JP2013222848A - 配線基板 - Google Patents

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祐志 釜瀬
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Abstract

【課題】 高温耐酸化性に優れた導体を有する配線基板を提供すること。
【解決手段】 セラミック焼結体からなる絶縁基板1と、タングステン、クロムおよびモリブデンを主成分とする合金材料からなり、絶縁基板1上に設けられた導体層2と、タングステン、クロムおよびモリブデンを主成分とする合金粒子、およびその合金粒子間に介在しているガラス成分を含む複合材料からなり、導体層2の外周部分と絶縁基板1との間に介在している保護層4と、タングステンおよびモリブデンの少なくとも一方を主成分としており、平面視で保護層4よりも内側において導体層2と絶縁基板1との間に介在している介在層3とを備える配線基板である。導体層2のクロム成分の絶縁基板1への拡散が介在層3で抑制され、介在層3の酸化が導体層3および保護層4で抑制されるため、高温耐酸化性に優れた配線基板を提供できる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、セラミック焼結体からなる絶縁基板の表面に、耐酸化性が高い導体が設けられてなる配線基板に関するものである。
センサ素子や半導体素子、容量素子、圧電振動子等の電子部品を搭載するための配線基板として、酸化アルミニウム質焼結体等のセラミック焼結体からなる絶縁基板と、絶縁基板の上面または下面等の表面に設けられた配線導体等の導体とを備える配線基板が広く用いられている。配線導体は、例えば銅や銀、タングステン、モリブデン等の金属材料からなり、メタライズ層として絶縁基板との同時焼成によって設けられている。
この配線基板について、絶縁基板に電子部品を搭載した後、電子部品の電極を配線導体とボンディングワイヤ等を介して電気的に接続し、必要に応じて電子部品を樹脂等で封止すれば、例えばコンピュータや各種のセンサ装置等の電子機器を構成する外部電気回路に部品として実装される電子装置が形成される。電子装置は、例えばセンサ装置や半導体装置等である。この電子装置について、配線導体のうち絶縁基板の表面に設けられた部分が外部電気回路(電子機器に含まれるマザーボード等の外部電気回路基板に形成されている電気回路)に接続されれば、配線導体を介して電子部品の電極と外部電気回路とが電気的に接続される。
特開2006−97068号公報
近年、配線基板において、例えば約500〜1000℃程度の高温における配線導体の耐酸化
性の向上が求められるようになってきている。これは、例えば、高温の排気ガス用に使用されるセンサ装置等の電子装置において配線基板が用いられるようになってきていること等による。しかし、上記のような高温、かつ酸化性雰囲気(上記排気ガスを含む空気等)において、銅やタングステン等からなる配線導体が酸化しやすい。配線導体が酸化すると、配線導体における電気抵抗が大きくなって、電子装置として正常に作動しなくなる可能性がある。
本発明は上記従来の技術の問題点に鑑みて完成されたものであり、その目的は、高温においても正常に作動する電子装置を作製することが可能な、高温耐酸化性に優れた配線基板を提供することにある。
本発明の一つの態様の配線基板は、セラミック焼結体からなる絶縁基板と、タングステン、クロムおよびモリブデンを主成分とする合金材料からなり、前記絶縁基板上に設けられた導体層と、タングステン、クロムおよびモリブデンを主成分とする合金粒子、および該合金粒子間に介在しているガラス成分を含む複合材料からなり、前記導体層の外周部分と前記絶縁基板との間に介在している保護層と、タングステンおよびモリブデンの少なくとも一方を主成分としており、平面視で前記保護層よりも内側において前記導体層と前記絶縁基板との間に介在している介在層とを備えることを特徴とする。
