JP4898453B2 - 電気二重層キャパシタ用セパレータ及びこれを備えた電気二重層キャパシタ - Google Patents

電気二重層キャパシタ用セパレータ及びこれを備えた電気二重層キャパシタ Download PDF

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Description

本発明は電気二重層キャパシタ用セパレータ及びこれを備えた電気二重層キャパシタに関する。特には、厚さの薄い薄型の電気二重層キャパシタに好適に使用できるセパレータ、及び薄型の電気二重層キャパシタに関する。
電気二重層キャパシタは比較的大きな容量をもち、しかも長寿命かつ急速充放電が可能であることから、電源の平滑化、ノイズ吸収などの従来の用途以外に、パーソナルコンピューターのメモリーバックアップ電源、二次電池の補助又は代替に用いられてきており、近年においては電気自動車用の二次電池としての用途が期待されている。
この電気二重層キャパシタはイオン性溶液中に1対の電極が浸漬された構造を有している。この電気二重層キャパシタに電圧を印加すると、電極と反対符号のイオンが電極の近傍に分布してイオンの層を形成する一方、電極の内部には前記イオンと反対符号の電荷が蓄積される。次いで、電極間に負荷を接続すると、電極内の電荷が放電されると同時に、電極近傍に分布していたイオンは電極近傍から離れて中和状態に戻る。
このような電気二重層キャパシタにおいて、1対の電極が接触してしまうと、電極近傍においてイオンの層を形成することが困難になるため、通常電極間にセパレータが配置されている。このセパレータは前記のような電極間の短絡防止性能を有することに加えて、電解液の保持性及びイオン透過性に優れている必要がある。
このような電気二重層キャパシタ用セパレータとして厚さが薄いものを使用すれば、電気二重層キャパシタを薄型化できるため、セパレータとして多孔質膜が提案されている。例えば、「非直線性微細連続孔を有するポリイミド多孔質膜からなるセパレータ」が提案されている(特許文献1;特に請求項1)。
また、別の電気二重層キャパシタ用セパレータとして、メルトブロー法によって製造した不織布製セパレータ(特許文献2;特に第3頁〔0046〕〜〔0050〕)、海島型繊維の海成分を除去した島成分からなる極細繊維を用いて湿式法により製造した不織布製セパレータ(特許文献3;特に実施例)、及びフィブリル化高分子を用いて湿式法により製造した不織布製セパレータ(特許文献4;特に実施例)なども提案されている。
特開2003−229329号公報 US2002/0045091A1 特開2004−115980号公報 特開2003−168629号公報
特許文献1に開示の多孔質膜は電解液の保持性が十分でないばかりでなく、イオンの透過性を高めるために薄くすると短絡防止性が悪くなり、短絡防止性を高めるために厚くするとイオン透過性が悪くなるとともに電気二重層キャパシタも厚くなり、イオン透過性と短絡防止性を両立できないものであった。
特許文献2に開示のメルトブロー不織布製セパレータは、平均孔径が大きく、孔径分布が広く、しかも繊維径が比較的太く、その繊維径も揃っていないため、イオンの透過性を高めるために薄くするとピンホールが発生し、電流がリークしやすいものであった。
また、特許文献3及び4に開示のセパレータは湿式法により製造しているため、イオンの透過性を高めるために薄くすると、繊維ウエブ形成時における抄造段階でピンホールが発生し、電流がリークしやすいものであった。また、繊維ウエブを形成する際のスラリー中に添加した接着剤、増粘剤及び界面活性剤がセパレータに残存し、これら残存物が電気絶縁性を低下させるという問題もあった。
なお、混合紡糸法により製造した海島型繊維の海成分を除去した島成分からなる、繊維径が1μm以下の極細繊維が知られているが、このような極細繊維を用い、湿式法により繊維ウエブを形成しようとしても、極細繊維を均一に分散させることは極めて困難であり、湿式繊維ウエブには繊維塊が多く存在し、均一な孔径をもつ薄いセパレータを得ることは困難であった。
本発明はこのような問題点を解決するためになされたもので、電解液の保持性に優れ、電流がリークしにくいことに加えて、短絡防止性とイオン透過性とを両立できる電気二重層キャパシタ用セパレータ、及びこれを備えた電気二重層キャパシタを提供することを目的とする。
前記の課題は、本発明により、全体の厚さが25μm以下であり、静電紡糸法によって製造された極細繊維集合体層を含み、前記極細繊維集合体層を構成する極細繊維の平均繊維径が1μm以下であり、前記極細繊維集合体層の最大孔径が平均流量孔径の3倍以下であることを特徴とする、電気二重層キャパシタ用セパレータによって解決することができる。
本発明によるセパレータの好ましい態様においては、セパレータ全体の厚さが20μm以下である。
本発明によるセパレータの別の好ましい態様においては、極細繊維集合体層の平均流量孔径が1μm以下である。
本発明によるセパレータの更に別の好ましい態様においては、極細繊維集合体層を構成する極細繊維の繊維径の標準偏差(Dd)の、極細繊維集合体層を構成する極細繊維の平均繊維径(Da)に対する比(Dd/Da)が0.25以下である。
本発明によるセパレータの更に別の好ましい態様においては、極細繊維が、ポリアクリルニトリル、ポリフッ化ビニリデン、ポリイミド、ナイロン、ポリスチレン、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、及びポリビニルピロリドンからなる群から選ばれる樹脂少なくとも1種類から構成されている。
本発明によるセパレータの更に別の好ましい態様においては、前記極細繊維集合体層に加えて、平均繊維径が1μmを超える非極細繊維集合体層を備えている。
本発明によるセパレータの更に別の好ましい態様においては、電気二重層キャパシタ用セパレータの空隙率が50%〜95%である。
本発明によるセパレータの更に別の好ましい態様においては、電気二重層キャパシタ用セパレータの少なくとも一方向における、目付1g/mあたりの引張り強さが0.15N/5mm幅以上である。
本発明は、前記電気二重層キャパシタ用セパレータを備えている電気二重層キャパシタにも関する。
本発明のセパレータは、セパレータ全体の厚さが25μm以下であり、静電紡糸法によって製造された極細繊維集合体層を含み、前記極細繊維集合体層を構成する極細繊維の平均繊維径が1μm以下であり、前記極細繊維集合体層の最大孔径が平均流量孔径の3倍以下であるので、電流がリークしにくく、短絡防止性に優れているとともに、多くの微細孔が形成されているため、電解液の保持性にも優れている。また、セパレータ全体の厚さが25μm以下と薄いため、イオン透過性にも優れている。更に、静電紡糸法により製造した極細繊維集合体層を含むため、電気絶縁性を低下させるということがない。つまり、従来の湿式法のように、繊維ウエブ形成する際のスラリー中に添加した接着剤、増粘剤及び界面活性剤がセパレータに残存するということがないため、電気絶縁性を低下させるということがない。
