JP2010087112A - セパレータ及びそれを具備してなる固体電解コンデンサ - Google Patents
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Abstract
【課題】バインダー除去処理が不要で再化成性に優れるセパレータ、静電容量、ESR、誘電正接に優れ、不良率が小さく、静電容量のばらつきが小さい固体電解コンデンサを提供する。
【解決手段】不織布と該不織布の表面および/または内部に含有されるポリマー構造体とからなるセパレータであって、不織布が再生セルロース繊維からなる湿式スパンボンド不織布であり、ポリマーがフッ化ビニリデン成分含有ポリマー、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルスルホン、アクリルの群から選ばれる少なくとも1種以上のポリマーであり、かつ、該再生セルロース繊維の少なくとも一部と該ポリマー構造体とが絡合してなることを特徴とするセパレータ。
【選択図】図5
【解決手段】不織布と該不織布の表面および/または内部に含有されるポリマー構造体とからなるセパレータであって、不織布が再生セルロース繊維からなる湿式スパンボンド不織布であり、ポリマーがフッ化ビニリデン成分含有ポリマー、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルスルホン、アクリルの群から選ばれる少なくとも1種以上のポリマーであり、かつ、該再生セルロース繊維の少なくとも一部と該ポリマー構造体とが絡合してなることを特徴とするセパレータ。
【選択図】図5
Description
本発明は、バインダー除去処理が不要で、アルミニウム箔表面および切断面の酸化皮膜形成性、すなわち再化成性に優れるセパレータ、および、静電容量、等価直列抵抗(ESR)、誘電正接などの特性に優れ、不良率と特性ばらつきの小さい固体電解コンデンサに関する。
従来、固体電解コンデンサは、陽極電極箔と陰極電極箔とをビニロン繊維などの合成繊維を主体とする不織布からなるセパレータを介して巻回したコンデンサ素子を、80〜100℃の水中に1〜10分浸漬して、セパレータ中のバインダーを溶解除去して製造されている(例えば、特許文献1参照)。この固体電解コンデンサは、コンデンサ素子にした後にセパレータのバインダーを溶解除去する工程が必要なため、固体電解コンデンサの製造工程が煩雑になる問題があった。
また、ポリアルキレンテレフタレート樹脂からなるスパンボンド不織布または湿式不織布をセパレータとして用いた固体電解コンデンサ(例えば、特許文献2参照)が提案されている。この固体電解コンデンサでは、ポリアルキレンテレフタレート樹脂が疎水性であるため、集電体であるアルミニウム箔表面や切断面に酸化皮膜を形成させる再化成処理の際に、化成液がセパレータに保持されにくく、再化成処理がうまくできずに、固体電解コンデンサの静電容量、ESR、誘電正接などの特性が悪いという問題と静電容量のばらつきが大きいという問題があった。さらに、ポリアルキレンテレフタレート樹脂からなる繊維同士が、数十〜百数十本単位で接着し、1箇所あたり0.1〜0.9mm2程度の大面積の皮膜を多数形成するため、皮膜部分では、導電性高分子の深さ方向の導通が不十分となり、固体電解コンデンサのESRが高くなる問題があった。
最近では、半芳香族ポリアミド樹脂からなる繊維を含有するセパレータと固体電解質を用いた固体電解コンデンサ(例えば、特許文献3参照)が提案されている。この固体電解コンデンサに用いられるセパレータは、バインダーとして湿熱融着樹脂のポリビニルアルコールまたは融着樹脂のポリエステルを含有している。これらのバインダーはセパレータ中に皮膜状態で存在するため、該セパレータは化成液の保持力が悪く、アルミニウム箔表面や切断面の再化成処理がうまくできずに、固体電解コンデンサの静電容量、ESR、誘電正接などの特性が悪いという問題と静電容量のばらつきが大きいという問題があった。さらに、バインダーの皮膜部分では、導電性高分子の深さ方向の導通が不十分となり、固体電解コンデンサのESRが高くなる問題があった。
特許第3399515号公報
特許第3965871号公報
特開2004−165593号公報
本発明の課題は、上記実情を鑑みたものであって、バインダー除去処理が不要で再化成性に優れるセパレータ、静電容量、ESR、誘電正接に優れ、不良率が小さく、静電容量のばらつきが小さい固体電解コンデンサを提供することである。
本発明者は、この課題を解決するために鋭意研究を行った結果、特定の素材と製造方法からなる不織布に特定のポリマー構造体を絡合させることにより、バインダー除去処理が不要で再化成性に優れるセパレータ、静電容量、ESR、誘電正接に優れ、不良率が小さく、静電容量のばらつきが小さい固体電解コンデンサを実現できることを見出し、本発明に至ったものである。
すなわち、本発明は、不織布と該不織布の表面および/または内部に含有されるポリマー構造体とからなるセパレータであって、不織布が再生セルロース繊維からなる湿式スパンボンド不織布であり、ポリマーがフッ化ビニリデン成分含有ポリマー、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルスルホン、アクリルの群から選ばれる少なくとも1種以上のポリマーであり、かつ、該再生セルロース繊維の少なくとも一部と該ポリマー構造体とが絡合してなることを特徴とするセパレータである。
本発明のセパレータにおいては、ポリアミドがパラ型芳香族ポリアミドであることが好ましい。
本発明のセパレータは、保水率が500%以上であることが好ましい。
本発明は、導電性高分子と本発明のセパレータを具備してなる固体電解コンデンサである。
本発明のセパレータは、不織布と該不織布の表面および/または内部に含有されるポリマー構造体とからなるセパレータであって、不織布が再生セルロース繊維からなる湿式スパンボンド不織布であり、ポリマーがフッ化ビニリデン成分含有ポリマー、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルスルホン、アクリルの群から選ばれる少なくとも1種以上のポリマーであり、かつ、該再生セルロース繊維の少なくとも一部と該ポリマー構造体とが絡合してなることを特徴とするセパレータである。従って、バインダーを含有していないため、固体電解コンデンサを製造する際にバインダー除去処理が不要である。
再生セルロース繊維からなる湿式スパンボンド不織布は、繊維径の均一性が高いため、セパレータや固体電解コンデンサの特性ばらつきを小さくする効果がある。再生セルロース繊維は、水溶液や有機溶媒の濡れ性が抜群で、アルミニウム箔の再化成に用いる化成液の保持力に優れるため、再化成処理が良好にでき、アルミニウム箔の表面および切断面に酸化皮膜を均一に形成することができる。アルミニウム箔の酸化皮膜は固体電解コンデンサの静電容量、ESR、誘電正接といった特性を決定づける重要な因子である。
