水)とが反応して硝酸が発生する場合がある。そして、この硝酸は、セラミックヒータのNi系のメッキ層を腐食し易くする。メッキ層が腐食すると、上記接合部材が酸化劣化し易くなり、断線等の不具合が発生するおそれがある。
そこで、メッキ層95にAu、Pt、又はCrを用いることにより、メッキ層95の耐腐食性を向上させて、接合部材94、接合層93の酸化劣化を防ぎ、断線を防ぐことが提案されている(特許文献2参照)。
ところが、Au、Pt、Crといった金属からなるメッキ層95を外部端子と接合層と接合部材とからなる接合構成体の表面に形成すると、該接合構成体とメッキ層95との間の密着性が充分に得られず、場合によってはメッキ層95の剥離の問題が生じるおそれがある。
特許文献2には、メッキ層95と接合構成体との間にNiメッキ膜を介在させる旨が開示されているが、Niメッキ膜を用いる場合、金属層92上では成分として含まれるWとNiメッキ膜との間で温度が高まった場合W−Ni金属間化合物を生じ両者の接合を阻害するという問題があることが提示されている。また、Niメッキは比較的高価であり、より安価な材料によってメッキ層95と接合構成体との間の密着性を向上させる技術が待望されていた。
特開平11−292649号公報 特開2005−331502号公報
本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたものであって、耐腐食性に優れたセラミックヒータ及びこれを内蔵するガスセンサを提供しようとするものである。
第1の発明は、セラミック体の内部に発熱体を内蔵するセラミックヒータであって、
該セラミックヒータは、上記セラミック体の外表面に設けられ、かつ上記発熱体に電気的に接続された外部端子と、該外部端子に設けられた金属よりなる接合層と、該接合層を介して上記外部端子に電気的に接続された接合部材とを有し、
上記外部端子と上記接合層と上記接合部材とからなる接合構成体は、その表面に下地層を介して形成された被覆層によって覆われており、
上記下地層は、Zn、Sn、Cuのいずれか一種以上からなり、
上記被覆層は、Au、Pt、Rh、Pd、Crのいずれか一種以上からなることを特徴とするセラミックヒータにある(請求項1)。
次に、本発明の作用効果につき説明する。
上記セラミックヒータにおいては、上記接合構成体が、下地層を介して形成された被覆層によって覆われており、該被覆層が、Au、Pt、Rh、Pd、Crのいずれか一種以上からなる。この被覆層は、高温環境下の使用における耐腐食性に優れている。Au、Pt、Rh、Pdは、Ni等の金属に比べてイオン化傾向が非常に小さく、また、Crは、大気雰囲気で表層に不動態皮膜、高温化で緻密な酸化皮膜を形成し易い金属だからである。そのため、上記セラミックヒータにおいては、上記接合構成体が酸化劣化することを防止でき、断線等の不具合を生じず、長期間使用することができる。また、上記被覆層は、硝酸等による腐食も防止することができる。
そして、上記被覆層は、Zn、Sn、Cuのいずれか一種以上からなる下地層を介して接合構成体の表面に形成されている。これにより、接合構成体に対する被覆層の密着性を向上させることができる。すなわち、接合構成体は、上記外部端子と上記接合層と上記接合部材とからなり、これらがそれぞれ表面(下地層との境界面)に露出している場合もある。かかる接合構成体に対して直接上記被覆層を形成すると、両者の密着性が充分に得られないおそれがある。
そこで、接合構成体と被覆層との間に、Zn、Sn、Cuのいずれか一種以上からなる上記下地層を介在させることにより、両者の密着性を向上させることができる。Zn、Sn、Cuは、接合構成体の表面に対してメッキ等により形成したとき、均一に形成されやすいため、その均一表面に形成される被覆層との密着性を高くすることができる。
また、接合構成体と被覆層との間に、Zn、Sn、Cuのいずれか一種以上からなる上記下地層を介在させることにより、被覆層に欠陥が生じた場合にも、接合構成体の腐食を抑制することができる。すなわち、下地層の腐食電位が接合構成体に比べて低い場合には、下地層を優先的に腐食させて、接合構成体の腐食を抑制することができる。また、下地層の腐食電位が接合構成体に比べて高い場合には、接合構成体と被覆層との間の電位差に比べて接合構成体と下地層との間の電位差が小さいため、接合構成体の腐食を抑制することができる。
また、Zn、Sn、Cuは、Niに比べて、メッキの付きまわり性がよく、接合構成体の微小な傷、ピンホール等の欠陥部分にも侵入しメッキ後の平坦性をより確保し易いため、最表面の被覆層が接合構成体によく密着し、また被覆層と接合構成体との間へのガスの吸蔵(ガスが潜り込むこと)や、不純物の侵入をなくすことができ、安定的な被覆層を形成し易い。
また、Zn、Sn、Cuは、安価であるため、製造コストを低減して、安価なセラミックヒータを得ることができる。
以上のごとく、本発明によれば、耐腐食性に優れたセラミックヒータを提供することができる。
第2の発明は、セラミック体の内部に発熱体を内蔵するセラミックヒータであって、
該セラミックヒータは、上記セラミック体の外表面に設けられ、かつ上記発熱体に電気的に接続された外部端子を有し、
該外部端子は、その表面に下地層を介して形成された被覆層によって覆われており、
上記下地層は、Zn、Sn、Cuのいずれか一種以上からなり、
上記被覆層は、Au、Pt、Rh、Pd、Crのいずれか一種以上からなることを特徴とするセラミックヒータにある(請求項4)。
次に、本発明の作用効果につき説明する。
上記セラミックヒータにおいては、上記外部端子が、下地層を介して形成された被覆層によって覆われており、該被覆層が、Au、Pt、Rh、Pd、Crのいずれか一種以上からなる。そのため、上記セラミックヒータにおいては、上記外部端子が酸化劣化することを防止でき、また、硝酸等による腐食も防止することができる。
