JP4851219B2 - 電気二重層キャパシタ用セパレータ及び電気二重層キャパシタ - Google Patents

電気二重層キャパシタ用セパレータ及び電気二重層キャパシタ Download PDF

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Description

本発明は電気二重層キャパシタ用セパレータ及び電気二重層キャパシタに関する。
電気二重層キャパシタは比較的大きな容量をもち、しかも長寿命かつ急速充放電が可能であることから、電源の平滑化、ノイズ吸収などの従来の用途以外に、パーソナルコンピューターのメモリーバックアップ電源、二次電池の補助又は代替に用いられてきており、近年においては電気自動車用の二次電池としての用途が期待されている。
この電気二重層キャパシタはイオン性溶液中に1対の電極が浸漬された構造を有している。この電気二重層キャパシタに電圧を印加すると、電極と反対符号のイオンが電極の近傍に分布してイオンの層を形成する一方、電極の内部には前記イオンと反対符号の電荷が蓄積される。次いで、電極間に負荷をつなぐと、電極内の電荷が放電されると同時に、電極近傍に分布していたイオンは電極近傍から離れて中和状態に戻る。
このような電気二重層キャパシタにおいて、1対の電極が接触してしまうと、電極近傍においてイオンの層を形成することが困難になるため、通常電極間にセパレータが配置されている。このセパレータは前記のような電極間の短絡防止性能を有することに加えて、電解液の保持性及びイオン透過性に優れている必要がある。
このような電気二重層キャパシタ用セパレータとして厚さが薄いものを使用すれば、電気二重層キャパシタを薄型化できるため、セパレータとして多孔質膜が提案されている。例えば、「非直線性微細連続孔を有するポリイミド多孔質膜からなるセパレータ」が提案されている(特許文献1)。
特開2003−229329号公報(請求項1)
このような多孔質膜は電解液の保持性が十分でないばかりでなく、イオンの透過性を高めるために薄くすると短絡防止性が悪くなり、短絡防止性を高めるために厚くするとイオン透過性が悪くなるとともに電気二重層キャパシタも厚くなり、イオン透過性と短絡防止性を両立できないものであった。
そこで、本発明者らはポリアクリロニトリルからなる、繊維径が1μm以下の極細繊維集合体であれば、薄くても短絡防止性に優れているのではないかと考え、実際に使用してみた。その結果、この極細繊維集合体は短絡防止性に優れていたため、従来よりも薄い電気二重層キャパシタを製造することができた。しかしながら、市場では更に薄い電気二重層キャパシタを製造できるセパレータが要求されていた。このような要求を満足する一つの手段としては、極細繊維集合体を構成する極細繊維の平均繊維径を更に小さくすることであったため、ポリアクリロニトリル極細繊維の平均繊維径を小さくすることを試みたが、ポリアクリロニトリルの紡糸原液の溶融粘度が高く、極細繊維の平均繊維径を0.2μm以下に紡糸することが困難であった。
そこで、本発明者らは紡糸原液の溶融粘度が低く、極細繊維の平均繊維径を小さくできることが期待できるアクリロニトリル共重合体の紡糸原液を用いて繊維集合体(セパレータ)を製造することを試みた。その結果、予想通り、平均繊維径が0.2μm以下の極細繊維集合体を製造することができたが、実際にセパレータとして使用し、電気二重層キャパシタを組み立てたところ、電気二重層キャパシタを構成する電解液によって溶解してしまい、本来の性能である短絡防止性能を発揮できないものであった。
本発明はこのような問題点を解決するためになされたもので、薄くても短絡防止性に優れる電気二重層キャパシタ用セパレータ、及び電気二重層キャパシタを提供することを目的とする。
