JP6256761B2 - 二次電池の検査方法および製造方法 - Google Patents
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Description
かかる電池の製造では、一般に、先ず正極と負極を用いて電極体を作製し、該電極体と電解質を用いて電池を構築する。そして、構築した電池に所定の初期充電とエージングを施した後、電池容量の確認や自己放電検査等の出荷前検査を行う。自己放電検査では、二次電池を所定の充電深度(State of Charge:SOC)に調整した後、一定期間放置して、かかる放置(自己放電)期間中の電圧変化を計測する。そして、得られた計測結果に基づいて二次電池内に微小な内部短絡が生じているか否かを判定する。これに関連する技術として、特許文献1には、第1のSOCまで二次電池を充電した後、所定の時間放置(エージング)し、次いで、第1のSOCより低い第2のSOCまで放電し、所定の温度より低い温度の下で二次電池内部の微小な短絡の有無を判定する検査方法が開示されている。
すなわち、二次電池の典型的な構成では、負極での電荷担体の受け入れ性を向上させる観点から、負極活物質層の表面積(活物質層の形成された面積)が正極活物質層の表面積よりも広く構成されている。換言すれば、負極活物質層は、正極活物質層に対向する部位(以下、単に「対向部」とも言う。)と正極活物質層に対向しない部位(以下、単に「非対向部」とも言う。)とを有している。このような構成の負極活物質層では、充電によって対向部に電荷担体が吸蔵されると、該対向部の電位が下がる。かかる電池をそのままの電位で保持(放置)すると、負極活物質層内で電荷担体の濃度緩和が生じ、電荷担体が相対的に電位の高い非対向部のより端部、より深部へと徐々に移動する。その後、電池を放電させると、対向部の電荷担体は放出されて該対向部の電位は上昇するが、その一方で非対向部に吸蔵された電荷担体は放出されずに当該部位に残存する。このため、対向部に対して非対向部の電位が相対的に低くなる。負極活物質層内にこのような電位ムラ(分極状態)が生じると、非対向部に残存する電荷担体が少しずつ対向部へ拡散するため、対向部と非対向部の電位差が解消されるまで電池電圧の変動(電圧不安定期間)が続くこととなる。
すなわち、ここで開示される二次電池の検査方法は、充電工程と、エージング工程と、検査前放電工程と、電圧調整工程と、自己放電検査工程と、良否判定工程と、を包含する。また、上記検査前放電工程の放電条件は、上記検査前放電工程の開始から終了までの所要時間(s)に亘って規定の電圧から出力電圧を差し引いた値を累積加算した電圧差積算値Vsが所定の範囲を満たすよう決定する。
例えば、電圧の最大変動率Va(%)を−1.14%〜0.293%程度に抑えたい場合には、上記電圧差積算値Vsが2980≦Vs≦34000を満たすよう上記検査前放電工程の放電条件を決定するとよい。これにより、上述のような負極活物質層内の電位ムラ(分極状態)を一層緩和することができ、自己放電検査時の電圧不安定期間を的確に短縮することができる。したがって、本発明の効果を高いレベルで実現することができる。
具体的には、上記電圧調整工程において、上記設定電圧Vpまで定電流充電した後、該電圧で定電圧充電を行う場合、上記設定電圧Vpは、上記定電圧放電のカット電流I(A)と、上記電圧差積算値Vsに基づいて算出される見かけ抵抗値R(Ω)と、上記自己放電検査工程の開始電圧Vb(V)とから、以下の式:Vp=I×R+Vb(II);に基づいて決定するとよい。
上記電圧差積算値Vsを基に設定電圧Vpを定めることで、負極活物質層内の電位ムラ(分極状態)をより一層好適に緩和することができる。これにより、自己放電検査工程の電圧をほぼ一定とすることができる。例えば、自己放電検査工程の開始電圧と検査電圧との乖離を小さくすることができる。その結果、電圧を安定させるために必要な待機時間を大幅に減らす(あるいは無くす)ことができ、自己放電検査に要する期間を従来に比べて大幅に短縮することができる。また、検査時の電圧を安定させることで、精度の高い良品判定を行うことができる。
本発明者らの検討によれば、定電圧放電は短時間で電圧差積算値Vsを稼ぐことができる。このため、定電圧放電を行うことで、自己放電検査に要する時間を一層短縮することができる。
