JP2009210531A - ガスセンサ素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】被測定ガス側リード部の基材への接合信頼性に優れたガスセンサ素子を提供しようとするものである。
【解決手段】固体電解質体2と、固体電解質体2の一方の面及び他方の面にそれぞれ形成した被測定ガス側電極31及び基準ガス側電極32とを有するガスセンサ素子1。固体電解質体2の一方の面には、被測定ガス側電極31に電気的に接続した被測定ガス側リード部33が、絶縁層4を介して形成されている。被測定ガス側電極31と固体電解質体2とは、互いに同一のセラミック材料を含有してなる。被測定ガス側リード部33と絶縁層4とは、互いに同一のセラミック材料を含有してなる。
【選択図】図1

Description

本発明は、被測定ガス中の特定ガス濃度を検出するためのガスセンサ素子に関する。
被測定ガス中の特定ガス濃度を検出するためのガスセンサ素子は、例えば、固体電解質体と、該固体電解質体の一方の面及び他方の面にそれぞれ形成した被測定ガス側電極及び基準ガス側電極とを有する(特許文献1、2参照)。
かかるガスセンサ素子においては、固体電解質体は板棒形状を有し、その先端部付近に被測定ガス側電極及び基準ガス側電極を設けている。なお、本明細書においては、ガスセンサを内燃機関の排気管等に挿入する側を先端側、その反対側を基端側として説明する。
また、固体電解質体における基端部付近に外部端子と電気的に接続するための一対の電極パッドが形成されている。そして、被測定ガス側電極と一方の電極パッドとの間には、両者を電気的に接続する被測定ガス側リード部が配設されており、基準ガス側電極と他方の電極パッドとの間には、両者を電気的に接続する基準ガス側リード部が配設されている。
また、被測定ガス側電極は固体電解質体における一方の面に直接形成するが、被測定ガス側リード部と固体電解質体との間には、絶縁層を介在させることにより、被測定ガス側リード部における電気化学的反応が生じないようにする。
例えば、固体電解質体がジルコニアからなり絶縁層がアルミナからなる場合、被測定ガス側電極は、固体電解質体との接合強度を確保すべく、白金等の貴金属とジルコニアとの混合材料によって構成され、被測定ガス側リード部及び電極パッドは、通常、被測定ガス側電極と同一材料にて構成する。すなわち、通常、被測定ガス側電極と被測定ガス側電極と電極パッドとは、同一の導電ペーストによって連続して形成されるため、これらの材質は同一のものとなる。
特開2007−114216号公報 特開2007−42615号公報
しかしながら、被測定ガス側リード部は、上記のごとくアルミナからなる絶縁層の表面に形成されるため、被測定ガス側電極と同じ材料、すなわち白金とジルコニアとの混合材料によって形成されると、絶縁層との間の結合力を充分に得ることが困難となるおそれがある。また、絶縁層と被測定ガス側リード部との間の熱収縮率差等により両者間に応力が発生するおそれがある。その結果、場合によっては、被測定ガス側リード部の剥離を招くおそれもある。
本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので、被測定ガス側リード部の基材への接合信頼性に優れたガスセンサ素子を提供しようとするものである。
本発明は、固体電解質体と、該固体電解質体の一方の面及び他方の面にそれぞれ形成した被測定ガス側電極及び基準ガス側電極とを有するガスセンサ素子であって、
上記固体電解質体の一方の面には、上記被測定ガス側電極に電気的に接続した被測定ガス側リード部が、絶縁層を介して形成されており、
上記被測定ガス側電極と上記固体電解質体とは、互いに同一のセラミック材料を含有してなり、
上記被測定ガス側リード部と上記絶縁層とは、互いに同一のセラミック材料を含有してなることを特徴とするガスセンサ素子にある(請求項1)。
次に、本発明の作用効果につき説明する。
