JP6265567B1 - アルミニウム電解コンデンサ用セパレータおよびアルミニウム電解コンデンサ - Google Patents

アルミニウム電解コンデンサ用セパレータおよびアルミニウム電解コンデンサ Download PDF

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Abstract

【課題】アルミニウム電解コンデンサの、エージング時のショート不良率を低減し、素子ショート不良率を低減すると共に、高耐電圧化が実現したアルミニウム電解コンデンサ用セパレータ及び該セパレータを用いたアルミニウム電解コンデンサを提供することを目的とする。【解決手段】少なくとも1層の不織布層を有し、一対の電極の間に介在するアルミニウム電解コンデンサ用セパレータであって、前記不織布層の平均孔径が0.5〜15μmの範囲であり、かつ、70℃のイオン交換水に30分間浸漬した後の湿潤引張強さが0.30kN/m以上であり、前記不織布層は、アクリル繊維を25質量%以上含有する。【選択図】 なし

Description

本発明は、アルミニウム電解コンデンサに好適なセパレータおよび該セパレータを用いたアルミニウム電解コンデンサに関するものである。
近年、電子機器や自動車電装機器のデジタル化に伴い、これら機器の高機能化、高性能化が進み、また、これら機器等の小型化のため、これらに用いられる電子回路基板等にも小型化が求められている。
導電性高分子を陰極材料に用いたアルミニウム電解コンデンサ(以下、「固体電解コンデンサ」と称す)は、電解液を陰極材料に用いたアルミニウム電解コンデンサと比べESR(等価直列抵抗)特性が良好であることから員数削減による小型化が可能であり、パソコンやゲーム機等に使用されている。パソコン等ではCPUの高速化・高機能化が求められており、動作周波数がいちだんと高周波化している。
電解液を用いたアルミニウム電解コンデンサの伝導機構はイオン伝導であるが、固体電解コンデンサの伝導機構は電子伝導であり高伝導度を示す。つまり、蓄えた電子を放出する応答性が良いことから、低ESR特性となり、電源回路の中でもCPU周りに用いるコンデンサとしてメリットがある。
アルミニウム電解コンデンサに用いられる導電性高分子の中でも、導電性高分子水分散液を用いたアルミニウム電解コンデンサは、耐電圧特性が良好であるため、電源回路の中でも数十V程度の定格電圧が求められる用途に使用されている。しかしながら、近年、電源回路に用いられるアルミニウム電解コンデンサには、定格電圧の向上が求められてきていた。
また近年は、陰極材料として、導電性高分子と電解液とを共に使用した、導電性高分子ハイブリッドアルミニウム電解コンデンサ(以下、「ハイブリッド電解コンデンサ」と称す)がコンデンサメーカー各社より上市されており、低ESR特性であることと、ショート不良がないことが必須要件である自動車用等にも用いられている。
ここで、アルミニウム電解コンデンサの定格電圧は、誘電体(陽極アルミニウム酸化皮膜)の耐電圧と、電解液(又は、導電性高分子)の耐電圧との組合せで決まる。陰極材料に電解液を用いたアルミニウム電解コンデンサはアルミニウム酸化皮膜の自己修復能力があるが、固体電解コンデンサは、アルミニウム酸化被膜の修復能力を持たない。
そこで、固体電解コンデンサでは、導電性高分子層を形成前に再化成をおこなうことにより、箔の切断面やタブ等の未化成部分の化成、およびアルミニウム酸化皮膜の欠損部分を修復した後に導電性高分子層を形成している。つまり、導電性高分子層形成前の再化成の出来栄えが、固体電解コンデンサの定格電圧を左右することとなる。
固体電解コンデンサにおいては、導電性高分子重合液には、導電性高分子のモノマーと酸化剤とが含まれている。セパレータは導電性高分子の保持のために、モノマーおよび酸化剤を含む導電性高分子重合液の含浸性がよいことや、導電性高分子の重合を妨げないこと、導電性高分子水分散液の含浸性がよいことなどが求められる。
固体電解コンデンサに用いられるセパレータとして、セルロース製セパレータもあるが、通常、セルロース製セパレータは炭化処理を施して使用される。これは、セルロースを炭化処理することで、セパレータの酸化剤に対する耐性を向上させること、更に、炭化によりセパレータの空隙が増加するためであり、重合液の含浸性を向上させることも期待できるからである。
しかしながら、セパレータの炭化処理工程でかかる熱によりセルロースの熱分解が起こり、この熱分解によってセパレータの物理的強度が低下してしまう。また、セルロース自体は酸性条件下で徐々に分解されるため、酸化剤を含有する導電性高分子重合液および水分散液をコンデンサ素子に含浸するとセパレータの物理的強度の低下が顕著となる。
このようなセルロース製セパレータの問題点を回避するために、合成繊維を配合したセパレータも使用されている。この種のセパレータに使用されている合成繊維として、例えば、アクリル繊維、半芳香族ポリアミド繊維、アラミド繊維、ポリエステル繊維などが挙げられる。
