JP2016040756A - 非水系二次電池の製造方法 - Google Patents

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幸義 上野
展弘 山田
Nobuhiro Yamada
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康明 大槻
Yasuaki Otsuki
康明 大槻
純子 大平
Junko Ohira
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Abstract

【課題】内部短絡の発生した非水系二次電池を高感度に検出し、短時間で信頼性の高い電池を製造する方法を提供する。【解決手段】本発明により、以下の工程:正極と負極と非水電解質とを備える電池組立体を自己放電させて電圧降下量を計測する工程;上記電圧降下量から内部短絡の有無を判定する工程;を包含する非水系二次電池の製造方法が提供される。かかる製造方法では、上記自己放電において、次の式:0.05≦dV/dQ≦1.0(ただし、dVは電圧変化量(V)、dQは容量変化量(Ah)である。);を満たす電圧範囲で電圧降下量を計測する。【選択図】図4

Description

本発明は、非水電解質を備える二次電池(非水系二次電池)の製造方法に関する。
リチウムイオン電池等の非水系二次電池は、既存の電池に比べて軽量でエネルギー密度も高いことから、車両搭載用の高出力電源等に好ましく利用されている。
この種の電池の製造においては、典型的には正極と負極と非水電解質を用いて電池組立体を構築し、当該電池組立体に対して初期充電(コンディショニング)、高温環境下での保持(エージング)、品質検査(例えばIV抵抗や自己放電特性の検査)等を行う(特許文献1,2参照)。例えば特許文献1には、構築した電池組立体を単位電圧(1mV)あたりのSOC(State of Charge)が所定の範囲となるよう電圧調整した後、常温環境下で一定期間放置して自己放電させ、当該放置期間前後の電圧変化量(電圧降下量)ΔVから内部短絡の有無を判断する二次電池の内部短絡検査方法が開示されている。
特開2014−002009号公報 国際公開2014/016956号
しかしながら、特許文献1の技術では、例えば電池の設計や仕様を変更した場合に内部短絡に起因する自己放電量が小さくなり、不具合品(内部短絡有りの電池)の検出感度が低下したり、あるいは従来よりも検査に長時間を要したりすることがあった。このため、電池の設計や仕様(例えば電池容量や正負極の構成材料等の設計パラメータ)を変更した場合であっても、短絡検査の検出感度や所要時間を維持したまま、短時間で的確に不具合品を検出することが求められている。
本発明はかかる状況を鑑みて創出されたものであり、その目的は、内部短絡の発生した非水系二次電池を高感度に検出し、短時間で信頼性の高い電池を製造することにある。
本発明者らの検討により、上記自己放電量の減少は、自己放電過程における充放電曲線の微分値、すなわち、容量変化量(以下、「dQ」と表記することがある。)に対する電圧変化量(以下、「dV」と表記することがある。)の比(dV/dQ)と相関があり、かかる比を適切な範囲に調整することで上記課題を解決し得ることがわかった。そこで、本発明者らはかかる知見を基に更なる鋭意検討を重ね、本発明を創出するに至った。
すなわち、本発明により、以下の工程:正極と負極と非水電解質とを備える電池組立体を自己放電させて電圧降下量を計測する工程;上記電圧降下量から内部短絡の有無を判定する工程;を包含する非水系二次電池の製造方法が提供される。かかる製造方法は、次の式:0.05≦dV/dQ≦1.0(ただし、dVは電圧変化量(V)、dQは容量変化量(Ah)である。);を満たす電圧範囲で電圧降下量を計測することによって特徴づけられる。
