JP6244029B2 - 耐火樹脂組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、耐火樹脂組成物に関する。
(関連分野の相互参照)
本願は、2015年5月14日に出願した特願2015-099389号明細書の優先権の利益を主張するものであり、当該明細書はその全体が参照により本明細書中に援用される。
(技術分野)
防火サッシおよび防火ドアには熱膨張性耐火シートが用いられているものがあるが、サッシまたはドアが取り付けられる場所によっては、熱膨張性耐火シートが結露や風雨に晒される環境に置かれる場合がある。熱膨張性耐火シートは難燃剤としてポリリン酸塩が配合されている場合があり、そのような例として、特許文献1には、平均粒子径15〜35μmである被覆ポリリン酸アンモニウムを用いた、合成樹脂をバインダーとする発泡耐火材が開示されている。
しかしながら、ポリリン酸塩は難燃性には非常に優れているが、水分に弱く、加水分解後、熱膨張性シートの表面に白色の析出物が生じて(ブリードアウトとも言う)発生した析出物によりシート外観を損なったり、ポリリン酸塩が配合系から溶出したりすることにより、耐火性が著しく低下してしまうという問題があった。
特開平9-286875
本発明の目的は、耐火性に優れ、かつ析出物の発生が抑制された耐火樹脂組成物を提供することにある。
本発明者らは、上記の目的を達成すべく、熱膨張性耐火シートを構成する、ポリリン酸塩を含有する樹脂組成物中のアルカリ金属、アルカリ土類金属およびマグネシウムからなる群から選択される少なくとも一種以上の含有量を低減する事により、外観を損なうことがなく、耐火性が顕著に向上することを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明の一態様によれば、樹脂、エラストマー、ゴム、またはこれらの組み合わせであるマトリックス成分と、ポリリン酸塩とを含み、アルカリ金属、アルカリ土類金属およびマグネシウムからなる群から選択される少なくとも一種以上の金属の含有量が5重量%以下である耐火樹脂組成物が提供される。
本発明の別の態様によれば、樹脂、エラストマー、ゴム、またはこれらの組み合わせであるマトリックス成分と、ポリリン酸塩とを含む耐火性樹脂組成物における、アルカリ金属、アルカリ土類金属およびマグネシウムからなる群から選択される少なくとも一種以上の金属の含有量を5重量%以下にする、耐火樹脂組成物におけるポリリン酸塩の加水分解による析出物の発生の抑制方法が提供される。
本発明によれば、耐火性に優れ、かつ析出物の発生が抑制された耐火樹脂組成物を提供することが可能となる。
本発明の耐火樹脂組成物からなる耐火樹脂成形体をサッシ枠に設けた耐火窓を示す略正面図である。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
本発明の耐火樹脂組成物は、樹脂、エラストマー、ゴム、またはこれらの組み合わせであるマトリックス成分と、ポリリン酸塩とを含み、アルカリ金属、アルカリ土類金属およびマグネシウムからなる群から選択される少なくとも一種以上の金属の含有量が5重量%以下である。
マトリックス成分としての樹脂は、熱可塑性樹脂であっても熱硬化性樹脂であってもよい。
熱可塑性樹脂の例としては、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂等のポリオレフィン樹脂、ポリ(1−)ブテン樹脂、ポリペンテン樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、(メタ)アクリル樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリ塩化ビニル脂(塩素化塩化ビニル樹脂を含む)、これらの組み合わせ等が挙げられる。なかでも、ポリオレフィン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、EVA樹脂が好ましい。
上記熱可塑性樹脂はいずれも、樹脂組成物としての耐火性能を阻害しない範囲で、架橋、変性して用いてもよい。樹脂の架橋方法についても、特に限定はなく、熱可塑性樹脂の通常の架橋方法、例えば、各種架橋剤、過酸化物を使用する架橋、電子線照射による架橋等が挙げられる。
熱硬化性樹脂の例としてはエポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ポリウレタン、熱硬化性ポリイミド等が挙げられる。なかでも、エポキシ樹脂が好ましい。
