JP2014175588A - 固体電解コンデンサ用セパレータおよびそれを用いてなる固体電解コンデンサ - Google Patents
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Abstract
【課題】耐熱性があり、低抵抗の固体電解コンデンサ用セパレータを提供することにある。
【解決手段】固体電解質として導電性高分子を用いる固体電解コンデンサ用セパレータであって、アクリル繊維を80〜97質量%、パラアラミドフィブリッドを3〜20質量%含有することを特徴とする固体電解コンデンサ用セパレータと、それを用いてなる固体電解コンデンサ。
【選択図】なし
【解決手段】固体電解質として導電性高分子を用いる固体電解コンデンサ用セパレータであって、アクリル繊維を80〜97質量%、パラアラミドフィブリッドを3〜20質量%含有することを特徴とする固体電解コンデンサ用セパレータと、それを用いてなる固体電解コンデンサ。
【選択図】なし
Description
本発明は、固体電解コンデンサ用セパレータ(以下、「セパレータ」と略記する場合がある)およびそれを用いてなる固体電解コンデンサに関する。
固体電解質として、ポリピロールやポリチオフェンなどの導電性高分子を用いる固体電解コンデンサでは、箔状の陽極電極および陰極電極を、セパレータを介して巻き取り、巻回素子を形成し、この巻回素子中のセパレータに導電性高分子の重合液を含浸させて重合させたり、導電性高分子分散液を含浸させたりすることで、セパレータを覆い尽くす導電性高分子膜が形成される。従来、固体電解コンデンサのセパレータとしては、エスパルトや麻パルプ、溶剤紡糸セルロース繊維、再生セルロース繊維等のセルロース繊維の叩解物を主体とする紙製セパレータが使用されている(例えば、特許文献1参照)。これら紙セパレータ中のセルロース繊維は、導電性高分子を重合する際に用いる酸化剤と反応して導電性高分子の重合を阻害することから、重合を阻害しないように、予め炭化処理が施される。そのため、固体電解コンデンサの製造工程が煩雑になる、炭化処理によって紙セパレータが脆くなり、崩れやすくなる、電極のバリがセパレータを貫通しやすくなり、ショート不良率が高くなる等の問題があった。
そのため、固体電解コンデンサ用セパレータとして、合成繊維を主体とする不織布を用いたセパレータの検討がなされている(例えば、特許文献2および3参照)。固体電解コンデンサにおいて、近年、リフロー耐熱性の要求温度が高くなってきているが、特許文献2のセパレータは260℃雰囲気下での熱収縮が大きく耐熱性が低いという問題があった。特許文献3のセパレータは、フィブリル化繊維が空隙を埋めることで、導電性高分子の重合液や、導電性高分子分散液の含浸性が不均一となり、固体電解コンデンサのESRが高くなる場合があった。
本発明は、上記実情を鑑みたものであって、耐熱性があり、低抵抗の固体電解コンデンサ用セパレータと、それを用いてなる固体電解コンデンサを提供しようとするものである。
(1)固体電解質として導電性高分子を用いる固体電解コンデンサ用セパレータであって、アクリル繊維を80〜97質量%、パラアラミドフィブリッドを3〜20質量%含有することを特徴とする固体電解コンデンサ用セパレータ、
(2)上記(1)に記載の固体電解コンデンサ用セパレータを用いてなる固体電解コンデンサ、
を見出した。
(2)上記(1)に記載の固体電解コンデンサ用セパレータを用いてなる固体電解コンデンサ、
を見出した。
本発明によれば、固体電解質として、導電性高分子を用いる固体電解コンデンサ用セパレータにおいて、アクリル繊維を80〜97質量%含有させることでセパレータ中に適度な空隙を形成させることができ、導電性高分子重合液や導電性高分子分散液の含浸性を良好なものとすることができることから、低抵抗のセパレータとすることができる。また、耐熱性が高く、バインダー能を持つパラアラミドフィブリッドを3〜20質量%含有させることでセパレータの熱収縮を抑えることができ、高耐熱性のセパレータとすることができる。