放電終止電圧(到達電圧)を上記範囲とすることで、対向部と非対向部との電位差を大きくすることができ、非対向部に残存する電荷担体が該非対向部から抜けやすくなる効果がある。これにより、負極活物質層内の電位ムラをより好適に緩和することができ、電圧不安定期間を一層短縮することができる。さらに、検査時の電圧を安定させることができるため、不具合品(内部短絡の生じた電池)の検出をより高精度に行うことができる。
上述の通り、ここで開示される検査方法によれば、従来に比べて短時間で、精度の高い良品判定を行うことができる。したがって、従来に比べて短時間で信頼性の高い電池を製造することができる。なお、本明細書において「電池組立体」とは、上記作製した電極体と電解質とを用いて検査工程に先立った段階にまで組み立てられているもの全般をいい、電池の種類や構成等は特に限定されない。例えば電池ケースは封口前であってもよいし封口後であってもよい。
ここで開示される検査方法は、構築した二次電池の内部短絡の有無を調べるものである。かかる検査方法は、図1のフローチャートに示すように、大まかに言って以下の6つの工程:(S10)充電工程;(S20)エージング工程;(S30)検査前放電工程;(S40)電圧調整工程;(S50)自己放電検査工程;(S60)良品判定工程;を包含する。また、図2には、一実施形態に係る二次電池の電圧変化を示している。
以下、これらの図面を参照しつつ、各工程について順に説明する。
充電工程では、典型的には常温域(例えば20℃〜25℃)で、二次電池を少なくとも1回充電(初期充電)する。一般には、該電池の正極(正極端子)と負極(負極端子)の間に外部電源を接続し、所定の電圧まで充電(典型的には定電流充電)する。初期充電における正負極端子間の到達電圧(典型的には最高到達電圧)は、活物質材料や非水溶媒の種類等によるため特に限定されないが、例えば二次電池のSOCが65%〜110%(典型的には80%〜110%、例えば80%〜105%)の範囲にあるときに示し得る電圧範囲にするとよい。例えば4.2Vで満充電となる電池では、正負極間の電圧を凡そ3.8V〜4.3Vの範囲に設定するとよい。図2に示す態様では、充電工程終了後(充電後)の電池電圧(終止電圧)を、凡そ3.95Vに設定している。
エージング工程では、初期充電後の(典型的にはSOCが65%以上の、例えばSOCが80%以上の)電池を所定の温度に調整し、該温度域で所定の期間保持(放置)する。好適な一態様では、エージング工程全体に亘って上記充電工程で調整した端子間電圧またはこれとほぼ同等の電圧(例えば±0.5V程度)を維持する。例えば4.2Vで満充電となる電池では、正負極間の電圧が本工程全体に亘って凡そ3.7V〜4.3V(図2に示す態様では凡そ3.95V)の状態を保つことが好ましい。かかる目的のために、定電圧充電(CV充電)等の電圧維持手法を採用することもできる。
検査前放電では、二次電池を少なくとも1回放電する。一般には、該電池の正極(正極端子)と負極(負極端子)の間に外部電源を接続し、所定の電圧まで放電(典型的には定電流放電)させる。
ここで開示される検査方法では、上記検査前放電工程の開始から終了までの所要時間(s)に亘って規定の電圧から出力電圧を差し引いた値を累積加算した電圧差積算値Vsが所定の範囲となるように検査前放電工程の放電条件を決定する。
具体的には、例えば上昇最大電圧を3.29Vとする場合、上記(I)式から電圧差積算値Vsを4894と求め、これを満たすよう本工程の放電条件を決定する。本発明者らの知見に基づけば、例えば上昇最大電圧を3.25V〜3.3V(すなわち、電圧の最大変動率Va(%)を−1.14%〜0.293%)の範囲に抑えたい場合は、上記電圧差積算値Vsが2980≦Vs≦34000を満たすよう調整するとよい。Vsを2980以上(好ましくは7500以上、より好ましくは9000以上)とすることで、上昇最大電圧を、狙いの検査電圧Vmに対して例えば0.8V以下(好ましくは0.6V以下、より好ましくは0.2V以下)に抑えることができる。また、Vsを34000以下(例えば10000以下)とすることで、上昇最大電圧を、狙いの検査電圧Vmに対して−0.6V以下(例えば−0.4V以下)に抑えることができる。
なお、かかる電圧差積算値Vsは、例えば放電時の到達電圧(終止電圧)や、放電方式、放電電流値、放電時間、放電回数等によって調整することができる。