セパレータ全体の厚さが20μm以下であると、イオン透過性が更に向上する。
前記極細繊維集合体層の平均流量孔径が1μm以下であると、電流が更にリークしにくく、短絡防止性に優れている。
極細繊維集合体層を構成する極細繊維の繊維径の標準偏差(Dd)の、極細繊維集合体層を構成する極細繊維の平均繊維径(Da)に対する比(Dd/Da)が0.25以下と、極細繊維の繊維径が揃っている場合には、電流が更にリークしにくくなり、短絡防止性能及び電解液の保持性に優れている。
極細繊維が、ポリアクリルニトリル、ポリフッ化ビニリデン、ポリイミド、ナイロン、ポリスチレン、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、及びポリビニルピロリドンからなる群から選ばれる樹脂少なくとも1種類から構成されている場合には、電解液によって浸されないため、長期にわたり、短絡防止性及び電解液の保持性に優れている。
前記極細繊維集合体層に加えて、非極細繊維集合体層を備えていると、更にイオン透過性に優れ、しかも電解液の保持性にも優れている。
セパレータの空隙率が高いと、電解液の保持性に更に優れている。
電気二重層キャパシタ用セパレータの少なくとも一方向における、目付1g/mあたりの引張り強さが0.15N/5mm幅以上であると、機械的強度に優れているため、電気二重層キャパシタの作製を容易に行うことができる。
本発明の電気二重層キャパシタは、前記のセパレータを含むため、内部抵抗が低く、寿命が長い。
本発明の電気二重層キャパシタ用セパレータ(以下、単に「セパレータ」という)は、静電紡糸法によって製造された極細繊維集合体層のみ(極細繊維集合体単独)からなることができるし、極細繊維集合体以外の層を含むこともできる。本発明によるセパレータは、平均繊維径が1μm以下の極細繊維からなり、最大孔径が平均流量孔径の3倍以下の極細繊維集合体層を含んでいるため、孔径が小さく、孔径分布が狭く緻密であることによって、電流のリーク防止性、短絡防止性及び電解液の保持性に優れている。前記の極細繊維集合体層は、静電紡糸法によって製造され、平均繊維径が1μm以下であり、最大孔径が平均流量孔径の3倍以下である前記の条件を全体として満足する限り、種々の平均繊維径、繊維長、及び/又は樹脂組成の異なる極細繊維が混在しているか、あるいは層状に存在していてもよい。
まず、極細繊維集合体のみからなるセパレータについて説明する。
極細繊維集合体を構成する極細繊維の平均繊維径が小さければ小さい程、電流のリーク防止性、短絡防止性及び電解液の保持性に優れているため、極細繊維の平均繊維径は0.8μm以下であるのが好ましく、0.6μm以下であるのがより好ましい。なお、極細繊維の平均繊維径の下限は特に限定するものではないが、1nm程度が適当である。本明細書における「繊維径」は、繊維集合体の電子顕微鏡写真から測定して得られる繊維の横断面における直径を意味し、繊維の横断面形状が非円形である場合には、横断面積と同じ面積の円の直径を繊維の繊維径とみなす。また、本明細書における「平均繊維径」は50本以上の繊維の繊維径の算術平均値を意味する。
本発明のセパレータは、静電紡糸法により製造された極細繊維集合体からなるため、極細繊維の繊維径が揃っており、結果として孔径が小さく、孔径分布が狭いため、電流のリーク防止性、短絡防止性及び電解液の保持性に優れている。より具体的には、極細繊維集合体構成繊維である極細繊維の繊維径の標準偏差(Dd)の、極細繊維集合体を構成する極細繊維の平均繊維径(Da)に対する比(Dd/Da)が0.25以下であるのが好ましい。この比(Dd/Da)の値が小さければ小さい程、極細繊維の繊維径が揃っていることを意味し、電流のリーク防止性、短絡防止性能及び電解液の保持性に優れているため、0.20以下であるのがより好ましい。なお、全ての極細繊維が同じ繊維径である場合には標準偏差値が0になるため、比(Dd/Da)の下限値は0である。このように平均繊維径が1μm以下かつ比(Dd/Da)が0.25以下の極細繊維は、静電紡糸法により得ることができるものの、メルトブロー法や、繊維をフィブリル化させたパルプでは得ることができない物性である。なお、「繊維径の標準偏差(Dd)」は、計測した個々の極細繊維の繊維径(χ)に基づいて、次の式から算出した値をいい、式中のnは計測した極細繊維の本数(50本以上)を意味する。
標準偏差(Dd)={(nΣχ−(Σχ))/n(n−1)}1/2
本発明のセパレータにおける極細繊維集合体を構成する極細繊維の繊維長は特に限定するものではないが、静電紡糸法により製造した場合、通常、極細繊維は連続繊維である。このように極細繊維が連続繊維であると、電気二重層キャパシタ作製時に極細繊維の脱落が生じにくいため好適である。このように極細繊維が連続繊維である場合、繊維径の測定はセパレータの厚さ方向における切断面の電子顕微鏡写真をもとに行い、平均繊維径及び繊維径の標準偏差値は、前記電子顕微鏡写真における50本以上の極細繊維の繊維径をもとに算出する。なお、間欠的に紡糸溶液を吐出するなどして、非連続繊維としてもよい。
本発明のセパレータにおける極細繊維集合体を構成する極細繊維は、電気二重層キャパシタを構成する電解液によっても浸されない樹脂から構成されていればよく、特に限定するものではないが、例えば、ポリアクリルニトリル、ポリフッ化ビニリデン、ポリイミド、ナイロン、ポリスチレン、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、又はポリビニルピロリドンの中から選ばれる樹脂少なくとも1種類から構成されているのが好ましい。これらの中でもポリアクリルニトリルは静電紡糸法によって安定して平均繊維径が1μm以下の極細繊維からなる極細繊維集合体を製造できるため好適である。
本発明のセパレータは上述のような極細繊維の極細繊維集合体からなるが、イオン透過性に優れているように、セパレータ全体の厚さが25μm以下である。より好ましくは20μm以下で、更に好ましくは15μm以下である。なお、セパレータの厚さが薄すぎると、極細繊維から構成されているとはいえ、電流のリーク防止性、短絡防止性及び電解液の保持性が悪くなる傾向があるため、厚さは5μm以上であるのが好ましい。本明細書における「厚さ」は、JIS B 7502:1994に規定されている外側マイクロメーター(0〜25mm)を用いて、JIS C2111 5.1(1)の測定法で、無作為に選んで測定した10点の算術平均値をいう。
