JP6094817B2 - 非水電解質二次電池の製造方法 - Google Patents

非水電解質二次電池の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6094817B2
JP6094817B2 JP2013233374A JP2013233374A JP6094817B2 JP 6094817 B2 JP6094817 B2 JP 6094817B2 JP 2013233374 A JP2013233374 A JP 2013233374A JP 2013233374 A JP2013233374 A JP 2013233374A JP 6094817 B2 JP6094817 B2 JP 6094817B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
active material
electrode active
material layer
leaving
temperature
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2013233374A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015095332A (ja
Inventor
幸義 上野
幸義 上野
康明 大槻
康明 大槻
展弘 山田
展弘 山田
水口 暁夫
暁夫 水口
純子 大平
純子 大平
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2013233374A priority Critical patent/JP6094817B2/ja
Publication of JP2015095332A publication Critical patent/JP2015095332A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6094817B2 publication Critical patent/JP6094817B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P70/00Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
    • Y02P70/50Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product

Landscapes

  • Secondary Cells (AREA)

Description

本発明は、非水電解質二次電池の製造方法に関する。
リチウムイオン電池等の非水電解質二次電池は、既存の電池に比べて軽量かつエネルギー密度が高いことから、近年、車両搭載用高出力電源等に好ましく利用されている。
この種の電池の典型的な構成では、正極活物質層を有する正極と、上記正極活物質層よりも面積の広い負極活物質層を有する負極と、非水電解質とを備える。一般に、このような電池の製造では、先ず正極と負極を用いて電極体を作製し、次に該電極体と非水電解質を用いて電池組立体を構築する。そして、該電池組立体に対して初期充電(コンディショニング)や高温環境下でのエージング(保持)を施した後、性能の確認(例えば自己放電検査)を行う。
自己放電検査では、充電深度(State of Charge:SOC)を調整した電池組立体を一定期間放置し、放置(自己放電)期間中の電圧降下量を計測することで、電池組立体内に微小な内部短絡が生じているか否かを判定する。しかしながら、正極活物質層に対向する部位(対向部)と正極活物質層に対向しない部位(非対向部)とを有している構成の負極活物質層を備えた電池組立体は、エージング後にSOCを下げた後もしばらく開放電圧が上昇し続けることがある。
つまり、対向部と非対向部とを有している構成の負極活物質層では、初期充電によって対向部に電荷担体が吸蔵され該対向部の電位が下がると、エージング中に負極活物質層内で濃度緩和が生じ、電荷担体が相対的に電位の高い非対向部へと徐々に移動する。かかる電池組立体を高SOC状態のまま放置すると、濃度緩和が進行し、電荷担体が非対向部のより端部、より深部へと移動する。その後に該電池組立体を放電させると、対向部の電荷担体が放出され該対向部の電位が上昇する一方、非対向部に吸蔵された電荷担体は放出されずに当該部位に残存する。対向部と非対向部とで電荷担体の吸蔵量が異なると、負極活物質層内に電位差(分極)が生じ、かかる電位差が解消されるまで電圧の上昇が続くこととなる。
