JP2022098542A - アルカリ水電解隔膜用基材及びアルカリ水電解隔膜 - Google Patents

アルカリ水電解隔膜用基材及びアルカリ水電解隔膜 Download PDF

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Abstract

【課題】機械的強度等が高い材質からなるアルカリ水電解隔膜用基材を提供するとともに、該アルカリ水電解隔膜用基材を用いることによって、低導電抵抗、ガス遮断性等を併せ備えたアルカリ水電解隔膜を提供すること。
【解決手段】異型断面を有するポリフェニレンサルファイド繊維を含有する不織布からなり、密度が0.30g/cm以上0.80g/cm以下であり、縦方向と横方向の引張伸度がいずれも10%以上35%以下であることを特徴とするアルカリ水電解隔膜用基材、及び、該アルカリ水電解隔膜用基材と、高分子樹脂の多孔質膜とを含有するアルカリ水電解隔膜。
【選択図】なし

Description

本発明はアルカリ水電解隔膜用基材(以下、「アルカリ水電解隔膜用基材」を「基材」と略記する場合がある)及びアルカリ水電解隔膜(以下、「アルカリ水電解隔膜」を「隔膜」と略記する場合がある)に関するものである。
水素の工業的な製造方法の1つとしてアルカリ水電解法がある。一般にアルカリ水電解装置は、1つ以上の電解槽を備えており、電解槽はアルカリ水電解隔膜を介して陽極室と陰極室に仕切られ、両極間に直流電流を印加すると、陽極室では酸素が生成され、陰極室では水素が生成される。水を電気分解する場合には、一般的に電解液の導電性を高めるために、水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等を電解質として水に添加している。
アルカリ水電解隔膜には、酸素ガスと水素ガスを遮断して混合しないガスバリア性(ガス遮断性)、また、アルカリ水電解の電解液において電子を運ぶのはイオンであるため、電解効率の向上には、隔膜に高いイオン透過性も求められる。
加えて、アルカリ性電解液に対する耐アルカリ性;イオン電導性を発現させるために60~150℃程度で電解を行うので、電解時の耐熱性;アルカリ水電解隔膜を電解槽に設置する際、隔膜の破れ等が生じない機械的強度;等が求められる。
従来、アルカリ水電解隔膜に、「ポリフェニレンサルファイド(PPS)繊維を湿式抄紙法で製造したアルカリ水電解隔膜用基材」を用いることが知られている。
例えば、特許文献1には、ポリフェニレンサルファイド繊維からなる多孔性支持体(アルカリ水電解隔膜用基材)と、高分子樹脂の多孔質膜を備えた、アルカリ水電解隔膜が開示されている。
また、特許文献2には、捲縮数が2~10山/25mmのポリフェニレンサルファイド繊維を含む熱可塑性繊維からなる湿式不織布をプラズマ処理にて親水化処理したアルカリ水電解隔膜用基材が開示されている。
また、特許文献3には、水素発生装置用セパレーター(アルカリ水電解隔膜)に使用する不織布として、ポリ四フッ化エチレン、ポリプロピレン、及びポリパラフェニレンスルフィドのいずれかから選ばれる1種以上の樹脂からなる繊維で構成され、下記(1)~(5)の特徴を有する不織布からなるセパレーターが開示されていて、また、該セパレーターは、実質的にポリアリーレンスルフィド樹脂単独の繊維で構成される不織布からなることが開示されている。
(1)不織布を構成する繊維の単糸繊度が2dtex以上20dtex以下、(2)不織布の剛軟度が50mN・cm以上150mN・cm以下、(3)不織布の嵩密度が0.2g/cm以上0.8g/cm以下、(4)不織布の目付が50g/m以上200g/m以下、(5)不織布の厚みが0.1mm以上0.5mm以下。
しかしながら、特許文献2や3に記載の不織布は機械的強度が不十分であり、アルカリ水電解隔膜を電解槽に設置する際、隔膜の破れ等が生じる場合があった。
一方、特許文献1では、不織布の中に織布を内在させることによって、強度を高めている。また、特許文献4でも、不織布を使用せずに、水電解槽用ポリフェニレンサルファイド織物を使用することが提案されている。特許文献5には、ポリフェニレンサルファイド繊維からなる湿式不織布を用いた電気絶縁紙及び電気絶縁紙の製造方法が開示されている。これは、バインダー成分として未延伸繊維を多量に用いて空隙をできるだけなくし緻密な構造とすることで優れた絶縁破壊性能を発現するものである。
しかしながら、緻密な構造であるため、イオン透過性と伸度が不十分となる。その結果、低い導電抵抗と膜破れの抑制という点で不十分であった。
そこで、均一性が高く、加工性にも優れていて、強度が高い、アルカリ水電解隔膜用基材、及び、アルカリ水電解隔膜が求められている。
特開2014-129563号公報 特開2016-089197号公報 特開2018-100434号公報 特表2019-513902号公報 特開2010-024574号公報
本発明は上記背景技術に鑑みてなされたものであり、その課題は、機械的強度等が高い材質からなるアルカリ水電解隔膜用基材を提供するとともに、該アルカリ水電解隔膜用基材を用いることによって、低導電抵抗、ガス遮断性等を併せ備えたアルカリ水電解隔膜を提供することである。
本発明者は、上記の課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、下記発明によって該課題を解決することができた。
すなわち、本発明は、