また、放電は1回のみでもよく、例えば時間をおいて、2回以上繰り返し行うこともできる。その場合、放電レートは全て同じであってもよいし、各回で異なっていてもよい。好適な一態様では、1回目の放電時の放電レートが最も大きく、2回目、3回目と徐々に小さな放電レートで、複数回の定電流放電(多段放電)を行う。かかる態様によれば、電池の電圧をより短時間で安定させることができる。また、複数回の放電を行う場合の時間間隔は、放電レートに依っても異なるが、例えば数十秒〜数十分(典型的には数分)程度とすることができる。例えば、図2に示す態様では、60A(2.1C)で2.0Vまで定電流放電(容量確認)を行った後、5分の間隔をあけて、20A(0.71C)で2.0Vまで定電流放電を行い、該電圧で電流が0.5Aとなるまで(0.5Aカットの条件で)定電圧放電を行っている。
電圧調整工程では、典型的には常温域(例えば20℃〜25℃)で、上記検査前放電後の電池を所定の設定電圧Vpに調整する。
一般に、プラグインハイブリッド自動車(PHV)等の車両に搭載される電池では、幅広いSOC領域において高出力密度や耐久性が要求され得る。しかしながら、一般に二次電池の出力密度はSOCが低くなるほど(電池容量が少なくなるほど)低下する傾向にある。このため、車載用(特にPHV用)の電池では、とりわけ低SOC領域(例えばSOCが30%以下の領域)における性能が問題になり易い。このように低SOC領域(例えばSOCが30%以下の領域)において高出力が要求される二次電池を検査対象とする場合は、SOCを20%以下(好ましくは10%以下、例えば1%〜5%)に調整するとよい。これにより、低SOC領域における電池性能を的確に評価することができる。さらに、本発明者らの検討によれば、低SOC状態に調整することにより、従来に比べて自己放電検査の感度を向上させることもできる。
すなわち、先ず、(1)上昇最大電圧が狙いの検査電圧Vmとなるように、電圧差積算値Vsを決定する。
次に、(2)上記電圧差積算値Vsから、オームの法則に基づいて「見かけ抵抗値R」を求める。このことについて、図4を参照しつつ、より詳しく説明する。図4は、本発明者らが4.2Vで満充電となるリチウムイオン二次電池(電池容量:28Ah)を構築し、検査前放電工程における電圧差積算値Vs(V・s)と自己放電検査工程の初期の見かけ抵抗値R(Ω)との関係を調べた結果である。ここで、見かけ抵抗値Rは、電圧調整工程の設定電圧Vpから自己放電検査工程の開始電圧Vbを差し引いて、定電圧放電時のカット電流I(A)で除すこと(すなわち、R=(Vp−Vb)/I))により算出することができる。図4に示すように、電圧差積算値Vsと見かけ抵抗値Rとから、決定係数R2=0.99以上の近似式が得られる。これに、上記決定した電圧差積算値Vsの値を代入することで、見かけ抵抗値Rを算出することができる。
次に、(3)自己放電検査工程の開始電圧Vbを設定する。Vbは、本発明者らの経験則に基づいて、上昇最大電圧との差が5mV以内となるよう決定するとよい。電圧のバラつきは、非対向部からの電荷担体の拡散により大きくなるため、非対向部への電荷担体の拡散量を抑えることで電圧のバラつきをより小さくすることができる。
次に、(4)上記見かけ抵抗値Rと開始電圧Vbを用いて、(II)式から設定電圧Vpを算出する。例えば、定電圧放電のカット電流Iを0.5Aとする場合には、以下の式:Vp=0.5×R+Vb(III)から設定電圧Vpを算出すればよい。そして、得られた設定電圧Vpになるよう電圧を調整するとよい。
ここでは、先ず電池内の状態を安定させることが好ましい。すなわち、上記電圧調整工程終了後、電池の電圧は図2に示すように、見かけ抵抗値Rによって開始電圧Vbまで低下する。そして、上昇最大電圧に到達するまで少しずつ電圧上昇を続ける。このため、精度の高い自己放電検査を行うためには、電池の電圧が安定するのを待つ必要がある。ここで開示される検査方法によれば、自己放電検査初期の電圧上昇量を抑えることができるため、電圧安定化に要する時間を短縮することができる。また、例えばエージング工程で昇温を行った場合は、電池温度を常温域(例えば20℃〜25℃)で安定させることが好ましい。これにより検査を精度よく行うことができる。
