JP4693381B2 - 配線基板およびその製造方法 - Google Patents

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本発明は、たとえばDNA(デオキシリボ核酸)やたんぱく質などの検体を照合、合成、増幅するための溝付きの配線基板等において、配線基板での諸反応温度を正確に安定して計測でき、DNA解析の信頼性の向上や照合時間を短縮させることができる配線基板に関するものである。
従来から、DNAやたんぱく質などの検体を解析、照合、合成、増幅するための溝付きの配線基板として、セラミックスから成る絶縁基体に配線導体や溝加工を施した配線基板が知られている。
このような、配線基板は、セラミックグリーンシート(セラミック生シートで、以下、グリーンシートともいう)積層法によって以下のように製作される。まず、アルミナ等から成るセラミック原料粉末にガラス粉末,有機バインダー,溶剤,可塑剤等を添加混合して泥漿状となし、これをドクターブレード法やカレンダーロール法等によってシート状に成形してグリーンシートを得、流路や泳動路となる溝や穴をプレス打抜き加工法等によって形成する。さらに、層間を貫通する貫通導体の形成ための微細な穴をプレス打抜き加工法等によって形成し、タングステン(W),モリブデン(Mo)等の金属粉末に所望のガラス粉末,有機バインダー,溶剤,可塑剤等を添加混合して得られる金属ペーストを埋込む。その後、グリーンシート表面にタングステン(W)、モリブデン(Mo)等の金属粉末に所望のガラス粉末,有機バインダー,溶剤,可塑剤等を添加混合して得られる金属ペーストをスクリーン印刷法により所定パターンに印刷塗布する。しかる後、このグリーンシートを複数枚積層して積層体となすとともに、この積層体を1650℃程度の温度で焼成することによって製作される。
また、このような、DNAの解析、照合用等に使用する配線基板は、DNAの2鎖を1鎖に分解する分鎖作業を行なうために加熱機能と測温機能が必要となる。加熱機能は、一般に、配線基板内部に高抵抗材料の白金−レニウム(Pt−Re)やタングステン−レニウム(W−Re)から成るヒーターによって形成される。
また、測温機能は、アルメル−クロメル熱電対、鉄(Fe)−コンスタンタン熱電対、クロメル−コンスタンタン熱電対、白金−白金ロジウム合金熱電対等の熱電対の素線を、配線基板の温度測定部近傍に穴を設け、その穴に線状の熱電対を挿入し温度測定を行なう方法、配線基板上に熱電対の取付け治具をロウ材や耐熱性接着剤等を用いて接合し、その取付け治具に線状の熱電対を固定し温度測定を行なう方法、または軟化点が350〜500℃程度の低軟化点ガラスや耐熱性接着剤等を用いて配線基板に直接固定し温度測定を行なう方法等が一般的に行なわれている。
しかしながら、これらの熱電対を配線基板に直接取付ける方法においては、配線基板上において熱電対を取付けるための面積を確保する必要があり、小型化、高密度化が進む配線基板においては熱電対を取付けるための面積が確保できないため、これらの方法を用いるのは困難な状況になりつつある。特に、DNAなどの検体を照合、合成、増幅するための溝付きの配線基板においては、検体を液状の試薬中で泳動させるための溝の幅が小型化により年々細くなってきており、熱電対の素線を配線基板の表面に取付けるための面積は確保できなくなる傾向にある。また、強酸性、強アルカリ性の化学薬品による処理が検体を照合、合成、増幅する過程において施されるために、金属のロウ材や取付け金具は化学薬品により侵食されるので使用に制限が生じる。
そこで、近年、配線基板内部に熱電対を形成する方法として、アルミナ等から成るグリーンシートに、配線導体としてタングステン(W)、モリブデン(Mo)等の金属ペーストを、熱電対として白金と白金−ロジウム合金との金属ペーストを印刷形成してグリーンシートを積層し、1650℃程度で焼成する方法が実施されるようになっている。
特開昭54−137141号公報 特開平11−214127号公報