(1)異型断面を有するポリフェニレンサルファイド繊維を含有する不織布からなり、密度が0.30g/cm以上0.80g/cm以下であり、縦方向と横方向の引張伸度がいずれも10%以上35%以下であることを特徴とするアルカリ水電解隔膜用基材を提供するものである。
また、本発明は、
(2)上記(1)記載のアルカリ水電解隔膜用基材と高分子樹脂の多孔質膜とを有するアルカリ水電解隔膜を提供するものである。
不織布は、一般に均一性が高く加工性にも優れていていることから、アルカリ水電解隔膜用基材として不織布を使いこなすと(不織布のみの物性をアルカリ水電解隔膜用基材用に特化して上げれば)、均一性や機械的強度を高く維持しつつ、その他のアルカリ水電解隔膜用基材特性をも達成できると考えた。そして、実際達成できて本発明が完成した。
本発明のアルカリ水電解隔膜用基材は、特に機械的強度が高いため、アルカリ水電解隔膜を電解槽に設置する際、隔膜の破れ等を好適に抑えることができる。
また、本発明の基材を用いるアルカリ水電解隔膜は、導電抵抗が低く(すなわち、イオン透過性が高く)、かつ、ガス遮断性にも優れている。
また、アルカリ性電解液に対する耐アルカリ性や、電解時の耐熱性等にも優れている。
[アルカリ水電解隔膜用基材]
本発明のアルカリ水電解隔膜用基材は、異型断面を有するポリフェニレンサルファイド繊維(以下、「ポリフェニレンサルファイド」を「PPS」と略記することがある)を含有する不織布からなる。
該不織布は、特に限定はされないが、湿式抄紙法で製造されたものであることが好ましい。
また、本発明のアルカリ水電解隔膜用基材は、主体繊維として延伸PPS繊維を含有し、バインダー繊維として未延伸PPS繊維を含有してなる形態を有していることが好ましい。未延伸PPS繊維は、大部分が非結晶構造であり、熱を加えることで溶融し、バインダー繊維として働くことができる。一方、延伸PPS繊維は、繊維製造工程において延伸が加えられていて、繊維の単繊維強度が強く、寸法安定性に優れている。
本発明において、延伸PPS繊維及び未延伸PPS繊維を使用した場合には、機械的強度に優れたアルカリ水電解隔膜用基材を提供することが容易になる。また、このアルカリ水電解各膜用基材を用いたアルカリ水電解隔膜は、低導電抵抗、高いガス遮断性等を併せ備えることができる。
<ポリフェニレンサルファイド繊維(PPS繊維)>
ポリフェニレンサルファイド(Polyphenylenesulfide、PPS)繊維とは、ポリマー構成単位として、「-(C-S)-」を主要構造単位とする重合体(PPS重合体)からなる合成繊維である。
PPS重合体としては、例えば、ポリフェニレンサルファイド、ポリフェニレンサルファイドスルホン、ポリフェニレンサルファイドケトン等が好ましいものとして挙げられる。また、これらのランダム共重合体、ブロック共重合体等も挙げられる。さらに、前記重合体の混合物が挙げられる。特に好ましいPPS重合体としては、ポリマーの主要構造単位として、-(C-S)-で表されるp-フェニレン単位を、PPS重合体全体に対して、好ましくは90質量%以上含有するPPS重合体が挙げられる。
アルカリ水電解隔膜用基材が、-(C-S)-で表されるp-フェニレン単位を有する場合、高温・高濃度のアルカリ溶液に対しても優れた耐性を示すことで、アルカリ水電解装置の効率化が可能であり、水の電気分解時に発生する活性酸素に対しても化学的な安定性を示す。
<PPS繊維の異型断面>
本発明におけるPPS繊維は、異型断面を有することが必須である。
ここで、「異型断面」とは、繊維の長さ方向に垂直に切断した場合の断面形状が円形断面形状以外のものであり、特に限定はないが、例えば、三角形状、Y型形状、扁平形状、ドックボーン形状、三つ葉形状等の断面を言う。
例えば、これらは、異型金型を用いて直接紡糸する方法、複合繊維を溶解又は分割する方法等によって得ることができるが、異型金型を用いて直接紡糸することによって得られる異型断面を有するPPS繊維が、本発明においては特に好適に用いられる。
また、強度向上の観点から、Y型形状又は三つ葉形状の断面形状を有するPPS繊維がより好ましい。Y型形状又は三つ葉形状は、円形断面形状に比べ比表面積が大きくなり、繊維同士の接着点が増加し、湿紙強度、及び、抄紙工程後の原紙強度が向上するだけではなく、熱カレンダー加工時に不織布内部の空間に入り込むように変形して接着するため、不織布としての強度を向上させることに寄与することができる。
また、上記の異型断面を有するPPS繊維は、捲縮がかかっていない、いわゆる無捲縮のPPS繊維が好ましい。
本発明のアルカリ水電解隔膜用基材における「異型断面を有するPPS繊維」の含有量は、PPS繊維の全体に対して、10質量%以上であることが好ましく、20質量%以上であることがより好ましく、30質量%以上であることが特に好ましい。上記の範囲外であると、以下に記載するのと同様のことが起こる場合がある。
本発明のアルカリ水電解隔膜用基材は、単層構造であってもよいし、多層構造であってもよい。各層での「異型断面を有するPPS繊維」の含有量は、該各層の全PPS繊維量に対して10質量%以上であることが好ましく、より好ましくは30質量%以上である。
異型断面を有するPPS繊維の含有量が10質量%よりも少なくなると、アルカリ水電解隔膜用基材の機械的強度が低くなる場合がある。また、PPS繊維を含有する不織布の機械的強度(原紙強度)が十分に向上せず、不織布を形成させるときに破れ易くなる、すなわち、抄紙の際に断紙が起こり易くなる場合がある。
なお、全てのPPS繊維が異型断面を有するPPS繊維であってもよい。
<未延伸PPS繊維、延伸PPS繊維>
