JP2004172372A - 電気二重層キャパシタ用セパレータ及び電気二重層キャパシタ - Google Patents
電気二重層キャパシタ用セパレータ及び電気二重層キャパシタ Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】本発明の1つの電気二重層キャパシタ用セパレータは、表面に孔を有する多孔繊維を含む不織布からなる。また、別の電気二重層キャパシタ用セパレータは、母体繊維の繊維表面に粉体を担持した粉体担持繊維を含む不織布からなる。これら電気二重層キャパシタ用セパレータは、厚さが30μm以下、かつ空隙率が50〜80%であるのが好ましい。本発明の電気二重層キャパシタは前記セパレータを使用した、有機溶液又は硫酸溶液を電解液とするものである。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は電気二重層キャパシタ用セパレータ及び電気二重層キャパシタに関する。
【0002】
【従来の技術】
電気二重層キャパシタは比較的大きな容量をもち、しかも長寿命かつ急速充放電が可能であることから、電源の平滑化、ノイズ吸収などの従来の用途以外に、パーソナルコンピューターのメモリーバックアップ電源、二次電池の補助又は代替に用いられてきており、近年においては電気自動車用の二次電池としての用途が期待されている。
【0003】
この電気二重層キャパシタはイオン性溶液中に1対の電極が浸漬された構造を有している。この電気二重層キャパシタに電圧を印加すると、電極と反対符号のイオンが電極の近傍に分布してイオンの層を形成する一方、電極の内部にはイオンと反対符号の電荷が蓄積される。次いで、電極間に負荷をつなぐと、電極内の電荷が放電されると同時に、電極近傍に分布していたイオンは電極近傍から離れて中和状態に戻る。
【0004】
このような電気二重層キャパシタにおいて、1対の電極が接触してしまうと、電極近傍においてイオンの層を形成することが困難になるため、通常、1対の電極間にセパレータが配置されている。このセパレータは前記のような電極間の短絡防止性を有することに加えて、イオン透過性に優れている必要がある。
【0005】
このようなイオン透過性に優れる電気二重層キャパシタとして、本願出願人は「フィブリルを有する繊維と、繊度が0.45dtex以下の細ポリエステル繊維とを含む繊維シートからなる電気二重層キャパシタ」(特許文献1)、及び「繊度が0.45dtex以下の細ポリエステル繊維を30mass%以上含む繊維シートに酸素含有官能基が導入された、厚さが10〜50μmの電気二重層キャパシタ用セパレータ」(特許文献2)を提案した。これらの電気二重層キャパシタ用セパレータを使用した電気二重層キャパシタは、ある程度イオン透過性に優れ、抵抗の低いものであったが、市場においては更にイオン透過性に優れ、更に抵抗の低い電気二重層キャパシタが要望されていた。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−244150号公報(特許請求の範囲)
【特許文献2】
特開2002−184653号公報(特許請求の範囲)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記の問題を解決するためになされたもので、更に抵抗の低い電気二重層キャパシタとすることのできる電気二重層キャパシタ用セパレータ、及び電気二重層キャパシタを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の1つの電気二重層キャパシタ用セパレータ(以下、「第1セパレータ」という)は、表面に孔を有する多孔繊維を含む不織布からなる。この第1セパレータは多孔繊維を含んでいることによって空隙率が高く、電解液の保持率が高いため、電気二重層キャパシタの抵抗を低くすることができる。
【0009】
前記多孔繊維の孔が繊維表面のみに形成されていると、孔の表面を全て利用することができ、電解液との馴染みが良いため、電気二重層キャパシタ用セパレータの抵抗を低くできるばかりでなく、多孔繊維の機械的強度も優れているため、第1セパレータの機械的強度も優れている。
【0010】
前記多孔繊維の平均繊維径が7μm以下であると、第1セパレータの厚さを薄くすることができ、厚さを薄くしても開口径を均一にすることができるうえ、空隙率を高くすることができるため、絶縁性に優れ、抵抗をより低くすることができる。
【0011】
前記多孔繊維のみから構成されていると、特に空隙率が高く、特に電解液の保持率が高いため、特に抵抗の低い電気二重層キャパシタとすることができる第1セパレータである。
【0012】
前記多孔繊維は合成樹脂から構成されているのが好ましい。
【0013】
本発明の別の電気二重層キャパシタ用セパレータ(以下、「第2セパレータ」という)は、母体繊維の繊維表面に粉体を担持した粉体担持繊維を含む不織布からなる。この第2セパレータは粉体担持繊維を含んでいることによって、第2セパレータの表面積が広く、電解液の保持性に優れているため、電気二重層キャパシタの抵抗を低くすることができる。