そして、上記被覆層は、Zn、Sn、Cuのいずれか一種以上からなる下地層を介して外部端子の表面に形成されている。これにより、外部端子に対する被覆層の密着性を向上させることができる。
また、外部端子と被覆層との間に、Zn、Sn、Cuのいずれか一種以上からなる上記下地層を介在させることにより、被覆層に欠陥が生じた場合にも、外部端子の腐食を抑制することができる。
また、Zn、Sn、Cuは、Niに比べて、メッキの付きまわり性がよく、接合構成体の微小な傷、ピンホール等の欠陥部分にも侵入しメッキ後の平坦性をより確保し易いため、最表面の被覆層が接合構成体によく密着し、また被覆層と接合構成体との間へのガスの吸蔵や、不純物の侵入をなくすことができ、安定的な被覆層を形成し易い。
また、Zn、Sn、Cuは、安価であるため、製造コストを低減して、安価なセラミックヒータを得ることができる。
以上のごとく、本発明によれば、耐腐食性に優れたセラミックヒータを提供することができる。
第3の発明は、被測定ガス中の特定ガス濃度を測定するためのガスセンサであって、
該ガスセンサは、固体電解質体と、該固体電解質体の一方の面と他方の面にそれぞれ形成された被測定ガス側電極と基準ガス側電極とを有すると共に、上記固体電解質体を加熱するための加熱手段を内蔵してなり、
該加熱手段は、上記第1の発明又は第2の発明にかかるセラミックヒータであることを特徴とするガスセンサにある(請求項7)。
上記ガスセンサは、上記第1の発明又は第2の発明にかかるセラミックヒータを上記加熱手段として有するため、耐腐食性に優れる。
特に、上記ガスセンサにおいては、被測定ガス中にNOxが含まれる場合があるが、NOxは、水分と反応して硝酸を生成することがあり、この硝酸によって接合構成体や外部端子が腐食することが考えられる。そこで、上記のごとく、耐腐食性を向上させる下地層及び被覆層を設けることにより、耐腐食性を大きく向上させることができる。
以上のごとく、本発明によれば、耐腐食性に優れたセラミックヒータを有するガスセンサを提供することができる。
上記第1の発明(請求項1)において、上記下地層は上記外部端子と上記接合層と上記接合部材との何れとも接触していてもよいが、下地層が外部端子と接合部材との一方又は双方と接触しない状態とすることもできる。また、下地層と接合構成体との間に、更に他の金属層を介在させてもよい。
また、上記下地層の厚みは、2μm〜40μmであることが好ましい。
下地層の厚みが2μm未満の場合には、下地層に空孔等が形成されやすくなり、これにより被覆層の接合が弱くなり剥離するおそれがある。一方、40μmを超える場合には、下地層の組織の均質性が低下しかえって脆くなる等の質の低下による弊害が生じるおそれがある。
また、上記下地層は、例えば、無電解メッキ、電解メッキ、或いはこれらの双方を用いて形成することができる。
次に、上記セラミック体としては、例えばアルミナ、シリカ、カルシア、マグネシア、窒化珪素等よりなるものがある。
また、上記外部端子としては、例えばW(タングステン)よりなるものがある。好ましくは、上記外部端子は、Wを70重量%以上含有することがよい。この場合には、特にアルミナを含有するセラミック体とのなじみが良くなり、また耐熱性にも優れたものとなる。
また、上記接合層としては、例えばCu、Au、Ni等の金属からなるものがある。このような接合層としては、Cuを40重量%〜98重量%含有し、Niを2〜20重量%含有し、Auを58重量%以下含有するものを用いることが好ましい。この場合には、上記接合層と上記外部端子との接合性が向上し、上記セラミックヒータの耐久性をより向上させることができる。
上記接合層のCuの含有率が40重量%未満の場合には、Cuの含有量が少ないため、Cu以外の成分による影響が大きくなり、接合層の硬度が高くなり易く、その結果クラックが発生し易くなる等の不具合が生じるおそれがある。一方、98重量%を超える場合には、相対的にNiやAuの含有率が低くなり、その結果、例えばW等よりなる外部端子に対する上記接合層の濡れ性が悪くなり、優れた接合状態を得ることができず、接合強度が低下するおそれがある。
また、上記接合層のNiの含有率が2重量%未満の場合には、上記接合層の上記外部端子に対する濡れ性が悪くなり、優れた接合状態を得ることができず、接合強度が低下するおそれがある。一方、20重量%を超える場合には、外部端子が例えばWを含有する場合に、製造工程中にW−Ni金属間化合物が非常に多く析出し、その結果接合強度が低下するおそれがある。
また、上記接合層のAuの含有率が58重量%を超える場合には、上記接合層の硬度が高くなり、クラックが発生しやすくなる等の不具合を生じるおそれがある。また、コストが高くなるおそれがある。
また、上記接合層は、P、Cd、Pb、Zn、Feから選ばれる1種以上を10重量%以下含有することができる。
また、上記接合層としては、例えばコバールよりなるもの等を用いることもできる。具体的には、コバールパッド等を用いることができる。また、コバールパッドと、Cu、Au、Ni等の金属からなるロウ材とを組み合わせて用いることもできる。
また、上記接合部材としては、例えばリード線等がある。
上記接合部材は、Niを25重量%以上含有していることが好ましい。この場合には、上記接合部材を上記接合層により接合する際に、接合部材中に含まれるNiが接合層に拡散し、接合層の上記外部端子に対する濡れ性を高め、両者の結合をより強固なものにすることができる。上記接合部材のNi含有量が25重量%未満の場合には、接合層へのNiの拡散が不充分になり、接合層と外部端子との間で良好な接合状態を得ることができず、接合強度が低下するおそれがある。なお、より好ましくは、上記接合部材はNiを90%以上含有していることが好ましい。この場合には、上記接合層と上記外部端子との間で一層良好な接合状態を得ることができる。このような接合部材としては、例えばNiのみからなるものを使用することもできるが、Niを含む各種合金類を使用することもできる。このような合金として、例えばコバール、42アロイ等がある。