しかしながら、上記従来の配線基板内部に熱電対を形成する方法においては、熱電対として白金−白金ロジウム合金熱対を用いているので、DNA解析における検体の分解温度や、ICチップの自己発熱温度または使用環境温度である300℃以下の温度において、発生する起電力が100〜2400μV程度と小さい。そのため、電圧計測機器の配線や接続線等により発生するノイズや使用雰囲気によるドリフトにより測定精度が安定せず
、測定起電力に補正を加えて使用することが必要であるという問題点があった。
この問題点を解決する手段として、300℃時の起電力が12209μVであり、白金(Pt)−白金ロジウム合金(Pt−Rh)熱電対の約5倍の大きな起電力を得ることが可能であり、電圧計測機器の配線や接続線等により発生するノイズに起電力値が埋もれることが無く補正を加えなくても安定した測定精度が得られる、アルメル−クロメル熱電対や鉄(Fe)−コンスタンタン熱電対、クロメル−コンスタンタン熱電対等の比較的低融点金属からなる熱電対を使用することが考えられる。しかしながら、これらの比較的低融点金属からなる熱電対は、それを構成する金属の融点が900〜1700℃程度であることから、使用限界温度が800〜1000℃程度である。その結果、従来のアルミナ等から成るグリーンシートに、配線導体としてタングステン(W)、モリブデン(Mo)等の金属ペーストを、熱電対として白金と白金ロジウム合金の金属ペーストを印刷形成してグリーンシートを積層し、1650℃程度で焼成する方法においては、熱電対の金属接点において金属の相互拡散が進み熱電対としての機能を失ってしまうという問題点があった。
また、アルメル−クロメル熱電対を例にとると、この熱電対の基本組成を成す金属はニッケル(Ni)であるが、ニッケルは空気中で加熱すると酸素と結合し酸化ニッケル(NiO)を形成していく。この酸化過程において、950℃以下では酸素欠陥を有した酸化ニッケル(NiO1.2)を形成するが、これは酸化膜が薄く、欠陥を有しているので金属ニッケル(Ni)としての性質を維持している。しかしながら、950℃を超えるとニッケル(Ni)の酸化が進み酸化ニッケル(NiO)を形成し、これは酸化膜の欠陥がほとんど無く抵抗率が10Ωcmと非常に高いため、金属ニッケル(Ni)としての特性を示さない。そのため、配線基板内部で異種金属組成の内層配線導体や貫通導体と接合する場合、この酸化ニッケル膜が非常に安定であり不活性であるために、内層配線導体や貫通導体と構造的および電気的に接続できず絶縁するという問題点もあった。
さらに、従来の1650℃程度で焼成して得られる、内部に熱電対を形成した配線基板では、配線基板の配線導体や貫通導体には溶融せずに粉体焼結が可能な高融点金属であるタングステン(W)やモリブデン(Mo)が使用されているが、このタングステン(W)やモリブデン(Mo)は抵抗率が5.20〜5.65μΩcmと高いために、配線基板内部で熱電対と異種金属組成の内層配線導体や貫通導体と接合し起電力の引き出し配線とする場合、ゼーベック効果で発生する熱電対の起電力が異種金属組成の内層配線導体や貫通導体で熱となり、取り出せる起電力が計測機器側で低くなるという問題点もあった。
本発明は、上記従来技術の問題点を解決すべく完成されたものであり、その目的は、熱電対を内蔵した配線基板において、配線基板の使用温度域である300℃以下での温度測定を行なった場合に、計測機器の配線や接続線等により発生するノイズや使用雰囲気によるドリフトによって測定精度低下が発生せず、測定起電力に補正を加えることもなく安定した測定が可能となり、また、配線基板に搭載されるICチップの熱による誤動作や動作停止を容易に防止し、さらに、化学薬品の処理に対しても安定した特性を維持することが可能な熱電対を内蔵した配線基板を得ることにある。
