JP4422581B2 - ガスセンサ - Google Patents
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Description
しかしながら、単にセンサリード部の一部を卑金属部としただけでは、前述したように、多孔質状電極部に汲み込まれたガスがセンサリード部に侵入し、卑金属部がガスに接触して酸化することで、センサリード部の導体抵抗の増大を招き、適切なガス検知ができなくなる恐れがある。
このように、本発明では、センサリード部の酸化を防止しつつその一部を卑金属を主体に形成することで、信頼性を確保した上で、センサリード部を安価にし、ひいてはガスセンサを安価にできる。
「多孔質状電極部」は、耐酸化性を有し多孔質状をなすものであればよく、その形状や材質は特に限定されないが、Pt,Au,Ru,Rh,Pd,Ir等の貴金属を少なくとも1種を含有しているものが好ましい。このうちPtは、耐酸化性に優れ、触媒作用も良好であり、更に融点が高いため最適である。また、その数も特に限定されないが、通常は、基準多孔質状電極部と検出多孔質状電極部からなる一対の多孔質状電極部が形成される。
「センサ電極取出部」は、少なくとも一部がセンサ素子外部に露出し、外部との電気的接続に利用可能であればよく、その形態や材質は特に限定されない。また、その数も特に限定されないが、通常は、多孔質状電極部が一対形成されるため、センサ電極取出部も一対形成される。
「センサリード部」は、一端が多孔質状電極部に電気的に接続すると共に、他端がセンサ電極取出部に電気的に接続するリード部であり、その形態は特に限定されない。例えば、センサリード部全体が同一平面上に存在する線状のリード部でも、或いは、センサリード部の一部にビア導体を含み、三次元的に延びるリード部でもよい。また、その数も特に限定されないが、通常は、多孔質状電極部及びセンサ電極取出部が一対形成されるため、センサリード部も一対形成される。なお、センサリード部が複数存在する場合には、それら全部に本発明を適用することもできるし、1つ或いは一部に本発明を適用することもできる。
「耐酸化緻密部」は、卑金属部よりも多孔質状電極部側に設けられ、耐酸化性を有すると共にガス不透過性を有するものであればよく、その形状や材質は特に限定されない。例えば、貴金属を用いて緻密に形成すればよい。
これに対し、本発明では、第1耐酸化緻密部を貴金属−卑金属合金から形成している。従って、卑金属を利用する分だけ、貴金属の使用量を減らし、第1耐酸化緻密部を安価にできる。その結果、ガスセンサを安価にできる。
しかし、本発明では、センサリード部の一部を第1耐酸化緻密部としているので、基準多孔質状電極部に汲み込まれた酸素をセンサリード部を通じて外部に放出できない。従って、酸素が基準多孔質状電極部に過剰に溜まってその圧力でセンサ素子が破損する恐れがある。
これに対し、本発明では、このような酸素を卑金属部を経由することなくセンサ素子外部に放出する多孔質状のガス放出路を設けている。従って、基準多孔質状電極部に汲み込まれた酸素は、ガス放出路を通じてセンサ素子外部に放出されるため、センサ素子が破損することを防止できる。
このようなセンサ素子は、センサ基板に形成された多孔質状電極部とセンサリード部が貴金属を主体に形成されているので、これらの導体をセンサ基板と同時焼成により形成できる。従って、センサ基板とリード基板を別々に焼成し、両基板を接合層を介して接合すれば、貴金属主体の導体と卑金属主体の導体とを有するセンサ素子を容易に製造できる。また、接続部(第1耐酸化緻密部)は、センサ基板とリード基板との接合の際に形成すればよいので、第1耐酸化緻密部の形成も容易にできる。なお、本明細書において、「貴金属を主体とする」とは、貴金属を50wt%より多く含有することを指す。
「ヒータリード部」は、発熱部に電気的に接続し、卑金属を主体とするものであればよく、その形状等は特に限定されない。また、その数も特に限定されないが、通常、1つの発熱部に接続する一対のヒータリード部が形成される。
この問題に対し、本発明では、センサ電極取出部のうち、少なくともガスに接触する部分を耐酸化性を有するようにしているので、センサ電極取出部の酸化を防止できる。また、センサリード部のうち、卑金属部よりもセンサ電極取出部側の一部を、耐酸化性を有すると共にガス不透過性を有する第2耐酸化緻密部としているので、ガスが卑金属部に接触することを防止し、卑金属部の酸化を確実に防止できる。また、第2耐酸化緻密部自身は、耐酸化性を有するため、酸化し難い。
