JP2020097244A - 耐火樹脂成形体およびそれを備えた建具 - Google Patents

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Abstract

【課題】難燃性および耐水性に優れた耐火樹脂成型体の提供。【解決手段】樹脂成分とポリリン酸塩と熱膨張性黒鉛とを含む第1層11と、前記第1層の少なくとも一方の面側に配置され、樹脂成分を含むがポリリン酸塩を実質的に含まない第2層12とを備え、前記第1層の樹脂成分と前記第2層の樹脂成分とが同じ樹脂成分であることを特徴とする耐火樹脂成型体10。また、ポリリン酸塩がポリリン酸アンモニウムであり、第1層の厚みの割合が全厚みに対して90〜99%であるシート形状である。【選択図】図1

Description

本発明は、耐火樹脂成型体およびそれを備えた建具に関する。
防火サッシおよび防火ドアには熱膨張性耐火シートが用いられているものがあり、熱膨張性耐火シートには難燃剤としてポリリン酸塩が配合されている場合がある。そのような例として、特許文献1には、平均粒子径15〜35μmである被覆ポリリン酸アンモニウムを用いた、合成樹脂をバインダーとする発泡耐火材が開示されている。
特開平9-286875
サッシまたはドアが取り付けられる場所によっては、熱膨張性耐火シートが結露や風雨に晒される環境に置かれる場合があるところ、ポリリン酸塩は難燃性には非常に優れているが、水分に弱く、加水分解後、熱膨張性シートの表面に白色の析出物が生じ(ブリードアウトし)、発生した析出物によりシート外観を損なう場合があった。熱膨張性シートの表面の耐水性が向上すれば、析出物の発生も抑制される。
本発明の目的は、難燃性および耐水性に優れた耐火樹脂成型体を提供することにある。
本発明者らは、上記の目的を達成すべく、ポリリン酸塩を含む第1層の上に、ポリリン酸塩を含まない第2層を積層させることにより、耐火樹脂成型体の表面における析出物の発生を抑制できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は以下の通りである。
[1]樹脂成分とポリリン酸塩とを含む第1層と、
前記第1層の上に配置され、樹脂成分を含むがポリリン酸塩を含まない第2層と
を備えた耐火樹脂成型体。
[2]ポリリン酸塩がポリリン酸アンモニウムである項1に記載の耐火樹脂成型体。
[3]シート形状である項1または2に記載の耐火樹脂成型体。
[4]項1〜3のいずれか一項に記載の耐火樹脂成形体を備えた建具。
[5]樹脂成分と、ポリリン酸塩とを含む第1層を提供することと、
前記第1層の上に、樹脂成分を含むがポリリン酸塩を含まない第2層を提供することとを含む、耐火樹脂成型体におけるポリリン酸塩の加水分解による析出物の発生の抑制方法。
本発明によれば、難燃性および耐水性に優れた耐火樹脂成型体を提供することが可能となる。
本発明の耐火樹脂成形体を示す略断面図である。 本発明の耐火樹脂成形体をサッシ枠に設けた耐火窓を示す略正面図である。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
図1を参照すると、本発明の一実施形態の耐火樹脂成型体10は、樹脂成分とポリリン酸塩とを含む第1層11と、第1層11の上に配置され、樹脂成分を含むがポリリン酸塩を実質的に含まない第2層12とを備えている。第1層11および第2層12はそれぞれシート状であり、耐火樹脂成型体10も全体としてシート状である。なお、ポリリン酸塩を実質的に含まないとは、ポリリン酸塩を意図的に含有させないことを指し、具体的にはポリリン酸塩が表層10μm内に0.1重量%以下の含有量で含まれることを指す。
耐火樹脂成形体10の第1層11を構成する耐火樹脂組成物および第2層12を構成する耐火樹脂組成物は、樹脂成分を含有している。樹脂成分は、樹脂、エラストマー、ゴム、またはこれらの組み合わせからなる。
熱可塑性樹脂の例としては、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂等のポリオ
レフィン系樹脂、ポリ(1−)ブテン系樹脂、ポリペンテン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリブタジエン系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂(塩素化塩化ビニル樹脂を含む)、これらの組み合わせ等が挙げられる。なかでも、ポリオレフィン系樹脂またはポリ塩化ビニル系樹脂が好ましい。