本発明の配線基板は、複数の絶縁層が積層されて成る絶縁基板と、前記絶縁層の層間および前記絶縁層の表面に形成された配線導体と、前記絶縁層に形成された溝と、該溝が形成された前記絶縁層と前記絶縁層の下の前記絶縁層との層間に形成され、前記配線導体に電気的に接続される熱電対とを具備しており、前記絶縁層はガラスセラミックスから成り、前記配線導体は、銀、銅またはそれを主成分とする合金から成るとともに、前記熱電対との接続部に銀(Ag)、パラジウム(Pd)、白金(Pt)、金(Au)またはそれらの少なくとも1種を含む合金から成る接続配線部が形成されており、前記熱電対は、アルメル−クロメル熱電対,鉄−コンスタンタン熱電対およびクロメル−コンスタンタン熱電対のうち少なくとも1つから成ることを特徴とするものである。
本発明の配線基板の製造方法は、複数の絶縁層が積層されて成る絶縁基板と、前記絶縁層の層間および前記絶縁層の表面に形成された配線導体と、前記絶縁層に形成された溝と、該溝が形成された前記絶縁層と前記絶縁層の下の前記絶縁層との層間に形成され、前記配線導体に電気的に接続される熱電対と、前記配線導体と前記熱電対との接続部に形成され、銀、パラジウム、金またはそれらの少なくとも1種を含む合金から成る接続配線部とを具備した配線基板の製造方法であって、前記熱電対は、アルメル−クロメル熱電対,鉄−コンスタンタン熱電対およびクロメル−コンスタンタン熱電対のうち少なくとも1つから成り、前記配線導体と前記熱電対との接続部に接続配線部を形成するとともに、前記絶縁層と前記配線導体と前記熱電対と前記接続配線部とを950℃以下の温度で同時焼成して形成することを特徴とするものである。
本発明の配線基板は好ましくは、前記配線導体は、前記絶縁層を貫通して形成された貫通導体を含むことを特徴とするものである。
本発明の配線基板は、950℃以下の比較的低温で焼成できるガラスセラミックスを絶縁層として用いたことから、工業用として最も多く使用され、使用限界温度が800〜1000℃で熱電対の金属接点において金属の相互拡散が進み熱電対としての機能を失う、アルメル−クロメル熱電対や鉄(Fe)−コンスタンタン熱電対、クロメル−コンスタンタン熱電対等の比較的低融点金属からなる起電力が大きい熱電対を使用することができる。その結果、ICチップが搭載される配線基板における使用温度域である300℃以下で熱電対の起電力が小さいために発生する、計測機器の配線や接続線等により発生するノイズや使用雰囲気によるドリフトにより、測定精度が安定しないという問題は発生しない。併せて測定起電力に補正を加え使用する必要もない。
また、本発明の配線基板は、950℃以下の比較的低温で焼成できるガラスセラミックスを絶縁層として用いたことから、1000℃以上の焼成では溶融し配線導体や貫通導体を形成することができない、銀(Ag)、銅(Cu)の低融点金属を焼結して配線導体や貫通導体として形成することができる。その結果、配線導体や貫通導体として銀、銅を用いたことから、抵抗率が1.59〜1.67μΩcmと低いものとすることができるため、異種金属組成の配線導体や貫通導体と接合し起電力の引き出し配線とする場合にも起電力値が計測機器側で低くなることなく使用することができる。
また、本発明の配線基板は、配線導体や貫通導体は、熱電対との接続部に銀(Ag)、パラジウム(Pd)、白金(Pt)、金(Au)またはそれらの少なくとも1種を含む合金から成る接続配線部が形成されていることから、熱電対の基本的組成を成す金属であるニッケルと配線導体や貫通導体との間に酸化ニッケルが形成されず、これらを良好に接合できる。
本発明の配線基板は好ましくは、絶縁層を貫通して形成された貫通導体を含むことから、熱電対の起電力を外部に引き出す場合に、配線導体よりもさらに短距離で貫通導体によって引き出すことが可能であり、配線抵抗値が低くなるために熱電対の起電力を正確に測定機器に伝えることが可能となる。また、配線導体と貫通導体とで並行して起電力を取り出すことにより、4端子法での起電力測定が可能となり、さらに正確な測定を行うことができるという作用効果がある。
以上より、DNAやたんぱく質などの検体を照合、合成、増幅するための溝付きの配線基板において、配線基板上での諸反応温度を正確に安定して計測できるため、検体の照合不良や合成不良、増幅率低下が発生するという問題を防止できるので、DNA解析の信頼性を向上させることができ、照合時間を短縮させることが可能となる。