この問題に対し、本発明では、センサ電極取出部のうち、少なくともガスに接触する部分を耐酸化性を有するようにしているので、センサ電極取出部の酸化を防止できる。また、センサ電極取出部の少なくとも一部を、耐酸化性を有すると共にガス不透過性を有する第2耐酸化緻密部とし、これをセンサリード部にガスが接触することを防止するように配設している。このため、ガスがセンサリード部に接触することを防止し、卑金属部の酸化を防止できる。また、第2耐酸化緻密部自身は、耐酸化性を有するので、酸化し難い。
これに対し、本発明では、第2耐酸化緻密部を貴金属−卑金属合金から形成している。従って、卑金属を利用する分だけ、貴金属の使用量を減らし、第2耐酸化緻密部を安価にし、ガスセンサを安価にできる。
(実施形態1)
本実施形態に係るガスセンサ100について説明する。図1にガスセンサ100の破断断面図を示す。図1中、下方を先端側、上方を後端側とする。また、図2にガスセンサ100に組み込まれるセンサ素子200の分解斜視図を示す。更に、図3にセンサ素子200の後端側上部の部分断面図を示す。図2及び図3中、左方を先端側、右方を後端側とする。
ガスセンサ100は、自身の先端部を主体金具102の先端から突出させた状態で主体金具102に保持された板状のセンサ素子200を有する(図1参照)。まず、このセンサ素子200について、図2を参照しつつ詳述する。
このうち、多孔質保護層211は、アルミナからなる多孔質状のセラミック層であり、その外形は、長さ約10mm、幅約4.5mm、厚さ約0.625mmの矩形板状をなす。
第1アルミナ層213の裏面(図2中、下側の面)側には、先端側に位置する検知多孔質状電極部221、及び、これに電気的に接続し後端側(図2中、右側)へ直線的に延びる第1センサリード部223の先端部223pが形成されている。
また、第1センサリード部223の先端部223pも、Ptからなる多孔質状のリードであり、長さ約5.4mm、幅約0.33mmである。この第1センサリード部223の先端部223pも、Ptからなるため、耐酸化性を有し、実使用において検知多孔質状電極部221を通じて取り込まれたガスが接触しても導電を維持できる。
第2アルミナ層217の表面(図2中、上側の面)側には、先端側で検知多孔質状電極部221と対向する基準多孔質状電極部225、及び、これに電気的に接続し後端側(図2中、右側)へ直線的に延びて更に内側に折れ曲がる第2センサリード部227の先端部227pが形成されている。
また、第2センサリード部227の先端部227pも、Ptからなる多孔質状のリードであり、長さ(長手方向の長さ)約5.4mm、幅約0.33mmである。この第2センサリード部227の先端部227pも、Ptからなるため、耐酸化性を有し、実使用において基準多孔質状電極部225に侵入したガスが接触しても導電を維持できる。
このうち、第3アルミナ層231は、アルミナからなるセラミック層であり、その外形は、長さ約40mm、幅約4.5mm、厚さ約0.23mmの矩形板状をなす。この第3アルミナ層231の中央よりも先端側の所定位置には、3つの開口232(直径約0.5mm)が幅方向に並んで形成されている。これらの開口232のうち、両端に配設された開口232には、それぞれWからなるビア導体223t,227tが充填形成されている。これらのビア導体223t,227tは、第1センサリード部223及び第2センサリード部227の一部をなす。また、第3アルミナ層231の後端側(図2中、右側)の所定位置には、2つの開口234(直径約0.3mm)が幅方向に並んで形成されている。これらの開口234にも、それぞれWからなるビア導体235が充填形成されている。これらのビア導体235は、センサ電極取出部256の一部をなす。
更に、これら第1,第2センサリード部223,227の後端部223q,227qの間には、第4アルミナ層237の中央付近(開口232に対応する部分)から後端部まで(外部まで)直線状に延びるガス放出部261が形成されている。このガス放出部261は、絶縁性を有するセラミック(具体的には、アルミナ)からなり多孔質状をなす。
