JPH09309990A - 塩化ビニル系樹脂組成物 - Google Patents

塩化ビニル系樹脂組成物

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JPH09309990A
JPH09309990A JP15015996A JP15015996A JPH09309990A JP H09309990 A JPH09309990 A JP H09309990A JP 15015996 A JP15015996 A JP 15015996A JP 15015996 A JP15015996 A JP 15015996A JP H09309990 A JPH09309990 A JP H09309990A
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vinyl chloride
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chloride resin
resin composition
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JP15015996A
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Yuji Karasawa
勇治 唐沢
Masuo Iwata
満寿夫 岩田
Hiroteru Watabe
大輝 渡部
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Original Assignee
Chisso Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】難燃性、耐火性、耐水性及び燃焼時に発生する
塩化水素ガスの抑制効果に優れた耐火塩化ビニル系樹脂
組成物を提供すること。 【解決手段】(1)塩化ビニル系樹脂100重量部に対
して、水不溶性ポリリン酸アンモニウム3〜100重量
部、酸素含有無機化合物10〜60重量部及び必要に応
じて可塑剤200重量部以下を配合してなる塩化ビニル
系樹脂組成物。 (2)塩化ビニル系樹脂100重量部に対して、水不溶
性ポリリン酸アンモニウム3〜100重量部、酸素含有
無機化合物10〜60重量部、膨張性黒鉛3〜60重量
部及び必要に応じて可塑剤200重量部以下を配合して
なる塩化ビニル系樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は難燃性、耐火性、耐
水性及び燃焼時に発生する塩化水素ガスの発生を抑制す
る効果に優れた塩化ビニル系樹脂組成物に関する。更に
詳しくは水不溶性ポリリン酸アンモニウムと特定の酸素
含有無機化合物および必要に応じて可塑剤の特定量を含
有する組成物および水不溶性ポリリン酸アンモニウムと
特定の酸素含有無機化合物、膨張性黒鉛および必要に応
じて可塑剤を配合してなる難燃性、耐火性、耐水性及び
塩化水素ガスの発生を抑制する効果に優れた塩化ビニル
系樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、塩化ビニル系樹脂は、安価な
ことはもとより、加工性、耐薬品性、耐候性、電気的特
性、機械的特性及び難燃性など比較的バランスのとれた
物性を有することから、産業用及び家庭用電気製品の分
野のみならず、建築物、室内装飾品及び自動車部品など
の各種分野に多用されている。かかる使用目的の多様化
に伴い、塩化ビニル系樹脂組成物にも耐水性や高度な難
燃性等が要求されはじめ、しかもその要求性能や安全性
への配慮が厳しくなってきている。特に最近、塩化ビニ
ル系樹脂組成物は建築部材へ盛んに用いられるようにな
ってきているが、該塩化ビニル系樹脂組成物は、塩化ビ
ニル系樹脂そのものには難燃性があっても、火炎に曝さ
れた際に熱により溶融し樹脂等がたれ落ちしてしまうた
め、耐火材としての使用は困難であった。さらに該塩化
ビニル系樹脂組成物は、燃焼時に塩化水素ガス等のガス
を発生するという問題点を有している。
【0003】この問題を解決するために最近、火災時に
被膜が炭化発泡して不燃性でかつ断熱性の炭化物を与え
る発泡耐火熱可塑性樹脂組成物が提案されている。例え
