JP4422581B2 - ガスセンサ - Google Patents

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Description

本発明は、板状のセンサ素子を備えるガスセンサに関し、特に、多孔質状電極部とセンサ電極取出部とこれらを電気的に結ぶセンサリード部とを有するセンサ素子を備えるガスセンサに関する。
従来より、多孔質状電極部とセンサ電極取出部とこれらを電気的に結ぶセンサリード部とを有するセンサ素子を備えるガスセンサが知られている。例えば、特許文献1にこのようなガスセンサの一例が開示されている。このような公知のガスセンサでは、多孔質状電極部及びこれに接続するセンサリード部がPtに代表される貴金属により形成されている。貴金属を利用する理由は以下の通りである。即ち、多孔質状電極部は、触媒作用が要求されると共に、実使用においてガスに接触しても酸化し難い耐酸化性が要求されるからである。また、センサリード部については、電極部が多孔質状であるが故にガスが電極内部に汲み込まれ、更にセンサリード部にも接触するため、実使用においてガスに接触しても酸化し難い耐酸化性が要求されるからである。
特公平7−81982号公報
しかしながら、PtやRh、Pdといった貴金属は非常に高価であるため、センサ素子、ひいてはガスセンサの高コスト化を招いている。そこで、多孔質状電極部やセンサリード部を安価な卑金属に代替したい。しかしながら、卑金属には触媒作用がなく、また、実使用においてガスに晒されると酸化されやすいため、ガスが接触する多孔質状電極部を卑金属を主体に形成することはできない。また、上記のようにガスは多孔質状電極部を通じてセンサリード部にも接触するため、センサリード部を単純に卑金属を主体に形成することもできない。
本発明は、かかる現状に鑑みてなされたものであって、信頼性を確保した状態で、従来よりもセンサ素子を安価にし、ガスセンサを安価にできるガスセンサを提供することを目的とする。
その解決手段は、板状のセンサ素子を備えるガスセンサであって、前記センサ素子は、耐酸化性を有し多孔質状をなす多孔質状電極部と、少なくとも一部がセンサ素子外部に露出するセンサ電極取出部と、一端が前記多孔質状電極部に電気的に接続すると共に、他端が前記センサ電極取出部に電気的に接続するセンサリード部と、を有し、前記センサリード部の一部は、卑金属を主体とし、センサ素子内部に気密に埋設された卑金属部であり、前記センサリード部のうち、前記卑金属部よりも前記多孔質状電極部側の少なくとも一部は、耐酸化性を有すると共にガス不透過性を有する第1耐酸化緻密部であるガスセンサである。
本発明によれば、センサ素子に形成されたセンサリード部の一部は、卑金属を主体とする卑金属部である。このため、センサリード部全体を貴金属を主体に形成していたセンサ素子に比してセンサ素子を安価にし、その結果、ガスセンサを安価にできる。
しかしながら、単にセンサリード部の一部を卑金属部としただけでは、前述したように、多孔質状電極部に汲み込まれたガスがセンサリード部に侵入し、卑金属部がガスに接触して酸化することで、センサリード部の導体抵抗の増大を招き、適切なガス検知ができなくなる恐れがある。
この問題に対し、本発明では、この卑金属部を直接ガスに接触しないようにセンサ素子内部に気密に埋設した上で、センサリード部のうち、この卑金属部よりも多孔質状電極部側の少なくとも一部に、耐酸化性を有すると共にガス不透過性を有する第1耐酸化緻密部を設けている。このため、多孔質状電極部に汲み込まれたガスが第1耐酸化緻密部を通過して卑金属部に達することは防止される。従って、実使用時において、卑金属部がガスに接触して酸化することを防止できる。また、第1耐酸化緻密部自身は耐酸化性を有するので、これにガスが接触しても酸化し難い。
このように、本発明では、センサリード部の酸化を防止しつつその一部を卑金属を主体に形成することで、信頼性を確保した上で、センサリード部を安価にし、ひいてはガスセンサを安価にできる。
なお、本明細書において「耐酸化性を有する」とは、その導体を大気中に400℃で100時間晒したときに、導体抵抗が初期値に対して150%を超えて上昇しないことを言う。
「多孔質状電極部」は、耐酸化性を有し多孔質状をなすものであればよく、その形状や材質は特に限定されないが、Pt,Au,Ru,Rh,Pd,Ir等の貴金属を少なくとも1種を含有しているものが好ましい。このうちPtは、耐酸化性に優れ、触媒作用も良好であり、更に融点が高いため最適である。また、その数も特に限定されないが、通常は、基準多孔質状電極部と検出多孔質状電極部からなる一対の多孔質状電極部が形成される。
「センサ電極取出部」は、少なくとも一部がセンサ素子外部に露出し、外部との電気的接続に利用可能であればよく、その形態や材質は特に限定されない。また、その数も特に限定されないが、通常は、多孔質状電極部が一対形成されるため、センサ電極取出部も一対形成される。
「センサリード部」は、一端が多孔質状電極部に電気的に接続すると共に、他端がセンサ電極取出部に電気的に接続するリード部であり、その形態は特に限定されない。例えば、センサリード部全体が同一平面上に存在する線状のリード部でも、或いは、センサリード部の一部にビア導体を含み、三次元的に延びるリード部でもよい。また、その数も特に限定されないが、通常は、多孔質状電極部及びセンサ電極取出部が一対形成されるため、センサリード部も一対形成される。なお、センサリード部が複数存在する場合には、それら全部に本発明を適用することもできるし、1つ或いは一部に本発明を適用することもできる。
「卑金属部」は、卑金属を主体とし、ガスに直接触れないようにセンサ素子内部に気密に埋設されていればよく、その形状や材質は特に限定されない。なお、本明細書において、「卑金属を主体とする」とは、卑金属を50wt%より多く含有することを指す。
「耐酸化緻密部」は、卑金属部よりも多孔質状電極部側に設けられ、耐酸化性を有すると共にガス不透過性を有するものであればよく、その形状や材質は特に限定されない。例えば、貴金属を用いて緻密に形成すればよい。
更に、上記のガスセンサであって、前記第1耐酸化緻密部は、貴金属−卑金属合金からなるガスセンサとすると良い。
前述したように、第1耐酸化緻密部は、貴金属を用いれば形成できる。しかし、貴金属は非常に高価であるのでその使用量を抑えたい。
これに対し、本発明では、第1耐酸化緻密部を貴金属−卑金属合金から形成している。従って、卑金属を利用する分だけ、貴金属の使用量を減らし、第1耐酸化緻密部を安価にできる。その結果、ガスセンサを安価にできる。
更に、上記のいずれかに記載のガスセンサであって、前記センサ素子は、酸素イオン伝導性を有する固体電解質部と、前記固体電解質部を挟むようにして形成された一対の前記多孔質状電極部とを有しており、前記多孔質状電極部の一つとして、センサ素子内部に閉塞され、前記固体電解質部を介して酸素が汲み込まれることにより内部基準極として機能する基準多孔質状電極部を有し、前記センサ素子は、この基準多孔質状電極部に汲み込まれた酸素を、前記卑金属部を経由することなくセンサ素子外部に放出する多孔質状のガス放出路を有するガスセンサとすると良い。
本発明では、多孔質状電極部の一つとして、センサ素子内部に閉塞され、固体電解質部を介して酸素が汲み込まれることにより内部基準極として機能する基準多孔質状電極部を有する。このような基準多孔質状電極部を有する従来のガスセンサにおいては、基準多孔質状電極部に汲み込まれた酸素は、多孔質状に形成したセンサリード部を通じて外部に放出することが可能であった。
しかし、本発明では、センサリード部の一部を第1耐酸化緻密部としているので、基準多孔質状電極部に汲み込まれた酸素をセンサリード部を通じて外部に放出できない。従って、酸素が基準多孔質状電極部に過剰に溜まってその圧力でセンサ素子が破損する恐れがある。
これに対し、本発明では、このような酸素を卑金属部を経由することなくセンサ素子外部に放出する多孔質状のガス放出路を設けている。従って、基準多孔質状電極部に汲み込まれた酸素は、ガス放出路を通じてセンサ素子外部に放出されるため、センサ素子が破損することを防止できる。
更に、上記のいずれかに記載のガスセンサであって、前記センサ素子は、前記多孔質状電極部及び前記センサリード部の一部を有するセンサ基板と、前記センサ電極取出部及び前記センサリード部の一部を有するリード基板と、前記センサ基板と前記リード基板とを接合する接合層と、前記センサリード部の一部をなし、前記センサ基板に形成された前記センサリード部と前記リード基板に形成された前記センサリード部とを電気的に接続する接続部と、を有し、前記多孔質状電極部及び前記センサ基板に形成された前記センサリード部は、貴金属を主体とし、前記リード基板に形成された前記センサリード部は、前記卑金属部であり、前記接続部は、前記第1耐酸化緻密部であるガスセンサとすると良い。
本発明によれば、センサ素子は、多孔質状電極部及びセンサリード部の一部を有するセンサ基板と、センサ電極取出部及びセンサリード部の一部を有するリード基板と、これらの基板を接合する接合層と、センサ基板のセンサリード部とリード基板のセンサリード部とを接続する接続部とを有する。そして、多孔質状電極部及びセンサ基板のセンサリード部は、貴金属を主体としている。また、リード基板のセンサリード部は、卑金属部である。更に、接続部は、第1耐酸化緻密部である。
このようなセンサ素子は、センサ基板に形成された多孔質状電極部とセンサリード部が貴金属を主体に形成されているので、これらの導体をセンサ基板と同時焼成により形成できる。従って、センサ基板とリード基板を別々に焼成し、両基板を接合層を介して接合すれば、貴金属主体の導体と卑金属主体の導体とを有するセンサ素子を容易に製造できる。また、接続部(第1耐酸化緻密部)は、センサ基板とリード基板との接合の際に形成すればよいので、第1耐酸化緻密部の形成も容易にできる。なお、本明細書において、「貴金属を主体とする」とは、貴金属を50wt%より多く含有することを指す。
更に、上記のガスセンサであって、前記接続部は、前記接合層によって気密に取り囲まれてなるガスセンサとすると良い。
本発明によれば、接続部(第1耐酸化緻密部)が接合層によっても気密に保たれるので、接続部のガス不透過性を更に向上させることができる。従って、卑金属部の酸化を更に確実に防止できる。
更に、上記のいずれかに記載のガスセンサであって、前記リード基板は、卑金属を主体とする発熱部と、前記発熱部に電気的に接続し、卑金属を主体とするヒータリード部と、を有するガスセンサとすると良い。