【0014】
前記母体繊維の平均繊維径が7μm以下であると、厚さを薄くすることができ、厚さを薄くしても開口径を均一にすることができるうえ、第2セパレータの表面積を広くすることができるため、絶縁性に優れ、抵抗をより低くすることができる。
【0015】
前記粉体が無機酸化物からなると、化学的な安定性に優れ、電気二重層キャパシタ構成部材と化学反応することはないため、安定した電気二重層キャパシタとすることができる。
【0016】
前記粉体担持繊維のみから構成されていると、特に第2セパレータの表面積が広く、特に電解液の保持性に優れているため、特に抵抗の低い電気二重層キャパシタとすることができる第2セパレータである。
【0017】
前記母体繊維は合成樹脂から構成されているのが好ましい。
【0018】
本発明の電気二重層キャパシタ用セパレータ(第1セパレータ及び第2セパレータ、以下単に「セパレータ」と表記する場合には第1セパレータと第2セパレータの両方を指す)は、厚さが30μm以下、かつ空隙率が50〜80%であるのが好ましい。このような厚さかつ空隙率であると、抵抗が低く、体積あたりのエネルギー密度の高い電気二重層キャパシタを作製できるセパレータであることができる。
【0019】
本発明の電気二重層キャパシタ(以下、「キャパシタ」という)は、前記の電気二重層キャパシタ用セパレータを備えている。そのため、抵抗が低く、体積あたりのエネルギー密度の高いキャパシタであることができる。
【0020】
前記キャパシタを構成する電解液は有機溶液、硫酸溶液のいずれであることもできる。
【0021】
【発明の実施の形態】
本発明の第1セパレータは、多孔繊維を含んでいることによって空隙率が高く、電解液の保持率が高いため、電気二重層キャパシタの抵抗を低くすることができるものである。また、多孔繊維の表面積が広いため、目付を低くして厚さを薄くしたとしても電解液の保持性に優れているため、電気二重層キャパシタの抵抗を低くすることができる。
【0022】
本発明の第1セパレータは、表面に孔を有する多孔繊維を含む不織布から構成されている。本発明の多孔繊維は繊維表面のみに孔が形成されていても良いし、繊維表面に加えて繊維内部にも孔が形成されていても良い。前者のように繊維表面のみに孔が形成されていると、孔の表面を全て利用することができ、電解液との馴染みが良いため抵抗が低くなるばかりでなく、多孔繊維の機械的強度も優れており、第1セパレータの機械的強度も優れているため好適である。
【0023】
なお、前者の「繊維表面のみに孔が形成されている」とは、表面から見える(例えば、走査型電子顕微鏡で繊維の表面を撮影した映像で見える)孔のみが、多孔繊維の表面に形成されていることを意味する。この繊維表面のみに孔を有する多孔繊維の一部拡大断面図である図1(a)、(b)から明らかなように、多孔繊維10の表面側から孔11を観察した際に、繊維の厚さ方向における孔11の最深部を、孔11の開孔部13から確認できる状態にある。別の見方をすると、孔11は繊維表面12が陥没した、又は繊維表面12の一部をくりぬいたような形状である。
【0024】
本発明の多孔繊維は繊維表面全体に均一に孔を備えている必要はない。例えば、多孔繊維の第1セパレータの面壁側表面においては多数の孔を有するものの、多孔繊維の第1セパレータの側壁側表面においては前記面壁側表面よりも孔の数が少ない状態にあっても良い。このような多孔繊維は、例えば、非多孔繊維を使用して不織布を形成した後に後述のような方法により多孔繊維を形成した場合に形成されやすい。
【0025】
本発明の多孔繊維は合成樹脂から構成されているのが好ましい。この合成樹脂としては、例えば、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、又はポリアミド系樹脂などを挙げることができ、多孔繊維は1種類以上の合成樹脂から構成することができる。2種類以上の合成樹脂から構成されている場合、融点の異なる2種類以上の合成樹脂が複合された複合繊維を挙げることができ、例えば、共重合ポリエステル/ポリエステル、共重合ポリプロピレン/ポリプロピレン、ポリプロピレン/ポリアミド、ポリエチレン/ポリプロピレン、ポリプロピレン/ポリエステル、又はポリエチレン/ポリエステルなどの樹脂の組み合わせからなる複合繊維を挙げることができる。
【0026】
また、本発明の多孔繊維は繊維全体が合成樹脂から構成されているのが好ましいが、芯部分が融点を有せずに分解温度を有するような繊維、例えば、レーヨン繊維、アセテート繊維、羊毛繊維、又は炭素繊維などの繊維からなり、鞘部分が合成樹脂からなる繊維であっても良い。また、本発明の多孔繊維は芯部分が、例えば、ガラス繊維、セラミック繊維、又は金属繊維などの無機繊維からなり、鞘部分が合成樹脂からなる繊維であっても良い。これら多孔繊維は、例えば、コーティングなどにより塗布して鞘部分を形成した後に多孔化して得ることができる。