これら合成繊維の中でも、導電性高分子の重合液や分散液との含浸性や、耐熱性、耐酸性等の観点から、アクリル繊維が好適に用いられており、例えば特許文献1乃至2の技術が開示されている。
また、アルミニウム電解コンデンサの内部短絡(ショート不良)を低減する方法として特許文献3の技術が開示されている。
特開2014−175588号公報 特開2006−344742号公報 特開2013−080828号公報
特許文献1記載の発明においては、アクリル繊維を用いたセパレータが提案されている。アクリル繊維を使用したセパレータは、導電性高分子の重合液や分散液の含浸性、及び保持性が良好であり、このセパレータを使用することで、アルミニウム電解コンデンサのESRを低減することができる。
しかしながら、上述した通り、アルミニウム電解コンデンサにも更なる高定格電圧化が求められており、セパレータにも更なる耐ショート性の向上が求められている。
特許文献2記載の発明は、フィブリル化アクリル繊維を含有したセパレータであり、微細なフィブリルを有するフィブリル化アクリル繊維を用いることで、セパレータの緻密性が向上し、耐ショート性を改善できる。また、フィブリル化アクリル繊維同士の交絡点が増加することに加え、抄紙時の熱履歴によって、フィブリル化アクリル繊維同士の交絡点が結着するため、セパレータの強度を向上させることができる。
また、特許文献3に記載の発明は、積層不織布の平均細孔径を0.3〜20μmに制御したセパレータが開示されている。平均孔径が0.30μm以上あれば、化成液が孔内に入りやすく、20μm以下であれば繊維間距離が適当でショートが少ないとされている。
アルミニウム固体電解コンデンサの高定格電圧化という観点では、特許文献1に記載されたセパレータと比べ、特許文献2及び3に記載のセパレータは、セパレータの機械強度を向上し、ショートを抑制することが可能であり、特許文献2及び3記載のセパレータを用いたコンデンサは、コンデンサの高定格電圧化に寄与するが、近年求められている程度の高定格電圧化には対応できないことがわかった。
つまり、アルミニウム固体電解コンデンサの高定格電圧化のために、コンデンサ製造時の再化成工程で印加される電圧も高くなってきている。そして、再化成での印加電圧の高電圧化により、酸化皮膜および化成液の抵抗による熱量も増大するため、化成液の温度も高くなってきている。
本発明者らは、この原因について鋭意検討した。その結果、特許文献2及び3に記載されたセパレータは、緻密性が高く、素子巻回後のショートを低減できるが、温度の上昇した化成液中では、セパレータの紙層が崩れてしまう。このため、セパレータが形状を維持できず、エージング時の素子のショートを抑制できないことが判明した。
つまり、電圧が印加されることで、温度が上昇した化成液中に浸漬された状態のセパレータは、セパレータを構成する繊維それぞれが動こうとすることで、繊維やフィブリル同士の交絡点や結着点が緩み、結果、セパレータの紙層が部分的に崩落していく。
化成液中でのセパレータ形状を維持するため、例えばセパレータに湿潤紙力増強剤を添加し、セパレータ自体の紙層を保つ手法が考えられるが、コンデンサ用セパレータに適用可能な湿潤紙力増強剤は水酸基をもつセルロース繊維には有効であるが、水酸基をもたないアクリル繊維に対しては湿潤引張強さが強くならないといった問題があり、エージング時の素子のショート不良率を低減することができなかった。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、化成液中での紙層崩れを抑制し、セパレータの形状安定性を向上することで、セパレータの耐ショート性を向上させ、このセパレータを用いたアルミニウム固体電解コンデンサを高定格電圧化してもショート不良率を低減することを目的とする。
本発明に係るセパレータは、上記課題を解決することを目的として成されたもので、例えば以下の構成を備える。
すなわち、少なくとも1層の不織布層を有し、一対の電極の間に介在するアルミニウム電解コンデンサ用セパレータであって、前記不織布層の平均孔径が0.5〜15μmの範囲であり、かつ、70℃のイオン交換水に30分間浸漬した後の湿潤引張強さが0.30kN/m以上であることを特徴とする。
そして例えば、 前記不織布層は、アクリル繊維を25質量%以上含有することを特徴とする。また例えば、前記アクリル繊維が、フィブリル化アクリル繊維を25〜50質量%含有することを特徴とする。
または、以上のいずれかに記載のセパレータを用いたアルミニウム電解コンデンサとする。また例えば、陰極として導電性高分子を用いたことを特徴とするアルミニウム電解コンデンサとする。
本発明によれば、アルミニウム電解コンデンサの、エージング時のショート不良率を低減し、素子ショート不良率を低減することが出来る。更に、高耐電圧化が実現したアルミニウム電解コンデンサを提供できる。
以下、本発明の一実施の形態について詳細に説明する。
本発明に係る発明の実施の形態のセパレータは、少なくとも1層の不織布層を有し、一対の電極の間に介在するアルミニウム電解コンデンサ用セパレータであって、該セパレータの70℃のイオン交換水に30分間浸漬した後の湿潤引張強さを0.30kN/m以上とする。好ましくは70℃のイオン交換水に30分間浸漬した後の湿潤引張強さを0.35kN/m以上とし、より好ましくは湿潤引張強さを0.40kN/m以上とする。