本発明の請求項1にかかる発明は、「アクリロニトリル共重合体からなり、平均繊維径が0.2μm以下の静電紡糸法により紡糸された極細繊維を含む繊維集合体からなり、前記極細繊維はプロピレンカーボネートを溶媒とする電解液に対する不溶化処理がなされた電気二重層キャパシタ用セパレータであり、前記不溶化処理が温度160〜230℃で、30秒から1時間の熱処理であることを特徴とする電気二重層キャパシタ用セパレータ。」である。
本発明の請求項にかかる発明は、「請求項1に記載の電気二重層キャパシタ用セパレータを使用した電気二重層キャパシタ。」である。
本発明の請求項1にかかる発明によれば、平均繊維径が0.2μm以下と細いため薄い電気二重層キャパシタ用セパレータであることができ、しかも電解液に対する不溶化処理がなされているため電解液によって浸されにくく、短絡防止性にも優れた電気二重層キャパシタ用セパレータである。
また、極細繊維が静電紡糸法により紡糸されたものであり、孔径が揃っているため短絡防止性に優れている。
本発明の請求項にかかる発明によれば、薄い電気二重層キャパシタであることができる。

本発明の電気二重層キャパシタ用セパレータ(以下、単に「セパレータ」ということがある)を構成する繊維集合体は、耐電解液性に優れているようにアクリロニトリル共重合体からなり、繊維集合体の厚さが薄くなるように、また、短絡防止性に優れているように、平均繊維径が0.2μm以下の極細繊維を含んでいる。
このアクリロニトリル共重合体はアクリロニトリル成分と共重合成分とからなり、共重合成分は、例えば、アクリル酸メチル、酢酸ビニル、メタクリル酸メチル、アクリル酸、メタクリル酸、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アクリルアミド、アクリル酸アミド、ビニルスルホン酸塩などを挙げることができる。なお、平均繊維径の小さい極細繊維であることができるように、また、耐電解液性に優れているように、アクリロニトリル成分は85〜98モル%であるのが好ましい。
本発明のセパレータである繊維集合体を構成する極細繊維は、短絡防止性に優れるとともに、厚さの薄いものであることができるように、その平均繊維径は0.2μm以下である。この極細繊維の平均繊維径が小さければ小さい程、薄いセパレータであることができるため、0.18μm以下であるのが好ましく、0.15μm以下であるのがより好ましい。なお、極細繊維の平均繊維径の下限は特に限定するものではないが、1nm程度が適当である。本発明における「繊維径」は、セパレータ(繊維集合体)の電子顕微鏡写真から測定して得られる繊維の横断面における直径を意味し、極細繊維の横断面形状が非円形である場合には、横断面積と同じ面積の円の直径を極細繊維の繊維径とみなす。また、本発明における「平均繊維径」は50本以上の極細繊維の繊維径の算術平均値を意味する。
本発明のセパレータ(繊維集合体)を構成する極細繊維の繊維長は特に限定するものではないが、好適である静電紡糸法により製造した場合、通常、極細繊維は連続繊維である。このように極細繊維が連続繊維であると、セパレータを取り扱う際、電気二重層キャパシタを組み立てる際等に極細繊維の脱落が生じにくいため好適である。なお、静電紡糸法により繊維集合体(セパレータ)を製造する場合、間欠的に紡糸原液を吐出するなどして、非連続繊維としても良い。
本発明のセパレータ(繊維集合体)は孔径が小さく、孔径分布が狭く緻密であることによって、短絡防止性に優れているように、静電紡糸法によって紡糸されたものであるのが好ましい。
本発明のセパレータ(繊維集合体)は上述のような極細繊維を含んでいるが、セパレータの形態を維持して短絡防止性に優れているように、極細繊維はプロピレンカーボネートを溶媒とする電解液に対する不溶化処理がなされている。なお、このプロピレンカーボネートは電気二重層キャパシタの電解液を構成する溶媒として一般的なものである。また、不溶化処理は特に限定するものではないが、熱処理、電子線照射、ガンマ線照射などを挙げることができ、製造上適用しやすい熱処理が好適である。この好適である熱処理としては、温度160〜230℃で、30秒から1時間程度、熱処理をするのが好ましく、温度150〜200℃で、30秒から2分程度、熱処理をするのがより好ましい。