本発明の一つの態様の配線基板によれば、導体層がタングステン、クロムおよびモリブデンを主成分とする合金材料からなることから、含有されるクロムの作用によって、導体層が全体的に酸化することが抑制される。また、導体層と絶縁基板との間に介在層が介在していることから、介在層に妨げられて、クロム成分が絶縁基板中に拡散することが抑制される。また、保護層によって介在層の外周部分と外気との接触が妨げられることから、外気との接触による導体層の酸化が抑制される。また、保護層のガラス成分によって、導体層のクロム成分が絶縁基板中に拡散することが抑制される。
すなわち、高温耐酸化性に優れた導体層の組成が介在層および保護層によって維持され、介在層の酸化が保護層によって防がれている。したがって、高温耐酸化性に優れた配線基板を提供することができる。
本発明の実施形態の配線基板を示す断面図である。 図1に示す配線基板の要部を拡大して示す断面図である。 本発明の実施形態の配線基板を示す斜視図である。 図1に示す配線基板の変形例における要部を示す断面図である。
本発明の実施形態の配線基板を添付の図面を参照して説明する。以下の説明における上下の区別は便宜的なものであり、実際に配線基板が使用される際の上下を限定するものではない。図1は本発明の実施形態の配線基板を示す断面図であり、図2は図1に示す配線基板の要部を拡大して示す断面図である。また、図3は、本発明の実施形態の配線基板の斜視図である。
絶縁基板1上に導体層2が設けられ、絶縁基板1と導体層2との間に介在層3が介在している。導体層2の外周部分において、導体層2と絶縁基板1との間に保護層4が介在している。絶縁基板1の内部等には、導体層2を絶縁基板の下面等に電気的に導出するための配線導体5が設けられている。配線基板は、例えば電子部品6が搭載されて、各種の電子機器の部品として使用される。
絶縁基板1は、例えば四角板状(直方体状)であり、上面に電子部品6が搭載される。電子部品としては、例えばガスセンサ素子や加速度センサ素子等のセンサ素子、ICやLSI等の半導体集積回路素子、LED(発光ダイオード)やPD(フォトダイオード),CCD(電荷結合素子)等の光半導体素子、弾性表面波素子や水晶振動子等の圧電素子、容量素子、抵抗器、半導体基板の表面に微小な電子機械機構が形成されてなるマイクロマシン(いわゆるMEMS素子)等の種々の電子部品が挙げられる。
絶縁基板1は、例えば酸化アルミニウム質焼結体や窒化アルミニウム質焼結体、ムライト質焼結体、ガラスセラミック焼結体等のセラミック焼結体によって形成されている。また、絶縁基板1は、このようなセラミック焼結体からなる複数の絶縁層(図示せず)が積層されて形成されている。
絶縁基板1は、例えば、酸化アルミニウム質焼結体からなる複数の絶縁層が積層されて形成されている場合であれば、以下の方法で製作することができる。すなわち、まず、酸化アルミニウムおよび酸化ケイ素等の原料粉末を適当な有機バインダおよび有機溶剤とともにシート状に成形した複数のセラミックグリーンシートを積層して積層体とし、その後、この積層体を焼成することによって製作することができる。
絶縁基板1の表面に設けられた導体は、導体層2、介在層3および保護層4である。導体層2は、配線基板における耐酸化性の高い主導体であり、介在層3は導体層2のクロム成分が絶縁基板1に拡散することを抑制するためのものであり、保護層4は、介在層3を外気から保護するためのものである。また、保護層4は、導体層2のクロム成分が絶縁基板1に拡散することを抑制するためのものである。これらについて、以下に順次説明する。
絶縁基板1の表面上に設けられた導体層2は、絶縁基板1の上面に搭載される電子部品6が電気的に接続される接続用の端子等として機能する。導体層2は、例えば図1〜図3に示すように絶縁基板1の上面に複数設けられて、電子部品6の複数の電極(図示せず)がそれぞれに電気的に接続される。
導体層2は、例えば前述したように配線導体5を介して絶縁基板1の下面に電気的に導出されている。配線導体5を介して、導体層2が外部の電気回路と電気的に接続され得る。また、異なる導体層2に接続された電子部品6の複数の電極(図示せず)同士が、配線導体5を介して互いに電気的に接続される場合もある。電子部品6の複数の電極は、一つの電子部品が有する複数の電極であってもよく、複数の電子部品(図示せず)のそれぞれの電極であってもよい。