セパレータが、再生セルロース繊維からなる湿式スパンボンド不織布だけで構成される場合は、導電性高分子を合成する際に用いる酸化剤の作用で再生セルロース繊維が劣化してセパレータが脆くなり、亀裂や破れが生じやすくなり、固体電解コンデンサが内部短絡する場合がある。本発明のセパレータは、再生セルロース繊維の少なくとも一部とポリマー構造体が絡合しているため、酸化剤による再生セルロース繊維の劣化を抑制する効果がある。本発明においては、ポリマーがフッ化ビニリデン成分含有ポリマー、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルスルホン、アクリルの群から選ばれる少なくとも1種以上であるため、繊維間空隙を必要以上に塞がずに再生セルロース繊維と絡合することができ、導電性高分子の形成を阻害せず、固体電解コンデンサのESRが低くなるという効果が得られる。
また、ポリアミドがパラ型芳香族ポリアミドであると、保水率を高めることができ、保水率が500%以上であると、再化成処理の際に化成液を十分に保持することが可能になる。
再生セルロース繊維からなる湿式スパンボンド不織布は、コットンリンターなどのセルロースを銅アンモニウム溶液に溶解させた原液を多数の紡糸口金から押し出し、硫酸や水を接触させて脱アンモニアにより原液を凝固させて再生セルロース繊維とし、延伸してネット上に捕集してウェブを形成させる方法により製造される。この場合、再生セルロース繊維同士の一部が接着して強度を発現するため、再生セルロース繊維100%の湿式スパンボンド不織布が得られる。一方、ポリエステルやポリプロピレンなどの樹脂からなるスパンボンド不織布は、これらの樹脂を溶融して紡糸し、必要に応じて延伸等を行いながらネット上に捕集してウェブを形成させる方法で製造されるもので、溶媒に接触させて繊維化する工程はない。従って、湿式スパンボンドとスパンボンドは製造方法が異なる。また、再生セルロース繊維同士の接着は基本的には平行する2〜10本程度の間でなされ、長さ方向には数十〜数百μmの狭い範囲であるため、他のスパンボンド不織布や、バインダー成分が広範囲にわたって溶融している湿式不織布のように大面積の皮膜を形成することがない。
再生セルロース繊維の平均繊維径は、1〜20μmが好ましく、3〜12μmがより好ましい。再生セルロースの平均繊維径が3μm未満では、繊維間空隙が狭くなって、セパレータ内部での導電性高分子の形成を阻害しやすくなる傾向があり、1μm未満では再生セルロース繊維の強度が弱くなって湿式スパンボンド不織布の強度が不十分になりやすい。再生セルロース繊維の平均繊維径が12μmを超えると、セパレータの厚みを薄くしにくくなり、20μmを超えると、導電性高分子の形成が斑になりやすく、固体電解コンデンサのESRが高くなる傾向があり、さらに繊維間空隙が広くなりすぎて、固体電解コンデンサの内部短絡による不良率が高くなる傾向がある。
湿式スパンボンド不織布の坪量は、1〜30g/m2が好ましく、3〜20g/m2がより好ましく、5〜20g/m2がさらに好ましい。湿式スパンボンド不織布の坪量が3g/m2未満では、湿式スパンボンド不織布の強度が不十分になりやすく、特に1g/m2未満では、ポリマー構造体を絡合させる際のポリマー溶液の含浸性や塗工性に問題が生じる場合や、破れによる内部短絡が生じて固体電解コンデンサ素子の不良率が高くなる場合がある。20g/m2を超えると、セパレータの厚みを薄くしにくくなり、30g/m2を超えると、導電性高分子の形成を阻害する場合がある。
本発明におけるポリマー構造体は、湿式スパンボンド不織布の表面および/または内部に含有されていて、該不織布の繊維間空隙に存在している。湿式スパンボンド不織布を構成する再生セルロース繊維とポリマー構造体は絡合しているため、ポリマー構造体は湿式スパンボンド不織布から物理的に単離することができない。従って、湿式スパンボンド不織布からポリマー構造体が分離または離散しない。ここで、絡合とは、ポリマー構造体が再生セルロース繊維の少なくとも一部を包み込んだ状態や、ポリマー構造体が該再生セルロース繊維の少なくとも一部に絡まった状態を意味し、熱融着ではない。ポリマー構造体は、無孔フィルム状、有孔フィルム状、網目状、粒状、これらの複合形状をとっている。ポリマーの種類やポリマー構造体を不織布に含有させる方法によって、この形状は変わる。本発明のセパレータにおいて、ポリマー構造体は、湿式スパンボンド不織布の表面および/または内部に、部分的に存在していれば良い。また、ポリマー構造体が湿式スパンボンド不織布の表裏面に存在する場合には、表裏面に存在するポリマー構造体の面積が異なっていても良い。
本発明の湿式スパンボンド不織布に対するポリマー構造体の含有率は、1〜30質量%が好ましく、1〜20質量%がより好ましい。ポリマー構造体の含有率が1質量%未満では、導電性高分子を重合した後に酸化剤の影響で再生セルロース繊維が劣化してセパレータが脆くなり、亀裂や破れが生じて内部短絡する場合がある。ポリマー構造体の含有率が30質量%より多いと、保水率が不十分になる場合や、湿式スパンボンド不織布の空隙を塞いでしまい、導電性高分子の形成を阻害する場合がある。
ポリマー構造体の材料であるポリマーは、フッ化ビニリデン成分含有ポリマー、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルスルホン、アクリルである。これらのポリマーは、有機溶媒への溶解性が高いという特徴を有する。また、これらの中でも、均一に網目状に析出しやすく、湿式スパンボンド不織布の保水率を高くしやすいことから、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルスルホンがより好ましく、ポリアミドとしてはパラ型芳香族ポリアミドが好ましい。ここでいうパラ型芳香族ポリアミドには、パラ型全芳香族ポリアミドが含まれる。さらに全芳香族ではなく、主鎖の一部または全部に例えば脂肪鎖などを有する芳香族ポリアミドも含まれる。本発明におけるアクリルとは、アクリロニトリル100%の重合体からなるもの、アクリロニトリルに対して、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル等の(メタ)アクリル酸誘導体、酢酸ビニルなどを共重合させたものを指す。
本発明におけるフッ化ビニリデン成分含有ポリマーとは、ポリフッ化ビニリデン、ポリ(ヘキサフルオロプロピレン−ビニリデンフロライド)共重合体、ポリ(パーフルオロビニルエーテル−ビニリデンフロライド)共重合体、ポリ(テトラフルオロエチレン−ビニリデンフロライド)共重合体、ポリ(ヘキサフルオロプロピレンオキシド−ビニリデンフロライド)共重合体、ポリ(ヘキサフルオロプロピレンオキシド−テトラフルオロエチレン−ビニリデンフロライド)共重合体、ポリ(ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン−ビニリデンフロライド)共重合体、ポリ(フルオロエチレン−ビニリデンフロライド)共重合体が挙げられる。これらフッ化ビニリデン成分含有ポリマーは単独体でも混合体でも用いることができる。