【0027】
本発明の多孔繊維の平均繊維径は7μm以下であるのが好ましい。平均繊維径が7μm以下であれば厚さが薄くても、地合いが均一で、開口径も小さく、絶縁性に優れ、短絡を防止できる第1セパレータとしやすい。より好ましくは6μm以下である。なお、多孔繊維の平均繊維径の下限は特に限定するものではないが、1μm程度が適当である。
【0028】
本発明の「繊維径」とは、繊維の横断面形状が円の時にはその直径をいい、円以外の時には、繊維の横断面積と同じ面積の円の直径をいい、「平均繊維径」とは、繊維の任意の500箇所以上からのサンプリングによる繊維径の数平均値をいう。なお、市販されている繊維の場合、カタログや仕様書に数平均繊維径が明示されている場合は、その値を繊維の平均繊維径としてもよい。また、カタログや仕様書に繊度が明示されている場合には、繊度から比重をもとに換算した値を平均繊維径としてもよい。
【0029】
本発明の多孔繊維の「繊維長」は、多孔繊維の分散性に優れ、電極間の絶縁性に優れているように、20mm以下であるのが好ましく、10mm以下であるのがより好ましい。なお、多孔繊維の繊維長の下限は特に限定するものではないが、1mm程度が適当である。本発明の「繊維長」は、JIS L 1015(化学繊維ステープル試験法)B法(補正ステープルダイヤグラム法)により得られる値をいう。
【0030】
本発明の多孔繊維の横断面形状は円形である必要はなく、非円形(例えば、三角形などの多角形、長円、楕円、T状などアルファベット形状など)でも良い。また、十分な空隙率を有し、電解液の保持率が高い第1セパレータであるように、多孔繊維はフィブリル化していないのが好ましい。
【0031】
本発明の第1セパレータは上述のような多孔繊維を含む不織布からなるが、多孔繊維の含有量が多ければ多い程、表面積が多く、空隙率が高くなり、電解液の保持性及び保持量が多くなってキャパシタの抵抗を低くすることができ、また第1セパレータの濡れ性を向上させることができるため、多孔繊維は第1セパレータ全体の50mass%以上を占めているのが好ましく、60mass%以上を占めているのがより好ましく、70mass%以上を占めているのが更に好ましく、90mass%以上を占めているのが更に好ましく、100mass%多孔繊維からなるのが最も好ましい。なお、多孔繊維以外の繊維として、例えば、孔を全く備えていない繊維を挙げることができる。
【0032】
このような本発明の第1セパレータは、例えば、次のようにして製造することができる。
【0033】
まず、多孔繊維を用意する。例えば、繊維表面に加えて繊維内部にも孔が形成されている多孔繊維は、多孔繊維を構成する樹脂と多孔繊維を構成する樹脂とは或る溶媒に対する溶解性の異なる樹脂(異種樹脂)とを混合して紡糸した後に、前記異種樹脂を除去して製造する方法、(2)多孔繊維を構成する樹脂と発泡剤とを混合して紡糸した後に発泡剤を発泡させて製造する方法、(3)ポリオレフィン又はポリオレフィンに親水性ポリマーを均一にブレンドしたポリマーを、通常の繊維紡糸用口金を用いて溶融紡糸し、結晶性未延伸糸を得た後、そのまま延伸して多孔化、又はポリマーの融点以下、好ましくは120℃以下で定長下又は弛緩状態でアニール処理をした後、延伸して多孔化して製造する延伸開孔法、により製造することができる。
【0034】
他方、繊維表面のみに孔が形成されている多孔繊維は、次のようにして製造することができる。まず、表面非多孔繊維を用意する。この表面非多孔繊維は繊維表面に少なくとも熱可塑性樹脂を備えた繊維表面に孔のない繊維であり、後述の手段によって繊維表面のみに孔を形成した多孔繊維(以下、「表面多孔繊維」という)となる。この表面非多孔繊維における熱可塑性樹脂の繊維表面に占める面積は特に限定するものではないが、広ければ広いほど表面多孔繊維の表面積を広くすることができるため、熱可塑性樹脂は表面非多孔繊維の表面積の50%以上を占めているのが好ましく、60%以上を占めているのがより好ましく、70%以上を占めているのが更に好ましく、90%以上を占めているのが更に好ましく、100%熱可塑性樹脂からなるのが最も好ましい。
【0035】
この表面非多孔繊維として、例えば、従来の繊維の製法である溶融紡糸法により得られる合成繊維、従来の不織布の製法であるスパンボンド法、メルトブロー法、若しくはフラッシュ紡糸法などによって得られる繊維、又は、芯部分が天然繊維若しくは無機繊維からなり鞘部分が熱可塑性樹脂からなる繊維、海部分がポリエステルからなり島部分がポリオレフィンからなる海島繊維を高温の強アルカリ水で海成分を溶解除去して得られた島部分からなるポリオレフィン繊維などを挙げることができる。
【0036】
次いで、上述のような表面非多孔繊維の表面に固体粒子を固着させて固体粒子固着繊維を形成する。
【0037】