本発明で用いられるエポキシ樹脂は、特に限定されないが、基本的にはエポキシ基をもつモノマーと硬化剤とを反応させることにより得られる。上記エポキシ基をもつモノマーとしては、例えば、2官能のグリシジルエーテル型、グリシジルエステル型、多官能のグリシジルエーテル型等のモノマーが例示される。
これらのエポキシ基をもつモノマーは、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記硬化剤としては、重付加型または触媒型のものが用いられる。重付加型の硬化剤としては、例えば、ポリアミン、酸無水物、ポリフェノール、ポリメルカプタン等が例示される。また、上記触媒型の硬化剤としては、例えば、3級アミン、イミダゾール類、ルイス酸錯体等が例示される。エポキシ樹脂の硬化方法は、特に限定されず、公知の方法によって行うことができる。
エラストマーの例としてはオレフィン系エラストマー、スチレン系エラストマー、エステル系エラストマー、アミド系エラストマー、塩化ビニル系エラストマー、これらの組み合わせ等が挙げられる。
ゴムの例の例としては、天然ゴム、シリコーンゴム、スチレン・ブタジエンゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、アクリロニトリル・ブタジエンゴム、ニトリルブタジエンゴム、ブチルゴム、エチレン・プロピレンゴム、エチレン・プロピレン・ジエンゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、これらの組み合わせ等が挙げられる。なかでも、ブチルゴムが好ましい。
ポリリン酸塩は、難燃剤として機能し、ポリリン酸アンモニウム、ポリリン酸メラミン等が挙げられる。ポリリン酸アンモニウムの市販品としては、クラリアント社製「AP422」、「AP462」、住友化学工業社製「スミセーフP」、チッソ社製「テラージュC60」が挙げられる。
好ましいポリリン酸アンモニウムは、表面被覆されたポリリン酸アンモニウム(被覆ポリリン酸アンモニウムとも称する)であり、被覆ポリリン酸アンモニウムのうち、メラミンで表面被覆されたメラミン被覆ポリリン酸アンモニウムについては特開平9-286875に記載されており、シランで表面被覆されたシラン被覆ポリリン酸アンモニウムについては特開2000-63562に記載されている。メラミン被覆ポリリン酸アンモニウムは、(a)粉末状ポリリン酸アンモニウム粒子表面にメラミンを付加および/または付着したメラミン被覆ポリリン酸アンモニウム、(b)前記メラミン被覆ポリリン酸アンモニウム粒子の被覆層に存在するメラミン分子中のアミノ基が持つ活性水素と、該活性水素と反応しうる官能基を有する化合物とによって該粒子表面が架橋された被覆ポリリン酸アンモニウム、および/または(c)粉末状ポリリン酸アンモニウムまたは前記メラミン被覆ポリリン酸アンモニウム粒子表面を熱硬化性樹脂で被覆した被覆ポリリン酸アンモニウムである。メラミン被覆ポリリン酸アンモニウム粒子の市販品としては、例えば、クラリアント社製「AP462」、Budenheim Iberica社製「FR CROS 484」、「FR CROS 487」等が挙げられる。シラン被覆ポリリン酸アンモニウム粒子の市販品としては、例えば、Budenheim Iberica社製「FR CROS 486」が挙げられる。
被覆ポリリン酸アンモニウムの平均粒子径は好ましくは15〜35μmである。なお、被覆ポリリン酸アンモニウムの平均粒子径はレーザー回折式粒度分布測定にて測定できる。
ポリリン酸塩の含有量は特に限定されないが、耐火樹脂組成物中、5〜30重量%であることが好ましく、10〜25重量%であることがより好ましく、15〜23重量%であることがさらに好ましい。
本発明の耐火樹脂組成物は、アルカリ金属、アルカリ土類金属およびマグネシウムからなる群から選択される少なくとも一種以上の金属を含有し、かかる金属の含有量が5重量%以下である。
アルカリ金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、およびセシウムが挙げられる。アルカリ土類金属としては、カルシウム、ストロンチウム、バリウムおよびラジウムが挙げられる。アルカリ金属、アルカリ土類金属、およびマグネシウムは金属塩、金属酸化物、金属水酸化物、または金属イオンなどの任意の形で含有されてもよい。
本発明の耐火樹脂組成物を製造するときには、原料や反応試薬に含まれるアルカリ金属、アルカリ土類金属、およびマグネシウムからなる群から選択される少なくとも一種以上の金属が意図せず混入する場合がある。例えば、後述する熱膨張性黒鉛の中和処理時にはアルカリ金属またはアルカリ土類金属が混入する。特に定義がされていない場合、本発明の耐火樹脂組成物中の「アルカリ金属」「アルカリ土類金属」および「マグネシウム」は、意図せず混入したアルカリ金属、アルカリ土類金属、およびマグネシウムも含めた、耐火樹脂組成物中に含有されるアルカリ金属、アルカリ土類金属、およびマグネシウムを指す。