本発明のアルカリ水電解隔膜用基材における未延伸PPS繊維の含有量は、PPS繊維全体に対して、30質量%以上90質量%以下であることが好ましく、40質量%以上85質量%以下であることがより好ましく、50質量%以上80質量%以下であることが特に好ましい。上記の範囲外であると、以下に記載するのと同様のことが起こる場合がある。
本発明のアルカリ水電解隔膜用基材において、各層での未延伸PPS繊維の含有量は、該各層の全繊維量に対して30質量%以上、90質量%以下であることが好ましく、より好ましくは40質量%以上、80質量%以下である。
未延伸PPS繊維の含有量が少な過ぎると、繊維同士を接着させるバインダー効果が不足し、不織布として十分な機械的強度が得られない場合がある。また、未延伸PPS繊維の含有量が多過ぎると、熱カレンダー加工時に幅方向の収縮が大きくなり、プロファイルを悪化させる場合がある。
<結晶化エンタルピー>
本発明のアルカリ水電解隔膜用基材の製造時に用いる未延伸PPS繊維は、結晶化エンタルピーが20J/g以上であることが好ましい。より好ましくは21J/g以上であり、さらに好ましくは22J/g以上であり、特に好ましくは24J/g以上である。
この結晶化エンタルピーが低過ぎると、繊維同士を接着させるバインダー効果が不足し、不織布として十分な機械的強度が得られない場合がある。また、結晶化エンタルピーの上限値は特に限定はないが、現実的には35J/g以下である。
前記の未延伸PPS繊維の結晶化エンタルピーを20J/g以上(又は上記下限以上)とするためには、下記の2つの手段の少なくとも1つを用いることが好ましい。
(1)製造時の未延伸PPS繊維の結晶化エンタルピーの制御:紡糸時の冷却方法と冷却速度等の熱履歴による制御
(2)製造後の未延伸PPS繊維の結晶化エンタルピーの制御:未延伸PPS繊維の保管温度と保管期間の管理
上記制御をするための具体的な方法を下記に示す。
(1)製造時の未延伸PPS繊維の結晶化エンタルピーの制御
紡糸時の冷却プロファイルは、溶融伸長変形を安定にすることができる範囲で、出来る限り早く冷却することが望ましい。また、室温まで冷却した後は、室温よりも高い温度に加温することは好ましくない。
具体的には、紡糸時の冷却プロファイルは、クエンチ冷却風の温度を30℃以下とすることが好ましい。クエンチ冷却風の温度は、28℃以下がより好ましく、26℃以下が特に好ましい。クエンチ冷却風の温度が高過ぎると、冷却が不十分となり、結晶化エンタルピー[J/g]が20J/g以上(又は上記下限以上)の未延伸PPS繊維を製造できない場合がある。
(2)製造後の未延伸PPS繊維の結晶化エンタルピーの制御
1)保管温度
製造後の未延伸PPS繊維の保管は、直射日光を浴びない室内での保管が好ましく、出来る限り室温が上昇しない場所で保管することが好ましい。
保管温度が比較的高くなると、結晶化エンタルピーの減少が加速する場合があり、また、保管期間が長期化すると、時間経過とともに徐々に結晶化エンタルピーが減少する場合がある。
こうした点から、保管温度は、80℃以下が好ましく、より好ましくは60℃以下、特に好ましくは50℃以下である。保管温度の下限は、特に限定はないが、-20℃以上が好ましい。
2)保管期間
製造直後からの保管期間は、1年以内が好ましく、10か月以内がより好ましく、9か月以内が特に好ましい。製造後1年以内に使用することによって、未延伸PPS繊維の結晶化エンタルピー[J/g]を20J/g以上(又は上記下限以上)とすることが可能となる。
<PPS繊維の直径>
PPS繊維の直径は、好ましくは0.1~30μmであり、より好ましくは1.0~25μmであり、特に好ましくは2~20μmである。
本発明における不織布を湿式抄紙法で製造する場合には、PPS繊維の直径が上記範囲内であると製造効率を上げることができる。
PPS繊維の直径が小さ過ぎると、湿式抄紙機の抄紙網からの脱落、あるいはPPS繊維の分散不良による不織布の品位の低下が発生し易くなる。また、不織布を作製して、それをアルカリ水電解隔膜用基材とした際には、アルカリ水電解隔膜用基材の密度が高くなり、導電抵抗が高くなる場合等がある。更に、繊維の強度や伸度が不十分となり、アルカリ水電解隔膜用基材として必要な不織布強度を得ることが困難となる場合がある。
一方、PPS繊維の直径が大き過ぎると、スラリー中での繊維同士の絡み度合いが不十分になり、湿式抄紙工程で断紙が発生する場合があり、また、繊維間の接点が少なくなり過ぎて、強度を維持するのが困難になる場合がある。
また、不織布を作製して、それをアルカリ水電解隔膜用基材とする際には、機械的強度が弱いため、電解槽中で又は設置中に、隔膜の破れ等が生じる場合、アルカリ水電解隔膜を成膜する際、成膜溶液の保持性が低下し、アルカリ水電解隔膜に欠陥が生じる場合等がある。
更に、アルカリ水電解隔膜として基材に多孔質膜を形成させる際、多孔質膜形成用の樹脂塗布液の保持性が低下し、アルカリ水電解隔膜に欠陥が生じる場合等がある。
なお、上記した、「異型断面を有する『PPS繊維の直径』」は、アルカリ水電解隔膜用基材を鋭利な刃物でカットして、その断面を2000倍の走査型電子顕微鏡(SEM)で観察し、無作為に抽出した繊維100本の各断面積と同一面積を有する真円の直径として算出した各繊維の直径の算術平均値である。
<PPS繊維の繊維長>
本発明のアルカリ水電解隔膜用基材に用いるPPS繊維の繊維長は、好ましくは1~30mmであり、より好ましくは5~27mmであり、特に好ましくは7~25mmである。前記PPS繊維の繊維長が上記下限未満の場合、湿式抄紙時に抄紙網から抜け落ち、十分な強度が得られない場合がある。一方、前記PPS繊維の繊維長が上記上限を超える場合、水に分散する際にもつれ等を起こし、均一な地合が得られない場合がある。
