JP5978815B2 - リチウムイオン二次電池の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明はリチウムイオン二次電池の製造方法に関する。
リチウムイオン二次電池は、リチウムイオンを吸蔵・放出する正極および負極の間を、非水電解液中のリチウムイオンが移動することで充放電可能な二次電池である。近年、大容量のリチウムイオン二次電池が、電気自動車(EV:Electric Vehicle)やプラグインハイブリッド自動車(PHV:Plug-in Hybrid Vehicle)にも搭載されるようになってきた。
ところで、特許文献1には、ニッケル水素蓄電池の出荷検査方法が開示されている。特許文献1に開示された出荷検査方法では、組み立てられた電池に対して充放電を行った後、第1回目の検査(電圧および内部抵抗の測定)を行う。そして、エージング処理を行った後、第2回目の検査(電圧降下率および内部抵抗上昇率の測定)を行う。
また、特許文献2には、エージング処理を行った後、容量を測定するリチウムイオン電池の製造方法が開示されている。
特開2001−266956号公報 特開平11−250390号公報
発明者は以下の課題を見出した。
リチウムイオン二次電池の製造工程においては、出荷前にエージング処理を行った後、容量を測定している。上述のような大容量のリチウムイオン二次電池は、容量の測定に長時間を要し、生産効率に劣るという問題があった。
本発明は、上記を鑑みなされたものであって、生産効率に優れるリチウムイオン二次電池の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の一態様に係るリチウムイオン二次電池の製造方法は、リチウムイオン二次電池を組み立てるステップと、
組み立てられた前記リチウムイオン二次電池を充電するステップと、
充電された前記リチウムイオン二次電池を室温よりも高い所定の温度に保持するエージング処理を行うとともに、当該エージング処理の間に前記リチウムイオン二次電池の区間容量値を測定するステップと、
前記区間容量値から前記リチウムイオン二次電池の容量値を算出するステップと、
当該容量値が基準値を満たすか否かを判定するステップと、を備えたものである。
エージング処理の間に前記リチウムイオン二次電池の区間容量値を測定するため、エージング処理後に改めて容量値を測定する必要がなく、生産性に優れている。
前記区間容量値を測定する際、
他のリチウムイオン二次電池を用いてエージング処理時間に対する容量変化を予め測定しておき、単位時間当たりの容量減少量が所定の閾値以下となる時間よりも後に、前記区間容量値を測定することが好ましい。測定した区間容量から精度良く前記容量値を算出することができる。ここで、予め測定した前記容量変化におけるエージング処理開始時の測定容量値を100%とした場合、前記所定の閾値を0.05%とすることが特に好ましい。
また、前記容量値を算出する際、
前記基準値を満たす複数の他のリチウムイオン二次電池の容量値および区間容量値を予め測定することにより得られた回帰直線を用いることが好ましい。ここで、前記回帰直線の相関係数の2乗の値が0.98以上であることが好ましい。測定した区間容量から精度良く前記容量値を算出することができる。
エージング処理における前記所定の温度を、45〜80℃とすることが好適である。
本発明により、生産効率に優れるリチウムイオン二次電池の製造方法を提供することができる。
本発明の実施の形態に係るリチウムイオン二次電池の原理を示す模式断面図である。 本実施の形態に係るリチウムイオン二次電池の製造方法を説明するためのフローチャートである。 本実施の形態の比較例に係るリチウムイオン二次電池の製造方法を説明するためのフローチャートである。 コンディショニング処理、エージング処理および区間容量測定における時間と電池電圧との関係を示したグラフである。 コンディショニング処理、エージング処理および全容量測定における時間と電池電圧との関係を示したグラフである。 区間容量(Ah)と全容量(Ah)との相関を示すグラフである。 エージング処理時間(h)に対する容量(%)の変化を示すグラフである。 エージング処理時間(h)に対する単位時間当たりの容量減少量(%)を示すグラフである。 