本発明の配線基板を以下に説明する。図1、図2は本発明の配線基板の実施の形態の一例を示し、図1の(a)は内層の構成を一部示す部分切欠斜視図、(b)は斜視図である。図2の(a),(b)は配線基板の断面図である。図1および図2において、1は複数の絶縁層が積層されて成る絶縁基、2は絶縁基板1の上側の主面に形成された配線導体
、3は内層配線導体、4は貫通導体、5は線状の熱電対素線である。また、6は熱電対に接合され、熱電対の起電力を外部へ引き出す引き出し配線、7は熱電対と引き出し配線6との間の接続配線部、8は耐薬品性の保護膜を有するICチップ、9はDNAやたんぱく質を泳動させる溝である。
本発明において、絶縁層1はガラスセラミックス、所謂ガラスセラミックス質焼結体から成る。ガラスセラミックス質焼結体は、ガラス成分とフィラー成分とから成るが、ガラス成分としては、例えばSiO−B系、SiO−B−Al系、SiO−B−Al−MO系(但し、MはCa,Sr,Mg,BaまたはZnを示す)、SiO−Al−MO−MO系(但し、MおよびMは同じまたは異なっており、Ca,Sr,Mg,BaまたはZnを示す)、SiO−B−Al−MO−MO系(但し、MおよびMは上記と同じである)、SiO−B−M O系(但し、MはLi、NaまたはKを示す)、SiO−B−Al−M O系(但し、Mは上記と同じである)、Pb系ガラス、Bi系ガラス等が挙げられる。
また、フィラー成分としては、例えばAl,SiO,ZrOとアルカリ土類金属酸化物との複合酸化物、TiOとアルカリ土類金属酸化物との複合酸化物、AlおよびSiOから選ばれる少なくとも1種を含む複合酸化物(例えばスピネル,ムライト,コージェライト)等が挙げられる。
配線導体2、内層配線導体3は、例えば、金(Au),銀(Ag),パラジウム(Pd),白金(Pt),ニッケル(Ni),銅(Cu)等の金属の粉末を主成分とするメタライズ金属からなる。このメタライズ金属は、上記金属の粉末を含む導体ペーストを焼結させることにより得られるが、導体ペーストの焼成収縮とガラスセラミックスの焼成収縮とを合わせたり、ガラスセラミックス質焼結体から成る絶縁基板1との接合強度を確保したりするために、導体ペースト中にガラス粉末やセラミック粉末を添加してもよい。また、配線導体2、内層配線導体3および貫通導体4は、それぞれ添加するガラス粉末やセラミック粉末の種類および添加量が異なっていてもよい。
貫通導体4は、例えば、銀(Ag),パラジウム(Pd),白金(Pt),銅(Cu)等の金属の粉末を主成分とするメタライズ金属からなる。このメタライズ金属は、上記金属の粉末を含む導体ペーストを焼結させることにより得られるが、導体ペーストの焼成収縮とガラスセラミックスの焼成収縮とを合わせたり、ガラスセラミックス質焼結体から成る絶縁基板1との接合強度を確保したりするために、導体ペースト中にガラス粉末やセラミック粉末を添加してもよい。また、貫通導体4を絶縁層1より突出させる場合の手法は種々使われているが、本発明においては金属の粉末平均粒径(D50)を10〜20ミクロン程度とし焼結収縮量を絶縁層1より小さくする手法を用いた。
また、一般的な手法として結晶化度が80%以上で結晶化温度が絶縁層1の焼結収縮開始温度より低いガラス粉末を添加しガラスの結晶化によって焼結収縮量を小さくすることもできる。
線状の熱電対素線5は、例えばアルメル−クロメル熱電対や鉄(Fe)−コンスタンタン熱電対、クロメル−コンスタンタン熱電対等が挙げられるが、特に工業用として最も多く使用されているアルメル−クロメル熱電対が最良の結果が得られた。
線状の熱電対素線5と接合され、熱電対5の起電力を外部へ引き出すための引き出し配線6は、例えば、銀、銅等の金属の粉末を主成分とするメタライズ金属からなる。このメタライズ金属は、上記金属の粉末を含有する導体ペーストを焼結させることにより得られるが、導体ペーストの焼成収縮とガラスセラミックスの焼成収縮とを合わせたり、ガラスセラミックス質焼結体から成る絶縁基板1との接合強度を確保したりするために、導体ペースト中にガラス粉末やセラミック粉末を添加してもよい。