前述したように、リード基板のセンサリード部は、卑金属を主体としている。更に、本発明では、リード基板に発熱部とヒータリード部が形成されているが、これらも卑金属を主体としている。このため、これらの導体(センサリード部、発熱部及びヒータリード部)を容易に同時焼成によって形成できる。
なお、「発熱部」は、卑金属を主体とするものであればよく、その形状等は特に限定されない。また、その数も特に限定されないが、通常は1つである。
「ヒータリード部」は、発熱部に電気的に接続し、卑金属を主体とするものであればよく、その形状等は特に限定されない。また、その数も特に限定されないが、通常、1つの発熱部に接続する一対のヒータリード部が形成される。
更に、上記のいずれかに記載のガスセンサであって、前記多孔質状電極部及び前記センサリード部は、一体焼成されてなるガスセンサとすると良い。
本発明によれば、多孔質状電極部及びセンサリード部が一体焼成されてなる。このため、センサ素子を複数の基板(例えば、前述したようにセンサ基板とリード基板)に分けなくて済むので、センサ素子及びガスセンサを安価に製造できる。
更に、上記のガスセンサであって、前記センサ素子は、卑金属を主体とする発熱部と、前記発熱部に電気的に接続し、卑金属を主体とするヒータリード部と、有し、これら発熱部及びヒータリード部も、前記多孔質状電極部及び前記センサリード部と共に一体焼成されてなるガスセンサとすると良い。
本発明によれば、センサ素子は、発熱部とヒータリード部を有するが、これら発熱部及びヒータリード部も、多孔質状電極部及びセンサリード部と共に一体焼成されてなる。このため、センサ素子を複数の基板(例えば、センサ基板とヒータ基板)に分けなくて済むので、センサ素子及びガスセンサを安価に製造できる。
更に、上記のいずれかに記載のガスセンサであって、前記センサ電極取出部は、少なくともガスに接触する部分が耐酸化性を有し、前記センサリード部のうち、前記卑金属部よりも前記センサ電極取出部側の一部は、耐酸化性を有すると共にガス不透過性を有する第2耐酸化緻密部であるガスセンサとすると良い。
実使用した際にセンサ電極取出部が高温に晒されるガスセンサでは、ガスがセンサ電極取出部に接触して酸化する恐れがある。また、センサリード部のうち、センサ電極取出部側の部分にガスが接触するガスセンサでは、同様にセンサリード部が酸化する恐れがある。
この問題に対し、本発明では、センサ電極取出部のうち、少なくともガスに接触する部分を耐酸化性を有するようにしているので、センサ電極取出部の酸化を防止できる。また、センサリード部のうち、卑金属部よりもセンサ電極取出部側の一部を、耐酸化性を有すると共にガス不透過性を有する第2耐酸化緻密部としているので、ガスが卑金属部に接触することを防止し、卑金属部の酸化を確実に防止できる。また、第2耐酸化緻密部自身は、耐酸化性を有するため、酸化し難い。
更に、上記のいずれかに記載のガスセンサであって、前記センサ電極取出部は、少なくともガスに接触する部分が耐酸化性を有し、前記センサ電極取出部の少なくとも一部は、耐酸化性を有すると共にガス不透過性を有する第2耐酸化緻密部であり、この第2耐酸化緻密部は、前記センサリード部にガスが接触することを防止するように配設されてなるガスセンサとすると良い。
実使用した際にセンサ電極取出部が高温に晒されるガスセンサでは、ガスがセンサ電極取出部に接触して酸化する恐れがある。また、センサリード部のうち、センサ電極取出部側の部分にガスが接触するガスセンサでは、同様にセンサリード部が酸化する恐れがある。
この問題に対し、本発明では、センサ電極取出部のうち、少なくともガスに接触する部分を耐酸化性を有するようにしているので、センサ電極取出部の酸化を防止できる。また、センサ電極取出部の少なくとも一部を、耐酸化性を有すると共にガス不透過性を有する第2耐酸化緻密部とし、これをセンサリード部にガスが接触することを防止するように配設している。このため、ガスがセンサリード部に接触することを防止し、卑金属部の酸化を防止できる。また、第2耐酸化緻密部自身は、耐酸化性を有するので、酸化し難い。
更に、上記のガスセンサであって、前記センサ電極取出部は、前記センサリード部に電気的に接続するビア導体を有し、このビア導体が前記第2耐酸化緻密部であるガスセンサとすると良い。
本発明によれば、センサ電極取出部は、センサリード部に電気的に接続するビア導体を有し、このビア導体を第2耐酸化緻密部としている。このような構成とすることで、センサリード部にガスが接触して酸化することを容易に防止できる。
更に、上記のガスセンサであって、前記センサ電極取出部は、卑金属を主体とし、前記センサリード部に電気的に接続するビア導体と、このビア導体に電気的に接続し、センサ素子外部に露出するセンサ電極パッドと、を有し、前記センサ電極パッドの少なくとも一部が前記第2耐酸化緻密部であり、この第2耐酸化緻密部は、前記ビア導体にガスが接触することを防止するように配設されてなるガスセンサとすると良い。
本発明によれば、センサ電極取出部は、卑金属を主体とし、センサリード部に電気的に接続するビア導体と、このビア導体に電気的に接続し、センサ素子外部に露出するセンサ電極パッドとを有している。そして、センサ電極パッドの少なくとも一部が前記第2耐酸化緻密部であり、この第2耐酸化緻密部は、ビア導体にガスが接触することを防止するように配設されている。このような構成とすることで、ビア導体ひいてはセンサリード部にガスが接触してこれらが酸化することを容易に防止できる。
更に、上記のいずれかに記載のガスセンサであって、前記第2耐酸化緻密部は、貴金属−卑金属合金からなるガスセンサとすると良い。
前述したように、耐酸化性を有する緻密部は、貴金属を用いれば形成できる。しかし、貴金属は非常に高価であるのでその使用量を抑えたい。
これに対し、本発明では、第2耐酸化緻密部を貴金属−卑金属合金から形成している。従って、卑金属を利用する分だけ、貴金属の使用量を減らし、第2耐酸化緻密部を安価にし、ガスセンサを安価にできる。
更に、上記のいずれかに記載のガスセンサであって、卑金属は、W,Mo,Mn,Ti,Cr,Zrの少なくともいずれかを含むガスセンサとすると良い。
W、Mo、Mn、Ti、Cr、Zrは、安価で入手容易であるので、卑金属としてこれらの金属を利用するのが好適である。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しつつ説明する。
(実施形態1)
本実施形態に係るガスセンサ100について説明する。図1にガスセンサ100の破断断面図を示す。図1中、下方を先端側、上方を後端側とする。また、図2にガスセンサ100に組み込まれるセンサ素子200の分解斜視図を示す。更に、図3にセンサ素子200の後端側上部の部分断面図を示す。図2及び図3中、左方を先端側、右方を後端側とする。
このガスセンサ100は、自動車等の排気管に装着されて使用に供され、排気管内を流通する排気ガス中の酸素濃度を検出する酸素センサである。
ガスセンサ100は、自身の先端部を主体金具102の先端から突出させた状態で主体金具102に保持された板状のセンサ素子200を有する(図1参照)。まず、このセンサ素子200について、図2を参照しつつ詳述する。
センサ素子200は、基準酸素自己生成方式を採用して構成されている。センサ素子200は、一対の多孔質状電極部221,225、一対のセンサリード部223,227の先端部223p,227p等を有するセンサ基板210と、発熱部271、一対のヒータリード部273、センサリード部223,227の後端部223q,227q等を有するリード基板230と備え、これらセンサ基板210とリード基板230とは、接着層281を介して接合されている。
センサ基板210は、多孔質保護層211と第1アルミナ層213と固体電解質層215と第2アルミナ層217とがこの順序で積層されている。
このうち、多孔質保護層211は、アルミナからなる多孔質状のセラミック層であり、その外形は、長さ約10mm、幅約4.5mm、厚さ約0.625mmの矩形板状をなす。
第1アルミナ層213は、アルミナからなるセラミック層であり、その外形は、長さ約10mm、幅約4.5mm、厚さ約0.23mmの矩形板状をなす。この第1アルミナ層213の先端側(図2中、左側)の所定位置には、被測定ガスを後述する検知多孔質状電極部221へ通過させるための円形状の開口214(直径約2.5mm)が形成されている。
第1アルミナ層213の裏面(図2中、下側の面)側には、先端側に位置する検知多孔質状電極部221、及び、これに電気的に接続し後端側(図2中、右側)へ直線的に延びる第1センサリード部223の先端部223pが形成されている。
検知多孔質状電極部221は、Ptからなる多孔質状の電極であり、直径約2.6mmの円形状をなす。この検知多孔質状電極部221は、Ptからなるため、耐酸化性を有し、実使用において多孔質保護層211及び第1アルミナ層213の開口214を通じて内部に取り込まれたガスが接触しても導電を維持できる。
また、第1センサリード部223の先端部223pも、Ptからなる多孔質状のリードであり、長さ約5.4mm、幅約0.33mmである。この第1センサリード部223の先端部223pも、Ptからなるため、耐酸化性を有し、実使用において検知多孔質状電極部221を通じて取り込まれたガスが接触しても導電を維持できる。
固体電解質層215は、アルミナ(Al23)20wt%と、ジルコニア(ZrO2)72.42wt%と、イットリア(Y23)7.58wt%とからなる層であり、その外形は、直径約3.0mm、厚さ約0.1mmの円盤形状をなす。この固体電解質層215は、検知多孔質状電極部221と後述する基準多孔質状電極部225との間に介在している。
第2アルミナ層217は、第1アルミナ層213と同様、アルミナからなるセラミック層であり、その外形は、長さ約10mm、幅約4.5mm、厚さ約0.23mmの矩形板状をなす。この第2アルミナ層217の後端側の所定位置には、3つの開口218(直径約0.3mm)が幅方向に並んで形成されている。これら3つの開口218のうち、両端に位置する開口218には、Ptからなるビア導体223s,227sが充填形成されている。これらのビア導体223s,227sは、第1センサリード部223、第2センサリード部227の一部をなす。
第2アルミナ層217の表面(図2中、上側の面)側には、先端側で検知多孔質状電極部221と対向する基準多孔質状電極部225、及び、これに電気的に接続し後端側(図2中、右側)へ直線的に延びて更に内側に折れ曲がる第2センサリード部227の先端部227pが形成されている。
基準多孔質状電極部225は、検知多孔質状電極部221と同様、Ptからなる多孔質状の電極であり、直径約2.6mmの円形状をなす。この基準多孔質状電極部225も、Ptからなるため、耐酸化性を有し、実使用において多孔質保護層211、第1アルミナ層の開口214及び検知多孔質状電極部221を通じ、更に固体電解質層215で汲み込まれたガス(酸素)が接触しても導電を維持できる。