dV/dQが上記を満たす電圧で自己放電検査を行うことにより、内部短絡の生じていない電池群(良品群)の自己放電量のばらつき(例えば4σ。ただしσは標準偏差を意味する。)に比べて、内部短絡の生じている不具合品の自己放電量が大きくなる。これにより、不具合品を明瞭に識別することができ、内部短絡検査の検出感度を向上したり、従来よりも自己放電検査工程に要する時間を短縮したりすることができる。また、充放電曲線の微分値(dV/dQ)で電圧を規定するため、例えば電池仕様や設計を変更して、電池容量やSOCに対する開回路電圧(OCV;Open Circuit Voltage)の関係が変化した場合であっても、安定して高い検出感度を保持することができる。
一実施形態に係る活性化処理工程以後の電池製造工程における電圧変化を示すグラフである。 定電流放電時間(CV時間)と放電電圧との関係を示すグラフである。 良品群と不具合品の判定方法に係る説明図であり、縦軸に電圧降下量、横軸に検査日数を表している。 dV/dQと電圧降下量との関係を表すグラフである。 放電容量割合とdV/dQとの関係を示すグラフである。 電圧差積算値とdV/dQとの関係を示すグラフである。
以下、本発明の好適な実施形態を説明する。なお、本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって実施に必要な事柄(例えば電池の構成)は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。
ここに開示される非水系二次電池の製造方法は、電池組立体を自己放電させて電圧降下量を計測する工程と、電圧降下量から内部短絡の有無を判定する工程とを含んでいる。より詳細には、例えば、(a)電池組立体の構築工程、(b)活性化処理工程、(c)電圧調整工程、(d)自己放電検査工程、(e)判定工程、を包含し得る。そして、(d)自己放電検査工程時において、電圧変化量(dV(V))と容量変化量(dQ(Ah))との比(dV/dQ)が0.05以上1.0以下となる電圧範囲で電圧降下量を計測することにより特徴付けられる。以下、各工程について順に説明する。
(a)電池組立体の構築工程
ここに開示される製造方法の好適な一態様では、まず、正極と負極と非水電解質とを備える電池組立体を構築する。典型的には、正極および負極を(例えばセパレータを介して)対向させてなる電極体と、非水電解質と、を所定の電池ケース内に収容する。電池ケースとしては、例えばアルミニウム等の軽量な金属材料からなるものを好適に用いることができる。
正極は、例えば、正極活物質を導電材やバインダ等とともに正極集電体上に固着させて、当該正極集電体の表面に正極活物質層を形成することで作製し得る。正極集電体としては、導電性の良好な金属(例えばアルミニウム)からなる導電性部材を好適に用いることができる。正極活物質としては、層状系、スピネル系等のリチウム複合金属酸化物(例えば、LiNiO、LiCoO、LiFeO、LiMn、LiNi1/3Co1/3Mn1/3、LiNi0.5Mn1.5,LiCrMnO等)等を好適に用いることができる。導電材としては、カーボンブラック(例えば、アセチレンブラック)や黒鉛等の炭素材料を好適に用いることができる。バインダとしては、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)やポリエチレンオキサイド(PEO)等を好適に用いることができる。
負極は、例えば、負極活物質をバインダ等とともに負極集電体上に付着させて、当該負極集電体の表面に負極活物質層を形成することで作製し得る。負極集電体としては、導電性の良好な金属(例えば銅)からなる導電性材料を好適に用いることができる。負極活物質としては、黒鉛(グラファイト)系の炭素材料を好適に用いることができ、特にはアモルファスコートグラファイト(黒鉛粒子の表面にアモルファスカーボンがコートされた形態のもの)が好適である。バインダとしては、スチレンブタジエンゴム(SBR)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等を好適に用いることができる。