<アルカリ水電解隔膜用基材、不織布の製造方法>
本発明のアルカリ水電解隔膜用基材は、湿式抄紙法で製造することが好ましく、単層構造のアルカリ水電解隔膜用基材を湿式抄紙法で製造することが特に好ましい。
湿式抄紙法で製造する場合は、まず、繊維を均一に水中に分散させ、その後、スクリーン(異物、塊等除去)等の工程を通し、スラリーを調製する。スラリーの最終繊維濃度は、好ましくは、スラリー全体に対して0.01~0.50質量%である。該スラリーが、抄紙機で抄き上げられ、湿紙が得られる。工程中で、分散剤、消泡剤、親水剤、帯電防止剤、高分子粘剤、離型剤、抗菌剤、殺菌剤等の薬品を添加する場合もある。
抄紙機としては、例えば、長網、円網、傾斜ワイヤー等の抄紙網を単独で使用した抄紙機、同機種又は異種の2以上の抄紙網がオンラインで設置されているコンビネーション抄紙機等を使用することができる。
また、不織布が2層以上の多層構造の場合は、各々の抄紙機で抄き上げた湿紙を積層する「抄き合わせ法」や、一方の層を形成した後に、該層上に繊維を分散したスラリーを流延して積層とする「流延法」等で、不織布を製造することができる。繊維を分散したスラリーを流延する際に、先に形成した層は湿紙状態であっても、乾燥状態であってもいずれでもよい。また、2枚以上の乾燥状態の層を熱融着させて、多層構造の不織布とすることもできる。
湿式抄紙法では、抄紙網で製造され、ウェットプレス部で搾水された湿紙を、ヤンキードライヤー、エアードライヤー、シリンダードライヤー、サクションドラム式ドライヤー、赤外方式ドライヤー等の乾燥機で乾燥することによって、アルカリ水電解隔膜用基材における不織布が得られる。湿紙の乾燥の際に、ヤンキードライヤー等の熱ロールに密着させて熱圧乾燥させることによって、密着させた面の平滑性が向上する。熱圧乾燥とは、タッチロール等で熱ロールに湿紙を押しつけて乾燥させることを言う。
熱ロールの表面温度は、好ましくは100~180℃であり、より好ましくは120~160℃である。タッチロールで湿紙を熱ロールに押し付ける圧力は、好ましくは50~1000N/cmであり、より好ましくは100~800N/cmである。
本発明のアルカリ水電解隔膜用基材は、必要に応じて熱カレンダー加工を施すことができる。アルカリ水電解隔膜用基材の熱カレンダー処理に使用されるカレンダーユニットとしては、各種ロールの組み合わせのカレンダーユニットが挙げられる。
各種ロールの組み合わせとしては、金属ロール-金属ロール、金属ロール-弾性ロール、金属ロール-コットンロール、金属ロール-バイトンロール、金属ロール-シリコンロール等のロールの組み合わせのカレンダーユニットが挙げられる。これらのカレンダーユニットは、単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
熱カレンダー加工の際、金属ロールの表面温度は、好ましくは100~260℃であり、より好ましくは150~250℃である。金属ロールの温度が低過ぎると、未延伸PPS繊維の溶融が進まず、繊維-繊維間の結着が進まない場合がある。
また、金属ロールの温度が高過ぎると、アルカリ水電解隔膜用基材を構成する繊維が、金属ロールに貼り付き、不織布表面の均一性を損なう場合がある。
熱カレンダー加工時のニップのニップ圧力は、好ましくは190~1800N/cmであり、より好ましくは200~1400N/cmであり、特に好ましくは210~600N/cmである。
加工速度は、好ましくは5~150m/minであり、より好ましくは10~80m/minであり、特に好ましくは10~40m/minである。
<アルカリ水電解隔膜用基材の層構成>
本発明のアルカリ水電解隔膜用基材は、単層であってもよく、各層の繊維配合が同一である多層構造であってもよく、各層の繊維配合が異なった多層構造であってもよい。
単層構造に比べ多層構造である場合、各層の目付が下がることにより、スラリーの繊維濃度を下げることができるため、アルカリ水電解隔膜用基材の地合の均一性が向上する。また、各層の地合が不均一であった場合でも、積層することで補填できる。さらに、抄紙速度を上げることができ、操業性が向上するという効果も得られる。
<アルカリ水電解隔膜用基材の目付>
本発明のアルカリ水電解隔膜用基材の目付は、特に限定しないが、好ましくは20~150g/mであり、より好ましくは30~100g/mである。目付が小さ過ぎる場合は、アルカリ水電解隔膜用基材の機械的強度が低くなる場合がある。目付が大き過ぎる場合は、導電抵抗が高くなる場合や電解槽に設置する際、アルカリ水電解隔膜の厚み方向部分から液漏れが生じる場合がある。
本発明のアルカリ水電解隔膜用基材の厚さは、特に限定はないが、好ましくは30~300μmであり、より好ましくは40~250μmであり、特に好ましくは60~180μmである。厚さが小さ過ぎる場合は、アルカリ水電解隔膜用基材の機械的強度が低くなる場合がある。厚さが大き過ぎる場合は、導電抵抗が高くなる場合や電解槽に設置する際、アルカリ水電解隔膜の厚み方向部分から液漏れが生じる場合がある。
<アルカリ水電解隔膜用基材の密度>
本発明のアルカリ水電解隔膜用基材の密度は、0.30~0.80g/cmであり、好ましくは0.35~0.70g/cmであり、より好ましくは0.35~0.60g/cmであり、特に好ましくは0.35~0.55g/cmである。
「密度」は、単位を一致させて、「目付」を「厚さ」で割ることによって求められる。