上記ガスセンサ素子においては、上記被測定ガス側電極と上記固体電解質体とが互いに同一のセラミック材料を含有してなり、上記被測定ガス側リード部と上記絶縁層とが互いに同一のセラミック材料を含有してなる。そのため、上記被測定ガス側電極と上記固体電解質体との接合強度を充分に確保しつつ、上記被測定ガス側リード部と上記絶縁層との接合強度をも向上させることができる。
また、上記被測定ガス側電極と上記固体電解質体との間の焼成収縮率の差を小さくすると共に、上記被測定ガス側リード部と上記絶縁層との間の焼成収縮率の差を小さくすることができる。そのため、被測定ガス側電極の剥離を防ぎつつ、被測定ガス側リード部の剥離を充分に抑制することができる。
それ故、被測定ガス側リード部の基材への接合信頼性を向上させることができる。
以上のごとく、本発明によれば、被測定ガス側リード部の基材への接合信頼性に優れたガスセンサ素子を提供しようとするものである。
本発明(請求項1)において、上記ガスセンサ素子としては、例えば、自動車エンジン等の各種内燃機関の排気管に設置して、排ガス等の被測定ガス中の酸素濃度に応じた限界電流値によって空燃比を測定するA/Fセンサ、排気ガス中の酸素濃度を測定する酸素センサ、また排気管に設置する三元触媒の劣化検知等に利用するNOx等の大気汚染物質濃度を調べるNOxセンサ等に用いるものがある。
また、上記被測定ガス側リード部は、貴金属と上記セラミック材料との混合材料からなることが好ましい(請求項2)。
この場合には、上記被測定ガス側リード部の導電性を向上させることができる。
また、上記被測定ガス側リード部は、上記貴金属に対する上記セラミック材料の混合割合が5体積%以上の混合材料からなることが好ましい(請求項3)。
この場合には、上記被測定ガス側リード部と上記絶縁層との間の接合強度を充分に大きくすることができる。
また、上記貴金属に対する上記セラミック材料の混合割合は、65体積%以下であることが好ましい。65体積%を超えてセラミック材料の混合割合を大きくすると、被測定ガス側リード部の導電性を充分に確保するために被測定ガス側リード部の厚みを大きくする必要が生じる。その結果、ガスセンサ素子の製造コストの上昇を招くおそれがある。
また、上記被測定ガス側リード部は、白金、又は白金とパラジウム、ロジウム、イリジウム、ルテニウムの少なくとも一種以上との合金である白金合金に、アルミナを混合した混合材料からなり、上記絶縁層は、アルミナを主成分としてなることが好ましい(請求項4)。
この場合には、上記被測定ガス側リード部の導電性を充分に向上させることができると共に、上記絶縁層と上記被測定ガス側リード部との間の接合強度を充分に向上させることができる。
また、上記被測定ガス側リード部は、互いに上記セラミック材料の含有率の異なる複数のリード層からなることが好ましい(請求項5)。
この場合には、上記被測定ガス側リード部の他の層への接合強度を向上させると共に導電性を向上させることができる。すなわち、上記セラミック材料の含有率の高い層において、他の層との接合強度を確保し、上記セラミック材料の含有率の低い層において、導電性を確保することができる。
また、上記絶縁層の上記固体電解質体とは反対側の面には、上記被測定ガス側電極を覆うように形成された多孔質拡散抵抗層が積層されていると共に、該多孔質拡散抵抗層を覆うように形成された遮蔽層が積層されており、該遮蔽層は、上記絶縁層と同じセラミック材料を含有しており、上記遮蔽層は上記被測定ガス側リード部の少なくとも一部を覆うように形成されており、上記複数のリード層のうち、上記絶縁層に最も近い第1リード層よりも、上記遮蔽層に最も近い第2リード層における上記セラミック材料の含有率が大きいことが好ましい(請求項6)。
この場合には、上記被測定ガス側リード部の導電性を確保しつつ、被測定ガス側リード部と遮蔽層との接合強度を向上させることができる。すなわち、上記第1リード層によって導電性を確保し、上記第2リード層によって上記遮蔽層との間の接合強度を向上させることができる。