また、上記第1の発明(請求項1)又は上記第2の発明(請求項4)において、上記接合構成体と上記下地層との間、及び該下地層と上記被覆層との間は、互いの成分が互いの層に拡散した状態で密着していることが好ましい(請求項2、請求項5)。
この場合には、上記接合構成体と上記下地層との間、及び該下地層と上記被覆層との間の密着性を向上させることができ、接合構成体の耐腐食性を充分に向上させることができる。
また、上記接合構成体と上記下地層と上記被覆層とは、500℃以上の熱処理を行うことによって互いに密着していることが好ましい(請求項3、請求項6)。
この場合には、上記接合構成体と上記下地層との間、及び該下地層と上記被覆層との間の密着性を向上させることができる。
(実施例1)
次に、本発明の実施例にかかるセラミックヒータにつき、図1〜図4を用いて説明する。
本例のセラミックヒータ1は、セラミック体11の内部に発熱体を内蔵する。
図1に示すごとく、セラミックヒータ1は、セラミック体11の外表面100に設けられ、かつ発熱体に電気的に接続された外部端子12と、外部端子12に設けられた金属よりなる接合層13と、接合層13を介して外部端子12に電気的に接続された接合部材14とを有する。
図1、図2に示すごとく、外部端子12と接合層13と接合部材14とからなる接合構成体10は、その表面に下地層17を介して形成された被覆層18によって覆われている。
下地層17は、Zn(亜鉛)、Sn(錫)、Cu(銅)のいずれか一種以上からなる。また、被覆層18は、Au(金)、Pt(白金)、Rh(ロジウム)、Pd(パラジウム)、Cr(クロム)のいずれか一種以上からなる。
本例においては、下地層17はZnからなり、被覆層18はAuからなる。
セラミック体11はアルミナ(Al23)よりなり、外部端子12はW(タングステン)を70重量%以上含有する。また、接合層12は、Cu、Au、Ni(ニッケル)の合金からなり、Cuを40〜98重量%含有し、Niを2〜20重量%含有し、Auを58重量%以下含有する。また、接合部材14は、外部の電源に接続されるリード線であって、接合部材14は、Niを25重量%以上、より好ましくは90%以上含有している。このような合金として、例えばコバール、42アロイ等がある。
また、接合構成体10と下地層17との間、及び下地層17と被覆層18との間は、互いの成分が互いの層に拡散した状態で密着している。すなわち、下地層17と被覆層18と境界付近には、下地層17にAuが拡散しており、被覆層18にZnが拡散している。
接合構成体10と下地層17と被覆層18とは、500℃以上の熱処理を行うことによって互いに密着している。
本例のセラミックヒータは、図1及び図3に示すごとく、ガスセンサの加熱用に利用される断面略円形の丸棒状のセラミックヒータ1である。
図1及び図3に示すごとく、セラミックヒータ1において、その表面に設けられたWよりなる外部端子12は、セラミック体11の内部に設けられたリード部111とスルーホール112によって導通されている。また、外部端子12に対し、Cuを92重量%含有し、Niを8重量%含有する接合層13により接合部材14としてのリード線が電気的導通を維持しながら接合されている。接合部材14は外部の電源に接続されており、この接合部材14から供給された電力は、リード部111を経て発熱体に達する。なお、本例において、接合部材14は直径0.6mmのNi接合部材である。
また、図1、図2に示すごとく、外部端子12と接合部材14との接合部分19においては、外部端子12と接合層13と接合部材14とからなる接合構成体10の上に、Znからなる下地層17を介して、Auからなる被覆層18が形成されている。
次に、本例のセラミックヒータの製造方法につき説明する。
まず、Al23が約92重量%含まれ、SiO2、CaO、MgO等が合計で8重量%含まれる原料粉末を準備し、これを溶媒に分散させてスラリーを作製した。このスラリーをドクターブレード法によって厚さ1.2mmのシートとした。このシートに打ち抜きプレスを施し、図4に示すごとく、被覆用のグリーンシート25を作製した。また、このグリーンシート25にはスルーホール112用のピンホール222を二ヶ所設けた。
次に、図4に示すごとく、被覆用のグリーンシート25に対し、発熱体用印刷部21及び上記リード部111を形成するためのリード部用印刷部22とよりなるヒータパターン20を導電ペーストのスクリーン印刷により作製した。また、この時、上記ピンホール222も導電ペーストにて充填した。
その後、グリーンシート25の裏面に、上記スルーホール112を介してリード部用印刷部22と導通可能となるリード取出部としての外部端子12を導電ペーストによる印刷により設けた。この外部端子12の組成はWが100重量%である。
次に、エチルセルロースを有機溶剤にて溶かした有機バインダーをグリーンシート25の表面29に印刷した後、このグリーンシート25をセラミックよりなる心棒26の外周に巻回させて張付けた。次いで、焼成炉を用いてこれを焼成した。
次いで、外部端子12に対しNiよりなる接合部材14を1000〜1200℃の高温で、ロウ材(Cu:40〜98重量%、Ni:2〜20重量%、Au:58重量%以下)を使用したロウ付けにより取り付けた。このロウ材は焼成後に接合層13となって、接合部材14と外部端子12とを強く接合させる。
次に、図2に示すごとく、接合部材14と接合層13とからなる接合構成体10の表面を覆うように、電解メッキ法によりZnでメッキを施し、厚み2μm以上のZnメッキ膜17を設けた。その後、Znメッキ膜からなる下地層17の上に、電解メッキ法によりAuでメッキを施し、厚み2.5μm以上の被覆層18を形成した。