区間容量(Ah)と全容量(Ah)との相関を示すグラフである。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1は、本発明の実施の形態に係るリチウムイオン二次電池の原理を示す模式断面図である。リチウムイオン二次電池は、所定の負荷(不図示)に電力を供給することができる。図1に示すように、本実施の形態に係るリチウムイオン二次電池は、正極活物質を担持した正極1、負極活物質を担持した負極2、正極1および負極2の間に設けられたセパレータ3を備えている。正極1および負極2は、多孔質であって非水電解液を含んでいる。
実際のリチウムイオン二次電池は、例えば帯状の正極1と帯状の負極2とが帯状のセパレータ3を介して捲回された捲回構造や、複数の正極1と複数の負極2とがセパレータ3を介して交互に積層された積層構造などを有している。また、リチウムイオン二次電池は、単一のリチウムイオン二次電池でもよく、また複数のリチウムイオン二次電池を電気的に接続することにより構成された組電池であってもよい。
<正極>
正極1は正極活物質を含んでいる。正極活物質は、リチウムを吸蔵・放出可能な材料である。正極活物質としては、例えばコバルト酸リチウム(LiCoO)、マンガン酸リチウム(LiMn)、ニッケル酸リチウム(LiNiO)等を用いることができる。また、LiCoO、LiMn、LiNiOを任意の割合で混合して焼成した材料を用いてもよい。組成の一例としては、例えば、これらの材料を等しい割合で混合したLiNi1/3Co1/3Mn1/3が挙げられる。
また、正極1は、導電材を含んでいてもよい。導電材としては、例えばアセチレンブラック(AB)、ケッチェンブラック等のカーボンブラック、黒鉛(グラファイト)を用いることができる。
例えば、正極1は、正極活物質、導電材、溶媒、および結着剤(バインダー)を混練した正極合剤を正極集電体に塗布して乾燥することによって得られる。ここで、溶媒としては、例えばN−メチル−2−ピロリドン(NMP)溶液を用いることができる。また、バインダーとしては、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、スチレンブタジエンラバー(SBR)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、カルボキシメチルセルロース(CMC)等を用いることができる。また、正極集電体として、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる金属箔を用いることができる。
<負極>
負極2は負極活物質を含んでいる。負極活物質は、リチウムを吸蔵・放出可能な材料であり、例えば、黒鉛(グラファイト)等からなる粉末状の炭素材料を用いることができる。そして、正極と同様に、負極活物質と、溶媒と、バインダーとを混練し、混練後の負極合剤を負極集電体に塗布して乾燥することによって負極を作製することができる。ここで、負極集電体として、例えば銅やニッケルあるいはそれらの合金からなる金属箔を用いることができる。
<セパレータ>
セパレータ3には、絶縁性の多孔質膜を用いることができる。例えば、セパレータ3としては、ポリエチレン膜、ポリオレフィン膜、ポリ塩化ビニル膜等の多孔質ポリマー膜、あるいはイオン導電性ポリマー電解質膜を使用することができる。これらの膜は、セパレータ3として、単独で使用してもよいし、組み合わせて使用してもよい。
<非水電解液>
非水電解液は、非水溶媒に支持塩が含有された組成物である。ここで、非水溶媒としては、プロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)、ジエチルカーボネート(DEC)、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)等からなる群から選択された一種または二種以上の材料を用いることができる。また、支持塩としては、LiPF、LiBF、LiClO、LiAsF、LiCFSO、LiCSO、LiN(CFSO、LiC(CFSO、LiI等から選択される一種または二種以上のリチウム化合物(リチウム塩)を用いることができる。