この固体粒子は、前記表面非多孔繊維の表面を構成する熱可塑性樹脂の融点より高い融点又は分解温度を有し、かつ固着後に除去することができる固体粒子である限り、無機質又は有機質のいずれであることもできる。このような固体粒子としては、例えば、表面非多孔繊維の表面を構成する熱可塑性樹脂を実質的に溶解しない溶媒(例えば、水、水溶液、酸、アルカリ性水溶液など)に対して溶解する固体粒子(例えば、水溶性無機物、金属塩、水溶性樹脂、金属など)がある。このような固体粒子は前記溶媒を用いて抽出除去することができる。また、抽出除去以外に、振動、超音波洗浄、繊維の収縮などによって、除去できる固体粒子であっても良い。より具体的には、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、炭酸カルシウム、その他各種金属塩、水溶性樹脂、金属粒子、セラミックス、ゼオライト、その他各種無機物など、を挙げることができる。
【0038】
前記固体粒子の融点又は分解温度は、加熱した固体粒子の熱によって表面非多孔繊維の表面が溶けて又は変形して、固体粒子が繊維表面に固着されるように、表面非多孔繊維表面を構成する熱可塑性樹脂の中で、最も低い融点を有する樹脂の融点よりも高いことが必要である。本発明における「融点」は示差走査熱量分析(DSC)法により得られる値をいい、「分解温度」は熱重量分析(TGA)法により得られる値をいう。
【0039】
前記固体粒子の平均粒子径は特に限定するものではないが、電解液の保持率を上げ、有効に電解液を保持できるように、固体粒子の平均粒子径は0.01〜5μmであるのが好ましく、0.02〜2μmであるのがより好ましい。本発明における固体粒子の平均粒子径は、固体粒子の数平均粒子径をいう。なお、この「数平均粒子径」は、固体粒子を走査型電子顕微鏡等で拡大して撮影し、任意の500個以上の固体粒子の粒子径を測定した後に、これら固体粒子の粒子径から算出した算術平均値をいう。この際に固体粒子が球形でない場合には、撮影した固体粒子の映像で確認しうる個々の固体粒子の外接円の直径を個々の粒子の粒子径とみなす。なお、市販されている固体粒子の場合、カタログや仕様書に数平均粒子径が明示されている場合はその値を固体粒子の平均粒子径としてもよい。
【0040】
表面非多孔繊維の表面に固体粒子を固着させる方法としては、例えば、前述のような固体粒子を、表面非多孔繊維の表面を構成する熱可塑性樹脂の融点以上、固体粒子の融点又は分解温度未満の温度までの、固体としての形状を保持する範囲の温度で加熱した固体粒子を表面非多孔繊維と接触させ、表面非多孔繊維表面の融着又は変形により固着させる方法がある。また、表面非多孔繊維表面を前記熱可塑性樹脂の融点以上の高い温度に加熱した状態で、前記のような固体粒子と接触させることにより、表面非多孔繊維表面の融着又は変形により固着させる方法でも良い。前者の方法によると、固体粒子が埋没してしまうことがなく、確実に孔を形成できるためより好適である。
【0041】
この表面非多孔繊維と固体粒子との接触方法は、表面非多孔繊維に固体粒子を固着させることができる限り、特に限定されるものではないが、例えば、(1)加熱した固体粒子を含有する気流を表面非多孔繊維に吹き付ける方法、(2)加熱した固体粒子を表面非多孔繊維に対して自然落下させる方法、(3)加熱した固体粒子と表面非多孔繊維とを装入した容器を振盪する方法、(4)加熱した固体粒子の中に表面非多孔繊維を浸漬する方法、あるいは(5)加熱した固体粒子の流動層中に表面非多孔繊維を曝す方法、などを挙げることができる。
【0042】
次いで、固体粒子固着繊維の固体粒子を除去して、表面多孔繊維を得る。
【0043】
この固体粒子固着繊維の固体粒子を除去する方法は、固体粒子固着繊維の固体粒子を除去することができる限り特に限定されず、例えば、表面非多孔繊維表面を構成する熱可塑性樹脂を実質的に溶解しない溶媒で溶解する固体粒子を、前記溶媒を用いて固体粒子を除去する方法がある。例えば、固体粒子として、水溶性無機物、金属塩、水溶性樹脂、金属などを用い、溶媒として、例えば、水、水溶液、酸、アルカリ性水溶液などを用いて固体粒子を除去できる。特に、固体粒子として金属塩又は水溶性樹脂を用い、水で除去する方法は、生産コストの負担が少なく好適である。このような金属塩としては、例えば、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、塩化アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムなどがある。また、このような水溶性樹脂として、例えば、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリアクリル酸などがある。
【0044】
固体粒子固着繊維の固体粒子を除去する他の方法として、例えば、固体粒子固着繊維を振動させて固体粒子を剥離させる方法、固体粒子固着繊維を超音波洗浄によって固体粒子を剥離させる方法、或いは固体粒子固着繊維を伸長又は収縮させて、固体粒子を剥離させる方法などを挙げることができる。