したがって、精度の高い判定を行うには、上述のような電圧の上昇が収まって電池組立体の内部の状態が十分に安定するのを待つ必要がある。このため、従来の製造方法では概して製造にかかる時間が長くなりがちであった。
この問題に対処する技術として、例えば特許文献1が挙げられる。特許文献1には、エージング後の電池を高SOC状態で1〜7日間保持した後に放電させることで、自己放電検査にかかる時間を短縮し得る旨が記載されている。
特開2012−084346号公報
しかしながら、特許文献1では、例えば高SOC状態の保持が止む無く上記日数を超過する場合について検討がなされていない。また、本発明者らの検討によれば、高SOC状態での放置期間を1〜7日とすると、例えば電極のロットやエージング処理条件等によっては、未だ電圧上昇が収まるまでに長期間(例えば5日以上)を要することがあった。このため、生産性や作業効率、コストの観点から、検査の精度を低下させることなく、自己放電検査時の電圧上昇の期間を恒常的に一層短縮することが求められている。
本発明はかかる状況を鑑みて創出されたものであり、その目的は、自己放電検査時の電圧上昇期間を短くし、短時間で信頼性の高い電池を製造する方法を提供することにある。
ここで、自己放電検査に必要な日数(図中の黒星マーク)は、図1に示すように、セル電圧が最も高くなるまでの日数(すなわち電圧上昇期間V、図中の白星マーク)と、不良検出に必要な日数(不良検出区間)との合計で決定される。また、エージング後に高SOC状態で電池組立体を放置する時間(以下、単に「放置時間H」とも言う。)と、上記電圧上昇期間Vとの間には比例関係があることがわかっている。
さらに、本発明者らの検討によれば、エージング後に高SOC状態で電池組立体を放置する温度(以下、単に「放置温度T」とも言う。)と、上記電圧上昇期間Vとの間には反比例の関係があることが判明した。換言すれば、放置温度Tを上昇させることで電圧上昇期間Vを短縮し得ることがわかった。しかしながら単純に放置温度Tを上昇させた場合には自己放電検査の精度や最終製品にバラつきが生じる虞がある。
そこで、本発明者らはこれらの知見を基に更なる鋭意検討を重ね、上記目的を実現することのできる本発明を創出するに至った。即ち、本発明に係る非水電解質二次電池の製造方法は、以下の工程:(1)正極活物質層を有する正極と、負極活物質層を有する負極と、を備える電極体を準備する工程、ここで、上記負極活物質層の表面積は上記正極活物質層の表面積よりも広く、上記負極活物質層は上記正極活物質層に対向する部位と上記正極活物質層に対向しない部位とを有している;(2)上記電極体と非水電解質とを電池ケース内に収容し、電池組立体を構築する工程;(3)上記電池組立体を常温域でSOC65%以上の状態まで充電する工程;(4)上記電池組立体を40℃以上で少なくとも5時間エージングする工程;(5)上記電池組立体を所定の温度域で放置する工程;(6)上記電池組立体のSOCを調整した後、常温域で自己放電させて電圧降下量を計測する工程;を包含する。そして、上記放置工程における放置時間Hが予め定められたノーマル放置時間内の場合は上記放置工程における放置温度Tを所定の平常設定温度とする一方、上記ノーマル放置時間を上回る超過放置時間の場合は上記放置工程における放置時間Hに応じて上記放置温度Tを上記平常設定温度よりも上昇させる。
ここで開示される製造方法は、放置時間Hがノーマル放置時間内の場合は放置温度Tを所定の平常設定温度とする一方で、上記放置時間Hが規定を超えて長引く場合には放置温度Tを平常設定温度よりも高く設定する。これにより、例えば停電や長期連休等で放置時間Hが止む無く通常より長くなる場合であっても、電圧上昇期間Vを増加させず平常時と同等のレベルに抑えることができる。したがって、自己放電検査を恒常的に短時間で行うことができる。このことは、生産性や作業効率、コストの観点から非常に有意義である。
なお、本明細書において「常温域」とは、20℃±15℃(すなわち、例えば5〜35℃、好ましくは10〜30℃、より好ましくは20〜30℃)を指すものとする。
自己放電検査時の電圧変化と該検査に必要な日数と関係を示すグラフである。 一実施形態に係る製造方法のフローチャートである。 一実施形態に係る電池組立体の電圧変化および温度変化を示すグラフである。 一実施形態に係る放置温度Tを決定するためのフローチャートである。 放置時間Hと電圧上昇期間Vとの関係を示すグラフである。 (V−V’)=4のときの、放置温度Tと係数aとの関係を示すグラフである。
以下、本発明の好適な実施形態を説明する。なお、本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって実施に必要な事柄は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。