次に、図2を参照して、本実施の形態に係るリチウムイオン二次電池の製造方法について説明する。図2は、本実施の形態に係るリチウムイオン二次電池の製造方法を説明するためのフローチャートである。
まず、リチウムイオン二次電池を組み立てる(ステップS1)。リチウムイオン二次電池は、例えば、帯状の正極と帯状の負極とを帯状のセパレータを介して捲回した捲回電極体を、非水電解液と共に所定の容器に収容することで組み立てることができる。この時点では、リチウムイオン二次電池の充電は実施されていない。
次に、リチウムイオン二次電池のコンディショニング処理(初期充電)を実施する(ステップS2)。コンディショニング処理により、電池電圧を満充電状態(約4.1V)とする。なお、コンディショニング処理では、充放電を繰返し実施してもよい。
次に、コンディショニング処理により充電されたリチウムイオン二次電池に対して、エージング処理および区間容量の測定を実施する(ステップS3)。区間容量とは、充電状態SOC(State of Charge)の全区間(0〜100%)でなく、任意の一部区間(例えば、80〜100%)の容量をいう。ここで、区間容量の測定は、エージング処理の途中で実施される。まず、エージング処理として、リチウムイオン二次電池を、例えば45〜80℃の温度で、所定の時間(例えば10〜100時間程度)保持する。エージング処理は、負極活物質の表面へのSEI(Solid Electrolyte Interface:固体電解質界面)の形成、および製造工程において混入した金属異物の溶解の2つを目的としている。エージング処理に上記のような長時間を要するのは、金属異物の溶解に時間が掛かるからである。発明者は、SEIがエージング処理の比較的早い段階で形成され、リチウムイオン二次電池の容量が安定化することを見出した。
このような知見に基づき、本実施の形態に係るリチウムイオン二次電池の製造方法では、容量が安定化する所定の時間よりも後に、エージング処理中に区間容量を測定する。具体的には、エージング処理におけるリチウムイオン二次電池の全容量値の時間変化を予め測定しておく。この測定結果から、全容量値の単位時間当たりの減少量が所定の閾値以下となる時間を求めることができる。この時間よりも後に、区間容量値を測定する。上記減少量の閾値は、例えばエージング処理開始時の容量値を100%とした場合、0.05%とすることが好ましい。リチウムイオン二次電池の全容量値の時間変化の詳細については実施例において後述する。
ここで、図4Aを用いて、コンディショニング処理(ステップS2)、エージング処理および区間容量測定(ステップS3)における時間と電池電圧との関係について説明する。図4Aは、コンディショニング処理、エージング処理および区間容量測定における時間と電池電圧との関係を示したグラフである。
図4Aに示すように、コンディショニング処理(初期充電)では、室温(RT)において、約3.0V(放電状態)から約4.1V(満充電状態)まで充電する。
次に、製造に係るリチウムイオン二次電池自体を室温(RT)からエージング処理温度(45〜80℃)まで昇温し、エージング処理を開始する。
次に、上述の通り、エージング処理中、負極活物質の表面にSEIが形成され、容量の変化が緩やかになった段階(つまり容量が安定化した段階)で、区間容量を測定する。例えば、SOC100%(電圧4.1V)から80%(3.85V)まで放電し、区間容量を測定する。区間容量を測定後、SOC100%(電圧4.1V)まで再充電する。
図2に戻り、説明を続ける。区間容量値を測定した後、区間容量値の測定結果から全容量値を算出する(ステップS4)。具体的には、全容量値の基準値を満たしている(つまり合格品の)複数のリチウムイオン二次電池について、全容量値および区間容量値を予め測定しておく。そして、予め測定された全容量値および区間容量値から定まる回帰直線を用いることにより、実際の製造工程であるエージング処理中に測定された上述の区間容量値から全容量値を算出する。このステップS4は、エージング処理中に並行して実施することができる。