【0045】
このような製造方法により製造された表面多孔繊維は、表面非多孔繊維が本来有する繊維強度などの諸物性を維持したまま、繊維表面のみに孔を有する表面積の広いものである。また、固体粒子の形状及び大きさに応じた孔を形成できるため、適宜固体粒子を選択することによって、適用するキャパシタに適した孔を形成できる。
【0046】
次いで、前述のような多孔繊維を用いて、常法により不織布を形成する。なお、多孔繊維だけではなく、孔を全く備えていない繊維などを併用して不織布を形成しても良い。
【0047】
より具体的には、カード法やエアレイ法などの乾式法、或いは湿式法により繊維ウエブを形成する。なお、湿式法により得られた繊維ウエブは目付及び厚さのばらつきが小さいので、より絶縁性に優れる第1セパレータを得ることができる。特に、湿式法により形成した繊維ウエブを湿潤状態で複数層積層すると、開口径が均一で、目付が小さくても絶縁性が良好であるため、単位体積当たりのエネルギー密度の大きいキャパシタを製造できる第1セパレータとすることができるため好適である。
【0048】
次いで、繊維ウエブをそのまま不織布として使用してもよいが、交絡処理及び/又は熱処理を行って第1セパレータの機械的強度を高めるのが好ましい。交絡処理としては、例えば、水流交絡処理やニードルパンチによる交絡処理などを挙げることができる。他方、熱処理は、繊維ウエブ構成繊維の互いの接触点を融着又は固着させて、第1セパレータの機械的強度を高めることができる。なお、熱処理温度は多孔繊維の孔を塞がないように適宜調整する必要がある。この熱処理温度は実験的に適宜決定することができる。
【0049】
以上、多孔繊維を使用して不織布を製造する方法について説明したが、本発明の第1セパレータはこの方法に限定されず、例えば、非多孔繊維(例えば、表面非多孔繊維)を使用して不織布を形成した後に、非多孔繊維を多孔化して多孔繊維を含む不織布、つまり第1セパレータとすることができる。この方法によると、第1セパレータの機械的強度を高めるために非多孔繊維を融着させたとしても、融着後に多孔繊維を形成するため、多孔繊維の表面積を減少させることなく、電解液の保持性に優れ、電解液の保持率が高く、抵抗の低いキャパシタを形成できる第1セパレータを製造できるため好適である。
【0050】
本発明の別のセパレータである第2セパレータは、母体繊維の繊維表面に粉体を担持した粉体担持繊維を含む不織布からなる。そのため、粉体担持繊維を含んでいることによって表面積が広く、電解液の保持性に優れているため、イオン透過性が良好で、抵抗が低く、単位体積当たりのエネルギー密度の高い電気二重層キャパシタを製造することができるものである。また、粉体担持繊維の表面積が広いため、目付を低くして厚さを薄くしたとしても電解液の保持性に優れているため、電気二重層キャパシタの抵抗を更に低くすることができる。更に、粉体の種類によって、電解液との濡れ性を向上させることができるため、更に抵抗を低くすることができる。
【0051】
本発明の粉体担持繊維は母体繊維の表面全体に均一に粉体が担持されている必要はない。例えば、粉体担持繊維の第2セパレータの面壁側表面においては多数の粉体が担持されているものの、粉体担持繊維の第2セパレータの側壁側表面においては前記面壁側表面よりも粉体の数が少ない状態にあっても良い。このような粉体担持繊維は、例えば、母体繊維を使用して不織布を形成した後に後述のような方法により粉体担持繊維を形成した場合に形成されやすい。
【0052】
本発明の粉体担持繊維を構成する母体繊維は多孔繊維と同様の合成樹脂から構成されているのが好ましい。
【0053】
本発明の母体繊維の平均繊維径は7μm以下であるのが好ましい。母体繊維の平均繊維径が7μm以下であれば厚さが薄くても、地合いが均一で、開口径も小さく、絶縁性に優れ、短絡を防止できる第2セパレータとしやすい。より好ましくは6μm以下である。なお、母体繊維の平均繊維径の下限は特に限定するものではないが、1μm程度が適当である。また、母体繊維の「繊維長」は、粉体担持繊維の分散性に優れ、電極間の絶縁性に優れているように、20mm以下であるのが好ましく、10mm以下であるのがより好ましい。なお、母体繊維の繊維長の下限は特に限定するものではないが、1mm程度が適当である。
【0054】
本発明の母体繊維の横断面形状は円形である必要はなく、非円形(例えば、三角形などの多角形、長円、楕円、T状などアルファベット形状など)でも良い。また、電解液の保持率が高い第2セパレータであるように、母体繊維はフィブリル化していないのが好ましい。
【0055】