上記熱可塑性樹脂はいずれも、樹脂組成物としての耐火性能を阻害しない範囲で、架橋、変性して用いてもよい。樹脂の架橋方法についても、特に限定はなく、熱可塑性樹脂の通常の架橋方法、例えば、各種架橋剤、過酸化物を使用する架橋、電子線照射による架橋等が挙げられる。
熱硬化性樹脂の例としてはエポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ポリウレタン、熱硬化性ポリイミド等が挙げられる。なかでも、エポキシ樹脂が好ましい。
本発明で用いられるエポキシ樹脂は、特に限定されないが、基本的にはエポキシ基をもつモノマーと硬化剤とを反応させることにより得られる。上記エポキシ基をもつモノマーとしては、例えば、2官能のグリシジルエーテル型、グリシジルエステル型、多官能のグリシジルエーテル型等のモノマーが例示される。
これらのエポキシ基をもつモノマーは、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記硬化剤としては、重付加型または触媒型のものが用いられる。重付加型の硬化剤としては、例えば、ポリアミン、酸無水物、ポリフェノール、ポリメルカプタン等が例示される。また、上記触媒型の硬化剤としては、例えば、3級アミン、イミダゾール類、ルイス酸錯体等が例示される。エポキシ樹脂の硬化方法は、特に限定されず、公知の方法によって行うことができる。
エラストマーの例としてはオレフィン系エラストマー、スチレン系エラストマー、エステル系エラストマー、アミド系エラストマー、塩化ビニル系エラストマー、これらの組み合わせ等が挙げられる。
ゴムの例の例としては、天然ゴム、シリコーンゴム、スチレン・ブタジエンゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、アクリロニトリル・ブタジエンゴム、ニトリルブタジエンゴム、ブチルゴム、エチレン・プロピレンゴム、エチレン・プロピレン・ジエンゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、これらの組み合わせ等が挙げられる。なかでも、ブチルゴムが好ましい。
第1層11中の樹脂成分および第2層12中の樹脂成分の種類および含有量は同一であってもよいし、異なっていてもよい。一実施形態において、第1層11中の樹脂成分および第2層12中の樹脂成分はともにポリ塩化ビニル系樹脂であるか、またはともにポリオレフィン系樹脂である。別の実施形態において、第1層11中の樹脂成分はポリオレフィン系樹脂であり、第2層12中の樹脂成分はポリ塩化ビニル系樹脂である。さらに別の実施形態において、第1層11中の樹脂成分はポリ塩化ビニル系樹脂であり、第2層12中の樹脂成分はポリオレフィン系樹脂である。
耐火樹脂成形体10の第1層11を構成する耐火樹脂組成物はポリリン酸塩を含有する。ポリリン酸塩は、難燃剤として機能し、ポリリン酸アンモニウム、ポリリン酸メラミン等が含まれる。ポリリン酸塩は好ましくはポリリン酸アンモニウムである。ポリリン酸アンモニウムの市販品としては、クラリアント社製「AP422」、「AP462」、住友化学工業社製「スミセーフP」、チッソ社製「テラージュC60」が挙げられる。
好ましいポリリン酸アンモニウムは、表面被覆されたポリリン酸アンモニウム(被覆ポリリン酸アンモニウムとも称する)であり、被覆ポリリン酸アンモニウムのうち、メラミンで表面被覆されたメラミン被覆ポリリン酸アンモニウムについては特開平9-286875に記載されており、シランで表面被覆されたシラン被覆ポリリン酸アンモニウムについては特開2000-63562に記載されている。メラミン被覆ポリリン酸アンモニウムは、(a)粉末状ポリリン酸アンモニウム粒子表面にメラミンを付加および/または付着したメラミン被覆ポリリン酸アンモニウム、(b)前記メラミン被覆ポリリン酸アンモニウム粒子の被覆層に存在するメラミン分子中のアミノ基が持つ活性水素と、該活性水素と反応しうる官能基を有する化合物とによって該粒子表面が架橋された被覆ポリリン酸アンモニウム、および/または(c)粉末状ポリリン酸アンモニウムまたは前記メラミン被覆ポリリン酸アンモニウム粒子表面を熱硬化性樹脂で被覆した被覆ポリリン酸アンモニウムである。メラミン被覆ポリリン酸アンモニウム粒子の市販品としては、例えば、クラリアント社製「AP462」、Budenheim Iberica社製「FR CROS 484」、「FR
