JP6238916B2 - 床用目地装置 - Google Patents

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本発明は目地部を介して設けられた左右の床躯体間の目地部を覆う床用目地装置に関する。
従来、この種の床用目地装置は複数個の目地カバーを用いた目地プレートをパンタグラフ状のリンク機構等を用いて伸縮可能に支持し、目地部を覆っている(特許文献1参照)。
しかしながら、このような床用目地装置は、それぞれの目地カバーが隣り合った目地カバーと一部重なり合う状態で設けられており常に段差が生じてしまうため、歩行者は躓いてしまう危険性が増加し、また、車両が通行する際には段差により乗り心地が非常に悪くなるという欠点があった。
特開2014−218865号公報
本発明は以上のような従来の欠点に鑑み、通常時は略平坦な状態を維持することができるとともに、地震によって建物が揺れ動いた際には、躯体や目地プレートが破損することなく確実に目地部を覆うことができる床用目地装置を提供することを目的としている。
本発明の前記ならびにそのほかの目的と新規な特徴は次の説明を添付図面と照らし合わせて読むと、より完全に明らかになるであろう。
ただし、図面はもっぱら解説のためのものであって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
上記目的を達成するために、本発明は左右の躯体の目地部側に取付けられた左右の取付具と、該左右の取付具に上部の複数個の枢支部が同一面となるとともに、水平方向に回動可能に取り付けられた少なくとも2個以上の伸縮支持リンク機構と、前記左右の躯体の目地部側の部位に取り付けられ、傾斜面を有する一対の固定目地プレートと、前記少なくとも2個以上の伸縮支持リンク機構に取付けられたガイド筒と、該ガイド筒に挿入される軸を有する支持バーと、該支持バーに取り付けられ、前記固定目地プレートの傾斜面と重なり合う傾斜面を有する可動目地プレートと、前記固定目地プレートと可動目地プレートの重なりあう部位の底面側にそれぞれ設けられ、地震により左右の躯体が広がる方向に揺れ動いた際に前記固定目地プレートと可動目地プレート間に生じた隙間を塞ぐことができる補助プレートとから構成され
前記補助プレートの底面には支持バーが固定されており、該支持バーの軸を前記伸縮支持リンク機構に取付けられたガイド筒に挿入することによって取り付けられている床用目地装置を構成している。
以上の説明から明らかなように、本発明にあっては次に列挙する効果が得られる。
(1)請求項1の発明においては、傾斜面を有する一対の固定目地プレートと、該固定目地プレートの傾斜面と重なり合う傾斜面を有する可動目地プレートとで目地部を覆っているので、目地部を段差が生じることなく平坦に覆うことができる。
(2)地震によって目地部が広がる方向に揺れ動き、一対の固定目地プレートと可動目地プレートとの間に隙間が生じても、補助プレートによって隙間を塞ぐことができる。
したがって、地震によって目地部が広がる方向に揺れ動いても脱落することなく安全に通行することができる。
(3)2個以上の伸縮支持リンク機構の左右の躯体の目地部側への取付けと、該伸縮支持リンク機構に複数個の目地カバーの取付けで設置できるので、設置作業が楽で、容易に設置することができる。
(4)請求項2も前記(1)〜(3)と同様な効果が得られる。
本発明を実施するための第1の形態の平面図。 図1の2−2線に沿う断面図。 図1の3−3線に沿う断面図。 本発明を実施するための第1の形態の伸縮支持リンク機構の説明図。 本発明を実施するための第1の形態の取付具の説明図。 本発明を実施するための第1の形態の固定目地プレートの説明図。 本発明を実施するための第1の形態の可動目地プレートの説明図。 本発明を実施するための第1の形態の地震で目地部が狭くなった動作説明図。 本発明を実施するための第1の形態の地震で目地部が広くなった動作説明図。 本発明を実施するための第1の形態の地震で左右の躯体が異なる前後方向に揺れ動いた状態の説明図。 本発明を実施するための第2の形態の使用状態の平面図。 図11の12−12線に沿う断面図。 図11の13−13線に沿う断面図。
以下、図面に示す本発明を実施するための形態により、本発明を詳細に説明する。