そして、状態の安定した電池を一定期間放置して(自己放電させて)、検査開始電圧からの電圧降下量を計測するとよい。ここで開示される検査方法によれば、電圧上昇のバラつきの影響を小さくすることが可能なため、内部短絡の有無を精度よく評価・把握することができる。
ここでは、上記自己放電検査工程で得られた結果(電圧降下量)に基づいて、電池の良否(内部短絡の有無)を判定する。具体的には、先ず上記電圧降下量の計測結果に基づいて、良品判定のための基準値を設定する。基準値の設定方法は特に限定されないが、例えば、複数の電池の電圧降下量の算術平均値、中央値(メジアン)等を採用することができる。次に、かかる基準値と各電池の電圧降下量との差分を算出し、この差分が所定の閾値以下の場合にその電池を「内部短絡なし」と判定し、この差分が所定の閾値を越える場合にその電池を「内部短絡有り」と判定する。閾値としては、対象とする電池の規格等にも依るため特に限定されないが、例えば2σ〜4σ程度(σは標準偏差を意味する。)に相当する値を設定することができる。そして、かかる判定結果に基づいて「内部短絡有り」と判定された電池を取り除くことで、不具合品が後の工程に流れることを防止し得、信頼性の高い電池を提供することができる。
ここで開示される製造方法は、上記二次電池の内部短絡検査方法を含むことを特徴とする。具体的には、以下の工程:(S1)電極体の準備工程;(S2)電池組立体の構築工程;(S3)検査工程;を包含する。上述の通り、ここで開示される検査方法によれば、例えば負極活物質層に非対向部を有する負極を備えた二次電池であっても、短時間で精度よく内部短絡の有無を検査し得、不具合品を取り除くことができる。したがって、従来に比べて短時間で信頼性の高い二次電池を製造することができる。なお、電池の検査工程(S3)については、上記(S10)〜(S60)と同様であるため、詳細な説明を省略する。
ここでは、正極活物質層を有する正極および負極活物質層を有する負極を備える電極体を準備する。かかる電極体は、正極および負極を、典型的にはセパレータを介して対向させ、積層して作製される。
正極活物質層に含まれ得る任意成分としては、バインダや導電材が挙げられる。バインダとしては、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリエチレンオキサイド(PEO)等が好適に用いられる。また、導電材としては、例えば、種々のカーボンブラック(例えば、アセチレンブラックやケッチェンブラック)、活性炭、黒鉛、炭素繊維等の炭素材料が好適に用いられる。
負極活物質層に含まれ得る任意成分としては、バインダや増粘剤が挙げられる。バインダとしては、例えば、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等が好適に用いられる。増粘剤としては、例えば、カルボキシメチルセルロース(CMC)やメチルセルロース(MC)等のセルロース類が好適に用いられる。
なお、固体状の電解質もしくはゲル状の電解質を用いた二次電池(例えばリチウムポリマー電池)では、電解質自体がセパレータを兼ねる構成とし得る。
ここでは、上記電極体と電解質とを電池ケース内に収容し、電池組立体を構築する。電池ケースとしては、例えばアルミニウムやスチール等の軽量な金属材製のものを好適に採用し得る。
電解質としては、非水溶媒中に支持塩を含有するもの(非水電解液)が好適に用いられる。あるいは、これにポリマーが添加され固体状(典型的には、いわゆるゲル状)となったものでもよい。非水溶媒としては特に限定されず、一般的な二次電池の電解質に用いられる各種のカーボネート類、エーテル類、エステル類、ニトリル類、スルホン類、ラクトン類等の有機溶媒を用いることができる。なかでも、カーボネート類、例えばエチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ジエチルカーボネート(DEC)、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)等が好適に用いられる。支持塩としては、電荷担体(例えば、リチウムイオン、ナトリウムイオン、マグネシウムイオン等。リチウムイオン二次電池ではリチウムイオン。)を含むものであれば特に限定されず、一般的な二次電池と同様のものを適宜選択して使用することができる。例えば電荷担体がリチウムイオンの場合は、LiPF6、LiBF4、LiClO4等のリチウム塩が好適に用いられる。また、支持塩の濃度は、電解質全体に対して0.7mol/L〜1.3mol/Lに調製することが好ましい。