次に、算出された全容量値が基準値を満たしているか否か判定する(ステップS5)。例えば、算出された全容量値が、基準値を満たしていれば、そのリチウムイオン二次電池を出荷し、基準値を満たしていなければ、出荷から除外する。このように、本実施の形態に係るリチウムイオン二次電池の製造方法では、エージング処理中に測定した区間容量値に基づいて、製造に係るリチウムイオン二次電池の容量値が基準値を満たしているか否かを判定する。
次に、図3を参照して、本実施の形態の比較例に係るリチウムイオン二次電池の製造方法について説明する。図3は、本実施の形態の比較例に係るリチウムイオン二次電池の製造方法を説明するためのフローチャートである。
まず、リチウムイオン二次電池を組み立てる(ステップS11)。次に、リチウムイオン二次電池のコンディショニング処理(初期充電)を実施する(ステップS12)。ステップS11、S12は、図2のステップS1、S2とそれぞれ同様であるため、詳細な説明は省略する。
次に、コンディショニング処理により充電されたリチウムイオン二次電池に対して、エージング処理を実施する(ステップS13)。ここで、図2のエージング処理(ステップS3)では、途中で区間容量の測定を実施するのに対し、図3のエージング処理では、区間容量の測定を実施しない。
エージング処理が終了した後、室温(RT:Room Temperature)で全容量を測定する(ステップS14)。次に、算出された全容量値が基準値を満たしているか否か判定する(ステップS15)。
ここで、図4Bを用いて、コンディショニング処理(ステップS12)、エージング処理(ステップS13)および全容量測定(ステップS14)における時間と電池電圧との関係について説明する。図4Bは、コンディショニング処理、エージング処理および全容量測定における時間と電池電圧との関係を示したグラフである。
図4Bに示すように、コンディショニング処理では、室温(RT)において、約3.0V(放電状態)から約4.1V(満充電状態)まで充電する。
次に、製造に係るリチウムイオン二次電池自体を室温(RT)からエージング処理温度(45〜80℃)まで昇温し、エージング処理を行う。
エージング処理終了後、製造に係るリチウムイオン二次電池自体を室温(RT)まで降温し、全容量の測定を行う。具体的には、SOC100%(電圧4.1V)から0%(3.0V)まで放電し、全容量を測定する。
図4A、図4Bを比較すると分かるように、本実施の形態に係るリチウムイオン二次電池の製造方法では、エージング処理中に区間容量を測定し、エージング処理後に全容量を測定する必要がない。そのため、著しく製造時間を短縮することができる。また、本実施の形態に係るリチウムイオン二次電池の製造方法における区間容量の測定自体も、比較例に係る全容量測定よりも短時間で実施することができる。また、詳細には後述するように、発明者は、エージング処理温度で測定された区間容量が、室温で測定された区間容量よりも全容量と高い相関関係を有することを見出した。そのため、区間容量から精度良く全容量を算出することができる。
以下に、具体的な実施例について説明する。
<リチウムイオン二次電池を組み立て>
各種調査に用いたリチウムイオン二次電池サンプルは、いずれも以下の通りに組み立てた。
N−メチル−2−ピロリドン(NMP)溶液を溶媒として、正極活物質であるLiNi1/3Co1/3Mn1/3、導電材であるアセチレンブラック(AB)、およびバインダーであるポリフッ化ビニリデン(PVDF)を混合することにより正極合剤を得た。ここで、LiNi1/3Co1/3Mn1/3、AB、PVDFの質量比は、90:6:4とした。ダイコータを用いて、厚さ15μmの長尺状のアルミニウム箔(正極集電体)の両面に、この正極合剤を塗布した。150℃で3分間、乾燥した後、プレス加工することにより、正極集電体の両面に正極合剤層が設けられた正極シートを得た。この正極シートの目付量は約30mg/cm、厚さは120μmとした。
また、水を溶媒として、負極活物質である天然黒鉛粉末、バインダーであるスチレンブタジエンラバー(SBR)、および増粘剤であるカルボキシメチルセルロース(CMC)を混合することにより負極合剤を得た。ここで、天然黒鉛粉末、SBR、CMCの質量比は、98:1:1とした。ダイコータを用いて、厚さ10μmの長尺状の銅箔(負極集電体)の両面に、この負極合剤を塗布した。150℃で3分間、乾燥した後、プレス加工することにより、負極集電体の両面に負極合剤層が設けられた負極シートを得た。この負極シートの目付量は約16mg/cm、厚さは130μmとした。