図1〜8は、本発明のセパレータにおけるその表面の一例の電子顕微鏡写真である。図1、3、5、7では、ポリマー構造体と平均繊維径11μmの再生セルロース繊維が絡合しており、ポリマー構造体は表面および内部に存在していることがわかる。図2、4、6は、それぞれ、図1、3、5のセパレータをさらに高倍率で撮影したものであり、何れもポリマー構造体が網目状になっている。図8は、図7のセパレータをさらに高倍率で撮影したもので、ポリマー構造体が貫通孔を有するフィルム状になっていることがわかる。一方、図9は本発明外のセパレータにおけるその表面の一例の電子顕微鏡写真であり、広範囲にわたって繊維同士が熱融着して大面積の皮膜を形成している。
本発明におけるセパレータの製造方法としては、再生セルロース繊維からなる湿式スパンボンド不織布に、有機溶媒を主媒体とするポリマー溶液を含浸または塗工した後、湿式スパンボンド不織布を水溶液に接触させるか、または、水溶液中に浸漬して、ポリマー構造体を析出させる方法、湿式スパンボンド不織布と多孔質支持体との積層体を、有機溶媒を主媒体とするポリマー溶液に含浸した後、水溶液に多孔質支持体の表面を接触させるか、または、水溶液中に浸漬して、ポリマー構造体を析出させた後、湿式スパンボンド不織布から多孔質支持体を剥がす方法が挙げられる。何れの方法も、湿式スパンボンド不織布にポリマー構造体を析出させた後、水洗、乾燥してセパレータを作製する。
本発明においては、湿式スパンボンド不織布に、有機溶媒を主媒体とするポリマー溶液を含浸または塗工した後、水溶液に該湿式スパンボンド不織布を接触させる場合には、5秒以上接触させることが好ましく、1分以上がより好ましい。該湿式スパンボンド不織布を水溶液に所定時間接触させた後は、湿式スパンボンド不織布を水溶液に浸漬したまま静置しても良いし、浸漬したまま動かしても良い。水溶液に浸漬するときに、湿式スパンボンド不織布を反転させたり、縦や斜めにしたりしても良い。
本発明においては、湿式スパンボンド不織布に、有機溶媒を主媒体とするポリマー溶液を含浸または塗工した後、水溶液に該湿式スパンボンド不織布を浸漬させる場合には、5秒以上浸漬することが好ましく、1分以上がより好ましい。水溶液に湿式スパンボンド不織布を所定時間浸漬した後は、湿式スパンボンド不織布を水溶液に浸漬したまま静置しても良く、浸漬したまま動かしても良い。水溶液に浸漬するときに、湿式スパンボンド不織布を反転させたり、縦や斜めにしたりしても良い。
本発明においては、湿式スパンボンド不織布と多孔質支持体との積層体に、有機溶媒を主媒体とするポリマー溶液を含浸した後、水溶液に該積層体の表面を接触させる場合には、5秒以上接触させることが好ましく、1分以上がより好ましい。水溶液に該積層体の表面を所定時間接触させた後は、該積層体を水溶液に浸漬したまま静置しても良く、浸漬したまま動かしても良い。湿式スパンボンド不織布と多孔質支持体との積層体を水溶液に浸漬するときには、該積層体を反転させたり、縦や斜めにしたりしても良い。多孔質支持体は、湿式スパンボンド不織布と同一でも良く、異なるものでも良い。多孔質支持体は湿式スパンボンド不織布以外にも、湿式抄紙法、エレクトロスピニング法、メルトブローン法、フラッシュ紡糸法、溶融押し出し法、これらを組み合わせた方法で製造されたものでも良い。これ以外にも、金属メッシュ、織物、編物も多孔質支持体として使用できる。
本発明においては、湿式スパンボンド不織布と多孔質支持体との積層体に、有機溶媒を主媒体とするポリマー溶液を含浸した後、水溶液に浸漬する場合には、5秒以上浸漬することが好ましく、1分以上がより好ましい。水溶液に該積層体を所定時間浸漬した後は、該積層体を浸漬したまま反転させたり、縦や斜めにしたりしても良い。
湿式スパンボンド不織布と多孔質支持体とを積層した状態でポリマー構造体を湿式スパンボンド不織布の表面および内部に析出させた後は、湿式スパンボンド不織布から多孔質支持体を剥がした後に、湿式スパンボンド不織布を水洗、乾燥しても良いし、先に水洗、乾燥した後に湿式スパンボンド不織布から多孔質支持体を剥がしても良い。
ポリマー溶液の媒体としては、使用するポリマーに応じて溶解可能な有機溶媒を選択する。例えば、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、アミンオキサイド、テトラヒドロフラン、キシレン、トルエン、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、エチルメチルエーテル、メチルエチルケトン、酢酸エチル、メタノール、エタノール、ブタノール、2−プロパノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコールなどが挙げられる。これらは単独で使用しても良いし、混合して使用しても良い。これら有機溶媒に水を混合しても良い。水はイオン交換水や蒸留水が好ましい。また、塩化リチウム、臭化リチウム、ヨウ化リチウム、塩化カルシウムなどの金属ハロゲン化物を溶解させても良いが、塩素イオンが固体電解コンデンサのアルミニウム箔を腐食する場合があるため、塩素化合物は使用しない方が好ましい。
有機溶媒を主媒体とするとは、有機溶媒が全媒体の51質量%以上を占めることを意味する。ポリマー溶液におけるポリマー濃度は、0.1〜20質量%が好ましく、0.5〜10質量%がより好ましい。ポリマー濃度が0.1質量%未満では、ポリマー構造体の付着量が不十分になる場合があり、20質量%より高いと、ポリマー構造体の付着量が多くなりすぎて、湿式スパンボンド不織布の繊維間空隙を塞いでしまい、導電性高分子の形成が不十分になり、固体電解コンデンサのESRが高くなる場合がある。
ポリマー構造体を析出させるために使用する水溶液は、水のみでも良いし、メタノール、エタノール、ブタノール、2−プロパノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコールなどのアルコール類、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、アミンオキサイドなどを混合しても良い。水溶液中の水の含有率は、30質量%以上が好ましく、51質量%以上がより好ましい。水はイオン交換水や蒸留水を使うことが好ましい。
本発明のセパレータの製造方法において、湿式スパンボンド不織布にポリマー溶液を含浸させるには、例えば、ディップコーター等の含浸機を用いることができる。湿式スパンボンド不織布にポリマー溶液を塗工するには、例えば、トランスファロールコーター、リバースロールコーター、ブレードコーター、エアドクターコーター、ロッドコーター、グラビアコーター、ダイコーター、ノッチバーコーター等の塗工機を用いることができる。