<固体電解コンデンサ>
本発明における固体電解コンデンサは、電解質として、導電性を有する機能性高分子を用いる固体電解コンデンサを指す。導電性を有する機能性高分子としては、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリアセチレン、ポリアセン、これらの誘導体が挙げられる。本発明における固体電解コンデンサは、これらの機能性高分子と電解液を併用したものでも良い。電解液としては、イオン解離性の塩を溶解させた水溶液、プロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、アセトニトリル(AN)、γ−ブチロラクトン(BL)、ジメチルホルムアミド(DMF)、テトラヒドロフラン(THF)、ジメトキシエタン(DME)、ジメトキシメタン(DMM)、スルホラン(SL)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、エチレングリコール、プロピレングリコールなどの有機溶媒にイオン解離性の塩を溶解させたもの、イオン性液体(固体溶融塩)などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明における固体電解コンデンサは、電解質として、導電性を有する機能性高分子を用いる固体電解コンデンサを指す。導電性を有する機能性高分子としては、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリアセチレン、ポリアセン、これらの誘導体が挙げられる。本発明における固体電解コンデンサは、これらの機能性高分子と電解液を併用したものでも良い。電解液としては、イオン解離性の塩を溶解させた水溶液、プロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、アセトニトリル(AN)、γ−ブチロラクトン(BL)、ジメチルホルムアミド(DMF)、テトラヒドロフラン(THF)、ジメトキシエタン(DME)、ジメトキシメタン(DMM)、スルホラン(SL)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、エチレングリコール、プロピレングリコールなどの有機溶媒にイオン解離性の塩を溶解させたもの、イオン性液体(固体溶融塩)などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
<固体電解コンデンサ用セパレータ>
本発明の固体電解コンデンサ用セパレータは、アクリル繊維を80〜97質量%、パラアラミドフィブリッドを3〜20質量%含有する。アクリル繊維の含有量は85〜96質量%がより好ましく、90〜95質量%がさらに好ましい。アクリル繊維の含有量が80質量%未満では、導電性高分子重合液や分散液の含浸性が悪くなり、97質量%を超えると、熱収縮が大きくなる。パラアラミドフィブリッドの含有量は4〜15質量%が好ましく、5〜10質量%がさらに好ましい。パラアラミドフィブリッドの含有量が3質量%未満では、熱収縮が大きくなり、20質量%を超えると、導電性高分子重合液や分散液の含浸性が悪くなる。
本発明の固体電解コンデンサ用セパレータは、アクリル繊維を80〜97質量%、パラアラミドフィブリッドを3〜20質量%含有する。アクリル繊維の含有量は85〜96質量%がより好ましく、90〜95質量%がさらに好ましい。アクリル繊維の含有量が80質量%未満では、導電性高分子重合液や分散液の含浸性が悪くなり、97質量%を超えると、熱収縮が大きくなる。パラアラミドフィブリッドの含有量は4〜15質量%が好ましく、5〜10質量%がさらに好ましい。パラアラミドフィブリッドの含有量が3質量%未満では、熱収縮が大きくなり、20質量%を超えると、導電性高分子重合液や分散液の含浸性が悪くなる。