セパレータを介して積層した上記正極シートおよび負極シートを捲回した後、側面方向からプレス加工することにより、扁平状の捲回電極体を得た。セパレータには、多孔質ポリエチレン製の単層構造のものを使用した。この捲回電極体を非水電解液とともに箱型の電池容器に収容し、電池容器の開口部を気密に封口した。
非水電解液としては、エチレンカーボネート(EC)、ジメチルカーボネート(DMC)、およびエチルメチルカーボネート(EMC)を3:4:3の体積比で含む混合溶媒に、支持塩としてのLiPFを約1mol/kgの濃度で含有させたものを使用した。
以上により、リチウムイオン二次電池を組み立てた。
<区間容量と全容量との相関に対する区間容量測定温度の影響の調査>
全容量の異なる10個のリチウムイオン二次電池サンプルを用いて、区間容量と全容量との相関に対する区間容量測定温度の影響を調査した。区間容量測定温度は、25℃(室温)と60℃(エージング処理温度)とした。10個のサンプルそれぞれについて、コンディショニング処理(1回のみの満充電)及び60℃×24時間のエージング処理を施した。エージング処理中、エージング処理開始から20時間で、60℃での区間容量(SOC80〜100%)を測定した。エージング処理後、25℃にて区間容量(SOC80〜100%)と全容量(SOC0〜100%)とを連続して測定した。ここで、SOC100%(電圧4.1V)、SOC0%(電圧3.0V)、電流密度1Cの条件で通電し、このときのCCCV放電容量を全容量した。また、SOC100%(電圧4.1V)からSOC80%(電圧3.85V)まで電流密度1Cの条件で通電し、このときのCC放電容量を区間容量とした。
図5は、区間容量(Ah)と全容量(Ah)との相関を示すグラフである。区間容量を25℃及び60℃の2条件で測定した場合について示されている。図5に示すように、60℃で測定された区間容量と全容量との相関係数Rの2乗は、0.9896であった。一方、25℃で測定された区間容量と全容量との相関係数Rの2乗は、0.9068であった。このように、60℃(エージング処理温度)で測定された区間容量と全容量との相関は、25℃(室温)で測定された区間容量と全容量との相関に比べ、著しく良好であることが分かった。例えば、図5に示したような回帰直線を用いて、エージング処理中に測定された区間容量から精度良く全容量を算出することができる。エージング処理中に測定された区間容量から精度良く全容量を求めるには、相関係数Rの2乗の値が0.98以上であることが好ましい。


<区間容量と全容量との相関に対するエージング処理時間の影響の調査>
まず、エージング処理時間に対する容量の変化を調査した。コンディショニング処理(1回のみの満充電)後に、60℃のエージング処理を5つの時間条件0時間(点A)、12時間(点B)、24時間(点C)、48時間、72時間で行った場合の全容量の変化を調査した。図6は、エージング処理時間(h)に対する容量(%)の変化を示すグラフである。図6では、エージング処理時間0時間つまりエージング処理開始時の容量を100%として、各時間における容量を%で示している。
次に、上記5点の測定結果から図6に示した近似曲線を求め、1時間当たりの容量減少量を求めた。図7に、この様子を示す。図7は、エージング処理時間(h)に対する単位時間当たりの容量減少量(%)を示すグラフである。図7においても、図6と同様に、点A(エージング処理時間0時間)、点B(同12時間)、点C(同24時間)を示した。
図6、7に示すように、エージング処理の開始から10時間程度までの間に、容量は急激に低下し、以後は安定化する。図7に示す単位時間当たりの容量減少量(%)にして、0.05%が容量安定化の1つの目安となる。ここで、エージング処理において負極活物質(炭素)の表面にSEIが形成されるために、容量が安定化すると考えられる。
次に、全容量の異なる6個のリチウムイオン二次電池サンプルを用いて、図6、7に示した点A(エージング処理時間0時間)、点B(同12時間)、点C(同24時間)で測定した区間容量と全容量との相関を調査した。