湿式スパンボンド不織布にポリマー溶液を含浸させた後は、湿式スパンボンド不織布表面の余剰ポリマー溶液を除去することが好ましい。余剰ポリマー溶液を除去する方法としては、2本の加圧ロール間に通して搾り取る方法、複数のロールに接触させて掻き取る方法、ブレードで掻き取る方法などがある。
水溶液に湿式スパンボンド不織布表面を接触させる方法としては、湿式スパンボンド不織布を水浴に浮かべる方法、トランスファロールコーターやリバースロールコーターなどを使い、水で濡らしたロールに接触させる方法、シャワー水やカーテン状水を湿式スパンボンド不織布に当てる方法などが挙げられる。シャワー水やカーテン状水の場合は、ポリマー構造体の析出が斑になることがある。水溶液の温度は特に限定されるものではないが、0〜60℃の範囲が好ましい。
水溶液に湿式スパンボンド不織布を浸漬させる方法としては、湿式スパンボンド不織布を水浴に通す方法が挙げられる。このとき複数の水浴を使っても良い。湿式スパンボンド不織布を連続して水浴に通す場合は、間欠的または連続的に排水と新水供給とを実施することが好ましい。
湿式スパンボンド不織布の乾燥方法としては、熱風ドライヤー、シリンダードライヤー、ヤンキードライヤーなどを用いて行えば良い。熱風ドライヤーの場合は、相対的にセパレータの裂断長が短めになる傾向があり、シリンダードライヤーとヤンキードライヤーの場合は、セパレータの裂断長が相対的に長めになる傾向がある。シリンダードライヤーとヤンキードライヤーの場合は、熱風ドライヤーよりも低温で効率良く乾燥できる傾向がある。
本発明のセパレータは、厚みが4〜80μmが好ましく、7〜60μmがより好ましく、9〜55μmがさらに好ましい。本発明のセパレータの密度は0.25〜0.60g/cm3が好ましく、0.25〜0.55g/cm3がより好ましい。厚みが4μm未満では、取り扱い時や加工時に破れたり、穴があいたりすることがあり、80μmより厚いと、固体電解コンデンサ用セパレータとして用いたときに、固体電解コンデンサに収納できる電極面積が小さくなり、静電容量が不十分になる場合がある。密度が0.25g/cm3未満だと、繊維本数がかなり少なくなり、繊維間空隙が大きくなりすぎて内部短絡しやすく不良率が高くなる場合があり、0.60g/cm3より大きいと、セパレータの繊維間空隙が少なくなり、導電性高分子の形成が不十分になる場合がある。
本発明のセパレータは、固体電解コンデンサに好適に用いられる。本発明の固体電解コンデンサは固体電解質として導電性高分子を用いるものを指す。導電性高分子としては、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリアセチレン、ポリアセン、これらの誘導体が挙げられる。本発明の固体電解コンデンサは、これら導電性高分子と電解液を併用したものでも良い。
電解液には、γ−ブチロラクトン、エチレングリコール、プロピレングリコールなどの有機溶媒にフタル酸トリエチルアミン、フタル酸テトラメチルアンモニウム、フタル酸アミジン塩、アジピン酸アンモニウムなどのイオン解離性の塩を溶解させたもの、イオン性液体(固体溶融塩)などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明における固体電解コンデンサの陽極には、酸化アルミニウムからなる酸化皮膜を有するアルミニウム箔が用いられる。酸化皮膜はアルミニウム箔の取り扱い時の物理的接触や、熱、酸化剤などの化学的作用で亀裂や穴などの欠陥が生じやすく、固体電解コンデンサの特性に影響する。さらにアルミニウム箔のスリット切断面には酸化皮膜がないため、固体電解コンデンサの静電容量や耐電圧を向上させるために、スリット切断面にも酸化皮膜を形成させる必要がある。そこで、固体電解コンデンサの製造工程において再化成処理が行われる。再化成処理は、アルミニウム陽極箔とアルミニウム陰極箔とをセパレータを介して巻回した素子を化成液に浸して電圧を印加することにより行われる。化成液としては、リン酸、ホウ酸、アンモニウムアジピン酸、リン酸アンモニウム、蓚酸などの酸性水溶液が用いられる。従って、セパレータが化成液を保持できないと再化成処理がうまくできない。化成液は水溶液であるため、再化成性を評価するには、イオン交換水を用いたときのセパレータの保水率を指標にすれば良い。すなわち、セパレータの保水率が高い程、再化成性に優れることを意味する。
本発明におけるセパレータの保水率は、セパレータの元質量をW1、セパレータをイオン交換水に1分間浸した後、10分間吊り下げて余剰水を除いた後の質量をW2としたとき、W2からW1を差し引いた値W3をW1で除した値を100倍して得られる。本発明のセパレータの保水率は、500%以上が好ましく、600%以上がより好ましい。セパレータの保水率が500%未満では、アルミニウム陽極箔の再化成性が不十分になる場合がある。
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
<不織布>
表1に実施例および比較例で使用した不織布1〜11を示す。不織布1〜9は、実施例で使用した湿式スパンボンド不織布である。不織布10は比較例で使用したスパンボンド不織布であり、不織布11は比較例で使用した半芳香族ポリアミド繊維(クラレ製、平均繊維径11μm、繊維長5mm)70質量%とポリビニルアルコール30質量%からなる湿式不織布であり、円網抄紙機で作製した。
表1に実施例および比較例で使用した不織布1〜11を示す。不織布1〜9は、実施例で使用した湿式スパンボンド不織布である。不織布10は比較例で使用したスパンボンド不織布であり、不織布11は比較例で使用した半芳香族ポリアミド繊維(クラレ製、平均繊維径11μm、繊維長5mm)70質量%とポリビニルアルコール30質量%からなる湿式不織布であり、円網抄紙機で作製した。
ポリマーA
メタ−フェニレンイソフタルアミド、トリエチルアミン、トリエチルアミンヒドロクロライドを所定量溶解させたメチレンクロライド溶液をブレンダー(WARING製)で撹拌しながら、イソフタル酸クロライドを溶解させたメチレンクロライド溶液を加えて重縮合反応させ、質量平均分子量300,000のポリ(メタ−フェニレンイソフタルアミド)を合成し、ポリマーAとして用いた。
メタ−フェニレンイソフタルアミド、トリエチルアミン、トリエチルアミンヒドロクロライドを所定量溶解させたメチレンクロライド溶液をブレンダー(WARING製)で撹拌しながら、イソフタル酸クロライドを溶解させたメチレンクロライド溶液を加えて重縮合反応させ、質量平均分子量300,000のポリ(メタ−フェニレンイソフタルアミド)を合成し、ポリマーAとして用いた。
ポリマーB
一般式(1)で示されるパラ型芳香族ポリアミドをポリマーBとして用いた。ポリマーBは、−SO2−を有する芳香族ジアミンとテレフタル酸を重縮合反応させて得た。