たとえば、上記ガスセンサ素子を製造する際には、以下の製造工程を採用することができる。すなわち、上記固体電解質体の一方の面に設けた絶縁層に、導電ペーストを印刷して被測定ガス側リード部を形成する。次いで、これらを乾燥させた後、この積層体に対して、被測定ガス側リード部の表面を覆うように遮蔽層を積層して焼結させることによって、遮蔽層を固体電解質体等と一体化する。このとき、絶縁層には導電ペーストの状態で被測定ガス側リード部を印刷するため、両者の間の接合強度は比較的高くしやすい。ところが、一旦乾燥させた被測定ガス側リード部の上に積層した遮蔽層と被測定ガス側リード部との間の接合強度は比較的低くなりやすい。そこで、遮蔽層との接合面を構成する第2リード部に、遮蔽層に含有されるセラミック材料を多く含有させることにより、遮蔽層と被測定ガス側リード部との間の接合強度を向上させることができる。
(実施例1)
本発明の実施例にかかるガスセンサ素子につき、図1〜図5を用いて説明する。
本例のガスセンサ素子1は、図1〜図3に示すごとく、固体電解質体2と、該固体電解質体2の一方の面及び他方の面にそれぞれ形成した被測定ガス側電極31及び基準ガス側電極32とを有する。
固体電解質体2の一方の面には、被測定ガス側電極31に電気的に接続した被測定ガス側リード部33が、絶縁層4を介して形成されている。
被測定ガス側電極31と固体電解質体2とは、互いに同一のセラミック材料を含有してなる。
また、被測定ガス側リード部33と絶縁層4とは、互いに同一のセラミック材料を含有してなる。
被測定ガス側リード部33は、貴金属とセラミック材料との混合材料からなり、貴金属に対するセラミック材料の混合割合が5〜65体積%である。具体的には、被測定ガス側リード部33は、白金又は白金合金にアルミナを混合した混合材料からななり、白金又は白金合金に対するアルミナの混合割合が5〜65体積%である。ここで、上記白金合金は、白金とパラジウム、ロジウム、イリジウム、ルテニウムの少なくとも一種以上との合金である。
また、絶縁層4は、アルミナを主成分としてなる。具体的には、絶縁層4におけるアルミナの含有率は、例えば90体積%以上である。
また、被測定ガス側電極31は、白金又は白金合金にジルコニアを混合した混合材料からなり、白金又は白金合金に対するジルコニアの混合割合は38〜70体積%である。
また、絶縁層4の膜厚は5〜40μmであり、被測定ガス側リード部33の膜厚は5〜40μmである。また、被測定ガス側電極31の膜厚は3〜20μmである。
固体電解質体2は、ジルコニアを主成分としてなる。具体的には、固体電解質体2におけるジルコニアの含有率は、例えば90体積%以上である。
絶縁層4は、一部に開口部41を設けてなり、この開口部41の形成位置に被測定ガス側電極31が配設されている。これにより、被測定ガス側電極31は、固体電解質体2の表面に直接形成され、被測定ガス側リード部33は、絶縁層4を介して固体電解質体2の表面に形成されることとなる。
また、固体電解質体2の表面には、被測定ガス側電極31を覆うように多孔質拡散抵抗層11が形成されている。多孔質拡散抵抗層11は、ガス透過性を有する多孔質のアルミナ発泡成形体からなる。また、多孔質拡散抵抗層11を覆うように、多孔質拡散抵抗層11における固体電解質体2と反対側の面には、遮蔽層12が形成されている。遮蔽層12は、アルミナを主成分とする緻密な層であり、ガス透過性を有しない。
また、多孔質拡散抵抗層11の先端側と基端側には多孔質拡散抵抗層11と同じ厚みの接着層13が形成されている。接着層13は、絶縁層4と遮蔽層12との間に介在され、両者を接着する役割を有する。接着層13は、アルミナを主成分としてなる。
また、ガスセンサ素子1の基端部付近における絶縁層4の表面には、外部電極との電気的接続を図るための一対の電極パッド351、352が形成されている。一方の電極パッド351は、被測定ガス側リード部33と接続されている。他方の電極パッド352は、絶縁層4及び固体電解質体2にそれぞれ設けたスルーホール42、22を介して、固体電解質体2の反対側の面に形成された基準ガス側リード部34と接続されている。該基準ガス側リード部34は、その先端側において基準ガス側電極32と接続されている。基準ガス側リード部34は、基準ガス側電極32と同じ材料からなる。
