JP2014123607A - アルミ電解コンデンサ用セパレータ及びアルミ電解コンデンサ - Google Patents

アルミ電解コンデンサ用セパレータ及びアルミ電解コンデンサ Download PDF

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Abstract

【課題】インピーダンス特性および耐ショート性に優れたアミンオキシド系セルロース溶液を用いて製作したセルロース多孔質膜からなるアルミ電解コンデンサ用セパレータ及びアルミ電解コンデンサを提供する。
【解決手段】
セルロース誘導体を形成せずに溶解及び再生された再生セルロースからなるセルロース多孔質膜で構成し、前記セルロース多孔質膜が、例えば、アミンオキシド系溶媒にセルロースを溶解したセルロース溶液を膜状に成形し、水またはアミンオキシド系溶媒の貧溶媒に浸漬することによりセルロースを凝固して再生し、再生したセルロースからアミンオキシド系溶媒を除去した後、乾燥することにより得られた再生セルロースからなるセルロース多孔質膜であるアルミ電解コンデンサ用セパレータ、及び該セパレータを用いたことを特徴とするアルミ電解コンデンサとする。
【選択図】 なし

Description

本発明はアルミ電解コンデンサ用セパレータ及びアルミ電解コンデンサに関し、例えば再生セルロースからなるセルロース多孔質膜をセパレータとして用いてコンデンサの小形化及び/又は高容量化及び/又は低インピーダンス化を実現可能なアルミ電解コンデンサ用セパレータ及び該セパレータを用いるアルミ電解コンデンサに関するものである。
一般にアルミ電解コンデンサは、陽極アルミ箔と陰極アルミ箔との間にセパレータを介在させたものを捲回してコンデンサ素子を製作し、このコンデンサ素子に電解液を含浸させ、ケースに入れた後に封口し、その後エージングして製作している。
コンデンサの静電容量は下記式(1)で表される。
C=ε・S/d・・・式(1)
C:静電容量(F)
ε:誘電体の比誘電率(F/m)
S:電極の面積(m2
d:電極間の距離(m)
アルミ電解コンデンサでは、コンデンサ素子中のセパレータに電解液を含浸させることにより、セパレータに含浸させた電解液が真の陰極となり、陽極アルミ箔の表面に電解酸化(化成)によって形成された極めて薄い酸化皮膜が誘電体となる。
比誘電率[式(1)のε]は誘電体の種類に依存するため、アルミ電解コンデンサの静電容量[式(1)のC]を大きくするためには、電極の面積[式(1)のS]を大きくし、電極間の距離[式(1)のd]を小さくすることが有効である。酸化皮膜は単位厚み当たりの耐電圧が高く、また任意の厚みの酸化皮膜を形成できるため、アルミ電解コンデンサはセラミックコンデンサやフィルムコンデンサなどの他のコンデンサに比べて電極間の距離dが小さい。
また、陽極アルミ箔をエッチングすることにより、見かけ面積に比べて実効面積を20〜120倍程度に拡大できるため、電極の面積Sが大きい。したがってアルミ電解コンデンサは他のコンデンサに比べて小形かつ大容量を実現できることが最大の特徴となっている。
エレクトロニクス化が進む自動車関連・デジタル機器の進展に伴い、省スペース化や省エネルギー化が進み、搭載される部品には小形化・低インピーダンス化・長寿命化などが求められている。同一静電容量であれば小形化が、同一サイズであればより大きな静電容量のコンデンサが強く要求されている。アルミ電解コンデンサは同一の機器内に複数個使用される場合も多く、同じサイズにおいて容量を大きくすれば搭載員数の削減が可能になるため、小形化と併せて高容量化の要望も強い。アルミ電解コンデンサにおいてさらなる小形化あるいは高容量化は様々な分野に共通した重要な開発ポイントである。
又、低インピーダンス化や長寿命化についても常に市場要求が寄せられている。低インピーダンス化により電力損失の低減や、半導体動作電力の低電圧化・高速化への対応、周波数特性の向上など多くのメリットが得られる。また、電解コンデンサにリプル電流が印加された場合、熱損失により自己発熱する。インピーダンスが低いことでリプル電流による発熱を抑えることができる。電解コンデンサにとっての発熱は、直接的に寿命へ影響する要因であり、発熱が小さいことはそのまま長寿命化へつながるため、低インピーダンス化に対する要求は一層高くなっている。
アルミ電解コンデンサにおいて、セパレータの主な役割は両電極箔の隔離と電解液の保持である。セパレータの素材には電気絶縁性が要求され、また様々な種類の電解液の保持のために親水性、親油性が要求される。これらの特性を併せ持つものとしてセルロースがあり、セパレータにはセルロース紙である電解紙が使用されている。
アルミ電解コンデンサの素子は陽極アルミ箔と陰極アルミ箔の間にセパレータを介在させて捲回して製作する。セパレータを薄くすると同体積の素子では陽極アルミ箔の長さを増やせるため、誘電体である酸化皮膜の面積[上記の式(1)のS]も増やすことができ、アルミ電解コンデンサの高容量化が実現できる。また、同容量においては酸化皮膜の面積[上記の式(1)のS]を変更せずにセパレータを薄くすることで素子の体積が小さくなるため、アルミ電解コンデンサの小形化が実現できる。
電解液およびセパレータはコンデンサのインピーダンス特性に大きく影響することが知られている。コンデンサのインピーダンス特性を改善するために電解液の低抵抗化や、セパレータの薄型化、低密度化などの手段が用いられる。しかし、セパレータの薄型化や低密度化はセパレータの電極隔離力を低下させるため、耐電圧の低下やコンデンサ製造工程でのショート不良率の増加の原因となる。
セパレータの薄型化に起因するアルミ電解コンデンサのショートとしては、タブ部分、電極箔端部のバリ、あるいは電極箔とリード線接続部のバリなどによるセパレータの貫通や破損、振動や衝撃などの機械的ストレスによるセパレータの破損、火花放電等の電気的ストレス、コンデンサ製造の際のエージング工程、酸化皮膜欠陥部に由来する酸化皮膜絶縁破壊などが挙げられる。セパレータを薄くすることはこれらのショート原因に対する耐性(以下「耐ショート性」という)を低下させる。セパレータを薄くしても同等の耐ショート性を維持するためには、セパレータをより均一かつ緻密な地合にすることや密度を上げることが有効である。
低圧用アルミ電解コンデンサの場合、インピーダンス特性の改善の要望が強く、より薄い、又はより密度の低い電解紙が新しく採用される傾向があった。電解紙を薄く、又は低密度にした場合、耐ショート性は低下する。
未叩解のパルプあるいは叩解をほとんど行っていないパルプを用いて紙を製作する場合、密度を低くすることはできるが、紙を構成する繊維の径が大きいため、緻密な紙層を形成することは困難である。また、未叩解のパルプあるいは叩解をほとんど行っていないパルプを用いる場合、紙の厚さを薄くすることは難しい。電解紙として使用可能な強度を保ちながら低密度と薄型化を両立させようとしても、厚さを25μm以下にすることは困難である。
一方、高度に叩解を進めると微細なフィブリルが多量に発生し、パルプは数十nm〜数μmの大きさにまで細分化される。高度に叩解したパルプを用いると約10μm程度の薄い紙を製作することは可能であるが、紙の密度は高くなり、インピーダンス特性は極端に悪化する。
叩解可能な再生セルロース繊維を高度に叩解すると、剛性が高く繊維径の小さいフィブリルが発生することが知られている。高度に叩解した再生セルロース繊維を用いて抄紙することで、微多孔状で緻密性の高い紙を製作することができる(特許文献1)。
電解紙と同じセルロースを主成分とする微多孔状のセパレータとして、特許文献2乃至5に記載された提案がなされている。
特許文献2および特許文献3に記載の発明では再生セルロースからなる層は、実質的にビスコース法により作製したセルロースフィルムからなる多孔性シートを用いている。特許文献4及び特許文献5に記載された発明では、実質的に銅アンモニアレーヨン法で作製したセルロース系微多孔膜をセパレータとして用いている。