一般式(1)で示されるパラ型芳香族ポリアミドをポリマーBとして用いた。ポリマーBは、−SO2−を有する芳香族ジアミンとテレフタル酸を重縮合反応させて得た。
ポリマーC
ポリアミドイミド(東洋紡績製、商品名:バイロマックスHR16NN)をポリマーCとして用いた。
ポリアミドイミド(東洋紡績製、商品名:バイロマックスHR16NN)をポリマーCとして用いた。
ポリマーD
ポリエーテルスルホン(住友化学製、商品名:スミカエクセル5003PS)をポリマーDとして用いた。
ポリエーテルスルホン(住友化学製、商品名:スミカエクセル5003PS)をポリマーDとして用いた。
ポリマーE
アクリロニトリル、アクリル酸メチル、メタクリル酸誘導体の3成分からなるアクリロニトリル系共重合体からなるアクリル繊維(三菱レイヨン製、商品名:ボンネルM.V.P、繊維長3mm)をポリマーEとして用いた。
アクリロニトリル、アクリル酸メチル、メタクリル酸誘導体の3成分からなるアクリロニトリル系共重合体からなるアクリル繊維(三菱レイヨン製、商品名:ボンネルM.V.P、繊維長3mm)をポリマーEとして用いた。
ポリマーF
ポリフッ化ビニリデン(質量平均分子量300,000)をポリマーFとして用いた。
ポリフッ化ビニリデン(質量平均分子量300,000)をポリマーFとして用いた。
ポリマーG
ポリ(ヘキサフルオロプロピレン−ビニリデンフロライド)共重合体(質量平均分子量150,000)をポリマーGとして用いた。
ポリ(ヘキサフルオロプロピレン−ビニリデンフロライド)共重合体(質量平均分子量150,000)をポリマーGとして用いた。
<ポリマー溶液の調製>
ポリマーA〜Gを用いて、表2に示したポリマー溶液を作製した。表2中、DMAcはN,N−ジメチルアセトアミド、NMPはN−メチル−2−ピロリドン、DMFはジメチルホルムアミドである。ポリマー溶液11のA:B、ポリマー溶液12のB:Cとは、質量比率を意味する。
ポリマーA〜Gを用いて、表2に示したポリマー溶液を作製した。表2中、DMAcはN,N−ジメチルアセトアミド、NMPはN−メチル−2−ピロリドン、DMFはジメチルホルムアミドである。ポリマー溶液11のA:B、ポリマー溶液12のB:Cとは、質量比率を意味する。
<ポリマー構造体を析出させるために使用する水溶液>
水溶液1
20℃のイオン交換水を水溶液1として使用した。
水溶液1
20℃のイオン交換水を水溶液1として使用した。
<セパレータの作製>
表3にセパレータ1〜40の製造条件を示す。表3中において、カレンダー線圧「0」は、カレンダー処理しなかったことを意味する。
表3にセパレータ1〜40の製造条件を示す。表3中において、カレンダー線圧「0」は、カレンダー処理しなかったことを意味する。
実施例1
不織布1にディップコーターを用いてポリマー溶液1を含浸した。次いで、水溶液1に5分間浸漬して、不織布1にポリマー構造体を析出させた後、イオン交換水で洗浄し、120℃の熱風乾燥機に通して乾燥し、ポリマー構造体を含有する不織布1からなるセパレータ1を得た。
不織布1にディップコーターを用いてポリマー溶液1を含浸した。次いで、水溶液1に5分間浸漬して、不織布1にポリマー構造体を析出させた後、イオン交換水で洗浄し、120℃の熱風乾燥機に通して乾燥し、ポリマー構造体を含有する不織布1からなるセパレータ1を得た。
実施例2、3、4
表3に示した条件で、実施例1と同様にしてセパレータ2、3、4を作製した。
表3に示した条件で、実施例1と同様にしてセパレータ2、3、4を作製した。
実施例5
不織布3にディップコーターを用いてポリマー溶液2を含浸した。次いで、水溶液1に5分間浸漬して、不織布3にポリマー構造体を析出させた後、イオン交換水で洗浄し、120℃の熱風乾燥機に通して乾燥した。不織布3を線圧70N/cmでカレンダー処理して厚みを調整し、ポリマー構造体を含有する不織布3からなるセパレータ5を得た。
不織布3にディップコーターを用いてポリマー溶液2を含浸した。次いで、水溶液1に5分間浸漬して、不織布3にポリマー構造体を析出させた後、イオン交換水で洗浄し、120℃の熱風乾燥機に通して乾燥した。不織布3を線圧70N/cmでカレンダー処理して厚みを調整し、ポリマー構造体を含有する不織布3からなるセパレータ5を得た。
実施例6、7
表3に示した条件で、実施例5と同様にしてセパレータ6、7を作製した。
表3に示した条件で、実施例5と同様にしてセパレータ6、7を作製した。
実施例8
不織布4と多孔質支持体との積層体にディップコーターを用いてポリマー溶液4を含浸した。次いで、多孔質支持体が水溶液に接するように該積層体を水溶液1に1分間浮かべて、不織布4と多孔質支持体にポリマー構造体を析出させた後、イオン交換水で洗浄し、120℃の熱風乾燥機に通して乾燥した。不織布4から多孔質支持体を剥がし、ポリマー構造体を含有する不織布4からなるセパレータ8を得た。多孔質支持体としては不織布4を用いた。
不織布4と多孔質支持体との積層体にディップコーターを用いてポリマー溶液4を含浸した。次いで、多孔質支持体が水溶液に接するように該積層体を水溶液1に1分間浮かべて、不織布4と多孔質支持体にポリマー構造体を析出させた後、イオン交換水で洗浄し、120℃の熱風乾燥機に通して乾燥した。不織布4から多孔質支持体を剥がし、ポリマー構造体を含有する不織布4からなるセパレータ8を得た。多孔質支持体としては不織布4を用いた。
実施例9、13
表3に示した条件で実施例8と同様にしてセパレータ9、13を作製した。実施例9、13で使用した多孔質支持体は不織布4である。
表3に示した条件で実施例8と同様にしてセパレータ9、13を作製した。実施例9、13で使用した多孔質支持体は不織布4である。
実施例10
不織布4と多孔質支持体との積層体にディップコーターを用いてポリマー溶液6を含浸した。次いで、多孔質支持体が水溶液に接するように該積層体を水溶液1に1分間浮かべて、不織布4と多孔質支持体にポリマー構造体を析出させた後、イオン交換水で洗浄し、120℃の熱風乾燥機に通して乾燥した。不織布4から多孔質支持体を剥がし、線圧100N/cmでカレンダー処理して厚みを調整し、ポリマー構造体を含有する不織布4からなるセパレータ10を得た。多孔質支持体としては不織布4を用いた。
不織布4と多孔質支持体との積層体にディップコーターを用いてポリマー溶液6を含浸した。次いで、多孔質支持体が水溶液に接するように該積層体を水溶液1に1分間浮かべて、不織布4と多孔質支持体にポリマー構造体を析出させた後、イオン交換水で洗浄し、120℃の熱風乾燥機に通して乾燥した。不織布4から多孔質支持体を剥がし、線圧100N/cmでカレンダー処理して厚みを調整し、ポリマー構造体を含有する不織布4からなるセパレータ10を得た。多孔質支持体としては不織布4を用いた。
実施例11、12
表3に示した条件で、実施例10と同様にしてセパレータ11、12を作製した。実施例11、12で使用した多孔質支持体は不織布4である。