図1ないし図9に示す本発明を実施するための第1の形態において、1は目地部2を介して設けられた左右の床躯体3、3間を車両等の走行ができるように覆う床用目地装置で、この床用目地装置1は前記左右の躯体3、3の目地部側に取付けられた左右の取付具4、4と、該左右の取付具4、4に上部の複数個の枢支部5が同一面となるとともに水平方向に回動可能に取り付けられた少なくとも2個以上の伸縮支持リンク機構6と、前記左右の躯体3、3の目地部側の部位に取り付けられ、傾斜面7を有する一対の固定目地プレート8と、前記少なくとも2個以上の伸縮支持リンク機構6に取付けられたガイド筒9と、該ガイド筒9に挿入される軸10を有する支持バー11と、該支持バー11に取り付けられ、前記固定目地プレート8、8の傾斜面7、7と重なり合う傾斜面12、12を有する可動目地プレート13と、前記固定目地プレート8、8と可動目地プレート13の重なりあう部位の底面側に設けられ、地震により左右の躯体3、3が広がる方向に揺れ動いた際に前記固定目地プレート8、8と可動目地プレート13間に生じた隙間14を塞ぐことができる補助プレート15とで構成されている。なお、前記傾斜面7、12は、地震により目地部2が狭くなる方向に揺れ動いた際に、可動目地プレート13が固定目地プレート8、8に乗り上げて、揺れ動きを吸収できるような傾斜面7、12に形成されている。
前記取付具4は図5に示すように、円筒部材16に複数個のタッピングビス挿入孔17、17が形成された躯体3へ取付ける取付部材18が形成された固定部材19と、この固定部材19の円筒部材16に回転可能に挿入される円柱状の回転軸20、この回転軸20の上部に固定された前記V型三角格子状の伸縮支持リンク機構6の両側バー部材21が入り込む、コ字状で、かつ両側壁に枢支ピン挿入孔22、22が形成された支持ホルダー23とからなる回動部材24とで構成されている。
前記伸縮リンク機構6は、図4に示すように正面視で逆三角形状となるように、下端部が枢支ピン25で枢支され、上端部近傍の枢支ピン挿入孔26、26が形成された両側バー部材21、21と、この両側バー部材21、21に下端部が枢支ピン27で枢支され、上端部の枢支部5、5、5が前記枢支ピン挿入孔22、22と同一面となるように位置し、交差部位が枢支ピン28でそれぞれ枢支された格子バー29とで構成されている。 このように構成することにより、上端部の枢支部5、5、5が略水平に配置され、伸縮リンク機構6が伸縮しても枢支ピン挿入孔26、26と上端部の枢支部5、5、5とが略水平を保ったまま伸縮することができる。
前記一対の固定目地プレート8は、平面視長方形状で板状の部材であり、目地部側一辺が傾斜面7に形成されている。この傾斜面7は、目地部が狭くなった際に、可動目地プレート13が乗り上げて上方へ移動できるように、断面形状が直角台形状となるように形成されている。
また、固定目地プレート8は、前記取付具4の上面にスペーサー30を介して固定されており、該スペーサー30を用いることによって前記可動目地プレート13と上面が平坦になるとともに、底面側に補助プレート15を設けるためのスペースを確保している。
前記可動目地プレート13は、平面視長方形状で板状の部材であり、固定目地プレート8側の2辺に傾斜面12、12が形成されている。この傾斜面7は、目地部が狭くなった際に、可動目地プレート13が固定目地プレート8、8に乗り上げて上方へ移動できるように、断面形状が逆台形状となるように形成されている。
前記可動目地プレート13の底面には支持バー11が固定されており、該支持バー11の軸10を前記伸縮支持リンク機構6に取付けられたガイド筒9に挿入することによって、上下移動自在に伸縮支持リンク機構6に取り付けられている。なお、支持バー11の高さ方向の寸法は、前記固定目地プレート8、8の上面と可動目地プレート13の上面が同一の高さになるように設定されている。
前記補助プレート15は、平面視長方形状で板状の部材であり、前記可動目地プレート13と固定目地プレート8の重なりあう部位の底面側に設けられている。本実施の形態においては、前記可動目地プレート13と同様に、補助プレート15の底面には支持バー11が固定されており、該支持バー11の軸10を前記伸縮支持リンク機構6に取付けられたガイド筒9に挿入することによって取り付けられている。
地震で目地部2が狭くなるように左右の躯体3、3が揺れ動くと、図8に示すように伸縮支持リンク機構6の上部枢支部5、5、5の間隔が狭くなり、可動目地プレート13が固定目地プレート8、8の傾斜面7、7に沿って固定目地プレート8、8の上面にせり上がり、その揺れ動きを吸収する。
この時可動目地プレート13は、ガイド筒9に挿入された支持バー11の軸10によって、略垂直の方向にせり上がる。地震による揺れ動きが治まり、左右の躯体3、3が元の位置に復帰すると、可動目地プレート13は重力によって固定目地プレート8、8の傾斜面7、7に沿って下降し、固定目地プレート8、8と可動目地プレート13の上面が平坦な状態に復帰する。この時も、ガイド筒9に挿入された支持バー11の軸10によって、略垂直に移動し元の位置に復帰する。すなわち、ガイド筒9に挿入された支持バー11の軸10により、せり上がり時や復帰時に可動目地プレート13が左右方向にズレて元の位置に復帰できなくなることを防止している。