ば、特開平7−109377号公報には、ポリリン酸塩
及び必要に応じて炭化層形成材料及び不燃性ガス発生材
料との組み合わせで難燃性を発揮する発泡型耐火被覆用
熱可塑性樹脂組成物が提案されている。しかしながら、
該樹脂組成物は耐火材としての有効成分であるポリリン
酸塩が加水分解性を有していることから、水に対する長
期的な安定性が不十分である。また炭化層形成材料とし
て好適に使用されるペンタエリスリトール等の多価アル
コール類も水溶性の化合物であり、こうした加水分解性
物質や水可溶性物質を配合した樹脂組成物は日本のよう
な高温多湿の環境下では有効成分の溶出を起こし、樹脂
組成物の外観更には耐火性能の低下を引き起こすといっ
た問題がある。
【0004】また、特開平7−258477号公報には
リン化合物と膨張性黒鉛とを組み合わせて配合した熱可
塑性組成物が開示されている。リン化合物と組み合わせ
て用いることにより、燃焼時に膨張した膨張性黒鉛の飛
散を防ぎ断熱性の炭化層を形成するが、該熱可塑性樹脂
組成物は耐水性、耐火性等がまだ十分でない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは前述の問
題点を解決すべく鋭意検討を重ねた。その結果、水不溶
性ポリリン酸アンモニウムと特定の酸素含有無機化合
物、または水不溶性ポリリン酸アンモニウムと特定の酸
素含有無機化合物およびこれらにさらに膨張性黒鉛を配
合してなる塩化ビニル系樹脂組成物が優れた難燃性、耐
火性、耐水性及び塩化水素ガスの発生を抑制する効果を
有することを見いだし、この知見に基づき本発明を完成
した。上述の記述から明らかなように本発明の目的は難
燃性、耐火性、耐水性及び燃焼時に発生する塩化水素ガ
スの抑制効果に優れた耐火塩化ビニル系樹脂組成物を提
供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
1)塩化ビニル系樹脂100重量部に対して、水不溶性
ポリリン酸アンモニウム3〜100重量部、酸素含有無
機化合物10〜60重量部及び必要に応じて可塑剤20
0重量部以下を配合してなる塩化ビニル系樹脂組成物。 2)塩化ビニル系樹脂100重量部に対して、水不溶性
ポリリン酸アンモニウム3〜100重量部、酸素含有無
機化合物10〜60重量部、膨張性黒鉛3〜60重量部
及び必要に応じて可塑剤200重量部以下を配合してな
る塩化ビニル系樹脂組成物。 3)酸素含有無機化合物が、周期表II族、III族又はIV
族に属する元素を含有する無機化合物である前記第1項
もしくは第2項記載の塩化ビニル系樹脂組成物。 4)周期表II族、III族またはIV族に属する元素がC
a、Ba、Sr、Mg、Al、Si、Zn、Cd、T
i、Zr及びSnから選ばれる1種以上である前記第1
項〜第3項のいずれか1項記載の塩化ビニル系樹脂組成
物。 5)酸素含有無機化合物が、前記第4項記載の元素の、
水酸化物、塩基性炭酸塩、炭酸塩、炭酸塩水和物、酸化
物及び酸化物水和物のなかから選ばれる1種もしくは2
種以上の混合物または複合体である前記第1項〜第3項
のいずれか1項記載の塩化ビニル系樹脂組成物。 6)酸素含有無機化合物が、Ca、Ba、Sr、Mg,
Al、Zn、Cd、Ti、Zr及びSnから選ばれる1
種以上の元素の、珪酸塩、珪酸塩水和物のなかから選ば
れる1種もしくは2種以上の混合物または複合体である
前記第1項〜第3項のいずれか1項記載の塩化ビニル系
樹脂組成物。 7)塩化ビニル系樹脂が、塩化ビニル単独重合体、塩化
ビニルと該塩化ビニルと共重合しうるコモノマ−との塩
化ビニル共重合体、塩化ビニリデンの単独重合体、塩化
ビニリデンと該塩化ビニリデンと共重合可能なコモノマ
−との塩化ビニリデン共重合体から選ばれる1種以上で
ある前記第1項もしくは第2項記載の塩化ビニル系樹脂
組成物。
【0007】本発明の難燃性組成物を構成する水不溶性
ポリリン酸アンモニウムは、ポリリン酸アンモニウムを
熱硬化性樹脂で被覆もしくはマイクロカプセル化したも
のであり、これらのポリリン酸アンモニウムの水溶性
は、25℃において0.5重量%以下のものである。マ
イクロカプセル化に使用できる樹脂としては、水が透過
しにくく耐水性に優れた被膜を形成する熱硬化性樹脂が