本発明のセパレータは、電気二重層キャパシタの作製を容易に行うことができる機械的強度を備えているように、少なくとも一方向における、目付1g/mあたりの引張り強さが0.15N/5mm幅以上であるのが好ましい。この目付1g/mあたりの引張り強さが強ければ強いほど、電池二重層キャパシタの作製を容易に行うことができるため、引張り強さは0.5N/5mm幅以上であるのが好ましい。上限は特に限定するものではない。なお、捲回型電気二重層キャパシタを製造する際には、主としてセパレータの長手方向に張力が作用するため、前記引張り強さの値はセパレータの長手方向に関して満たしているのが好ましい。この「目付1g/mあたりの引張り強さ」は、引張り強さ〔S(単位:N/5mm幅)〕を目付〔D(単位:g/m)〕で除して得られる商(S/D)を意味し、「引張り強さ」は、測定方向と直交する方向に長さ5cmで、測定方向に長さ20cmに裁断した長方形状のセパレータを、引張り強さ試験機(オリエンテック製、テンシロンUTM−III−100)のチャック間(チャック間距離:10cm)に固定し、引張り速度50mm/min.でセパレータを引張り、セパレータを破断するために要する力を幅5mmに換算した値をいい、「目付」は1mあたりの質量をいう。
本発明のセパレータにおける極細繊維集合体は、上述のような優れた引張り強さをもつことができるように、極細繊維同士が圧着した状態にあるのが好ましい。このように極細繊維同士が圧着した状態にあると、極細繊維同士が相互に融着した状態のように、フィルム化してイオンの透過性を妨げることがない、という点でも好適である。また、内部抵抗が低く、一定体積当たりのエネルギー密度を高くすることができる、という点でも好適である。なお、本明細書において「圧着」とは、加熱しない状態で、あるいは、極細繊維の軟化温度未満の温度で加熱した状態で、圧力を加えることにより、極細繊維を相互に密着させた状態をいう。
本発明のセパレータの目付は特に限定するものではないが、電解液の保持性、電流のリーク防止性、短絡防止性、及びイオン透過性に優れているように、1〜10g/mであるのが好ましく、1〜5g/mであるのがより好ましく、1〜3g/mであるのが更に好ましい。また、セパレータの見掛密度も特に限定するものではないが、0.1〜0.8g/cmであるのが好ましい。見掛密度が0.1g/cm未満であると、取り扱い性が悪くなったり、孔径が大きく、孔径分布が広くなり、電流のリーク防止性や短絡防止性が悪くなったり、電解液の保持性も悪くなる傾向があるためで、0.2g/cm以上であるのがより好ましい。他方、見掛密度が0.8g/cmを超えると、空隙率が低くなり過ぎて、イオン透過性が悪くなったり、電解液の保持量が低下する傾向があるためで、0.7g/cm以下であるのがより好ましく、0.65g/cm以下であるのが更に好ましい。なお、見掛密度は目付〔D(単位:g/cm)〕を厚さ〔T(単位:cm)〕で除した商(D/T)をいう。
本発明のセパレータにおける極細繊維集合体を構成する極細繊維は実質的に絡合していないのが好ましい。このように極細繊維が実質的に絡合していないことによって、孔径が小さく、孔径分布の狭い、電流のリーク防止性、短絡防止性及び電解液の保持性に優れる極細繊維集合体(すなわち、セパレータ)であることができるためである。つまり、極細繊維が絡合するように、水流などの流体流を作用させると、極細繊維の再配列が生じ、極細繊維の配置が乱れ、孔径が大きくなり、孔径分布が広くなるのに対して、極細繊維が絡合していないことによって、極細繊維の配置が乱されないため、孔径が小さく、しかも孔径分布の狭い極細繊維集合体(すなわち、セパレータ)であることが容易であるためである。このように「極細繊維が実質的に絡合していない」とは、極細繊維の再配列が生じ、極細繊維の配置が乱れ、孔径が大きくなり、孔径分布が広くなるような絡合処理が行われていない状態を意味する。
本発明のセパレータは上述のような極細繊維集合体からなるが、極細繊維集合体は電流がリークしにくく、短絡防止性に優れているとともに、電解液の保持性にも優れるように、最大孔径が平均流量孔径の3倍以下(より好ましくは2.7倍以下)である。理想的には、最大孔径が平均流量孔径の1倍、つまり全孔径が同じ大きさである。なお、電流がリークしにくく、短絡防止性に優れているとともに、電解液の保持性にも優れるように、極細繊維集合体の平均流量孔径が1μm以下というレベルに孔径が小さいのが好ましく、0.8μm以下であるのがより好ましく、0.7μm以下であるのが更に好ましい。この「平均流量孔径」は、ASTM−F316に規定されている方法により得られる値をいい、例えば、ポロメータ(Perm Polometer、PMI社製)を用いてミーンフローポイント法により測定される値をいい、「最大孔径」は、ポロメータ(Perm Polometer、PMI社製)を用いてバブルポイント法により測定される値をいう。このような最大孔径が平均流量孔径の3倍以下の極細繊維集合体は、静電紡糸法によって製造することができるものの、メルトブロー法や湿式法によって得ることは困難である。
本発明のセパレータは上述のような極細繊維集合体からなるが、この極細繊維集合体は静電紡糸法により製造されたものである。静電紡糸法によれば、極細繊維集合体を接着剤、増粘剤及び界面活性剤を使用することなく製造できるため、電気絶縁性を低下させるということがない。つまり、従来の湿式法のように、繊維ウエブ形成する際のスラリー中に接着剤、増粘剤及び界面活性剤を添加する必要がないため、セパレータに接着剤、増粘剤及び界面活性剤が残存せず、電気絶縁性を低下させるということがない。
本発明のセパレータは、空隙率が50〜95%であるのが好ましい。空隙率が50%以上であれば、電解液の保持性に優れているためで、空隙率は60%以上であるのがより好ましく、65%以上であるのが更に好ましい。他方、空隙率が95%以下であれば、セパレータの形態安定性に優れているためで、空隙率は90%以下であるのがより好ましく、85%以下であるのが更に好ましい。なお、本明細書における「空隙率(P)」は、次の式によって得られる値をいう。
空隙率(P)={1−W/(T×d)}×100
ここで、Wはセパレータの目付(g/m)を意味し、Tはセパレータの厚さ(μm)を意味し、dはセパレータ構成繊維の密度(g/cm)をそれぞれ意味する。なお、セパレータの構成繊維が2種類以上存在している場合、構成繊維の密度は各構成繊維の質量平均をいう。例えば、密度dの繊維Aがa(mass%)と、密度dの繊維Bがb(mass%)存在している場合、構成繊維の密度(d)は次の式により得られる値をいう。
密度(d)=(d×a)/100+(d×b)/100
本発明のセパレータは、前記極細繊維集合体からなる層に加えて、強度、電流リーク防止性、又は電解液保持性を補強することのできる補強層(例えば、微孔フィルム層)を含むことができる。補強層は、前記極細繊維集合体層の一方又は両方の表面に貼り合わせるかあるいはコーティングによって設けることができる。更に、前記極細繊維集合体層の内部に中間層として配置することもできる。補強層は、本発明のセパレータが、前記極細繊維集合体のみからなる場合の前記の各種物性を実質的に維持することができる物性を有していることが好ましい。例えば、補強層の厚さは、特に限定されないが、好ましくは15μm以下、より好ましくは10μm以下である。