本発明の第2セパレータを構成する粉体担持繊維は上述のような母体繊維の繊維表面に粉体を担持した繊維であるが、粉体は無機質、有機質のいずれであることもできる。このような固体粒子としては、例えば、無機酸化物、金属塩、熱硬化性樹脂などがある。より具体的には、無機酸化物として、酸化チタン、アルミナ、珪藻土、ヒドロキシアパタイト、ゼオライト、カオリン、酸化ケイ素などを挙げることができ、金属塩として、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、炭酸カルシウムなどを挙げることができ、熱硬化性樹脂として、フェノール樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂などを挙げることができ、その他にもアラミド樹脂などを挙げることができる。これらの中でも、無機酸化物は化学的な安定性に優れ、キャパシタ構成部材と化学反応することがないため好適である。
【0056】
前記粉体の平均粒子径は特に限定するものではないが、電解液の保持性に優れ、電解液の保持率を上げることができるように、粉体の平均粒子径は0.01〜5μmであるのが好ましく、0.02〜2μmであるのがより好ましい。なお、母体繊維の粉体担持量は粉体の粒径によって異なるため特に限定するものではないが、母体繊維の表面を全体的に被った状態となる量であるのが好ましい。この量は実験を繰り返すことにより適宜決定することができる。
【0057】
本発明の第2セパレータは上述のような粉体担持繊維を含む不織布からなるが、粉体担持繊維の含有量が多ければ多い程、表面積が広くなり、電解液の保持性が高くなってキャパシタの抵抗を低くすることができ、また第2セパレータの濡れ性を向上させることができるため、粉体担持繊維は第2セパレータ全体の50mass%以上を占めているのが好ましく、60mass%以上を占めているのがより好ましく、70mass%以上を占めているのが更に好ましく、90mass%以上を占めているのが更に好ましく、100mass%粉体担持繊維からなるのが最も好ましい。なお、粉体担持繊維以外の繊維として、例えば、粉体を担持していない繊維を挙げることができる。
【0058】
このような本発明の第2セパレータは、例えば、次のようにして製造することができる。
【0059】
まず、母体繊維を用意する。この母体繊維として、第1セパレータ製造時に使用できる表面非多孔繊維と全く同様の繊維を使用することができる。
【0060】
次いで、母体繊維の表面に固体粒子を担持(例えば、固着)させて、粉体担持繊維を形成する。この固体粒子を担持させる方法としては、例えば、前述のような固体粒子を、母体繊維の表面を構成する熱可塑性樹脂の融点以上、固体粒子の融点又は分解温度未満の温度までの、固体としての形状を保持する範囲の温度で加熱した固体粒子を母体繊維と接触させ、母体繊維表面の融着又は変形により固着させて担持する方法がある。また、母体繊維を、母体繊維表面を構成する熱可塑性樹脂の融点以上の温度に加熱した状態で、前記のような固体粒子と接触させ、母体繊維の融着又は変形により固着させて担持する方法でも良い。前者の担持方法によると、固体粒子が埋没してしまうことがなく、確実に表面積を広くできるためより好適である。前者の担持方法の場合、固体粒子の融点又は分解温度は、加熱した固体粒子の熱によって母体繊維の表面が溶けて又は変形して、固体粒子が繊維表面に固着されるように、母体繊維表面を構成する熱可塑性樹脂の中で、最も低い融点を有する樹脂の融点よりも高いことが必要である。
【0061】
この母体繊維と固体粒子との接触方法は、第1セパレータを製造する際の表面非多孔繊維に固体粒子を固着させる方法と全く同様にして接触させることができる。
【0062】
このような製造方法により製造された粉体担持繊維は、母体繊維が本来有する繊維強度などの諸物性を維持した、表面積の広いものである。また、固体粒子を適宜選択することによって、電解液との濡れ性を向上させることができるため、抵抗を更に低くすることができる。
【0063】
次いで、前述のような粉体担持繊維を用い、場合により粉体を担持していない繊維を併用し、第1セパレータと同様の方法により不織布、つまり第2セパレータを製造することができる。この第2セパレータを製造する場合にも、湿式法により形成した繊維ウエブを湿潤状態で複数層積層して繊維ウエブを形成するのが好ましい。
【0064】
なお、第1セパレータの製造方法と同様に、母体繊維を使用して不織布を形成した後に母体繊維に粉体を担持させて粉体担持繊維を形成し、粉体担持繊維を含む不織布、つまり第2セパレータとすることもできる。この方法によると、不織布を形成する際に粉体担持繊維の粉体が脱落しないため、粉体の特性を有効に利用できるため好適である。
【0065】