非水電解質(典型的には非水電解液)は、例えば非水溶媒中に支持塩を含有させることで調製し得る。支持塩としては、リチウム塩、ナトリウム塩、マグネシウム塩等を用いることができ、なかでもLiPF、LiBF等のリチウム塩が好適である。非水溶媒としては、カーボネート類、エステル類、エーテル類、ニトリル類、スルホン類、ラクトン類等の非プロトン性溶媒を考慮することができる。なかでも、カーボネート類、例えば、エチレンカーボネート(EC)、ジエチルカーボネート(DEC)、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)等を好適に用いることができる。
なお、本明細書において「電池組立体」とは、電極体と非水電解質とを用いて初期充電工程に先立った段階にまで組み立てられているもの全般をいい、電池の種類や構成等は特に限定されない。例えば電池ケースは封口前であってもよいし封口後であってもよい。
(b)活性化処理工程
ここに開示される製造方法の好適な一態様では、次に、上記構築した電池組立体を活性化処理する。例えば、上記電池組立体の正極と負極の間に外部電源を接続し、0.1〜10C程度の充電レートで、当該電池組立体のSOCが65%以上(典型的には80%以上、例えば80〜105%)となるまで充電(コンディショニング)するとよい。さらに、この電池組立体を40℃以上(例えば40〜80℃、好ましくは50〜70℃、より好ましくは55〜65℃)の高温域で、数時間程度(例えば昇温開始からの合計時間が1〜100時間、好ましくは10〜48時間となるまで)保持(放置、エージング)するとよい。これによって負極(負極活物質)の表面に良質な(低抵抗な)皮膜を形成することができ、電池の耐久性をより高めることができる。
図1には一実施形態に係る活性化処理工程以後の電池製造工程を示している。ここに示す態様では、活性化処理後の電池組立体に対して、簡易的な検査(容量確認)を行った後、暫く休止し、次いで(c)電圧調整、(d)自己放電検査、出荷前のSOC調整を行っている。そして、(d)自己放電検査における電圧降下量から、良品と不具合品を判別している。以下、各工程を順に説明する。
具体的には、まず活性化処理後の電池組立体に対して所定の簡易的な検査を行い、不具合のある電池組立体を検出、除去する。簡易検査の項目は特に限定されないが、例えば、所定の電圧区間における電池容量(区間容量)やIV抵抗の測定が挙げられる。一具体例では、活性化処理時に凡そ4.1Vまで充電した電池組立体を、1〜100A(図1に示す例では60A)の定電流で、凡そ1.8〜3.0V(図1に示す例では3.0V)の電圧まで放電(CC放電)し、その間の区間容量やIV抵抗を測定する。これにより、後の製造工程で必要以上に不具合品が発生することを防止し得、良質な電池をより効率的に製造することができる。
(c)電圧調整工程
ここに開示される製造方法の好適な一態様では、次に、典型的には数分〜数時間(図1に示す例では5分間)の休止工程を挟んだ後に、電池組立体の電圧を調整(典型的には電池組立体を放電)する。
電圧調整の方式は特に限定されず、例えば、定電流で放電する方式(CC放電)や定電圧で放電する方式(CV放電)で行ってもよく、あるいは所定の電圧に到達するまでCC放電した後にCV放電する方式(CCCV放電)により行ってもよい。
また、CC放電時のレートは特に限定されないが、あまりに高すぎると局所的に電圧が低下しすぎて非水電解質が分解したりすることがあり得るため、通常は0.01〜5C(例えば0.05〜3C)程度とするとよい。
また、調整する電圧値は特に限定されないが、本発明者らの検討によれば、電圧値が1.5V未満となると、正極活物質の結晶構造が変化(崩壊)したり、上記活性化処理工程で負極上に形成された皮膜が分解してガスが発生したり、負極集電体を構成する導電性部材(典型的には銅)が溶出したりすることがあり得る。このため、正負極端子間の電圧値は1.5V以上とすることが好ましい。また、一好適例として、例えば4.2Vで満充電(SOC100%)となる電池であって、実際の電池作動SOC範囲がSOCの低い領域(例えばSOC30%以下の領域)を含む電池では、最終的な電圧値を凡そ1.5〜2.5Vの範囲に調整するとよい。図1に示す例では1Cの定電流で2.0VまでCC放電した後、当該電圧で30分(1800秒)のCV放電を行っている。