本発明のセパレータは、前記極細繊維集合体の層に加えて、非極細繊維集合体の層を含む積層体であることもできる。ここで「非極細繊維集合体」とは、その非極細繊維集合体を構成する非極細繊維の平均繊維径が、1μmを超える繊維集合体を意味する。本発明のセパレータが前記極細繊維集合体層に加えて、非極細繊維集合体層を含んでいると、イオン透過性に優れ、電解液の保持性を大きく損なうことなく強度に優れているセパレータを提供することができる。
前記非極細繊維集合体を構成する繊維の平均繊維径は、1μmを超える限り特に限定されないが、好ましくは5μm以下であり、より好ましくは1.5〜4μmである。本発明のセパレータが、前記極細繊維集合体層と前記非極細繊維集合体層との積層体である場合には、前記極細繊維集合体層の1層又はそれ以上と、前記非極細繊維集合体層の1層又はそれ以上とからなることができ、前記極細繊維集合体層の1層と、前記非極細繊維集合体層の1層とからなることが好ましい。また、本発明によるセパレータが、前記極細繊維集合体層(1層又はそれ以上)と非極細繊維集合体層(1層又はそれ以上)とからなる場合であっても、セパレータ全体の厚さは25μm以下であり、好ましくは20μm以下である。
非極細繊維集合体としては、例えば、(1)非極細繊維を用い、気体を媒体として分散させた後に、熱接着させた非極細繊維集合体、(2)非極細繊維を用い、湿式法により分散させた非極細繊維集合体、或いは(3)静電紡糸法により製造した非極細繊維集合体、などを挙げることができる。特に、(1)非極細繊維を用い、気体を媒体として分散させた後に、熱接着させた非極繊維集合体は、セパレータの機械的強度を向上させることができ、しかも接着剤、増粘剤及び界面活性剤を含まず、電気絶縁性を低下させるということがないため好適である。なお、平均繊維径が1μmを超え、5μm以下の非極細繊維としては、例えば、海島型複合繊維から海成分を除去して製造した島成分からなる非極細繊維、2種類以上の樹脂からなる繊維横断面がオレンジ状又は多層積層状の剥離型複合繊維を剥離させて製造した非極細繊維、或いはスーパードロー法などの直接紡糸法により紡糸した非極細繊維などを使用することができる。
本発明によるセパレータが、前記非極細繊維集合体も備えている場合、非極細繊維集合体の厚さは18μm以下であるのが好ましく、15μm以下であるのがより好ましい。なお、このような非極細繊維集合体を備えたセパレータであっても、前述の極細繊維集合体のみからなるセパレータと同様の目付、引張り強さ、見掛密度、及び空隙率を有することが好ましい。また、本発明によるセパレータが、前記極細繊維集合体層及び前記非極細繊維集合体層を含む場合、前記極細繊維集合体層の厚さ(T1)と前記非極細繊維集合体層の厚さ(T2)との比率(T1:T2)は、好ましくは1:4〜4:1、より好ましくは1:3〜3:1である。
本発明のセパレータは、前記極細繊維集合体層及び前記非極細繊維集合体層に加えて、更に、強度、電流リーク防止性、又は電解液保持性を補強することのできる補強層(例えば、微孔フィルム層)を含むことができる。補強層は、前記極細繊維集合体層と前記非極細繊維集合体層との積層体の一方の表面、両方の表面、あるいは前記極細繊維集合体層と前記非極細繊維集合体層との間に貼り合わせるかあるいはコーティングによって設けることができる。更に、前記極細繊維集合体層の内部中間層及び/又は前記非極細繊維集合体層の内部中間層として設けることもできる。補強層は、本発明のセパレータが、前記極細繊維集合体層と前記非極細繊維集合体層との積層体のみからなる場合の前記の各種物性を実質的に維持することができる物性を有していることが好ましい。例えば、補強層の厚さは、特に限定されないが、好ましくは10μm以下、より好ましくは5μm以下である。
本発明のセパレータが、前記極細繊維集合体のみからなる場合には、例えば、(1)極細繊維集合体構成繊維(以下、極細繊維と称することがある)の樹脂を含む紡糸溶液をノズルから吐出するとともに、吐出した紡糸溶液に電界を作用させて繊維化する紡糸工程、及び(2)前記繊維化した繊維を捕集体上に集積させて極細繊維集合体を形成する集積工程により製造することができる。
より具体的には、まず、紡糸溶液を用意する。この紡糸溶液は極細繊維を形成する樹脂を溶媒に溶解させた溶液である。極細繊維用樹脂としては、例えば前述の樹脂を1種類以上使用することができる。溶媒は樹脂によっても変化するため、特に限定するものではないが、例えば、水、アセトン、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、1,4−ジオキサン、ピリジン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、アセトニトリル、ギ酸、トルエン、ベンゼン、シクロヘキサン、シクロヘキサノン、四塩化炭素、塩化メチレン、クロロホルム、トリクロロエタン、エチレンカーボネート、ジエチルカーボネート、プロピレンカーボネートなどを挙げることができる。溶媒は1種類でもよいし、2種類以上の溶剤を混ぜた混合溶媒であってもよい。
紡糸原液は上述のような樹脂を溶媒に溶解させたものであるが、その濃度は、樹脂の組成、樹脂の分子量、及び/又は溶媒等によって変化するため、特に限定するものではないが、静電紡糸への適用性の点から、粘度が10〜6000mPa・sの範囲となるような濃度であるのが好ましく、20〜5000mPa・sの範囲となるような濃度であるのがより好ましい。粘度が10mPa・s未満であると、粘度が低すぎて曳糸性が悪く、繊維になりにくい傾向があり、粘度が6000mPa・sを超えると、紡糸原液が延伸されにくくなり、繊維となりにくい傾向があるためである。なお、この「粘度」は、粘度測定装置を用い、温度25℃で測定した、シェアレート100s−1の時の値をいう。
前記紡糸工程では、このような紡糸溶液をノズルへ供給し、ノズルから吐出するともに、吐出した紡糸溶液に電界を作用させて繊維化する。この紡糸溶液を吐出するノズルの直径(内径)は、極細繊維集合体構成繊維の平均繊維径を1μm以下とすることが容易であるように、0.1〜2mm程度であるのが好ましい。また、ノズルは金属製であっても、非金属製であってもよい。ノズルが金属製であればノズルを一方の電極として使用することができ、ノズルが非金属製である場合には、ノズルの内部に電極を設置することにより、吐出した紡糸溶液に電界を作用させることができる。
このようなノズルから紡糸溶液を吐出し、吐出した紡糸溶液に電界を作用させることにより延伸して繊維化する。この電界は、極細繊維集合体構成繊維の平均繊維径、ノズルと繊維を集積する捕集体との距離、紡糸溶液の溶媒、紡糸溶液の粘度などによって変化するため、特に限定するものではないが、極細繊維集合体構成繊維の平均繊維径を1μm以下とするために、0.2〜5kV/cmであるのが好ましい。印加する電界が大きければ、その電界値の増加に応じて極細繊維集合体構成繊維の平均繊維径が細くなる傾向があるが、5kV/cmを超えると、空気の絶縁破壊が生じやすいので好ましくない。また、0.2kV/cm未満になると、繊維形状となりにくい。