配線導体5は、例えばタングステンやモリブデン、マンガン、銅、ニッケル、金等の金属材料によって形成されている。これらの金属材料がメタライズ層やめっき層等の形態で絶縁基板1に付着して、配線導体5が設けられている。例えば、タングステンの金属ペーストを絶縁基板1となるセラミックグリーンシートの表面に印刷され、同時焼成されて、タングステンのメタライズ層からなる配線導体5が設けられる。また、このタングステンのメタライズ層の露出表面にニッケル等のめっき層が付着される場合もある。
このような配線導体5は、配線基板のうち高温耐酸化性が求められる部分(例えば上面)には露出しないようにする必要がある。言い換えれば、配線基板の外表面のうち高温耐酸化性が求められない部分であれば、配線導体5が露出していてもよい。
導体層2は、タングステン、クロムおよびモリブデンを主成分とする金属材料によって設けられている。タングステン、クロムおよびモリブデンを主成分とする金属材料は、含まれているクロムの作用によって、高温における耐酸化性が向上している。この場合の高温は、例えば約500℃以上である。従来技術による、タングステンまたはモリブデンのみ
を主成分とする金属材料形成された導体層(図示せず)では、このような高温において内部まで酸化が進み、電気抵抗が大きくなって上記のように電子部品6を接続する導体として不適当になってしまう。約500℃以上の環境で用いられる電子装置としては、例えば、
排気ガス中で用いられるカーボン粒子検出用のセンサ装置や、高精度焼成炉内温度計測機器用の温度センサ装置等が挙げられる。
例えば、図3に示すように、配線基板1の上面に電子部品6としてカーボンのセンサ素子が搭載され、この電子部品6が導体層2とろう材(ろう材やその他の金属部材の溶接等)を介して電気的に接続されて、電子装置としてセンサ装置が作製される。このセンサ装置が、排気ガスが流れる流路中に配置されて、カーボン粒子の検出が行なわれる。検出されたカーボン粒子に応じて電気信号が生じ、この電気信号が、導体層2から配線導体5を介してセンサ装置が実装されている測定機器に送られる。
これに対して、上記クロムを含む金属材料で設けられた導体層2の場合には、含まれているクロム成分が導体層の表面において薄い酸化膜(図示せず)を形成する。この酸化膜の形成によって、導体層2の内部にまで酸化が進むことが妨げられるため、導体層2の耐
酸化性が向上している。
なお、クロムの酸化膜の厚みは、1〜5μm程度であるため、このクロムの酸化膜が、導体層2に電子部品6が電気的に接続されるときの妨げになることはない。また、導体層2自体の電気抵抗も、酸化膜が形成されていないときと同じ程度に低く抑えられる。
タングステン、クロムおよびモリブデンを主成分とする金属材料は、例えば、タングステンの含有量が約40質量%であり、クロムの含有量が約30質量%であり、モリブデンの含有量約30質量%である。金属材料において、タングステン、モリブデンおよびクロムの合計がほぼ100質量%である。導体層2の耐酸化性に対する影響が大きいのはクロム成分で
ある。そのため、導体層2におけるクロムの含有量は、20〜40質量%の範囲とすることが望ましい。
タングステンおよびモリブデンの含有量は、クロムの含有量が上記範囲であるときには、配線基板の用途、使用条件等に応じて適宜設定すればよい。タングステンおよびモリブデンは、導体層2における電気抵抗を低減するためのものである。また、タングステンおよびモリブデンは、導体層2について、例えば酸化アルミニウム質焼結体からなる絶縁基板1との同時焼成による形成を可能とするためのものである。
なお、導体層2においてタングステンまたはモリブデンが含まれていない場合には、