好適な一態様では、電圧調整時の充放電パターン(例えば上述の放電形式や放電時間)を調整することで、充電容量に対する放電容量の割合、すなわち放電容量割合(%)を調整する。詳しくは、次の式:活性化処理工程以後の放電容量の総和/上記コンディショニング時の充電容量×100;によって求められる放電容量割合が、88.3%以上90.9%以下(好ましくは89.0%以上90.3%以下)となるように電圧調整を行う。本発明者らの鋭意検討によれば、これによって後述の(d)自己放電検査工程のdV/dQを0.05以上1.0以下(好ましくは0.3以上0.8以下)の範囲に高度に制御することができる。
他の好適な一態様では、電圧調整時の充放電パターン(例えば上述の放電形式や放電時間)を調整することで、電圧差積算値を調整する。例えば、図1の容量確認後から電圧調整工程終了までの全所要時間(秒(s))に亘って3.5Vと出力電圧との差分(dV)を累積加算した電圧差積算値(V・s)が、570以上4745以下(好ましくは1670以上3865以下)となるよう電圧差積算値を調整する。本発明者らの鋭意検討によれば、これによって後述の(d)自己放電検査工程のdV/dQを0.05以上1.0以下(好ましくは0.3以上0.8以下)の範囲に高度に制御することができる。
より具体的な手順としては、例えば、上記CV放電時の放電電圧(V)とCV放電時間(秒)とが、図2に示す提案範囲(斜線で示した領域)内に収まるように調整するとよい。例えば、図1に示すように、1Cの定電流で2.0VまでCC放電した後、当該電圧でCV放電を行う場合には、CV放電時間を451〜3237秒に設定するとよい。また、例えば、1Cの定電流で2.5VまでCC放電した後、当該電圧でCV放電を行う場合には、CV放電時間を606〜4886秒に設定するとよい。また、例えば、1Cの定電流で1.5Vまで放電した後、当該電圧でCV放電を行う場合には、放電時間を370〜2578秒に設定するとよい。これにより、比較的短い時間で上記dV/dQを満たす電圧に調整することができる。
(d)自己放電検査工程
ここに開示される製造方法では、上記電池組立体を一定期間放置して自己放電させ、電圧降下量(例えば図1のV−V)を計測する。このときの電圧降下量(放置前後の電池電圧差)を計測することにより、例えば電池組立体の製造条件や構成材料等に由来した内部短絡の有無を把握することができる。すなわち、内部短絡が生じた電池は、内部短絡の生じていない電池群(良品群)に比べて自己放電量が多いので、(通電処理を行わずに)放置すると、電圧が大きく降下する。このため、放置期間における電圧降下量から電池に内部短絡が生じているか否かを判別することができる。
ここに開示される技術は、電池組立体の所定の電圧Vにおける電圧と容量の変化のカーブの傾きが所定の値となる電圧範囲で自己放電検査を行うことを特徴とする。より詳しくは、電圧変化量(dV(V))と容量変化量(dQ(Ah))の比(dV/dQ)が0.05以上1.0以下となる電圧範囲で電圧降下量の計測を行う。なお、dVとdQには相関があり、例えばdVが0.01Vとすると、dQはQ(V)−q(V+0.01)と表すことができる。
本発明者らの鋭意検討によれば、dV/dQ≦1.0(より好ましくはdV/dQ≦0.9、好ましくはdV/dQ≦0.8)を満たす電圧範囲で電圧降下量を計測することにより、良品群の自己放電量のばらつき(4σ)に比べて微小短絡に起因する自己放電量が大きくなるため、不具合品の検出感度を向上することができる。また、0.05≦dV/dQ(好ましくは0.25≦dV/dQ、より好ましくは0.3≦dV/dQ)を満たす電圧範囲で電圧降下量を計測することにより、実際の電池作動SOC範囲(例えばSOC15〜85%)における特性を的確に評価することができる。さらには、測定機由来の結果のバラつきを抑制することができ、精度の高い計測を行うことができる。