本発明のセパレータ(繊維集合体)は取り扱い性に優れ、電気二重層キャパシタを組み立てる際に破断したりすることがないように、少なくとも一方向における、目付1g/mあたりの引張り強さが196mN/5mm幅以上であるのが好ましく、255mN/5mm幅以上であるのがより好ましい。上限は特に限定するものではない。なお、一般的には取り扱い時や電気二重層キャパシタを組み立てる際には、セパレータ(繊維集合体)の長手方向に張力が作用するため、前記引張り強さの値はセパレータ(繊維集合体)の長手方向に関して満たしているのが好ましい。本発明における「引張り強さ」は、幅5mm、長さ50mmの短冊状に切断したセパレータ(繊維集合体)を、小型引張試験機(サーチ株式会社製、TSM−01−cre)を用い、チャック間距離20mm、引張り速度20mm/min.の条件下で測定した値をいい、「目付1g/mあたりの引張り強さ」は、引張り強さを目付で除して得られる商を意味し、「目付」は1mあたりの質量をいう。
本発明のセパレータ(繊維集合体)は上述のような平均繊維径の小さい極細繊維を含んでいるため、厚さが40μm以下であることができ、好ましくは35μm以下であり、より好ましくは30μm以下である。なお、セパレータ(繊維集合体)の厚さが薄すぎると、極細繊維から構成されているとはいえ、短絡防止性が悪くなる傾向があるため、厚さは10μm以上であるのが好ましい。本発明における「厚さ」は、JIS B 7502:1994に規定されている外側マイクロメーター(0〜25mm)を用いて、JIS C2111 5.1(1)の測定法で、無作為に選んで測定した10点の算術平均値をいう。
本発明のセパレータ(繊維集合体)の目付は特に限定するものではないが、薄いセパレータ(繊維集合体)であることができるように、10g/m以下であるのが好ましく、8g/m以下であるのがより好ましく、5g/m以下であるのが更に好ましい。他方で、短絡防止性に優れるように、0.1g/m以上であるのが好ましい。また、セパレータ(繊維集合体)の見掛密度も特に限定するものではないが、1g/cm以下であるのが好ましく、0.5g/cm以下であるのがより好ましく、0.3g/m以下であるのが更に好ましい。一方で、短絡防止性に優れているように、0.1g/m以上であるのが好ましい。なお、見掛密度は目付を厚さで除した商をいう。
上述のように、本発明のセパレータは平均繊維径が小さく、緻密な構造を有するため短絡防止性に優れているとともに、多くの微細孔が形成されているため、電解液の保持性にも優れている。厚さが薄いものであることができるため、薄い電気二重層キャパシタを製造することができ、また、イオン透過性に優れ、内部抵抗の低い電気二重層キャパシタを製造することができる。また、不溶化処理されていることによって電解液に浸されないため、長期間使用できる電気二重層キャパシタを製造することができる。更に、極細繊維がアクリロニトリル共重合体からなり、各キャパシタ構成材料から電極群を組み立てた後に乾燥することができるという、製造上のメリットもある。
本発明のセパレータである繊維集合体は、好ましくは静電紡糸法によって製造することができる。つまり、(1)アクリロニトリル共重合体を含む紡糸原液をノズルから吐出するとともに、吐出した紡糸原液に電界を作用させて繊維化する紡糸工程、(2)前記繊維化した繊維を捕集体上に集積させて前駆繊維集合体を形成する集積工程、及び(3)前駆繊維集合体構成繊維に対して、プロピレンカーボネートを溶媒とする電解液に対する不溶化処理を実施する不溶化工程、により製造することができる。