また、固体電解質体2における基準ガス側電極32を設けた側の面には、基準ガスとしての大気を導入するチャンバを形成するためのチャンバ形成層14が積層されている。更に、チャンバ形成層14における固体電解質体2と反対側の面に、セラミックヒータ15が積層されている。セラミックヒータ15は、アルミナからなるヒータ基板151の表面に発熱体152及び一対のヒータリード部153を形成してなる。発熱体152及びヒータリード部153は、チャンバ形成層14とヒータ基板151との間に挟持される。また、ヒータ基板151の基端部におけるチャンバ形成層14と反対側の面に、一対のヒータ端子154が形成され、該ヒータ端子154は、スルーホール155を介してヒータリード部153の基端部に接続されている。
ガスセンサ素子1は、図5に示すようなガスセンサ5に内蔵されて、内燃機関の排気系に取り付けられ、使用される。
すなわち、ガスセンサ5は、ガスセンサ素子1と、該ガスセンサ素子1を内側に保持する素子保持用絶縁碍子51と、該素子保持用絶縁碍子51を内側に保持し排気管に取り付けるためのハウジング52とを有する。ハウジング52の先端側には、ガスセンサ素子1を保護するための二重の素子カバー53が固定されている。
素子保持用絶縁碍子51の基端側には、ガスセンサ素子1の電極パッド351、352及びヒータ端子154に接触させるためのバネ端子54を内側に保持した端子保持用絶縁碍子55が配設されている。バネ端子54は外部リード56を介して外部電極に電気的に接続されている。
また、ハウジング52の基端側には、端子保持用絶縁碍子55を覆うように形成された大気側カバー57が固定されており、大気側カバー57の基端部は、ゴムブッシュ58によって閉塞されている。
上記ガスセンサ素子1を製造するに当たっては、図2に示すごとく、固体電解質体2の一方の表面に、アルミナペーストを印刷して絶縁層4を形成する。そして、絶縁層4の開口部41の形成位置における固体電解質体2の表面に、被測定ガス側電極31を形成するための導電ペーストを印刷する。この導電ペーストは、白金又は白金合金にジルコニアを混合したものからなる。
また、絶縁層4の表面には、被測定ガス側リード部33及び電極パッド351、352を形成するための導電ペーストを印刷する。この導電ペーストは、白金又は白金合金にアルミナを混合したものからなる。また、この導電ペーストに含まれる溶剤等の有機材料も、上記絶縁層4を形成するためのアルミナペーストのものと同じである。
また、固体電解質体2における反対側の面に、基準ガス側電極32及び基準ガス側リード部34を形成するための導電ペーストを印刷する。この導電ペーストは、白金又は白金合金にジルコニアを混合したものからなる。
また、多孔質拡散抵抗層11及びその先端側と基端側とに配される接着層13を一方の面に配置した遮蔽層12を、被測定ガス側電極31及び被測定ガス側リード部33の一部を覆うように配設する。このとき、被測定ガス側電極31は多孔質拡散抵抗層11によって覆われ、被測定ガス側リード部33の一部は接着層13によって覆われるようにする。
また、接着層13は、予め遮蔽層12にアルミナペーストを印刷したものであるが、このアルミナペーストは、上記絶縁層4のアルミナペーストと同様である。
また、ヒータ基板151に導電ペーストを印刷して、発熱部152、ヒータリード部153、ヒータ端子154を形成したセラミックヒータ15の未焼成体を、チャンバ形成層14を介して、固体電解質体2における基準ガス側電極32を形成した側の面に積層する。
以上のように各セラミックシートを積層してなる未焼積層体を得、これを焼成して、図4に示すようなガスセンサ素子1を得る。
次に、本例の作用効果につき説明する。
上記ガスセンサ素子1においては、被測定ガス側電極31と固体電解質体2とが互いに同一のセラミック材料であるジルコニアを含有してなり、被測定ガス側リード部33と絶縁層4とが互いに同一のセラミック材料であるアルミナを含有してなる。そのため、被測定ガス側電極31と固体電解質体2との接合強度を充分に確保しつつ、被測定ガス側リード部33と絶縁層4との接合強度をも向上させることができる。