上述のような本発明のセパレータ(第1セパレータ及び第2セパレータ)は、厚さが30μm以下、かつ空隙率が50〜80%であるのが好ましい。このような厚さかつ空隙率であると、抵抗が低く、体積あたりのエネルギー密度の高い電気二重層キャパシタを作製できるセパレータであることができるためである。厚さが30μm以下であると抵抗が低く、しかも単位体積当たりのエネルギー密度を高くすることが容易であるためで、より好ましくは28μm以下である。なお、厚さの下限は特に限定するものではないが、絶縁性に優れ、微短絡及びトンネル電流による電圧低下による弊害が発生しにくいように、10μm以上であるのが好ましい。また、空隙率は電解液の保持量が多く、イオン透過性に優れ、結果として抵抗が低いように40%以上であるのが好ましく、45%以上であるのがより好ましい。他方、絶縁性及び機械的強度(特に引張り強さ)が優れているように、70%以下であるのが好ましく、65%以下であるのがより好ましい。なお、本発明における「厚さ」は、マイクロメーター(500g荷重時の値)により測定した値をいい、「空隙率(P)」は次の式によって得られる値をいう。
空隙率(P)={1−W/(T×d)}×100
ここで、Wはセパレータの目付(g/m2)を意味し、Tはセパレータの厚さ(μm)を意味し、dはセパレータ構成樹脂(例えば、繊維)の密度(g/cm3)を意味する。なお、構成樹脂が2種類以上存在している場合、構成樹脂の密度は各構成樹脂の質量平均をいう。例えば、密度d1の樹脂Aがa(mass%)と、密度d2の樹脂Bがb(mass%)存在している場合、構成樹脂の密度(d)は次の式により得られる値をいう。
密度(d)=d1×a/100+d2×b/100
【0066】
本発明のキャパシタは上述のようなセパレータ(第1セパレータ又は第2セパレータ)を備えたものであり、セパレータとして上述のものを使用していること以外は、従来のキャパシタと全く同様であることができる。
【0067】
例えば、活性炭、導電性を有する充填材(カーボンブラックやアセチレンブラックなど)及び結着剤を混練した後に成型した一対の電極材の間を、本発明のセパレータによって絶縁しており、前記電極材のセパレータと接触しない側にアルミニウム箔などの集電材が密着しており、これら全体がケース又はアルミニウムラミネートパック内に収納された構造を有している。なお、セパレータは電解液を保持しているが、その電解液は有機溶媒、硫酸溶液のいずれであっても保持することができる。
【0068】
以下に、本発明の実施例を記載するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0069】
【実施例】
(実施例1)
ポリエチレンテレフタレート(融点:260℃、軟化温度:253℃)からなる極細繊維(繊度:0.11dtex、繊維長:5mm、平均繊維径:3μm、横断面形状:円形、フィブリル化していない)と、ポリエチレンテレフタレート(融点:260℃、軟化温度:231℃)からなる未延伸繊維(繊度:0.22dtex、繊維長:3mm、平均繊維径:5μm、横断面形状:円形、フィブリル化していない)とを用意した。
【0070】
次いで、前記極細繊維70mass%と未延伸繊維30mass%とを分散させたスラリーから繊維ウエブを形成した後、湿潤状態で3枚積層して積層繊維ウエブを形成した。
【0071】
次いで、この積層繊維ウエブを温度180℃に設定されたドライヤーにより熱処理することにより、未延伸繊維を圧着させて、目付が15g/cm2で、厚さが40μmの圧着不織布を製造した。
【0072】
次いで、この圧着不織布を温度180℃に設定された一対の熱カレンダーロール間を通して、セパレータ用基材(厚さ:25μm、空隙率:57%)を製造した。
【0073】
次に、塩化ナトリウム(融点:800℃、和光純薬製)を粉砕機にかけて粉砕して、一次粒子の平均粒子径が0.5μmである塩化ナトリウム微粒子を得た。
【0074】
次いで、この塩化ナトリウム微粒子100gを直径15cmのシャーレに入れ、蓋をした状態で温度300℃に設定されたドライヤー中で30分以上加熱し、ドライヤーからシャーレを取り出した直後に、上記セパレータ用基材(10cm角)をシャーレに入れ、そのまま素早くシャーレを30秒間振動させ、塩化ナトリウム微粒子をセパレータ用基材全体に固着させて、塩化ナトリウム微粒子が固着したセパレータ用基材を製造した。
【0075】
その後、塩化ナトリウム微粒子が固着したセパレータ用基材を水洗することにより塩化ナトリウム微粒子を除去して、表面のみに孔が形成された多孔繊維のみからなる第1セパレータ(厚さ:25μm、空隙率:58%)を製造した。
【0076】
(実施例2)
実施例1と全く同様にしてセパレータ用基材(厚さ:25μm、空隙率:57%)を製造した。
【0077】
次に、二酸化珪素(融点:1700℃、三菱マテリアル社製)を粉砕機にかけて粉砕して、一次粒子の平均粒子径が0.5μmである二酸化珪素微粒子を得た。
【0078】
次いで、この二酸化珪素微粒子100gを直径15cmのシャーレに入れ、蓋をした状態で温度300℃に設定されたドライヤー中で30分以上加熱し、ドライヤーからシャーレを取り出した直後に、上記セパレータ用基材(10cm角)をシャーレに入れ、そのまま素早くシャーレを30秒間振動させ、二酸化珪素微粒子をセパレータ用基材全体に固着して担持させ、二酸化珪素微粒子を担持した粉体担持繊維のみからなる第2セパレータ(厚さ:25μm、空隙率:56%)を製造した。