本発明におけるアクリル繊維とは、アクリロニトリル100%の重合体からなるもの、アクリロニトリルに対して、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルなどの(メタ)アクリル酸誘導体、酢酸ビニルなどを共重合させてなる樹脂を溶液紡糸や静電紡糸などの方法で紡糸して作製された繊維を指す。
本発明におけるアクリル繊維の平均繊維径は、1.0〜12.0μmが好ましく、2.0〜10.0μmがより好ましく、3.0〜8.0μmがさらに好ましい。平均繊維径が1.0μm未満では、繊維が細すぎて、セパレータから脱落する場合がある。平均繊維径が12.0μmより太いと、厚みむらが生じる場合やセパレータの厚みを薄くすることが困難になる場合がある。
本発明における平均繊維径とは、顕微鏡で3000倍の拡大写真をとって測定した繊維20本の繊維径の算術平均値をいう。
本発明におけるアクリル繊維の繊維長は1〜15mmが好ましく、2〜10mmがより好ましく、2〜6mmがさらに好ましい。繊維長が1mmより短いと、セパレータから脱落することがあり、15mmより長いと、繊維がもつれてダマになることがあり、厚みむらが生じる場合がある。
本発明におけるパラアラミドとは、パラ配向芳香族ジアミンとパラ配向芳香族ジカルボン酸ハライドとの重縮合で得られるポリマー、前述のモノマーに対して共重合率40モル%以下でメタ配向芳香族ジアミン、メタ配向芳香族ジカルボン酸ハライド、脂肪族ジアミン、脂肪族ジカルボン酸などを重縮合して得られるポリマーであって、アミド結合が芳香環のパラ位で結合した繰り返し単位からなるポリマーである。また、パラ配向芳香族ジアミンとパラ配向芳香族ジカルボン酸ハライドの芳香環の一部の水素原子は、アミド結合を形成しない置換基で置換されていても良く、芳香環は多環でも良い。アミド結合を形成しない置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン、スルフォニル基、ニトロ基、フェニル基などが挙げられる。アルキル基とアルコキシ基は、炭素数が長いと重縮合を阻害しやすくなるため、炭素数は1〜4が好ましい。
本発明におけるパラアラミドとしては、ポリ(パラ−フェニレンテレフタルアミド)、ポリ(パラ−ベンズアミド)、ポリ(パラ−アミドヒドラジド)、ポリ(パラ−フェニレンテレフタルアミド−3,4−ジフェニルエーテルテレフタルアミド)、ポリ(4,4′−ベンズアニリドテレフタルアミド)、ポリ(パラ−フェニレン−4,4′−ビフェニレンジカルボン酸アミド)、ポリ(パラ−フェニレン−2,6−ナフタレンジカルボン酸アミド)、ポリ(2−クロロ−パラ−フェニレンテレフタルアミド)、コポリパラフェニレン−3,4′−オキシジフェニレンテレフタルアミドなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。この中でも耐熱性に優れるポリ(パラ−フェニレンテレフタルアミド)、ポリ(パラ−フェニレンテレフタルアミド−3,4−ジフェニルエーテルテレフタルアミド)が好ましい。
本発明におけるフィブリッドとは、非顆粒状且つ非剛性の繊維状またはフィルム状微小粒子を指す。本発明におけるアラミドフィブリッドは、米国特許第2999788号明細書や米国特許第3018091号明細書に明示されているように、ポリマー溶液を貧溶媒(凝固浴)の中へ剪断沈殿させることによって製造することができる。