セパレータを70℃のイオン交換水に30分間浸漬した後の湿潤引張強さに上限は特にないが、実際のコンデンサに適用可能なセパレータの厚さ、密度から判断すると、2.0kN/m程度が上限となると考えられる。
本実施の形態におけるセパレータは、セパレータの平均孔径を0.5〜15μmの範囲内に制御しているため、セパレータの緻密性が担保され、コンデンサ素子巻回工程でのショート不良率を低減できる。
また本実施の形態におけるセパレータは、70℃のイオン交換水に30分間浸漬した後の湿潤引張強さが0.30kN/m以上の構造とするため、エージング時のショート不良を大きく抑制できる。
セパレータの平均孔径を0.5〜15μmの範囲に制御することで、セパレータの緻密性が向上し、コンデンサ素子巻回工程後のショート不良率を低減できる。
セパレータの平均孔径を0.5〜13μmの範囲とすることにより、ショート不良率をさらに低減することが可能となり、より好ましいものとできる。
平均孔径が0.5μm未満では、セパレータの繊維間隙が密になりすぎて含侵性が悪化し、コンデンサのESR特性も悪くなる。また、平均孔径が15μmを超過すると、電極箔にバリ等が存在した場合、コンデンサのショート不良が増加する可能性がある。
再化成の時間は30分以内の処理が一般的であるが、この再化成にかかる時間の間常に電圧を印加すると、化成液の温度は70℃程度に達する。このため、セパレータを70℃、30分間イオン交換水に浸漬した後の湿潤引張強さを0.30kN/m以上確保すれば、再化成工程でセパレータの紙層が崩れることなく、形状が維持できる。
また、セパレータの形状が維持できることで、エージング時のショート不良を抑制できる。セパレータを70℃、30分間イオン交換水に浸漬した後の湿潤引張強さが0.30kN/m未満であった場合、エージング時のショート不良が抑制できず、ひいてはコンデンサの高定格電圧化が困難になる。
また、本実施の形態に係るセパレータは、アクリル繊維を25質量%以上含有すると、セパレータへの重合液や分散液の含浸性が向上し、このセパレータを用いたアルミニウム電解コンデンサのESRをより一層低減できる。アクリル繊維の含有量が25質量%未満では、セパレータへの重合液や分散液の含浸性が低下する傾向がある。
尚、アクリル繊維として、フィブリル化アクリル繊維を用いると、アクリル繊維の含浸性を保持したまま、フィブリル化されたアクリル繊維により繊維の交絡点、結着点が増加し、セパレータ自体の機械強度を向上させることが可能となる。更に、セパレータの緻密性も向上するため、ショート不良の抑制に寄与する。なお、フィブリル化アクリル繊維の含有量が多すぎるとセパレータの緻密性が高くなりすぎるため、ESRが高くなる傾向がある。フィブリル化アクリル繊維の含有量としては、50質量%程度が上限として好ましい。
本実施の形態の発明に係るセパレータにおいて、アクリル繊維以外に用いることが可能な繊維としては、例えばナイロン繊維、アラミド繊維、ポリエステル繊維等を用いることができる。
また、セパレータの形成時の必要性や、取扱時の機械強度を考慮して、バインダー繊維を用いることができる。
具体的には、ナイロン繊維としては、半芳香族ポリアミド繊維、アラミド繊維としては、フィブリル化アラミド繊維、ポリエステル繊維としては、ポリエチレンテレフタレートポリエステル繊維が、繊維形状や、繊維径、セパレータに用いたときの耐熱性や、耐薬品性の観点から好ましい。
また、ポリエチレンテレフタレートポリエステル繊維は、繊維を紡糸する際、延伸度を抑制して製造した繊維であれば、セパレータ形成時の熱で、該繊維同士の交絡点で結着するため、セパレータの機械強度等に物性向上に寄与する。
本実施の形態のセパレータの厚さおよび密度は、所望のアルミニウム電解コンデンサの特性を満足するものを、特に限定なく採用できる。一般的に、厚さ20〜70μm、密度0.20〜0.60g/cm3程度の厚さおよび密度のセパレータが使用されているが、この範囲に限定されるものではない。
本発明の実施の形態例において、セパレータは抄紙法を用いて形成した湿式不織布を採用した。セパレータの抄紙形式は、平均孔径や湿潤引張強さを満足することができれば特に限定はなく、長網抄紙や短網抄紙、円網抄紙といった抄紙形式が使用でき、またこれらの抄紙法によって形成された層を複数合わせたものであってもよい。また、抄紙に際しては、コンデンサ用セパレータに影響を与えない程度の不純物含有量であれば、分散剤や消泡剤、紙力増強剤などの添加剤を加えてもよく、紙層形成後に紙力増強加工、親液加工、カレンダー加工、エンボス加工等の後加工を施してもよい。
但し、本実施の形態の根幹である、セパレータの平均孔径0.5〜15μm、セパレータを70℃、30分間イオン交換水に浸漬した後の湿潤引張強さが0.30kN/m以上を実現できれば、セパレータの形成方法に限定はなく、製膜法で用いられるような、繊維分散液をキャスティングにより製膜する等の方法でも問題はない。