表3に示した条件で、実施例10と同様にしてセパレータ11、12を作製した。実施例11、12で使用した多孔質支持体は不織布4である。
実施例14
不織布5と多孔質支持体との積層体にディップコーターを用いてポリマー溶液1を含浸した。次いで、多孔質支持体が水溶液に接するように該積層体を水溶液1に1分間浮かべて、不織布5と多孔質支持体にポリマー構造体を析出させた後、イオン交換水で洗浄し、130℃のヤンキードライヤーに接触させて乾燥した。不織布5から多孔質支持体を剥がし、ポリマー構造体を含有する不織布5からなるセパレータ14を得た。多孔質支持体としては不織布5を用いた。
不織布5と多孔質支持体との積層体にディップコーターを用いてポリマー溶液1を含浸した。次いで、多孔質支持体が水溶液に接するように該積層体を水溶液1に1分間浮かべて、不織布5と多孔質支持体にポリマー構造体を析出させた後、イオン交換水で洗浄し、130℃のヤンキードライヤーに接触させて乾燥した。不織布5から多孔質支持体を剥がし、ポリマー構造体を含有する不織布5からなるセパレータ14を得た。多孔質支持体としては不織布5を用いた。
実施例15〜23
表3に示した条件で実施例14と同様にしてセパレータ15〜23を作製した。実施例15〜23で使用した多孔質支持体は不織布5である。
表3に示した条件で実施例14と同様にしてセパレータ15〜23を作製した。実施例15〜23で使用した多孔質支持体は不織布5である。
実施例24
不織布5にディップコーターを用いてポリマー溶液7を含浸した。次いで、水溶液1に5分間浸漬して、不織布5にポリマー構造体を析出させた後、イオン交換水で洗浄し、130℃のヤンキードライヤーに接触させて乾燥し、ポリマー構造体を含有する不織布5からなるセパレータ24を得た。
不織布5にディップコーターを用いてポリマー溶液7を含浸した。次いで、水溶液1に5分間浸漬して、不織布5にポリマー構造体を析出させた後、イオン交換水で洗浄し、130℃のヤンキードライヤーに接触させて乾燥し、ポリマー構造体を含有する不織布5からなるセパレータ24を得た。
実施例25
不織布5にディップコーターを用いてポリマー溶液7を含浸した。次いで、水溶液1に5分間浸漬して、不織布5にポリマー構造体を析出させた後、イオン交換水で洗浄し、130℃のヤンキードライヤーに接触させて乾燥した。不織布5を線圧110N/cmでカレンダー処理して厚みを調整し、ポリマー構造体を含有する不織布5からなるセパレータ25を得た
不織布5にディップコーターを用いてポリマー溶液7を含浸した。次いで、水溶液1に5分間浸漬して、不織布5にポリマー構造体を析出させた後、イオン交換水で洗浄し、130℃のヤンキードライヤーに接触させて乾燥した。不織布5を線圧110N/cmでカレンダー処理して厚みを調整し、ポリマー構造体を含有する不織布5からなるセパレータ25を得た
実施例26、35〜38
表3に示した条件で実施例25と同様にしてセパレータ26、35〜38を作製した。
表3に示した条件で実施例25と同様にしてセパレータ26、35〜38を作製した。
実施例27
不織布6と多孔質支持体との積層体にディップコーターを用いてポリマー溶液3を含浸した。次いで、多孔質支持体が水溶液に接するように該積層体を水溶液1に1分間浮かべて、不織布6と多孔質支持体にポリマー構造体を析出させた後、イオン交換水で洗浄し、120℃の熱風乾燥機に通して乾燥した。不織布6から多孔質支持体を剥がした後、不織布6を線圧10N/cmでカレンダー処理して厚みを調整し、ポリマー構造体を含有する不織布6からなるセパレータ27を得た。多孔質支持体としては不織布6を用いた。
不織布6と多孔質支持体との積層体にディップコーターを用いてポリマー溶液3を含浸した。次いで、多孔質支持体が水溶液に接するように該積層体を水溶液1に1分間浮かべて、不織布6と多孔質支持体にポリマー構造体を析出させた後、イオン交換水で洗浄し、120℃の熱風乾燥機に通して乾燥した。不織布6から多孔質支持体を剥がした後、不織布6を線圧10N/cmでカレンダー処理して厚みを調整し、ポリマー構造体を含有する不織布6からなるセパレータ27を得た。多孔質支持体としては不織布6を用いた。
実施例28〜34
表3に示した条件で実施例27と同様にしてセパレータ28〜34を作製した。実施例28〜31で使用した多孔質支持体は不織布6であり、実施例32〜34で使用した多孔質支持体は不織布7である。
表3に示した条件で実施例27と同様にしてセパレータ28〜34を作製した。実施例28〜31で使用した多孔質支持体は不織布6であり、実施例32〜34で使用した多孔質支持体は不織布7である。
(比較例1)
不織布10をそのままセパレータ39として用いた。
不織布10をそのままセパレータ39として用いた。
(比較例2)
不織布10にディップコーターを用いてポリマー溶液3を含浸した。次いで、水溶液1に5分間浸漬して、不織布10にポリマー構造体を析出させた後、イオン交換水で洗浄し、130℃のヤンキードライヤーに接触させて乾燥し、ポリマー構造体を含有する不織布10からなるセパレータ40を得た。
不織布10にディップコーターを用いてポリマー溶液3を含浸した。次いで、水溶液1に5分間浸漬して、不織布10にポリマー構造体を析出させた後、イオン交換水で洗浄し、130℃のヤンキードライヤーに接触させて乾燥し、ポリマー構造体を含有する不織布10からなるセパレータ40を得た。
(比較例3)
不織布11をそのままセパレータ41として用いた。
不織布11をそのままセパレータ41として用いた。
(比較例4)
不織布5をそのままセパレータ42として用いた。
不織布5をそのままセパレータ42として用いた。
<固体電解コンデンサの作製(再化成処理あり)>
セパレータ1〜42を用いて、エッチング処理の後に化成処理されて酸化皮膜を有するアルミニウム陽極箔とエッチング処理されたアルミニウム陰極箔とをセパレータを介して巻回し、コンデンサ素子を作製した。コンデンサ素子をアジピン酸溶液に浸漬し、電圧8.2Vを180分間印加して再化成処理した。コンデンサ素子を120℃で乾燥させた後、3,4−エチレンジオキシチオフェンとp−トルエンスルホン酸第二鉄のブタノール50質量%溶液を質量比で1:20になるように混合した溶液に浸漬し、引き上げて200℃で10分間加熱して重合反応させ、セパレータに導電性高分子であるポリチオフェンを形成させた。ポリチオフェンを形成させたコンデンサ素子をメタノールで洗浄して、セパレータに残留している未反応の3,4−エチレンジオキシチオフェンとp−トルエンスルホン酸第二鉄を除去した後、120℃で乾燥させ、これをアルミニウム製の外装缶に入れて封口し、定格電圧6.3V、定格静電容量470μFの固体電解コンデンサ1〜42を作製した。