好ましく、例えばアルキド樹脂、アリル樹脂、ユリア樹
脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、不
飽和ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹
脂、キシレン樹脂、フラン樹脂等の熱硬化性樹脂もしく
はそれらの変性タイプであり、アニオン、カチオン等に
イオン変性したものや、高縮合タイプ等の特殊変性した
ものおよびその他のもので変性したものの少なくとも1
種以上を選ぶことができる。これらの樹脂のなかで、樹
脂の耐水性、被膜の強度、より緻密な被覆が可能などの
観点から、メラミン樹脂、尿素樹脂、ユリア樹脂、ウレ
タン樹脂もしくはフェノール樹脂が好ましい。更に該ポ
リリン酸アンモニウムを熱硬化性樹脂で被覆する際、塩
化ビニル系樹脂の極性(溶解度パラメーター、SP値)
に接近している樹脂を選択することが特に好ましい。す
なわちポリリン酸アンモニウム表面の極性を塩化ビニル
系樹脂に近づけることで、塩化ビニル系樹脂に対する分
散性を高め、燃焼時のたれ落ち現象を防止することがで
きる。このような水不溶性ポリリン酸アンモニウムとし
ては、市販品を使用することができ、該市販品として
は、テラージュC60(商品名、チッソ(株)製)、テ
ラージュC70(商品名、チッソ(株)製)、エクソリ
ット−462(商品名、ヘキスト社製)等を挙げること
ができる。
【0008】該水不溶性ポリリン酸アンモニウムの配合
量は、樹脂100重量部に対して通常3〜100重量
部、好ましくは10〜50重量部である。該配合量が3
重量部未満では強固な炭化層が得られず、また100重
量部を越えて配合しても耐火性の向上効果が飽和してし
まう。
【0009】本発明の塩化ビニル系組成物の構成成分の
一つである酸素含有無機化合物は、火災時、ポリリン酸
により樹脂が炭化される際に炭化層の補強剤として働く
ものであり、該化合物単独であってもある程度の難燃性
を有するものや低発煙効果及び塩化水素の発生を抑制す
る作用をするものがある。即ち、該酸素含有無機化合物
は周期表II族、III族又はIV族に属する元素を含有する
化合物である。上記元素の中でもCa、Ba、Sr、M
g、Al、Si、Zn、Cd、Ti、Zr及びSnから
選ばれる1種以上が好ましく、しかもそれらの元素の水
酸化物、塩基性炭酸塩、炭酸塩、炭酸塩水和物、珪酸塩
(ただし、Si元素の珪酸塩を除く)、珪酸塩水和物
(ただし、Si元素の珪酸塩水和物を除く)、酸化物及
び酸化物水和物から選ばれる1種以上およびそれらの2
種以上からなる複合酸化物、複合酸化水和物、複合塩及
び複合塩水和物が特に好ましい。このような化合物を具
体的に示すと、例えば軽質または硬質炭酸カルシウム、
炭酸マグネシウムなどの金属炭酸塩、珪酸アルミニウ
ム、タルク、ウォラストナイト、マイカ、アスベスト、
セピオライト、スラグセンイ、ゾノトライト、カオリナ
イト、セリサイト、パイロフィライト、ベントナイト、
含水珪酸アルミニウム、含水珪酸カルシウム等の珪酸金
属塩及び含水珪酸金属塩、水和アルミナ、水酸化アルミ
ニウム、水酸化マグネシウム、カルシウムアルミネート
水和物などの無機水和金属化合物、ほう酸亜鉛、ほう酸
アンモン、メタほう酸バリウムなどのほう素化合物、モ
リブデン酸アンモン、モリブデン酸化物、酸化モリブデ
ンなどのモリブデン化合物、ガラス繊維等の無機繊維、
ステンレス繊維等の金属繊維、その他チタン酸カリウ
ム、ハイドロタルサイト、ゼオライト、ジルコニウム化
合物、フェロセン、ドーソナイト、酸化第一銅、酸化第
二銅及びアルミン酸カルシウム等の無機化合物を挙げる
ことができ、これらの2種以上の併用も可能である。
【0010】また、該酸素含有無機化合物の配合量は樹
脂100重量部に対して、10〜60重量部、好ましく
は20〜40重量部である。該配合量が10重量部未満
では十分な耐火性が得られず、また、60重量部を越え
て配合しても耐火性の向上効果が飽和する。
【0011】本発明の難燃性組成物を構成する膨張性黒
鉛とは、従来より公知のものを使用することができる。
例えば、天然の鱗片状グラファイト、熱分解グラファイ
ト、キッシュグラファイト等の粉末を、濃硫酸、硝酸等
の無機酸と、濃硝酸、過塩素酸、過マンガン酸塩、重ク