そして、本実施の形態のアルミニウム電解コンデンサは、セパレータとして上記構成のセパレータを用いて、一対の電極の間にセパレータを介在させ、陰極材料として導電性高分子を使用した。
以上の構成を採用することにより、本実施の形態例のセパレータは、重合液あるいは分散液の含浸性が良好で、耐ショート性に優れたものとできる。そして、このセパレータを、陰極材料として導電性高分子を用いたアルミニウム電解コンデンサに用いることで、耐ショート性が高く、低ESRであるアルミニウム電解コンデンサを得ることができる。
〔セパレータおよびアルミニウム電解コンデンサの特性の測定方法〕
本実施の形態のセパレータおよびアルミニウム電解コンデンサの各特性の具体的な測定は、以下の条件および方法で行った。
〔厚さ〕
「JIS C 2300−2 『電気用セルロース紙−第2部:試験方法』 5.1 厚さ」に規定された、「5.1.1 測定器および測定方法 a外側マイクロメータを用いる場合」のマイクロメータを用いて、「5.1.3 紙を折り重ねて厚さを測る場合」の10枚に折り重ねる方法で、セパレータの厚さを測定した。
〔密度〕
「JIS C 2300−2 『電気用セルロース紙−第2部:試験方法』 7.0A 密度」のB法に規定された方法で、絶乾状態のセパレータの密度を測定した。
〔平均孔径〕
PMI社製Parm−Porometerを用いてバブルポイント法(JIS K3832)により測定される孔径分布から、セパレータの平均孔径(μm)を求めた。
〔湿潤引張強さ〕
水を入れたウォーターバスを恒温に保ち、ビーカー内に200mLのイオン交換水を入れてビーカー内を70℃に保つ。セパレータの長さ方向(MD方向)に180mm、幅方向(CD方向)に15mmに裁断した試験片6枚をビーカー内のイオン交換水に30分間浸す。30分経過後取り出し、電子式引張試験機を用い、ツカミの間隔180mm、毎分約200mmの速さで試験片を引張り、その引張強さを測定した。6枚の平均値を求め、平均値を単位換算することで、湿潤引張強さ(kN/m)を求めた。
〔固体電解コンデンサの製作工程〕
定格電圧35V、定格静電容量120μF、直径10mm×高さ10.0mmと、定格電圧63V、定格静電容量47μF、直径10mm×高さ15.0mmとの二種類の固体電解コンデンサを作製した。
具体的な作製方法は、以下の通りである。
エッチング処理および酸化皮膜形成処理を行った陽極箔と陰極箔とが接触しないようにセパレータを介在させて巻回し、コンデンサ素子を作製した。作製したコンデンサ素子は、再化成処理後、乾燥した。
定格電圧35Vの固体電解コンデンサの場合には、コンデンサ素子に導電性高分子重合液を含浸後、加熱・重合させ、溶媒を乾燥させて導電性高分子を形成した。
定格電圧63Vの固体電解コンデンサの場合には、コンデンサ素子に導電性高分子水分散液を含浸後、加熱・乾燥させて導電性高分子を形成した。
次に、所定のケースにコンデンサ素子を入れ、開口部を封口後、エージングを行い、それぞれの固体電解コンデンサを得た。
〔ハイブリッド電解コンデンサの製作工程〕
定格電圧35V、定格静電容量270μF、直径10mm×高さ12.5mmと、定格電圧125V、定格静電容量10μF、直径10mm×高さ10.5mmとの二種類のハイブリッド電解コンデンサを作製した。
具体的な作製方法は、以下の通りである。
エッチング処理および酸化皮膜形成処理を行った陽極箔と陰極箔とが接触しないようにセパレータを介在させて巻回し、コンデンサ素子を作製した。作製したコンデンサ素子は、再化成処理後、乾燥した。
定格電圧35Vのハイブリッド電解コンデンサの場合には、コンデンサ素子に導電性高分子重合液を含浸後、加熱・重合させ、溶媒を乾燥させて導電性高分子を形成した。
定格電圧125Vのハイブリッド電解コンデンサの場合には、コンデンサ素子に導電性高分子水分散液を含浸後、加熱・乾燥させて導電性高分子を形成した。
続けて、上記コンデンサ素子に駆動用電解液を含浸させ、所定のケースにコンデンサ素子を入れ、開口部を封口後、エージングを行い、それぞれのハイブリッド電解コンデンサを得た。
〔アルミニウム電解コンデンサの評価方法〕
本実施の形態のアルミニウム電解コンデンサの具体的な性能評価は、以下の条件および方法で行った。
〔ESR〕
作製したコンデンサ素子のESRは、温度20℃、周波数100kHzの条件にてLCRメータを用いて測定した。
〔ショート不良率〕
コンデンサ素子巻回時のショート不良は、素子を巻回した後のショート不良率とエージング時のショート不良率とを求めた。
巻回後の素子を1000個用意し、300Vの電圧を印加した時に導通により電圧が降下したものを巻回ショート不良とみなした。ショートした不良数を計数し、1000で除した後、百分率で表して、巻回ショート不良率とした。
エージング時のショート不良は、巻回ショートしなかった素子に定格電圧を印加し、その時に導通により電圧が降下したものをエージング時のショート不良とみなした。エージング時に生じたショート不良数を計数し、評価に供した素子数で除して、百分率で表して、エージングショート不良率とした。