モリブデン−クロムまたはタングステン−クロムの2相に合金が分離してしまう可能性がある。2相に分離すると、導体層2における耐酸化性の向上や絶縁基板1との同時焼結性等の効果が得られなくなる。そのため、導体層2を形成する金属材料は、タングステン、クロムおよびモリブデンの両方を主成分として含む必要がある。すなわち、タングステン、クロムおよびモリブデンを主成分とする合金は単相合金である必要がある。
導体層2を形成している金属材料における耐酸化性は、金属材料に含まれるクロム成分の量に影響を受ける。そのため、上記金属材料の成分のうちクロムの含有量を、目的とする耐酸化性の程度や作業性、経済性等に応じて適宜調整する。
導体層2は、タングステン、クロムおよびモリブデン以外の金属材料が微量含有されていても構わない。このような金属材料としては、例えば金および白金等の、いわゆる貴金属が挙げられる。また、導体層2は、チタンやマンガン等の微量の不可避不純物が含まれていても構わない。
導体層2は、例えば以下のようにして設けられている。すなわち、まず、タングステン、クロムおよびモリブデンそれぞれの粉末を所定の割合で混合した金属粉末に有機溶剤およびバインダ等を添加して金属ペーストを作製し、次に、この金属ペーストを絶縁基板1となるセラミックグリーンシート上に塗布し、その後、同時焼成することによって、絶縁基板1上に導体層2を設けることができる。なお、この絶縁基板1および導体層2の形成に際しては、導体層2となる金属ペーストと、絶縁基板1となるセラミックグリーンシートとの間に、後述する介在層3を介在させておく必要がある。
導体層2と絶縁基板1との間には、タングステンおよびモリブデンの少なくとも一方を主成分とする介在層3が介在している。介在層3は、導体層2のクロム成分が絶縁基板1内に拡散することを抑制するためのものである。上記のように、導体層2となる金属ペーストをセラミックグリーンシートと同時焼成した場合、金属ペースト中のクロムが、セラミックグリーンシート中の酸化アルミニウム(酸素を含む成分)と結合しやすい。そのため、焼成後の導体層2においてクロム成分が不十分になり、導体層2の耐酸化性が不十分になりやすい。また、いったん焼成された後の配線基板においても、導体層2のクロムと
絶縁基板1の酸素を含む成分(酸化アルミニウム等)とが結合しやすい。そのため、同様に、クロムの絶縁基板1中への拡散によって導体層2のクロム含有量が減少して耐酸化性が低下する可能性がある。
これに対して、導体層2と絶縁基板1との間に介在層が介在していれば、導体層2と絶縁基板1とが直接に接し合うことがない。また、導体層2の主成分であるタングステンおよびモリブデンのいずれに対しても、導体層2のクロムが容易に結合することはない。そのため、クロムの介在層3への拡散も発生しにくい。そのため、導体層2のクロムが絶縁基板1またはセラミックグリーンシート中に拡散することが抑制され、導体層2のクロム含有量が上記のような所定の範囲に保たれる。したがって、導体層2の耐酸化性を高く確保しておくことができる。
介在層3は、タングステンおよびモリブデンの少なくとも一方を主成分とする金属ペーストを絶縁基板1となるセラミックグリーンシートの表面に印刷して、同時焼成することによって、絶縁基板1に設けることができる。
介在層3の組成は、例えば、タングステンが50〜100質量%であり、モリブデンが50〜100質量%である。また、タングステンおよびモリブデンの合計が50〜100質量%である。
タングステンおよびモリブデン以外の成分として、金および白金等の貴金属や、チタンおよびマンガン等の微量のいわゆる不可避不純物等がふくまれていてもよい。
介在層3は、タングステンまたはモリブデンのいずれか一方のみからなるものであってもよい。また、介在層3は、タングステンまたはモリブデンのいずれか一方のみを主成分とし、これに、上記のようなタングステンおよびモリブデン以外の金属が含まれているものであってもよい。
介在層3の厚みは、導体層2のクロムが絶縁基板1に拡散することを効果的に抑制するためには、5〜20μm程度であることが好ましい。