接合層281は、結晶化ガラスからなり、その外形は、長さ約10mm、幅約4.5mm、厚さ約5μmの矩形板状をなす。接合層281の後端側(図2中、右側)の所定位置には、3つの開口282(直径約0.7mm)が幅方向に並んで形成されている。これらの開口282は、センサ基板210の第2アルミナ層217に形成された3つの開口218と、リード基板230の第3セラミック層231に形成された3つの開口232とに対応する位置に形成されている。3つの開口282のうち、両端に位置する開口282には、Ag−5wt%Pdからなるロウ材が充填され接続部223r,227rを形成している。そして、これらの接続部223r,227rは、第1,第2センサリード部223,227の一部をなし、第1,第2センサリード部223,227の先端部223p,227pと後端部223q,227qとを電気的に接続している。接続部223r,227rは、第1耐酸化緻密部である。
まず、焼成後に第1〜第5アルミナ層213,217,231,237,239となる第1〜第5未焼成アルミナシートを作製する。具体的には、アルミナ粉末(純度99.99%以上、平均粒径0.3μm)97質量部と、イットリア5.4mol%共沈型ジルコニア(純度99%以上、平均粒径0.3μm)3質量部と、ブチラール樹脂14質量部と、ジブチルフタレート7質量部を配合し、更にトルエン及びメチルエチルケトンからなる混合溶媒を混合して、スラリーとする。そして、これをドクターブレード法によりシート状とし、トルエン及びエチルメチルケトンを揮発させて、第1〜第5未焼成アルミナシートを作製する。更に、第1未焼成アルミナシートには開口214を穿孔し、第2未焼成アルミナシートには開口218を穿孔し、第3未焼成アルミナシートには開口232,234を穿孔し、第5未焼成アルミナシートには開口240を穿孔する。
次に、これを、大気雰囲気下、250℃で4時間、更に、N2−O2(250ppm以下)の雰囲気下、400℃で4時間加熱し、脱脂する。更に、窒素雰囲気下、1050℃で2時間焼成し、両基板を完全に接合する。かくしてセンサ素子200が完成する。
センサ素子200に一体に組み付けられるフランジ部125は、アルミナ製のセラミックリング121と、滑石粉末を圧縮充填させた滑石リング122と、セラミックリング121及び滑石リング122を内部に収容可能な大きさの筒状をなす金属製ホルダ120とから構成されている。このフランジ部125は、次のようにしてセンサ素子200に組み付ける。まず、センサ素子200を挿通可能な大きさの開口断面積を有する滑石リング122を準備し、センサ素子200の所定位置に金属製ホルダ120、セラミックリング121及び滑石リング122を順に配置させる。そして、滑石リング122の挿通孔の開口断面積が縮小するように圧力を付与して、滑石リング121を圧縮変形させることで、金属製ホルダ120及びセラミックリング121を滑石リング122と共にセンサ素子200に一体に組み付ける。これにより、主体金具102の段部109に係合させるためのフランジ部125が、センサ素子200に対して固定した状態で設けられる。
また、基部162に接合された電極金具160の先端部161は、センサ素子200の電極端子に接触して電気的な接続を行う部位であり、U字バネ形状に形成されている。先端部161の略中央には、電極ホルダ140の開口146に係合して電極ホルダ140と電極金具160との位置決めを行うための突片163が突設されている。
フランジ部125が一体に組み付けられたセンサ素子200は、検出部側を主体金具102の先端側にして主体金具102内に挿入される。そして、センサ素子200は、主体金具102の先端側の段部109にフランジ部125の端部が当接する位置で、主体金具102に対して位置決めされる。
この状態でリング部材108がスリーブ130上に載置され、主体金具102の加締め部107が内側に曲げられるように加締めが行われる。スリーブ130はリング部材108を介し、主体金具102の先端方向に加締めによる押圧力を受け、滑石リング123を圧縮する。このため、滑石リング123は変形して周囲の隙間を埋め、主体金具102内でフランジ部125を固定する。
また、本実施形態のリード基板230には、センサリード部223,227の後端部223q,227qの他に、発熱部271とヒータリード部273が形成されているが、これらはいずれも卑金属を主体としている。このため、これらの導体を同時焼成によって形成できる。