また、第2センサリード部227の先端部227pも、Ptからなる多孔質状のリードであり、長さ(長手方向の長さ)約5.4mm、幅約0.33mmである。この第2センサリード部227の先端部227pも、Ptからなるため、耐酸化性を有し、実使用において基準多孔質状電極部225に侵入したガスが接触しても導電を維持できる。
次に、リード基板230について説明する。リード基板230は、第3アルミナ層231と第4アルミナ層237と第5アルミナ層239とがこの順序で積層されている。
このうち、第3アルミナ層231は、アルミナからなるセラミック層であり、その外形は、長さ約40mm、幅約4.5mm、厚さ約0.23mmの矩形板状をなす。この第3アルミナ層231の中央よりも先端側の所定位置には、3つの開口232(直径約0.5mm)が幅方向に並んで形成されている。これらの開口232のうち、両端に配設された開口232には、それぞれWからなるビア導体223t,227tが充填形成されている。これらのビア導体223t,227tは、第1センサリード部223及び第2センサリード部227の一部をなす。また、第3アルミナ層231の後端側(図2中、右側)の所定位置には、2つの開口234(直径約0.3mm)が幅方向に並んで形成されている。これらの開口234にも、それぞれWからなるビア導体235が充填形成されている。これらのビア導体235は、センサ電極取出部256の一部をなす。
第3アルミナ層231の表面(図2中、上側の面)側には、ビア導体223t,227tの端面を覆うように厚さ約15μmの接続パッド223u,227uが形成されている。これらの接続パッド223u,227uは、ビア導体223t,227tの端面を直接覆う厚さ約10μmのタングステン層と、このタングステン層を覆う厚さ約2μmのNiメッキ層と、更にこのNiメッキ層を覆う厚さ約3μmのPt或いはAuメッキ層とからなる。これらの接続パッド223u,227uは、ビア導体223t,227tと共に、第1センサリード部223及び第2センサリード部227の一部をなす。
また、第3アルミナ層231の表面側には、図3に示すように、各々のビア導体235の端面を覆うように厚さ約15μmのセンサ電極パッド255も形成されている。これらセンサ電極パッド255も、ビア導体235の端面を直接覆う厚さ約10μmのタングステン層257と、このタングステン層257を覆う厚さ約2μmのNiメッキ層258と、更にこのNiメッキ層258を覆う厚さ約3μmのPt或いはAuメッキ層259とからなる。これらのセンサ電極パッド255は、ビア導体235と共にセンサ電極取出部256を構成している。センサ電極パッド255は、表面がPt或いはAuメッキ層259からなるため、ガス(大気)に接触する部分が耐酸化性を有し、ガス不透過性を有する。なお、このPt或いはAuメッキ層259が本発明の第2耐酸化緻密部に相当する。
第4アルミナ層237は、第3セラミック層231と同様、アルミナからなるセラミック層であり、その外形は、長さ約40mm、幅約4.5mm、厚さ約0.40mmの矩形板状をなす。第4アルミナ層237の表面(図2中、上側の面)側には、一端が第3セラミック層231の中央よりも先端側に配設されたビア導体223t,227tと電気的に接続し、直線状に後端側に延び、他端が第3セラミック層231の後端側に配設されたビア導体235と電気的に接続する、第1センサリード部223の後端部223q及び第2センサリード部227の後端部227qが形成されている。これら第1,第2センサリード部223,227の後端部223q,227qは、上述した第1,第2センサリード部223,227の先端部223p,227pとは異なり、卑金属であるWからなる。
更に、これら第1,第2センサリード部223,227の後端部223q,227qの間には、第4アルミナ層237の中央付近(開口232に対応する部分)から後端部まで(外部まで)直線状に延びるガス放出部261が形成されている。このガス放出部261は、絶縁性を有するセラミック(具体的には、アルミナ)からなり多孔質状をなす。
第5アルミナ層239は、第3セラミック層231等と同様、アルミナからなるセラミック層であり、その外形は、長さ約40mm、幅約4.5mm、厚さ約0.4mmの矩形板状をなす。この第5アルミナ層239の後端側(図2中、右側)の所定位置には、2つの開口240(直径約0.3mm)が幅方向に並んで形成されている。これらの開口240には、それぞれWからなるビア導体241が充填形成されている。これらのビア導体241は、ヒータ電極取出部266の一部をなす。
第5アルミナ層239の裏面(図2中、下側の面)側には、各々のビア導体241の端面を覆うように厚さ約15μmのヒータ電極パッド265が形成されている。これらのヒータ電極パッド265は、ビア導体241の端面を直接覆う厚さ約10μmのタングステン層と、このタングステン層を覆う厚さ約2μmのNiメッキ層と、更にこのNiメッキ層を覆う厚さ約3μmのPt或いはAuメッキ層とからなる。このヒータ電極パッド265は、ビア導体241と共に、ヒータ電極取出部266を構成している。
一方、第5アルミナ層239の表面(図2中、上側の面)側には、先端側に位置する発熱部271、及び、この両端にそれぞれ電気的に接続し、後端側へ直線状に延び、ビア導体241と電気的に接続する一対のヒータリード部273が形成されている。発熱部271は、Wからなる抵抗体であり、線幅が約0.27mmで蛇行状に形成されている。また、ヒータリード部273も、Wからなり、線幅は約0.85mmである。これら発熱部271及びヒータリード部273は、Wからなるため、実使用において高温下でガスに触れると酸化する恐れがある。しかし、これらの導体は、第4アルミナ層237と第5アルミナ層239との層間に気密に埋設されているため、ガスに接触することはなく、従って、酸化し難い。
このようなリード基板230と前述したセンサ基板210とは、接合層281を介して接合されている。
接合層281は、結晶化ガラスからなり、その外形は、長さ約10mm、幅約4.5mm、厚さ約5μmの矩形板状をなす。接合層281の後端側(図2中、右側)の所定位置には、3つの開口282(直径約0.7mm)が幅方向に並んで形成されている。これらの開口282は、センサ基板210の第2アルミナ層217に形成された3つの開口218と、リード基板230の第3セラミック層231に形成された3つの開口232とに対応する位置に形成されている。3つの開口282のうち、両端に位置する開口282には、Ag−5wt%Pdからなるロウ材が充填され接続部223r,227rを形成している。そして、これらの接続部223r,227rは、第1,第2センサリード部223,227の一部をなし、第1,第2センサリード部223,227の先端部223p,227pと後端部223q,227qとを電気的に接続している。接続部223r,227rは、第1耐酸化緻密部である。
このようなセンサ素子200は、次のようにして製造する。
まず、焼成後に第1〜第5アルミナ層213,217,231,237,239となる第1〜第5未焼成アルミナシートを作製する。具体的には、アルミナ粉末(純度99.99%以上、平均粒径0.3μm)97質量部と、イットリア5.4mol%共沈型ジルコニア(純度99%以上、平均粒径0.3μm)3質量部と、ブチラール樹脂14質量部と、ジブチルフタレート7質量部を配合し、更にトルエン及びメチルエチルケトンからなる混合溶媒を混合して、スラリーとする。そして、これをドクターブレード法によりシート状とし、トルエン及びエチルメチルケトンを揮発させて、第1〜第5未焼成アルミナシートを作製する。更に、第1未焼成アルミナシートには開口214を穿孔し、第2未焼成アルミナシートには開口218を穿孔し、第3未焼成アルミナシートには開口232,234を穿孔し、第5未焼成アルミナシートには開口240を穿孔する。
また一方で、焼成後に固体電解質層215となる未焼成固体電解質シートを作製する。具体的には、アルミナ粉末(純度99.99%以上、平均粒径0.3μm)20wt%と、ジルコニア72.42wt%と、イットリア7.58wt%と、ブチラール樹脂12wt%と、ジブチルフタレート6wt%とを配合し、更にトルエン及びメチルエチルケトンからなる混合溶媒を混合して、スラリーとする。そして、これをドクターブレード法によりシート状とし、トルエン及びメチルエチルケトンを揮発させて、未焼成固体電解質シートを作製する。
また他方で、焼成後に多孔質保護層211となる未焼成保護シートを作製する。具体的には、アルミナ粉末(純度99.99%以上、平均粒径0.3μm)100質量部と、カーボン粉末(真球状粒子、平均粒径5μm)22質量部と、ブチラール樹脂14質量部と、ジブチルフタレート7質量部とを配合し、更にトルエン及びメチルエチルケトンからなる混合溶媒を混合して、スラリーとする。そして、これをドクターブレード法によりシート状とし、トルエン及びメチルエチルケトンを揮発させて、未焼成保護シートを作製する。
次に、焼成後に検知多孔質状電極部221及び第1センサリード部223の先端部223pとなる第1センサパターンと、焼成後に基準多孔質状電極部225及び第2センサリード部227の先端部227pとなる第2センサパターンと、焼成後にビア導体223s,227sとなる未焼成ビア導体を形成する。具体的には、イットリア5.4mol%共沈型ジルコニア粉末(平均粒径0.3μm)20質量部と、Pt(平均粒径5μm〜8μm)100質量部と、エトセルバインダ7質量部とを配合し、更にブチルカルビトールを溶媒として混合して、導電性ペーストを得る。そして、この導電性ペーストを、第2未焼成アルミナシートに形成した3つの開口218のうち、両端の2つの開口218に充填印刷し、乾燥させて未焼成ビア導体を形成する。そして、未焼成第2アルミナシートの一方の面(表面となる面)に、この導電性ペーストを用いて第2センサパターンを20±10μmの厚さで印刷し、乾燥させる。続いて、第2センサパターンを形成した第2未焼成アルミナシートの一方の面に、未焼成固体電解質シートを事前にブチルカルビトールにて希釈した貼り合わせペーストを20μmの厚みで印刷し、その貼り合わせペースト上に固体電解質層215となる未焼成固体電解質シートを貼り合わせ、50℃、90秒間、35±5kg/cm2 の条件で真空圧着する。そして、未焼成固体電解質シートを積層した未焼成第2アルミナシートの一方の面に、上記導電性ペーストを用いて第1センサパターンを20±10μmの厚さで印刷し、乾燥させる。