その他のセルロース溶剤として、塩化リチウム/ジメチルアセトアミド系セルロース溶剤や、水酸化リチウム/尿素系セルロース溶剤(非特許文献1)、水酸化ナトリウム/尿素系セルロース溶剤(特許文献6)、水酸化ナトリウム/チオ尿素系セルロース溶剤(特許文献7)、イオン液体(非特許文献2)などが知られている。
特開平5−267103号公報 特開平10−3898号公報 特開平11−86827号公報 特開2007−141498号公報 再表2008−139619号公報 特表2008−542560号公報 特表2009−508015号公報
セルロースの実験と解析法 第15回 アルカリ−尿素系溶剤へのセルロースの溶解と再生ゲル化 空閑重則、CAI Jie Cellulose Communications Vol.15 No.2(2008) シーエムシー出版 イオン液体II 第13章 難溶性物質の可溶化 深谷幸信、大野弘幸
しかしながら、再生セルロース繊維を高度に叩解しても繊維の表層部分がフィブリル化するのみで芯部分はフィブリル化されずに残ることが知られている。例えば、繊維径が12μmの再生セルロース繊維を高度に叩解しても9μm程度の芯部分が残る。そのため高度に叩解した再生セルロース繊維を用いて厚さ15μm以下の緻密性の高い紙を製作することは困難である。また、高度に叩解した再生セルロース繊維からなるセパレータはフィブリル部分と芯部分で構成された紙層となるため、均一な紙層を形成することについても限界がある。
薄くて微多孔状で緻密性の高いセパレータの代表的なものとして、リチウムイオン電池用セパレータとして使用されているポリオレフィン系樹脂を主体とした多孔質フィルムがあるが、耐熱性が不足するため、100℃以上の温度において寸法安定性や化学的安定性が要求されるアルミ電解コンデンサ用セパレータとしては使用することができない。また、電解液の保持力が小さいため、アルミ電解コンデンサの電解液のドライアップが起こりやすく寿命が短くなる。
又、特許文献2及び3に記載されたビスコース法により作製したセルロースフィルムは、製法上、硫酸塩を含有している。硫酸塩含有量が多いセパレータを用いた場合、電解液中に硫酸イオンが溶出し、アルミ電解コンデンサの陽極アルミ箔の絶縁体となる酸化皮膜を腐食する。酸化皮膜の欠損部はショート不良や漏れ電流増加の原因となる。
また、ビスコース法により作製したセルロースフィルムは、製作時のセルロース溶液の粘度を適切にするためにセルロースの重合度を低下させる必要がある。しかしながら、重合度の低下はセルロースフィルムの強度や電解液に対する耐性を低下させる。
更に、特許文献4及び特許文献5に記載された銅アンモニアレーヨン法で製作したセルロースフィルムは、硫酸イオンを含有することに加え、銅イオンを多く含有する。銅イオン含有量が多いセパレータを用いた場合、銅イオンが電解液に溶け出し、コンデンサが充放電を繰り返す中で逆電圧がかかった際に陽極アルミ箔の酸化皮膜の欠損部に酸化銅として析出し、デンドライトとなってセパレータを貫通してショートに至る故障が発生する。
又、塩化リチウム/ジメチルアセトアミド系セルロース溶剤を使用したセルロースフィルムは塩素含有量が多く、水酸化リチウム/尿素系セルロース溶剤、水酸化ナトリウム/尿素系セルロース溶剤、水酸化ナトリウム/チオ尿素系セルロース溶剤は実用上、アルカリの中和のために凝固浴に希硫酸が使用されるため、硫酸塩含有量が多くなる。
非特許文献2によると、イオン液体はアニオンとしてCl-、Br-、SCN-、BF4 -、PF6 -などを持つ1−ブチル−3メチルイミダゾリウム塩がセルロースを溶解することが知られているが、セルロースを溶解するイオン液体は反応性のよい塩素やその他のハロゲンをアニオンに使用する。
塩素やハロゲンの残留成分は硫酸イオン以上に陽極アルミ箔の酸化皮膜を腐食するため、これらのイオン液体などのセルロース溶剤を用いて製作されたセルロース多孔質膜をセパレータとして使用することは適さない。またイオン液体は非常に高価なため、安価であることを特徴とするアルミ電解コンデンサの構成部材の製造には適さない。
セルロース多孔質膜は親水性・親油性を持ち、電気絶縁性に優れるというセルロースの特性を持つことに加え、厚さや密度を任意にコントロールできることから、繊維の積層体である電解紙では実現困難な特性を持つセパレータを実現できる。しかしながら、セルロース多孔質膜は前述のように蓄電デバイス用セパレータとして多くの提案がなされているものの、化学的不純物の問題があるために、アルミ電解コンデンサ用セパレータとして使用することは実現できていない。
本発明はインピーダンス特性および耐ショート性に優れたアミンオキシド系セルロース溶液を用いて製作したセルロース多孔質膜からなるアルミ電解コンデンサ用セパレータ及びアルミ電解コンデンサを提供することを目的とする。
本発明は、セパレータとしてアミンオキシド系セルロース溶液を用いて製作したセルロース多孔質膜を用いることを特徴とするアルミニウム電解コンデンサを提供する。
係る目的を達成する一手段として例えば以下の構成を備える。
即ち、セルロース誘導体を形成せずに溶解及び再生された再生セルロースからなるセルロース多孔質膜で構成するアルミ電解コンデンサ用セパレータとすることを特徴とする。
そして例えば、前記セルロース多孔質膜の塩素含有量が2ppm以下であることを特徴とする。あるいは、前記セルロース多孔質膜の硫酸塩含有量が10ppm以下であることを特徴とする。
また例えば、前記セルロース多孔質膜の膜厚が5〜70μmかつ密度が0.1g/cm3以上かつ平均孔径が5μm以下であることを特徴とする。
更に例えば、前記セルロース多孔質膜が、アミンオキシド系溶媒にセルロースを溶解したセルロース溶液を膜状に成形し、水またはアミンオキシド系溶媒の貧溶媒に浸漬することによりセルロースを凝固して再生し、再生したセルロースを水で洗浄してアミンオキシド系溶媒を除去した後、乾燥することにより得られた再生セルロースからなるセルロース多孔質膜であることを特徴とする。
また例えば、前記アミンオキシド系溶媒の主成分がN‐メチルモルホリン‐N‐オキシドであることを特徴とする、あるいは、再生したセルロースを水で洗浄してアミンオキシド系溶媒を除去することを特徴とする。
または、以上のいずれかのアルミ電解コンデンサ用セパレータを用いたことを特徴とするアルミ電解コンデンサとする。
本発明によれば、耐ショート性に優れ、またコンデンサの小形化及び/又は高容量化及び/又は低インピーダンス化を実現可能なアルミ電解コンデンサ用セパレータ及び該セパレータを用いるアルミ電解コンデンサを提供することができる。
実施例1乃至4、比較例1、従来例1及び2をセパレータとした16WVのアルミ電解コンデンサのエージング後の不良率と100kHzで測定したインピーダンスの測定結果を示す図である。 実施例1乃至4、従来例1及び2をセパレータとした16WVのアルミ電解コンデンサの120Hzで測定した静電容量と100kHzで測定したインピーダンスの測定結果を示す図である。 実施例7乃至10、比較例2で得たセルロース多孔質膜、従来例5及び参考例3で得た電解紙を用いた450WVのアルミ電解コンデンサのエージング後の不良率と1kHzで測定したインピーダンスの測定結果を示す図である。 実施例7乃至10、比較例2で得たセルロース多孔質膜、従来例5で得た電解紙を用いた450WVのアルミ電解コンデンサの120Hzで測定した静電容量と1kHzで測定したインピーダンスの測定結果を示す図である。
以下、図面も参照して本発明に係る一発明の実施の形態例を説明する。本実施の形態例では、アルミ電解コンデンサを構成するセパレータとして、アミンオキシド系溶媒を用いて製作したセルロース多孔質膜を、陽極アルミ箔と陰極アルミ箔との間に介在させる構成とする。