次いで、第2の実施形態について説明する。なお、上記実施形態1と同様な部分の説明は、省略または簡略化する。
本実施形態では、第1耐酸化緻密部の組成が、上記実施形態1の耐酸化緻密部223r,27rと異なる。それ以外は、上記実施形態1と同様である。具体的には、本実施形態の第1耐酸化緻密部は、貴金属−卑金属合金からできている。なお、本実施形態では、貴金属−卑金属合金として、Pt−18.4wt%W合金を用いている。このように本実施形態では、貴金属−卑金属合金を用いて第1耐酸化緻密部を形成しているため、卑金属を利用する分だけ、第1耐酸化緻密部を安価にし、ガスセンサを安価にできる。
その他、上記実施形態1と同様な部分は、上記実施形態1と同様な作用、効果を奏する。
次いで、第3の実施形態について説明する。なお、上記実施形態1または2と同様な部分の説明は、省略または簡略化する。本実施形態に係るセンサ素子300の後端側上部の部分断面図を図4に示す。
本実施形態では、センサ電極取出部356が上記実施形態1,2のセンサ電極取出部256と異なる。本実施形態の電極取出部356も、上記実施形態1,2と同様、ビア導体235とセンサ電極パッド355からなる点は同様である。しかし、センサ電極パッド355の構成が異なり、本実施形態では、センサ電極パッド355が貴金属−卑金属合金からできており、全体が第2耐酸化緻密部となっている。なお、本実施形態では、貴金属−卑金属合金として、Pt−18.4wt%W合金を用いている。このように本実施形態では、第2耐酸化緻密部355を貴金属−卑金属合金から形成しているので、卑金属を利用する分だけ、第2耐酸化緻密部355を安価にし、ガスセンサを安価にできる。
その他、上記実施形態1または2と同様な部分は、上記実施形態1または2と同様な作用、効果を奏する。なお、本実施形態では、センサ電極パッド355の全体をPt−18.4wt%W合金を用いて形成したが、上記実施形態1,2の接続パッド223u,227uやヒータ電極パッド265も同様な合金を用いて形成してもよい。
次いで、第4の実施形態について説明する。なお、上記実施形態1〜3のいずれかと同様な部分の説明は、省略または簡略化する。本実施形態に係るセンサ素子400の後端側上部の部分断面図を図5に示す。
本実施形態では、センサ電極取出部456が上記実施形態1〜3のセンサ電極取出部256,356と異なる。本実施形態のセンサ電極取出部456は、ビア導体435のみから構成されている。そして、このビア導体435は、貴金属−卑金属合金からできており、全体が第2耐酸化緻密部となっている。なお、本実施形態では、貴金属−卑金属合金として、Pt−18.4wt%W合金を用いている。このように本実施形態では、第2耐酸化緻密部435を貴金属−卑金属合金から形成しているので、卑金属を利用する分だけ、第2耐酸化緻密部435を安価にし、ガスセンサを安価にすることができる。
なお、図中に破線で示すように、上記実施形態1〜3に示したセンサ電極取出部256,356のように、ビア導体435を覆うようにセンサ電極パッドを設けることもできる。
その他、上記実施形態1〜3のいずれかと同様な部分は、上記実施形態1〜3のいずれかと同様な作用、効果を奏する。
次いで、第5の実施形態について説明する。なお、上記実施形態1〜4のいずれかと同様な部分の説明は、省略または簡略化する。本実施形態に係るセンサ素子600の後端側上部の部分断面図を図6に示す。
本実施形態では、センサ電極取出部656が上記実施形態1〜4のセンサ電極取出部256,356,456と異なる。本実施形態のセンサ電極取出部656は、円筒状のビア導体635とこれに電気的に接続するセンサ電極パッド655から構成されている。そして、これらビア導体635及びセンサ電極パッド655は、貴金属−卑金属合金からできている。
なお、本実施形態では、第2耐酸化緻密部223qs等、ビア導体635,センサ電極パッド655を構成する貴金属−卑金属合金として、Pt−18.4wt%W合金を用いている。
その他、上記実施形態1〜4のいずれかと同様な部分は、上記実施形態1〜4のいずれかと同様な作用、効果を奏する。
次いで、第6の実施形態について説明する。なお、上記実施形態1〜5のいずれかと同様な部分の説明は、省略または簡略化する。図7に本実施形態に係るセンサ素子500の分解斜視図を示す。なお、図7中、左側を先端側、右側を後端側とする。