その後、接合構成体10と下地層17と被覆層18とを500℃以上にて熱処理を行う。これにより、接合構成体10と下地層17との間、及び下地層17と被覆層18との間は、互いの成分が互いの層に拡散した状態で密着する。
以上によりセラミックヒータ1を得た。これを試料Eとした。
次に、本例のセラミックヒータ(試料E)の耐腐食性を調べた。
すなわち、試料Eを硝酸蒸気中で放置し、接合部材14の剥がれを目視にて観察した。その結果、試料Eにおいては、15日間経過後も接合部材14に剥がれ等は全く発生せず、耐腐食性に優れていた。
次に、本例の作用効果につき説明する。
上記セラミックヒータ1においては、接合構成体10が、下地層17を介して形成された被覆層18によって覆われており、該被覆層18がAuからなる。この被覆層18は、高温環境下の使用における耐腐食性に優れている。そのため、セラミックヒータ1においては、接合構成体10が酸化劣化することを防止でき、断線等の不具合を生じず、長期間使用することができる。また、被覆層18は、硝酸等による腐食も防止することができる。
そして、被覆層18は、Znからなる下地層17を介して接合構成体10の表面に形成されている。これにより、接合構成体10に対する被覆層18の密着性を向上させることができる。すなわち、接合構成体10は、外部端子12と接合層13と接合部材14とからなり、これらがそれぞれ表面(下地層17との境界面)に露出している場合もある。かかる接合構成体10に対して直接上記被覆層18を形成すると、両者の密着性が充分に得られないおそれがある。
そこで、接合構成体10と被覆層18との間に、Znからなる上記下地層17を介在させることにより、両者の密着性を向上させることができる。Znは、接合構成体10の表面に対してメッキにより形成したとき、均一に形成されやすいため、その均一表面に形成される被覆層18との密着性を高くすることができる。
また、接合構成体10と被覆層18との間に、Znからなる下地層17を介在させることにより、被覆層18に欠陥が生じた場合にも、接合構成体10の腐食を抑制することができる。すなわち、下地層17のZnの腐食電位が接合構成体10のCu、Ni、W等に比べて低いため、下地層17を優先的に腐食させて、接合構成体10の腐食を抑制することができる。
また、Znは、Niに比べて、メッキの付きまわり性がよく、接合構成体10の微小な傷、ピンホール等の欠陥部分にも侵入しメッキ後の平坦性をより確保し易いため、最表面の被覆層18が接合構成体10によく密着し、また被覆層18と接合構成体10との間へのガスの吸蔵や、不純物の侵入をなくすことができ、安定的な被覆層18を形成し易い。
また、Znは安価であるため、製造コストを低減して、安価なセラミックヒータ1を得ることができる。
また、500℃以上の熱処理を行うことによって、接合構成体10と下地層17との間、及び下地層17と被覆層18との間が、互いの成分が互いの層に拡散した状態で密着している。これにより、接合構成体10下地層17との間、及び下地層17と被覆層18との間の密着性を向上させることができ、接合構成体10の耐腐食性を充分に向上させることができる。
以上のごとく、本例によれば、耐腐食性に優れたセラミックヒータを提供することができる。
(実施例2)
本例は、図5、図6に示すごとく、実施例1にて作製したセラミックヒータ1を内蔵するガスセンサ素子3を有するガスセンサ4の例である。
本例のガスセンサ4は、被測定ガス中の特定ガス濃度を測定するものである。ガスセンサ4は、図5に示すごとく、固体電解質体30と、固体電解質体30の一方の面と他方の面にそれぞれ形成された被測定ガス側電極31と基準ガス側電極32とを有するガスセンサ素子3と、固体電解質体30を加熱するための加熱手段(セラミックヒータ1)とを内蔵してなる。この加熱手段が、上記実施例1に示したセラミックヒータ1である。
本例においては、図5に示すごとく、ガスセンサ素子3は、コップ型の固体電解質体30を有し、該固体電解質体30の内側に大気室300を有する。固体電解質体30の外側面301には被測定ガスと接触する被測定ガス側電極31を、大気室300に面する固体電解質体30の内側面302には基準ガス内側電極32を設けてなる。また、大気室300には、実施例1にて作製したセラミックヒータ1が内蔵されている。
ガスセンサ素子3において、被測定ガス側電極31と基準ガス側電極32とが固体電解質体30を介して対面した部分が酸素濃度検出が行われる検出部39となる。
また、ガスセンサ素子3の被測定ガス側電極31の外方は保護層391と392とで被覆されている。
次に、上記ガスセンサ素子3を設けたガスセンサ4について説明する。
図6に示すごとく、本例のガスセンサ4は、ハウジング40と、該ハウジング40の上方に設けられた大気側カバー411、412、413と、ハウジング40の下方に設けられた被測定ガス側カバー421、422とよりなる。被測定ガス側カバー421、422により被測定ガス室429が形成され、該被測定ガス室429に対し被測定ガス側電極31が対面するようにガスセンサ素子3はハウジング40に固定されている。
また、ガスセンサ素子3とハウジング40の内側面との間には、ガスセンサ素子3の固定及び大気室300における気密性の保持のため、タルク401、リングパッキン402、インシュレーター403とが設けてある。また、被測定ガス側カバー421、422には、被測定ガスが流通するためのガス穴420が設けてある。
また、ガスセンサ4において、大気側カバー411、412、413の内部には導電線442を保持固定するためのインシュレーター430が配置されている。また、導電線442の先端はセラミックヒータ1に設けられた接合部材14に対しコネクタ441を介して接続されている。
また、導電線442の上端は大気側カバー412、413の上端部に設けられたゴムブッシュ439を経由して外部に導出され、そこで電源に接続されている。なお、インシュレーター430、ゴムブッシュ439には、ガスセンサ素子3の出力取出用の2本の信号線が挿通配置されている。