ここで開示される製造方法は、放置時間Hがノーマル放置時間を上回る場合にその超過度合いに応じて放置温度Tを平常設定温度よりも高く設定することにより特徴付けられる製造方法であり、具体的には、図2のフローチャートに示す(S10)〜(S60)の工程を包含する。また、図3には、(S40)〜(S60)における電池組立体の電圧変化および/または温度変化を示している。以下、これらを参照しつつ、各工程について順に説明する。
(S10)電極体の準備工程
ここでは、正極および負極を備える電極体を準備する。かかる電極体は、正極活物質層を有する正極と負極活物質層を有する負極とを、典型的にはセパレータを介して、積層してなる。
正極としては、正極活物質を導電材やバインダ等とともに組成物として正極集電体上に付着させ、正極活物質層を形成した形態のものを用いることができる。正極集電体としては、導電性の良好な金属(例えばアルミニウム)からなる導電性部材を好適に採用し得る。正極活物質としては、層状系、スピネル系等のリチウム複合金属酸化物(例えば、LiNiO、LiCoO、LiFeO、LiMn、LiNi1/3Co1/3Mn1/3、LiNi0.5Mn1.5,LiCrMnO、LiFePO等)を好適に採用し得る。導電材としては、カーボンブラック(例えば、アセチレンブラック)や黒鉛等の炭素材料を好適に採用し得る。バインダとしては、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)やポリエチレンオキサイド(PEO)等の各種のポリマー材料を好適に採用し得る。
負極としては、負極活物質をバインダ等とともに組成物として負極集電体上に付着させ、負極活物質層を形成した形態のものを用いることができる。負極集電体としては、導電性の良好な金属(例えば銅)からなる導電性材料を好適に採用し得る。負極活物質としては、黒鉛(グラファイト)、難黒鉛化炭素(ハードカーボン)、易黒鉛化炭素(ソフトカーボン)等の炭素材料を用いることができ、なかでもアモルファスコートグラファイト(黒鉛粒子の表面にアモルファスカーボンがコートされた形態のもの)を好適に採用し得る。バインダとしては、スチレンブタジエンゴム(SBR)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等の各種のポリマー材料を好適に採用し得る。
セパレータとしては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等の樹脂から成る多孔質樹脂シートを好適に採用し得る。なかでも、上記多孔性樹脂シートの片面または両面に多孔質な耐熱層を備えるものが好ましく、該耐熱層と上記正極とが対向するよう配置することがより好ましい。
ここで開示される技術において、上記負極活物質層の表面積(負極活物質層の形成された面積)は、上記正極活物質層の表面積よりも広い。そのため、上記負極活物質層は、正極活物質層に対向する部位(以下、単に「対向部」とも言う。)と、正極活物質層に対向しない部位(以下、単に「非対向部」とも言う。)とを有している。
このような構成の負極活物質層では、初期充電によって対向部に電荷担体(典型的にはリチウムイオン)が吸蔵され該対向部の電位が下がると、エージング中に負極活物質層内で濃度緩和が生じ、電荷担体が相対的に電位の高い非対向部へと徐々に移動する。かかる電池を高SOC状態のまま放置すると、上述のような濃度緩和が進行し、電荷担体が非対向部のより端部、より深部へと移動する。その後に該電池を放電させると、対向部の電荷担体が放出され該対向部の電位が上昇する一方、非対向部に吸蔵された電荷担体は放出されずに当該部位に残存する。対向部と非対向部とで電荷担体の吸蔵量が異なると、負極活物質層内に電位差(分極)が生じ、かかる電位差が解消されるまで電池電圧の上昇が続くこととなる。このため、本発明の適用が特に効果的である。
(S20)電池組立体の構築工程
ここでは、典型的には常温域において、上記電極体と非水電解質とを電池ケース内に収容し、電池組立体を構築する。電池ケースとしては、例えばアルミニウムやスチール等の軽量な金属材製のものを好適に採用し得る。
非水電解質としては、非水溶媒中に支持塩を含有させたものを好適に採用し得る。あるいは、非水電解液にポリマーが添加され固体状(典型的には、いわゆるゲル状)となったものでもよい。支持塩としては、リチウム塩、ナトリウム塩、マグネシウム塩等を用いることができ、なかでもLiPF、LiBF等のリチウム塩を好適に採用し得る。非水溶媒としては、カーボネート類、エステル類、エーテル類、ニトリル類、スルホン類、ラクトン類等の非プロトン性溶媒を用いることができる。なかでも、カーボネート類、例えば、エチレンカーボネート(EC)、ジエチルカーボネート(DEC)、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)等を好適に採用し得る。