耐火樹脂組成物中のアルカリ金属、アルカリ土類金属およびマグネシウムからなる群から選択される少なくとも一種以上の金属の含有量(アルカリ金属、アルカリ土類金属、およびマグネシウムの合計量)が5重量%以下であると、耐火樹脂組成物が優れた耐水性を保持する。好ましくは、アルカリ金属濃度は1重量%以下、より好ましくは0.2重量%以下(2000ppm以下)である。好ましくは、アルカリ土類金属の濃度は2重量%以下である。好ましくは、マグネシウムの濃度は2重量%以下である。
一つの実施形態では、本発明の耐火樹脂組成物中のアルカリ金属、アルカリ土類金属およびマグネシウムからなる群から選択される少なくとも一種以上の金属の含有量は、0重量%である。
別の実施形態では、本発明の耐火樹脂組成物中のアルカリ金属、アルカリ土類金属およびマグネシウムからなる群から選択される少なくとも一種以上の金属の含有量は、0重量%よりも大きい。
一つの実施形態では、本発明の耐火樹脂組成物は、意図せず混入した不純物としてのみ、アルカリ金属、アルカリ土類金属およびマグネシウムからなる群から選択される少なくとも一種以上の金属を含有する。
別の実施形態では、本発明の耐火樹脂組成物は、構成成分に含まれる金属として、アルカリ金属、アルカリ土類金属およびマグネシウムからなる群から選択される少なくとも一種以上の金属を含有する。例えば、本発明の耐火樹脂組成物は後述の無機充填剤として、かかる金属(具体的にはカルシウム塩等)を含有する。
本発明の耐火樹脂組成物は、可塑剤をさらに含有してもよい。可塑剤は、特に熱可塑性樹脂の溶融粘度を調整するために添加される。可塑剤としては、下記に例示する1種または2種以上の可塑剤を組み合わせて使用し得る:
ジ−2−エチルヘキシルフタレート(DOP)、ジ−n−オクチルフタレート、ジイソノニルフタレート(DINP)、ジイソデシルフタレート(DIDP)、ジウンデシルフタレート(DUP)、または炭素原子数10〜13程度の高級アルコールまたは混合アルコールのフタル酸エステル等のフタル酸エステル系可塑剤;
ジ−2−エチルヘキシルアジペート、ジ−n−オクチルアジペート、ジ−n−デシルアジペート、ジイソデシルアジペート、ジ−2−エチルヘキシルアゼレート、ジブチルセバケート、ジ−2−エチルヘキシルセバケート等の脂肪族二塩基酸エステル系可塑剤;
トリ−2−エチルヘキシルトリメリテート(TOTM)、トリ−n−オクチルトリメリテート、トリデシルトリメリテート、トリイソデシルトリメリテート、ジ−n−オクチル−n−デシルトリメリレート等のトリメリット酸エステル系可塑剤;
アジピン酸ジ−2−エチルヘキシル(DOA)およびアジピン酸ジイソデシル(DIDA)等のアジピン酸エステル系可塑剤;
セバシン酸ジブチル(DBS)およびセバシン酸ジ−2−エチルヘキシル(DOS)等のセバシン酸エステル系可塑剤;
トリブチルホスフェート、トリオクチルホスフェート、オクチルジフェニルホスフェート、トリブトキシエチルホスフェート、トリクロロエチルホスフェート、トリス(2−クロロプロピル)ホスフェート、トリス(2,3−ジクロロプロピル)ホスフェート、トリス(2,3−ジブロモプロピル)ホスフェート、トリス(ブロモクロロプロピル)ホスフェート、ビス(2,3−ジブロモプロピル)−2,3−ジクロロプロピルホスフェート、ビス(クロロプロピル)モノオクチルホスフェート等のリン酸エステル系可塑剤;
2,3,3',4'−ビフェニルテトラカルボン酸テトラヘプチルエステル等のビフェニルテトラカルボン酸テトラアルキルエステル系可塑剤;
ポリエステル系高分子可塑剤;
エポキシ化大豆油、エポキシ化亜麻仁油、エポキシ化綿実油、液状エポキシ樹脂等のエポキシ系可塑剤;
塩素化パラフィン;および
五塩化ステアリン酸アルキルエステル等の塩素化脂肪酸エステル等。
耐火樹脂組成物中の可塑剤の含有量は特に限定されないが、上記熱可塑性樹脂100重量部に対して、25〜100重量部の範囲内であることが好ましい。
本発明の耐火樹脂組成物は、熱膨張性黒鉛をさらに含有してもよい。耐火樹脂組成物が熱膨張性黒鉛を含有する場合、耐火樹脂組成物は、加熱により膨張する熱膨張性耐火樹脂組成物となる。
熱膨張性黒鉛は、従来公知の物質であり、天然鱗状グラファイト、熱分解グラファイト、キッシュグラファイト等の粉末を濃硫酸、硝酸、セレン酸等の無機酸と濃硝酸、過塩素酸、過塩素酸塩、過マンガン酸塩、重クロム酸塩、過酸化水素等の強酸化剤とで処理してグラファイト層間化合物を生成させたもので、炭素の層状構造を維持したままの結晶化合物である。