より具体的には、まず、紡糸原液を用意する。この紡糸原液はアクリロニトリル共重合体を溶媒に溶解させた溶液である。溶媒はアクリロニトリル共重合体を溶解させることのできるものであれば良く、特に限定するものではないが、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、アセトン、アセトニトリル、ロダンソーダ、塩化亜鉛溶液、硝酸などを挙げることができる。溶媒は1種類でも良いし、2種類以上の溶剤を混ぜた混合溶媒であっても良い。
紡糸原液はアクリロニトリル共重合体を溶媒に溶解させたものであるが、その粘度は平均繊維径が0.2μm以下の極細繊維を紡糸できるように、1500mPa・s以下であるのが好ましく、1000mPa・s以下であるのがより好ましい。他方、紡糸性に優れ、繊維を形成しやすいように、粘度は500mPa・s以上であるのが好ましい。なお、この「粘度」は、粘度測定装置を用い、温度25℃で測定した、シェアレート100s−1の時の値をいう。
このような紡糸原液をノズルへ供給し、ノズルから吐出するともに、吐出した紡糸原液に電界を作用させて繊維化する。この紡糸原液を吐出するノズルの直径(内径)は、極細繊維の平均繊維径を0.2μm以下とすることが容易であるように、0.1〜0.4mmであるのが好ましい。また、ノズルは金属製であっても、非金属製であっても良い。ノズルが金属製であればノズルを一方の電極として使用することができ、ノズルが非金属製である場合には、ノズル内部又は紡糸原液供給管内に電極を設置することにより、吐出した紡糸原液に電界を作用させることができる。
なお、ノズルは1本である必要はなく、2本以上であれば、セパレータ(繊維集合体)の生産性を高めることができる。なお、2本以上のノズルが後述の捕集体の移動方向と交差する方向に往復移動可能であると、地合いの優れるセパレータ(繊維集合体)を製造しやすいため好適である。特に、2本以上のノズルが長円状に移動可能(特に、長円の長軸と捕集体の移動方向とが直交するようにノズルが移動可能)であると、直線領域において地合いの優れるセパレータ(繊維集合体)を製造することができるため好適である。
このようなノズルから紡糸原液を吐出し、吐出した紡糸原液に電界を作用させることにより延伸して繊維化する。この電界は、極細繊維の平均繊維径、ノズルと繊維を集積する捕集体との距離、紡糸原液の溶媒、紡糸原液の粘度などによって変化するため、特に限定するものではないが、極細繊維の平均繊維径を0.2μm以下とするために、0.2〜5kV/cmであるのが好ましい。印加する電界が大きければ、その電界値の増加に応じて極細繊維の平均繊維径が細くなる傾向があるが、5kV/cmを超えると、空気の絶縁破壊が生じやすく、また、0.2kV/cm未満になると、繊維形状となりにくく、また、紡糸原液の吐出量を多くしにくく、生産性が低くなる傾向があるためである。
このような電界は、例えば、ノズル(金属製ノズルの場合にはノズル自体、ガラスや樹脂などの非金属製ノズルの場合にはノズル内部又は紡糸原液供給管内の電極)と捕集体との間に電位差を設けることによって、作用させることができる。例えば、ノズルに電圧を印加するとともに捕集体をアースすることによって電位差を設けることができるし、逆に、捕集体に電圧を印加するとともにノズルをアースすることによって電位差を設けることもできる。なお、電圧を印加する装置は特に限定されるものではないが、直流高電圧発生装置を使用できるほか、ヴァン・デ・グラフ起電機を用いることもできる。また、印加電圧は前述のような電界強度とすることができるのであれば良く、特に限定するものではないが、5〜50KV程度であるのが好ましい。
次いで、(2)前記繊維化した極細繊維を捕集体上に集積させて前駆繊維集合体を形成する集積工程を実施する。この集積工程で使用する捕集体は、極細繊維を捕集できるものであれば良く特に限定されるものではないが、例えば、不織布、織物、編物、ネット、平板、ドラム、或いはベルト形状を有する、金属製や炭素などからなる導電性材料、有機高分子などからなる非導電性材料を使用できる。前述のように捕集体を他方の電極として使用する場合には、捕集体は体積抵抗が10Ω以下の導電性材料(例えば、金属製)からなるのが好ましい。一方、ノズル側から見て、捕集体よりも後方に対向電極として導電性材料を配置する場合には、捕集体は必ずしも導電性材料である必要はない。後者のように、捕集体よりも後方に対向電極を配置する場合、捕集体と対向電極とは接触していても良いし、離間していても良い。