該密度が0.30g/cm未満では、アルカリ水電解隔膜基材の機械的強度が低くなる。
一方、該密度が0.80g/cmを超えると、アルカリ水電解隔膜用基材が密になることで、導電抵抗が高くなる(イオン透過性が低くなる)。また、アルカリ水電解隔膜の基材内部への投錨性が下がるため、アルカリ水電解隔膜において、後述する多孔質膜がアルカリ水電解隔膜用基材から剥離する。
また、該密度の(より、又は、特に)好ましい範囲が上記範囲より小さ過ぎる場合や大き過ぎる場合には、上記したのと同様のことが起こる場合がある。
<<密度を本発明の範囲にする具体的方法>>
アルカリ水電解隔膜用基材の密度を上記範囲にするには、繊維作製段階(紡糸段階)では、繊維径を調節することが好ましい。
例えば、PPS樹脂の分子量を低くすること、単孔吐出量を減らすこと、ノズル孔径を小さくすること等により、繊維径を細くすることができる。その結果、基材の密度を上げることができる。
一方、PPS樹脂の分子量を高くすること、単孔吐出量を増やすこと、ノズル孔径を大きくすること等により、繊維径を太くすることができる。その結果、基材の密度を下げることができる。
また、アルカリ水電解隔膜用基材の密度を上記範囲にするには、不織布作製段階(抄紙段階)では、抄紙速度、タッチロール圧力、熱カレンダー加工時のニップ圧や金属ロールの温度等を調節することによってなされる(達成可能である)。
具体的には、例えば、熱カレンダー加工時のニップ圧を上げることや、熱カレンダー加工時の金属ロールの温度を高くすること等によって、基材の密度を上げることができる。
逆に、熱カレンダー加工時のニップ圧を下げることや、熱カレンダー加工時の金属ロールの温度を低くすること等によって、基材の密度を下げることができる。
また、不織布作製装置(抄紙機)・不織布作製部材(抄紙部材)、スラリーの態様、不織布作製方法(抄紙方法)として、例えば、長網、円網、傾斜ワイヤー等の抄紙網を単独で使用した抄紙機、又は、同機種又は異種の2以上の抄紙網がオンラインで設置されているコンビネーション抄紙機を用いて、抄紙速度を遅くすることや、タッチロール圧力を上げる等によって、基材の密度を上げることができる。
逆に、抄紙速度を速くすることや、タッチロールの圧力を下げること等によって、基材の密度を下げることができる。
<アルカリ水電解隔膜用基材の引張伸度>
本発明のアルカリ水電解隔膜用基材において、縦方向と横方向の引張伸度は、いずれも10%以上35%以下であり、好ましくは15%以上32%以下であり、より好ましくは18%以上32%以下であり、特に好ましくは20%以上30%以下である。
縦方向と横方向の引張伸度が10%未満では、アルカリ水電解隔膜を電解槽に設置する際に破れが生じる。
一方、該引張伸度が35%を超えると、アルカリ水電解隔膜の膜成分に破損が生じ、ガス遮断性が低くなる。
また、該引張伸度の(より、又は、特に)好ましい範囲が上記範囲より小さ過ぎる場合や大き過ぎる場合には、上記したのと同様のことが起こる場合がある。
<<引張伸度を本発明の範囲にする具体的方法>>
アルカリ水電解隔膜用基材の引張伸度を上記範囲にするには、1)未延伸PPS繊維や延伸PPS繊維のカット長、2)未延伸PPS繊維の結晶化エンタルピー、3)延伸PPS繊維の伸度、を調整することが好適である。
基材の引張伸度を上げるためには、1)未延伸PPS繊維や延伸PPS繊維のカット長を長くすること、2)未延伸PPS繊維の結晶化エンタルピーを上げてバインダー効果を向上すること、3)延伸PPS繊維の伸度を高くすること、等の方法が好適である。
一方、基材の引張伸度を下げるためには、1)未延伸PPS繊維や延伸PPS繊維のカット長を短くすること、2)未延伸PPS繊維の融解エンタルピーを低下させること、3)延伸PPS繊維の伸度を低くすること、等の方法が好適である。
また、アルカリ水電解隔膜用基材の引張伸度を上記範囲にするには、不織布作製段階(抄紙段階)では、抄紙速度、タッチロール圧力、熱カレンダー加工時の速度等を調節することによってなされる(達成可能である)。
具体的には、例えば、熱カレンダー加工時の速度を上げること等によって、基材の引張伸度を上げることができる。逆に、熱カレンダー加工時の速度を下げること等によって、基材の引張伸度を下げることができる。
また、不織布作製装置(抄紙機)・不織布作製部材(抄紙部材)、分散液の態様、不織布作製方法(抄紙方法)として、長網、円網、傾斜ワイヤー等の抄紙網を単独で使用した抄紙機、同機種又は異種の2以上の抄紙網がオンラインで設置されているコンビネーション抄紙機を用いて、抄紙速度を遅くすることや、タッチロール圧力を上げる等によって、基材の引張伸度を上げることができ、逆に、抄紙速度を速くすることや、タッチロールの圧力を下げる等によって、基材の引張伸度を下げることができる。
[アルカリ水電解隔膜]
本発明のアルカリ水電解隔膜は、前記のアルカリ水電解隔膜用基材と、高分子樹脂の多孔質膜とを有する。
本発明のアルカリ水電解隔膜において、該アルカリ水電解隔膜用基材と該多孔質膜とは、1枚ずつが積層されていてもよく、複数枚が積層されていてもよい。特に限定はないが、アルカリ水電解隔膜の強度維持や剥離防止等の点から、アルカリ水電解隔膜はアルカリ水電解隔膜用基材に一部浸透し、一体となっていることが好ましい。
<多孔質膜>