熱膨張性黒鉛は任意選択で中和処理されてもよい。つまり、上記のように酸処理して得られた熱膨張性黒鉛を、更にアンモニア、脂肪族低級アミン、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物等で中和する。上記脂肪族低級アミンとしては、例えば、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン等が挙げられる。上記アルカリ金属化合物およびアルカリ土類金属化合物としては、例えば、カリウム、ナトリウム、カルシウム、バリウム、マグネシウム等の水酸化物、酸化物、炭酸塩、硫酸塩、有機酸塩等が挙げられる。中和処理した熱膨張性黒鉛の具体例としては、例えば、日本化成社製「CA−60S」、東ソー社製「GREP−EG」等が挙げられる。
本発明で用いられる熱膨張性黒鉛の粒度は、20〜200メッシュのものが好ましい。粒度が200メッシュより大きいと、黒鉛の膨張度が大きく、望む耐火断熱層が得られ、粒度が20メッシュより小さいと、樹脂と混練する際の、分散性が良好である。
熱膨張性黒鉛の含有量は特に限定されないが、マトリックス成分100重量部に対して10〜500重量部であることが好ましく、マトリックス成分100重量部に対して50〜300重量部であることがより好ましい。含有量が10重量部以上であると、体積膨張率が大きく樹脂サッシを構成する合成樹脂製部材が焼失した部分を十分埋めきることができ防火性能が発揮され、500重量部以下であると機械的強度が維持される。
本発明の耐火樹脂組成物は、無機充填剤をさらに含有してもよい。
無機充填剤は、膨張断熱層が形成される際、熱容量を増大させ伝熱を抑制するとともに、骨材的に働いて膨張断熱層の強度を向上させる。無機充填剤としては特に限定されず、例えば、アルミナ、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化鉄、酸化錫、酸化アンチモン、フェライト類等の金属酸化物;水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、ハイドロタルサイト等の含水無機物;塩基性炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、炭酸ストロンチウム、炭酸バリウム等の金属炭酸塩等が挙げられる。
また、無機充填剤としては、これらの他に、硫酸カルシウム、石膏繊維、ケイ酸カルシウム等のカルシウム塩;シリカ、珪藻土、ドーソナイト、硫酸バリウム、タルク、クレー、マイカ、モンモリロナイト、ベントナイト、活性白土、セピオライト、イモゴライト、セリサイト、ガラス繊維、ガラスビーズ、シリカ系バルン、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素、カーボンブラック、グラファイト、炭素繊維、炭素バルン、木炭粉末、各種金属粉、チタン酸カリウム、硫酸マグネシウム「MOS」(商品名)、チタン酸ジルコン酸鉛、アルミニウムボレート、硫化モリブデン、炭化ケイ素、ステンレス繊維、ホウ酸亜鉛、各種磁性粉、スラグ繊維、フライアッシュ、脱水汚泥等が挙げられる。これらの無機充填剤は単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
無機充填剤の粒径としては、0.5〜100μmが好ましく、より好ましくは1〜50μmである。無機充填剤は、添加量が少ないときは、分散性が性能を大きく左右するため、粒径の小さいものが好ましいが、0.5μm未満になると二次凝集が起こり、分散性が悪くなる。添加量が多いときは、高充填が進むにつれて、樹脂組成物の粘度が高くなり成形性が低下するが、粒径を大きくすることで樹脂組成物の粘度を低下させることができる点から、粒径の大きいものが好ましい。粒径が100μmを超えると、成形体の表面性、樹脂組成物の力学的物性が低下する。
一つの実施形態では、無機充填剤は金属酸化物、含水無機物、金属炭酸塩、シリカ、およびこれらの組み合わせから選択される。含水無機物は、アルカリ土類金属水酸化物を含む。
無機充填剤としては、例えば、水酸化アルミニウムでは、粒径18μmの「ハイジライトH−31」(昭和電工社製)、粒径25μmの「B325」(ALCOA社製)、炭酸カルシウムでは、粒径1.8μmの「ホワイトンSB赤」(備北粉化工業社製)、粒径8μmの「BF300」(備北粉化工業社製)等が挙げられる。