セパレータ1〜42を用いて、エッチング処理の後に化成処理されて酸化皮膜を有するアルミニウム陽極箔とエッチング処理されたアルミニウム陰極箔とをセパレータを介して巻回し、コンデンサ素子を作製した。コンデンサ素子をアジピン酸溶液に浸漬し、電圧8.2Vを180分間印加して再化成処理した。コンデンサ素子を120℃で乾燥させた後、3,4−エチレンジオキシチオフェンとp−トルエンスルホン酸第二鉄のブタノール50質量%溶液を質量比で1:20になるように混合した溶液に浸漬し、引き上げて200℃で10分間加熱して重合反応させ、セパレータに導電性高分子であるポリチオフェンを形成させた。ポリチオフェンを形成させたコンデンサ素子をメタノールで洗浄して、セパレータに残留している未反応の3,4−エチレンジオキシチオフェンとp−トルエンスルホン酸第二鉄を除去した後、120℃で乾燥させ、これをアルミニウム製の外装缶に入れて封口し、定格電圧6.3V、定格静電容量470μFの固体電解コンデンサ1〜42を作製した。
<固体電解コンデンサの作製(再化成処理なし)>
セパレータ1〜42を用いて、エッチング処理の後に化成処理されて酸化皮膜を有するアルミニウム陽極箔とエッチング処理されたアルミニウム陰極箔とをセパレータを介して巻回し、コンデンサ素子を作製した。3,4−エチレンジオキシチオフェンとp−トルエンスルホン酸第二鉄のブタノール50質量%溶液を質量比で1:20になるように混合した溶液に浸漬し、引き上げて200℃で10分間加熱して重合反応させ、セパレータに導電性高分子であるポリチオフェンを形成させた。ポリチオフェンを形成させたコンデンサ素子をメタノールで洗浄して、セパレータに残留している未反応の3,4−エチレンジオキシチオフェンとp−トルエンスルホン酸第二鉄を除去した後、120℃で乾燥させ、これをアルミニウム製の外装缶に入れて封口し、定格電圧6.3V、定格静電容量470μFの固体電解コンデンサ1N〜42Nを作製した。
セパレータ1〜42を用いて、エッチング処理の後に化成処理されて酸化皮膜を有するアルミニウム陽極箔とエッチング処理されたアルミニウム陰極箔とをセパレータを介して巻回し、コンデンサ素子を作製した。3,4−エチレンジオキシチオフェンとp−トルエンスルホン酸第二鉄のブタノール50質量%溶液を質量比で1:20になるように混合した溶液に浸漬し、引き上げて200℃で10分間加熱して重合反応させ、セパレータに導電性高分子であるポリチオフェンを形成させた。ポリチオフェンを形成させたコンデンサ素子をメタノールで洗浄して、セパレータに残留している未反応の3,4−エチレンジオキシチオフェンとp−トルエンスルホン酸第二鉄を除去した後、120℃で乾燥させ、これをアルミニウム製の外装缶に入れて封口し、定格電圧6.3V、定格静電容量470μFの固体電解コンデンサ1N〜42Nを作製した。
不織布1〜11、セパレータ1〜42、固体電解コンデンサ1〜42、1N〜42Nについて、下記の試験方法により評価し、不織布1〜11の物性を表1に、セパレータ1〜42の評価結果を表4、5に、固体電解コンデンサ1〜42、1N〜42Nの評価結果を表5、6に示した。
<厚み>
セパレータ1〜42の厚みをJIS C2111に準拠して測定した。
セパレータ1〜42の厚みをJIS C2111に準拠して測定した。
<密度>
不織布1〜11とセパレータ1〜42の密度をJIS C2111に準拠して測定した。
不織布1〜11とセパレータ1〜42の密度をJIS C2111に準拠して測定した。
<ポリマー構造体含有率>
ポリマー構造体を析出させた後のセパレータの質量W5からポリマー構造体を析出させる前の不織布の質量W4を差し引いて得られる値W6をW4で除して100倍して得た値をポリマー構造体含有率とした。
ポリマー構造体を析出させた後のセパレータの質量W5からポリマー構造体を析出させる前の不織布の質量W4を差し引いて得られる値W6をW4で除して100倍して得た値をポリマー構造体含有率とした。
<耐磨耗性>
セパレータ1〜42を指でこすり、セパレータから繊維またはポリマー構造体が脱落するか否かを目視判定した。繊維もポリマー構造体も脱落しなかった場合をA、繊維またはポリマー構造体が脱落した場合をBとした。
セパレータ1〜42を指でこすり、セパレータから繊維またはポリマー構造体が脱落するか否かを目視判定した。繊維もポリマー構造体も脱落しなかった場合をA、繊維またはポリマー構造体が脱落した場合をBとした。
<保水率>
セパレータ1〜42の質量をW1とし、1分間イオン交換水に浸した後、10分間吊るした後の質量をW2とした。W2からW1を差し引いて得られる値W3をW1で除して100倍して得た値を保水率とした。
セパレータ1〜42の質量をW1とし、1分間イオン交換水に浸した後、10分間吊るした後の質量をW2とした。W2からW1を差し引いて得られる値W3をW1で除して100倍して得た値を保水率とした。
<再化成性>
再化成処理した固体電解コンデンサ1〜42の静電容量をC1、再化成処理しなかった固体電解コンデンサ1N〜42Nの静電容量をC2とした。C1からC2を差し引いて得られる値C3をC2で除して100倍した値を再化成性とした。すなわち、再化成性の値が大きい程、再化成処理が良好にできることを意味する。静電容量C1、C2は、周波数100kHz、温度20℃の条件で測定し、再化成性は固体電解コンデンサ1000個の平均値とした。
再化成処理した固体電解コンデンサ1〜42の静電容量をC1、再化成処理しなかった固体電解コンデンサ1N〜42Nの静電容量をC2とした。C1からC2を差し引いて得られる値C3をC2で除して100倍した値を再化成性とした。すなわち、再化成性の値が大きい程、再化成処理が良好にできることを意味する。静電容量C1、C2は、周波数100kHz、温度20℃の条件で測定し、再化成性は固体電解コンデンサ1000個の平均値とした。
<静電容量>
固体電解コンデンサ1〜42の静電容量C1を示した。静電容量C1は固体電解コンデンサ1000個の平均値とした。
固体電解コンデンサ1〜42の静電容量C1を示した。静電容量C1は固体電解コンデンサ1000個の平均値とした。
<ESR>
周波数100kHz、温度20℃のときの固体電解コンデンサ1〜42の等価直列抵抗ESRを測定し、1000個の平均値とした。
周波数100kHz、温度20℃のときの固体電解コンデンサ1〜42の等価直列抵抗ESRを測定し、1000個の平均値とした。
<誘電正接>
周波数100kHz、温度20℃のときの固体電解コンデンサ1〜42の誘電正接を測定し、1000個の平均値とした。誘電正接の値が小さい程好ましい。
周波数100kHz、温度20℃のときの固体電解コンデンサ1〜42の誘電正接を測定し、1000個の平均値とした。誘電正接の値が小さい程好ましい。
<不良率>
固体電解コンデンサ1〜42について、1000個あたりに、セパレータの強度不足や劣化による破れ、セパレータの繊維間空隙が広すぎることの何れかが原因で内部短絡が生じた割合を不良率とした。
固体電解コンデンサ1〜42について、1000個あたりに、セパレータの強度不足や劣化による破れ、セパレータの繊維間空隙が広すぎることの何れかが原因で内部短絡が生じた割合を不良率とした。