地震で目地部2が広くなるように左右の躯体3、3が揺れ動くと、図9に示すように伸縮支持リンク機構6の上部枢支部5、5、5の間隔が広くなり、固定目地プレート8、8と可動目地プレート13の間には隙間14が生じるが、この隙間14は前記補助プレート15により塞がれ、隙間から人や物品が落下することを防止する。
地震で左右の躯体3、3が異なる前後方向に揺れ動いた場合、図10に示すように左右の取付具5、5の回動部材24、24が水平方向に回動して伸縮支持リンク機構6を回動させ可動目地プレート13と補助プレート15、15が前後方向にスライド移動して、その揺れ動きを吸収する。
[発明を実施するための異なる形態]
次に、図11ないし図13に示す本発明を実施するための異なる形態につき説明する。なお、これらの本発明を実施するための異なる形態の説明に当って、前記本発明を実施するための第1の形態と同一構成部分には同一符号を付して重複する説明を省略する。
図11ないし図13に示す本発明を実施するための第2の形態において、前記本発明を実施するための第1の形態と主に異なる点は、固定目地プレート8、8を取付具4、4を介さずに左右の躯体3、3の目地部側の部位に直接取り付けた点で、このような構成の床用目地装置1Aにしても前記本発明を実施するための第1の形態と同様な作用効果が得られる。
なお、本発明の実施の形態においては、スペーサー30を介して取付具5に固定目地プレート8を設けていたが、固定目地プレート8の上面と可動目地プレート13の上面が平坦となれば、必ずしもスペーサー30を用いる必要はない。
また、支持バー11は可動目地プレート13と別体となっているものについて説明したが、支持バー11と可動目地プレート13とを一体形成してもよい。
さらに、本発明の実施の形態においては、補助プレートを伸縮リンク機構に支持バー11を介して取付け、固定目地プレートと可動目地プレートの重なりあう部位の底面側に設けたが、本発明はこれに限られず、目地部が狭くなった際の可動目地プレートの動きに干渉せず、かつ、目地部が広くなった際に固定目地プレートと可動目地プレート間に生じた隙間を塞ぐことができるように、固定目地プレートと可動目地プレートの重なりあう部位の底面側に設けることができれば、どのような設置方法でもよい。
本発明は目地部を介して設けられた左右の床躯体間の目地部を、車両の走行が可能に覆う床用目地装置の床用目地プレートを製造する産業で利用される。
1、1A:床用目地装置、 2:目地部、
3:床躯体、 4:取付具、
5:上部枢支部、 6:伸縮支持リンク機構、
7:傾斜面、 8:固定目地プレート、
9:ガイド筒、 10:軸、
11:支持バー、 12:傾斜面、
13:可動目地プレート、 14:隙間、
15:補助プレート、 16:円筒部材、
17:タッピングビス挿入孔、 18:取付部材、
19:固定部材、 20:回転軸、
21:両側バー部材、 22:枢支ピン挿入孔、
23:支持ホルダー、 24:回動部材、
25:枢支ピン、 26:枢支ピン挿入孔、
27:枢支ピン、 28:枢支ピン、
29:格子バー、 30:スペーサー。

Claims (2)

  1. 左右の躯体の目地部側に取付けられた左右の取付具と、該左右の取付具に上部の複数個の枢支部が同一面となるとともに、水平方向に回動可能に取り付けられた少なくとも2個以上の伸縮支持リンク機構と、前記左右の躯体の目地部側の部位に取り付けられ、傾斜面を有する一対の固定目地プレートと、前記少なくとも2個以上の伸縮支持リンク機構に取付けられたガイド筒と、該ガイド筒に挿入される軸を有する支持バーと、該支持バーに取り付けられ、前記固定目地プレートの傾斜面と重なり合う傾斜面を有する可動目地プレートと、前記固定目地プレートと可動目地プレートの重なりあう部位の底面側にそれぞれ設けられ、地震により左右の躯体が広がる方向に揺れ動いた際に前記固定目地プレートと可動目地プレート間に生じた隙間を塞ぐことができる補助プレートとから構成され
    前記補助プレートの底面には支持バーが固定されており、該支持バーの軸を前記伸縮支持リンク機構に取付けられたガイド筒に挿入することによって取り付けられていることを特徴とする床用目地装置。
  2. 前記一対の固定目地プレートは、前記左右の取付具を介して左右の躯体の目地部側の部位に取り付けられていることを特徴とする請求項1記載の床用目地装置。
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