なお、本明細書において「電池組立体」とは、電極体と非水電解質とを用いて初期充電工程に先立った段階にまで組み立てられているもの全般をいい、電池の種類や構成等は特に限定されない。例えば電池ケースは封口前であってもよいし封口後であってもよい。
(S30)初期充電工程
ここでは、典型的には常温域で、上記電池組立体を充電する。例えば、該電池組立体の正極と負極の間に外部電源を接続し、所定の電圧まで充電(典型的には定電流充電)する。これにより負極で非水電解質の一部(典型的には非水溶媒)が還元分解され、負極活物質の表面にその分解物からなる被膜が形成される。かかる被膜によって該負極活物質と非水電解質との界面が安定化され、以後の充放電に伴う非水電解質の分解を抑制することができる。このため、電池の耐久性を向上させることができる。
初期充電における正負極端子間の電圧(典型的には最高到達電圧)は、電池組立体のSOCが凡そ65%以上(典型的には80%以上、例えば80〜105%)の範囲にあるときに示し得る電圧範囲とすればよい。例えば、4.2Vで満充電となる電池では、正負極間の電圧を凡そ3.7〜4.2Vの範囲に調整するとよい。図3に示す例では、本工程終了後の(終止)電圧を凡そ3.95Vに設定している。また、充電時のレートは、例えば0.1〜10C程度とすることができる。なお、充電は1回でもよく、例えば放電を挟んで2回以上繰り返し行うこともできる。
(S40)エージング工程
ここでは、図3に示すように、SOC65%以上(例えばSOC80%以上)の電池組立体を、40℃以上(例えば40〜80℃、好ましくは50〜70℃、より好ましくは55〜65℃)の高温域で、少なくとも5時間(例えば昇温開始からの合計時間が5〜200時間、好ましくは10〜48時間となるまで)保持(放置)する。これによって負極活物質の表面に形成された被膜を良質なものへと改質することができ、負極の抵抗を効果的に低減することができる。また、例えば外部(典型的には製造装置の構成部材)から金属異物が混入した場合であっても、該金属異物を金属イオンとして溶解、拡散することができ、電極体内で微小な内部短絡が発生することを防止することができる。なお、電池組立体を昇温する方法としては、例えば、温度制御恒温槽や赤外線ヒーター等の加熱手段を用いることができる。
好適な一態様では、上記初期充電工程(S30)で調整した端子間電圧、またはこれとほぼ同等の電圧(例えば±0.5V程度)を本工程全体に渡って維持する。例えば4.2Vで満充電となる電池では、正負極間の電圧が凡そ3.7〜4.2Vにある状態を保つことが好ましい。かかる目的のために、本工程では適宜、定電圧充電等の電圧維持手法を採用することもできる。
(S50)放置工程
ここでは、図3に示すように、上記エージング後の電池組立体を所定の温度域(放置温度T)で保持する。電池組立体の温度は、例えば恒温槽等の従来公知の手法で制御することができる。ここで開示される技術では、放置時間Hが予め定められたノーマル放置時間内の場合には、放置温度Tを所定の平常設定温度とする一方で、上記ノーマル放置時間を上回る超過放置時間の場合には、上記放置工程における放置時間Hに応じて、上記放置温度Tを上記平常設定温度よりも上昇させる。
図4は、一実施形態に係る放置温度Tを決定するためのフローチャートである。図4に示す態様では、先ず放置時間(放置予想時間)Hを確認する。次に、放置時間Hがノーマル放置時間内であるか否かを確認する。ノーマル放置時間は、例えば電池の構成やエージングの条件等にも拠るが、通常240時間以内(好ましくは168時間以内、より好ましくは120時間以内、特には24時間以内)に設定することができる。そして、放置時間Hがノーマル放置時間内(YES)の場合は、平常設定温度(例えば20±1℃)での放置工程を継続する。一方、放置時間Hがノーマル放置時間を上回る超過放置時間(NO)の場合は、次のステップに進む。
次のステップでは、先ず平常設定温度での放置開始からの時間H’を確認する。次に、セル電圧が最も高くなるまでの必要日数(電圧上昇期間V)と放置時間との比例関係(V=a×H;図5参照)に基づいて、平常設定温度での放置時間がH’の時にかかる電圧上昇期間V’を算出する。例えば平常設定温度が20℃(多少の変動は許容され得る)の時は、図5中に示す(式1)のxにH’を代入してV’を求めればよい。次に、目標自己放電日数に対して許容できるセル電圧が最も高くなるまでの残日数(V(目標値)−V’)を算出する。次に、現時点から放置工程終了までの残時間(H−H’)において、セル電圧が最も高くなるまでの必要日数が(V−V’)となる放置温度Tを算出する。具体的には、例えばV=4の時は、図5から、各温度におけるaと放置温度Tとが図6の関係にあることがわかる。そこで次に、残時間(H−H’)と残日数(V−V’)とから、上記(式1)に従ってaを算出する。例えば、残時間(H−H’)=160、残日数(V−V’)=4のときは、a=0.025であるから、図6中に示す(式2)に基づいて、a=0.025に相当する放置温度Tを、T=29(℃)と算出することができる。算出された放置温度Tが60℃以下の場合は、放置温度Tに設定し(典型的には恒温槽を該温度に設定し)放置を開始する。一方、放置温度Tが60℃を上回る場合は、劣化の観点から放置温度Tを60℃に設定し放置を開始する。