本発明の固体電解コンデンサ用セパレータは、アクリル繊維とアラミドフィブリッド以外の繊維を含有しても良い。例えば、溶剤紡糸セルロースや再生セルロースの短繊維、天然セルロース繊維、天然セルロース繊維のパルプ化物やフィブリル化物、ポリオレフィン、アクリル、全芳香族ポリエステル、全芳香族ポリエステルアミド、ポリアミド、半芳香族ポリアミド、全芳香族ポリアミド、全芳香族ポリエーテル、全芳香族ポリカーボネート、全芳香族ポリアゾメジン、ポリイミド、ポリアミドイミド(PAI)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリ−p−フェニレンベンゾビスオキサゾール(PBO)、ポリベンゾイミダゾール(PBI)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、エチレン−ビニルアルコール共重合体などの樹脂からなる単繊維や複合繊維、これらをフィブリル化したものを適量単独で含有しても良いし、2種類以上の組み合わせで含有しても良い。また、各種の分割型複合繊維を分割させたものを含有しても良い。半芳香族とは、主鎖の一部に例えば脂肪鎖などを有するものを指す。全芳香族ポリアミドはパラ型、メタ型いずれでも良い。
本発明におけるアクリル繊維とアラミドフィブリッド以外の繊維の含有量は15質量%以下が好ましい。含有量が15質量%を超えると、抵抗が高くなったり、耐熱性が落ちたりする場合がある。
本発明における固体電解コンデンサ用セパレータの坪量は、5〜20g/m2が好ましく、8〜18g/m2がより好ましく、10〜16g/m2がさらに好ましい。5g/m2未満では、十分なセパレータ強度が得られない場合があり、20g/m2より大きいと、セパレータの抵抗が高くなる場合がある。
本発明における固体電解コンデンサ用セパレータの厚みは、10〜60μmが好ましく、12〜55μmがより好ましく、15〜50μmがさらに好ましい。10μm未満では、十分なセパレータ強度が得られない場合があり、60μmより厚いと、セパレータの抵抗が高くなる場合がある。
本発明における固体電解コンデンサ用セパレータは、円網、長網、短網、傾斜型等の抄紙網の中から1種を用いた抄紙機、これらの抄紙網の中から同種または異種の抄紙網を組み合わせて用いたコンビネーション抄紙機を用いて、製造することができる。原料スラリーには、原料の他に、必要に応じて、分散剤、増粘剤、無機填料、有機填料、消泡剤などを適宜添加し、5〜0.001質量%程度の固形分濃度に原料スラリーを調製する。この原料スラリーをさらに所定濃度に希釈して抄紙する。抄紙して得た固体電解コンデンサ用セパレータは、必要に応じて、カレンダー処理、熱カレンダー処理、熱処理などが施される。
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
表1に示した原料と配合量に従って、抄紙用スラリーを調製した。ここで、表1中の記号について説明する。
A1:平均繊維径1.0μm、繊維長3mmのアクリル短繊維
A2:平均繊維径3.0μm、繊維長3mmのアクリル短繊維
A3:平均繊維径8.0μm、繊維長5mmのアクリル短繊維
A4:平均繊維径12.0μm、繊維長5mmのアクリル短繊維
A1:平均繊維径1.0μm、繊維長3mmのアクリル短繊維
A2:平均繊維径3.0μm、繊維長3mmのアクリル短繊維
A3:平均繊維径8.0μm、繊維長5mmのアクリル短繊維
A4:平均繊維径12.0μm、繊維長5mmのアクリル短繊維
A1、A2、A3、A4のアクリル繊維は、アクリロニトリル、アクリル酸メチル、メタクリル酸誘導体の3成分からなるアクリロニトリル系共重合体である。
B1:JIS P8121に準拠して測定したカナディアンスタンダードフリーネス30mlのパラアラミドフィブリッド
B2:JIS P8121に準拠して測定したカナディアンスタンダードフリーネス200mlのパラアラミドフィブリッド
B2:JIS P8121に準拠して測定したカナディアンスタンダードフリーネス200mlのパラアラミドフィブリッド
B1、B2は、ポリ(パラ−フェニレンテレフタルアミド)をフィブリッド化したものである。
C1:平均繊維径8.0μm、繊維長3mmの全芳香族ポリアミド繊維(コポリ(パラ−フェニレン−3,4′−オキシジフェニレンテレフタルアミド))
C2:平均繊維径3.0μm、繊維長3mmのポリエチレンテレフタレート繊維
C3:平均繊維径10.0μm、繊維長3mmのポリエチレンテレフタレート繊維