多孔質膜を形成する高分子樹脂としては、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニルスルホン等のスルホン系樹脂;ポリビニリデンフロライド、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系樹脂;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等のビニル系樹脂;ポリフェニレンサルファイド等のサルファイド系樹脂;ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール;ポリケトン等のケトン系樹脂;ポリイミド、ポリエーテルイミド等のイミド系樹脂;ポリカーボネート等のエステル系樹脂;等を挙げることができる。これらは単独で使用しても、2種類以上を同時に使用してもよい。
多孔質膜の厚さは、特に限定はないが、機械的強度、ガスバリア性(ガス遮断性)、導電抵抗等の点から、30~600μmが好ましく、50~500μmがより好ましく、70~400μmが特に好ましい。
また、多孔質膜の孔の大きさは、特に限定はないが、機械的強度、イオン透過性等の点から、数平均直径として、0.010~5μmが好ましく、0.015~3μmがより好ましく、0.020~2μmが特に好ましい。
多孔質膜の製造方法は、特に限定はなく、「前記高分子樹脂と好ましくは水溶性樹脂」を水溶性有機溶媒に溶解した成膜溶液を基材に塗工し、該高分子樹脂の貧溶媒による該高分子樹脂の析出(相分離)工程と、「該水溶性樹脂及び/又は該水溶性有機溶媒」を、水等の「該高分子樹脂の貧溶媒」による溶解除去・洗浄する工程とを少なくとも有する製造方法(非溶媒誘起相分離法);熱誘起相分離法;水蒸気誘起相分離法;溶媒蒸発法等が挙げられる。
上記水溶性樹脂としては、「上記水溶性有機溶媒」と「上記高分子樹脂の貧溶媒」の両方に溶解するものが好ましく用いられる。
具体的には、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリエチレンイミン、ポリ(メタ)アクリル酸、デキストラン、ポリ(無水)マレイン酸等や、それらの共重合体等が挙げられる。カルボン酸等の酸の場合は、一部又は全部が塩を形成していてもよい。
該水溶性樹脂には、界面活性剤;(ポリ)グリセリン;糖、糖アルコール等の糖誘導体;リチウム塩、カリウム塩、ナトリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩等の無機塩を含有(配合)させることができる。該塩としては、硝酸塩、硫酸塩、塩酸塩、フルオロホウ酸塩、フルオロリン酸塩、過塩素酸塩等が挙げられる。
上記水溶性有機溶媒としては、上記高分子樹脂と水溶性樹脂を溶解するものが好ましく用いられる。
具体的には、例えば、N-メチル-2-ピロリドン;N、N-ジメチルアセトアミド;N、N-ジメチルホルムアミド;ジメチルスルホキシド;テトラヒドロフラン;(ジ又はトリ)プロピレングリコールモノアルキルエーテル、(ジ又はトリ)プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート等のアルキレングリコール系溶媒;エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等のカーボネート系溶媒;等が用いられる。これらの水溶性有機溶媒は、単独、又は、2種類以上を混合して用いてもよい。
上記「高分子樹脂の貧溶媒」としては、上記高分子樹脂が溶解せずに、相分離・析出させ、上記水溶性樹脂を溶解させるものが好ましく用いられる。
具体的には、例えば、水、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール等が挙げられる。これらは、単独で使用しても、2種類以上を混合して使用してもよい。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明は本実施例に限定されるものではない。
(1)繊度(dtex)
JIS L1015(2010) 8.5.1に基づいて測定した。
(2)結晶化エンタルピー(J/g)
示差走査熱量計(TAインスツルメント社製、Q100)を使用し、PPS繊維を2.0mg±0.1mgとなるように秤量し、窒素雰囲気下、昇温速度20℃/分で測定した。吸発熱曲線から110℃~140℃前後に観察される発熱ピークについて、100℃付近と200℃付近とを直線となるようにベースラインを引き、吸発熱曲線とベースラインで囲まれた面積を算出した。
(3)円換算直径(μm)
前記したように、基材を鋭利な刃物でカットして、その断面を2000倍の走査型電子顕微鏡(SEM)で観察し、無作為に抽出した100本の繊維の相加平均で求めた。
下記式に基づき、異型断面を有する繊維の断面積と同じ面積を有する仮想正円の直径(μm)、即ち円換算直径(μm)を算出した。なお、ポリフェニレンサルファイド繊維(PPS繊維)の密度は1.35g/cmとして計算した。
円換算直径(μm)=2×{D/(100000×ρ×π)}0.5×10
D:単糸繊度(dtex)
ρ:繊維密度(g/cm
<PPS繊維1(延伸PPS繊維、異形断面)>
PPSポリマー(株式会社クレハ製:フォートロンKPS)を紡糸温度300℃、単孔吐出量0.32g/分の条件で、三つ葉形状のノズル孔より紡出した。次いで、20℃、100m/分の冷却風を紡出糸の側面片側から吹き付けて非対称冷却を行った。その後、紡糸速度1170m/分で引き取り、未延伸PPS繊維を得た。
得られた未延伸PPS繊維は、繊維断面が三つ葉形状を有し、繊度が2.7dtex、結晶化エンタルピーが26.0J/gであった。