そして、(3)前駆繊維集合体構成繊維に対して、プロピレンカーボネートを溶媒とする電解液に対する不溶化処理を実施する不溶化工程によりセパレータ(繊維集合体)を製造することができる。この不溶化処理は電気二重層キャパシタの電解液として一般的である、プロピレンカーボネートが溶媒である電解液によって極細繊維が実質的に溶出しないようにする処理であり、不溶化が不十分であると、セパレータによる短絡防止性能が低下してしまう。この不溶化処理は特に限定するものではないが、熱処理、電子線照射、ガンマ線照射などを挙げることができ、製造上適用しやすい熱処理が好適である。この好適である熱処理としては、温度160〜230℃で、30秒から1時間程度、熱処理をするのが好ましく、温度150〜200℃で、30秒から2分程度、熱処理をするのがより好ましい。この好適である熱処理は、例えば、赤外線(特に遠赤外線)を照射する方法、熱風を吹き付ける方法、熱風を循環させる方法、オーブンによる方法、加熱加圧装置、高温ロール等により実施することができる。このような熱処理による不溶化の場合、酸化反応によって架橋が生じ、耐電解液性が向上していると本発明者らは考えている。
本発明の電気二重層キャパシタは上述のセパレータを使用したものであるため、薄い電気二重層キャパシタであることができる。また、内部抵抗の低い電気二重層キャパシタであることができ、長期間使用できる電気二重層キャパシタであることができる。
本発明の電気二重層キャパシタは上述のようなセパレータを使用していること以外は、従来と全く同様であることができる。例えば、集電極としては、アルミニウム薄板、白金薄板などの金属薄板を使用することができ、電極としては、例えば、粒状活性炭に導電剤と接着剤とを混ぜ合わせ、圧粉法、圧延法、塗布法、或いはドクターブレード法によって作製されたものを使用することができる。また、電解液としては、例えば、プロピレンカーボネートにテトラエチルアンモニウム・テトラフルオロボーレイトを溶解させた有機電解液や、プロピレンカーボネートにテトラエチルフォスフォニウム・テトラフルオロボーレイトを溶解させた有機電解液などを使用することができる。
電気二重層キャパシタの製造方法について簡単に述べると、まず、前述のような集電極、電極、及び前述のようなセパレータを用意する。次いで、例えば、集電極、電極、セパレータ、電極、集電極の順に積み重ねることを繰り返したり、このように積み重ねた積層体を巻き上げて電極群を形成する。
次いで、電極群と前記のような有機電解液とをケースに挿入した後、前記ケースを封緘してキャパシタを製造することができる。なお、電気二重層キャパシタのセル構造は、積層型、コイン型、円筒型、角型等であることができる。
以下、本発明の実施例を記載するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
(紡糸原液の調製)
アクリロニトリル−アクリル酸エステル共重合体(三菱レイヨン(株)製、登録商標:ボンネルD122)を、N,N−ジメチルホルムアミドに溶解させ、濃度12mass%の紡糸原液(粘度:900mP・s)を調製した。
(製造装置の準備)
図1及び図2に示すような製造装置を用意した。つまり、14本のノズル群2〜214(それぞれ内径が0.4mmのステンレス製針状ノズル)をピッチ60mmで、チェーン状支持体6cにそれぞれ固定し、この支持体6cを第1スプロケット6a、第2スプロケット6b間に橋渡し、ノズル群2〜214を長円状(長径:480mm、短径:140mm)に配置した。更に、第1スプロケット6aに駆動モーター6を取り付けた。