また、被測定ガス側電極31と固体電解質体2との間の焼成収縮率の差を小さくすると共に、被測定ガス側リード部33と絶縁層4との間の焼成収縮率の差を小さくすることができる。そのため、被測定ガス側電極31の剥離を防ぎつつ、被測定ガス側リード部33の剥離を充分に抑制することができる。
それ故、被測定ガス側リード部33の基材への接合信頼性を向上させることができる。
また、被測定ガス側リード部33は、貴金属(白金又は白金合金)に対するセラミック材料(アルミナ)の混合割合が5体積%以上の混合材料からなるため、被測定ガス側リード部33と絶縁層4との間の接合強度を充分に大きくすることができる。
また、貴金属(白金又は白金合金)に対するセラミック材料(アルミナ)の混合割合は、65体積%以下であるため、被測定ガス側リード部33の厚みを薄くすることが可能となり、製造コストを低減することができる。すなわち、65体積%を超えてセラミック材料(アルミナ)の混合割合を大きくすると、被測定ガス側リード部33の導電性を充分に確保するために被測定ガス側リード部33の厚みを大きくする必要が生じる。その結果、ガスセンサ素子1の製造コストの上昇を招くおそれがある。
以上のごとく、本例によれば、被測定ガス側リード部の基材への接合信頼性に優れたガスセンサ素子を提供しようとするものである。
(実施例2)
本例は、図6〜図8に示すごとく、被測定ガス側リード部33が互いにセラミック材料(アルミナ)の含有率の異なる2つのリード層からなるガスセンサ素子1の例である。
そして、2層のリード層のうち、絶縁層4に近い第1リード層331よりも、遮蔽層12に近い第2リード層332におけるセラミック材料(アルミナ)の含有率が大きい。
例えば、第1リード層331におけるアルミナの含有率を、貴金属(白金又は白金合金)に対して40体積%以下とし、第2リード層332におけるアルミナの含有率を、貴金属(白金又は白金合金)に対して40〜60体積%とする。
また、第1リード層331及び第2リード層332の膜厚は、それぞれ5〜40μmである。
また、図6に示すごとく、被測定ガス側リード部33と接続される電極パッド351も、セラミック材料(アルミナ)の含有率の異なる二種類のパッド層からなる。すなわち、電極パッド351は、絶縁層4に近い側の第1パッド層351aと、遮蔽層12に近い側の第2パッド層351bとからなる。第1パッド層351aは、第1リード層331と共に形成され、第1リード層331と同一材料からなる。第2パッド層351bは、第2リード層332と共に形成され、第2リード層332と同一材料からなる。
本例のガスセンサ素子1の製造方法は、実施例1のガスセンサ素子の製造方法と基本的に同様であるが、被測定ガス側リード部33と電極パッド351とを形成するに当たって組成の異なる二種類の導電ペーストを印刷する点において差異がある。
すなわち、絶縁層4の表面に被測定ガス側リード部33及び電極パッド351を形成する際には、まず、第1リード層331及び第1パッド層351aを形成するための導電ペーストを印刷する。この導電ペーストは、白金又は白金合金に対するアルミナの混合割合が40体積%以下である。
次いで、第1リード層331及び第1パッド層351aの上に、第2リード層332及び第2パッド層351bを形成するための導電ペーストを印刷する。この導電ペーストは、第1リード層331及び第1パッド層351aのための導電ペーストよりもアルミナの混合割合が高く、白金又は白金合金に対するアルミナの混合割合が40〜60体積%である。
その他は、実施例1と同様である。
本例の場合には、被測定ガス側リード部33の遮蔽層12への接合強度を向上させると共に導電性を向上させることができる。すなわち、セラミック材料(アルミナ)の含有率の高い第2リード層332において、遮蔽層12との接合強度を確保し、セラミック材料(アルミナ)の含有率の低い第1リード層331において、導電性を確保することができる。