さらに、2つの大気側カバー412と413とには、大気導入用の大気穴419が設けられており、両者の間には撥水性フィルタ418が設けてある。
この大気穴419から導入された大気が大気側カバー411、412の内部を経て大気室300に導入されることとなる。
本例のガスセンサ4においては、上記実施例1において作製したセラミックヒータ1を内蔵している。そして、セラミックヒータ1においては、接合構成体10が下地層17及び被覆層18により覆われており、高温環境下で長期間使用しても断線等の不具合がほとんど起こらない。したがって、上記セラミックヒータ1は、高温環境下においても、例えば外部からの制御信号に基づいてガスセンサ4の温度を長期間制御することができる。
また、本例のセラミックヒータ1においては、上記接合構成体10が下地層17を介して被覆層18により覆われているため、硝酸等による腐食が起こり難い。したがって、本例のガスセンサ4においては、被測定ガスにNOx等が含まれ、このNOxと水とが反応して硝酸を生成したとしても、硝酸がセラミックヒータ1を腐食することを防止することができ、上記ガスセンサ4は、被測定ガス中の特定ガス濃度を安定して検出することができる。
(実施例3)
本例は、積層型のセラミックヒータの例である。
図7に示すごとく、本例のセラミックヒータ1は、セラミック体11の内部に発熱体を内蔵するものである。セラミックヒータ1は、セラミック体11の外表面に設けられ、かつ上記発熱体に電気的に接合された外部端子12と、該外部端子12に設けられた金属よりなる接合層13と、該接合層13により上記外部端子12に対して電気的に接合された接合部材14とを有する。また、外部端子12と接合部材14との接合部分19において、接合層13と接合部材14とからなる接合構成体10は、Znからなる下地層17を介して、Auからなる被覆層18によって覆われている。
また、本例の積層型のセラミックヒータ1は、図7及び図8(d)に示すごとく、図示を略した発熱体及びリード部111を設けたヒータ基板112と、これら発熱体及びリード部111と共にヒータ基板112を被覆するよう配置した被覆板113とよりなり、かつ上記リード部111と導通する側面電極となる外部端子12を有している。外部端子12は、接合層13により接合部材14が接合されており、接合部材14は、接合層13、外部端子12、及びリード部111を介して発熱体に通電する。
また、図7に示すごとく、上記接合部分19において、外部端子12と接合部材14と接合層13とからなる接合構成体10の表面は、Znからなる下地層17を介してAuからなる被覆層18により被覆保護されている。
その他詳細は、実施例1と同様である。
次に、本例の積層型のセラミックヒータ1の製造方法について、図8を用いて説明する。
まず、Al23が約92重量%、SiO2、CaO、MgO等が合計で8重量%含まれている原料粉末を準備し、これを溶媒に分散させてスラリーを作製する。
このスラリーをドクターブレード法によって厚さ1.2mmのシートとした。このシートに打ち抜きプレスを施し、図8(a)に示すごとく、120mm四方の正方形のヒータ基板用のグリーンシート610と、被覆基板用のグリーンシート620とを作製した。
なお、ヒータ基板用のグリーンシート610、被覆基板用のグリーンシート620の作製に当たっては、押出成形等の別成形方法を採ることもできる。
次いで、図8(a)に示すごとく、W、Mo等の金属を主成分とした導電性ペーストを準備し、該導電性ペーストを用いてヒータ基板用のグリーンシート610に対し、ヒータパターン60をかかる形状に印刷した。
また、各ヒータパターン60の間には、上記リード部111を形成するための平面印刷部605を設けた。
次に、上記ヒータパターン60を印刷したグリーンシート610と被覆基板用のグリーンシート620とを積層し、積層体63を得た。なお、この積層体63は用途に応じて印刷を施したヒータ基板用のグリーンシート610と被覆基板用のグリーンシート620との枚数を自由に選択することができる。
また、印刷を施したヒータ基板用のグリーンシート610が複数の場合はこれらのヒータパターン60を直列に接続するか並列に接続するかを自由に選択することができる。
次いで、図4(b)、(c)に示すごとく、上記積層体63を同図に示した一点鎖線にて切断することにより、内部に1個のヒータパターン60を有する中間体64を得た。
その後、W、Moを主成分とする導電性ペーストを用いて、焼成後に外部端子12となる印刷部681を中間体64の側面68に設ける。この印刷部681は中間体64の内部のヒータパターン60と接続された状態となるよう形成する。
また、ここで使用する導電性ペーストはヒータパターン60の形成に用いた導電性ペーストと異なる材料を使用することもできるし、同じものを使用することもできる。
その後、上記中間体64をN2、H2ガスよりなる還元雰囲気において、1400℃〜1600℃で焼成し、焼成体を得る。なお、この後に上記焼成体の先端部を研磨装置を利用して所望の形状に研磨する工程を置くこともできる。
得られた焼成体の外部端子12に対し、Cuロウ材(Cu:40〜98重量%、Ni:2〜20重量%、Au:58重量%以下)を用いてNiよりなる接合部材14を接合する。この接合の際のロウ付け温度は1000〜1200℃で行った。このロウ付けにより、接合層13が形成された。
最後に接合層12と接合部材14とからなる接合構成体10の表面に、Znよりなる下地層17を介して、Auよりなる被覆層18を設けた。その後、これらを500℃以上で加熱処理した。以上により、本例にかかるセラミックヒータ1を得た。下地層17の厚みは20μmであり、被覆層18の厚みは3μmである。
その他詳細は、実施形態例1と同様である。
本例にかかるセラミックヒータにおいても、実施形態例1と同様の作用効果を有していた。
(実施例4)