本実施の形態例に用いられるアミンオキシド系溶媒の主成分であるアミンオキシドには第三級アミンオキシドを用いることが好ましい。例えば、第三級アミンオキシドとしては、セルロースを溶解し水と混合するもので、かつ水に対し安定であればいずれの第三級アミンオキシドも用いることができるが、入手のしやすさ、使用済み溶剤の回収精製のしやすさ等から、N‐メチルモルホリン‐N‐オキシド(以下「NMMO」という。)を用いることが特に好ましい。ここで、水に対して安定な第三級アミンオキシドとは、水と化学反応を起こさないという意味である。
本実施の形態例で用いられるセルロース溶液の組成は、NMMOが70〜95重量%、水が2〜28重量%、セルロースが2〜20重量%の濃度範囲が好ましい。NMMOの割合が70重量%を下回るとセルロースの溶解が困難になる。なお、溶液中のセルロースの濃度が2重量%を下回るとセルロースフィルムを作製する際に多くのセルロース溶液が必要になるため生産効率が悪くなり、20重量%を超えるとセルロース溶液の粘度が高くなり、薄膜の製作に不適となる。
この範囲であればセルロースを良好に溶解することができ均一な溶液が得られるが、溶媒の種類、成形装置、成形条件によっても溶解条件は異なるため、セルロース溶液の組成はこれに限定されるものではない。
溶解温度は75℃以上150℃未満の範囲が好ましい。75℃以下の場合は良好なセルロース溶液が得られず、150℃以上の場合はNMMOおよびセルロースの分解が起こる場合がある。特に120℃以下で溶解を行うことがより好ましい。
使用するセルロース基材は、セルロース多孔質膜の塩素含有量を2ppm以下にするため無塩素(TCF)漂白、あるいは未漂白のものを使用する。セパレータ中の塩素含有量が2ppmより多くなると酸化皮膜に対する腐食性が強くなり、ショート不良や漏れ電流の増大を引き起こすため、アルミ電解コンデンサ用セパレータとして適さない。なお、ここでの塩素含有量はJIS C 2300 電気用セルロース紙 第2部 試験方法の塩素含有量 イオンクロマトグラフ法(抽出法)に記載の方法で測定した値とする。
また、セルロース多孔質膜の硫酸塩含有量を10ppm以下にするため、硫酸塩含有量が200ppm以下のセルロースを用いることが好ましい。硫酸塩は後述する凝固後の洗浄工程などで減少するが、200ppm以上の含有量のセルロースを使用すると洗浄が不十分な場合にセルロース多孔質膜中の硫酸塩含有量が10ppmを超える可能性がある。セパレータ中の硫酸塩含有量が10ppmを超えると酸化皮膜に対する腐食性が強くなるため、ショート不良や漏れ電流の増大を引き起こす。なお、ここでの硫酸塩含有量は前述の塩素含有量測定に用いる抽出液をイオンクロマトグラフで測定した値とする。
セルロース基材としては木材パルプ、非木材パルプ、マーセル化パルプ、溶解パルプ、再生セルロースを使用することができる。これらの中から1種類または2種類以上を組み合わせて使用することができ、これらのセルロース基材から製作した紙や不織布も使用することができる。特に溶解パルプあるいはコットンリンターパルプをセルロース基材として用いることが好ましい。溶解パルプおよびコットンリンターパルプは、α−セルロース含有量が90%以上であり、セルロース純度が高いため、均一かつ均質なセルロース多孔質膜の製作に適している。セルロース基材の化学的性質、物理的性質の違いにより得られるセルロース多孔質膜の特性を調整することが可能である。
セルロース溶液は加熱押出ダイを通して押し出され、加熱押出ダイと凝固浴との間の僅かな空気間隙を通って水またはNMMOの貧溶媒で構成された凝固浴に投入され、セルロース膜が成膜される。
成膜方法としては加熱押出ダイ以外にも、加熱した基材上に所定のクリアランスでキャスティングを行う方法や、加熱したロールを用いて基材上に転写し成膜する方法を用いてもよい。凝固浴でセルロースを再生した後、イオン交換水で洗浄し、乾燥することにより、薄くて均一かつ緻密で、不純物が少ないセルロース膜を得ることができる。得られたセルロース膜は親水性および親油性を有するため、電解液に浸すことでセルロース間の水素結合が切断されて膨潤し、電解液を内部に保持することができる。
セルロース膜の多孔質化方法は、アミンオキシド/セルロース溶液と相溶性のある水溶性ポリマーを添加し成膜後に水溶性ポリマーを溶解除去する方法、アミンオキシド/セルロース溶液に溶解しない粒子を添加して成膜後に粒子を溶解除去する方法、有機溶媒置換法、凍結乾燥法、亜臨界乾燥法、超臨界乾燥法などの方法を用いることができる。また、ポリ乳酸などの電解液に溶解する物質を添加した状態のセルロース膜をセパレータとして用いてコンデンサ素子を形成し、電解液を含浸した際に添加した物質を溶解してセルロース多孔質膜としてもよい。
アミンオキシド/セルロース溶液と相溶性のある水溶性ポリマーを添加し成膜後に水溶性ポリマーを溶解除去する方法を用いる場合は例えば、アミンオキシド系セルロース溶液にケン化98%以下で重合度500〜2500のポリビニルアルコール(以下PVA)を対セルロース量で20〜500%添加し、溶解する。得られたアミンオキシド/セルロース/PVA溶液を成膜し凝固浴で再生した後、熱水で洗浄してPVAを抽出除去し、乾燥することでセルロース多孔質膜を得ることができる。
PVA以外でもポリエチレンオキサイド(以下PEO)、ポリアクリルアミド(以下PAM)、澱粉、糖類、植物ガム、セルロース誘導体、アクリル酸系ポリマー、ポリエチレンイミン、ポリビニルピロリドンなど、アミンオキシド/セルロース溶液と相溶性があり、成膜後の洗浄工程で水あるいは熱水で溶解除去できるポリマーであれば使用することができる。水溶性ポリマーはアミンオキシドにセルロースを溶解する前に添加してもよく、溶解した後に添加してもよい。
セルロースに対して化学的に作用する物質、例えば凝集効果の高いタイプのPAMはセルロースに対して0.1%以上、より好ましくは0.3%以上添加することで、アミンオキシド/セルロース溶液中で細かなセルロースの凝集体を形成させることができる。この状態のアミンオキシド/セルロース溶液を用いることによりセルロース多孔質膜を得ることができる。
セルロース多孔質膜を製作する際、必要に応じてアミンオキシド/セルロース溶液にグリコールやグリセリンなどの可塑剤を添加しても良い。またアミンオキシド/セルロース溶液に水素結合形成を阻害する製紙用薬品の嵩高剤を添加することや、洗浄工程で多孔質化したセルロース膜を乾燥する前に嵩高剤を添加すること、溶媒置換乾燥あるいは凍結乾燥を行うことなどでセルロース多孔質膜の厚さや密度をコントロールすることができる。
アミンオキシド/セルロース溶液に溶解しない粒子を添加して成膜後に溶解除去する方法を用いる場合は例えば、アミンオキシド系セルロース溶液に粒径0.1〜10μmのシリコーン微粒子を対セルロースで5〜300%、好ましくは10〜150重量%添加し、成膜後にアルカリ水溶液中でシリコーン微粒子を抽出除去して水で洗浄し、乾燥することでセルロース多孔質膜を得ることができる。
シリコーン以外でもポリメタクリル酸メチル、ポリスチレンなど有機溶媒に可溶な粒子を用いて、成膜後に有機溶媒などで抽出除去する方法を用いることもできる。これらの粒子を用いる方法についても、アミンオキシドにセルロースを溶解する前に粒子を添加してもよく、溶解した後に添加してもよい。
その他の多孔質化方法として、成膜後にエタノールもしくはアセトン、イソプロパノールなどの有機溶媒でセルロース膜中の水を置換して乾燥する有機溶媒置換法や凍結乾燥後に溶媒を昇華させる凍結乾燥法、亜臨界乾燥法や超臨界乾燥法などを使用することもできる。これらの乾燥方法は上述の水溶性ポリマーを用いる方法や粒子を用いる方法と組み合わせて使用することもできる。
多孔質化方法や多孔質化条件を変更することで、構成するセルロース多孔質膜の密度、平均孔径などの特性をコントロールすることができる。
セルロース多孔質膜の厚さは5〜70μmが好ましい。5μmより薄いセルロース多孔質膜では機械的強度が著しく低くなるため、セルロース多孔質膜製造工程およびアルミ電解コンデンサ素子製造工程で切断するなど、製造工程での問題が発生する。また、陽極アルミ箔や陰極アルミ箔のバリに対しても弱く、耐ショート性が低いためにセパレータとして使用することは困難である。