このような捲回電極体80は、例えば、正極シート10、セパレータシート40、負極シート20、セパレータシート40の順に重ね合わせた積層体を長手方向に捲回し、得られた捲回体を側面方向から押圧して拉げさせることによって扁平形状に成形することにより作製することができる。
次に、負極活物質としてのアモルファスコートグラファイト粉末と、スチレンブタジエンゴム(SBR)と、カルボキシメチルセルロース(CMC)とを、質量比率が98.3:1.0:0.7となるようにイオン交換水と混合して、スラリー状組成物を調製した。この組成物を、厚み凡そ10μmの長尺状銅箔(負極集電体)に塗布して負極活物質層を形成した。得られた負極を乾燥およびプレスし、シート状の負極(負極シート)を作製した。
この電極体を電池ケースに収容し、非水電解液を注入した。なお、非水電解液としては、エチレンカーボネート(EC)とメチルエチルカーボネート(EMC)とジメチルカーボネート(DMC)とを3:4:3の体積比率で含む混合溶媒に、電解質としてのLiPF6を凡そ1mol/Lの濃度で溶解し、さらに、非水電解液全体の0.75質量%の割合でビニレンカーボネートを、4質量%の割合でシクロヘキシルベンゼンを、1質量%の割合でビフェニルを、それぞれ添加したものを用いた。そして、電池ケースの開口部に蓋体を装着し、溶接して接合することによって電池組立体(容量比(CN/CP)は1.36、定格容量は28Ah。)を構築した。
12 正極集電体
14 正極活物質層
20 負極シート(負極)
22 負極集電体
24 負極活物質層
40 セパレータシート(セパレータ)
50 電池ケース
52 ケース本体
54 蓋体
55 安全弁
70 正極端子
72 負極端子
80 捲回電極体
100 二次電池
S10 充電工程
S20 エージング工程
S30 検査前放電工程
S40 電圧調整工程
S50 自己放電検査工程
S60 良品判定工程
Claims (5)
- 二次電池の内部短絡を検査する方法であって、
充電工程と、エージング工程と、検査前放電工程と、電圧調整工程と、自己放電検査工程と、良否判定工程と、をこの順に包含し、
前記検査前放電工程の放電条件は、前記検査前放電工程の開始から終了までの所要時間(s)に亘って予め定められた電圧から出力電圧を差し引いた値を累積加算した電圧差積算値Vsが、前記自己放電検査工程の初期における電圧の最大変動率Va(%)との関係式:Va= −0.589881 Ln(Vs)+5.011706 (I);に基づいて、次式:2980≦Vs≦34000;を満たすよう決定する、検査方法。 - 前記電圧調整工程では、予め定められた設定電圧Vpまで定電流充電した後、該設定電圧Vpで電流が予め定められたカット電流I(A)になるまで定電圧充電を行い、
前記設定電圧Vpは、前記定電圧充電の前記カット電流I(A)と、前記電圧差積算値Vsに基づいて算出される見かけ抵抗値R(Ω)と、前記自己放電検査工程の予め定められた開始電圧Vb(V)とから、以下の式:
Vp=I×R+Vb (II);
に基づいて決定する、請求項1に記載の検査方法。 - 前記検査前放電工程において、定電流放電後に定電圧放電を行う、請求項1または2に記載の検査方法。
- 前記検査前放電工程において、放電終止電圧を1.8V以上2.3V以下に設定する、請求項1から3のいずれか一項に記載の検査方法。
- 二次電池を製造する方法であって、
正極活物質層を有する正極と、負極活物質層を有する負極と、を備える電極体を準備すること、ここで、前記負極活物質層の表面積は前記正極活物質層の表面積よりも広く、前記負極活物質層は前記正極活物質層に対向する部位と前記正極活物質層に対向しない部位とを有している;
前記電極体と電解質とを用いて電池組立体を構築すること;および、
請求項1から4のいずれか一項に記載の検査方法で前記電池組立体の内部短絡の有無を検査し、良品を選択すること;
を包含する、二次電池の製造方法。
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