本例は、接合部材としてコバールパッドを用いてセラミックヒータを作製する例である。
図10及び図11に示すごとく、本例のセラミックヒータ1は、セラミック体11の外表面に設けられ、かつ上記発熱体に電気的に接合された外部端子12と、該外部端子12に設けられた金属よりなる接合層13と、該接合層13により外部端子12に対して電気的に接合された接合部材14とを有する。また、外部端子12と接合部材14との接合部分19において、外部端子12と接合層13と接合部材14とからなる接合構成体10は、Znからなる下地層17を介して、Auからなる被覆層18によって覆われている。
外部端子12は、タングステン及びニッケルよりなる。この外部端子12に対し、コバールパッドよりなる接合層13により、接合部材14としてのリード線が電気的導通を維持しながら接合されている。接合部材14は外部の電源に接続されており、この接合部材14から供給された電力は、セラミック体11内部のリード部を経て発熱体に達する。なお、本例において、接合部材14は直径0.6mmのNi接合部材である。
また、図11に示すごとく、外部端子12と接合部材14との接合部分19においては、接合層13と接合部材14とからなる接合構成体10の上に、Znからなる下地層17を介して、Auからなる被覆層18が形成されている。
その他詳細は、実施例1と同様である。
次に、本例のセラミックヒータの製造方法につき、説明する。
まず、実施例1と同様にして、スラリーを作製し、このスラリーをドクターブレード法によって厚さ1.2mmのシートとした。次いで、このシートに打ち抜きプレスを施し、被覆用のグリーンシートを作製し、このグリーンシートにスルーホール用のピンホールを二ヶ所設けた。
また、実施例1と同様に、被覆用のグリーンシートに対し、ヒータパターンをスクリーン印刷により作製し、上記ピンホールも導電ペーストにて充填した。その後、グリーンシートの裏面に、W及びNiからなる外部端子を設けた。
さらに実施例1と同様に、有機バインダーをグリーンシートの表面に印刷した後、このグリーンシートを心棒の外周に巻回させて張付け、焼成した。
次いで、図10及び図11に示すごとく、接合部材14として、Niよりなるリード線を準備し、この接合部材14の側面に、接合層13としてのコバールパッドを抵抗溶接により接合した。
次いで、外部端子12に対し、コバールパッド13を接合した接合部材14を1000〜1200℃の高温で、Au−Cuロウ材を使用したロウ付けにより取り付けた。このロウ材はコバールパッドと共に、焼成後に接合層13となって、接合部材14と外部端子12とを接合する。
次に、図11に示すごとく、接合部材14と接合層13とからなる接合構成体10の表面を覆うように、電解メッキ法によりZnでメッキを施し、厚み2μm以上の下地層17を形成した。
その後、下地層17の上に、電解メッキ法によりAuでメッキを施し、厚み2.5μm以上の被覆層18を形成した。その後、これらを500℃以上で加熱処理した。
以上によりセラミックヒータ1を得た。
本例にて得られたセラミックヒータ1についても、実施例1と同様にして耐腐食性を調べたところ、本例のセラミックヒータ1は、実施例1の上記試料Eと同様に優れた耐食性を示した。
(実施例5)
本例は、発熱体を内蔵するセラミック体が窒化珪素よりなるセラミックヒータの例である。
図12及び図13に示すごとく、本例のセラミックヒータ1は、セラミック体11の内部に発熱体115を内蔵するものである。セラミックヒータ1は、セラミック体11の外表面に設けられ、かつ発熱体115に電気的に接合された外部端子12と、該外部端子12に設けられた金属よりなる接合層13と、該接合層13により上記外部端子12に対して電気的に接合された接合部材14とを有する。また、外部端子12と接合部材14との接合部分19においては、接合層13と接合部材14とからなる接合構成体10は、Znからなる下地層17を介して、Auからなる被覆層18によって覆われている。
本例のセラミックヒータ1において、セラミック体11は窒化珪素からなる。
外部端子12は、タングステン及びニッケルよりなる。この外部端子12に対し、コバールパッドよりなる接合層13により、接合部材14としてのリード線が電気的導通を維持しながら接合されている。接合部材14は外部の電源に接続されており、この接合部材14から供給された電力は、リード部を経て発熱体115に達する。なお、本例において、接合部材14は直径0.6mmのNi接合部材である。
また、図13に示すごとく、外部端子12と接合部材14との接合部分19においては、接合層13と接合部材14とからなる接合構成体10の上に、Znからなる下地層17を介して、Auからなる被覆層18が形成されている。
その他詳細は、実施例1と同様である。
次に、本例のセラミックヒータの製造方法につき、説明する。
まず、Siを約60重量%、及びNiを約40重量%含有する原料粉末を準備し、これを溶媒に分散させてスラリーを作製した。このスラリーをドクターブレード法によって厚さ1.2mmのシートとした。このシートに打ち抜きプレスを施し、図14に示すごとく、板状のグリーンシート111を作製した。
次いで、板状のグリーンシート111とW及びReからなる発熱体115とを積層し、積層体116を得た。グリーンシートの表面には、発熱体115と導通するようにW及びNiよりなる外部端子12を形成した。次いで、積層体116を焼成し、焼成後の積層体116の面取りを行い、窒化珪素よりなる略円柱状のセラミック体11を得た。
次に、接合部材14として、Niよりなるリード線を準備し、この接合部材14の側面に、接合層13としてのコバールパッドを抵抗溶接により接合した。
次いで、外部端子12に対し、コバールパッドを接合した接合部材14を1000〜1200℃の高温で、Au−Niロウ材を使用したロウ付けにより取り付けた。このロウ材はコバールパッドと共に、焼成後に接合層13となって、接合部材14と外部端子12とを接合する。