一方、70μmより厚くなるとコンデンサ素子に占めるセパレータの割合が大きくなり、高容量化に不利となる。同様に、厚さが70μmより厚くなると、陽極アルミ箔と陰極アルミ箔の距離が離れる影響が大きくなりインピーダンス特性が悪化しやすくなる。
セルロース多孔質膜の密度は0.10g/cm3以上が望ましい。0.10g/cm3より密度が低い場合は機械的強度が著しく低くなり工程上の問題が発生することに加え、空隙率が高くなりすぎるために耐ショート性が低化し、コンデンサのショート発生率が増加する。
セルロース多孔質膜の平均孔径は5μm以下が望ましい。5μmより平均孔径が大きい場合は耐ショート性の低下が顕著になる。
このようにして得られたセルロース多孔質膜をセパレータとして陽極アルミ箔と陰極アルミ箔との間に介在させて捲回してコンデンサ素子を製作し、このコンデンサ素子を液状の電解液中に浸漬して電解質を含浸させ、ケースに入れた後、封口しエージングして製作することで小形化及び/又は高容量化及び/又は低インピーダンス化したアルミ電解コンデンサを製作することができる。なお、セルロース多孔質膜は単独で使用してもよく、電解紙など他のセパレータと組み合わせて使用してもよい。
〔実施例〕
以上に説明した本発明に係る一発明の実施の形態例のセルロース多孔質膜をセパレータとして用いた場合の当該セパレータ及び該セパレータを用いたアルミ電解コンデンサの実施例を以下説明する。
〔セパレータ特性の測定方法及び評価方法〕
各実施例、比較例、従来例及び参考例において説明するセパレータとしての各実験結果の測定方法、評価方法は以下の通りである。
厚さ、坪量、密度、塩素含有量は、JIS C 2300[電気用セルロース紙]の試験方法に準じて行った。
厚さの測定では、試料を10枚重ね、自動停止式の外側マイクロメータを用いて厚さを3点以上測定し、1枚当たりの平均値を算出し、試料の厚さとした。
密度の測定では、B法(絶乾状態の密度を求める方法)に準じて測定を行った。
坪量は厚さと密度の値から算出した。
塩素含有量の測定では、「17.2.4.2」抽出第5法に準じて、製作した抽出液を、「17.2.4.3」イオンクロマトグラフ法を用いて測定した。
硫酸塩含有量も塩素含有量と同様の方法を用いて測定した。
平均孔径(ポアサイズ)の測定では、PMI社製Parm−Porometerを用いて、バブルポイント法(ASTMF316−86,JIS K3832)により測定される孔径分布から、その平均孔径(μm)を求めた。
〔アルミ電解コンデンサの製作方法〕
エッチング処理および酸化皮膜形成処理を行った陽極アルミ箔と陰極アルミ箔が接触しないようにセパレータを介在させて捲回してコンデンサ素子を製作し、このコンデンサ素子に所定の電解液を含浸させ、ケースに入れた後、封口し直径10mm、高さ20mm、定格電圧16WVあるいは63WVあるいは450WVのアルミ電解コンデンサを製作した。
〔コンデンサエージング後の不良率〕
各コンデンサ試料1000個について、定格電圧の約110%まで徐々に昇圧していき、エージングを行った。エージングショート、防爆弁の作動、液漏れ、封口部の膨れなどの外観異常も含めた不良コンデンサの個数を1000で除して百分率をもって不良率とした。
〔アルミ電解コンデンサの静電容量〕
電解コンデンサの静電容量は20℃、120Hzの周波数でLCRメータを用いて測定した。
〔アルミ電解コンデンサのインピーダンス〕
電解コンデンサのインピーダンスは20℃、100kHzあるいは20℃、1kHzの周波数でLCRメータを用いて測定した。
〔実施例1〕
重合度1500のTCFコットンリンターパルプを用いて、セルロース/NMMO=10/90となるセルロース/NMMO溶液を得た。得られたセルロース/NMMO溶液をTダイ式の押出成形機を用いて0.05mmのスリット幅で押出し、10mmの空気間隙を通した後、20重量%のNMMOの貧溶媒の凝固浴に浸漬しセルロースを再生した。再生したセルロースを3槽のイオン交換水の洗浄浴で洗浄した後、凍結乾燥することにより、厚さ28.1μm、密度0.11g/cm3、平均孔径4.53μm、坪量3.1g/m2、塩素含有量0.2ppm、硫酸塩含有量1.7ppmのセルロース多孔質膜を作製した。
〔実施例2〕
重合度800のTCF溶解パルプを用いて、セルロース/NMMO=5/95となるセルロース/NMMO溶液を得た。得られたセルロース/NMMO溶液に対セルロースで200重量%となる量の直径5μmのポリメタクリル酸メチル粒子を添加して均一に分散させた後、Tダイ式の押出成形機を用いて0.2mmのスリット幅で押出し、10mmの空気間隙を通した後、20重量%のNMMOの貧溶媒の凝固浴に浸漬しセルロースを再生した。再生したセルロースを3槽のイオン交換水の洗浄浴で洗浄した後、3槽のアセトン浴でポリメタクリル酸メチル粒子を溶解除去し、3槽のイソプロピルアルコール浴で溶媒置換した後、ドラム式乾燥機で乾燥することにより、厚さ51.2μm、密度0.19g/cm3、平均孔径2.96μm、坪量9.7g/m2、塩素含有量1.9ppm硫酸塩含有量8.5ppmのセルロース多孔質膜を作製した。
〔実施例3〕
重合度800のTCF溶解パルプを用いて、セルロース/NMMO=3/97となるセルロース/NMMO溶液を得た。得られたセルロース/NMMO溶液に対セルロースで100重量%となる量の直径1μmのシリコーン粒子および可塑剤としてグリセリンを対セルロースで1重量%添加して均一に分散させた後、Tダイ式の押出成形機を用いて0.1mmのスリット幅で押出し、10mmの空気間隙を通した後、20重量%のNMMOの貧溶媒の凝固浴に浸漬しセルロースを再生した。再生したセルロースを3槽のイオン交換水の洗浄浴で洗浄した後、3槽の30重量%水酸化カリウム水溶液浴でシリコーン粒子を溶解除去し、3槽のイオン交換水浴で洗浄し、ドラム式乾燥機で乾燥することにより、厚さ5.5μm、密度0.72g/cm3、平均孔径0.15μm、坪量4.0g/m2、塩素含有量0.7ppm、硫酸塩含有量5.7ppmのセルロース多孔質膜を作製した。
〔実施例4〕
重合度800のTCF溶解パルプを用いて、セルロース/NMMO=10/90となるセルロース/NMMO溶液を得た。得られたセルロース/NMMO溶液に直径5μmのポリ乳酸粒子を対セルロースで300重量%添加して均一に分散させた後、Tダイ式の押出成形機を用いて0.2mmのスリット幅で押出し、10mmの空気間隙を通した後、20重量%のNMMO貧溶媒の凝固浴に浸漬しセルロースを再生した。再生したセルロースを3槽のイオン交換水の洗浄浴で洗浄し、ドラム式乾燥機で乾燥することにより、厚さ15.4μm、密度1.35g/cm3、坪量20.8g/m2、塩素含有量0.8ppm硫酸塩含有量7.2ppmのポリ乳酸粒子含有セルロース膜を作製した。平均孔径は小さすぎるためバブルポイント法では測定できなかった。
ポリ乳酸粒子含有セルロース膜を3槽のGBL(γ‐ブチルラクトン)浴に浸漬してポリ乳酸微粒子を溶解除去し乾燥することで厚さ15.4μm、密度0.34g/cm3、平均孔径0.69μm、坪量5.2g/cm2のセルロース多孔質膜を得ることができた。ポリ乳酸粒子含有セルロース膜を用いてコンデンサ素子を形成しGBL系電解液を含浸することで、アルミ電解コンデンサ中でセルロース多孔質膜の形態をとることができる。
〔実施例5〕
重合度700のTCF溶解パルプおよび重合度2000、ケン化度80%のPVAを用いて、セルロース/PVA/NMMO=5/7.5/87.5となるセルロース/PVA/NMMO溶液を得た。得られたセルロース/PVA/NMMO溶液をTダイ式の押出成形機を用いて0.3mmのスリット幅で押出し、10mmの空気間隙を通した後、20重量%のNMMO貧溶媒の凝固浴に浸漬しセルロース/PVA膜を再生した。再生したセルロース/PVA膜を3槽の95℃のイオン交換水浴で洗浄してPVAを除去し、3槽のエタノール浴で溶媒を置換した後、ドラム式乾燥機で乾燥することにより、厚さ24.8μm、密度0.45g/cm3、平均孔径0.24μm、坪量11.2g/m2、塩素含有量0.7ppm、硫酸塩含有量5.5ppmのセルロース多孔質膜を作製した。