次に、焼成後にセンサ基板210となるセンサ積層体を作製する。具体的には、アルミナ層用未焼成シートをブチルカルビトールにて希釈した貼り合わせペーストを用いて、未焼成固体電解質シートが積層された状態の第2未焼成アルミナシート、第1未焼成アルミナシート、未焼成保護シートを貼り合わせ、50℃、90秒間、35±5kg/cm2 の条件で真空圧着して一体化し、センサ積層体を作製する。
次に、このセンサ積層体を焼成してセンサ基板210を作製する。具体的には、センサ積層体を、大気雰囲気下、400℃で6時間加熱し、脱脂する。その後、これを、大気雰囲気下、1520℃で2時間焼成する。かくして、センサ基板210ができる。
次に、リード基板230を作製方法について説明する。まず、焼成後にビア導体223t,227t及びビア導体235となる未焼成ビア導体を形成する。また、焼成後に接続パッド223u,227uの一部となる接続パッドパターン、及び、焼成後にセンサ電極パッド255の一部となるセンサ電極パッドパターンを形成する。具体的には、W45vol%と、アルミナ8vol%と、ポリビニルブチラール樹脂20vol%と、溶剤27vol%とを混合して、高密度タングステン導電インクとする。そして、この高密度タングステン導電インクを、第3未焼成アルミナシートの中央よりも先端側の所定位置に形成した3つの開口232のうち、両端の2つの開口232と、このシートの後端付近に形成した2つの開口234とに充填印刷し、未焼成ビア導体を形成する。また、アルミナ粉末(純度99.99%以上、平均粒径0.3μm)3質量部とタングステン粉末100質量部とを配合し、エトセルバインダー6質量部を加え、更にブチルカルビトールを溶媒として混合し調製された導電性ペーストを使用し、第3未焼成アルミナシートの一方の面(表面となる面)に、未焼成ビア導体を覆うように所定形状に印刷し、乾燥させて、接続パッドパターン及びセンサ電極パッドパターンを形成する。
次に、焼成後に第1センサリード部223の後端部223qとなる第1センサリードパターンと、焼成後に第2センサリード部227の後端部227pとなる第2センサリードパターンを形成する。具体的には、アルミナ粉末(純度99.99%以上、平均粒径0.3μm)3質量部と、タングステン粉末100質量部と、エトセルバインダー6質量部とを配合し、更にブチルカルビトールを溶媒として混合して、導電性ペーストを調整する。そして、これを第4未焼成アルミナシートの一方の面(表面となる面)に印刷し、乾燥させて、第1センサリードパターン及び第2センサリードパターンを形成する。
次に、焼成後にガス放出路261となるガス放出パターンを形成する。具体的には、カーボン60vol%とアルミナ40vol%の混合物100質量部に、ポリビニルブチラール13質量部を配合し、ブチルカルビトールを溶媒として混合して、ペーストとする。そして、これを第4未焼成アルミナシートのうち、第1センサリードパターンと第2センサリードパターンとの間に印刷し、乾燥させて、ガス放出パターンを形成する。
次に、焼成後にビア導体241となる未焼成ビア導体を形成する。また、焼成後にヒータ電極パッド265の一部となるヒータ電極パッドパターンを形成する。具体的には、W45vol%と、アルミナ8vol%と、ポリビニルブチラール樹脂20vol%と、溶剤27vol%とを混合して、高密度タングステン導電インクを準備する。そして、この高密度タングステン導電インクを、第5未焼成アルミナシートの後端付近に形成した2つの開口240に充填印刷し、未焼成ビア導体を形成する。また、アルミナ粉末(純度99.99%以上、平均粒径0.3μm)3質量部とタングステン粉末100質量部とを配合し、エトセルバインダー6質量部を加え、更にブチルカルビトールを溶媒として混合し調製された導電性ペーストを使用し、第5未焼成アルミナシートの一方の面(裏面となる面)に、未焼成ビア導体を覆うように所定形状に印刷し、乾燥させて、ヒータ電極パッドパターンを形成する。
次に、焼成後に発熱部271となる発熱パターンと、焼成後にヒータリード部273となるヒータリードパターンを形成する。具体的には、アルミナ粉末(純度99.99%以上、平均粒径0.3μm)12質量部と、タングステン粉末100質量部と、エトセルバインダ8質量部とを配合し、更にブチルカルビトールを溶媒として混合して、導電性ペーストとする。そして、この導電性ペーストを、第5未焼成アルミナシートの一方の面(表面となる面)に印刷し、乾燥させて、発熱パターンを形成する。また、アルミナ粉末(純度99.99%以上、平均粒径0.3μm)3質量部と、タングステン粉末100質量部と、エトセルバインダ6質量部とを配合し、更にブチルカルビトールを溶媒として混合して、導電性ペーストとする。そして、この導電性ペーストを、第5未焼成アルミナシートの上記の面に印刷し、乾燥させて、ヒータリードパターンを形成する。
次に、焼成後にリード基板230となるリード積層体を作製する。具体的には、第3未焼成アルミナシートの一方の面(裏面となる面)、及び、第4未焼成アルミナシートの一方の面(裏面となる面)に、アルミナ層用未焼成シートをブチルカルビトールにて希釈した貼り合わせペーストを、20μmの厚みでそれぞれ印刷する。その後、第3未焼成アルミナシート、第4未焼成アルミナシート及び第5未焼成アルミナシートを貼り合わせ、50℃、90秒間、35±5kg/cm2 で真空圧着して一体化し、リード積層体を作製する。
次に、このリード積層体を焼成してリード基板230を作製する。具体的には、リード積層体を、大気雰囲気下、250℃で6時間加熱し、脱脂する。その後、これを、水素ウェッター注入雰囲気下、1540℃で4時間焼成する。
次に、リード基板230のうち、Wを主体とする、接続パッド223u,227uの一部をなすパターン、センサ電極パッド255の一部をなすパターン及びヒータ電極パッド265の一部をなすパターンのそれぞれに、Mo−Mnを核付けする。その後、Niメッキを施し、Wのパターン上にNiメッキ層を形成する。更に、これを焼き付けする(H2 炉800℃シンター)。次に、Ptメッキ或いはAuメッキを施し、Niメッキ層上にPtメッキ層或いはAuメッキ層を形成する。更に、これを焼き付けする(H2 炉800℃シンター)。このようにして、タングステン層、Niメッキ層及びAuメッキ層からなる、接続パッド223u,227u、センサ電極パッド255及びヒータ電極パッド265ができる。かくして、リード基板230ができる。
次に、センサ基板210とリード基板230を接合する。具体的には、SiO2−ZnO系のガラス粉末にポリビニルブチラール樹脂を配合し、更にブチルカルビトールを溶媒として混合して、ガラスペーストとする。そして、これをセンサ基板210の裏面に、開口218の部分を避けるようにして厚さ20μmで印刷する。次に、センサ基板210にある3つの開口218のうち、両端に位置する開口218に対応する部分に、ロウ材を印刷する。その後、ヒータ基板210とセンサ基板230を貼り合わせて乾燥させる。
次に、これを、大気雰囲気下、250℃で4時間、更に、N2−O2(250ppm以下)の雰囲気下、400℃で4時間加熱し、脱脂する。更に、窒素雰囲気下、1050℃で2時間焼成し、両基板を完全に接合する。かくしてセンサ素子200が完成する。
次に、図1に戻って、ガスセンサ100の他の部分について説明する。
センサ素子200に一体に組み付けられるフランジ部125は、アルミナ製のセラミックリング121と、滑石粉末を圧縮充填させた滑石リング122と、セラミックリング121及び滑石リング122を内部に収容可能な大きさの筒状をなす金属製ホルダ120とから構成されている。このフランジ部125は、次のようにしてセンサ素子200に組み付ける。まず、センサ素子200を挿通可能な大きさの開口断面積を有する滑石リング122を準備し、センサ素子200の所定位置に金属製ホルダ120、セラミックリング121及び滑石リング122を順に配置させる。そして、滑石リング122の挿通孔の開口断面積が縮小するように圧力を付与して、滑石リング121を圧縮変形させることで、金属製ホルダ120及びセラミックリング121を滑石リング122と共にセンサ素子200に一体に組み付ける。これにより、主体金具102の段部109に係合させるためのフランジ部125が、センサ素子200に対して固定した状態で設けられる。
主体金具102の先端側(図1下側)には、その内径が細くなる段部109が設けられている。また、フランジ部125の外径は主体金具102の内径とほぼ同じに構成されている。そして、金属製ホルダ120が係合した主体金具102内で、金属製ホルダ120よりも後端側の層(図1中上側の層)には、更に、滑石リング123が圧縮充填されている。これにより、主体金具102内でフランジ部125が気密的に保持されると共に、センサ素子200もまた主体金具102に対して位置決め固定される。この滑石リング123の圧縮は、後述するスリーブ130が主体金具102内に組み込まれる際に、そのスリーブ130によって押圧されて行われる。
また、ガスセンサ100の先端側では、センサ素子200の検出部が主体金具102より露出している。そして、この検出部を覆って保護する有底略円筒状の内側プロテクタ103と、この内側プロテクタ103を覆う外側プロテクタ104とが、それぞれ主体金具102にレーザ溶接により固定されている。センサ素子200の検出部がガスセンサ100の周囲の雰囲気中に晒されるように、内側プロテクタ103と外側プロテクタ104には、それぞれ複数の外気連通孔105,106が開口されている。
次に、滑石リング123よりも後端側には、多段円筒状のアルミナ製のスリーブ130が配設され、滑石リング123を押圧しつつ、フランジ部125と共に主体金具102内に収容されている。スリーブ130はその軸線方向に貫通する軸孔131を有し、この軸孔131にセンサ素子200が挿通されている。スリーブ130が主体金具102に収容された状態では、センサ素子200の各電極パッドは、主体金具102の加締め部107より後端側に露出している。なお、スリーブ130の後端面には、スリーブ130の軸線方向に沿って後端方向に向かう一対の素子ガイド(図示外)が突設されている。各素子ガイドは、センサ素子200の短手方向の両端を案内するものである。
主体金具102の加締部107が内側に折り曲げられて加締められると、内部に介在されたステンレス製のリング部材108を介し、スリーブ130が主体金具102の先端側に向かって押圧される。すると、滑石リング123が圧縮変形されて周囲の隙間を埋めるので、スリーブ130との位置関係が案内されたセンサ素子200が、主体金具102内に気密的に保持固定される。