次に、接合部材14と接合層13とからなる接合構成体10の表面を覆うように、電解メッキ法によりZnでメッキを施し、厚み2μm以上の下地層17を設けた。
その後、下地層17の上に、電解メッキ法によりAuでメッキを施し、厚み2μm以上の被覆層18を形成した。その後、これらを500℃以上で加熱処理した。
以上によりセラミックヒータ1を得た。
本例にて得られたセラミックヒータ1についても、実施例1と同様にして耐腐食性を調べたところ、本例のセラミックヒータ1は、実施例1の上記試料Eと同様に優れた耐食性を示すことができた。
(実施例6)
本例は、図15、図16に示すごとく、外部電源に接続されたばね端子5を摺動接触させるパッド状の外部端子12を有するセラミックヒータの例である。
外部端子12は、図16に示すごとく、その表面に下地層17を介して形成された被覆層18によって覆われている。そして、下地層17はZnからなり、被覆層18はAuからなる。
本例のセラミックヒータは、図15に示すごとく、ガスセンサの加熱用に利用される断面略円形の丸棒状のセラミックヒータ1である。
図16に示すごとく、セラミックヒータ1において、その表面に設けられたWよりなる外部端子12は、セラミック体11の内部に設けられたリード部111とスルーホール112によって図示しない発熱体と導通されている。また、実施例1〜5とは異なり、外部端子12には、接合部材としてのリード線(図1の符号14参照)は接合されておらず、したがって接合層(図1の符号13参照)も形成されない。
すなわち、上記外部端子12はパッド状の端子であり、外部の電源に接続されたばね端子5が外部端子12に対して押圧された状態で摺動接触している。これにより、外部の電源からばね端子5を介して外部端子12に供給された電力は、リード部111を経て発熱体に達する。
また、図16に示すごとく、外部端子12の表面には、Znからなる下地層17を介して、Auからなる被覆層18が形成されている。そして、この被覆層18の表面に上記ばね端子5が接触している。その他は、実施例1と同様である。
本例によれば、外部端子12の耐腐食性を効果的に向上させることができ、耐腐食性に優れたセラミックヒータを提供することができる。
上記実施例1〜6においては、下地層17をZnからなるものとしたが、これ以外にも、Sn、Cuによって下地層17を構成することもできるし、Zn、Sn、Cuの中の2種以上からなる合金によって下地層17を構成することもできる。
また、上記実施例1〜6においては、被覆層18をAuからなるものとしたが、これ以外にも、Pt、Rh、Pd、Crを用いることもできるし、Au、Pt、Rh、Pd、Crの中の2種以上からなる合金によって被覆層18を構成することもできる。
これらの場合にも、同様に、耐腐食性に優れたセラミックヒータを提供することができる。
実施例1にかかる、セラミックヒータにおける外部端子部分の断面を示す説明図(図3におけるA−A矢視断面図)。 図1における、被覆層部分の拡大図。 実施例1にかかる、セラミックヒータの全体を示す説明図。 実施例1にかかる、セラミックヒータの製造方法を示す説明図。 実施例2にかかる、ガスセンサ素子の断面を示す説明図。 実施例2にかかる、ガスセンサの断面を示す説明図。 実施例3にかかる、積層型のセラミックヒータにおける外部端子部分の断面を示す説明図(図8(d)におけるB−B矢視断面図)。 実施例3にかかる、積層型のセラミックヒータの製造方法を示す説明図。 従来のセラミックヒータの断面を示す説明図。 実施例4にかかる、セラミックヒータの全体を示す説明図。 実施例4にかかる、セラミックヒータにおける外部端子部分の断面を示す説明図(図10におけるC−C線矢視断面図)。 実施例5にかかる、セラミックヒータの全体を示す説明図。 実施例5にかかる、セラミックヒータにおける外部端子部分の断面を示す説明図(図12におけるD−D線矢視断面図)。 実施例5にかかる、セラミックヒータの製造方法の概略を示す説明図。 実施例6にかかる、セラミックヒータの全体を示す説明図。 実施例6にかかる、セラミックヒータにおける外部端子部分の断面を示す説明図。
符号の説明
1 セラミックヒータ
10 接合構成体
11 セラミック体
12 外部端子
13 接合層
14 接合部材
17 下地層
18 被覆層

Claims (7)

  1. セラミック体の内部に発熱体を内蔵するセラミックヒータであって、
    該セラミックヒータは、上記セラミック体の外表面に設けられ、かつ上記発熱体に電気的に接続された外部端子と、該外部端子に設けられた金属よりなる接合層と、該接合層を介して上記外部端子に電気的に接続された接合部材とを有し、
    上記外部端子と上記接合層と上記接合部材とからなる接合構成体は、その表面に下地層を介して形成された被覆層によって覆われており、
    上記下地層は、Zn、Sn、Cuのいずれか一種以上からなり、
    上記被覆層は、Au、Pt、Rh、Pd、Crのいずれか一種以上からなることを特徴とするセラミックヒータ。
  2. 請求項1において、上記接合構成体と上記下地層との間、及び該下地層と上記被覆層との間は、互いの成分が互いの層に拡散した状態で密着していることを特徴とするセラミックヒータ。
  3. 請求項2において、上記接合構成体と上記下地層と上記被覆層とは、500℃以上の熱処理を行うことによって互いに密着していることを特徴とするセラミックヒータ。
  4. セラミック体の内部に発熱体を内蔵するセラミックヒータであって、
    該セラミックヒータは、上記セラミック体の外表面に設けられ、かつ上記発熱体に電気的に接続された外部端子を有し、
    該外部端子は、その表面に下地層を介して形成された被覆層によって覆われており、
    上記下地層は、Zn、Sn、Cuのいずれか一種以上からなり、
    上記被覆層は、Au、Pt、Rh、Pd、Crのいずれか一種以上からなることを特徴とするセラミックヒータ。