また、平面視における、介在層3が導体層2と絶縁基板1との間に介在している範囲は、導体層2の面積に対して面積比で90%程度以下であることが好ましい。この面積比が90%を超えると、介在層3の外縁と外気との距離が短くなりやすく、保護層4による介在層3に対する保護の機能が低くなる可能性がある。つまり、介在層3の外周部分が酸化しやすくなる可能性がある。
なお、平面視における、介在層3が導体層2と絶縁基板1との間に介在している範囲を小さくしたとき、これに応じて後述する保護層4が導体層2と絶縁基板1との間に介在する範囲を広げれば、導体層2におけるクロム成分の拡散を抑制することはできる。これは、保護層4も、介在層3と同様に、導体層2のクロム成分の拡散を抑制する効果を有していることによる。ただし、保護層4はガラス成分を含むため、保護層4の範囲を広くし過ぎると、例えば導体層2と配線導体5との間の導通抵抗を低く抑えることが難しくなる可能性がある。したがって、介在層3が導体層2と絶縁基板1との間に介在している範囲は、導体層2の面積に対して面積比で90%程度以下であって、かつ60%以上であることが、より好ましい。
タングステン、クロムおよびモリブデンを主成分とする合金粒子、および該合金粒子間に介在しているガラス成分を含む複合材料からなり、前記導体層の外周部分と前記絶縁基板との間に介在している保護層4は、介在層3の外周部分を覆って外気から保護するためのものである。すなわち、導体層2の外周部分において導体層2と絶縁基板1との間に保護層4が介在しており、保護層4の内側において介在層3が導体層2と絶縁基板1との間
に介在している。この構成によって、導体層2のクロムが絶縁基板1に拡散すること、および介在層3の特に外周部分が酸化することが抑制された、耐酸化性の高い配線基板が形成されている。なお、介在層3の中央部分は、導体層2によって外気から保護されている。
保護層4は、例えば500℃以上の高温において酸化しないものである必要がある。また
、保護層4は、絶縁基板1、導体層2および介在層3と同時焼成によって形成され得るものであることが望ましい。これらの理由から、保護層4は、タングステン、クロムおよびモリブデンを主成分とする合金粒子、および該合金粒子間に介在しているガラス成分を含む複合材料からなっている。
保護層4は、含有しているクロム成分によって、保護層4内部への酸化の進行が抑制されている。すなわち、保護層4における耐酸化性の確保は、導体層3における耐酸化性の確保と同様のメカニズムによって実現されている。
また、保護層4は、ガラス成分を含有しており、ガラス成分中は、導体層3のクロム成分を含むクロムの絶縁基板1への拡散を抑制する。そのため、保護層4は、導体層3のクロム成分の絶縁基板1への拡散を抑制する機能も有している。また、ガラス成分によって、保護層4が絶縁基板1に対して強固に接合している。
保護層4に含まれるガラス成分としては酸化ケイ素(SiO)や酸化マグネシウム(MgO)、酸化カルシウム(CaO)等が挙げられる。保護層4に含まれるガラス成分は、絶縁基板1に対する保護層4の接合強度を高くする上では、絶縁基板1に含まれる酸化ケイ素等のガラス成分と同様の組成であることが好ましい。
また、保護層4に含まれるガラス成分の割合は、例えばガラス成分がSiOの場合であれば、5〜50体積%程度に設定すればよい。
保護層4におけるガラス成分の含有量は、保護層4内で偏っていてもよい。例えば、ガラス成分の含有量は、保護層4が絶縁基板1に接する部分において導体層3に接する部分よりも多くてもよい。この場合には、ガラス成分による保護層4の絶縁基板1に対する接合の強度をより大きくすることができる。保護層4におけるガラス成分の含有量は、保護層4の導体層3に接する部分から絶縁基板1に接する部分にかけて、漸次多くなっていてもよい。
平面視において、導体層2のうち介在層3の外周よりも外側に位置する部分は、前述したように、導体層2と絶縁基板1との間に介在する保護層によって、クロム成分の絶縁基板1への拡散が抑制され得る。