前述のように吐出した紡糸溶液に電界を作用させることにより、紡糸溶液に静電荷が蓄積され、捕集体側の電極によって電気的に引張られ、引き伸ばされて繊維化する。電気的に引き伸ばしているため、繊維が捕集体に近づくにしたがって、電界により繊維の速度が加速され、平均繊維径の小さい繊維となる。また、溶媒の蒸発によって細くなり、静電気密度が高まり、その電気的反発力によって分裂し、更に平均繊維径の小さい繊維になると考えられる。
このような電界は、例えば、ノズル側電極(金属製ノズルの場合にはノズル自体、ガラスや樹脂などの非金属製ノズルの場合にはノズルの内部の電極)と捕集体側電極との間に電位差を設けることによって、作用させることができる。例えば、ノズル側電極に電圧を印加するとともに捕集体をアースすることによって電位差を設けることができるし、逆に、捕集体側電極に電圧を印加するとともにノズル側電極をアースすることによって電位差を設けることもできる。なお、電圧を印加する装置は特に限定されるものではないが、直流高電圧発生装置を使用できるほか、ヴァン・デ・グラフ起電機を用いることもできる。また、印加電圧は前述のような電界強度とすることができるのであればよく、特に限定するものではないが、5〜50KV程度であるのが好ましい。
次いで、前記繊維化した極細繊維を捕集体上に集積させて極細繊維集合体を形成する集積工程(2)を実施する。この集積工程(2)で使用する捕集体は、極細繊維を捕集できるものであればよく特に限定されるものではないが、例えば、不織布、織物、編物、ネット、平板、ドラム、或いはベルト形状を有する、金属製や炭素などからなる導電性材料、有機高分子などからなる非導電性材料を使用できる。前述のように捕集体を他方の電極として使用する場合には、捕集体は体積抵抗が好ましくは1010Ω以下、より好ましくは10Ω以下の導電性材料(例えば、金属製)からなる。一方、ノズル側から見て、捕集体よりも後方に対向電極として導電性材料を配置する場合には、捕集体は必ずしも導電性材料である必要はない。後者のように、捕集体よりも後方に対向電極を配置する場合、捕集体と対向電極とは接触していてもよいし、離間していてもよい。
本発明のセパレータに用いる前記極細繊維集合体の引張り強さが向上するように、極細繊維集合体を一方向に延伸して繊維を延伸方向に再配向させる延伸工程を実施することができる。極細繊維集合体は極細繊維同士が接してはいるものの、融着や接着はしていないので、延伸処理により極細繊維を延伸方向に再配向させることができる。この再配向により、一方向に極細繊維が引き揃えられた構造となるため、延伸方向における破断強度が向上する。なお、延伸方向は特に限定するものではないが、捲回型電気二重層キャパシタを製造する際には、主としてセパレータの長手方向に張力が作用するため、セパレータの長手方向に延伸するのが好ましい。このような延伸は、例えば、ロール式延伸法、テンター式延伸法により実施することができる。なお、延伸工程における延伸温度は、
{(極細繊維のTg)−30}℃〜(極細繊維のTg)℃
の範囲内で実施するのが好ましい。なお、「極細繊維のTg」とは極細繊維のガラス転移温度の意味である。この温度範囲内で延伸処理を行うことにより、極細繊維集合体の破断や繊維径の変化を発生させることなく、延伸処理を行うことができる。より好ましくは、
{(極細繊維のTg)−20}℃〜{(極細繊維のTg)−10}℃
の範囲で行う。また、良好な延伸性を得るために、延伸する前に加熱しておき、その余熱を利用するのが好ましく、余熱の温度範囲も上記延伸温度と同じ温度であるのが好ましい。この「ガラス転移温度」(Tg)は、示差熱分析計(DTA)により測定されたDTA曲線におけるベースラインの接線とガラス転移による吸熱領域の急峻な下降位置の接線との交点にあたる温度をいう。
この延伸処理の延伸倍率は、極細繊維が十分に再配向するように、2倍以上であるのが好ましく、2.3倍以上であるのがより好ましく、3倍以上であるのが更に好ましい。なお、延伸倍率は、極細繊維集合体の延伸後の長さ(La)を延伸前の長さ(Lb)で除することで算出した値(La/Lb)をいう。また、延伸速度は、10〜2000mm/minであるのが好ましく、50〜1500mm/minであるのが更に好ましく、100〜1000mm/minであるのが更に好ましい。
本発明のセパレータで用いる極細繊維集合体は、上述のような延伸工程に続いて、又は延伸工程を経ることなく、引張り強さを高めたり、平滑性を高めたり、平均流量孔径を1μm以下としたり、最大孔径が平均流量孔径の3倍以下としたり、厚さを25μm以下としたり、空隙率を65〜85%としたり、見掛密度を0.1〜0.8g/cmとするために、極細繊維集合体に圧力を加えて緻密化する緻密化工程を実施することも可能である。この緻密化工程における圧力は特に限定するものではないが、目付1g/mあたりの引張り強さを0.15N/5mm幅以上にできるように、線圧5N/cm以上で実施するのが好ましい。
なお、極細繊維集合体を加圧することに加えて加熱すると、効率的に引張り強さを高めることができるため好適である。このように加熱する場合、加圧する前に極細繊維集合体を加熱してもよいし、加圧と同時に極細繊維集合体を加熱してもよいが、いずれの場合も、極細繊維の軟化温度未満の温度で加熱するのが好ましく、極細繊維の軟化温度よりも10℃以上低い温度で加熱するのが好ましく、20℃以上低い温度で加熱するのがより好ましい。なお、このような緻密化工程は、例えば、カレンダーロール又は熱カレンダーロールを使用して実施できる。本明細書における「軟化温度」は、JIS K 7121に規定されている熱流束示差走差熱量測定(DSC、昇温温度10℃/分)により得られるDSC曲線における融解吸熱曲線の開始点を与える温度をいう。
また、緻密化工程後、緻密化工程における温度以上、かつ極細繊維の熱分解温度よりも50℃以上低い温度で熱処理を行い、紡糸溶液の溶媒を除去するのが好ましい。このようにすることによって、極細繊維を構成している樹脂の架橋又は分子間結合を進行させることができるため、セパレータの引張り強度を高めることができ、結果として電気二重層キャパシタの作製をより容易にすることができるためである。この「熱分解温度」は、JIS K 7120に規定されている熱重量測定を行い、試験片の質量が5%減量した時点での温度をいう。
本発明のセパレータが前述のような極細繊維集合体層に加えて、非極細繊維集合体層を備えている場合には、例えば、
(1)予め製造した非極細繊維集合体を、前述のような極細繊維を捕集する捕集体上に配置した状態で極細繊維を紡糸し、非極細繊維集合体上に集積する方法、