無機充填剤の含有量は特に限定されないが、マトリックス成分100重量部に対して30〜500重量部であることが好ましい。含有量が30重量部以上であると、十分な防火性能が得られ、500重量部以下であると機械的強度が維持される。無機充填剤の含有量は、より好ましくは40〜350重量部である。
本発明の耐火樹脂組成物は、膨張断熱層の強度を増加させ防火性能を向上させるために、前記の各成分に加えて、さらにリン化合物を添加してもよい。リン化合物としては、特に限定されず、例えば、赤リン;トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート(TCP)、トリキシレニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、キシレニルジフェニルホスフェート等の各種リン酸エステル;リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸マグネシウム等のリン酸金属塩;下記化学式(1)で表される化合物等が挙げられる。
Figure 0006244029
化学式(1)中、R1およびR3は、水素、炭素数1〜16の直鎖状あるいは分岐状のアルキル基、または、炭素数6〜16のアリール基を表す。R2は、水酸基、炭素数1〜16の直鎖状あるいは分岐状のアルキル基、炭素数1〜16の直鎖状あるいは分岐状のアルコキシル基、炭素数6〜16のアリール基、または、炭素数6〜16のアリールオキシ基を表す。
赤リンとしては、市販の赤リンを用いることができるが、耐湿性、混練時に自然発火しない等の安全性の点から、赤リン粒子の表面を樹脂でコーティングしたもの等が好適に用いられる。
化学式(1)で表される化合物としては特に限定されず、例えば、メチルホスホン酸、メチルホスホン酸ジメチル、メチルホスホン酸ジエチル、エチルホスホン酸、プロピルホスホン酸、ブチルホスホン酸、2−メチルプロピルホスホン酸、t−ブチルホスホン酸、2,3−ジメチル−ブチルホスホン酸、オクチルホスホン酸、フェニルホスホン酸、ジオクチルフェニルホスホネート、ジメチルホスフィン酸、メチルエチルホスフィン酸、メチルプロピルホスフィン酸、ジエチルホスフィン酸、ジオクチルホスフィン酸、フェニルホスフィン酸、ジエチルフェニルホスフィン酸、ジフェニルホスフィン酸、ビス(4−メトキシフェニル)ホスフィン酸等が挙げられる。中でも、t−ブチルホスホン酸は、高価ではあるが、高い耐火性の点において好ましい。前記のリン化合物は、単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
リン化合物を含有する場合、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート(TCP)、トリキシレニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、キシレニルジフェニルホスフェート等の各種リン酸エステルを用いることが好ましい。リン酸エステルは可塑剤として機能するとともに、耐水性および耐火性を向上することができる。
リン化合物の含有量は特に限定されないが、マトリックス成分100重量部に対して30〜300重量部であることが好ましい。配合量が30重量部以上であると、膨張断熱層の強度を向上させる効果が十分であり、300重量部以下であると、機械的強度が維持される。リン化合物の含有量は、より好ましくは40〜250重量部である。
また、本発明の耐火樹脂組成物には、その物性を損なわない範囲で、熱安定剤、滑剤、加工助剤、熱分解型発泡剤、酸化防止剤、帯電防止剤、顔料等が添加されてもよい。
熱安定剤としては、例えば、三塩基性硫酸鉛、三塩基性亜硫酸鉛、二塩基性亜リン酸鉛、ステアリン酸鉛、二塩基性ステアリン酸鉛等の鉛熱安定剤;有機錫メルカプト、有機錫マレート、有機錫ラウレート、ジブチル錫マレート等の有機錫熱安定剤;ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の金属石鹸熱安定剤等が挙げられ、これらは単独で用いられもよいし、二種以上が併用されてもよい。
滑剤としては、例えば、ポリエチレン、パラフィン、モンタン酸等のワックス類;各種エステルワックス類;ステアリン酸、リシノール酸等の有機酸類;ステアリルアルコール等の有機アルコール類;ジメチルビスアミド等のアミド化合物等が挙げられ、これらは単独で用いられもよいし、二種以上が併用されてもよい。
加工助剤としては、例えば、塩素化ポリエチレン、メチルメタクリレート−エチルアクリレート共重合体、高分子量のポリメチルメタクリレート等が挙げられる。