【0079】
(比較例1)
パラ系芳香族ポリアミドからなるフィブリル繊維(登録商標:ケブラー、デュポン製、炭化温度:500℃以上)と、ポリエチレンテレフタレートからなる、繊度が0.11dtexで、繊維長が3mmの細繊維(融点:260℃、軟化温度:253℃、横断面形状:円形)を用意した。
【0080】
次いで、フィブリル繊維と細繊維とを1:1の質量比率で含むスラリーを形成した後、傾斜ワイヤー型短網方式により繊維ウエブを形成した。
【0081】
次いで、この繊維ウエブを温度120℃に設定された熱風循環式乾燥機により乾燥した。
【0082】
次いで、この乾燥した繊維ウエブを温度220℃に設定された一対の熱カレンダーロールにより押圧(線圧力:4.7kN/cm)して、目付が30g/m2の比較用セパレータ(厚さ:36μm、空隙率:40%)を製造した。
【0083】
(比較例2)
実施例1と全く同様にして製造したセパレータ用基材(厚さ:25μm、空隙率:57%)を比較用セパレータとした。
【0084】
(抵抗値の測定)
電極として、粒状活性炭、カーボンブラック及びポリテトラフルオロエチレンを混ぜて練り上げたもの、集電極としてアルミ箔、セパレータとして実施例1〜2及び比較例1〜2のセパレータ、及び電解液としてテトラエチルアンモニウム・テトラフルオロボーレイトをプロピレンカーボネートに溶解させたもの(有機系)及び30重量%硫酸(水系)を用意した。
【0085】
次いで、これら材料から各セパレータ毎にコインセル型のキャパシタを作製した後、これらの内部抵抗を測定した。これらの結果は表1に示す通りであった。
【0086】
【表1】
【0087】
この表1から明らかなように、本発明のセパレータは抵抗値が2Ωよりも低いイオン透過性の優れるものであった。なお、本発明のセパレータは厚さが25μmと薄いものであったが、短絡を発生させることなく抵抗値を測定できるものであった。更に、本発明のセパレータを使用してコインセル型のキャパシタを作製する際にセパレータが破断するなどの問題が発生せず、強度的にも十分なセパレータであった。
【0088】
【発明の効果】
本発明の電気二重層キャパシタ用セパレータは、表面積が広く、電解液の保持性に優れ、電解液の保持率が高いため、電気二重層キャパシタの抵抗を低くすることができるものである。
【0089】
本発明の電気二重層キャパシタは抵抗の低いものであることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a) 本発明の繊維表面のみに孔を有する多孔繊維の一部拡大断面図
(b) 本発明の繊維表面のみに孔を有する別の多孔繊維の一部拡大断面図
【符号の説明】
10 多孔繊維
11 孔
12 繊維表面
13 開孔部
Claims (14)
- 表面に孔を有する多孔繊維を含む不織布からなることを特徴とする電気二重層キャパシタ用セパレータ。
- 前記多孔繊維の孔は繊維表面のみに形成されていることを特徴とする、請求項1記載の電気二重層キャパシタ用セパレータ。
- 前記多孔繊維の平均繊維径が7μm以下であることを特徴とする、請求項1又は請求項2記載の電気二重層キャパシタ用セパレータ。
- 前記多孔繊維のみから構成されていることを特徴とする、請求項1〜請求項3のいずれかに記載の電気二重層キャパシタ用セパレータ。
- 前記多孔繊維が合成樹脂から構成されていることを特徴とする、請求項1〜請求項4のいずれかに記載の電気二重層キャパシタ用セパレータ。
- 母体繊維の繊維表面に粉体を担持した粉体担持繊維を含む不織布からなることを特徴とする電気二重層キャパシタ用セパレータ。
- 前記母体繊維の平均繊維径が7μm以下であることを特徴とする、請求項6記載の電気二重層キャパシタ用セパレータ。
- 前記粉体が無機酸化物からなることを特徴とする、請求項6又は請求項7記載の電気二重層キャパシタ用セパレータ。
- 前記粉体担持繊維のみから構成されていることを特徴とする、請求項6〜請求項8のいずれかに記載の電気二重層キャパシタ用セパレータ。
- 前記母体繊維が合成樹脂から構成されていることを特徴とする、請求項6〜請求項9のいずれかに記載の電気二重層キャパシタ用セパレータ。
- 厚さが30μm以下、かつ空隙率が50〜80%であることを特徴とする、請求項1〜請求項10のいずれかに記載の電気二重層キャパシタ用セパレータ。
- 請求項1〜請求項11のいずれかに記載の電気二重層キャパシタ用セパレータを備えている電気二重層キャパシタ。
- 電解液が有機溶液であることを特徴とする、請求項12記載の電気二重層キャパシタ。
- 電解液が硫酸溶液であることを特徴とする、請求項12記載の電気二重層キャパシタ。
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