次に、主体金具102から露出したセンサ素子200の各電極パッドが形成された両主面は、センサ素子200の厚み方向から一対の電極ホルダ140によって挟み込まれている。電極ホルダ140は、その端部がスリーブ130の素子ガイドに係合し、素子ガイドに案内されたセンサ素子200に対向する内壁面142と、素子ガイドと共に構成する軸線方向の断面が略円形となる湾曲した外周面を形成する外壁面144とを有している。また、外壁面144のうち、電極ホルダ140がガスセンサ100に組み付けられた際の先端側には、鍔部147が設けられている。
更に、組み付けられた際の軸線方向における略中央には、内壁面142と外壁面144を貫通する2つの開口146が設けられている。この開口146には、後述する電極金具160の突片163が係合し、電極金具160が位置決めされている。電極金具160は、センサ素子200の各々の電極パッドと電気的な接続を行うため、各電極ホルダ140に2つずつ係合されている。そして、電極ホルダ140が、電極金具160を保持した状態で素子ガイドに係合した状態では、電極ホルダ140の係合を維持させるため、一対の電極ホルダ140の外壁面144に円筒形状の保持金具148が係合されている。電極ホルダ140に保持金具148が係合された状態では、電極ホルダ140の内壁面142とセンサ素子200との間に挟まれる電極金具160が撓められる。その付勢力によって、電極金具160が電極ホルダ140を保持金具148の内周に対して押圧するため、保持金具148の抜けは防止される。
次に、電極ホルダ140よりも後端側には、センサ素子200と外部の回路とを電気的に接続するための4本のリード線168を電極金具160へと案内するためのアルミナ製のセパレータ150が配置され、電極ホルダ140に当接している。セパレータ150は略円柱形状をなし、ガスセンサ100に組み付けたときに後端側となる上側の面の中心軸付近に円柱台状の小突起151が設けられている。そして、この小突起151の周囲に四カ所、軸線方向に貫通する案内孔152が設けられている。案内孔152には、小突起151が設けられた側(図中上方)の部分が小径となった小径部153が形成されている。小径部153の径は、リード線168の太さと略同等である。
案内孔152の内部には、電極金具160の基部162が収容されている。この基部162は、リード線168を加締めて電極金具160に固定する部位である。基部162は、リード線168内の導線を被覆する絶縁被膜の外周を加締め、抜けを防止する加締部165と、リード線168内の導線を加締めて電気的な接続を行う加締部164とを有する。リード線168の外周を加締める加締部165は、導線を加締める加締部164より大きく形成されている。このため、加締部165は、リード線168を加締めた状態でリード線168の径よりも更に径大であり、セパレータ150の案内孔152の小径部153の内径よりも大きいので、小径部153を通過できないようになっている。
また、基部162に接合された電極金具160の先端部161は、センサ素子200の電極端子に接触して電気的な接続を行う部位であり、U字バネ形状に形成されている。先端部161の略中央には、電極ホルダ140の開口146に係合して電極ホルダ140と電極金具160との位置決めを行うための突片163が突設されている。
そして、電極ホルダ140とセパレータ150とを覆って保護する略円筒状のステンレス製の保護カバー170が、主体金具102の加締部107の外周に固着されている。保護カバー170の後端部には、フッ素ゴム製の栓部材171が嵌入され、リード線168のみを挿通させるこの栓部材171の径方向周囲に位置する保護カバー170を内側に加締めることで、栓部材171は弾性変形された状態で保護カバー170内に固定されている。また、保護カバー170の内壁に、電極ホルダ140の保持金具148に設けられた突設部149が当接する。この突設部149は、四方に張り出し状に設けられており、保護カバー170内で保持金具148が保持されている。
次に、このように構成されたガスセンサ100へのセンサ素子200の組み付けについて説明する。
フランジ部125が一体に組み付けられたセンサ素子200は、検出部側を主体金具102の先端側にして主体金具102内に挿入される。そして、センサ素子200は、主体金具102の先端側の段部109にフランジ部125の端部が当接する位置で、主体金具102に対して位置決めされる。
次に、滑石リング123が、その中央の孔にセンサ素子200の後端側より通すようにして係合され、これに続いてスリーブ130の軸孔131にセンサ素子200が後端側より通される。センサ素子200の側面が軸孔131及びその内周から連続した素子ガイド(図示外)に案内され、センサ素子200の後端側が軸孔131から露出する。
この状態でリング部材108がスリーブ130上に載置され、主体金具102の加締め部107が内側に曲げられるように加締めが行われる。スリーブ130はリング部材108を介し、主体金具102の先端方向に加締めによる押圧力を受け、滑石リング123を圧縮する。このため、滑石リング123は変形して周囲の隙間を埋め、主体金具102内でフランジ部125を固定する。
そして、電極金具160の突片163が電極ホルダ140の開口146に係合すると、電極金具160が電極ホルダ140に対して位置決めされて保持される。この状態で、電極ホルダ140は、センサ素子200の厚み方向の両側から挟むようにして素子ガイドに係合される。電極ホルダ140の内壁面142とセンサ素子200の板面との間で挟まれる電極金具160の先端部161は、センサ素子200の電極端子に当接する。このとき、センサ素子200はスリーブ130の素子ガイドに対して位置決めされており、電極ホルダ140も係合する素子ガイドに対して位置決めされている。
電極金具160の先端部161はU字バネ状に形成されているので、電極ホルダ140にて挟まれると、センサ素子200の板面と電極ホルダ140の内壁面142との間が遠ざかる方向に両者は付勢される。この状態で、電極ホルダ140の外周を押さえて両者の係合を維持するため、保持金具148が被せられる。電極金具160の先端部161は、センサ素子200の電極端子に対して付勢されて当接したままの状態で維持され、両者間の電気的な接続は安定する。
そして、セパレータ150が電極ホルダ140に当接され、この状態で、保護カバー170が電極ホルダ140及びセパレータ150に被せられる。保護カバー170は、主体金具102に圧入された後、全周レーザ溶接されて固定され、その内壁に保持金具148の突設部149が当接する。これにより、保持金具148は保護カバー170内で保持され、保持金具148によって保持された電極ホルダ140もまた、保護カバー170内で位置決めされる。
このようなガスセンサ100は、前述したように、センサ素子200の第1,第2センサリード部223,227の後端部223q,227qが卑金属を主体とする卑金属部である。従って、センサリード部全体を貴金属で形成していた従来のガスセンサに比して安価なガスセンサとすることができる。しかも、この卑金属部223q,227qを直接ガスに接触しないようにセンサ素子200内部に気密に埋設した上で、第1,第2センサリード部223,227のうち、この卑金属部223q,227qよりも多孔質状電極部221,225側の一部に、耐酸化性を有すると共にガス不透過性を有する第1耐酸化緻密部(接続部)223r,227rを設けている。このため、多孔質状電極部221,225に入り込んだガスが、卑金属部223q,227qに接触することを防止できる。また、第1耐酸化緻密部223r,227rは耐酸化性を有するので、これにガスが接触しても酸化し難く、その破損を防止できる。
更に、本実施形態では、多孔質状電極部として、センサ素子200内部に閉塞されて内部基準極として機能する基準多孔質状電極部225を有するため、実使用時において基準多孔質状電極部225に酸素が汲み込まれ、酸素が過剰に溜まる恐れがある。しかし、本実施形態では、このような酸素を卑金属部227qを経由することなくセンサ素子200外部に放出する多孔質状のガス放出路261を設けている。従って、基準多孔質状電極部225に汲み込まれた酸素は、ガス放出路261を通じてセンサ素子200外部に放出されるため、センサ素子200が破損することを防止できる。
また、本実施形態では、センサ素子200は、多孔質状電極部221,225及び第1,第2センサリード部223,227の先端部223p,227pを有するセンサ基板210と、センサ電極取出部256及び第1,第2センサリード部223,227の後端部223q、227qを有するリード基板230と、これらの基板を接合する接合層281と、第1,第2センサリード部223,227の先端部223p,227pと後端部223q,227qとを接続する接続部223r,227rとを有する。そして、多孔質状電極部2221,225及びセンサリード部223,227の先端部223p,227pはPtを主体とし、センサリード部223,227の後端部223q,227qは卑金属部である。更に、接続部223r,227rは、第1耐酸化緻密部である。このような構成では、センサ基板210に形成された多孔質状電極部221,225とセンサリード部223,227の先端部223p,227pがPt主体としているので、これらの導体を同時焼成により形成できる。従って、センサ基板210とリード基板230を別々に焼成すことによって、Pt主体の導体と卑金属主体の導体とを有するセンサ素子200を容易に製造できる。また、接続部(第1耐酸化緻密部)223r,227rは、センサ基板210とリード基板230との接合の際に形成するので、第1耐酸化緻密部223r,227rの形成も容易にできる。
更に、本実施形態では、接続部(第1耐酸化緻密部)223r,227rが接合層281によっても気密に保たれるので、接続部223r,227rのガス不透過性を更に向上させることができる。従って、卑金属部223q,227qの酸化を更に確実に防止できる。
また、本実施形態のリード基板230には、センサリード部223,227の後端部223q,227qの他に、発熱部271とヒータリード部273が形成されているが、これらはいずれも卑金属を主体としている。このため、これらの導体を同時焼成によって形成できる。
また、本実施形態では、センサ電極取出部256のうち、ガスに接触する部分259を耐酸化性を有するようにしているので、センサ電極取出部256の酸化を防止できる。また、センサ電極取出部256の一部を、耐酸化性を有すると共にガス不透過性を有する第2耐酸化緻密部259とし、これを第1,第2センサリード部223,227にガスが接触することを防止するように配設している。具体的には、センサ電極パッド256の一部が第2耐酸化緻密部259であり、この第2耐酸化緻密部259は、ビア導体235にガスが接触することを防止するように配設されている。このため、ガスが第1,第2センサリード部223,227に接触することを防止し、卑金属部223q,227qの酸化を防止できる。しかも、第2耐酸化緻密部259は、耐酸化性を有するので、第2耐酸化緻密部259自身が酸化することも防止し、破損を防止できる。