熱分解型発泡剤としては、例えば、アゾジカルボンアミド(ADCA)、ジニトロソペンタメチレンテトラミン(DPT)、p,p−オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド(OBSH)、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)等が挙げられる。
本発明の耐火樹脂組成物は、常法に従って、一軸押出機、二軸押出機等の押出機で溶融押出することにより耐火樹脂成形体を得ることができる。溶融温度は、マトリックス成分によって異なり、特に限定されないが、例えばポリ塩化ビニル樹脂の場合130〜170℃である。
本発明の耐火樹脂組成物または耐火樹脂成形体は、窓、障子、扉(すなわちドア)、戸、ふすま、および欄間等の建具;船舶;並びにエレベータ等の構造体に耐火性を付与するために使用され得る。本発明の耐火樹脂組成物は成形性が優れているので、構造体の複雑な形状に適合させた異型成形体を容易に得ることができる。図1は、建具としての窓1のサッシ枠に本発明の耐火樹脂成形体4を付与した例である。この例では、サッシ枠は2つの内枠2と、内枠2を包囲する1つの外枠3とを有し、内枠2および外枠3の枠本体の各辺に沿って、内枠2および外枠3の内部に耐火樹脂成形体3が取り付けられている。このようにして、本発明の耐火樹脂成形体3を設けることにより、窓1に耐火性を付与することができる。
本発明は、樹脂、エラストマー、ゴム、またはこれらの組み合わせであるマトリックス成分と、ポリリン酸塩とを含む耐火性樹脂組成物における、アルカリ金属、アルカリ土類金属およびマグネシウムからなる群から選択される少なくとも一種以上の金属の含有量を5重量%以下にする、耐火樹脂組成物におけるポリリン酸塩の加水分解による析出物の発生の抑制方法も包含する。耐火樹脂組成物中の各成分については耐火樹脂組成物について上述した通りである。
以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
1.耐火シートの作成
[実施例1]
表1に示した配合量で、合成樹脂としてポリ塩化ビニル100重量部、可塑剤としてジイソデシルフタレート(DIDP)80重量部、難燃剤としてメラミン被覆ポリリン酸アンモニウム(メラミン被覆APP、Budenheim Iberica社製「FR CROS 484」(平均粒径18μm))45重量部、中和処理された熱膨張性黒鉛(東ソー社製「GREP−EG」)、および無機充填剤としてシリカ(白石カルシウム社製「シベライトM−6000」)45重量部をニーダーにて混合した後、その混合物をカレンダーロールにてシート化に成型し、1.5mmの耐火樹脂成形体としての耐火シートを得た。なお、表1中の各成分は明記がない限り重量部で示している。
[実施例2〜10、12〜15、比較例1]
実施例2〜10、12〜15および比較例1についても、表1に示した配合量で成分を混合および押出成形し、耐火シートを得た。ブチルゴムは日本ブチル株式会社製Butyl065、ポリエチレンは日本ポリエチレン製のノバテックTMLD(ZE41K)、EVAは三井デュポンポリケミカル製、EV260、水素添加スチレン系熱可塑性エラストマーは株式会社クラレ社製、セプトンを使用した。
ジ−2−エチルヘキシルフタレート(DOP)としては、ジェイプラス社製「DOP」を使用した。トリクレジルホスフェート(TCP)としては、新日本理化社製「サンソサイザーTCP」を使用した。
ポリリン酸アンモニウム(APP)はクラリアント社製「AP422」を使用した。シラン被覆ポリリン酸アンモニウム(シラン被覆APP)はBudenheim Iberica社製「FR CROS 486」を使用した。炭酸カルシウムは備北粉化社製「ホワイトンBF−300」を使用した。
[実施例11、比較例2]
実施例11及び比較例2については、表1に示した配合量で、ビスフェノールF型エポキシモノマー(油化シェル社製「E807」)アミン系硬化剤(油化シェル社製「FL079」)、熱膨張性黒鉛(東ソー社製「GREP−EG」)、ポリリン酸アンモニウム(スミセーフP、住友化学社製)、及び実施例11ではさらにシリカを混練ロールで混練して、耐火性樹脂組成物を得た。得られた耐火性樹脂組成物を、0.5mm厚の亜鉛鉄板に塗布し、150℃で15分間プレスして硬化させ、耐火性評価及び耐水性評価に用いる所定厚みの耐火シートを得た。
なお、実施例1〜15,比較例2では熱膨張性黒鉛をニーダーにて混合する前に純水にて10回洗浄し、比較例1は洗浄せずに用いた。
2.耐火シート中の金属含有量の測定
耐火シート中のアルカリ金属濃度、アルカリ土類金属濃度及びマグネシウム濃度はサンプルをマイクロウェーブによる加熱式密閉酸分解を行ない、イオン化した後、ICP発光分析にて定量を行った。