本実施形態では、センサ素子500の構造が上記実施形態1〜5のセンサ素子200,300,400,600と異なる。ガスセンサのそれ以外の部分は、上記実施形態1〜5と同様である。
このうち、多孔質保護層511は、アルミナからなる多孔質状のセラミック層であり、その外形は、長さ約40mm、幅約4.5mm、厚さ約1.5mmの矩形板状をなす。
この第1アルミナ層513の先端側(図7中、左側)の所定位置には、被測定ガスを後述する検知多孔質状電極部521へ通過させるための円形状の開口514(直径約2.5mm)が形成されている。また、この第1アルミナ層513の後端側の所定位置には、2つの開口512(直径約0.3mm)が幅方向に並んで形成されている。これらの開口512には、それぞれWからなるビア導体551が充填形成されている。更に、第1アルミナ層513の表面(図7中、上側の面)側には、各々のビア導体551の端面を覆うように厚さ約15μmのセンサ電極パッド553が形成されている。これらのセンサ電極パッド553は、ビア導体551の端面を直接覆う厚さ約10μmのタングステン層と、このタングステン層を覆う厚さ約2μmのNiメッキ層と、このNiメッキ層を覆う厚さ約3μmのPt或いはAuメッキ層とからなる。
検知多孔質状電極部521は、Ptからなる多孔質状の電極であり、直径約2.6mmの円形状をなす。この検知多孔質状電極部521は、Ptからなるため、耐酸化性を有し、実使用において多孔質保護層511及び第1アルミナ層513の開口214を通じて内部に取り込まれたガスが接触しても導電性を維持できる。
先端部523pは、検知多孔質状電極部521と同様に、Ptからなる多孔質状のリード部であり、長さ約5.4mm、幅約0.33mmである。従って、この先端部523pは、耐酸化性を有し、実使用において検知多孔質状電極部221を通じて取り込まれたガスが接触しても導電性を維持できる。
中間部523rは、貴金属−卑金属合金からなる第1耐酸化緻密部であり、長さ約4.0mm、幅約0.6mmである。本実施形態では、貴金属−卑金属合金としてPt−18.4wt%W合金を利用している。この中間部523rは、耐酸化性を有し、実使用において検知多孔質状電極部521及び第1センサリード部523の先端部523pを通じて取り込まれたガスが接触しても導電性を維持できる。また、ガスがこの中間部523rを通じて後端部523qに取り込まれることを防止できる。
後端部523qは、Wからなるリード部である。
先端部527pは、基準多孔質状電極部525と同様に、Ptからなる多孔質状のリード部であり、長さ約6.4mm、幅約0.33mmである。従って、この先端部527pは、耐酸化性を有し、実使用において基準多孔質状電極部525に汲み込まれた酸素が接触しても導電性を維持できる。
中間部527rは、貴金属−卑金属合金からなる第1耐酸化緻密部であり、長さ約4.0mm、幅約0.6mmである。本実施形態では、貴金属−卑金属合金としてPt−18.4wt%W合金を利用している。この中間部527rは、耐酸化性を有し、実使用において基準多孔質状電極部525及び第2センサリード部527の先端部527pを通じて汲み込まれた酸素が接触しても導電性を維持できる。また、ガスがこの中間部527rを通じて後端部527qに取り込まれることを防止できる。
後端部527qは、Wからなるリード部である。
第2アルミナ層517の裏面(図7中、下側の面)側には、先端側に位置する発熱部535、及び、この両端にそれぞれ電気的に接続し、後端側へ直線状に延びる一対のヒータリード部537が形成されている。発熱部535は、Wからなる抵抗体であり、線幅が約0.27mmで蛇行状に形成されている。また、ヒータリード部537も、Wからなり、線幅は約0.85mmである。これら発熱部535及びヒータリード部537は、Wからなるため、実使用において高温下でガスに触れると酸化する恐れがある。しかし、これらの導体は、第2アルミナ層517と第3アルミナ層519との層間に気密に埋設されているため、ガスに接触することはなく、従って、酸化し難い。