(実施形態2)
次いで、第2の実施形態について説明する。なお、上記実施形態1と同様な部分の説明は、省略または簡略化する。
本実施形態では、第1耐酸化緻密部の組成が、上記実施形態1の耐酸化緻密部223r,27rと異なる。それ以外は、上記実施形態1と同様である。具体的には、本実施形態の第1耐酸化緻密部は、貴金属−卑金属合金からできている。なお、本実施形態では、貴金属−卑金属合金として、Pt−18.4wt%W合金を用いている。このように本実施形態では、貴金属−卑金属合金を用いて第1耐酸化緻密部を形成しているため、卑金属を利用する分だけ、第1耐酸化緻密部を安価にし、ガスセンサを安価にできる。
その他、上記実施形態1と同様な部分は、上記実施形態1と同様な作用、効果を奏する。
(実施形態3)
次いで、第3の実施形態について説明する。なお、上記実施形態1または2と同様な部分の説明は、省略または簡略化する。本実施形態に係るセンサ素子300の後端側上部の部分断面図を図4に示す。
本実施形態では、センサ電極取出部356が上記実施形態1,2のセンサ電極取出部256と異なる。本実施形態の電極取出部356も、上記実施形態1,2と同様、ビア導体235とセンサ電極パッド355からなる点は同様である。しかし、センサ電極パッド355の構成が異なり、本実施形態では、センサ電極パッド355が貴金属−卑金属合金からできており、全体が第2耐酸化緻密部となっている。なお、本実施形態では、貴金属−卑金属合金として、Pt−18.4wt%W合金を用いている。このように本実施形態では、第2耐酸化緻密部355を貴金属−卑金属合金から形成しているので、卑金属を利用する分だけ、第2耐酸化緻密部355を安価にし、ガスセンサを安価にできる。
その他、上記実施形態1または2と同様な部分は、上記実施形態1または2と同様な作用、効果を奏する。なお、本実施形態では、センサ電極パッド355の全体をPt−18.4wt%W合金を用いて形成したが、上記実施形態1,2の接続パッド223u,227uやヒータ電極パッド265も同様な合金を用いて形成してもよい。
(実施形態4)
次いで、第4の実施形態について説明する。なお、上記実施形態1〜3のいずれかと同様な部分の説明は、省略または簡略化する。本実施形態に係るセンサ素子400の後端側上部の部分断面図を図5に示す。
本実施形態では、センサ電極取出部456が上記実施形態1〜3のセンサ電極取出部256,356と異なる。本実施形態のセンサ電極取出部456は、ビア導体435のみから構成されている。そして、このビア導体435は、貴金属−卑金属合金からできており、全体が第2耐酸化緻密部となっている。なお、本実施形態では、貴金属−卑金属合金として、Pt−18.4wt%W合金を用いている。このように本実施形態では、第2耐酸化緻密部435を貴金属−卑金属合金から形成しているので、卑金属を利用する分だけ、第2耐酸化緻密部435を安価にし、ガスセンサを安価にすることができる。
なお、図中に破線で示すように、上記実施形態1〜3に示したセンサ電極取出部256,356のように、ビア導体435を覆うようにセンサ電極パッドを設けることもできる。
その他、上記実施形態1〜3のいずれかと同様な部分は、上記実施形態1〜3のいずれかと同様な作用、効果を奏する。
(実施形態5)
次いで、第5の実施形態について説明する。なお、上記実施形態1〜4のいずれかと同様な部分の説明は、省略または簡略化する。本実施形態に係るセンサ素子600の後端側上部の部分断面図を図6に示す。
本実施形態では、センサ電極取出部656が上記実施形態1〜4のセンサ電極取出部256,356,456と異なる。本実施形態のセンサ電極取出部656は、円筒状のビア導体635とこれに電気的に接続するセンサ電極パッド655から構成されている。そして、これらビア導体635及びセンサ電極パッド655は、貴金属−卑金属合金からできている。
また、本実施形態では、第1,第2センサリード部223,227の後端側の端部223qs等が、上記実施形態1〜4の第1,第2センサリード部223,227と異なる。このセンサリード部223,227の後端側の端部223qs等は、貴金属−卑金属合金からなる第2耐酸化緻密部となっている。このように第2耐酸化緻密部223qs等を貴金属−卑金属合金から形成しているので、卑金属を利用する分だけ、第2耐酸化緻密部223qs等を安価にし、ガスセンサを安価にすることができる。
なお、本実施形態では、第2耐酸化緻密部223qs等、ビア導体635,センサ電極パッド655を構成する貴金属−卑金属合金として、Pt−18.4wt%W合金を用いている。
その他、上記実施形態1〜4のいずれかと同様な部分は、上記実施形態1〜4のいずれかと同様な作用、効果を奏する。
(実施形態6)
次いで、第6の実施形態について説明する。なお、上記実施形態1〜5のいずれかと同様な部分の説明は、省略または簡略化する。図7に本実施形態に係るセンサ素子500の分解斜視図を示す。なお、図7中、左側を先端側、右側を後端側とする。
本実施形態では、センサ素子500の構造が上記実施形態1〜5のセンサ素子200,300,400,600と異なる。ガスセンサのそれ以外の部分は、上記実施形態1〜5と同様である。
このセンサ素子500も、基準酸素自己生成方式を採用して構成されている。本実施形態では、センサ素子500は一体焼成によって作製されている。センサ基板500は、多孔質保護層511と第1アルミナ層513と固体電解質層515と第2アルミナ層517と第3アルミナ層519とがこの順序で積層されている。
このうち、多孔質保護層511は、アルミナからなる多孔質状のセラミック層であり、その外形は、長さ約40mm、幅約4.5mm、厚さ約1.5mmの矩形板状をなす。
第1アルミナ層513は、アルミナからなるセラミック層であり、その外形は、長さ約40mm、幅約4.5mm、厚さ約0.4mmの矩形板状をなす。
この第1アルミナ層513の先端側(図7中、左側)の所定位置には、被測定ガスを後述する検知多孔質状電極部521へ通過させるための円形状の開口514(直径約2.5mm)が形成されている。また、この第1アルミナ層513の後端側の所定位置には、2つの開口512(直径約0.3mm)が幅方向に並んで形成されている。これらの開口512には、それぞれWからなるビア導体551が充填形成されている。更に、第1アルミナ層513の表面(図7中、上側の面)側には、各々のビア導体551の端面を覆うように厚さ約15μmのセンサ電極パッド553が形成されている。これらのセンサ電極パッド553は、ビア導体551の端面を直接覆う厚さ約10μmのタングステン層と、このタングステン層を覆う厚さ約2μmのNiメッキ層と、このNiメッキ層を覆う厚さ約3μmのPt或いはAuメッキ層とからなる。
また、第1アルミナ層513の裏面(図7中、下側の面)側には、先端側に位置する検知多孔質状電極部521、及び、これに電気的に接続し後端側(図2中右側)へ延びる第1センサリード部523が形成されている。
検知多孔質状電極部521は、Ptからなる多孔質状の電極であり、直径約2.6mmの円形状をなす。この検知多孔質状電極部521は、Ptからなるため、耐酸化性を有し、実使用において多孔質保護層511及び第1アルミナ層513の開口214を通じて内部に取り込まれたガスが接触しても導電性を維持できる。
第1センサリード部523は、検知多孔質状電極部521に接続する先端部523pと、この先端部523pに接続する中間部523rと、この中間部523rに接続する後端部523qとからなる。
先端部523pは、検知多孔質状電極部521と同様に、Ptからなる多孔質状のリード部であり、長さ約5.4mm、幅約0.33mmである。従って、この先端部523pは、耐酸化性を有し、実使用において検知多孔質状電極部221を通じて取り込まれたガスが接触しても導電性を維持できる。
中間部523rは、貴金属−卑金属合金からなる第1耐酸化緻密部であり、長さ約4.0mm、幅約0.6mmである。本実施形態では、貴金属−卑金属合金としてPt−18.4wt%W合金を利用している。この中間部523rは、耐酸化性を有し、実使用において検知多孔質状電極部521及び第1センサリード部523の先端部523pを通じて取り込まれたガスが接触しても導電性を維持できる。また、ガスがこの中間部523rを通じて後端部523qに取り込まれることを防止できる。
後端部523qは、Wからなるリード部である。
固体電解質層515は、アルミナ20wt%と、ジルコニア80wt%とからなる層であり、その外形は、長さ約40mm、幅約4.5mm、厚さ約0.1mmの矩形板状をなす。この固体電解質層515の後端側(図7中、右側)の所定位置には、開口516(直径約0.45mm)が形成されている。この開口516には、Wからなるビア導体559が充填形成されている。また、固体電解質層515の裏面(図7中、下側の面)側には、先端側で検知多孔質状電極部521と対向するように位置する基準多孔質状電極部525、及び、これに電気的に接続し後端側(図7中右側)へ延びる第2センサリード部527が形成されている。
基準多孔質状電極部525は、Ptからなる多孔質状の電極であり、直径約2.6mmの円形状をなす。この基準多孔質状電極部525は、Ptからなるため、耐酸化性を有し、実使用において多孔質保護層511、第1アルミナ層513の開口514、検知多孔質状電極部521を通じ、更に固体電解質層515を介して汲み込まれた酸素が接触しても導電性を維持できる。
第2センサリード部527は、基準多孔質状電極部525に接続する先端部527pと、この先端部527pに接続する中間部527rと、この中間部527rに接続する後端部527qとからなる。
先端部527pは、基準多孔質状電極部525と同様に、Ptからなる多孔質状のリード部であり、長さ約6.4mm、幅約0.33mmである。従って、この先端部527pは、耐酸化性を有し、実使用において基準多孔質状電極部525に汲み込まれた酸素が接触しても導電性を維持できる。
中間部527rは、貴金属−卑金属合金からなる第1耐酸化緻密部であり、長さ約4.0mm、幅約0.6mmである。本実施形態では、貴金属−卑金属合金としてPt−18.4wt%W合金を利用している。この中間部527rは、耐酸化性を有し、実使用において基準多孔質状電極部525及び第2センサリード部527の先端部527pを通じて汲み込まれた酸素が接触しても導電性を維持できる。また、ガスがこの中間部527rを通じて後端部527qに取り込まれることを防止できる。