6個のサンプルそれぞれについて、以下の処理を施した。
まず、コンディショニング処理(1回のみの満充電)後、エージング処理のために60℃まで昇温した。
エージング処理開始時(図6、7に示した点Aに対応)に、区間容量(SOC80〜100%)を測定した。
次に、エージング処理開始から12時間後(図6、7に示した点Bに対応)に、区間容量(SOC80〜100%)を測定した。
次に、エージング処理開始から24時間後(図6、7に示した点Cに対応)に、区間容量(SOC80〜100%)を測定した。
エージング処理後、25℃まで降温し、25℃にて全容量(SOC0〜100%)を測定した。ここで、SOC100%(電圧4.1V)、SOC0%(電圧3.0V)、電流密度1Cの条件で通電し、このときのCCCV放電容量を全容量した。また、SOC100%(電圧4.1V)からSOC80%(電圧3.85V)まで電流密度1Cの条件で通電し、このときのCC放電容量を区間容量とした。
図8は、区間容量(Ah)と全容量(Ah)との相関を示すグラフである。エージング処理開始から0、12、24時間経過後の3条件で区間容量を測定した場合について示されている。図8に示すように、Aで示されたエージング処理開始時に測定された区間容量と全容量との相関係数Rの2乗は、0.9393であった。Bで示されたエージング処理開始から12時間後に測定された区間容量と全容量との相関係数Rの2乗は、0.9872であった。Cで示されたエージング処理開始から24時間後に測定された区間容量と全容量との相関係数Rの2乗は、0.9966であった。
このように、図7に示した予め測定された単位時間当たりの容量減少量が、所定の閾値以下となる(つまり容量が安定化する)時間よりも後に測定された区間容量(図8におけるBあるいはC)と全容量との相関は、上記時間以前に測定された区間容量(図8におけるA)と全容量との相関に比べ、著しく良好であることが分かった。上記閾値は、エージング処理開始時の容量を100%とした場合、0.05%であることが好ましい。例えば、図8に示したBあるいはCのような回帰直線を用いて、エージング処理中に測定された区間容量から精度良く全容量を算出することができる。エージング処理中に測定された区間容量から精度良く全容量を求めるには、相関係数Rの2乗の値が0.98以上であることが好ましい。
以上、本発明を上記実施形態および実施例に即して説明したが、上記実施形態および実施例の構成にのみ限定されるものではなく、本願特許請求の範囲の請求項の発明の範囲内で当業者であればなし得る各種変形、修正、組み合わせを含むことは勿論である。
1 正極
2 負極
3 セパレータ

Claims (3)

  1. リチウムイオン二次電池を組み立てるステップと、
    組み立てられた前記リチウムイオン二次電池を充電するステップと、
    充電された前記リチウムイオン二次電池を室温よりも高い所定の温度に保持するエージング処理を行うとともに、当該エージング処理の間に前記リチウムイオン二次電池の区間容量値を測定するステップと、
    前記区間容量値から前記リチウムイオン二次電池の容量値を算出するステップと、
    当該容量値が基準値を満たすか否かを判定するステップと、を備え
    前記区間容量値を測定する際、
    他のリチウムイオン二次電池を用いてエージング処理時間に対する容量変化を予め測定しておき、単位時間当たりの容量減少量が所定の閾値以下となる時間よりも後に、前記区間容量値を測定し、
    前記容量値を算出する際、
    前記基準値を満たす複数の他のリチウムイオン二次電池の容量値および区間容量値を予め測定することにより得られた回帰直線を用い、
    前記所定の温度を、45〜80℃とする、リチウムイオン二次電池の製造方法。
  2. 予め測定した前記容量変化におけるエージング処理開始時の測定容量値を100%とした場合、前記所定の閾値を0.05%とする請求項1に記載のリチウムイオン二次電池の製造方法。
  3. 前記回帰直線の相関係数の2乗の値が0.98以上である請求項1又は2に記載のリチウムイオン二次電池の製造方法。
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