C4:JIS P8121に準拠して測定したカナディアンスタンダードフリーネス600mlの麻パルプ
C2:平均繊維径3.0μm、繊維長3mmのポリエチレンテレフタレート繊維
C3:平均繊維径10.0μm、繊維長3mmのポリエチレンテレフタレート繊維
C4:JIS P8121に準拠して測定したカナディアンスタンダードフリーネス600mlの麻パルプ
<セパレータ>
(実施例1〜9)
スラリー1〜9を円網・傾斜コンビネーション抄紙機を用いて、湿式抄紙し、表2に示す実施例1〜9のセパレータを作製した。厚みは常温でカレンダー処理して調整した。
(実施例1〜9)
スラリー1〜9を円網・傾斜コンビネーション抄紙機を用いて、湿式抄紙し、表2に示す実施例1〜9のセパレータを作製した。厚みは常温でカレンダー処理して調整した。
(比較例1〜5)
スラリー10〜14を円網・傾斜コンビネーション抄紙機を用いて、湿式抄紙し、表2に示す比較例1〜5のセパレータを作製した。厚みは常温でカレンダー処理して調整した。
スラリー10〜14を円網・傾斜コンビネーション抄紙機を用いて、湿式抄紙し、表2に示す比較例1〜5のセパレータを作製した。厚みは常温でカレンダー処理して調整した。
<固体電解コンデンサの作製>
(実施例1〜9)
陽極には、表面をエッチング処理して粗面化した後、誘電体皮膜を形成させたアルミニウム箔を用い、陰極には、誘電体皮膜を形成させなかったアルミニウム箔を用いた。予め所定の巾にスリット加工した陽極、陰極、実施例1〜9の固体電解コンデンサ用セパレータを用いて、陽極と陰極の間に固体電解コンデンサ用セパレータを配置して巻き取り、固体電解コンデンサの巻回素子を作製した。固体電解コンデンサの巻回素子を3,4−エチレンジオキシチオフェン:p−トルエンスルホン酸鉄(III):n−ブチルアルコール=34:33:33の質量比で混合した溶液に浸漬し、200℃で5分間熱処理してポリチオフェンを重合させ、固体電解コンデンサ素子とした。次に、固体電解コンデンサ素子を円筒ケースに収納して実施例1〜9の固体電解コンデンサを作製した。
(実施例1〜9)
陽極には、表面をエッチング処理して粗面化した後、誘電体皮膜を形成させたアルミニウム箔を用い、陰極には、誘電体皮膜を形成させなかったアルミニウム箔を用いた。予め所定の巾にスリット加工した陽極、陰極、実施例1〜9の固体電解コンデンサ用セパレータを用いて、陽極と陰極の間に固体電解コンデンサ用セパレータを配置して巻き取り、固体電解コンデンサの巻回素子を作製した。固体電解コンデンサの巻回素子を3,4−エチレンジオキシチオフェン:p−トルエンスルホン酸鉄(III):n−ブチルアルコール=34:33:33の質量比で混合した溶液に浸漬し、200℃で5分間熱処理してポリチオフェンを重合させ、固体電解コンデンサ素子とした。次に、固体電解コンデンサ素子を円筒ケースに収納して実施例1〜9の固体電解コンデンサを作製した。
(比較例1〜4)
陽極には、表面をエッチング処理して粗面化した後、誘電体皮膜を形成させたアルミニウム箔を用い、陰極には、誘電体皮膜を形成させなかったアルミニウム箔を用いた。予め所定の巾にスリット加工した陽極、陰極、比較例1〜4の固体電解コンデンサ用セパレータを用いて、陽極と陰極の間に固体電解コンデンサ用セパレータを配置して巻き取り、固体電解コンデンサの巻回素子を作製した。固体電解コンデンサの巻回素子を3,4−エチレンジオキシチオフェン:p−トルエンスルホン酸鉄(III):n−ブチルアルコール=34:33:33の質量比で混合した溶液に浸漬し、200℃で5分間熱処理してポリチオフェンを重合させ、固体電解コンデンサ素子とした。次に、固体電解コンデンサ素子を円筒ケースに収納して比較例1〜4の固体電解コンデンサを作製した。