(2)非極細繊維集合体と極細繊維集合体とをそれぞれ別途に製造し、非極細繊維集合体及び/又は極細繊維集合体の融着性を利用して融着する方法、
(3)非極細繊維集合体と極細繊維集合体とをそれぞれ別途に製造し、それらを接着剤によって接着する方法、
などによって製造することができる。
前記製造方法(1)〜(3)の中でも、極細繊維の細い繊維径を維持でき、均一に分散した状態であることができ、しかも低目付の極細繊維集合体を安定して複合できる点から、前記製造方法(1)によって、非極細繊維集合体層と極細繊維集合体層とを備えたセパレータを製造するのが好ましい。なお、非極細繊維集合体上に極細繊維集合体を形成した後に、前述のような緻密化工程を実施することができる。この緻密化工程によって、緻密化工程による前記効果以外に、極細繊維集合体層と非極細繊維集合体層との接着性を高めることができる。なお、前記製造方法(2)又は前記製造方法(3)によれば、延伸工程及び/又は緻密化工程後の極細繊維集合体を使用できるというメリットがある。また、前記製造方法(3)によれば、非極細繊維集合体層と極細繊維集合体層との接着力を最も強くできるというメリットがある。なお、前記製造方法(2)を実施する場合には、緻密化工程と同様に、リライアントプレス加工のような加熱プレスによって実施することができる。
本発明の電気二重層キャパシタは、上述のセパレータを備えたものであるため、内部抵抗が低く、寿命の長いものである。特に上述のセパレータ構成樹脂が融点又は炭化温度が300℃以上の樹脂からなる場合、各キャパシタ構成材料から電極群を組み立てた後に乾燥することができるため、電解液が有機電解液である場合に有利である。
本発明のキャパシタは、上述のようなセパレータを備えていること以外は、従来と全く同様であることができる。例えば、集電極としては、アルミニウム薄板、又は白金薄板などの金属薄板を使用することができ、電極としては、例えば、粒状活性炭に導電剤と接着剤とを混ぜ合わせ、圧粉法、圧延法、塗布法、或いはドクターブレード法によって作製されたものを使用することができる。また、電解液としては、例えば、プロピレンカーボネートにテトラエチルアンモニウム・テトラフルオロボーレイトを溶解させた有機電解液や、プロピレンカーボネートにテトラエチルフォスフォニウム・テトラフルオロボーレイトを溶解させた有機電解液などを使用することができる。
電気二重層キャパシタの製造方法について簡単に述べると、まず、前述のような集電極、電極、及び前述のようなセパレータを用意する。次いで、例えば、集電極、電極、セパレータ、電極、集電極の順に積み重ねることを繰り返したり、このように積み重ねた積層体を巻き上げて電極群を形成する。
次いで、電極群と前記のような有機電解液とをケースに挿入した後、前記ケースを封緘してキャパシタを製造することができる。なお、セパレータ構成樹脂が融点又は炭化温度が300℃以上の樹脂からなる場合には、電極群を形成した後に、電極群を150℃以上の温度で、集電極、電極及びセパレータを同時に乾燥し、ケースに挿入することができる。セパレータ構成樹脂が融点又は炭化温度が300℃未満の樹脂を含んでいる場合には、予め個別に乾燥した後に電極群を形成する。
なお、電気二重層キャパシタのセル構造は、積層型、コイン型、円筒型、又は角型等であることができる。
以下、本発明を実施例によって説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
《実施例1》
ポリアクリロニトリル樹脂(軟化温度:190〜240℃、熱分解温度:350℃)をN,N−ジメチルホルムアミドに溶解させた紡糸溶液(固形分濃度:12wt%、粘度:1600mPa・s)を調製した。
また、シリンジにポリテトラフルオロエチレン製チューブを接続し、更に前記チューブの先端に、内径が0.6mmのステンレススチール製ノズルを取り付けて、紡糸装置とした。次いで、前記ノズルに高電圧電源を接続した。更に、前記ノズルと対向し、10cm離れた位置に、表面に導電フッ素加工を施したステンレススチール薄板を取り付けたドラム(捕集体、接地)を設置した。
次いで、前記紡糸溶液を前記シリンジに入れ、マイクロフィーダーを用いて、重力の作用方向と直角の方向へ吐出する(吐出量:1mL/時間)とともに、前記ドラムを一定速度(表面速度:3.6m/分)で回転させながら、前記高電圧電源からノズルに+15kVの電圧を印加して、吐出した紡糸溶液に電界を作用させて繊維化し、前記ドラムのステンレススチール薄板上に極細繊維を集積させて極細繊維集合体を形成した。
その後、温度160℃で5分間熱処理を行い、極細繊維集合体からなる本発明のセパレータ(目付:4.6g/m、厚さ:24μm)を製造した。このセパレータを構成する極細繊維は連続繊維で、束状部分は存在せず、極細繊維が分散した状態にあり、しかも実質的に絡合していない状態にあった。このセパレータ(極細繊維集合体)の各種物性を表1に示す。
《実施例2》
ポリアクリロニトリル樹脂(軟化温度:190〜240℃、熱分解温度:350℃、ガラス転移温度:165℃)をN,N−ジメチルホルムアミドに溶解させた紡糸溶液(固形分濃度:10wt%、粘度:1200mPa・s)を調製し、この紡糸溶液を用いたこと以外は、実施例1と全く同様にして、極細繊維集合体からなる本発明のセパレータ(目付:3g/m、厚さ:13μm)を製造した。このセパレータを構成する極細繊維は連続繊維で、束状部分は存在せず、極細繊維が分散した状態にあり、しかも実質的に絡合していない状態にあった。このセパレータ(極細繊維集合体)の各種物性を表1に示す。
《実施例3》
ポリアクリロニトリル樹脂(軟化温度:190〜240℃、熱分解温度:350℃)をN,N−ジメチルホルムアミドに溶解させた紡糸溶液(固形分濃度:9.5wt%、粘度:700mPa・s)を調製し、この紡糸溶液を用いたこと、ノズルとドラム(捕集体)との距離を5cmとしたこと、高電圧電源からノズルへの印加電圧を+9kVとしたこと、及びノズルからの吐出量を0.4mL/時間としたこと以外は、実施例1と全く同様にして、極細繊維集合体からなる本発明のセパレータ(目付:2.5g/m、厚さ:11μm)を製造した。このセパレータを構成する極細繊維は連続繊維で、束状部分は存在せず、極細繊維が分散した状態にあり、しかも実質的に絡合していない状態にあった。このセパレータ(極細繊維集合体)の各種物性を表1に示す。
《実施例4》
完全けん化ポリビニルアルコール樹脂(重合度:1000、ガラス転移温度:225℃、熱分解温度:280℃)を水に溶解させた紡糸溶液(固形分濃度:10wt%、粘度:210mPa・s)を調製し、この紡糸溶液を用いたこと、高電圧電源からノズルへの印加電圧を+24kVとしたこと、及びノズルからの吐出量を0.5mL/時間としたこと以外は、実施例1と全く同様にして、極細繊維集合体からなる本発明のセパレータ(目付:2g/m、厚さ:9μm)を製造した。このセパレータを構成する極細繊維は連続繊維で、束状部分は存在せず、極細繊維が分散した状態にあり、しかも実質的に絡合していない状態にあった。このセパレータ(極細繊維集合体)の各種物性を表1に示す。