〔実施例6〕
重合度800のTCF溶解パルプを用いて、セルロース/NMMO=5/95となるセルロース/NMMO溶液を得た。得られたセルロース/NMMO溶液に対セルロースで10重量%となる量の直径3μmのシリコーン粒子および可塑剤としてグリセリンを対セルロースで0.1重量%添加して均一に分散させた後、Tダイ式の押出成形機を用いて0.8mmのスリット幅で押出し、10mmの空気間隙を通した後、20重量%のNMMOの貧溶媒の凝固浴に浸漬しセルロースを再生した。再生したセルロースを3槽のイオン交換水の洗浄浴で洗浄した後、3槽の30重量%水酸化カリウム水溶液浴でシリコーン粒子を溶解除去し、3槽のイオン交換水浴で洗浄し、3槽のエタノール浴で溶媒置換した後、ドラム式乾燥機で乾燥することにより、厚さ60.9μm、密度0.46g/cm3、平均孔径0.17μm、坪量28.0g/m2、塩素含有量0.3ppm、硫酸塩含有量3.6ppmのセルロース多孔質膜を作製した。
〔実施例7〕
重合度1500のTCFコットンリンターパルプを用いて、セルロース/NMMO=3/97となるセルロース/NMMO溶液を得た。得られたセルロース/NMMO溶液に10重量%PEO水溶液を対セルロースで5000重量%(PEO固形分としては対セルロース500重量%)添加した後、真空条件下で105℃に加熱して水分を除去して均一なセルロース/PEO/NMMO溶液を得た。得られたセルロース/PEO/NMMO溶液をTダイ式の押出成形機を用いて0.9mmのスリット幅で押出し、10mmの空気間隙を通した後、20重量%のNMMO貧溶媒の凝固浴に浸漬しセルロースを再生した。再生したセルロースを3槽のイオン交換水の洗浄浴で洗浄し、3槽のエタノール浴で溶媒を置換した後、ドラム式乾燥機で乾燥することにより、厚さ65.8μm、密度0.41g/cm3、平均孔径0.34μm、坪量27.0g/m2、塩素含有量1.5ppm、硫酸塩含有量5.2ppmのセルロース多孔質膜を作製した。
〔実施例8〕
重合度700のTCF溶解パルプを用いて、セルロース/NMMO=5/95となるセルロース/NMMO溶液を得た。凝集剤として使用されるPAMを有効成分で対セルロース2重量%、嵩高剤として使用される油脂系非イオン界面活性剤を有効成分で対セルロース1重量%添加し、真空条件下で105℃に加熱して水分を除去して混合溶液を得た。得られた混合溶液をTダイ式の押出成形機を用いて0.6mmのスリット幅で押出し、10mmの空気間隙を通した後、20重量%のNMMO貧溶媒の凝固浴に浸漬しセルロースを再生した。再生したセルロースを3槽のイオン交換水の洗浄浴で洗浄し、ドラム式乾燥機で乾燥することにより、厚さ32.3μm、密度0.77g/cm3、平均孔径0.17μm、坪量24.9g/m2、塩素含有量0.7ppm、硫酸塩含有量9.3ppmのセルロース多孔質膜を得た。
〔実施例9〕
重合度1500のTCFコットンリンターパルプを用いてセルロース/NMMO=15/85となるセルロース/NMMO溶液を得た。得られたセルロース/NMMO溶液に重合度500、ケン化度96%の10重量%PVA水溶液を固形分で対セルロース20重量%となる量を添加し、真空条件下で105℃に加熱して水分を除去してセルロース/PVA/NMMO=5/1/94となるセルロース/PVA/NMMO溶液を得た。得られたセルロース/PVA/NMMO溶液をTダイ式の押出成形機を用いて0.25mmのスリット幅で押出し、10mmの空気間隙を通した後、20重量%のNMMO貧溶媒の凝固浴に浸漬しセルロース/PVA膜を再生した。再生したセルロース/PVA膜を3槽の95℃のイオン交換水浴で洗浄してPVAを除去し、ドラム式乾燥機で乾燥することにより、厚さ29.5μm、密度0.85g/cm3、平均孔径0.09μm、坪量25.1g/m2、塩素含有量0.4ppm、硫酸塩含有量8.2ppmのセルロース多孔質膜を作製した。
〔実施例10〕
重合度600のTCF溶解パルプを用いて、セルロース/NMMO=2/98となるセルロース/NMMO溶液を得た。得られたセルロース/NMMO溶液をTダイ式の押出成形機を用いて0.4mmのスリット幅で押出し、10mmの空気間隙を通した後、イオン交換水の凝固浴に浸漬しセルロースを再生した。再生したセルロースを3槽のイオン交換水の洗浄浴で洗浄した後、3槽のイソプロピルアルコール浴で溶媒を置換し、ドラム式乾燥機で乾燥することにより、厚さ20.7μm、密度0.93g/cm3、平均孔径0.06μm、坪量19.3g/m2、塩素含有量0.8ppm、硫酸塩含有量2.1ppmのセルロース多孔質膜を作製した。
〔比較例1〕
重合度1500のTCFコットンリンターパルプを用いて、セルロース/NMMO=2/98となるセルロース/NMMO溶液を得た。得られたセルロース/NMMO溶液をTダイ式の押出成形機を用いて0.15mmのスリット幅で押出し、10mmの空気間隙を通した後、20重量%のNMMOの貧溶媒の凝固浴に浸漬しセルロースを再生した。再生したセルロースを3槽のイオン交換水の洗浄浴で洗浄した後、凍結乾燥することにより、厚さ30.5μm、密度0.09g/cm3、平均孔径5.42μm、坪量2.7g/m2、塩素含有量0.4ppm、硫酸塩含有量2.8ppmのセルロース多孔質膜を作製した。
〔比較例2〕
重合度1500のコットンリンターパルプを用いて、セルロース/NMMO=18/82となるセルロース/NMMO溶液を得た。得られたセルロース/NMMO溶液をTダイ式の押出成形機を用いて0.6mmのスリット幅で押出し、10mmの空気間隙を通した後、20重量%のNMMOの貧溶媒の凝固浴に浸漬しセルロースを再生した。再生したセルロースを3槽のイオン交換水の洗浄浴で洗浄した後、凍結乾燥することにより、厚さ72.3μm、密度0.45g/cm3、平均孔径0.29μm、坪量32.5g/m2、塩素含有量1.3ppm、硫酸塩含有量4.8ppmのセルロース多孔質膜を作製した。
〔比較例3〕
ECF漂白溶解パルプを用いてセルロース/NMMO=5/95となるセルロース/NMMO溶液を得た。得られたセルロース/NMMO溶液をTダイ式の押出成形機を用いて0.6mmのスリット幅で押出し、10mmの空気間隙を通した後、20重量%のNMMOの貧溶媒の凝固浴に浸漬しセルロースを再生した。再生したセルロースを3槽のイオン交換水の洗浄浴で洗浄し、3槽のイソプロピルアルコール浴で溶媒を置換した後、ドラム式乾燥機で乾燥することにより、厚さ25.5μm、密度0.95g/cm3、平均孔径0.05μm、坪量24.2g/m2、塩素含有量2.5ppm、硫酸塩含有量7.6ppmのセルロース多孔質膜を作製した。
〔比較例4〕
硫酸イオン含有量が500ppmの溶解パルプを用いてセルロース/NMMO=5/95となるセルロース/NMMO溶液を得た。得られたセルロース/NMMO溶液をTダイ式の押出成形機を用いて0.6mmのスリット幅で押出し、10mmの空気間隙を通した後、20重量%のNMMOの貧溶媒の凝固浴に浸漬しセルロースを再生した。再生したセルロースを3槽のイオン交換水の洗浄浴で洗浄し、3槽のイソプロピルアルコール浴で溶媒を置換した後、ドラム式乾燥機で乾燥することにより、厚さ27.2μm、密度0.92g/cm3、平均孔径0.06μm、坪量25.0g/m2、塩素含有量1.4ppm、硫酸塩含有量11.4ppmのセルロース多孔質膜を作製した。
〔比較例5〕
ECF溶解パルプを水酸化ナトリウムで処理した後、二硫化炭素で処理することでビスコースを作製した。得られたビスコースをTダイ式の押出成形機を用いて希硫酸中に押し出しセルロースを再生した。再生したセルロースフィルムを3槽のイオン交換水で洗浄し、3槽のイソプロピルアルコール浴で溶媒を置換した後、ドラム式乾燥機で乾燥することにより、厚さ25.0μm、密度0.95g/cm3、平均孔径0.05μm、坪量23.8g/m2、塩素含有量6.7ppm、硫酸塩含有量481ppmのセルロース多孔質膜を作製した。