陽極には、表面をエッチング処理して粗面化した後、誘電体皮膜を形成させたアルミニウム箔を用い、陰極には、誘電体皮膜を形成させなかったアルミニウム箔を用いた。予め所定の巾にスリット加工した陽極、陰極、比較例1〜4の固体電解コンデンサ用セパレータを用いて、陽極と陰極の間に固体電解コンデンサ用セパレータを配置して巻き取り、固体電解コンデンサの巻回素子を作製した。固体電解コンデンサの巻回素子を3,4−エチレンジオキシチオフェン:p−トルエンスルホン酸鉄(III):n−ブチルアルコール=34:33:33の質量比で混合した溶液に浸漬し、200℃で5分間熱処理してポリチオフェンを重合させ、固体電解コンデンサ素子とした。次に、固体電解コンデンサ素子を円筒ケースに収納して比較例1〜4の固体電解コンデンサを作製した。
(比較例5)
陽極には、表面をエッチング処理して粗面化した後、誘電体皮膜を形成させたアルミニウム箔を用い、陰極には、誘電体皮膜を形成させなかったアルミニウム箔を用いた。予め所定の巾にスリット加工した陽極、陰極、比較例5の固体電解コンデンサ用セパレータを用いて、陽極と陰極の間に固体電解コンデンサ用セパレータを配置して巻き取り、固体電解コンデンサの巻回素子を作製した。固体電解コンデンサの巻回素子を空気中300℃で2時間炭化処理した後、3,4−エチレンジオキシチオフェン:p−トルエンスルホン酸鉄(III):n−ブチルアルコール=34:33:33の質量比で混合した溶液に浸漬し、200℃で5分間熱処理してポリチオフェンを重合させ、固体電解コンデンサ素子とした。次に、固体電解コンデンサ素子を円筒ケースに収納して比較例5の固体電解コンデンサを作製した。
陽極には、表面をエッチング処理して粗面化した後、誘電体皮膜を形成させたアルミニウム箔を用い、陰極には、誘電体皮膜を形成させなかったアルミニウム箔を用いた。予め所定の巾にスリット加工した陽極、陰極、比較例5の固体電解コンデンサ用セパレータを用いて、陽極と陰極の間に固体電解コンデンサ用セパレータを配置して巻き取り、固体電解コンデンサの巻回素子を作製した。固体電解コンデンサの巻回素子を空気中300℃で2時間炭化処理した後、3,4−エチレンジオキシチオフェン:p−トルエンスルホン酸鉄(III):n−ブチルアルコール=34:33:33の質量比で混合した溶液に浸漬し、200℃で5分間熱処理してポリチオフェンを重合させ、固体電解コンデンサ素子とした。次に、固体電解コンデンサ素子を円筒ケースに収納して比較例5の固体電解コンデンサを作製した。
[耐熱性]
実施例および比較例の固体電解コンデンサ用セパレータを流れ方向(縦方向)に長辺がくるように100mm巾、150mm長に切り取り、試験片をアルミニウム板に載せ、流れ方向に直角な2辺をクリップで挟んで固定し、260℃に設定した恒温乾燥機の中に10分間静置した。耐熱性の評価として、横方向の寸法を測り、元の寸法に対する収縮による寸法変化から熱収縮率(%)を求めた。熱収縮率が、1.5%未満であれば「○」、1.5%以上2.0%未満であれば「△」、2.0%以上であれば「×」で表し、表3に示した。
実施例および比較例の固体電解コンデンサ用セパレータを流れ方向(縦方向)に長辺がくるように100mm巾、150mm長に切り取り、試験片をアルミニウム板に載せ、流れ方向に直角な2辺をクリップで挟んで固定し、260℃に設定した恒温乾燥機の中に10分間静置した。耐熱性の評価として、横方向の寸法を測り、元の寸法に対する収縮による寸法変化から熱収縮率(%)を求めた。熱収縮率が、1.5%未満であれば「○」、1.5%以上2.0%未満であれば「△」、2.0%以上であれば「×」で表し、表3に示した。
[ESR]
実施例および比較例の固体電解コンデンサのESRを、20℃、100kHzの条件で測定し、その値を表3に示した。
実施例および比較例の固体電解コンデンサのESRを、20℃、100kHzの条件で測定し、その値を表3に示した。
表3に示した通り、実施例1〜9で作製した固体電解コンデンサ用セパレータは、アクリル繊維を80〜97質量%、パラアラミドフィブリッドを3〜20質量%含有しているため、高耐熱性、低抵抗の固体電解コンデンサ用セパレータが得られた。