後端部527qは、Wからなるリード部である。
更に、固体電解質層515の裏面側には、第2センサリード部527の先端部527pに接続し、センサ素子500の後端(外部)まで直線状に延びるガス放出部531が形成されている。このガス放出部531は、アルミナからなり多孔質状をなす。
第2アルミナ層517は、第1アルミナ層513と同様、アルミナからなるセラミック層であり、その外形は、長さ約40mm、幅約4.5mm、厚さ約0.4mmの矩形板状をなす。
第2アルミナ層517の裏面(図7中、下側の面)側には、先端側に位置する発熱部535、及び、この両端にそれぞれ電気的に接続し、後端側へ直線状に延びる一対のヒータリード部537が形成されている。発熱部535は、Wからなる抵抗体であり、線幅が約0.27mmで蛇行状に形成されている。また、ヒータリード部537も、Wからなり、線幅は約0.85mmである。これら発熱部535及びヒータリード部537は、Wからなるため、実使用において高温下でガスに触れると酸化する恐れがある。しかし、これらの導体は、第2アルミナ層517と第3アルミナ層519との層間に気密に埋設されているため、ガスに接触することはなく、従って、酸化し難い。
第3アルミナ層519は、第1,第2セラミック層513,517と同様、アルミナからなるセラミック層であり、その外形は、長さ約40mm、幅約4.5mm、厚さ約0.4mmの矩形板状をなす。この第3アルミナ層519の後端側(図7中、右側)の所定位置には、2つの開口520(直径約0.3mm)が幅方向に並んで形成されている。これらの開口520には、それぞれWからなるビア導体555が充填形成されている。更に、第3アルミナ層519の裏面(図7中、下側の面)側には、各々のビア導体555の端面を覆うように厚さ約15μmのヒータ電極パッド557が形成されている。これらのヒータ電極パッド557は、ビア導体555の端面を直接覆う厚さ約10μmのタングステン層と、このタングステン層を覆う厚さ約2μmのNiメッキ層と、このNiメッキ層を覆う厚さ約3μmのPt或いはAuメッキ層とからなる。
このようなセンサ素子500は、次のようにして製造する。
まず、焼成後に第1〜第3アルミナ層513,517,519となる第1〜第3未焼成アルミナシートを作製する。具体的には、アルミナ粉末(純度99.99%以上、平均粒径0.3μm)97質量部と、イットリア5.4mol%共沈型ジルコニア(純度99%以上、平均粒径0.3μm)3質量部と、ブチラール樹脂14質量部と、ジブチルフタレート7質量部を配合し、更にトルエン及びメチルエチルケトンからなる混合溶媒を混合して、スラリーとする。そして、これをドクターブレード法によりシート状とし、トルエン及びエチルメチルケトンを揮発させて、第1〜第3未焼成アルミナシートを作製する。更に、第1未焼成アルミナシートには開口512,514をそれぞれ穿孔し、第3未焼成アルミナシートには開口520を穿孔する。
また一方で、焼成後に固体電解質層515となる未焼成固体電解質シートを作製する。具体的には、アルミナ粉末(純度99.99%以上、平均粒径0.3μm)20wt%と、ジルコニア80wt%と、ブチラール樹脂12wt%と、ジブチルフタレート6wt%とを配合し、更にトルエン及びメチルエチルケトンからなる混合溶媒を混合して、スラリーとする。そして、これをドクターブレード法によりシート状とし、トルエン及びメチルエチルケトンを揮発させて、未焼成固体電解質シートを作製する。
また他方で、焼成後に多孔質保護層511となる未焼成保護シートを作製する。具体的には、アルミナ粉末(純度99.99%以上、平均粒径0.3μm)100質量部と、カーボン粉末(真球状粒子、平均粒径5μm)22質量部と、ジブチルフタレート7質量部とを配合し、更にトルエン及びメチルエチルケトンからなる混合溶媒を混合して、スラリーとする。そして、これをドクターブレード法によりシート状とし、トルエン及びメチルエチルケトンを揮発させて、未焼成保護シートを作製する。
次に、焼成後にビア導体551となる未焼成ビア導体を形成する。また、焼成後にセンサ用接続パッド553の一部となる接続パッドパターンを形成する。具体的には、W45vol%と、アルミナ8vol%と、ポリビニルブチタール樹脂20vol%と、溶剤27vol%とを混合して、高密度タングステン導電インクとする。そして、この高密度タングステン導電インクを、第1未焼成アルミナシートの後端側に形成した2つの開口512に充填印刷し、未焼成ビア導体を形成する。また、アルミナ粉末(純度99.99%以上、平均粒径0.3μm)3質量部とタングステン粉末100質量部とを配合し、エトセルバインダー6質量部を加え、更にブチルカルビトールを溶媒として混合し調製された導電性ペーストを使用し、第1未焼成アルミナシートの一方の面(表面となる面)に、未焼成ビア導体を覆うように所定形状に印刷し、乾燥させて、接続パッドパターンを形成する。
次に、焼成後にビア導体559となる未焼成ビア導体を形成する。具体的には、W45vol%と、アルミナ8vol%と、ポリビニルブチラール樹脂20vol%と、溶剤27vol%とを混合して、高密度タングステン導電インクとする。そして、この高密度タングステン導電インクを、未焼成固体電解質シートに形成した開口516に充填印刷し、未焼成ビア導体を形成する。
次に、焼成後に検知多孔質状電極部521及び第1センサリード部523となる第1センサパターンと、焼成後に基準多孔質状電極部525及び第2センサリード部527となる第2センサパターンを形成する。また、焼成後にガス放出路531となるガス放出パターンを形成する。
具体的には、ジルコニア粉末(平均粒径0.3μm)20質量部と、Pt(平均粒径5μm〜8μm)100質量部と、エトセルバインダ7質量部とを配合し、更にブチルカルビトールを溶媒として混合して、導電性ペーストとする。そして、この導電性ペーストを用いて、未焼成固体電解質シートの一方の面(表面となる面)に、第1センサパターンのうち、焼成後に検知多孔質状電極部521となるパターン、及び、焼成後に第1センサリード部523の先端部523pとなるパターンを、20±10μmの厚さで印刷し、乾燥させる。
また、Pt81.6wt%、W18.4wt%からなる金属粉末100質量部に、アルミナ10質量部と、エトセルバインダー6質量部と、ブチルカルビトールを溶媒として混合して、導電性ペーストを得る。そして、この導電性ペーストを用いて、未焼成固体電解質シートの上記の一方の面に、第1センサパターンのうち、焼成後に第1センサリード部523の中間部523rとなるパターンを、20±10μmの厚さで印刷し、乾燥させる。
また更に、アルミナ粉末(純度99.99%以上、平均粒径0.3μm)12質量部と、タングステン粉末100質量部と、エトセルバインダ8質量部とを配合し、更にブチルカルビトールを溶媒として混合して、導電性ペーストとする。そして、この導電性ペーストを用いて、未焼成固体電解質シートの上記の一方の面に、第1センサパターンのうち、焼成後に第1センサリード部523の後端部523qとなるパターンを、20±10μmの厚さで印刷し、乾燥させる。かくして、第1センサパターンが形成される。
次に、焼成後に検知多孔質状電極部521等となるパターンの形成に用いる上記の導電性ペーストを利用して、未焼成固体電解質シートの他方の面(裏面となる面)に、第2センサパターンのうち、焼成後に基準多孔質状電極部525なるパターン、及び、焼成後に第2センサリード部527の先端部527pとなるパターンを、20±10μmの厚さで印刷し、乾燥させる。
また、焼成後に第1センサリード部523の中間部523rとなるパターンの形成に用いる上記の導電性ペーストを利用して、未焼成固体電解質シートの上記の他方の面に、第2センサパターンのうち、焼成後に第2センサリード部527の中間部527rとなるパターンを、20±10μmの厚さで印刷し、乾燥させる。
また更に、焼成後に第1センサリード部523の後端部523qとなるパターンの形成に用いる上記の導電性ペーストを利用して、未焼成固体電解質シートの上記の他方の面に、第2センサパターンのうち、焼成後に第2センサリード部527の後端部527qとなるパターンを、20±10μmの厚さで印刷し、乾燥させる。かくして、第2センサパターンが形成される。
次に、カーボン60vol%とアルミナ40vol%の混合物100質量部に、ポリビニルブチラール樹脂13質量部を配合し、ブチルカルビトールを溶媒として混合して、ペーストとする。そして、このペーストを未焼成固体電解質シートの上記の他方の面に印刷し、乾燥させて、焼成後にガス放出部531となるガス放出パターンを形成する。
次に、焼成後にビア導体555となる未焼成ビア導体を形成する。また、焼成後にヒータ電極パッド557の一部となるヒータ電極パッドパターンを形成する。具体的には、W45vol%と、アルミナ8vol%と、ポリビニルブチタール樹脂20vol%と、溶剤27vol%とを混合して、高密度タングステン導電インクとする。そして、この高密度タングステン導電インクを、第3未焼成アルミナシートの後端付近に形成した2つの開口520に充填印刷し、未焼成ビア導体を形成する。また、アルミナ粉末(純度99.99%以上、平均粒径0.3μm)3質量部とタングステン粉末100質量部とを配合し、エトセルバインダー6質量部を加え、更にブチルカルビトールを溶媒として混合し調製された導電性ペーストを使用し、第3未焼成アルミナシートの一方の面(裏面となる面)に、未焼成ビア導体を覆うように所定形状に印刷し、乾燥させて、ヒータ電極パッドパターンを形成する。
次に、焼成後に発熱部535となる発熱パターンと、焼成後にヒータリード部537となるヒータリードパターンを形成する。具体的には、アルミナ粉末(純度99.99%以上、平均粒径0.3μm)12質量部と、タングステン粉末100質量部と、エトセルバインダ8質量部とを配合し、更にブチルカルビトールを溶媒として混合して、導電性ペーストとする。そして、この導電性ペーストを、第3未焼成アルミナシートの一方の面(表面となる面)に印刷し、乾燥させて、発熱パターンを形成する。また、アルミナ粉末(純度99.99%以上、平均粒径0.3μm)3質量部と、タングステン粉末100質量部と、エトセルバインダ6質量部とを配合し、更にブチルカルビトールを溶媒として混合して、導電性ペーストとする。そして、この導電性ペーストを、第3未焼成アルミナシートの上記の面に印刷し、乾燥させて、ヒータリードパターンを形成する。