保護層4は、介在層3の酸化を防ぐためには、導体層2の全周にわたって、枠状等の形状で設けられていることが好ましい。また、保護層4のうち平面視において導体層2の外周部分と絶縁基板1との間に介在している部分の幅は、介在層3の酸化の可能性を偏りなく低減させる上では、導体層2の全周において同じ程度であることが好ましい。この場合、保護層4のうち平面視において導体層2の外周部分と絶縁基板1との間に介在している部分の幅は、例えば5〜20μm程度とすればよい。また、保護層4の厚みは、例えば5〜20μm程度に設定すればよい。
保護層4は、例えばタングステン、モリブデンおよびクロムの金属粉末をガラス粉末、有機溶剤およびバインダとともに混練して作製した金属ペーストを、絶縁基板1となるセラミックグリーンシートの表面に印刷し、同時焼成してセラミックグリーンシート中のす
ることによって、絶縁基板1上に設けることができる。この場合、セラミックグリーンシートのうち金属ペーストを印刷する部分のガラス含有量を他の部分よりも多くしておいて、セラミックグリーンシートから金属ペースト(保護層4)にガラス成分を供給するようにしてもよい。
上記導体層2、介在層3および保護層4を設ける方法を、まとめ直して説明する。
まず、絶縁基板1となるセラミックグリーンシート(以下、グリーンシート)を準備し、そのセラミックグリーンシートの表面に、介在層3となるタングステンまたはモリブデン等の金属ペースト(第1ペースト)を印刷する。
次に、保護層となるタングステン、モリブデンおよびクロムに加えてガラス成分を含む金属ペースト(第2ペースト)を、第1ペーストを囲むようにして、枠状等のパターンでグリーンシートの表面に印刷する。このとき、第2ペーストの内周部分が第1ペーストの外周部分上に重なってもよい。
次に、導体層2となる、クロムを含む金属ペースト(第3ペースト)を、第1ペースト上から第2ペーストの内周部分上にかけて覆うように印刷する。その後、第1〜第3ペーストを印刷したグリーンシートを焼成する。以上の第1の方法により、導体層2、介在層3および保護層4を絶縁基板1上に設けることができる。
なお、上記工程において、先に第2ペーストを枠状等のパターンでグリーンシートの表面に印刷してから、その内側に第1ペーストを印刷するようにしてもよい。この場合、第1ペーストの外周部分が、第2ペーストの内周部分上に重なるように印刷してもよい。その後、上記第1の方法と同様に第3ペーストを印刷してから、第1〜第3ペーストを印刷したグリーンシートを焼成する。以上の第2の方法でも、導体層2、介在層3および保護層4を絶縁基板1上に設けることができる。
なお、介在層3の外周と保護層4の内周との間には隙間がほとんどなく、導体層2が絶縁基板1に直接接していない。導体層2が絶縁基板1に直接に接していないので、導体層2のクロムが絶縁基板1に拡散することが、効果的に抑制されている。そのため、導体層2の組成が所定の組成に維持され得る。したがって、配線基板の耐酸化性を高いものとすることができる。
介在層3の外周と保護層4の内周との間に隙間がない形態としては、介在層3の外周と保護層4の内周とが互いに接し合っている形態、介在層3の外周部分の上に保護層4の内周部分が重なっている形態、および介在層3の外周部分が保護層4の内周部分の上に重なっている形態がある。
図1および図2に示す例においては、介在層3の外周と保護層4の内周とが同じ位置にあり、互いに接し合っている。この場合には、介在層3と保護層4とが重なりあう部分が小さいため、例えば、導体層2の上面における平坦性確保の上では有利である。
なお、介在層3の外周と保護層4の内周との間には、介在層3および保護層4のそれぞれになる金属ペーストの印刷位置精度に応じて、若干の隙間が生じていても構わない。
図4は、図1に示す配線基板の変形例における要部を示す断面図である。図4において図1と同様の部位には同様の符号を付している。図4に示す例において、介在層3の外周部分が保護層4の内周部分の上に重なっている。これ以外の点は、上記実施形態の配線基板と同様であるため説明を省略する。
このような形態は、例えば前述した第1の方法で導体層2、介在層3および保護層4を設けたときに生じる。この場合には、介在層3の外周と保護層4の内周との互いの位置精度が低くても、介在層3の外周と保護層4の内周との間に隙間がない形態を実現し得る。つまり、介在層3となる金属ペーストと保護層4となる金属ペーストとの互いの印刷位置の精度が多少低くてもよい。そのため、配線基板としての生産性の点では有利である。