次いで、ポリエチレン製フレキシブルバッグ(紡糸原液貯留部1)にマグネット式マイクロギアポンプ(供給吐出手段3)を接続するとともに、パーフルオロアルコキシ樹脂製チューブ(供給管1a)を接続し、このチューブをノズル2にロータリージョイントを介して接続した。次いで、このノズル2と隣接するノズル2とを前記と同様のチューブで接続し、紡糸原液がノズル2を介してノズル2へ供給できるようにした。同様に、ノズル2とノズル2、ノズル2とノズル2と順番にチューブで接続して、ノズル214まで紡糸原液を供給できるようにした。なお、供給管1a内には直径が0.1mmのステンレスワイヤーを挿入した。
次いで、導電性シリコーンゴムをコーティングしたスチールベルトからなるベルト状捕集体5(幅:500mm)をアースして設置した。次いで、供給管1a内の前記ステンレスワイヤーに高電圧電源4を接続するとともに、前記ノズル群2〜214の先端がベルト状捕集体5に向いており、しかもノズル群2〜214の長径方向がベルト状捕集体5の幅方向と一致するように、ノズル群2〜214を配置した。なお、ノズル群2〜214の先端とベルト状捕集体5との距離は100mmとした。
次に、前記ノズル群2〜214及びベルト状捕集体5を塩化ビニル製直方体紡糸容器9(幅:800mm、高さ:1300mm、奥行き:1800mm)の中央部に配置した。なお、直方体紡糸容器9として、上壁面から500mmの位置に塩化ビニル製パンチングプレート10aを配置し、下壁面から100mmの位置に塩化ビニル製パンチングプレート11aを配置したものを使用した。また、ベルト状捕集体5の移動方向端部に紙管8を配置し、ベルト状捕集体5の移動に従動することによって、前駆繊維集合体を巻き取れるようにした。
そして、直方体紡糸容器9の上壁面に温湿度調整機能を備えた送風機(PAU−1400HDR、(株)アピステ、気体供給装置10)を接続するとともに、直方体紡糸容器9の下壁面に排気ファン(排気装置11)を接続した。
(繊維集合体(セパレータ)の製造)
前記紡糸原液を前記紡糸原液貯留部1に入れ、マグネット式マイクロギアポンプ(供給吐出手段3)を用いて紡糸原液をノズル2を介してノズル群2〜214へ供給し、ノズル群2〜214を20mm/sec.の一定速度で長円状に循環移動(捕集体の移動方向と直交する方向に循環移動)させながら、各ノズルから紡糸原液を吐出(1本あたりの吐出量:3g/時間)し、また、前記ベルト状捕集体5を一定速度(表面速度:4.5cm/分)で移動させながら、前記高電圧電源4から紡糸原液に+15kVの電圧を印加して、吐出した紡糸原液に電界を作用させて繊維化し、前記ベルト状捕集体5上に集積させて前駆繊維集合体を製造した。なお、前駆繊維集合体を製造する際には、気体供給装置10から温度25℃、相対湿度25%の調湿エアを3m/分で供給するとともに、排気口から出てくる気体を排気ファン11で排気した。
次いで、この前駆繊維集合体を遠赤外線ヒーターにより、温度180℃で30秒間熱処理を実施して、極細連続繊維からなる繊維集合体を製造し、セパレータ(平均繊維径:0.2μm、目付:4.5g/m、厚さ:23μm、見掛密度:0.2g/cm、長手方向における目付1g/mあたりの引張り強さ:231mN/50mm幅)とした。なお、このセパレータを、テトラエチルアンモニウム・テトラフルオロボーレイト17重量%をプロピレンカーボネート83重量%に溶解させた電解液に、室温下、24時間浸漬しても、繊維集合体状態を維持した耐電解液性に優れるものであったため、短絡防止性に優れていることが予測できるものであった。
(比較例1)