〔比較例6〕
重合度800のTCF溶解パルプを用いて、セルロース/NMMO=2/98となるセルロース/NMMO溶液を得た。得られたセルロース/NMMO溶液をTダイ式の押出成形機を用いて0.2mmのスリット幅で押出し、10mmの空気間隙を通した後、イオン交換水の凝固浴に浸漬しセルロースを再生した。再生したセルロースを3槽のイオン交換水の洗浄浴で洗浄した後、3槽のイソプロピルアルコール浴で溶媒を置換し、ドラム式乾燥機で乾燥することにより、厚さ4.0μmのセルロース多孔質膜を作製しようと試みたが、乾燥工程において破断が相次ぎ、セルロース多孔質膜を得ることができなかった。
〔比較例7〕
重合度800のTCF溶解パルプを用いて、セルロース/NMMO=3/97となるセルロース/NMMO溶液を得た。得られたセルロース/NMMO溶液に対セルロースで500重量%となる重量の直径1μmのシリコーン粒子および可塑剤としてグリセリンを対セルロースで1重量%添加して均一に分散させた後、Tダイ式の押出成形機を用いて0.4mmのスリット幅で押出し、10mmの空気間隙を通した後、20重量%のNMMOの貧溶媒の凝固浴に浸漬しセルロースを再生した。
再生したセルロースを3槽のイオン交換水の洗浄浴で洗浄した後、3槽の30重量%水酸化カリウム水溶液浴でシリコーン粒子を溶解除去し、さらに3槽のイオン交換水浴で洗浄し、ドラム式乾燥機で乾燥することにより、密度0.06g/cm3のセルロース多孔質膜を作製しようと試みたが、シリコーン粒子を溶解除去した際に破断し、セルロース多孔質膜を得ることができなかった。
尚、比較例6及び7については、セルロース多孔質膜を得ることができなかったことから、表1への記載は省略している。
〔従来例1〕
マニラ麻パルプ50重量%とエスパルトパルプ50重量%とからなる原料を叩解機でCSF600mlまで叩解し、円網三層抄紙機で抄紙して厚さ48.7μm、密度0.35g/cm3、平均孔径13.6μm、坪量17.0g/m2、塩素含有量0.3ppm、硫酸塩含有量0.5ppmの円網三重紙(電解紙)を製作した。
〔従来例2〕
マニラ麻パルプ50重量%とエスパルトパルプ50重量%とからなる原料を叩解機でCSF500mlまで叩解し、円網二層抄紙機で抄紙して厚さ51.7μm、密度0.49g/cm3、平均孔径6.89μm、坪量25.3g/m2、塩素含有量0.5ppm、硫酸塩含有量0.4ppmの円網二重紙(電解紙)を製作した。
〔従来例3〕
叩解可能な再生セルロース繊維である溶剤紡糸レーヨンを叩解機でCSF5ml以下まで叩解した原料を長網抄紙機で抄紙して厚さ24.5μm、密度0.44g/cm3、平均孔径0.53μm、坪量10.8g/m2、塩素含有量0.4ppm、硫酸塩含有量0.7ppmの長網一重紙(電解紙)を製作した。
〔従来例4〕
マニラ麻パルプ50重量%とエスパルトパルプ50重量%とからなる原料を叩解機でCSF400mlまで叩解し円網二層抄紙機で抄紙して厚さ90.6μm、密度0.61g/cm3、平均孔径3.27μm、坪量55.3g/m2、塩素含有量0.5ppm、硫酸塩含有量0.9ppmの円網二重紙(電解紙)を製作した。
〔従来例5〕
針葉樹クラフトパルプを叩解機でCSF5ml以下まで叩解したものを長網の抄紙原料とし、厚さ25.2μm、密度0.86g/cm3の高密度紙を長網部分で抄紙しつつ、円網部分では針葉樹クラフトパルプをCSF400mlに叩解した原料で厚さ35.9μm、密度0.67g/cm3の紙を抄紙して抄き合わせ、厚さ61.1μm、密度0.75g/cm3、坪量45.8g/m2、塩素含有量0.6ppm、硫酸塩含有量6.4ppmの長網円網二重紙(電解紙)を製作した。平均孔径は小さすぎるためバブルポイント法では測定できなかった。
〔参考例1〕
市販のポリオレフィン系多孔質フィルムである旭化成イーマテリアルズ(株)製ハイポアH6022は、厚さ27.0μm、密度0.47g/cm3、平均孔径0.12μm、坪量12.7g/m2、塩素含有量0.3ppm、硫酸塩含有量0.6ppmであった。
〔参考例2〕
マニラ麻パルプ50重量%とエスパルトパルプ50重量%とからなる原料を叩解機でCSF400mlまで叩解し円網二層抄紙機で抄紙して、厚さ60.7μm、密度0.61g/cm3、平均孔径5.09μm、坪量37.0g/m2、塩素含有量0.7ppm、硫酸塩含有量0.3ppmの円網二重紙(電解紙)を製作した。
〔参考例3〕
未漂白針葉樹クラフトパルプを叩解機でCSF5ml以下まで叩解した原料を長網抄紙機で抄紙して厚さ20.4μm、密度0.85g/cm3、坪量17.3g/m2、塩素含有量0.8ppm、硫酸塩含有量8.9ppmの長網一重紙(電解紙)を製作した。平均孔径は小さすぎるためバブルポイント法では測定できなかった。
実施例1乃至10で得られたセルロース多孔質膜あるいはポリ乳酸粒子含有セルロース膜、及び比較例1乃至5で得られたセルロース多孔質膜、従来例1乃至5及び参考例1乃至3で得られた電解紙の厚さ、坪量、密度、平均孔径、塩素含有量、硫酸塩含有量を表1に示す。
Figure 2014123607
実施例1乃至3で得たセルロース多孔質膜、実施例4で得たポリ乳酸粒子含有セルロース膜、比較例1で得たセルロース多孔質膜、従来例1及び2で得た電解紙を用いて、GBL系電解液を使用した16WVのアルミ電解コンデンサを1000個製作し、不良率を計測し、インピーダンス(100kHz)及び静電容量を測定した。
実施例1乃至3で得たセルロース多孔質膜、実施例4で得たポリ乳酸粒子含有セルロース膜、比較例1で得たセルロース多孔質膜、従来例1及び2で得た電解紙の諸物性及びアルミ電解コンデンサの評価結果を表2に示す。表2は実施例1乃至4、比較例1、従来例1及び2の特性測定結果一覧を示す表である。
Figure 2014123607
実施例1乃至3で得たセルロース多孔質膜、実施例4で得たポリ乳酸粒子含有セルロース膜、比較例1で得たセルロース多孔質膜、従来例1及び2で得た電解紙を用いたアルミ電解コンデンサのエージング後の不良率と100kHzで測定したインピーダンスの測定結果を図1に示す。
電解紙を用いてアルミ電解コンデンサの不良率の改善を行う場合、従来例1で得た電解紙から従来例2で得た電解紙にセパレータを変更するように、より坪量の多い電解紙に変更することが一般的に行われる。その場合、図1に示された関係から明らかなように、不良率を改善することはできるが、同時にインピーダンス特性は悪化する。
従来例1で得た電解紙から実施例1で得たセルロース多孔質膜へセパレータを変更することでアルミ電解コンデンサのインピーダンスを約44%低減すると同時に、エージング後の不良率を約43%低減させることができた。
セルロース多孔質膜は電解紙と比較して密度を低くすることができるため、厚さを維持したまま坪量を低下させることができる。坪量を低下させることはアルミ電解コンデンサの低インピーダンス化につながる。またセルロース多孔質膜は、セルロース多孔質膜製造条件を調整することで、任意の平均孔径を持つセルロース多孔質膜を製作することが可能である。セパレータの平均孔径を小さくすることで、坪量を低下させ、かつ厚さをより薄くしても十分な耐ショート性を確保することができた。
実施例2及び3で得たセルロース多孔質膜を用いたアルミ電解コンデンサについても、従来例1及び2で得た電解紙を用いたアルミ電解コンデンサと比較して不良率低減とインピーダンス低減を同時に実現することができた。実施例2で得たセルロース多孔質膜は実施例3で得た多孔質膜よりも平均孔径は大きかったが厚さが厚かったため、不良率は実施例2のセルロース多孔質膜の方が低かった。