〔実施例〕
以下、本発明に係る具体的な実施例等について説明する。
まず、各実施例、比較例、従来例のセパレータについて説明する。
〔実施例1〕
アクリル繊維50質量%と、フィブリル化アクリル繊維50質量%とを混合した。得られた原料を用いて円網抄紙し、更に150℃にてドライ表面で熱処理とタッチロールによるプレスを行い、実施例1のセパレータを製作した。
実施例1のセパレータは、厚さ30μm、密度0.55g/cm3であり、平均孔径は0.52μm、湿潤引張強さは0.69kN/mであった。
〔実施例2〕
アクリル繊維50質量%と、ポリエチレンテレフタレートポリエステル繊維(以下、「PET繊維」と称す)25質量%と、繊維製造時の延伸度を抑制して製造したポリエチレンテレフタレートポリエステル繊維(以下、「未延伸PET繊維」と称す)25質量%とを混合した。得られた原料を用いて円網抄紙し、更に150℃にてドライ表面で熱処理とタッチロールによるプレスを行い、実施例2のセパレータを製作した。
実施例2のセパレータは、厚さ60μm、密度0.20g/cm3であり、平均孔径は14.7μm、湿潤引張強さは1.10kN/mであった。
〔実施例3〕
半芳香族ポリアミド繊維50質量%と、フィブリル化アクリル繊維25質量%と、未延伸PET繊維25質量%とを混合した。得られた原料を用いて円網抄紙し、更に150℃にてドライ表面で熱処理とタッチロールによるプレスを行い、実施例3のセパレータを製作した。
実施例3のセパレータは、厚さ20μm、密度0.40g/cm3であり、平均孔径は9.70μm、湿潤引張強さは1.60kN/mであった。
〔実施例4〕
フィブリル化アラミド繊維25質量%と、PET繊維30質量%と、アクリル繊維25質量%と、ポリビニルアルコール繊維20質量%とを混合した。得られた原料を用いて円網抄紙し、更に150℃にてドライ表面で熱処理とタッチロールによるプレスを行い、実施例4のセパレータを製作した。
実施例4のセパレータは、厚さ70μm、密度0.30g/cm3であり、平均孔径は12.80μm、湿潤引張強さは0.31kN/mであった。
〔参考例〕
フィブリル化アクリル繊維80質量%と、アクリル繊維20質量%とを混合した。得られた原料を用いて円網抄紙し、更に150℃にてドライ表面で熱処理とタッチロールによるプレスを行い、参考例のセパレータを製作した。
参考例のセパレータは、厚さ40μm、密度0.45g/cm3であり、平均孔径は0.41μm、湿潤引張強さは0.60kN/mであった。
〔比較例1〕
半芳香族ポリアミド繊維40質量%と、PET繊維20質量%と、未延伸PET繊維20質量%と、フィブリル化アクリル繊維20質量%とを混合した。得られた原料を用いて円網抄紙し、比較例1のセパレータを製作した。
比較例1のセパレータは、厚さ50μm、密度0.31g/cm3であり、平均孔径は9.10μm、湿潤引張強さは0.27kN/mであった。
〔比較例2〕
アクリル繊維40質量%と、フィブリル化アラミド繊維40質量%と、ポリビニルアルコール繊維(PVA)20質量%とを混合した。得られた原料を用いて円網抄紙し、比較例2のセパレータを製作した。
比較例2のセパレータは、厚さ30μm、密度0.25g/cm3であり、平均孔径は16.20μm、湿潤引張強さは0.41kN/mであった。
〔従来例1〕
特許文献1の実施例1に記載の方法、即ち、平均繊維径1.0μm、繊維長3mmのアクリル短繊維50重量%と、平均繊維径3.0μm、繊維長3mmのアクリル短繊維40重量%と、フリーネス30mlのパラアラミドフィブリッド10重量%とを混合し、混合した原料を用いて円網・傾斜コンビネーション抄紙機を用いて、湿式抄紙し、従来例1のセパレータを製作した。厚みは常温でカレンダー処理して調整した。
従来例1のセパレータは、厚さ10μm、密度0.50g/cm3であり、平均孔径は19.40μm、湿潤引張強さは0.13kN/mであった。
〔従来例2〕
特許文献3の実施例1に記載の方法、即ち、PETの溶液(OCPが溶媒)を用い、スパンボンド法により紡糸し、極細繊維ウェブ上に吹き付け、作成した不織布層(I層)/熱可塑性樹脂長繊維で構成される不織布層(II層)からなる積層ウェブを製作し、PET繊維を100質量%含有した従来例2のセパレータとした。
従来例2のセパレータは、厚さ40μm、密度0.50g/cm3であり、平均孔径は6.70μm、湿潤引張強さは0.51kN/mであった。
本実施の形態の各実施例、参考例、各比較例、各従来例のセパレータ単体の評価結果を表1に示す。
Figure 0006265567
以上の各実施例、比較例、従来例のセパレータを用いた、アルミ電解コンデンサについて説明する。各実施例、比較例、従来例のセパレータを用いたコンデンサは、定格電圧35V、定格静電容量120μF、定格電圧63V、定格静電容量47μFの固体電解コンデンサ、定格電圧35V、定格静電容量270μF、定格電圧125V、定格静電容量10μFのハイブリッド電解コンデンサの評価結果を示す。
〔実施例1〕
(定格電圧35V、定格静電容量120μFの固体電解コンデンサ)