次に、焼成後にセンサ素子500となる積層体を作製する。具体的には、第1未焼成アルミナシートの一方の面(裏面となる面)、及び、第2未焼成アルミナシートの両面に、アルミナ層用未焼成シートをブチルカルビトールにて希釈した貼り合わせペーストを、20μmの厚みでそれぞれ印刷する。その後、未焼成保護シート、第1未焼成アルミナシート、未焼成固体電解質シート、第2未焼成アルミナシート及び第3未焼成アルミナシートを貼り合わせ、50℃、90秒間、35±5kg/cm2 で真空圧着して一体化し、積層体を作製する。
次に、この積層体を焼成する。具体的には、積層体を、大気雰囲気下、250℃で6時間加熱し、脱脂する。その後、これを、水素ウェッター注入雰囲気下、1540℃で4時間焼成する。
かくしてセンサ素子500が完成する。
このようなセンサ素子500を有するガスセンサは、前述したように、センサ素子500の第1,第2センサリード部523,527の後端部523q,527qは、卑金属を主体とする卑金属部である。従って、センサリード部全体を貴金属で形成していた従来のガスセンサに比して安価なガスセンサとすることができる。しかも、この卑金属部523q,527qを直接ガスに接触しないようにセンサ素子500内部に気密に埋設した上で、第1,第2センサリード部523,527のうち、この卑金属部523q,527qよりも多孔質状電極部521,525側の一部に、耐酸化性を有すると共にガス不透過性を有する第1耐酸化緻密部523r,527rを設けている。このため、多孔質状電極部521,525に汲み込まれたガスが、卑金属部523q,527qに接触することを防止できる。また、第1耐酸化緻密部523r,527rは耐酸化性を有するので、これにガスが接触しても酸化し難く、その破損を防止できる。
更に、本実施形態では、多孔質状電極部として、センサ素子500内部に閉塞されて内部基準極として機能する基準多孔質状電極部525を有するため、基準多孔質状電極部525に酸素が汲み込まれ、酸素が過剰に溜まる恐れがある。しかし、このような酸素を卑金属部527qを経由することなくセンサ素子500外部に放出する多孔質状のガス放出路531を設けている。従って、基準多孔質状電極部525に汲み込まれた酸素は、ガス放出路531を通じてセンサ素子500外部に放出されるため、センサ素子500が破損することを防止できる。
また、本実施形態では、多孔質状電極部521,525及び第1,第2センサリード部523,527が一体焼成されてなる。このため、センサ素子500を複数の基板(例えば、前述したようにセンサ基板とリード基板)に分けなくて済むので、センサ素子500及びガンセンサを安価に製造できる。
更に、本実施形態では、センサ素子500は、発熱部535とヒータリード部537を有するが、これら発熱部535及びヒータリード部537も、多孔質状電極部521,525及び第1,第2センサリード部523,527と共に一体焼成されてなる。このため、センサ素子500を複数の基板(例えば、センサ基板とヒータ基板)に分けなくて済むので、センサ素子500及びガンセンサを安価に製造できる。
また、本実施形態では、センサ電極取出部554のうち、少なくともガスに接触する部分を耐酸化性を有するようにしているので、センサ電極取出部554の酸化を防止できる。また、センサ電極取出部554の少なくとも一部を、耐酸化性を有すると共にガス不透過性を有する第2耐酸化緻密部とし、これを第1,第2センサリード部523,527にガスが接触することを防止するように配設している。具体的には、センサ電極パッド553の一部(PtまたはAuメッキ層)が第2耐酸化緻密部であり、この第2耐酸化緻密部は、ビア導体551にガスが接触することを防止するように配設されている。このため、ガスがセンサリード部523,527に接触することを防止し、卑金属部523q,527qの酸化を防止できる。しかも、第2耐酸化緻密部は、耐酸化性を有するので、第2耐酸化緻密部自身が酸化することも防止し、破損を防止できる。
以上において、本発明を実施形態に即して説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更して適用できることはいうまでもない。
実施形態1に係るガスセンサの破断断面図である。 実施形態1に係るガスセンサのセンサ素子を示す分解斜視図である。 実施形態1に係るガスセンサのセンサ素子のうち、後端側上部を示す部分断面図である。 実施形態3に係るガスセンサのセンサ素子のうち、後端側上部を示す部分断面図である。 実施形態4に係るガスセンサのセンサ素子のうち、後端側上部を示す部分断面図である。 実施形態5に係るガスセンサのセンサ素子のうち、後端側上部を示す部分断面図である。 実施形態6に係るガスセンサのセンサ素子を示す部分斜視図である。
符号の説明
100 ガスセンサ
200,300,400,500,600 センサ素子
221,521 検知多孔質状電極部
225,525 基準多孔質状電極部
256,356,456,554,656 センサ電極取出部
223,523 第1センサリード部
227,527 第2センサリード部
223q,227q,523q,527q 卑金属部
223r,227r,523r,527r 第1耐酸化緻密部
261,531 ガス放出路
271,535 発熱部
273,537 ヒータリード部

Claims (14)

  1. 板状のセンサ素子を備えるガスセンサであって、
    前記センサ素子は、
    耐酸化性を有し多孔質状をなす多孔質状電極部と、
    少なくとも一部がセンサ素子外部に露出するセンサ電極取出部と、
    一端が前記多孔質状電極部に電気的に接続すると共に、他端が前記センサ電極取出部に電気的に接続するセンサリード部と、を有し、
    前記センサリード部の一部は、卑金属を主体とし、センサ素子内部に気密に埋設された卑金属部であり、
    前記センサリード部のうち、前記卑金属部よりも前記多孔質状電極部側の少なくとも一部は、耐酸化性を有すると共にガス不透過性を有する第1耐酸化緻密部である
    ガスセンサ。
  2. 請求項1に記載のガスセンサであって、
    前記第1耐酸化緻密部は、貴金属−卑金属合金からなる
    ガスセンサ。
  3. 請求項1または請求項2に記載のガスセンサであって、
    前記センサ素子は、酸素イオン伝導性を有する固体電解質部と、前記固体電解質部を挟むようにして形成された一対の前記多孔質状電極部とを有しており、
    前記多孔質状電極部の一つとして、センサ素子内部に閉塞され、前記固体電解質部を介して酸素が汲み込まれることにより内部基準極として機能する基準多孔質状電極部を有し、
    前記センサ素子は、この基準多孔質状電極部に汲み込まれた酸素を、前記卑金属部を経由することなくセンサ素子外部に放出する多孔質状のガス放出路を有する
    ガスセンサ。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載のガスセンサであって、
    前記センサ素子は、
    前記多孔質状電極部及び前記センサリード部の一部を有するセンサ基板と、
    前記センサ電極取出部及び前記センサリード部の一部を有するリード基板と、
    前記センサ基板と前記リード基板とを接合する接合層と、
    前記センサリード部の一部をなし、前記センサ基板に形成された前記センサリード部と前記リード基板に形成された前記センサリード部とを電気的に接続する接続部と、を有し、
    前記多孔質状電極部及び前記センサ基板に形成された前記センサリード部は、貴金属を主体とし、
    前記リード基板に形成された前記センサリード部は、前記卑金属部であり、
    前記接続部は、前記第1耐酸化緻密部である
    ガスセンサ。
  5. 請求項4に記載のガスセンサであって、
    前記接続部は、前記接合層によって気密に取り囲まれてなる
    ガスセンサ。
  6. 請求項4または請求項5に記載のガスセンサであって、
    前記リード基板は、
    卑金属を主体とする発熱部と、
    前記発熱部に電気的に接続し、卑金属を主体とするヒータリード部と、を有する
    ガスセンサ。
  7. 請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載のガスセンサであって、
    前記多孔質状電極部及び前記センサリード部は、一体焼成されてなる
    ガスセンサ。
  8. 請求項7に記載のガスセンサであって、
    前記センサ素子は、
    卑金属を主体とする発熱部と、
    前記発熱部に電気的に接続し、卑金属を主体とするヒータリード部と、有し、
    これら発熱部及びヒータリード部も、前記多孔質状電極部及び前記センサリード部と共に一体焼成されてなる
    ガスセンサ。
  9. 請求項1〜請求項8のいずれか一項に記載のガスセンサであって、
    前記センサ電極取出部は、少なくともガスに接触する部分が耐酸化性を有し、
    前記センサリード部のうち、前記卑金属部よりも前記センサ電極取出部側の一部は、耐酸化性を有すると共にガス不透過性を有する第2耐酸化緻密部である
    ガスセンサ。
  10. 請求項1〜請求項8のいずれか一項に記載のガスセンサであって、
    前記センサ電極取出部は、少なくともガスに接触する部分が耐酸化性を有し、
    前記センサ電極取出部の少なくとも一部は、耐酸化性を有すると共にガス不透過性を有する第2耐酸化緻密部であり、
    この第2耐酸化緻密部は、前記センサリード部にガスが接触することを防止するように配設されてなる
    ガスセンサ。
  11. 請求項10に記載のガスセンサであって、
    前記センサ電極取出部は、前記センサリード部に電気的に接続するビア導体を有し、
    このビア導体が前記第2耐酸化緻密部である
    ガスセンサ。
  12. 請求項10に記載のガスセンサであって、
    前記センサ電極取出部は、
    卑金属を主体とし、前記センサリード部に電気的に接続するビア導体と、
    このビア導体に電気的に接続し、センサ素子外部に露出するセンサ電極パッドと、を有し、
    前記センサ電極パッドの少なくとも一部が前記第2耐酸化緻密部であり、
    この第2耐酸化緻密部は、前記ビア導体にガスが接触することを防止するように配設されてなる
    ガスセンサ。
  13. 請求項9〜請求項12のいずれか一項に記載のガスセンサであって、
    前記第2耐酸化緻密部は、貴金属−卑金属合金からなる
    ガスセンサ。
  14. 請求項1〜請求項13のいずれか一項に記載のガスセンサであって、
    卑金属は、W,Mo,Mn,Ti,Cr,Zrの少なくともいずれかを含む
    ガスセンサ。
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