所定の放置時間の経過後に、放置時間Hに変更が無いかを確認する。そして、変更がある場合は放置時間(放置予想時間)Hの確認に戻り、上記ルーチンを繰り返し実行する。一方、変更が無い場合は、そのまま放置を継続する。そして、放置時間Hが経過したところで本工程を終了とする。
好適な一態様では、図3に示すように、上記放置工程後であって後述する自己放電検査工程前の電池組立体に対して所定の出荷検査を行い、不具合のある電池組立体を検出、除去する。出荷検査の項目は特に限定されないが、例えば、所定の電圧区間における電池容量(区間容量)、IV抵抗等が挙げられる。好適な一態様では、1〜100Aの定電流で凡そ1.8〜3.0V(図3に示す例では3.0V)まで放電させ、区間容量やIV抵抗を測定する。これによって、後の工程で必要以上に不具合品を発生させることを防止し得、更に効率よく、信頼性の高い電池を製造することができる。出荷検査時の環境温度は、常温域とすることが好ましく、例えば20〜25℃とすることができる。
(S60)自己放電検査工程
ここでは、図3に示すように、上記電池組立体を所定のSOCに調整した後、典型的には常温域で一定時間自己放電させて電圧降下量を計測する。これによって、製造条件に由来する何らかの影響(典型的にはエージング)に起因した内部短絡の有無を精度よく評価・把握することができる。なお、自己放電検査時(放置時)の環境温度は、例えば20〜25℃とするとよく、該検査の間中、例えば恒温槽等を用いて常に一定に保つことが好ましい。これにより検査を精度よく行うことができる。また、上記放置工程(S50)において、劣化防止の観点から放置温度Tを60℃に設定した場合は、上記算出された電圧上昇期間V(セル電圧が最も高くなるまでの必要日数)に応じて自己放電日数を延長することが好ましい。
SOCを調整する際のレート(典型的には放電レート)は、例えば0.1〜10C程度(電池の容量にもよるが、例えば0.1〜50A)とすることができる。また、放電は1回でもよく、例えば充電を挟んで2回以上繰り返し行うこともできる。例えば、図3に示すように、0.1〜50Aの定電流で、1.8〜2.5Vまで3回放電するとよい。これにより一層短時間で電池内部の状態を落ち着かせることができ、本工程にかかる日数を一層短縮することができる。また、最終的な正負極端子間の電圧は、例えば電池組立体のSOCが凡そ10%以下(典型的には1〜10%、例えば1〜5%)の範囲にあるときに示し得る範囲とするとよい。例えば4.2Vで満充電となる電池では、凡そ3.0〜3.5Vの範囲に調整することができる。
そして、上記自己放電検査工程で得られた検査結果から内部短絡の有無を判定する。具体的には、上記電圧降下量の計測結果に基づいて、良品判定のための基準値を設定する。基準値の設定方法は特に限定されないが、例えば、複数の電池組立体の電圧降下量の算術平均値、中央値(メジアン)等を採用し得る。そして、かかる基準値と各電池組立体の電圧降下量との差分を算出し、この差分が所定の閾値以下の場合にその電池組立体を「内部短絡なし」と判定し、この差分が所定の閾値を越える場合にその電池組立体を「内部短絡有り」と判定する。閾値としては、対象とする電池の規格等にもよるが、例えば2σ〜4σ程度(σは標準偏差を意味する。)に相当する値を設定することができる。かかる判定結果に基づいて「内部短絡有り」と判定された電池組立体を取り除くことで、不具合品が後の工程に流れることを防止し得、信頼性の高い電池を提供することができる。
ここで開示される方法によって製造される非水電解質二次電池(例えばリチウムイオン電池)は、信頼性に優れたものであり得る。したがって各種用途に好適に利用することができる。なかでも、理論容量が10〜100Ah程度の高容量型の電池、例えばプラグインハイブリッド自動車(PHV)等の車両に搭載されるモーター(電動機)用の動力源(駆動用電源)として好適に用いることができる。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、請求の範囲を限定するものではない。請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。