比較
集積時間を短くして、目付が1g/mとなるようにしたこと以外は実施例3と全く同様にして、極細繊維集合体(厚さ:4μm)を製造した。この繊維集合体を構成する極細繊維は連続繊維で、束状部分は存在せず、極細繊維が分散した状態にあり、しかも実質的に絡合していない状態にあった。この極細繊維集合体の各種物性(2層構造セパレータを剥離して測定したデータ)を表1に示す。
他方、ポリエチレンテレフタレートからなる第1ポリエステル繊維〔繊度:0.11dtex(繊維径:3.2μm)、繊維長5mm、融点:260℃、軟化温度:253℃、断面:円形〕と、ポリエチレンテレフタレートからなる第2ポリエステル繊維〔繊度:0.2dtex(繊維径:4.3μm)、繊維長:3mm、融点:260℃、軟化温度:247℃、断面:円形〕を用意した。
次いで、第1ポリエステル繊維と第2ポリエステル繊維を70:30の質量比率で分散させた水系スラリーを形成した。その後、順流円網、傾斜ワイヤー型短網、順流円網及びヤンキードライヤーを備えた抄紙機に、前記スラリーを各網へ供給してそれぞれ湿潤ウエブを形成し、それぞれの湿潤ウエブを積層した積層湿潤ウエブを形成し、続いて、この積層湿潤ウエブを温度120℃に設定したヤンキードライヤーにより乾燥した。
次いで、この乾燥した積層ウエブを温度200℃に設定した一対の熱カレンダーにより押圧(線圧力:450N/cm)して、目付6g/m、厚さ15μm、見掛密度0.40g/cm、平均繊維径3.6μmの湿式不織布(非極細繊維集合体層)を製造した。この湿式不織布の各種物性(2層構造セパレータを剥離して測定したデータ)を表1に示す。
そして、前記極細繊維集合体と湿式不織布とを重ね合わせた後に、リライアントプレス機(ASAHI社製、JR―10000LTS)により、設定圧力を0kgfとし、温度125℃で15秒間加圧して接着一体化し、2層構造セパレータ(目付:7g/m、厚さ:18μm、見掛密度:0.39g/cm、空隙率:71%)を製造した。
比較
実施例2と全く同様にして製造した極細繊維集合体を、温度150℃に加熱した恒温槽中で、ロール式延伸機により、捕集体であるドラムの回転方向と平行方向に、延伸速度500mm/min.、延伸倍率2.3倍で延伸処理を実施し、セパレータを製造した。このセパレータを構成する極細繊維は連続繊維で、束状部分は存在せず、極細繊維が分散した状態にあり、しかも実質的に絡合していない状態にあった。このセパレータ(延伸処理後の極細繊維集合体)の各種物性を表1に示す。
《実施例7》
実施例2と全く同様にして製造した極細繊維集合体を、温度170℃に加熱した乾燥機中で5分間、加熱処理を実施して、セパレータを製造した。このセパレータを構成する極細繊維は連続繊維で、束状部分は存在せず、極細繊維が分散した状態にあり、しかも実質的に絡合していない状態にあった。このセパレータ(加熱処理後の極細繊維集合体)の各種物性を表1に示す。
比較
実施例2と全く同様にして製造した極細繊維集合体を、温度50℃のカレンダーロール(線圧:0.8kN/cm)により緻密化処理を実施し、セパレータを製造した。このセパレータを構成する極細繊維は連続繊維で、束状部分は存在せず、極細繊維が分散した状態にあり、しかも実質的に絡合していない状態にあった。このセパレータ(緻密化処理後の極細繊維集合体)の各種物性を表1に示す。
《比較例1》
電気二重層キャパシタ用セパレータとして市販されているポリイミド多孔質膜(宇部興産株式会社製)を用意し、セパレータとした。このセパレータの各種物性を表1に示す。
《比較例2》
ポリエチレンテレフタレートからなる第1ポリエステル繊維〔繊度:0.11dtex(繊維径:3.2μm)、繊維長5mm、融点:260℃、軟化温度:253℃、断面:円形〕と、ポリエチレンテレフタレートからなる第2ポリエステル繊維〔繊度:0.2dtex(繊維径:4.3μm)、繊維長:3mm、融点:260℃、軟化温度:247℃、断面:円形〕を用意した。
次いで、第1ポリエステル繊維と第2ポリエステル繊維を70:30の質量比率で分散させた水系スラリーを形成した。その後、順流円網、傾斜ワイヤー型短網、順流円網及びヤンキードライヤーを備えた抄紙機に、前記スラリーを各網へ供給してそれぞれ湿潤ウエブを形成し、それぞれの湿潤ウエブを積層した積層湿潤ウエブを形成し、続いて、この積層湿潤ウエブを温度120℃に設定したヤンキードライヤーにより乾燥した。
次いで、この乾燥した積層ウエブを温度200℃に設定した一対の熱カレンダーにより押圧(線圧力:500N/cm)して、目付6g/m、厚さ13μm、見掛密度0.45g/cmの湿式不織布を製造し、セパレータとした。このセパレータの各種物性を表1に示す。
《比較例3》
常法のメルトブロー法により製造した、平均繊維径3.5μmのポリプロピレン繊維からなるメルトブロー不織布(目付:10g/m、厚さ:75μm)を用意し、このメルトブロー不織布をセパレータとした。このセパレータの各種物性を表1に示す。
《比較例4》
ポリエステルからなる海成分中に、高密度ポリエチレンとポリプロピレンとからなる島成分が61個存在する、複合紡糸法により得た海島型繊維(繊度:1.7dtex、長さ1mmに切断されたもの)を用意した。この海島型繊維を10mass%水酸化ナトリウム水溶液中に浸漬して、海成分であるポリエステルを加水分解により抽出除去した後、風乾して、島成分からなる高密度ポリエチレンとポリプロピレンとが混在した極細繊維(繊維径:2μm、繊維長:1mm、フィブリル化していない、延伸されている、繊維軸方向において実質的に同じ直径を有する、断面形状:海島型)を得た。
次いで、この極細繊維を分散させたスラリーを形成した後、順流円網、傾斜ワイヤー型短網、順流円網及びサクションドラムドライヤーを備えた抄紙機に、前記スラリーを各網へ供給して、それぞれ湿潤ウエブを形成し、それぞれの湿潤ウエブを積層した積層湿潤ウエブを形成し、続いて、この積層湿潤ウエブを温度140℃に設定したサクションドラムドライヤーにより乾燥した。
次いで、この乾燥した積層ウエブを温度60℃に設定した一対の熱カレンダーローラにより押圧(線圧力:500N/cm)して、目付6g/m、厚さ13μm、見掛密度0.45g/cmの湿式不織布を製造し、セパレータとした。このセパレータの各種物性を表1に示す。
《比較例5》
電気二重層キャパシタ用セパレータとして市販されているコンデンサ紙(ニッポン高度紙工業製、目付:16g/m、厚さ:40μm)を用意し、セパレータとした。このセパレータの各種物性を表1に示す。
《比較例6》
集積時間を長くして、目付が5.9g/mとなるようにしたこと以外は実施例1と全く同様にして、セパレータ(厚さ:30μm)を製造した。このセパレータの各種物性を表1に示す。