線状の熱電対5と引き出し配線6との間の接続配線部7は、例えば、銀(Ag)、パラジウム(Pd)、白金(Pt)、金(Au)またはそれらの少なくとも1種を含む合金からなる。この接続配線部7は、線状の熱電対5の周囲にめっき法や蒸着法、印刷法等より形成される。接続配線部7は、線状の熱電対5の感温部、すなわちアルメルとクロメルとの接合部には形成してはならない。これは、例えばアルメルとクロメルにまたがって導電性物質が接触すると、アルメルとクロメルとの電位差がなくなり、起電力が発生せず、熱電対として機能しなくなるためである。
ここで、下記表1および図3のグラフは、本発明の配線基板においてアルメル−クロメル熱電対を用いた場合の−40℃〜300℃での起電力曲線を測定した結果を示しており、起電力の理論値とほぼ一致した特性を得ることができた。
Figure 0004693381
そして、本発明の配線基板は以下のようにして作製される。本発明の配線基板の絶縁基板1がガラスセラミックス質焼結体から成る場合、まずセラミック粉末,ガラス粉末等の原料粉末に所望の有機バインダー,可塑剤,有機溶剤等を添加混合して泥漿状となし、これを従来周知のドクターブレード法やカレンダーロール法によりシート状に成形してグリーンシートを作製する。また、銅、銀等の低融点金属の粉末に所望の有機溶剤,溶媒を添加混合して導体ペーストを作製する。
次に、DNAやたんぱく質を泳動させる溝9を形成するために、溝パターンが凸状に形成された金型等を用いて、50〜150℃の温度と3〜200MPaの圧力でグリーンシートを加圧し、グリーンシートの表面に所定パターンの溝を形成する。
次に、溝を形成したグリーンシートに、例えば打ち抜き法により貫通導体4を形成するための貫通孔を形成し、例えばスクリーン印刷法によりその貫通孔に導体ペーストを充填する。続いて、配線導体2や内層配線導体3、引き出し配線6となる導体ペースト層を、各セラミックグリーンシートの表面に所定パターンで印刷塗布する。
次に、溝を形成したグリーンシートの下層にあたるグリーンシートに、例えば打ち抜き法により貫通導体4を形成するための貫通孔を形成し、例えばスクリーン印刷法によりその貫通孔に導体ペーストを充填する。続いて、配線導体2や内層配線導体3、引き出し配線6となる導体ペースト層を、各セラミックグリーンシートの表面に所定パターンで印刷塗布する。
次に、熱電対素線の所定位置に接続配線部7を形成するために、めっき法やプリント法等によってパラジウム膜を形成する。しかる後、導体ペーストが印刷塗布された溝を形成したグリーンシートの下層にあたるグリーンシート上の引き出し配線6や上層の貫通導体4が積層される所定位置に、パラジウム膜が形成された熱電対素線を位置決めして搭載し、その後、3〜200MPaの圧力でグリーンシートを加圧し熱電対をグリーンシートに固定する。
次に、溝を形成したグリーンシートと、その下層にあたるグリーンシートとを重ねて積層し、必要に応じて50〜100℃の温度で3〜200MPaの圧力で圧着し、約800〜950℃の温度で焼成する。
その後、絶縁基板1の主面に露出する配線導体2や引き出し配線6の表面に、腐食防止等のためにニッケルめっきやパラジウムめっきおよび金めっき等を被着させるとよい。
上記のようにして製造された本発明の配線基板は、複数の絶縁層が積層されて成る絶縁基板1と、絶縁層の層間および絶縁層の表面に形成された配線導体2や貫通導体4と、配線導体2や貫通導体4に電気的に接続される熱電対とを具備し、絶縁層はガラスセラミックスから成り、配線導体2や貫通導体4は、銀、銅またはそれを主成分とする合金から成るとともに、熱電対との接続部に銀、パラジウム、白金、金またはそれらの少なくとも1種を含む合金から成る接続配線部7が形成されているものとなる。これにより、DNAなどの検体を照合、合成、増幅するための溝付きの配線基板において、配線基板上での諸反応温度を正確に安定して計測できるため、検体の照合不良や合成不良、増幅率低下が発生するという問題を防止できるので、DNA解析の信頼性を向上でき、照合時間を短縮させることが可能となる。