Claims (1)

  1. 非水電解質二次電池を製造する方法であって:
    正極活物質層を有する正極と、負極活物質層を有する負極と、を備える電極体を準備する工程、ここで、前記負極活物質層の表面積は前記正極活物質層の表面積よりも広く、前記負極活物質層は前記正極活物質層に対向する部位と前記正極活物質層に対向しない部位とを有している;
    前記電極体と非水電解質とを電池ケース内に収容し、電池組立体を構築する構築工程;
    前記構築工程の後に、前記電池組立体を常温域で充電深度(SOC)が65%以上の状態まで充電する初期充電工程;
    前記初期充電工程の後に、前記電池組立体を40℃以上で少なくとも5時間エージングするエージング工程;
    前記エージング工程の後に、前記電池組立体を20℃以上60℃以下の温度域で放置する放置工程;および
    前記放置工程の後に、前記電池組立体を放電させて充電深度(SOC10%以下に調整してから、常温域で自己放電させて電圧降下量を計測する自己放電検査工程;
    を包含し、
    ここで、前記放置工程における放置時間Hが予め定められたノーマル放置時間以内の場合は前記放置工程における放置温度Tを所定の平常設定温度とする一方、前記ノーマル放置時間を上回る超過放置時間の場合は前記放置工程における放置時間Hに応じて前記放置温度Tを前記平常設定温度よりも上昇させることを特徴とする、非水電解質二次電池の製造方法。
JP2013233374A 2013-11-11 2013-11-11 非水電解質二次電池の製造方法 Active JP6094817B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013233374A JP6094817B2 (ja) 2013-11-11 2013-11-11 非水電解質二次電池の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013233374A JP6094817B2 (ja) 2013-11-11 2013-11-11 非水電解質二次電池の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015095332A JP2015095332A (ja) 2015-05-18
JP6094817B2 true JP6094817B2 (ja) 2017-03-15