得られた未延伸PPS繊維を、90℃の延伸ローラー間で2.1倍に延伸した。次いで、延伸ローラーと同速の210℃の熱処理ローラーに通して熱処理を行った。さらに、油剤を付与し、175℃で熱処理を行った後、カットした。
得られた延伸PPS繊維「PPS繊維1」(異型断面、無捲縮)は、断面が三つ葉形状を有し、繊度が1.3dtex、円換算直径が11μm、繊維長が5mmであった。
<PPS繊維2(延伸PPS繊維、異形断面)>
PPS繊維1と同様の方法を用い、延伸後のカット長を変更することで、延伸PPS繊維「PPS繊維2」(異型断面、無捲縮)を作製した。
得られたPPS繊維2は、断面が三つ葉形状であり、繊度が1.3dtex、円換算直径が11μm、繊維長が10mmであった。
<PPS繊維3(延伸PPS繊維、異形断面)>
PPS繊維1と同様の方法を用い、延伸後のカット長を変更することで、延伸PPS繊維「PPS繊維3」(異型断面、無捲縮)を作製した。
得られたPPS繊維3は、断面が三つ葉形状であり、繊度が1.3dtex、円換算直径が11μm、繊維長が20mmであった。
<PPS繊維4(延伸PPS繊維、円形断面)>
PPSポリマー(株式会社クレハ製:フォートロンKPS)を紡糸温度305℃、単孔吐出量0.24g/分の条件で、円形のノズル孔より紡出した。次いで、20℃、80m/分の冷却風を紡出糸の側面片側から吹き付けて非対称冷却を行った。その後、紡糸速度1100m/分で引き取り、未延伸PPS繊維を得た。
得られた未延伸PPS繊維は、繊維断面が円形を有し、繊度が2.2dtexであった。
得られた未延伸PPS繊維を90℃の延伸ローラー間で2.0倍に延伸した。次いで、延伸ローラーと同速の210℃の熱処理ローラーに通して熱処理を行った。さらに、油剤を付与し、175℃で熱処理を行った後、カットした。
得られた延伸PPS繊維「PPS繊維4」(円形断面、無捲縮)は、断面が円形形状を有し、繊度が1.1dtex、直径が10μm、繊維長が10mmであった。
<PPS繊維5(延伸PPS繊維、円形断面)>
PPS繊維4と同様の方法を用い、延伸後のカット長を変更することで、延伸PPS繊維「PPS繊維5」(円形断面、無捲縮)を作製した。
得られたPPS繊維5は、断面が円形形状であり、繊度が1.1dtex、直径が10μm、繊維長が20mmであった。
<PPS繊維6(未延伸PPS繊維、異形断面)>
PPS繊維1と同様の方法を用いて未延伸PPS繊維を作製し、次いでカットした。
得られた未延伸PPS繊維「PPS繊維6」は、断面が三つ葉形状であり、繊度が2.6dtex、円換算直径が16μm、繊維長が5mmであった。
<PPS繊維7(未延伸PPS繊維、異形断面)>
PPS繊維6と同様の方法を用い、カット長を変更することで、未延伸PPS繊維「PPS繊維7」(異形断面、無捲縮)を作製した。PPS繊維7は、断面が三つ葉形状であり、繊度が2.6dtex、円換算直径が16μm、繊維長が10mmであった。
<PPS繊維8(未延伸PPS繊維、円形断面)>
PPSポリマー(株式会社クレハ製:フォートロンKPS)を紡糸温度305℃、単孔吐出量0.24g/分の条件で、円形のノズル孔より紡出した。次いで、20℃、80m/分の冷却風を紡出糸の側面片側から吹き付けて非対称冷却を行った。次いで、紡糸速度1380m/分で引き取った後、カットした。
得られた未延伸PPS繊維「PPS繊維8」は、断面が円形形状であり、繊度が1.7dtex、直径が13μm、繊維長が10mm、結晶化エンタルピーが24.4J/gであった。
<実施例1~11、比較例1~8>
表1記載の繊維配合にて、分散濃度0.2質量%で1分間、繊維を水に分散した。次いで、単層の場合は傾斜ワイヤー抄紙機を用い、2層の場合は傾斜/円網複合式抄紙機を用いて、湿紙を形成させた。次いで、表面温度160℃のヤンキードライヤーにて熱圧乾燥し、表1に示す目付を目標にしたアルカリ水電解隔膜用基材を得た。傾斜/円網複合式抄紙機を用いた場合は、円網側で第一層、傾斜ワイヤー側で第二層の湿紙を形成させた。
Figure 2022098542000001
(熱カレンダー処理)
実施例2、4、6、7、9及び11、並びに、比較例1、5、7及び8では、アルカリ水電解隔膜用基材に、表2記載の熱カレンダー条件で、熱カレンダー処理を施した。
Figure 2022098542000002
(アルカリ水電解隔膜の成膜)
ポリスルホン(高分子樹脂、ソルベイスペシャリティポリマーズ社製、ユーデル(登録商標)P)17質量%、及び、ポリエチレングリコール(重量平均分子量Mw100,000、シグマアルドリッジジャパン合同会社製)5質量%を、溶媒としてN-メチル-2-ピロリドン(純正化学株式会社製)78質量%に、70℃の温度で撹拌溶解し、成膜溶液を得た。
前記実施例及び比較例で作製したアルカリ水電解隔膜用基材に、アルカリ水電解隔膜の乾燥前の総膜厚が300μmとなるように成膜溶液を塗工した。塗工後直ちに、40℃に調温した凝固浴(純水)に、塗工基材が水面に対し垂直になるように浸漬させ、高分子樹脂を相分離させた。その後、純水で十分に洗浄することで有機溶媒を除去して、アルカリ水電解隔膜用基材と高分子樹脂の多孔質膜とを有するアルカリ水電解隔膜を得た。
実施例及び比較例において、アルカリ水電解隔膜用基材の、目付、厚さ、密度の測定、縦方向と横方向の引張伸度の測定、並びに、アルカリ水電解隔膜用基材の破裂強度、及び、アルカリ水電解隔膜の評価(導電抵抗、ガス遮断性)を行い、結果を以下の表3に示した。
(目付)
JIS P 8124:2011に準拠して、アルカリ水電解隔膜用基材を100mm×100mmにカットして試験片とし、電子分析天秤(株式会社島津製作所製)を用いて20枚測定した各値の相加平均値を目付[g/cm]とした。