ポリアクリロニトリル(アルドリッチ製、品番:181315)を、N,N−ジメチルホルムアミドに溶解させ、濃度12mass%の紡糸原液(粘度:1300mP・s)を調製し、使用したこと以外は、実施例1と同様にして、極細連続繊維からなる繊維集合体を製造し、セパレータ(平均繊維径:0.4μm、目付:4.6g/m、厚さ:24μm、見掛密度:0.2g/cm、長手方向における目付1g/mあたりの引張り強さ:260mN/50mm幅)とした。なお、このセパレータを、テトラエチルアンモニウム・テトラフルオロボーレイト17重量%をプロピレンカーボネート83重量%に溶解させた電解液に、室温下、24時間浸漬しても、繊維集合体状態を維持した耐電解液性に優れるものであったが、平均繊維径の大きいものであったため、実施例1のセパレータよりも緻密性に劣り、実施例1のセパレータよりも短絡が発生しやすく、歩留まりが悪くなることが予測できるものであった。
(比較例2)
遠赤外線ヒーターによる熱処理を実施しなかったこと以外は実施例1と同様にして、極細連続繊維からなる繊維集合体を製造し、セパレータ(平均繊維径:0.2μm、目付:4.5g/m、厚さ:23μm、見掛密度:0.2g/cm、長手方向における目付1g/mあたりの引張り強さ:227mN/50mm幅)とした。なお、このセパレータを、テトラエチルアンモニウム・テトラフルオロボーレイト17重量%をプロピレンカーボネート83重量%に溶解させた電解液に、室温下、24時間浸漬すると、完全に溶解してしまい、セパレータとして使用できないものであった。
(比較例3)
リライアントプレス機(アサヒ繊維機械(株)製、JR−1000LTS)を用い、温度100℃、20秒間加熱する条件下で、加熱処理を実施したこと以外は実施例1と同様にして、極細連続繊維からなる繊維集合体を製造し、セパレータ(平均繊維径:0.2μm、目付:4.5g/m、厚さ:23μm、見掛密度:0.2g/cm、長手方向における目付1g/mあたりの引張り強さ:229mN/50mm幅)とした。なお、このセパレータを、テトラエチルアンモニウム・テトラフルオロボーレイト17重量%をプロピレンカーボネート83重量%に溶解させた電解液に、室温下、24時間浸漬すると、一部溶解し、シート強度が落ち、かつ緻密性が低下したため、短絡が発生しやすく、歩留まりが悪くなることが予測できるものであった。
(比較例4)
リライアントプレス機(アサヒ繊維機械(株)製、JR−1000LTS)を用い、温度80℃、20秒間加熱する条件下で、加熱処理を実施したこと以外は実施例1と同様にして、極細連続繊維からなる繊維集合体を製造し、セパレータ(平均繊維径:0.2μm、目付:4.5g/m、厚さ:23μm、見掛密度:0.2g/cm、長手方向における目付1g/mあたりの引張り強さ:227mN/50mm幅)とした。なお、このセパレータを、テトラエチルアンモニウム・テトラフルオロボーレイト17重量%をプロピレンカーボネート83重量%に溶解させた電解液に、室温下、24時間浸漬すると、一部溶解し、シート強度及び緻密性が大幅に低下したため、短絡が発生しやすく、歩留まりが悪くなることが予測できるものであった。
繊維集合体(セパレータ)の製造装置を上から見た概念図 図1の製造装置を矢印Aの方向から見た概念図
符号の説明
1 紡糸原液貯留部
1a 供給管
〜2 ノズル群
3 供給吐出手段
4 高電圧電源
5 ベルト状捕集体
6 駆動モーター
6a 第1スプロケット
6b 第2スプロケット
6c 支持体
8 紙管
9 紡糸容器
10 気体供給装置
10a パンチングプレート
11 排気装置
11a パンチングプレート

Claims (2)

  1. アクリロニトリル共重合体からなり、平均繊維径が0.2μm以下の静電紡糸法により紡糸された極細繊維を含む繊維集合体からなり、前記極細繊維はプロピレンカーボネートを溶媒とする電解液に対する不溶化処理がなされた電気二重層キャパシタ用セパレータであり、前記不溶化処理が温度160〜230℃で、30秒から1時間の熱処理であることを特徴とする電気二重層キャパシタ用セパレータ。
  2. 請求項1に記載の電気二重層キャパシタ用セパレータを使用した電気二重層キャパシタ。
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