素子巻回時、エージング時共にショート不良率0.1%、エージング時のESR9mΩであった。
(定格電圧63V、定格静電容量47μFの固体電解コンデンサ)
素子巻回時のショート不良率0.3%、エージング時のショート不良率0.1%、エージング時のESR23mΩであった。
(定格電圧35V、定格静電容量270μFのハイブリッド電解コンデンサ)
素子巻回時、エージング時のショート不良率0.0%、エージング時のESR14mΩであった。
(定格電圧125V、定格静電容量10μFのハイブリッド電解コンデンサ)
素子巻回時のショート不良率0.1%、エージング時のショート不良率0.0%、エージング時のESR35mΩであった。
〔実施例2〕
(定格電圧35V、定格静電容量120μFの固体電解コンデンサ)
素子巻回時のショート不良率0.2%、エージング時共にショート不良率0.0%、エージング時のESR10mΩであった。
(定格電圧63V、定格静電容量47μFの固体電解コンデンサ)
素子巻回時のショート不良率0.5%、エージング時のショート不良率0.2%、エージング時のESR24mΩであった。
(定格電圧35V、定格静電容量270μFのハイブリッド電解コンデンサ)
素子巻回時のショート不良率0.1%、エージング時のショート不良率0.0%、エージング時のESR16mΩであった。
(定格電圧125V、定格静電容量10μFのハイブリッド電解コンデンサ)
素子巻回時のショート不良率0.2%、エージング時のショート不良率0.1%、エージング時のESR34mΩであった。
〔実施例3〕
(定格電圧35V、定格静電容量120μFの固体電解コンデンサ)
素子巻回時のショート不良率0.3%、エージング時共にショート不良率0.0%、エージング時のESR8mΩであった。
(定格電圧63V、定格静電容量47μFの固体電解コンデンサ)
素子巻回時のショート不良率0.7%、エージング時のショート不良率0.3%、エージング時のESR20mΩであった。
(定格電圧35V、定格静電容量270μFのハイブリッド電解コンデンサ)
素子巻回時、エージング時のショート不良率0.0%、エージング時のESR13mΩであった。
(定格電圧125V、定格静電容量10μFのハイブリッド電解コンデンサ)
素子巻回時のショート不良率0.5%、エージング時のショート不良率0.2%、エージング時のESR30mΩであった。
〔実施例4〕
(定格電圧35V、定格静電容量120μFの固体電解コンデンサ)
素子巻回時のショート不良率0.0%、エージング時のショート不良率0.2%、エージング時のESR11mΩであった。
(定格電圧63V、定格静電容量47μFの固体電解コンデンサ)
素子巻回時のショート不良率0.1%、エージング時のショート不良率0.0%、エージング時のESR24mΩであった。
(定格電圧35V、定格静電容量270μFのハイブリッド電解コンデンサ)
素子巻回時のショート不良率0.0%、エージング時のショート不良率0.2%、エージング時のESR17mΩであった。
(定格電圧125V、定格静電容量10μFのハイブリッド電解コンデンサ)
素子巻回時、エージング時共にショート不良率0.0%、エージング時のESR36mΩであった。
〔参考例〕
(定格電圧35V、定格静電容量120μFの固体電解コンデンサ)
素子巻回時のショート不良率0.4%、エージング時のショート不良率0.2%、エージング時のESR17mΩであった。
(定格電圧63V、定格静電容量47μFの固体電解コンデンサ)
素子巻回時のショート不良率0.9%、エージング時のショート不良率0.5%、エージング時のESR29mΩであった。
(定格電圧35V、定格静電容量270μFのハイブリッド電解コンデンサ)
素子巻回時、エージング時のショート不良率0.3%、エージング時のESR20mΩであった。
(定格電圧125V、定格静電容量10μFのハイブリッド電解コンデンサ)
素子巻回時のショート不良率0.7%、エージング時のショート不良率0.5%、エージング時のESR41mΩであった。
〔比較例1〕
(定格電圧35V、定格静電容量120μFの固体電解コンデンサ)
素子巻回時のショート不良率0.8%、エージング時のショート不良率1.9%、エージング時のESR24mΩであった。
(定格電圧63V、定格静電容量47μFの固体電解コンデンサ)
素子巻回時のショート不良率2.9%、エージング時のショート不良率1.5%、エージング時のESR39mΩであった。
(定格電圧35V、定格静電容量270μFのハイブリッド電解コンデンサ)
素子巻回時のショート不良率0.4%、エージング時のショート不良率1.9%、エージング時のESR29mΩであった。
(定格電圧125V、定格静電容量10μFのハイブリッド電解コンデンサ)
素子巻回時のショート不良率1.2%、エージング時のショート不良率4%、エージング時のESR52mΩであった。
〔比較例2〕
(定格電圧35V、定格静電容量120μFの固体電解コンデンサ)
素子巻回時のショート不良率4.3%、エージング時共にショート不良率1.8%、エージング時のESR29mΩであった。