Family

ID=53197613

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013233374A Active JP6094817B2 (ja) 2013-11-11 2013-11-11 非水電解質二次電池の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6094817B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2021101041A1 (ko) * 2019-11-19 2021-05-27 주식회사 엘지에너지솔루션 이차전지의 활성화 방법
JP7132409B2 (ja) 2017-07-20 2022-09-06 株式会社トーキン 電流センサ

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2245376B1 (en) 2008-02-18 2014-10-15 Graphic Packaging International, Inc. Apparatus for preparing a food item in a micowave oven
JP6080017B2 (ja) 2013-11-11 2017-02-15 トヨタ自動車株式会社 非水系二次電池の製造方法
JP6135929B2 (ja) 2013-11-11 2017-05-31 トヨタ自動車株式会社 非水系二次電池の製造方法
JP6950584B2 (ja) * 2018-03-07 2021-10-13 トヨタ自動車株式会社 リチウムイオン二次電池の製造方法
KR20220103469A (ko) * 2021-01-15 2022-07-22 주식회사 엘지에너지솔루션 이차전지의 충방전 방법
KR20240101257A (ko) * 2022-12-23 2024-07-02 주식회사 엘지에너지솔루션 리튬 이차 전지

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008097857A (ja) * 2006-10-06 2008-04-24 Matsushita Electric Ind Co Ltd 非水電解液二次電池の製造方法
JP5464116B2 (ja) * 2010-10-08 2014-04-09 トヨタ自動車株式会社 リチウムイオン二次電池の製造方法
JP5464117B2 (ja) * 2010-10-08 2014-04-09 トヨタ自動車株式会社 リチウムイオン二次電池の製造方法
JP5464119B2 (ja) * 2010-10-08 2014-04-09 トヨタ自動車株式会社 リチウムイオン二次電池の製造方法
US9255972B2 (en) * 2011-03-02 2016-02-09 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Method of testing secondary battery

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7132409B2 (ja) 2017-07-20 2022-09-06 株式会社トーキン 電流センサ
WO2021101041A1 (ko) * 2019-11-19 2021-05-27 주식회사 엘지에너지솔루션 이차전지의 활성화 방법

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015095332A (ja) 2015-05-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6094817B2 (ja) 非水電解質二次電池の製造方法
US10317477B2 (en) Inspection method and manufacturing method of secondary battery
JP6135929B2 (ja) 非水系二次電池の製造方法
JP6080017B2 (ja) 非水系二次電池の製造方法
WO2016104163A1 (ja) リチウムイオン二次電池の充電方法及びその充電制御システム、並びにその充電制御システムを備えた電子機器及び電池パック
JP6292448B2 (ja) 非水系二次電池の製造方法
JP2015008106A (ja) 非水電解質二次電池の製造方法
JP2014238961A (ja) 非水電解質二次電池の製造方法
JP6478112B2 (ja) 非水電解質二次電池の製造方法
JP2014082121A (ja) 非水電解液二次電池の製造方法
JP6120083B2 (ja) 非水電解液二次電池の製造方法
JP2012252839A (ja) 非水電解質二次電池の製造方法
JP5978815B2 (ja) リチウムイオン二次電池の製造方法
KR101930178B1 (ko) 비수계 이차 전지의 제조 방법
JP7271412B2 (ja) 非水電解質二次電池の製造方法
JP2014225368A (ja) 非水電解質二次電池の製造方法
JP2016040756A (ja) 非水系二次電池の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20151221

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160930

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20161013

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20161212

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170119

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170201

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6094817

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151