ロム酸塩等の強酸化剤で処理してグラファイト層間化合
物を生成させた炭素の層状構造を維持したままの結晶化
合物を挙げることができる。
【0012】更に、該膨張性黒鉛は、アンモニア、脂肪
族低級アミン、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属
化合物などで中和されたものを使用することが好まし
く、脂肪族低級アミンとしては、例えば、モノメチルア
ミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン等を挙げるこ
とができる。アルカリ金属化合物或いはアルカリ土類金
属化合物としては、カリウム、ナトリウム、カルシウ
ム、バリウム、マグメシウム等の水酸化物、酸化物、炭
酸塩、有機酸塩等を挙げることができる。
【0013】また、膨張性黒鉛の配合量は樹脂100重
量部に対して、3〜60重量部、好ましくは5〜30重
量部である。該配合量が3重量部未満では十分な耐火性
が得られず、また60重量部を越えて配合しても耐火性
の向上効果が飽和してしてしまい、これ以上の効果の向
上は小さい。
【0014】本発明で使用される塩化ビニル系樹脂とし
ては、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂及び塩素化
塩化ビニル樹脂、あるいは塩化ビニルモノマー、塩化ビ
ニリデンモノマー及び塩素化塩化ビニルモノマーと共重
合可能なモノマーと共重合した塩化ビニル系共重合体か
ら選ばれる1種以上を選ぶことができる。上記モノマー
としては、反応性の二重結合を有し、ラジカル重合開始
剤により塩化ビニルと重合可能なモノマーであればよ
く、例えば、プロピレン、エチレン、ブチレン等のオレ
フィン類、メチルメタアクリレート、エチルメタアクリ
レート、フェニルメタアクリレート等のメテクリル酸エ
ステル類、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニル
エステル類、ブチルビニルエーテル、セチルビニルエー
テル等のビニルエーテル類、スチレン、メチルスチレン
等の芳香族ビニル類、メチルアクリレート、エチルアク
リレート等のメタクリル酸エステル、臭化ビニル、フッ
化ビニル等のハロゲン化ビニル類、N−フェニルマレイ
ミド、N−シクロヘキシルマレイミド等を挙げることが
でき、単独または複数が合わせて重合されてもよい。さ
らに本発明では、固体表面に対する接着性及び耐火性を
向上させる点から、エポキシ基や水酸基、アミノ基等を
導入した変性塩化ビニル系樹脂でもよい。
【0015】本発明で必要に応じて使用される可塑剤と
しては、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジブチル、フタ
ル酸ジエチル、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル、フタ
ル酸ブチルベンジル等のフタル酸エステル系、エチルフ
タリルエチルグリコレート、メチルフタリルエチルグリ
コレート、ブチルフタリルエチルグリコレート等の特殊
フタル酸エステル系、リン酸トリクレジル、リン酸ジフ
ェニルクレジル、リン酸ジフェニルオクチル、リン酸ト
リオクチル、リン酸トリフェニル、リン酸トリクロルエ
チル等のリン酸エステル系、アジピン酸ジオクチル、ア
ジピン酸ジイソデシル、アゼライン酸ジオクチル、アゼ
ライン酸ジ−2−エチルヘキシル、セバシン酸ジオクチ
ル、リシノレイン酸エステル、マレイン酸じオクチル、
フマル酸ジオクチル等の二塩基酸エステル系、フタル酸
ポリエステル、セバシン酸ポリエステル、アジピン酸ポ
リエステル等のポリエステル系、エポキシ大豆油、エポ
キシステアリン酸アルキル等のエポキシ脂肪族エステル
系、塩素化パラフィン、塩素化ビフェニル、ペンタクロ
ルステアリン酸エステル等の塩素含有化合物、アクリロ
ニトリル合成ゴム等を挙げることができ、単独又は2種
以上の併用も可能である。該可塑剤の使用量は、樹脂1
00重量部に対して5〜200重量部である。
【0016】本発明の塩化ビニル系樹脂組成物には、必
要に応じて通常塩化ビニル系樹脂組成物に添加される通
常の可塑剤、安定剤及び添加物等を適宜併用することが
できる。該安定剤としては、Na、Mg、Ca、Ba、