実施例2で得たセルロース多孔質膜は厚さが厚くて密度が低いため、内部に多くの電解液を保持することができる。実施例2で得たセルロース多孔質膜を用いたアルミ電解コンデンサは電解液量が多くインピーダンスが低いため、耐リプル電流に優れ、長期間使用後も良好な特性を維持することが可能となる。
実施例4で得たポリ乳酸粒子含有セルロース膜を用いたアルミ電解コンデンサにおいて、ポリ乳酸粒子含有セルロース膜はGBL系電解液を含浸することでポリ乳酸粒子がGBL系電解液に溶解しセルロース多孔質膜となる。ポリ乳酸粒子含有セルロース膜を使用することは、予めポリ乳酸粒子を溶解除去したセルロース多孔質膜を使用する場合と比較して、セルロース多孔質膜製造工程を簡略化できる、セパレータ強度を維持したままアルミ電解コンデンサの素子巻きを行うことができる、などの利点がある。
実施例4で得たポリ乳酸粒子含有セルロース膜を用いたアルミ電解コンデンサは、従来例1及び2で得た電解紙を用いたアルミ電解コンデンサと比較して、不良率低減とインピーダンス低減を同時に実現することができた。
比較例1で得た厚さ30.5μm、密度0.09g/cm3、平均孔径5.42μmのセルロース多孔質膜を用いたアルミ電解コンデンサは、実施例1で得た厚さ28.1μm、密度0.11g/cm3、平均孔径4.53μmのセルロース多孔質膜を用いたアルミ電解コンデンサと比較して、インピーダンスは変化せずに不良率のみが大きく悪化した。密度が0.10g/cm3を下回るあるいは平均孔径が5μmを上回るとセパレータとしての耐ショート性が低下し、不良率が大きく増加した。
実施例1乃至3で得たセルロース多孔質膜、実施例4で得たポリ乳酸粒子含有セルロース膜、従来例1及び2で得た電解紙を用いたアルミ電解コンデンサの120Hzで測定した静電容量と100kHzで測定したインピーダンスの測定結果を図2に示す。
実施例1で得たセルロース多孔質膜の厚さは28.1μmであるのに対し、従来例1で得た電解紙の厚さは48.7μmであった。従来例1で得た電解紙から実施例1で得たセルロース多孔質膜に変更することでセパレータの大幅な薄型化ができる。そのため図2に示すように、実施例1で得たセルロース多孔質膜を用いたアルミ電解コンデンサは従来例1で得たアルミ電解コンデンサと比較して静電容量が約20%増加した。図1での検証も踏まえると以上のことから、従来例1の電解紙から実施例1のセルロース多孔質膜にセパレータを置き換えることで、不良率低減、インピーダンス低減、静電容量向上を実現できるといえる。
実施例3で得たセルロース多孔質膜及び実施例4で得たポリ乳酸粒子含有セルロース膜を用いたアルミ電解コンデンサは従来例1及び2で得た電解紙を用いたアルミ電解コンデンサと比較して静電容量は増加した。実施例2で得たセルロース多孔質膜を用いたアルミ電解コンデンサは実施例1乃至4で得たセルロース多孔質膜を用いたアルミ電解コンデンサ中で不良率が最も低かったが、厚さが従来例1及び2の電解紙とほぼ同じであったため、静電容量は増加しなかった。
実施例5で得たセルロース多孔質膜、従来例3で得た電解紙、参考例1のポリオレフィン系多孔質フィルムを用いて、GBL系電解液を使用した63WVのアルミ電解コンデンサを1000個製作し、不良率を計測し、インピーダンス(100kHz)及び静電容量を測定した。
実施例5で得たセルロース多孔質膜、従来例3で得た電解紙、参考例1のポリオレフィン系多孔質フィルムの諸物性及びアルミ電解コンデンサの評価結果を表3に示す。表3は実施例5、従来例3、参考例1の特性測定結果一覧を示す表である。
Figure 2014123607
実施例5で得たセルロース多孔質膜は従来例3の電解紙と比較して、厚さや坪量、密度はほぼ同じであった。しかし構成するセルロース径が細く緻密な構造となるため、平均孔径は従来例3の電解紙の平均孔径の半分以下となった。そのため、従来例3の電解紙を用いたアルミ電解コンデンサの不良率が0.7%だったのに対し、実施例5のセルロース多孔質膜を用いたアルミ電解コンデンサの不良率は0%となった。電解紙を同じ厚さ、坪量、密度のセルロース多孔質膜に置き換えることで不良率を大幅に低減させることができた。
一方、参考例1のポリオレフィン系多孔質フィルムをセパレータとして用いたアルミ電解コンデンサはインピーダンスが0.314Ωであり、従来例3と比較してアルミ電解コンデンサのインピーダンスは大きく悪化した。原因は参考例1のポリオレフィン系多孔質フィルムの平均孔径が小さいためと考えられる。また、セパレータの厚さがほぼ同じであるのにアルミ電解コンデンサの静電容量が実施例5に比べ87.5%に低下している。
原因としては電解液の保持力が低いために陽極アルミ箔の酸化皮膜の表面全体に電解液を行き渡らせることができず、電極面積が小さくなったためと考えられる。初期評価でアルミ電解コンデンサの静電容量が少ないことが確認されたため、長期間使用した場合にはセルロース系セパレータと比較して静電容量の低下速度がより速くなる可能性が高い。以上のことから、アルミ電解コンデンサ用セパレータとしてポリオレフィン系多孔質フィルムは適さない。
実施例6で得たセルロース多孔質膜、従来例4及び参考例2で得た電解紙を用いて、GBL系電解液を使用した450WVのアルミ電解コンデンサを1000個製作し、不良率を計測し、インピーダンス(100kHz)及び静電容量を測定した。
実施例6で得たセルロース多孔質膜、従来例4及び参考例2で得た電解紙の諸物性及びアルミ電解コンデンサの評価結果を表4に示す。表4は実施例6、従来例4、参考例2の特性測定結果一覧を示す表である。
Figure 2014123607
従来例4で得た電解紙から実施例6で得たセルロース多孔質膜にセパレータを変更することで、アルミ電解コンデンサの不良率低減、インピーダンス低減、静電容量向上を同時に実現できた。従来例4の電解紙の厚さは90.6μmであるが、これを実施例6で得たセルロース多孔質膜の厚さ(60.9μm)とほぼ同じにしたものが、参考例2の電解紙である。
従来例4の電解紙から、参考例2の電解紙にセパレータを変更した場合は、インピーダンス低減及び静電容量向上は実現できたものの、不良率が21.8%まで悪化した。電解紙から薄い電解紙にセパレータを置き換えるとアルミ電解コンデンサの不良率は大きく悪化するが、実施例6で得たセルロース多孔質膜は従来例4で得た電解紙よりも平均孔径が小さいため厚さを薄くしても不良率は低下しない。
実施例7乃至10で得たセルロース多孔質膜、比較例2乃至5で得たセルロース多孔質膜、従来例5及び参考例3で得た電解紙を用いて、EG(エチレングリコール)系電解液を使用した450WVのアルミ電解コンデンサを1000個製作し、不良率を計測し、インピーダンス(1kHz)及び静電容量を測定した。
実施例7乃至10で得たセルロース多孔質膜、比較例2乃至5で得たセルロース多孔質膜、従来例5及び参考例3で得た電解紙の諸物性及びアルミ電解コンデンサの評価結果を表5に示す。
Figure 2014123607
比較例3で得たセルロース多孔質膜は塩素含有量が2.5ppmと多かったため、エージング後の工程で55.7%のアルミ電解コンデンサが不良となった。比較例4で得たセルロース多孔質膜は硫酸塩含有量が11.4ppmと多かったため、エージング後の工程で36.9%のアルミ電解コンデンサが不良となった。セルロース多孔質膜の塩素含有量が2ppmを超える、あるいは硫酸塩含有量が10ppmを超えるとアルミ電解コンデンサの不良率が高くなる。
比較例5で得たビスコース法により製作したセルロース多孔質膜は塩素含有量及び硫酸塩含有量が多かったため、エージング後の工程で全数が不良となった。本実施の形態例のセルロース多孔質膜にビスコース法を用いて製作したセルロース多孔質膜は適さない。
実施例7乃至10で得たセルロース多孔質膜、比較例2で得たセルロース多孔質膜、従来例5及び参考例3で得た電解紙を用いたアルミ電解コンデンサのエージング後の不良率と1kHzで測定したインピーダンスの測定結果を図3に示す。