なお、表1中、マグネシウム濃度の欄における「−」は検出限界値以下であることを示す。
3.耐火シートの耐水性評価−外観評価
実施例1〜15および比較例1〜2の耐火シートに水滴をスポイトにて2ml落とし、終夜(24時間)放置し、水滴を乾燥させ、翌日、シートの表面を観察し、耐水性を目視で評価した。Sは非常に良好(水滴を落とした部分の表面に白色物が見えない)、Aを良好(水滴を落とした部分の表面に一部白色物はあるが概ねなし)、Bを不良(水滴を落とした部分の表面に白色析出物発生)とした。
4.耐火シートの耐水性評価−水浸漬試験
実施例及び比較例の耐火シートを10cm角に切り出し、300gの水道水に浸漬し、23℃で1週間浸漬した。1週間後の水道水の濁りの有無を確認し、濁りが無い場合をA、濁りが有る場合をBとした。
実施例1〜15の耐火シートは耐水性に優れており、耐火シート表面における白色の析出物の発生が抑制された。
5.耐火性評価
(膨張倍率)
上記4.の水浸漬試験における浸漬後のサンプルを50℃で3日間乾燥の後、浸漬前後の重量差より、溶出率を算出した。さらに、乾燥後の試験片の厚みを測定し、電気炉に供給し、600℃で30分間加熱した後、試験片の厚さを測定し、(加熱後の試験片の厚さ)/(加熱前の試験片の厚さ)を膨張倍率として算出した。
(残渣硬さ)
膨張倍率を測定した加熱後の試験片を圧縮試験機(カトーテック社製、「フィンガーフイリングテスター」)に供給し、0.25cm2の圧子で0.1cm/秒の速度で圧縮し、破断点応力を測定した。
(形状保持性)
膨張倍率を測定した加熱後の試験片を90°に傾け、試験片が崩れず、形状保持ができたものをA、崩れてしまったものをBと評価した。
Figure 0006244029
以上、本発明の実施形態および実施例について具体的に説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。
例えば、上述の実施形態および実施例において挙げた構成、方法、工程、形状、材料および数値などはあくまでも例に過ぎず、必要に応じてこれと異なる構成、方法、工程、形状、材料および数値などを用いてもよい。
また、上述の実施形態の構成、方法、工程、形状、材料および数値などは、本発明の主旨を逸脱しない限り、互いに組み合わせることが可能である。
また、本発明は以下の構成を採用することもできる。
[1]樹脂、エラストマー、ゴム、またはこれらの組み合わせであるマトリックス成分と、ポリリン酸塩とを含み、アルカリ金属、アルカリ土類金属およびマグネシウムからなる群から選択される少なくとも一種以上の金属の含有量が5重量%以下である耐火樹脂組成物。
[2]熱膨張性黒鉛をさらに含有する[1]に記載の耐火樹脂組成物。
[3]ポリリン酸塩が表面被覆されている[1]または[2]に記載の耐火樹脂組成物。
[4]マトリックス成分がポリ塩化ビニル樹脂を含有する[1]〜[3]のいずれかに記載の耐火樹脂組成物。
[5]マトリックス成分が熱硬化性樹脂を含有する[1]〜[3]のいずれかに記載の耐火樹脂組成物。
[6]リン化合物をさらに含有する[1]〜[5]のいずれかに記載の耐火樹脂組成物。
[7]リン化合物がトリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート(TCP)、トリキシレニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、及びキシレニルジフェニルホスフェートから成る群から選択される少なくとも一つである[6]に記載の耐火樹脂組成物。
[8]ポリリン酸塩の含有量が5〜30重量%である[1]〜[3]のいずれかに記載の耐火樹脂組成物。
[9]アルカリ金属、アルカリ土類金属およびマグネシウムからなる群から選択される少なくとも一種以上の金属の含有量が0重量%である[1]〜[8]のいずれかに記載の耐火樹脂組成物。
[10]アルカリ金属、アルカリ土類金属およびマグネシウムからなる群から選択される少なくとも一種以上の金属の含有量が0重量%よりも大きい[1]〜[8]のいずれかに記載の耐火樹脂組成物。
[11]アルカリ金属濃度は1重量%以下である[1]〜[8],[10]のいずれかに記載の耐火樹脂組成物。
[12]アルカリ土類金属の濃度は2重量%以下である[1]〜[8],[10],[11]のいずれかに記載の耐火樹脂組成物。
[13]マトリックス成分100重量部に対して10〜500重量部の熱膨張性黒鉛を含む[2]〜[12]のいずれかに記載の耐火樹脂組成物。