Zn、Cd、Al、Sn、Pb、P、S等の金属元素を
含む、脂肪族カルボン酸、芳香族カルボン酸、無機酸
塩、アルコラート、フェノラート、メルカプチド、有機
金属化合物などの金属安定剤、及びまたはフェノール、
フェノール酸、ベンゾフェノン誘導体、アミノ化合物、
エポキシ化合物、チオエーテル等が挙げることができ、
樹脂100重量部に対して0.5〜10重量部、好まし
くは1〜5重量部の範囲で添加することができる。これ
らは塩化水素捕捉、抗酸化、紫外線吸収、相乗効果の機
能を有するため好適に使用される。添加物とは、顔料、
染料等であり特に限定されるものではなく、必要に応じ
て添加することができる。
【0017】本発明の塩化ビニル系樹脂組成物は、塩化
ビニル系樹脂に、不溶性ポリリン酸アンモニウム、酸素
含有無機化合物、必要に応じて可塑剤およびこれらにさ
らに膨脹性黒鉛の所定量を攪拌混合装置例えばヘンシェ
ルミキサ−(商品名)、スパ−ミキサ−、タンブラ−ミ
キサ−等で攪拌混合することによって得ることができ、
また、該混合物をロ−ル、ニ−ダ−もしくは押出機等で
溶融混練してペレットの形で得ることもできる。
【0018】
【実施例】本発明を具体的に説明するために、以下に実
施例および比較例を示すが、本発明はこれによって限定
されるものではない。また、実施例および比較例におけ
る評価は次の方法により行った。
【0019】(1)難燃性:酸素指数(O.I.) 日本工業規格JIS K7201(酸素指数法による高
分子材料の燃焼試験方法)に準拠。
【0020】(2)難燃性:UL94V ULサブジェクト(アンダーラント・ラボラトリーズ・
インコーポレーテッド)の「機器の部品用プラスチック
材料の燃焼試験」に規定された垂直燃焼試験に準拠。試
験片の肉厚:1mm。
【0021】(3)耐火性 プレス成形により得られた厚さ2mmの耐火用塩化ビニ
ルシートを鋼板(長さ150mm×幅70mm×厚さ
0.8mm)に張り合わせ試験体とした。これを垂直に
立て、シート側から1000±50℃の酸素混合プロパ
ン炎をブンゼンバーナーにより3分間あて鋼板裏面温度
を熱伝対により測定した。その結果を表1に示す。
【0022】(4)耐ブリード性評価 試験片(長さ100mm×幅100×厚さ2mm)の表
面電気抵抗値を振動容量型微小電流電位計(竹田理研工
業(株))で測定した。次いで該試験片を80℃の熱水
で2時間浸漬させた後に、試験片表面に付着した水滴を
ふき取る。その後直ちに試験片の表面電気抵抗値を測定
した。該表面電気抵抗値が熱水煮沸前と比較して大幅に
低下したものに対してブリード性不良とした。
【0023】(5)発生HCl量測定 NBSスモークチャンバーで燃焼4分後のHCl濃度を
ガス検知管で測定した。樹脂のみを燃焼させた際に発生
するHCl濃度と、試験片燃焼後のHCl濃度からHC
l濃度の減少率(%)を算出し、次のように評価した。
【0024】実施例1 ポリ塩化ビニル樹脂ニポリットSR(商品名、チッソ
(株)製)100重量部、水不溶性ポリリン酸アンモニ
ウムとしてテラージュC60(商品名、チッソ(株)
製)10重量部、炭酸カルシウム20重量部、並びにP
b系安定剤3重量部をヘンシェルミキサー(商品名)に
投入して、3分間攪拌混合した。得られた混合物を二軸
の押出成形機(口径30mm)中で約150℃で溶融混
錬した後に押し出して、難燃性重合組成物のペレットを
得た。得られたペレットを用いて、180℃前後でロー
ル/プレス成形し試験に適した厚み(1mm、2mm、
3mm)のシートとした後、試験サイズに切り出して難
燃性、耐ブリード性の評価及びHCl発生量測定を行っ
た。
【0025】実施例2 炭酸カルシウム30重量部とした以外は、実施例1に準
拠して試験体の作成及び評価、測定を行った。その結果
を表1に示す。
【0026】実施例3 膨張性黒鉛CA−60S(商品名、日本化成(株)製)
10重量部を組成物成分として更に添加した以外は、実
施例1に準拠して試験体の作成及び評価、測定を行っ
た。その結果を表1に示す。
【0027】実施例4 炭酸カルシウム30重量部とした以外は、実施例3に準
拠して試験体の作成及び評価、測定を行った。その結果
を表1に示す。
【0028】実施例5 ポリ塩化ビニル樹脂ニポリットSM(商品名、チッソ