(定格電圧63V、定格静電容量47μFの固体電解コンデンサ)
素子巻回時のショート不良率8.9%、エージング時のショート不良率4.6%、エージング時のESR35mΩであった。
(定格電圧35V、定格静電容量270μFのハイブリッド電解コンデンサ)
素子巻回時のショート不良率3.1%、エージング時のショート不良率1.8%、エージング時のESR23mΩであった。
(定格電圧125V、定格静電容量10μFのハイブリッド電解コンデンサ)
素子巻回時のショート不良率5%、エージング時のショート不良率3.4%、エージング時のESR48mΩであった。
〔従来例1〕
(定格電圧35V、定格静電容量120μFの固体電解コンデンサ)
素子巻回時のショート不良率5.6%、エージング時共にショート不良率2.1%、エージング時のESR11mΩであった。
(定格電圧63V、定格静電容量47μFの固体電解コンデンサ)
素子巻回時のショート不良率9.1%、エージング時のショート不良率1.6%、エージング時のESR22mΩであった。
(定格電圧35V、定格静電容量270μFのハイブリッド電解コンデンサ)
素子巻回時のショート不良率4.6%、エージング時のショート不良率2.2%、エージング時のESR16mΩであった。
(定格電圧125V、定格静電容量10μFのハイブリッド電解コンデンサ)
素子巻回時のショート不良率6.3%、エージング時のショート不良率3.1%、エージング時のESR35mΩであった。
〔従来例2〕
(定格電圧35V、定格静電容量120μFの固体電解コンデンサ)
素子巻回時のショート不良率0.4%、エージング時共にショート不良率0.3%、エージング時のESR30mΩであった。
(定格電圧63V、定格静電容量47μFの固体電解コンデンサ)
素子巻回時のショート不良率1.1%、エージング時のショート不良率0.6%、エージング時のESR36mΩであった。
(定格電圧35V、定格静電容量270μFのハイブリッド電解コンデンサ)
素子巻回時のショート不良率0.3%、エージング時のショート不良率0.4%、エージング時のESR28mΩであった。
(定格電圧125V、定格静電容量10μFのハイブリッド電解コンデンサ)
素子巻回時のショート不良率0.9%、エージング時のショート不良率0.6%、エージング時のESR51mΩであった。
本実施の形態の各実施例、参考例、各比較例、各従来例のセパレータを用いて作成したアルミニウム電解コンデンサの性能評価結果を表2に示す。
Figure 0006265567
実施例1乃至4のセパレータを用いた定格電圧35V、定格静電容量120μFの固体電解コンデンサは巻回時のショート不良率、エージング時のショート不良率ともに低く抑えられており、ESRも8〜11mΩと低い。また、同セパレータを用いた定格電圧63V、定格静電容量47μFの固体電解コンデンサは、定格電圧を向上させたにもかかわらず、巻回時のショート不良率、エージング時のショート不良率も低く、ESRも20〜24mΩであり、固体電解コンデンサとして良好な性能を確保している。
また実施例1乃至4のセパレータを用いた定格電圧35V、定格静電容量270μFのハイブリッド電解コンデンサの評価でも、ショート不良率、エージング時のショート不良率ともに低く抑えられており、ESRも13〜17mΩと低い。そして、同セパレータを用いた定格電圧125V、定格静電容量10μFのハイブリッド電解コンデンサは定格電圧を向上させたにもかかわらず、ショート不良率は低く、ESRも30〜36mΩと低い。
このことから、本実施の形態のセパレータはコンデンサを高定格電圧化しても、ショート不良率を抑制することが可能であり、ESRも悪化がないことが明らかとなった。
参考例のセパレータは、厚さ、密度、湿潤引張強さは実施例と同レベルで、平均孔径が0.41μmのセパレータである。また、このセパレータは特許文献2の実施例1記載のセパレータと同じ厚さ、密度で、セパレータを構成する繊維の含有率も同じである。
このセパレータを用いた固体電解コンデンサ、及びハイブリッド電解コンデンサは、巻回時、エージング時ともにショート不良率は各実施例と比べ若干高く、いずれのコンデンサにおいても、ESRも若干高くなっている。即ち、フィブリル化アクリル繊維の含有量が80質量%と、実施例に比べ多く、それにより、セパレータの緻密性が向上したことが明らかとなったと考えられる。
つまり、フィブリル化アクリル繊維の含有量が多いことにより、セパレータの平均孔径が小さくなったことで、コンデンサのESRに若干の影響を与えている。各実施例と参考例との比較から、セパレータにおけるフィブリル化アクリル繊維の含有率は、50質量%までであれば、コンデンサのESRを低く抑え、コンデンサの高定格電圧化に寄与することが明らかとなった。
比較例1のセパレータは、厚さ、密度、平均孔径は実施例と同レベルであるが、湿潤引張強さが0.27kN/mと、実施例に比べ低い。この比較例1のセパレータを用いた定格電圧35V、定格静電容量120μFの固体電解コンデンサは、素子巻時、エージング時のショート不良率がそれぞれ0.8%、1.9%と各実施例よりも高くなっている。