〔物性評価〕
(1)電解液保持性の評価
ディスク状(直径30mm)に裁断した各セパレータ試料を、それぞれ温度が20℃で、相対湿度が65%の環境下で、水分平衡に至らせた後、質量(M)を測定した。次に、各セパレータ試料中の空気をプロピレンカーボネートで置換するように、10分間浸漬して、プロピレンカーボネートを保持させた。そして、各セパレータ試料を上下3枚ずつのろ紙(直径:30mm)で挟み、加圧ポンプにより、1.6MPaの圧力で30秒間加圧した後、各セパレータ試料の質量(M)を測定した。
その後、次の式により加圧保液率を求めた。
加圧保液率(%)={(M−M)/M}×100
なお、この測定は各セパレータ試料ともに4回ずつ行い、その算術平均値を加圧保液率とした。結果を表2に示す。
表2から明らかなように、本発明のセパレータは非常に電解液の保持性に優れたものであり、キャパシタ電極が充放電時に膨張収縮を繰り返しても、セパレータ内の電解液が搾取されにくいため、キャパシタの寿命を長くすることができるものであることが予測できた。
(2)内部抵抗の測定
電極として、粒状活性炭、カーボンブラック、及びポリテトラフルオロエチレンを混ぜて練り上げた生成物を用い、集電極としてアルミニウム箔、セパレータ試料として実施例及び比較例の各セパレータ、及び電解液としてテトラエチルアンモニウム・テトラフルオロボーレイトをプロピレンカーボネートに溶解させたものを用意した。次いで、これらの材料を用いて、セパレータ試料ごとにコインセル型のキャパシタをそれぞれ10個ずつ作製した。
その後、各キャパシタの内部抵抗を、充放電試験機により測定した充放電カーブから求めた。すなわち、1Aの定電流で2分間、2.5Vまで充電した後、2分間で放電する操作により得られた充放電カーブから求めた。結果を表2に示す。表2から明らかなように、本発明のセパレータは内部抵抗が2.2Ω以下の優れたイオン透過性を示すものであった。
(3)漏れ電流の測定
前項(2)「内部抵抗の測定」欄で用いたコインセル型のキャパシタに、それぞれ20mAで2.5Vまで定電流で充電し、充電初期から24時間2.5Vに維持し、室温に72時間放置した後における電圧降下量をもとに、次の式から漏れ電流を算出した。
i=C×(dV/dt)
式中、iは漏れ電流を意味し、Cは静電容量を意味し、dVは電圧降下量を意味し、dtは時間をそれぞれ意味する。
結果を表2に示す。この漏れ電流は電流のリーク防止性を示し、低ければ低い程、良好なキャパシタであるが、本発明のセパレータを用いたキャパシタは、セパレータの厚さが25μm以下と薄いにもかかわらず、0.015mA以下の優れた電流リーク防止性を示すものであった。
(4)短絡防止性の評価
前項(2)「内部抵抗の測定」欄で用いたコインセル型のキャパシタをそれぞれ10個ずつ作製し、それぞれ充放電を100サイクル行なった後に短絡してしまい、不良品となったキャパシタの百分率(不良率)を算出した。結果を表2に示す。本発明のセパレータは、キャパシタ電極が充放電時に膨張収縮を繰り返すことにより脱落する電極部材(カーボンブラックや粒状活性炭)を透過させないため不良品を生じず、短絡防止性に優れるものであった。
(5)総合評価
前項(1)〜(4)の結果に基づいて、以下の7段階で総合評価を行った。結果を表2に示す。7段階の総合評価の内容は以下の通りである。
◎:電解液の保持性、短絡防止性、イオン透過性及びリーク防止性のいずれも非常に優れている。
○:電解液の保持性、短絡防止性、イオン透過性及びリーク防止性のいずれも優れている。
△1:イオン透過性が悪いため、使用用途が限定される。
△2:電解液の保持性、イオン透過性がやや悪く、不良率が高いため使用しにくい。
△3:イオン透過性がやや悪く、厚いため薄型のキャパシタを製造しにくい。
×1:電解液の保持性が悪く、また不良率が高いため使用できない。
×2:セパレータの孔径のバラツキが大きく、ショートしてしまい、キャパシタにならない。
Figure 0004898453
Figure 0004898453
本発明によるセパレータは、電気二重層キャパシタ用セパレータとして用いることができ、特に薄型の電気二重層キャパシタ用のセパレータとして有利に用いることができる。
前記セパレータを含む本発明の電気二重層キャパシタは、大容量の充放電が可能であるため、携帯情報機器や電気自動車、各種補助電源、深夜電力貯蔵など、幅広い産業分野において有用である。
以上、本発明を特定の態様に沿って説明したが、当業者に自明の変形や改良は本発明の範囲に含まれる。

Claims (8)

  1. 全体の厚さが25μm以下であり、静電紡糸法によって製造された極細繊維集合体層のみからなり、セパレータの目付が1〜4.6g/mであり、セパレータの空隙率が81〜95%であり、前記極細繊維集合体層を構成する極細繊維の平均繊維径が1μm以下であり、前記極細繊維集合体層の最大孔径が平均流量孔径の3倍以下であることを特徴とする、電気二重層キャパシタ用セパレータ。
  2. セパレータ全体の厚さが20μm以下であることを特徴とする、請求項1に記載の電気二重層キャパシタ用セパレータ。
  3. 極細繊維集合体層の平均流量孔径が1μm以下であることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の電気二重層キャパシタ用セパレータ。
  4. 極細繊維集合体層を構成する極細繊維の繊維径の標準偏差(Dd)の、極細繊維集合体層を構成する極細繊維の平均繊維径(Da)に対する比(Dd/Da)が0.25以下であることを特徴とする、請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の電気二重層キャパシタ用セパレータ。
  5. 極細繊維が、ポリアクリルニトリル、ポリフッ化ビニリデン、ポリイミド、ナイロン、ポリスチレン、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、及びポリビニルピロリドンからなる群から選ばれる樹脂少なくとも1種類から構成されていることを特徴とする、請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の電気二重層キャパシタ用セパレータ。
  6. 電気二重層キャパシタ用セパレータの少なくとも一方向における、目付1g/mあたりの引張り強さが0.15N/5mm幅以上であることを特徴とする、請求項1〜請求項のいずれか一項に記載の電気二重層キャパシタ用セパレータ。
  7. 極細繊維集合体層の最大孔径が0.75μm以上2μm以下である、請求項1〜のいずれか一項に記載の電気二重層キャパシタ用セパレータ。
  8. 請求項1〜のいずれか一項に記載の電気二重層キャパシタ用セパレータを備えている電気二重層キャパシタ。
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