また、特に、絶縁層4に近い第1リード層331よりも、遮蔽層12に近い第2リード層332におけるセラミック材料(アルミナ)の含有率が大きいため、被測定ガス側リード部33の導電性を確保しつつ、被測定ガス側リード部33と遮蔽層12との接合強度を向上させることができる。すなわち、第1リード層331によって導電性を確保し、第2リード層332によって遮蔽層12との間の接合強度を向上させることができる。
すなわち、上記のごとく、ガスセンサ素子1を製造するに当たっては、固体電解質体2の一方の面に設けた絶縁層4に、導電ペーストを印刷して被測定ガス側リード部33を形成する。次いで、これらを乾燥させた後、この積層体に対して、被測定ガス側リード部33の表面を覆うように遮蔽層12を積層して焼結させることによって、遮蔽層12を固体電解質体2等と一体化する。このとき、絶縁層4には導電ペーストの状態で被測定ガス側リード部33を印刷するため、両者の間の接合強度は比較的高くしやすい。ところが、一旦乾燥させた被測定ガス側リード部33の上に積層した遮蔽層12と被測定ガス側リード部33との間の接合強度は比較的低くなりやすい。本例においては、遮蔽層12における固体電解質体2側の面に接着層13を印刷してあるが、この場合にも、同様に、接着層13と被測定ガス側リード部33との間の接合強度は低くなりやすい。
そこで、遮蔽層12との接合面を構成する第2リード層332に、遮蔽層12及び接着層33に含有されるセラミック材料(アルミナ)を多く含有させることにより、遮蔽層12と被測定ガス側リード部33との間の接合強度を向上させることができる。
その他、実施例1と同様の作用効果を有する。
なお、上記接着層13を設けることなく、遮蔽層12と被測定ガス側リード部33とが直接接触する場合においては、特に第2リード層332を設けることによる遮蔽層12と被測定ガス側リード部33との接合強度向上効果を発揮することができる。
また、上記被測定ガス側リード部33を遮蔽層12側に印刷した後、固体電解質体2と積層して焼成するという工程を採用する場合には、遮蔽層12側(接着層13側)の第2リード層332よりも、固体電解質体2側(絶縁層4側)の第1リード層331のアルミナ含有量を大きくすることが好ましい。これにより、被測定ガス側リード部33と絶縁層4との接合強度を充分に確保することができる。
また、被測定ガス側リード部33は、3層以上のリード層によって構成することもできる。この場合、最も固体電解質体2(絶縁層4)に近いリード層が第1リード層331となり、最も遮蔽層12(接着層13)に近いリード層が第2リード層332となる。そして、この場合にも、上記と同様の作用効果を得ることができる。
(実施例3)
本例は、図9、図10に示すごとく、実施例1に示したガスセンサ素子1において、被測定ガス側リード部33のアルミナの混合割合と、絶縁層4に対する被測定ガス側リード部33の接合強度との関係について調べた例である。
すなわち、まず、図9に示すごとく、セラミックシート61の表面に金属膜62を形成した試料を用意した。セラミックシート61は、実施例1のガスセンサ素子1の絶縁層4と同一材料からなり、アルミナの含有量が90体積%以上である。また、金属膜62は、実施例1のガスセンサ素子1の被測定ガス側リード部33を想定したものであり、その膜厚は5〜40μmである。
金属膜62は、白金、又は白金とアルミナとの混合材料からなり、白金に対するアルミナの混合割合を、0〜65体積%まで変化させた。具体的には、アルミナの混合割合を0体積%、5体積%、30体積%、65体積%とした、4水準の試料を、各水準で5個ずつ用意した。
これらの試料における金属膜62の表面に、開口部631を有するマスク63を配置した。この開口部631は、一辺が1.5〜2.0mmの正方形状を有する。この開口部631内において金属膜62の表面に接着剤64を塗布して、ナット65を接着した。そして、セラミックシート61を試料台(図示略)に固定した状態で、ナット65に係合させたワイヤー66を上方へ徐々に引き上げることにより、その引張り強度を測定した。この測定は、オートグラフを用いて測定した。