従来例5の電解紙を用いたアルミ電解コンデンサの不良率は0.2%、インピーダンスは38.80Ωであった。インピーダンス低減を目的として参考例3の電解紙にセパレータを変更すると、インピーダンスは22.12Ωに低減できたものの不良率が30.3%まで悪化した。
従来例5で得た電解紙から実施例7乃至10で得たセルロース多孔質膜にセパレータを変更することで、アルミ電解コンデンサの不良率を維持あるいは低減しつつ、同時にインピーダンスをほぼ半減させることができた。
実施例7乃至10で得たセルロース多孔質膜、比較例2で得たセルロース多孔質膜、従来例5で得た電解紙を用いたアルミ電解コンデンサの120Hzで測定した静電容量と1kHzで測定したインピーダンスの測定結果を図4に示す。
従来例5で得た厚さ61.1μmの電解紙から実施例10で得た厚さ20.7μmのセルロース多孔質膜に変更することで、アルミ電解コンデンサの静電容量は約40%増加した。実施例8及び9で得たセルロース多孔質膜を用いたアルミ電解コンデンサの静電容量も、従来例5で得た電解紙を用いたアルミ電解コンデンサの静電容量より大きくなった。
実施例7で得たセルロース多孔質膜を用いたアルミ電解コンデンサの静電容量は、従来例5で得た電解紙を用いたアルミ電解コンデンサの静電容量とほぼ同じであったが、インピーダンス低減率は最も大きかった。従来例5で得た電解紙から実施例7乃至10で得たセルロース多孔質膜にセパレータを変更することで、アルミ電解コンデンサの不良率を低減あるいは維持したままインピーダンスの低減及び/又は静電容量の増加を実現することができた。
比較例2で得たセルロース多孔質膜は厚さが72.3μmであった。比較例2で得たセルロース多孔質膜を用いたアルミ電解コンデンサと、実施例7で得た厚さ65.8μmのセルロース多孔質膜を用いたアルミ電解コンデンサと比較すると、静電容量が低下したことに加えてインピーダンスが大きく悪化した。厚さが70μmより厚くなり陽極アルミ箔と陰極アルミ箔の極間距離が開いた影響が大きいと考えられる。厚さが70μmを超えて厚くなるとアルミ電解コンデンサのインピーダンス特性が悪化しやすくなるため、セルロース多孔質膜の厚さは70μm以下とすることが望ましい。
以上に説明した本実施の形態例及び実施例などから明らかな様に、アミンオキシド系セルロース溶液を用いてセルロース多孔質膜を製作することで、アルミニウム電解コンデンサの陽極アルミ箔の酸化皮膜を腐食する硫酸根を含有しないセルロース多孔質膜を得ることができる。
また、溶解するセルロースにTCF漂白あるいは未漂白のセルロースを用いることで、硫酸根と同様に陽極アルミ箔の酸化皮膜を腐食する塩素の含有量が極めて小さいセルロース多孔質膜を得ることができる。
セルロース多孔質膜は親水性・親油性を持ち、電気絶縁性に優れるというセルロースの特性を持つことに加え、厚さや密度を任意にコントロールできることから、繊維の積層体である電解紙では実現困難な特性を持つセパレータを実現できる。陽極アルミ箔の酸化皮膜腐食物質を含有しない本発明のセルロール多孔質膜を用いることで、電解紙や従来のセルロース多孔質膜では実現できなかった、アルミ電解コンデンサの小形化及び/又は高容量化及び/又は低インピーダンス化を実現可能なアルミ電解コンデンサ用セパレータ及び該セパレータを用いるアルミ電解コンデンサを提供することができる。
アミンオキシド系セルロース溶液の粘度はアミンオキシドに溶解するセルロースを任意の割合にすることでコントロールできるため、本実施の形態例によれば重合度の高いセルロースを用いてセルロース多孔質膜を製作することができる。そのため、高強度で電解液に対する耐性に優れた重合度の高いセルロース多孔質膜を製作することができる。
紙の製造工程において、乾燥前の湿潤状態では紙の強度の大部分が繊維同士の物理的絡み合いに依存するため、薄い紙を製作するために繊維の重なり本数を減らすと紙切れが発生する可能性が高くなる。セルロース多孔質膜はアミンオキシド/セルロース溶液を膜状に成形した後、凝固浴で再生して製作するため、抄紙法よりも薄いシートを製作することが可能である。
また、本実施の形態例のセルロース多孔質膜の密度は、多孔質化の方法あるいは条件の調整により任意の割合でコントロールできるため、紙では実現が難しい0.25g/cm3以下の密度のセパレータを得ることができる。紙はパルプ同士の物理的絡み合いと接点の水素結合で接着されているパルプの集合体であるのに対し、セルロース多孔質膜は構成するセルロースが一体となっているため0.10〜0.25g/cm3のような低密度領域においてもコンデンサ素子製造工程で破断しない強度を確保できる。一般的に用いられている電解紙の密度0.25〜1.00g/cm3の領域においても高強度、低インピーダンスかつ耐ショート性に優れたセパレータを実現できる。
また、本実施の形態例のセルロース多孔質膜は、電解紙と比較してより薄く、より低密度のセパレータを製作することも可能である。セルロース多孔質膜は微多孔状で緻密な構成のため耐ショート性に優れる。そのためアルミ電解コンデンサのセパレータを電解紙からセルロース多孔質膜に置き換える場合には、より低密度あるいはより薄いセパレータを使用することができ、アルミ電解コンデンサの小形化、高容量化、低インピーダンス化、長寿命化などを実現できる。なお、セルロース多孔質膜は単独で使用してもよく、電解紙など他のセパレータと組み合わせて使用することもできる。
本実施の形態例及び実施例のセルロース多孔質膜は、アルミ電解コンデンサ用セパレータとしてだけでなく、導電性高分子アルミ電解コンデンサ用セパレータ、電気二重層キャパシタ用セパレータ、リチウムイオンキャパシタ用セパレータ、リチウムイオン電池用セパレータ、アルカリマンガン電池用セパレータなど各種蓄電デバイス用セパレータとして使用することができ、また各種フィルターとしても使用することができる。

Claims (8)

  1. セルロース誘導体を形成せずに溶解及び再生された再生セルロースからなるセルロース多孔質膜で構成することを特徴とするアルミ電解コンデンサ用セパレータ。
  2. 前記セルロース多孔質膜の塩素含有量が2ppm以下であることを特徴とする請求項1記載のアルミ電解コンデンサ用セパレータ。
  3. 前記セルロース多孔質膜の硫酸塩含有量が10ppm以下であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のアルミ電解コンデンサ用セパレータ。
  4. 前記セルロース多孔質膜の膜厚が5〜70μmかつ密度が0.1g/cm3以上かつ平均孔径が5μm以下であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のアルミ電解コンデンサ用セパレータ。
  5. 前記セルロース多孔質膜が、アミンオキシド系溶媒にセルロースを溶解したセルロース溶液を膜状に成形し、水またはアミンオキシド系溶媒の貧溶媒に浸漬することによりセルロースを凝固して再生し、再生したセルロースを水で洗浄してアミンオキシド系溶媒を除去した後、乾燥することにより得られた再生セルロースからなるセルロース多孔質膜であることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のアルミ電解コンデンサ用セパレータ。
  6. 前記アミンオキシド系溶媒の主成分がN‐メチルモルホリン‐N‐オキシドであることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載のアルミ電解コンデンサ用セパレータ。
  7. 再生したセルロースを水で洗浄してアミンオキシド系溶媒を除去することを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載のアルミ電解コンデンサ用セパレータ。
  8. 請求項1乃至請求項7のいずれかに記載のアルミ電解コンデンサ用セパレータを用いたことを特徴とするアルミ電解コンデンサ。
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