加えて、dV/dQで規定することで、例えば電池容量が変化した場合であっても同等の感度で自己放電検査を行うことができる。さらには、電池の設計変更や仕様(例えば、正負の容量比や活物質の性状、非水電解質の添加剤等)の変更によってSOCに対するOCVの関係が変化した場合であっても、恒常的に同等の検出感度で自己放電検査を行うことができる。
また、自己放電検査期間(放置期間)は特に限定されないが、概ね360時間以下、典型的には120〜240時間、例えば144〜192時間とすることができる。ここに開示される技術によれば良品群と不具合品との区別が容易であるために従来の検査方法に比べて検査期間を短縮することができる。このことは、生産性や作業効率、コストの観点から有意義である。
(e)判定工程
ここに開示される製造方法では、次に、上記(d)自己放電検査工程で得られた結果から内部短絡の有無を判定する。具体的には、まず上記電圧降下量の計測結果に基づいて、良品判定のための基準値を設定する。基準値としては、例えば複数の電池組立体の電圧降下量の算術平均値、中央値(メジアン)等を採用し得る。そして、かかる基準値と各電池組立体の電圧降下量との差分を算出し、この差分が所定の閾値以下の場合にその電池組立体を「内部短絡なし」(すなわち良品)と判定し、この差分が所定の閾値を越える場合にその電池組立体を「内部短絡有り」(すなわち不具合品)と判定する。閾値としては、例えば2σ〜4σ程度に相当する値を設定することができる。図3は、(e)判定工程における良品と不具合品の判定方法に係る説明図である。図3に示す態様では、閾値を4σ未満と設定し、すなわち良品の基準値(中央値)から4σ分の電圧降下量を短絡抵抗と置き換えてこれを検出可能な短絡抵抗とみなしている。
かかる判定結果に基づいて「内部短絡有り」と判定された電池組立体を取り除くことで、信頼性の高い非水系二次電池のみを安定して提供することができる。
以下、本発明に関するいくつかの実施例を説明するが、本発明をかかる具体例に示すものに限定することを意図したものではない。
本発明者らは以下の構成の電池組立体を構築し、内部短絡の検出感度と、dV/dQに影響を与える条件について検討を行った。
〈正極〉正極活物質としての正極活物質:Li1.00Ni0.38Co0.32Mn0.302+δと、導電材としてのアセチレンブラック(AB)および黒鉛(KS4)と、バインダとしてのポリフッ化ビニリデン(PVdF)とを、質量比率が91:3:3:3となるように混合し調製した組成物を、アルミニウム箔(正極集電体)に塗布して正極活物質層を形成した。得られた正極を乾燥、プレスし、シート状の正極(正極シート)を作製した。
〈負極〉負極活物質としてのアモルファスコートグラファイトと、バインダとしてのスチレンブタジエンゴム(SBR)およびカルボキシメチルセルロース(CMC)とを、質量比率が98.3:1.0:0.7となるように混合し調製した組成物を、銅箔(負極集電体)に塗布して負極活物質層を形成した。得られた負極を乾燥、プレスし、シート状の負極(負極シート)を作製した。
〈電解質〉上記作製した正極シートと負極シートとを、樹脂製のセパレータ(ここでは、ポリエチレン(PE)層の両面にポリプロピレン(PP)層が積層された三層構造のものを用いた。)を介して重ね合わせて扁平形状に捲回した。この電極体を電池ケースに収容し、非水電解質を注入した。なお、非水電解質としては、エチレンカーボネート(EC)とエチルメチルカーボネート(EMC)とジメチルカーボネート(DMC)とを3:4:3の体積比率で含む混合溶媒に、電解質としてのLiPFを凡そ1mol/Lの濃度で溶解し、さらに、非水電解質全体の1質量%の割合でビニレンカーボネートを、4質量%の割合でシクロヘキシルベンゼンを、1質量%の割合でビフェニルを、それぞれ添加したものを用いた。そして、電池ケースの開口部に蓋体を装着し、溶接して接合することによって電池組立体(容量比(CN/CP)は1.20、定格容量は35Ah。)を構築した。