CROS 487」等が挙げられる。シラン被覆ポリリン酸アンモニウム粒子の市販品としては、例えば、Budenheim Iberica社製「FR CROS 486」が挙げられる。
被覆ポリリン酸アンモニウムの平均粒子径は好ましくは15〜35μmである。なお、被覆ポリリン酸アンモニウムの平均粒子径はレーザー回折式粒度分布測定にて測定できる。
耐火樹脂成形体10の第2層12を構成する耐火樹脂組成物はポリリン酸塩を含有しない。
耐火樹脂成形体10の第1層11を構成する耐火樹脂組成物および第2層12を構成する耐火樹脂組成物は、可塑剤をさらに含有してもよい。第1層11中の可塑剤および第2層12中の可塑剤の種類および含有量は同一であってもよいし、異なっていてもよい。
可塑剤としては、下記に例示する1種または2種以上の可塑剤を組み合わせて使用し得る:ジ−2−エチルヘキシルフタレート(DOP)、ジ−n−オクチルフタレート、ジイ
ソノニルフタレート(DINP)、ジイソデシルフタレート(DIDP)、ジウンデシルフタレート(DUP)、または炭素原子数10〜13程度の高級アルコールまたは混合アルコールのフタル酸エステル等のフタル酸エステル系可塑剤;
ジ−2−エチルヘキシルアジペート、ジ−n−オクチルアジペート、ジ−n−デシルアジペート、ジイソデシルアジペート、ジ−2−エチルヘキシルアゼレート、ジブチルセバケート、ジ−2−エチルヘキシルセバケート等の脂肪族二塩基酸エステル系可塑剤;
トリ−2−エチルヘキシルトリメリテート(TOTM)、トリ−n−オクチルトリメリテート、トリデシルトリメリテート、トリイソデシルトリメリテート、ジ−n−オクチル−n−デシルトリメリレート等のトリメリット酸エステル系可塑剤;
アジピン酸ジ−2−エチルヘキシル(DOA)およびアジピン酸ジイソデシル(DIDA)等のアジピン酸エステル系可塑剤;
セバシン酸ジブチル(DBS)およびセバシン酸ジ−2−エチルヘキシル(DOS)等のセバシン酸エステル系可塑剤;
トリブチルホスフェート、トリオクチルホスフェート、オクチルジフェニルホスフェート、トリブトキシエチルホスフェート、トリクロロエチルホスフェート、トリス(2−クロロプロピル)ホスフェート、トリス(2,3−ジクロロプロピル)ホスフェート、トリス(2,3−ジブロモプロピル)ホスフェート、トリス(ブロモクロロプロピル)ホスフェート、ビス(2,3−ジブロモプロピル)−2,3−ジクロロプロピルホスフェート、ビス(クロロプロピル)モノオクチルホスフェート等のリン酸エステル系可塑剤;
2,3,3',4'−ビフェニルテトラカルボン酸テトラヘプチルエステル等のビフェニルテトラカルボン酸テトラアルキルエステル系可塑剤;
ポリエステル系高分子可塑剤;
エポキシ化大豆油、エポキシ化亜麻仁油、エポキシ化綿実油、液状エポキシ樹脂等のエポキシ系可塑剤;
塩素化パラフィン;
五塩化ステアリン酸アルキルエステル等の塩素化脂肪酸エステル;および
常温で液状のリン化合物等。
常温で液状のリン化合物としては、特に限定されず、例えば、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリス(2エチルヘキシル)ホスフェート、トリフェニルホスフェート(TPP)、トリクレジルホスフェート(TCP)、トリキシレニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、キシレニルジフェニルホスフェート等の各種リン酸エステル等が挙げられる。
可塑剤は、樹脂成分に対する相溶性の異なる複数の可塑剤を含んでもよい。
第1層11を構成する耐火樹脂組成物および第2層12を構成する耐火樹脂組成物中の可塑剤の含有量は特に限定されないが、各々可塑剤は樹脂成分100重量部に対して10〜300重量部であることが好ましく、100〜300重量部であることがより好ましい。配合量が10重量部以上であると、膨張断熱層の強度を向上させる効果が十分であり、300重量部以下である。
第1層11を構成する耐火樹脂組成物および第2層12を構成する耐火樹脂組成物は、熱膨張性黒鉛をさらに含有してもよい。耐火樹脂組成物が熱膨張性黒鉛を含有する場合、耐火樹脂組成物は、加熱により膨張する熱膨張性耐火樹脂組成物となる。第1層11中の熱膨張性黒鉛および第2層12中の熱膨張性黒鉛の種類および含有量は同一であってもよいし、異なっていてもよい。