[14]マトリックス成分100重量部に対して25〜100重量部の可塑剤を含む[1]〜[13]のいずれかに記載の耐火樹脂組成物。
[15]マトリックス成分100重量部に対して30〜500重量部の無機充填剤を含む[1]〜[14]のいずれかに記載の耐火樹脂組成物。
[16][1]〜[15]のいずれか一項に記載の耐火樹脂組成物よりなる耐火樹脂成形体。
[17][16]に記載の耐火樹脂成形体を備えた建具。
[18]樹脂、エラストマー、ゴム、またはこれらの組み合わせであるマトリックス成分と、ポリリン酸塩とを含む耐火性樹脂組成物における、アルカリ金属、アルカリ土類金属およびマグネシウムからなる群から選択される少なくとも一種以上の金属の含有量を5重量%以下にする、耐火樹脂組成物におけるポリリン酸塩の加水分解による析出物の発生の抑制方法。
[19]熱膨張性黒鉛をさらに含有する[18]に記載の方法。
[20]ポリリン酸塩が表面被覆されている[18]または[19]に記載の方法。
[21]マトリックス成分がポリ塩化ビニル樹脂を含有する[18]〜[20]のいずれかに記載の方法。
[22]マトリックス成分が熱硬化性樹脂を含有する[18]〜[20]のいずれかに記載の方法。
[23]リン化合物をさらに含有する[18]〜[22]のいずれかに記載の方法。
[24]リン化合物がトリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート(TCP)、トリキシレニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、及びキシレニルジフェニルホスフェートから成る群から選択される少なくとも一つである[23]に記載の方法。
[25]ポリリン酸塩の含有量が5〜30重量%である[18]〜[20]のいずれかに記載の方法。
[26]アルカリ金属、アルカリ土類金属およびマグネシウムからなる群から選択される少なくとも一種以上の金属の含有量が0重量%である[18]〜[25]のいずれかに記載の方法。
[27]アルカリ金属、アルカリ土類金属およびマグネシウムからなる群から選択される少なくとも一種以上の金属の含有量が0重量%よりも大きい[18]〜[25]のいずれかに記載の方法。
[28]アルカリ金属濃度は1重量%以下である[18]〜[25],[27]のいずれかに記載の方法。
[29]アルカリ土類金属の濃度は2重量%以下である[18]〜[25],[27],[28]のいずれかに記載の方法。
[30]マトリックス成分100重量部に対して10〜500重量部の熱膨張性黒鉛を含む[19]〜[29]のいずれかに記載の方法。
[31]マトリックス成分100重量部に対して25〜100重量部の可塑剤を含む[18]〜[30]のいずれかに記載の方法。
[32]マトリックス成分100重量部に対して30〜500重量部の無機充填剤を含む[18]〜[31]のいずれかに記載の方法。

Claims (7)

  1. ポリ塩化ビニル樹脂を含有するマトリックス成分と、
    ポリリン酸塩と
    熱膨張性黒鉛とを含み、
    アルカリ金属、アルカリ土類金属およびマグネシウムからなる群から選択される少なくとも一種以上の金属の含有量が5重量%以下であり、
    アルカリ金属の含有量が1重量%以下であり、
    アルカリ土類金属の含有量が1重量%以下である耐火樹脂組成物。
  2. 前記ポリリン酸塩が表面被覆されている請求項に記載の耐火樹脂組成物。
  3. リン化合物をさらに含有し、リン化合物がトリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート(TCP)、トリキシレニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、及びキシレニルジフェニルホスフェートから成る群から選択される少なくとも一つである請求項1または2に記載の耐火樹脂組成物。
  4. ポリリン酸塩の含有量が5〜30重量%である請求項1または2に記載の耐火樹脂組成物。
  5. 請求項1〜のいずれか一項に記載の耐火樹脂組成物よりなる耐火樹脂成形体。
  6. 請求項に記載の耐火樹脂成形体を備えた建具。
  7. ポリ塩化ビニル樹脂を含有するマトリックス成分と、ポリリン酸塩と、熱膨張性黒鉛とを含む耐火性樹脂組成物における、アルカリ金属、アルカリ土類金属およびマグネシウムからなる群から選択される少なくとも一種以上の金属の含有量を5重量%以下にし、アルカリ土類金属の含有量を1重量%以下にする耐火樹脂組成物におけるポリリン酸塩の加水分解による析出物の発生の抑制方法。
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