即ち、実施例1〜9で作製した固体電解コンデンサ用セパレータは、アクリル繊維を80〜97質量%含有させることでセパレータ中に適度な空隙を形成させることができ、導電性高分子重合液や分散液の含浸性を良好なものとすることができた。このことから、低抵抗のセパレータとすることができ、固体電解コンデンサのESRを下げることかできた。また、耐熱性が高く、バインダー能を持つパラアラミドフィブリッドを3〜20質量%含有させることで、セパレータの熱収縮を抑えることができ、高耐熱性のセパレータとすることができた。
一方、比較例1で作製した固体電解コンデンサ用セパレータは、アクリル繊維の含有量が97質量%より多く、さらにパラアラミドフィブリッドの含有量が3質量%より少ないため、熱収縮が大きく、耐熱性に劣っていた。
比較例2で作製した固体電解コンデンサ用セパレータは、アクリル繊維の含有量が80質量%より少なく、さらにパラアラミドフィブリッドの含有量が20質量%より多いため、セパレータ中の空隙が塞がれ、セパレータの抵抗が高くなり、固体電解コンデンサのESRが高くなった。
比較例3で作製した固体電解コンデンサ用セパレータは、アクリル繊維を含有していないため、導電性高分子重合液の含浸性が悪く、固体電解コンデンサのESRが高くなった。
比較例4で作製した固体電解コンデンサ用セパレータは、パラアラミドフィブリッドを含有していないため、熱収縮が大きく、耐熱性に劣っていた。
実施例5で作製した固体電解コンデンサ用セパレータは、パラアラミドフィブリッドを含有していないため、熱収縮が大きく、耐熱性に劣っていた。また、炭化処理が必要であり、固体電解コンデンサの製造工程が煩雑になった。
本発明の活用例としては、固体電解コンデンサ用セパレータが好適である。
Claims (2)
- 固体電解質として導電性高分子を用いる固体電解コンデンサ用セパレータであって、アクリル繊維を80〜97質量%、パラアラミドフィブリッドを3〜20質量%含有することを特徴とする固体電解コンデンサ用セパレータ。
- 請求項1に記載の固体電解コンデンサ用セパレータを用いてなる固体電解コンデンサ。
Priority Applications (1)
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JP6313496B1 (ja) * | 2017-03-10 | 2018-04-18 | ニッポン高度紙工業株式会社 | 固体電解コンデンサ又はハイブリッド電解コンデンサ用セパレータ及び固体電解コンデンサ又はハブリッド電解コンデンサ |
KR20180045809A (ko) | 2016-10-26 | 2018-05-04 | 닛폰 고도시 코포레이션 | 알루미늄 전해 콘덴서용 세퍼레이터 및 알루미늄 전해 콘덴서 |
-
2013
- 2013-03-12 JP JP2013049074A patent/JP2014175588A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR20180045809A (ko) | 2016-10-26 | 2018-05-04 | 닛폰 고도시 코포레이션 | 알루미늄 전해 콘덴서용 세퍼레이터 및 알루미늄 전해 콘덴서 |
JP6313496B1 (ja) * | 2017-03-10 | 2018-04-18 | ニッポン高度紙工業株式会社 | 固体電解コンデンサ又はハイブリッド電解コンデンサ用セパレータ及び固体電解コンデンサ又はハブリッド電解コンデンサ |
JP2018152440A (ja) * | 2017-03-10 | 2018-09-27 | ニッポン高度紙工業株式会社 | 固体電解コンデンサ又はハイブリッド電解コンデンサ用セパレータ及び固体電解コンデンサ又はハブリッド電解コンデンサ |
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