熱膨張性黒鉛は、従来公知の物質であり、天然鱗状グラファイト、熱分解グラファイト、キッシュグラファイト等の粉末を濃硫酸、硝酸、セレン酸等の無機酸と濃硝酸、過塩素
酸、過塩素酸塩、過マンガン酸塩、重クロム酸塩、過酸化水素等の強酸化剤とで処理してグラファイト層間化合物を生成させたもので、炭素の層状構造を維持したままの結晶化合物である。
熱膨張性黒鉛は任意選択で中和処理されてもよい。つまり、上記のように酸処理して得られた熱膨張性黒鉛を、更にアンモニア、脂肪族低級アミン、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物等で中和する。上記脂肪族低級アミンとしては、例えば、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン等が挙げられる。上記アルカリ金属化合物およびアルカリ土類金属化合物としては、例えば、カリウム、ナトリウム、カルシウム、バリウム、マグネシウム等の水酸化物、酸化物、炭酸塩、硫酸塩、有機酸塩等が挙げられる。中和処理した熱膨張性黒鉛の具体例としては、例えば、日本化成社製「CA−60S」、東ソー社製「GREP−EG」等が挙げられる。
本発明で用いられる熱膨張性黒鉛の粒度は、20〜200メッシュのものが好ましい。粒度が200メッシュより大きいと、黒鉛の膨張度が大きく、望む耐火断熱層が得られ、粒度が20メッシュより小さいと、樹脂と混練する際の、分散性が良好である。
熱膨張性黒鉛の含有量は特に限定されないが、樹脂成分100重量部に対して10〜500重量部であることが好ましく、樹脂成分100重量部に対して50〜300重量部であることがより好ましい。含有量が10重量部以上であると、体積膨張率が大きく樹脂サッシを構成する合成樹脂製部材が焼失した部分を十分埋めきることができ防火性能が発揮され、500重量部以下であると機械的強度が維持される。
本発明の第1層11を構成する耐火樹脂組成物および第2層12を構成する耐火樹脂組成物は、無機充填剤をさらに含有してもよい。第1層11中の無機充填剤および第2層12中の無機充填剤の種類および含有量は同一であってもよいし、異なっていてもよい。
無機充填剤は、膨張断熱層が形成される際、熱容量を増大させ伝熱を抑制するとともに、骨材的に働いて膨張断熱層の強度を向上させる。無機充填剤としては特に限定されず、例えば、アルミナ、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化鉄、酸化錫、酸化アンチモン、フェライト類等の金属酸化物;水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、ハイドロタルサイト等の含水無機物;塩基性炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、炭酸ストロンチウム、炭酸バリウム等の金属炭酸塩等が挙げられる。
また、無機充填剤としては、これらの他に、硫酸カルシウム、石膏繊維、ケイ酸カルシウム等のカルシウム塩;シリカ、珪藻土、ドーソナイト、硫酸バリウム、タルク、クレー、マイカ、モンモリロナイト、ベントナイト、活性白土、セピオライト、イモゴライト、セリサイト、ガラス繊維、ガラスビーズ、シリカ系バルン、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素、カーボンブラック、グラファイト、炭素繊維、炭素バルン、木炭粉末、各種金属粉、チタン酸カリウム、硫酸マグネシウム「MOS」(商品名)、チタン酸ジルコン酸鉛、アルミニウムボレート、硫化モリブデン、炭化ケイ素、ステンレス繊維、ホウ酸亜鉛、各種磁性粉、スラグ繊維、フライアッシュ、脱水汚泥等が挙げられる。これらの無機充填剤は単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
無機充填剤の粒径としては、0.5〜100μmが好ましく、より好ましくは1〜50μmである。無機充填剤は、添加量が少ないときは、分散性が性能を大きく左右するため、粒径の小さいものが好ましいが、0.5μm未満になると二次凝集が起こり、分散性が悪くなる。添加量が多いときは、高充填が進むにつれて、樹脂組成物の粘度が高くなり成
形性が低下するが、粒径を大きくすることで樹脂組成物の粘度を低下させることができる点から、粒径の大きいものが好ましい。粒径が100μmを超えると、成形体の表面性、樹脂組成物の力学的物性が低下する。