<標準偏差>
固体電解コンデンサ1〜42について、静電容量C1のばらつき、すなわち標準偏差を算出した。
固体電解コンデンサ1〜42について、静電容量C1のばらつき、すなわち標準偏差を算出した。
実施例1〜38で作製したセパレータ1〜38は、再生セルロース繊維からなる湿式スパンボンド不織布にポリマー構造体が絡合されてなり、ポリマーがフッ化ビニリデン成分含有ポリマー、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルスルホン、アクリルの群から選ばれる少なくとも1種以上のポリマーであり、バインダーを含有しないため、固体電解コンデンサを製造する際にバインダー除去処理が不要であった。セパレータ1〜38は、表面および内部の再生セルロース繊維の少なくとも一部とポリマー構造体が絡合しているため、ポリマー構造体がセパレータから分離したり、離散したりすることがなかった。セパレータ1〜38は保水率が高いため、アルミニウム陽極箔の再化成処理が良好にでき、該セパレータを具備してなる固体電解コンデンサ1〜38は、静電容量、ESR、誘電正接に優れ、不良率が低かった。
セパレータ1〜38は、繊維径の均一性が高い再生セルロース繊維からなり、かつ、ポリマー構造体が必要以上に繊維間空隙を塞がなかったため、固体電解コンデンサ1〜38の静電容量のばらつきが小さかった。特に、セパレータ1〜5、7〜11、13〜25、27〜38は、保水率が500%以上であるためアルミニウム陽極箔の再化成性に優れ、該セパレータを具備した固体電解コンデンサは、静電容量が大きく、ESRが低く、誘電正接が小さく優れていた。
実施例1で作製したセパレータ1は、再生セルロース繊維の平均繊維径が1μm未満だったため、該繊維間の空隙が狭く、導電性高分子の形成がやや不十分になり、該セパレータを具備した固体電解コンデンサ1はESRがやや高めであった。
同一の湿式スパンボンド不織布と同一のポリマーを用いて、同様の方法で作製したセパレータ4〜6を比較すると、セパレータ6は密度が0.60g/cm3よりも高いため、セパレータ4、5よりも保水率が悪く、セパレータ6を具備した固体電解コンデンサ6は、固体電解コンデンサ4、5よりも静電容量が低めで、ESRがやや高く、誘電正接がやや大きかった。同様にセパレータ9〜12を比較すると、セパレータ12は密度が0.60g/cm3よりも高いため、セパレータ9〜11よりも保水率が悪く、セパレータ12を具備した固体電解コンデンサ12は、固体電解コンデンサ9〜11よりも静電容量が低めで、ESRがやや高く、誘電正接がやや大きかった。同様にセパレータ24〜26を比較すると、セパレータ26は密度が0.60g/cm3よりも高いため、セパレータ24、25よりも保水率が悪く、セパレータ26を具備した固体電解コンデンサ26は、固体電解コンデンサ24、25よりも静電容量が低めで、ESRがやや高く、誘電正接がやや大きかった。同様にセパレータ27〜29を比較すると、セパレータ27は密度が0.25g/cm3未満のため、繊維間空隙が広く、セパレータ27を具備した固体電解コンデンサ27は、固体電解コンデンサ28、29よりも不良率が高かった。
実施例32〜34で作製したセパレータ32〜34は、再生セルロース繊維の平均繊維径が20μmより太かったため、該セパレータを具備した固体電解コンデンサ32〜34は静電容量のばらつきがやや大きかった。
同一の湿式スパンボンド不織布を使用し、同等の密度を有するセパレータ14〜23を比較すると、実施例14〜18、22、23は、ポリマーがポリアミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルスルホンの何れか1種以上であるため、保水率が高く優れていた。ポリマーがポリアミドであるセパレータ14と15を比較すると、ポリマーがパラ型芳香族ポリアミドであるセパレータ15の方が高い保水率を示した。
比較例1のセパレータ39は、疎水性のポリエチレンテレフタレート繊維からなるスパンボンド不織布であるため保水率が低く、アルミニウム陽極箔の再化成性が悪かった。かつ、図9に示したように、ポリエチレンテレフタレート繊維同士が熱融着して大面積の皮膜を多数形成しているため、導電性高分子の形成が不均一であった。そのため、該セパレータを具備した固体電解コンデンサ39は、静電容量が小さく、ESRが高く、誘電正接が大きく、静電容量のばらつきが大きかった。
比較例2のセパレータ40は、ポリマー構造体がスパンボンド不織布の表面および内部のポリエチレンテレフタレート繊維の少なくとも一部と絡合しているため、ポリマー構造体がセパレータから分離したり離散したりすることがなかった。しかし、該セパレータは、ポリエチレンテレフタレート繊維が疎水性であるため保水率が低く、アルミニウム陽極箔の再化成性が悪かった。かつ、比較例1のセパレータ39と同様に、ポリエチレンテレフタレート繊維同士が熱融着して大面積の皮膜を多数形成しているため、導電性高分子の形成が不均一であった。そのため、該セパレータを具備した固体電解コンデンサ40は、静電容量が小さく、ESRが高く、誘電正接が大きく、静電容量のばらつきが大きかった。
比較例3のセパレータ41は、半芳香族ポリアミド繊維とポリビニルアルコールからなる湿式不織布であるため、ポリビニルアルコールが皮膜状に存在し、保水率が悪く、アルミニウム陽極箔の再化成性が悪く、導電性高分子の形成が不均一であった。そのため、該セパレータを具備した固体電解コンデンサ41は、静電容量が小さく、ESRが高く、誘電正接が大きく、静電容量のばらつきが大きかった。
比較例4のセパレータ42は、再生セルロースからなる湿式スパンボンド不織布のみであり、ポリマー構造体を含有しないため、酸化剤の作用で再生セルロース繊維が劣化し、セパレータが脆くなったため、該セパレータを具備した固体電解コンデンサ42は不良率が高かった。
本発明のセパレータの活用例としては、導電性高分子を用いる固体電解コンデンサが好適である。
Claims (4)
- 不織布と該不織布の表面および/または内部に含有されるポリマー構造体とからなるセパレータであって、不織布が再生セルロース繊維からなる湿式スパンボンド不織布であり、ポリマーがフッ化ビニリデン成分含有ポリマー、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルスルホン、アクリルの群から選ばれる少なくとも1種以上のポリマーであり、かつ、該再生セルロース繊維の少なくとも一部と該ポリマー構造体とが絡合してなることを特徴とするセパレータ。
- ポリアミドがパラ型芳香族ポリアミドである請求項1記載のセパレータ。
- 保水率が500%以上である請求項1記載のセパレータ。
- 導電性高分子と、請求項1〜3の何れかに記載のセパレータを具備してなる固体電解コンデンサ。
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