(厚さ)
JIS P 8118:2014に準拠して、目付測定時に採取した試験片から1枚ずつマイクロメータ(株式会社ミツトヨ製)を用いて、20枚測定した各値の相加平均値を厚さ[μm]とした。
(密度)
上記「目付」を上記「厚さ」で割り、単位を調整することによって、密度[g/cm]とした。
(引張伸度)
縦方向(MD)の引張伸度測定用試験片として、縦方向を長辺として50mm×200mmの短冊状にカットしたアルカリ水電解隔膜用基材を準備した。また、横方向(CD)の引張伸度測定用試験片として、横方向を長辺として50mm×200mmの短冊状にカットしたアルカリ水電解隔膜用基材を準備した。
JIS P 8113:2006に準拠して、定速緊張形引張試験機「シングルコラム型材料試験機、型番:STB-1225S」(株式会社エー・アンド・デイ製)を用いて、チャック間距離100mmに設定し、チャックの移動速度を100mm/分として、定速で引張試験用試験片を引張り、引張試験用試験片が破断した際の伸度を測定して、引張伸度[%]とした。
(破裂強度)
JIS P 8112:2008に準拠して、アルカリ水電解隔膜用基材を60mm×60mmにカットして試験片とし、ミューレン破裂試験機(株式会社東洋精機製作所製)を用いて20枚測定した各値の相加平均値を破裂強度[kPa]とした。
(電解装置)
アルカリ水電解装置は、アルカリ水電解隔膜、陽極及び陰極を備えたもので、アルカリ水電解隔膜を介して、陽極を備えた陽極室と、陰極を備えた陰極室に仕切り、両電極から発生した酸素ガス及び水素ガスがアルカリ水電解隔膜に遮断されて混合しないように構成した。
(アルカリ水電解隔膜の性能試験)
前記実施例及び比較例で作製したアルカリ水電解隔膜用基材と、前記のように作製した多孔質膜とを有するアルカリ水電解隔膜を使用して、電解セル及び電解装置を作製した。
電解装置に供給する電解液は、濃度25質量%の水酸化カリウム水溶液を使用し、液温は80℃にした。陽極は純ニッケルメッシュ、陰極には水素発生用活性陰極を使用した。電解セルの電解面積は1dmとし、電解装置から電解セルへ0.4A/cmのセル電流が流れるために必要な電解電圧、発生した酸素中の水素濃度、及び、発生した水素中の酸素濃度を計測した。
(導電抵抗)
上記のアルカリ水電解隔膜の性能試験における電解電圧の測定結果から、標準となるアルカリ水電解隔膜(アルカリ水電解隔膜用基材目付:50g/m)の導電抵抗を1としたときのアルカリ水電解隔膜の導電抵抗を以下の評価基準で評価した。
評価基準
「A」:0.950未満
「B」:0.950以上、0.975未満
「C」:0.975以上、1.000未満
「D」:1.000以上
(ガス遮断性)
上記のアルカリ水電解隔膜の性能試験において、発生した水素中の酸素濃度から酸素ガス混入量[モル%]を算出し、アルカリ水電解隔膜のガス遮断性の指標とし、以下の評価基準で評価した。
評価基準
「A」:0.3%未満
「B」:0.3%以上、0.4%未満
「C」:0.4%以上、0.5%未満
「D」:0.5%以上
Figure 2022098542000003
異型断面を有するPPS繊維を含有する不織布からなり、密度が0.30g/cm以上0.80g/cm以下であり、縦方向と横方向の引張伸度がいずれも10%以上35%以下である、実施例1~11のアルカリ水電解隔膜用基材は、破裂強度が高く、導電抵抗が低く、ガス遮断性に優れていることが分かった。
これに対し、比較例1~5のアルカリ水電解隔膜用基材は、異型断面を有するPPS繊維を含有しない不織布からなるため、比較例2~5のアルカリ水電解隔膜用基材では、破裂強度が低く、また、比較例1のアルカリ水電解隔膜における導電抵抗は高く、比較例5のアルカリ水電解隔膜におけるガス遮断性は低いことが分かった。
また、異型断面を有するPPS繊維を含有する不織布からなるものの、密度が0.30g/cm未満である比較例6のアルカリ水電解隔膜用基材は、破裂強度が低いことが分かった。
また、アルカリ水電解隔膜用基材が、異型断面を有するPPS繊維を含有する不織布からなるものの、縦方向の引張伸度が35%を超える比較例7、及び、密度が0.80g/cm超であり、縦方向と横方向の引張伸度がいずれも10%未満である比較例8のアルカリ水電解隔膜は、いずれも導電抵抗が高いことが分かった。
本発明のアルカリ水電解隔膜用基材は、アルカリ水電解による水素製造の分野等で広く利用することができる。

Claims (5)

  1. 異型断面を有するポリフェニレンサルファイド繊維を含有する不織布からなり、密度が0.30g/cm以上0.80g/cm以下であり、縦方向と横方向の引張伸度がいずれも10%以上35%以下であることを特徴とするアルカリ水電解隔膜用基材。
  2. 前記不織布が、延伸ポリフェニレンサルファイド繊維、及び、未延伸ポリフェニレンサルファイド繊維を含有する請求項1に記載のアルカリ水電解隔膜用基材。
  3. 前記不織布が湿式抄紙法で製造されたものである請求項1又は請求項2に記載のアルカリ水電解隔膜用基材。
  4. 単層構造の不織布、又は、多層構造の不織布からなる請求項1ないし請求項3のいずれかの請求項に記載のアルカリ水電解隔膜用基材。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれかの請求項に記載のアルカリ水電解隔膜用基材と、高分子樹脂の多孔質膜とを有するアルカリ水電解隔膜。
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