まず、焼成後に第1〜第3アルミナ層513,517,519となる第1〜第3未焼成アルミナシートを作製する。具体的には、アルミナ粉末(純度99.99%以上、平均粒径0.3μm)97質量部と、イットリア5.4mol%共沈型ジルコニア(純度99%以上、平均粒径0.3μm)3質量部と、ブチラール樹脂14質量部と、ジブチルフタレート7質量部を配合し、更にトルエン及びメチルエチルケトンからなる混合溶媒を混合して、スラリーとする。そして、これをドクターブレード法によりシート状とし、トルエン及びエチルメチルケトンを揮発させて、第1〜第3未焼成アルミナシートを作製する。更に、第1未焼成アルミナシートには開口512,514をそれぞれ穿孔し、第3未焼成アルミナシートには開口520を穿孔する。
具体的には、ジルコニア粉末(平均粒径0.3μm)20質量部と、Pt(平均粒径5μm〜8μm)100質量部と、エトセルバインダ7質量部とを配合し、更にブチルカルビトールを溶媒として混合して、導電性ペーストとする。そして、この導電性ペーストを用いて、未焼成固体電解質シートの一方の面(表面となる面)に、第1センサパターンのうち、焼成後に検知多孔質状電極部521となるパターン、及び、焼成後に第1センサリード部523の先端部523pとなるパターンを、20±10μmの厚さで印刷し、乾燥させる。
また、Pt81.6wt%、W18.4wt%からなる金属粉末100質量部に、アルミナ10質量部と、エトセルバインダー6質量部と、ブチルカルビトールを溶媒として混合して、導電性ペーストを得る。そして、この導電性ペーストを用いて、未焼成固体電解質シートの上記の一方の面に、第1センサパターンのうち、焼成後に第1センサリード部523の中間部523rとなるパターンを、20±10μmの厚さで印刷し、乾燥させる。
また更に、アルミナ粉末(純度99.99%以上、平均粒径0.3μm)12質量部と、タングステン粉末100質量部と、エトセルバインダ8質量部とを配合し、更にブチルカルビトールを溶媒として混合して、導電性ペーストとする。そして、この導電性ペーストを用いて、未焼成固体電解質シートの上記の一方の面に、第1センサパターンのうち、焼成後に第1センサリード部523の後端部523qとなるパターンを、20±10μmの厚さで印刷し、乾燥させる。かくして、第1センサパターンが形成される。
また、焼成後に第1センサリード部523の中間部523rとなるパターンの形成に用いる上記の導電性ペーストを利用して、未焼成固体電解質シートの上記の他方の面に、第2センサパターンのうち、焼成後に第2センサリード部527の中間部527rとなるパターンを、20±10μmの厚さで印刷し、乾燥させる。
また更に、焼成後に第1センサリード部523の後端部523qとなるパターンの形成に用いる上記の導電性ペーストを利用して、未焼成固体電解質シートの上記の他方の面に、第2センサパターンのうち、焼成後に第2センサリード部527の後端部527qとなるパターンを、20±10μmの厚さで印刷し、乾燥させる。かくして、第2センサパターンが形成される。
かくしてセンサ素子500が完成する。
更に、本実施形態では、センサ素子500は、発熱部535とヒータリード部537を有するが、これら発熱部535及びヒータリード部537も、多孔質状電極部521,525及び第1,第2センサリード部523,527と共に一体焼成されてなる。このため、センサ素子500を複数の基板(例えば、センサ基板とヒータ基板)に分けなくて済むので、センサ素子500及びガンセンサを安価に製造できる。
200,300,400,500,600 センサ素子
221,521 検知多孔質状電極部
225,525 基準多孔質状電極部
256,356,456,554,656 センサ電極取出部
223,523 第1センサリード部
227,527 第2センサリード部
223q,227q,523q,527q 卑金属部
223r,227r,523r,527r 第1耐酸化緻密部
261,531 ガス放出路
271,535 発熱部
273,537 ヒータリード部
Claims (14)
- 板状のセンサ素子を備えるガスセンサであって、
前記センサ素子は、
耐酸化性を有し多孔質状をなす多孔質状電極部と、
少なくとも一部がセンサ素子外部に露出するセンサ電極取出部と、
一端が前記多孔質状電極部に電気的に接続すると共に、他端が前記センサ電極取出部に電気的に接続するセンサリード部と、を有し、
前記センサリード部の一部は、卑金属を主体とし、センサ素子内部に気密に埋設された卑金属部であり、
前記センサリード部のうち、前記卑金属部よりも前記多孔質状電極部側の少なくとも一部は、耐酸化性を有すると共にガス不透過性を有する第1耐酸化緻密部である