  5. 請求項4において、上記外部端子と上記下地層との間、及び該下地層と上記被覆層との間は、互いの成分が互いの層に拡散した状態で密着していることを特徴とするセラミックヒータ。
  6. 請求項5において、上記外部端子と上記下地層と上記被覆層とは、500℃以上の熱処理を行うことによって互いに密着していることを特徴とするセラミックヒータ。
  7. 被測定ガス中の特定ガス濃度を測定するためのガスセンサであって、
    該ガスセンサは、固体電解質体と、該固体電解質体の一方の面と他方の面にそれぞれ形成された被測定ガス側電極と基準ガス側電極とを有すると共に、上記固体電解質体を加熱するための加熱手段を内蔵してなり、
    該加熱手段は、請求項1〜6のいずれか一項に記載のセラミックヒータであることを特徴とするガスセンサ。
JP2007237015A 2007-09-12 2007-09-12 セラミックヒータ及びこれを内蔵するガスセンサ Pending JP2009068963A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007237015A JP2009068963A (ja) 2007-09-12 2007-09-12 セラミックヒータ及びこれを内蔵するガスセンサ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007237015A JP2009068963A (ja) 2007-09-12 2007-09-12 セラミックヒータ及びこれを内蔵するガスセンサ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2009068963A true JP2009068963A (ja) 2009-04-02

Family

ID=40605381

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007237015A Pending JP2009068963A (ja) 2007-09-12 2007-09-12 セラミックヒータ及びこれを内蔵するガスセンサ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2009068963A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009293989A (ja) * 2008-06-03 2009-12-17 Ngk Spark Plug Co Ltd セラミックヒータ及びガスセンサ
JP2014081296A (ja) * 2012-10-17 2014-05-08 Ngk Spark Plug Co Ltd ガスセンサ

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009293989A (ja) * 2008-06-03 2009-12-17 Ngk Spark Plug Co Ltd セラミックヒータ及びガスセンサ
JP2014081296A (ja) * 2012-10-17 2014-05-08 Ngk Spark Plug Co Ltd ガスセンサ

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP2472529B1 (en) Thermistor and method for producing same
JP4570091B2 (ja) 積層型ガスセンサ素子及びガスセンサ
JP4014623B2 (ja) ガスセンサ
US7078659B2 (en) Corrosion resistance structure of ceramic heater and gas sensor equipped with same
EP3187863B1 (en) Sensor substrate, sensor substrate with lead, and sensor device
JP2006171013A (ja) セラミックヒータ、積層型ガスセンサ素子及び積層型ガスセンサ素子を備えるガスセンサ
US8623188B2 (en) Gas sensor
JP4383897B2 (ja) 積層型ガスセンサ素子の製造方法
US8359905B2 (en) Ceramic heater and gas sensor including the same
US10504638B2 (en) Thermistor and device using thermistor
JP2009068963A (ja) セラミックヒータ及びこれを内蔵するガスセンサ
JP6227300B2 (ja) ヒータおよびガスセンサ素子
JP2004004072A (ja) 測定センサ
JP2015180861A (ja) 感温素子及び温度センサ
JP3934993B2 (ja) セラミックヒータ及びその製造方法
US8058592B2 (en) Ceramic heater, gas sensor, and method of producing ceramic heater
JP6462408B2 (ja) センサ基板および検出装置
JP5931692B2 (ja) ガスセンサ
JP2005072282A (ja) 配線基板
WO2018012101A1 (ja) ガスセンサ
JP2016085141A (ja) センサ基板、センサ装置およびセンサ基板の製造方法
JP2005183462A (ja) 配線基板
JP2006153703A (ja) ガスセンサ
JP2009070819A (ja) セラミックヒータ、及びそれを内蔵したガスセンサ素子並びにガスセンサ
WO2005002279A1 (ja) セラミックヒータおよびその製造方法