(株)製)100重量部、可塑剤としてフタル酸ジオク
チル(DOP)100重量部、Ba−Zn系安定剤3重
量部、水不溶性ポリリン酸アンモニウムとしてテラージ
ュC60(商品名、チッソ(株)製)15重量部、カオ
リナイト20重量部とした以外は、実施例1に準拠して
試験片の作成及び評価、測定を行った。その結果を表1
に示す。
【0029】実施例6 膨張性黒鉛CA−60S(商品名、日本化成(株)製)
15重量部を組成物成分として更に添加した以外は、実
施例5に準拠して試験片の作成及び評価、測定を行っ
た。その結果を表1に示す。
【0030】比較例1 水不溶性ポリリン酸アンモニウムに代えてスミセーフP
(商品名、住友化学工業(株)製)10重量部を用いる
以外は、実施例2に準拠して試験片の作成及び評価、測
定を行った。その結果を表1に示す。
【0031】比較例2 水不溶性ポリリン酸アンモニウムに代えてスミセーフP
(商品名、住友化学工業(株)製)15重量部を用いる
以外は、実施例5に準拠して試験片の作成及び評価、測
定を行った。その結果を表1に示す。
【0032】比較例3 ポリ塩化ビニル樹脂ニポリットSR(商品名、チッソ
(株)製)100重量部、ポリリン酸アンモニウムとし
てスミセーフP(商品名、住友化学工業(株)製)50
重量部、ペンタエリスリトール20重量部、メラミン2
0重量部、並びにPb系安定剤3重量部以外は、実施例
1に準拠して試験片の作成及び評価、測定を行った。そ
の結果を表1に示す。
【0033】
【表1】
【0034】
【発明の効果】本発明の耐火塩化ビニル系組成物は、優
れた難燃性、耐火性及び耐水性を有する。しかも燃焼時
に発生する塩化水素ガスの抑制効果に優れており、耐火
性能や安全性への配慮が日増しに厳しくなる建築材料等
の分野に対して一層好適な素材である。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】塩化ビニル系樹脂100重量部に対して、
    水不溶性ポリリン酸アンモニウム3〜100重量部、酸
    素含有無機化合物10〜60重量部及び必要に応じて可
    塑剤200重量部以下を配合してなる塩化ビニル系樹脂
    組成物。
  2. 【請求項2】塩化ビニル系樹脂100重量部に対して、
    水不溶性ポリリン酸アンモニウム3〜100重量部、酸
    素含有無機化合物10〜60重量部、膨張性黒鉛3〜6
    0重量部及び必要に応じて可塑剤200重量部以下を配
    合してなる塩化ビニル系樹脂組成物。
  3. 【請求項3】酸素含有無機化合物が、周期表II族、III
    族又はIV族に属する元素を含有する無機化合物である請
    求項1もしくは請求項2記載の塩化ビニル系樹脂組成
    物。
  4. 【請求項4】周期表II族、III族又はIV族に属する元素
    がCa、Ba、Sr、Mg、Al、Si、Zn、Cd、
    Ti、Zr及びSnから選ばれる1種以上である請求項
    1〜3のいずれか1項記載の塩化ビニル系樹脂組成物。
  5. 【請求項5】酸素含有無機化合物が、請求項4記載の元
    素の、水酸化物、塩基性炭酸塩、炭酸塩、炭酸塩水和
    物、酸化物及び酸化物水和物のなかから選ばれる1種も
    しくは2種以上の混合物または複合体である請求項1〜
    3のいずれか1項記載の塩化ビニル系樹脂組成物。
  6. 【請求項6】酸素含有無機化合物が、Ca、Ba、S
    r、Mg,Al、Zn、Cd、Ti、Zr及びSnから
    選ばれる1種以上の元素の、珪酸塩、珪酸塩水和物のな
    かから選ばれる1種もしくは2種以上の混合物または複
    合体である請求項1〜3のいずれか1項記載の塩化ビニ
    ル系樹脂組成物。
  7. 【請求項7】塩化ビニル系樹脂が、塩化ビニル単独重合
    体、塩化ビニルと該塩化ビニルと共重合しうるコモノマ
    −との塩化ビニル共重合体、塩化ビニリデンの単独重合
    体、塩化ビニリデンと該塩化ビニリデンと共重合可能な
    コモノマ−との塩化ビニリデン共重合体から選ばれる1
    種以上である請求項1もしくは請求項2記載の塩化ビニ
    ル系樹脂組成物。
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