そして、金属膜がセラミックシートから剥離したときの引張り強度と、剥離面積とから、セラミックシート61に対する金属膜62の接着強度を算出した。
各水準の複数の試料についての測定結果の上限値、下限値、及び平均値を、図10に示す。
同図から、アルミナを混合させない場合に比べて、アルミナの混合割合を5体積%以上とすることにより、接着強度が大きく向上することが分かる。そして、過去の知見から、ガスセンサ素子の被測定ガス側リード部において、接着強度が25MPa(図10におけるラインL)以上であれば、剥離を防ぐことができることが分かっている。これに対して、アルミナの混合割合を5体積%以上としたときの接着強度の下限値も、大幅に25MPaを上回っている。このことから、アルミナの混合割合を5体積%以上とすることにより、被測定ガス側リード部の接合信頼性を充分に確保することができることが分かる。
実施例1における、ガスセンサ素子の展開図。 図1のA−A線矢視断面相当のガスセンサ素子の断面図。 図1のB−B線矢視断面相当のガスセンサ素子の断面図。 実施例1における、ガスセンサ素子の斜視図。 実施例1における、ガスセンサの縦断面図。 実施例2における、ガスセンサ素子の展開図。 図6のC−C線矢視断面相当のガスセンサ素子の断面図。 図6のD−D線矢視断面相当のガスセンサ素子の断面図。 実施例3における、引張り試験方法の説明図。 実施例3における、接着強度の測定結果を示す線図。
符号の説明
1 ガスセンサ素子
11 多孔質拡散抵抗層
12 遮蔽層
2 固体電解質体
31 被測定ガス側電極
32 基準ガス側電極
33 被測定ガス側リード部
4 絶縁層

Claims (6)

  1. 固体電解質体と、該固体電解質体の一方の面及び他方の面にそれぞれ形成した被測定ガス側電極及び基準ガス側電極とを有するガスセンサ素子であって、
    上記固体電解質体の一方の面には、上記被測定ガス側電極に電気的に接続した被測定ガス側リード部が、絶縁層を介して形成されており、
    上記被測定ガス側電極と上記固体電解質体とは、互いに同一のセラミック材料を含有してなり、
    上記被測定ガス側リード部と上記絶縁層とは、互いに同一のセラミック材料を含有してなることを特徴とするガスセンサ素子。
  2. 請求項1において、上記被測定ガス側リード部は、貴金属と上記セラミック材料との混合材料からなることを特徴とするガスセンサ素子。
  3. 請求項2において、上記被測定ガス側リード部は、上記貴金属に対する上記セラミック材料の混合割合が5体積%以上の混合材料からなることを特徴とするガスセンサ素子。
  4. 請求項2又は3において、上記被測定ガス側リード部は、白金、又は白金とパラジウム、ロジウム、イリジウム、ルテニウムの少なくとも一種以上との合金である白金合金に、アルミナを混合した混合材料からなり、上記絶縁層は、アルミナを主成分としてなることを特徴とするガスセンサ素子。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項において、上記被測定ガス側リード部は、互いに上記セラミック材料の含有率の異なる複数のリード層からなることを特徴とするガスセンサ素子。
  6. 請求項5において、上記絶縁層の上記固体電解質体とは反対側の面には、上記被測定ガス側電極を覆うように形成された多孔質拡散抵抗層が積層されていると共に、該多孔質拡散抵抗層を覆うように形成された遮蔽層が積層されており、該遮蔽層は、上記絶縁層と同じセラミック材料を含有しており、上記遮蔽層は上記被測定ガス側リード部の少なくとも一部を覆うように形成されており、上記複数のリード層のうち、上記絶縁層に最も近い第1リード層よりも、上記遮蔽層に最も近い第2リード層における上記セラミック材料の含有率が大きいことを特徴とするガスセンサ素子。
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