本発明において、図2(b)に示すように、配線基板は、絶縁層を貫通して形成された貫通導体4を含むことから、熱電対の起電力を外部に引き出す場合に、配線導体2よりもさらに短距離で貫通導体4によって引き出すことが可能であり、配線抵抗値が低くなるために熱電対の起電力を正確に測定機器に伝えることが可能となる。また、配線導体2と貫通導体4とで並行して起電力を取り出すことにより、4端子法での起電力測定が可能となり、さらに正確な測定を行うことができるという効果がある。
なお、本発明の配線基板は、貫通導体4の少なくとも熱電対と接続される側の端部を絶縁層よりも突出したものとすることもでき、この場合、焼成時の絶縁層と貫通導体4との収縮差に起因して貫通導体4が熱電対に押し付けられる力が発生し突出部に集中することとなり、この力が焼成の温度上昇により発生する熱電対表面の酸化膜を機械的に破壊することとなる。その結果、配線基板内の貫通導体4と熱電対との電気的な接続をさらに確実なものとすることができる。
またこの場合、貫通導体4の端部を配線基板の表面に突出させると、フリップチップの実装端子として使用可能である。通常、フリップチップ実装の場合、突出した半田等からなる端子を半導体チップ側に形成することが必要だが、本発明においては配線基板の端子が突出していることとなるから、半導体チップ側に端子を形成することが不要となる。また、図2(b)のように配線基板の突出した端子(貫通導体4上の配線導体2)が金属メタライズ層から成るため、通常の半田端子よりも強靭な端子を形成することできるという効果がある。
なお、本発明は上述の実施の形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変更は可能である。
本発明の配線基板の実施の形態の一例を示し、(a)は配線基板の内層の構成を一部示す部分切欠斜視図、(b)は配線基板の斜視図である。 (a),(b)はそれぞれ本発明の配線基板の実施の形態の一例を示す断面図である。 本発明の配線基板について、アルメル−クロメル熱電対を用いた場合の起電力曲線を測定した結果を示すグラフである。
符号の説明
1:絶縁基板
2:配線導体
3:内層配線導体
4:貫通導体
5:熱電対素線
6:引き出し配線
7:接続配線部
8:ICチップ
9:溝

Claims (3)

  1. 複数の絶縁層が積層されて成る絶縁基板と、前記絶縁層の層間および前記絶縁層の表面に形成された配線導体と、前記絶縁層に形成された溝と、該溝が形成された前記絶縁層と前記絶縁層の下の前記絶縁層との層間に形成され、前記配線導体に電気的に接続される熱電対とを具備しており、前記絶縁層はガラスセラミックスから成り、前記配線導体は、銀、銅またはそれを主成分とする合金から成るとともに、前記熱電対との接続部に銀、パラジウム、金またはそれらの少なくとも1種を含む合金から成る接続配線部が形成されており、前記熱電対は、アルメル−クロメル熱電対,鉄−コンスタンタン熱電対およびクロメル−コンスタンタン熱電対のうち少なくとも1つから成ることを特徴とする配線基板。
  2. 複数の絶縁層が積層されて成る絶縁基板と、前記絶縁層の層間および前記絶縁層の表面に形成された配線導体と、前記絶縁層に形成された溝と、該溝が形成された前記絶縁層と前記絶縁層の下の前記絶縁層との層間に形成され、前記配線導体に電気的に接続される熱電対と、前記配線導体と前記熱電対との接続部に形成され、銀、パラジウム、金またはそれらの少なくとも1種を含む合金から成る接続配線部とを具備した配線基板の製造方法であって、前記熱電対は、アルメル−クロメル熱電対,鉄−コンスタンタン熱電対およびクロメル−コンスタンタン熱電対のうち少なくとも1つから成るとともに、前記絶縁層と前記配線導体と前記熱電対と前記接続配線部とを950℃以下の温度で同時焼成して形成することを特徴とする配線基板の製造方法。
  3. 前記配線導体は、前記絶縁層を貫通して形成された貫通導体を含むことを特徴とする請求項1記載の配線基板。
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