また、定格電圧63V、定格静電容量47μFの固体電解コンデンサでも、素子巻時、エージング時のショート不良率がそれぞれ2.9%、1.5%と各実施例よりも高い。そして、定格電圧35V、定格静電容量270μFのハイブリッド電解コンデンサでも、素子巻時、エージング時のショート不良率がそれぞれ0.4%、1.9%と各実施例よりも高く、定格電圧125V、定格静電容量10μFのハイブリッド電解コンデンサでも、素子巻時、エージング時のショート不良率がそれぞれ1.2%、4.0%と各実施例よりも高い。
これは、比較例1のセパレータはフィブリル化アクリル繊維がセパレータ全体で20質量%しか含有しておらず、セパレータの湿潤引張強さが0.27kN/mと低くなったことが原因と考えられる。
このことから、コンデンサの高定格電圧化のためには、アクリル繊維の含有率は20質量%では不足しており、25質量%必要であるとわかる。またセパレータの湿潤引張強さは0.30kN/m以上必要であることが明らかとなった。
比較例2のセパレータは、厚さ、密度、湿潤引張強さは実施例と同レベルで、平均孔径が、16.20μmと大きい。このため、各コンデンサの素子巻時のショート不良率が高くなっている。このことから、素子巻時のショート不良率を抑制するには、セパレータの平均孔径を15μm以下にすることが必要であることが明らかとなった。
従来例1のセパレータは、特許文献1の実施例1記載のセパレータと同様であるが、平均孔径が19.40μmと大きく、湿潤引張強さが0.13kN/mと低い。このため、各コンデンサの評価でも、素子巻時、及びエージング時のショート不良率が高い。
比較例1乃至2、従来例1のコンデンサ評価結果から、セパレータにアクリル繊維が40乃至90質量%含有されているだけでは、ショート不良率の改善や、定格電圧の高圧化という課題を解決できず、やはり、平均孔径を0.50〜15.0μmに制御すること、また、湿潤引張強さを0.30kN/m以上にすることが必要であることが明らかとなった。
従来例2のセパレータは、特許文献3の実施例1記載のセパレータと同様で、PET樹脂100%の三層乾式不織布である。このセパレータを用いた各コンデンサのショート不良率は、実施例に比べ、若干悪い程度であるが、ESRが高くなっている。これは、セパレータがPET樹脂100質量%で構成され、乾式不織布を三層積層しているため、導電性高分子重合液、又は導電性高分子水分散液の含浸性、及び保持性が悪く、導電性高分子層が上手く形成できなかったことが原因と考えられる。
以上説明したように本発明の実施の形態によれば、セパレータの平均孔径を0.5〜15μmの範囲に制御し、70℃のイオン交換水に30分間浸漬した後の湿潤引張強さが0.30kN/m以上のセパレータとすることで、化成液中でのセパレータの紙層崩れを抑制でき、セパレータの形状安定性が向上する。このため、本実施の形態のセパレータを用いたアルミニウム電解コンデンサの、エージング時のショート不良率を低減し、素子ショート不良率の低減も可能となる。つまり、アルミニウム電解コンデンサの高耐電圧化にも寄与できる。
セパレータにおいて、アクリル繊維を25質量%以上含有することで、導電性高分子重合液や、導電性高分子水分散液の良好な含浸性を有するセパレータとすることができる。含浸性が良好なことで、重合液や分散液の含浸性・保持性が向上し、このセパレータを用いたアルミニウム固体電解コンデンサのESRを更に低減できる。
また、フィブリル化アクリル繊維を25〜50質量%含有したセパレータとすることで、良好な含浸性を維持しつつ、セパレータの緻密性をさらに向上させることができる。
以上記載したように、本実施の形態のセパレータは、コンデンサに用いた時に、ESRが悪化することなく、ショート不良率を低減し、コンデンサの高定格電圧化にも寄与するセパレータを提供できる。

Claims (5)

  1. 少なくとも1層の湿式不織布層を有し、一対の電極の間に介在するアルミニウム電解コンデンサ用セパレータであって、
    前記湿式不織布層の平均孔径が0.5〜15μmの範囲であり、かつ、70℃のイオン交換水に30分間浸漬した後の湿潤引張強さが0.30kN/m以上であり、前記セパレータは合成繊維からなる湿式不織布であることを特徴とするアルミニウム電解コンデンサ用セパレータ。
  2. 前記湿式不織布層は、アクリル繊維を25質量%以上含有することを特徴とする請求項1記載のアルミニウム電解コンデンサ用セパレータ。
  3. 前記アクリル繊維が、フィブリル化アクリル繊維を25〜50質量%含有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のアルミニウム電解コンデンサ用セパレータ。
  4. 請求項1及至請求項3のいずれか1項に記載のセパレータを用いることを特徴とするアルミニウム電解コンデンサ。
  5. 陰極として導電性高分子を用いたことを特徴とする請求項4に記載のアルミニウム電解コンデンサ。
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