一つの実施形態では、無機充填剤は金属酸化物、含水無機物、金属炭酸塩、シリカ、およびこれらの組み合わせから選択される。含水無機物は、アルカリ土類金属水酸化物を含む。
無機充填剤としては、例えば、水酸化アルミニウムでは、粒径18μmの「ハイジライトH−31」(昭和電工社製)、粒径25μmの「B325」(ALCOA社製)、炭酸カルシウムでは、粒径1.8μmの「ホワイトンSB赤」(備北粉化工業社製)、粒径8μmの「BF300」(備北粉化工業社製)等が挙げられる。
無機充填剤の含有量は特に限定されないが、樹脂成分100重量部に対して30〜500重量部であることが好ましい。含有量が30重量部以上であると、十分な防火性能が得られ、500重量部以下であると機械的強度が維持される。無機充填剤の含有量は、より好ましくは40〜350重量部である。
耐火樹脂成形体10の第1層11を構成する耐火樹脂組成物および第2層12を構成する耐火樹脂組成物は、難燃性を高めるために、ポリリン酸塩以外の難燃剤を含有してもよい。一実施形態において、第2層12を構成する耐火樹脂組成物はポリリン酸塩以外の難燃剤を含有する。そのような難燃剤として、赤リン、リン酸塩含有難燃剤、臭素含有難燃剤、ホウ酸含有難燃剤、アンチモン含有難燃剤、および金属水酸化物等が挙げられる。
また、本発明の耐火樹脂成形体10の第1層11を構成する耐火樹脂組成物および第2層12を構成する耐火樹脂組成物には、その物性を損なわない範囲で、熱安定剤、滑剤、加工助剤、熱分解型発泡剤、酸化防止剤、帯電防止剤、顔料等が添加されてもよい。
熱安定剤としては、例えば、三塩基性硫酸鉛、三塩基性亜硫酸鉛、二塩基性亜リン酸鉛、ステアリン酸鉛、二塩基性ステアリン酸鉛等の鉛熱安定剤;有機錫メルカプト、有機錫マレート、有機錫ラウレート、ジブチル錫マレート等の有機錫熱安定剤;ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の金属石鹸熱安定剤等が挙げられ、これらは単独で用いられもよいし、二種以上が併用されてもよい。
滑剤としては、例えば、ポリエチレン、パラフィン、モンタン酸等のワックス類;各種エステルワックス類;ステアリン酸、リシノール酸等の有機酸類;ステアリルアルコール等の有機アルコール類;ジメチルビスアミド等のアミド化合物等が挙げられ、これらは単独で用いられもよいし、二種以上が併用されてもよい。
加工助剤としては、例えば、塩素化ポリエチレン、メチルメタクリレート−エチルアクリレート共重合体、高分子量のポリメチルメタクリレート等が挙げられる。
熱分解型発泡剤としては、例えば、アゾジカルボンアミド(ADCA)、ジニトロソペンタメチレンテトラミン(DPT)、p,p−オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド(OBSH)、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)等が挙げられる。
上記の第1層11および第2層12を構成する耐火樹脂組成物を、常法に従って、一軸押出機、二軸押出機等の押出機で溶融押出することにより、耐火樹脂成形体10を得ることができる。第1層11および第2層12は押出により一体成形してもよいし、別々に押出成形した後に互いに貼り合わせてもよい。さらに、第1層11と第2層12の間には、
別の耐火性樹脂層が介在していてもよい。また、第1層11の一方の面側に第2層12が積層配置されていてもよく、第1層11の両方の面側に第2層12が積層配置されていてもよい。
溶融温度は、樹脂成分によって異なり、特に限定されないが、例えばポリ塩化ビニル樹脂の場合130〜170℃である。
第1層の全層中の比率が小さくなることで、シートのリン成分が少なくなる為に、耐火性の悪化が起こってしまう。また、比率が大きすぎると、加工性が悪くなり、生産性が劣る。第1層の厚みは、特に限定されないが、全厚みに対して90〜99%であることが好ましい。
耐火樹脂成形体10は、窓、障子、扉(すなわちドア)、戸、ふすま、および欄間等の建具;船舶;並びにエレベータ等の構造体に耐火性を付与するために使用され得る。上記の耐火樹脂組成物は成形性に優れているので、シート状の他、構造体の複雑な形状に適合させた異型成形体を容易に得ることができる。