ガスセンサ。 - 請求項1に記載のガスセンサであって、
前記第1耐酸化緻密部は、貴金属−卑金属合金からなる
ガスセンサ。 - 請求項1または請求項2に記載のガスセンサであって、
前記センサ素子は、酸素イオン伝導性を有する固体電解質部と、前記固体電解質部を挟むようにして形成された一対の前記多孔質状電極部とを有しており、
前記多孔質状電極部の一つとして、センサ素子内部に閉塞され、前記固体電解質部を介して酸素が汲み込まれることにより内部基準極として機能する基準多孔質状電極部を有し、
前記センサ素子は、この基準多孔質状電極部に汲み込まれた酸素を、前記卑金属部を経由することなくセンサ素子外部に放出する多孔質状のガス放出路を有する
ガスセンサ。 - 請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載のガスセンサであって、
前記センサ素子は、
前記多孔質状電極部及び前記センサリード部の一部を有するセンサ基板と、
前記センサ電極取出部及び前記センサリード部の一部を有するリード基板と、
前記センサ基板と前記リード基板とを接合する接合層と、
前記センサリード部の一部をなし、前記センサ基板に形成された前記センサリード部と前記リード基板に形成された前記センサリード部とを電気的に接続する接続部と、を有し、
前記多孔質状電極部及び前記センサ基板に形成された前記センサリード部は、貴金属を主体とし、
前記リード基板に形成された前記センサリード部は、前記卑金属部であり、
前記接続部は、前記第1耐酸化緻密部である
ガスセンサ。 - 請求項4に記載のガスセンサであって、
前記接続部は、前記接合層によって気密に取り囲まれてなる
ガスセンサ。 - 請求項4または請求項5に記載のガスセンサであって、
前記リード基板は、
卑金属を主体とする発熱部と、
前記発熱部に電気的に接続し、卑金属を主体とするヒータリード部と、を有する
ガスセンサ。 - 請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載のガスセンサであって、
前記多孔質状電極部及び前記センサリード部は、一体焼成されてなる
ガスセンサ。 - 請求項7に記載のガスセンサであって、
前記センサ素子は、
卑金属を主体とする発熱部と、
前記発熱部に電気的に接続し、卑金属を主体とするヒータリード部と、有し、
これら発熱部及びヒータリード部も、前記多孔質状電極部及び前記センサリード部と共に一体焼成されてなる
ガスセンサ。 - 請求項1〜請求項8のいずれか一項に記載のガスセンサであって、
前記センサ電極取出部は、少なくともガスに接触する部分が耐酸化性を有し、
前記センサリード部のうち、前記卑金属部よりも前記センサ電極取出部側の一部は、耐酸化性を有すると共にガス不透過性を有する第2耐酸化緻密部である
ガスセンサ。 - 請求項1〜請求項8のいずれか一項に記載のガスセンサであって、
前記センサ電極取出部は、少なくともガスに接触する部分が耐酸化性を有し、
前記センサ電極取出部の少なくとも一部は、耐酸化性を有すると共にガス不透過性を有する第2耐酸化緻密部であり、
この第2耐酸化緻密部は、前記センサリード部にガスが接触することを防止するように配設されてなる
ガスセンサ。 - 請求項10に記載のガスセンサであって、
前記センサ電極取出部は、前記センサリード部に電気的に接続するビア導体を有し、
このビア導体が前記第2耐酸化緻密部である
ガスセンサ。 - 請求項10に記載のガスセンサであって、
前記センサ電極取出部は、
卑金属を主体とし、前記センサリード部に電気的に接続するビア導体と、
このビア導体に電気的に接続し、センサ素子外部に露出するセンサ電極パッドと、を有し、
前記センサ電極パッドの少なくとも一部が前記第2耐酸化緻密部であり、
この第2耐酸化緻密部は、前記ビア導体にガスが接触することを防止するように配設されてなる
ガスセンサ。 - 請求項9〜請求項12のいずれか一項に記載のガスセンサであって、
前記第2耐酸化緻密部は、貴金属−卑金属合金からなる
ガスセンサ。 - 請求項1〜請求項13のいずれか一項に記載のガスセンサであって、
卑金属は、W,Mo,Mn,Ti,Cr,Zrの少なくともいずれかを含む
ガスセンサ。
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