また、図4に示す例において、介在層3の厚みが、介在層3の外周部分3aにおいて中央部分よりも薄くなっている。また、介在層3の外周部分3aが、保護層4と導体層2との間に入り込んでいるこのような形態は、例えば前述した第2の方法で導体層2、介在層3および保護層4を設けたときに生じる。
この例において、介在層3の厚みが、介在層3の外周部分において中央部分よりも薄くなっていることにより、介在層3の外周部分において介在層3に内在する内部応力が低減される。また、この外周部分が保護層4と導体層2との間に入り込んでいるため、導体層2、介在層3および保護層のそれぞれ互いの接合面が縦断面視において入り組んだ形状になり、接合面積が増えている。そのため、介在層3と導体層2との間、および介在層3と保護層4との間の接合の信頼性を高める上で有利である。
なお、介在層3の外周部分3aの一部が保護層4と導体層2との間に入り込んでいる場合にも、上記と同様の効果が得られる。また、導体層2の上面の平坦性の点では、外周部分3aの全部が保護層4と導体層2との間に入り込んでいる場合よりも有利である。
また、図4に示す例の配線基板において、介在層3の厚み方向の一部、つまり下側部分が絶縁基板1内に埋まっている。介在層3の一部が絶縁基板1内に埋まっていることにより、介在層3と絶縁基板1との接合面積が大きくなる。そのため、介在層3の絶縁基板1に対する接合の信頼性が高められている。また、介在層3の外周部分が外気によって酸化する可能性がされに低減されている。したがって、介在層3の厚み方向の一部が絶縁基板1内に埋まっている場合には、より一層高温耐酸化性等の特性および信頼性の高い配線基板を提供することができる。
介在層3の厚み方向の一部を絶縁基板1内に埋めるには、例えば、介在層3となる金属ペーストを絶縁基板1となるグリーンシートに印刷した後に、この金属ペーストを上側から加圧して、厚み方向の一部がグリーンシート内に埋まるようにすればよい。
なお、本発明の配線基板は、以上の実施の形態の例に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変更は可能である。
例えば、絶縁基板1の上面に限らず、下面や側面等にも、導体層2、介在層3および保護層4で構成される導体を設けてもよい。この場合には、配線基板のうち導体が設けられた面の全部が高温環境での使用に適したものになる。
1・・・絶縁基板
2・・・導体層
3・・・介在層
3a・・外周部分(介在層)
4・・・保護層
5・・・配線導体

Claims (3)

  1. セラミック焼結体からなる絶縁基板と、
    タングステン、クロムおよびモリブデンを主成分とする合金材料からなり、前記絶縁基板上に設けられた導体層と、
    タングステン、クロムおよびモリブデンを主成分とする合金粒子、および該合金粒子間に介在しているガラス成分を含む複合材料からなり、前記導体層の外周部分と前記絶縁基板との間に介在している保護層と、
    タングステンおよびモリブデンの少なくとも一方を主成分としており、平面視で前記保護層よりも内側において前記導体層と前記絶縁基板との間に介在している介在層とを備えることを特徴とする配線基板。
  2. 前記保護層における前記ガラス成分の含有量は、前記保護層が前記絶縁基板に接する部分において前記導体層に接する部分よりも多いことを特徴とする請求項1記載の配線基板。
  3. 前記介在層の厚み方向の一部が、前記絶縁基板内に埋まっていることを特徴とする請求項1または請求項2記載の配線基板。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015133351A (ja) * 2014-01-09 2015-07-23 京セラ株式会社 配線基板および検出装置

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