図2は、建具としての窓1のサッシ枠に本発明の耐火樹脂成形体10を付与した例である。この例では、サッシ枠は2つの内枠2と、内枠2を包囲する1つの外枠3とを有し、内枠2および外枠3の枠本体の各辺に沿って、内枠2および外枠3の内部に耐火樹脂成形体3が取り付けられている。このようにして、本発明の耐火樹脂成形体10を設けることにより、窓1に耐火性を付与することができる。
本発明は、樹脂成分と、ポリリン酸塩とを含む第1層を提供することと、第1層の上に、樹脂成分を含むがポリリン酸塩を含まない第2層を提供することとを含む、耐火樹脂成型体におけるポリリン酸塩の加水分解による析出物の発生の抑制方法も包含する。耐火樹脂成型体を構成する各層の耐火樹脂組成物中の各成分については上述した通りである。
以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
1.耐火シートの作成
実施例1
表1に示した配合量で、合成樹脂としてポリ塩化ビニル100重量部、可塑剤としてジイソデシルフタレート(DIDP)80重量部、難燃剤としてポリリン酸アンモニウム(APP)(クラリアント社製「AP422」)45重量部、熱膨張性黒鉛(東ソー社製「GREP−EG」)、および無機充填剤としてシリカ(白石カルシウム社製「シベライトM−6000」)45重量部をニーダーにて混合した後、その混合物をカレンダーロールにてシート化に成型し、厚さ1.5mmの耐火樹脂成形体としての耐火シートを得た。
実施例2〜5,比較例1
実施例2〜5および比較例1についても、表1に示した配合量で成分を混合および押出成形し、耐火シートを得た。メラミン被覆ポリリン酸アンモニウム(メラミン被覆APP)は、Budenheim Iberica社製「FR CROS 484」(平均粒径18μm))を使用し、炭酸カルシウムは備北粉化社製「ホワイトンBF−300」を使用した。
2.耐火シートの耐水性評価
実施例1〜5および比較例1の耐火シートに水滴をスポイトにて2ml落とし、終夜(24時間)放置し、水滴を乾燥させ、翌日、シートの表面を観察し、耐水性を目視で評価した。◎は非常に良好(水滴を落とした部分の表面に白色物が見えない)、×を不良(水滴
を落とした部分の表面に白色析出物発生)とした。
3.耐火性評価
実施例及び比較例の耐火シートを10cm角に切り出し、300gの水道水に浸漬し、23℃で1週間浸漬した。
(膨張倍率)
上記水浸漬後のサンプルを50℃で3日間乾燥の後、浸漬前後の重量差より、溶出率を算出した。さらに、乾燥後の試験片の厚みを測定し、電気炉に供給し、600℃で30分間加熱した後、試験片の厚さを測定し、(加熱後の試験片の厚さ)/(加熱前の試験片の厚さ)を膨張倍率として算出した。
(残渣硬さ)
膨張倍率を測定した加熱後の試験片を圧縮試験機(カトーテック社製、「フィンガーフイリングテスター」)に供給し、0.25cm2の圧子で0.1cm/秒の速度で圧縮し
、破断点応力を測定した。
(形状保持性)
膨張倍率を測定した加熱後の試験片を90°に傾け、試験片が崩れず、形状保持ができたものを○、形状保持ができたが亀裂が入ったものを△、崩れてしまったものを×と評価した。
実施例1〜5の耐火シートは耐水性に優れており、耐火シート表面における白色の析出物の発生が抑制された。
なお、比較例1の無機充填剤を炭酸カルシウムの代わりにシリカとした比較例でも、比較例1と同様に耐水性目視評価が劣り白色析出物が発生した(データ非図示)。

Claims (6)

  1. 樹脂成分とポリリン酸塩とを含む第1層と、
    前記第1層の少なくとも一方の面側に配置され、樹脂成分を含むがポリリン酸塩を実質的に含まない第2層と
    を備えた耐火樹脂成型体。
  2. ポリリン酸塩がポリリン酸アンモニウムである請求項1に記載の耐火樹脂成型体。
  3. 第1層の厚みの割合が全厚みに対して90〜99%であることを特徴とする請求項1又は2に記載の耐火樹脂成形体。
  4. シート形状である請求項1〜3のいずれか一項に記載の耐火樹脂成型体。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の耐火樹脂成形体を備えた建具。
  6. 樹脂成分と、ポリリン酸塩とを含む第1層を提供することと、
    前記第1層の上に、樹脂成分を含むがポリリン酸塩を実質的に含まない第2層を提供することとを含む、耐火樹脂成型体におけるポリリン酸塩の加水分解による析出物の発生の抑制方法。
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