〈活性化処理〉上記構築した電池組立体を治具で挟み込み、拘束圧が400kgfとなるよう押圧、拘束した。次に、拘束した電池組立体に20Aの定電流で正負極端子間電圧が3.95Vに到達するまで定電流充放電を行った後、さらに当該電圧で電流が0.1Aになるまで定電圧充電を行った(コンディショニング)。次に、上記コンディショニング後の電池組立体を温度制御恒温槽内に設置して60℃まで昇温し、昇温開始からの経過時間が20時間となるまで高温エージングを行った。これ以降の工程(容量確認〜出荷前SOC調整)は図1と同様にして、複数の非水系二次電池を製造した。
図4は、dV/dQと電圧降下量の関係を表すグラフである。図4において、黒塗りの菱形(◆)は良品群の電圧降下量の4σのバラつきを示しており、黒塗りの四角形(■)は良品群の電圧降下量の中央値(med)から不具合品の短絡抵抗を差し引いた値を表している。
ここで、一般に、良品群と不具合品の判別を簡便にするためには、良品群の閾値の下限が小さく(電圧降下量が小さく)、不具合品の電圧降下量が大きいことが必要である。図4から明らかなように、0.05≦dV/dQ≦1.0(好ましくは0.3≦dV/dQ≦0.8)の電圧範囲で自己放電検査を行うことで、良品群と不具合品とをより明瞭に区別することができ、内部短絡の検出感度を向上することができる。
また、dV/dQを上記範囲に制御する条件について検討した結果、例えば(c)電圧調整工程の放電容量(=活性化処理工程以後の全放電容量/コンディショニング時の充電容量×100)によって調整することができるとわかった。なお、活性化処理工程以後の全放電容量は、例えば図1に示す態様では、容量確認時の放電容量と電圧調整工程の放電容量との和によって算出される。
図5は、放電容量割合(%)とdV/dQとの関係を示すグラフである。図5に示すように、両者には比例関係が認められる。つまり、(c)電圧調整工程において放電容量割合を88.3%以上90.9%以下(好ましくは89.0%以上90.3%以下)に調整することで、上記dV/dQの範囲に好適に実現することができるとわかった。
dV/dQはまた、例えば、図1の容量確認後から電圧調整工程終了までの所要時間(s)に亘って3.5Vと出力電圧との差分(dV)を累積加算した電圧差積算値によっても調整することができるとわかった。
図6は、電圧差積算値(V・s)とdV/dQとの関係を示すグラフである。図6に示すように、両者には比例関係が認められる。つまり、(c)電圧調整工程において電圧差積算値を570以上4745以下(好ましくは1670以上3865以下)に調整することで、上記dV/dQの範囲に好適に実現することができるとわかった。
ここに開示される方法によって製造される非水系二次電池(例えばリチウムイオン電池)は、信頼性に優れたものであり得る。したがって各種用途に好適に利用することができる。なかでも、比較的広いSOC範囲(特にはSOC20%以下の低SOC範囲)を使用する用途向けの電池、例えばプラグインハイブリッド自動車(PHV)等の車両に搭載されるモーター(電動機)の動力源(駆動用電源)として好適に用いることができる。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、請求の範囲を限定するものではない。請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。

Claims (1)

  1. 非水系二次電池を製造する方法であって:
    正極と負極と非水電解質とを備える電池組立体を自己放電させて電圧降下量を計測する工程;
    前記電圧降下量から内部短絡の有無を判定する工程;
    を包含し、
    前記自己放電において、次の式:0.05≦dV/dQ≦1.0(ただし、dVは電圧変化量(V)、dQは容量変化量(Ah)である。);を満たす電圧範囲で電圧降下量を計測する、非水系二次電池の製造方法。
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