JP6235971B2 - 表面改質微粉末の製造方法 - Google Patents

表面改質微粉末の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、例えばトナーの外添剤等に好適な表面改質微粉末の製造方法に関し、表面改質のための表面処理に起因して粉末表面の残留する揮発性成分を低温、かつ短時間で十分に低減させることができる表面改質微粉末の製造方法に関するものである。
電子写真方式を採用する印刷方法では、トナーを摩擦帯電させ、静電気力を利用して画像の形成を行っていることから、トナーの摩擦帯電が十分になされ、かつ付与されたトナーの摩擦帯電量が安定していることが画像の高画質化、印刷の高速化に求められる。このため、トナーに所望の電荷を付与する、或いは付与された摩擦帯電量を安定させる目的で、更にはトナーの流動性を改善する等の目的で、従来から、シリカ、チタニア又はアルミナ等の無機酸化物粉末を外添剤として添加することが行われている。
これらの無機酸化物粉末は、この他、電気機器等が備える合成樹脂部材に用いられる帯電防止剤や、接着剤、塗料等に用いられる粘度調整剤、天然ゴム、合成ゴム、エンジニアプラスチックス等に用いられる補強性充填剤、ポリエチレンフィルム、ポリエステルフィルム等に用いられるブロッキング防止剤といった幅広い分野において利用されている。
一般に、これらの無機酸化物粉末はトナーの外添剤等に使用される前に、表面処理剤を用いた表面処理が施される。予め表面処理を施すことによって、例えばトナーの外添剤として使用する際に、添加後の帯電安定性が高められる等の効果を発現させることができる。表面処理剤としては、シランカップリング剤やシリコーンオイル等のシリコーン化合物が一般的に用いられているが、これら以外に、使用目的等に応じて様々な処理剤が利用、開発されており、また処理方法等についても様々な方法が研究、開発されている。
一方、表面処理後の無機酸化物粉末は、表面処理によって様々な特性を向上させる反面、表面処理に使用した表面処理剤に起因して、粉末表面に残留する低沸点の揮発性成分により不具合を引き起こすことがある。具体的には、表面処理後の粉末表面に残留する低沸点の揮発性成分が使用過程おいて、又は保管中に蒸発することで、接着剤や塗料の密着性を低下させたり、該粉末が使用された機器或いは環境等に悪影響を及ぼすことがある。
このような問題に対応するため、表面処理後の粉末表面に残留する揮発性成分を低減させることが求められており、そのような方法等が研究されている(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1には、表面改質のための表面処理後に、有機揮発性成分の揮発温度以上で、かつ表面改質処理剤の分解温度以下で加熱処理することによって、残留有機揮発性成分を30ppm以下に低減させた表面改質微粉末及びその製造方法等が開示されている。
特開2002−256173号公報(請求項2、段落[0021]〜段落[0023]、段落[0036])
しかしながら、上記従来の特許文献1に示された方法では、表面改質のための表面処理を行った後、その表面処理を行った比較的容積が狭い反応槽内にて、残留有機揮発性成分を除去するための処理を行っていた。そのため、反応槽内において残留揮発性成分の蒸発を促すための十分なスペースや、残留揮発性成分の蒸発を促進させるのに十分な量の流動ガス等を送り込むスペースを確保するのが困難であったことから、200℃以上という非常に高い温度条件で長時間処理する必要があった。このため、生産効率や製造コスト等の面からも、更なる改良が望まれていた。
本発明の目的は、表面改質のための表面処理に起因して粉末表面に残留する揮発性成分を低温、かつ短時間で十分に低減させることができる表面改質微粉末の製造方法を提供することにある。
本発明の第1の観点は、粉末表面に残留する揮発性成分を低減させた表面改質微粉末の製造方法であって、表面改質微粉末を流動ガスと混合処理する工程と、前記表面改質微粉末と前記流動ガスとを固気分離する工程とを含み、前記混合処理の際の前記表面改質微粉末と前記流動ガスとの固気比(表面改質微粉末/流動ガス)を0.1〜10kg/m3の範囲に制御し、前記混合処理の際の処理温度を200℃未満とし、前記混合処理の際の前記流動ガスの滞留時間を1〜60秒とし、前記混合処理の前、又は混合処理と同時に前記表面改質微粉末を解砕することにより、前記表面改質微粉末の平均粒径を50μm以下に調整する表面改質微粉末の製造方法である。
本発明の第の観点は、第の観点に基づく発明であって、更に粉末表面に残留する揮発性成分が有機揮発性成分であることを特徴とする。
本発明の第1の観点の表面改質微粉末の製造方法は、粉末表面に残留する揮発性成分を低減させた表面改質微粉末の製造方法であって、表面改質微粉末を流動ガスと混合処理する工程と、表面改質微粉末と前記流動ガスとを固気分離する工程とを含み、混合処理の際の表面改質微粉末と流動ガスとの固気比(表面改質微粉末/流動ガス)を0.1〜10kg/m3の範囲に制御して行う。これにより、混合処理の際の処理温度を、従来のような高温で処理しなくても、残留揮発性成分を十分に除去することができる。
また本発明の第の観点の表面改質微粉末の製造方法は、混合処理の際の処理温度を200℃未満で行うことで、残留揮発性成分を低温で十分に除去できると共に、生産効率を向上させ、製造コストを抑えることができる。
また本発明の第の観点の製造方法では、混合処理の際の流動ガスの滞留時間を1〜60秒とすることにより、粉末表面に残留する揮発性成分を短時間に十分に除去できる。
更に本発明の第の観点の表面改質微粉末の製造方法では、混合処理の前、又は混合処理と同時に表面改質微粉末を解砕することにより、表面改質微粉末の平均粒径を50μm以下に制御することにより、比表面積が増大し、単位時間あたりの残留揮発性成分の除去量を増大させ、粉末表面に残留する揮発性成分を十分に、かつ効率良く除去できる。
本発明実施形態の製造方法の概略を示した模式図である。
次に本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。
本発明の製造方法は、シリカ粉末等の無機酸化物粉末を母体とし、この粉末表面に表面改質のための表面処理を施した、例えばトナーの外添剤等に好適に用いられる表面改質微粉末の製造方法であり、特に、上記表面処理に起因する残留揮発性成分を低減させることができる表面改質微粉末の製造方法である。
母体となる無機酸化物粉末は、特に限定されないが、例えばシリカ、チタニア及びアルミナからなる群より選ばれた1種の無機酸化物粉末又はこれらの2種以上の複合無機酸化物粉末が挙げられる。シリカ粉末は、珪酸ソーダ水溶液の酸又はアルカリ金属塩による中和により得られた、いわゆる湿式シリカでも良いが、ハロゲン化ケイ素化合物等の揮発性ケイ素化合物の火炎加水分解を行う火炎加水分解法によって得られた、いわゆる乾式法シリカ(フュームドシリカ)が好ましい。また、チタニア粉は、揮発性のチタン化合物を揮発させてガス状態とし、これを可燃性又は不燃性ガスの存在下で火炎加水分解して得られたものが好ましい。また、アルミナ粉は、熱分解法によって得られたものが好ましい。一方、複合無機酸化物粉体としては、シリカとアルミナの複合無機酸化物粉体や、例えば、次のような方法で得られたシリカとチタニアの複合無機酸化物粉体を好適に用いることができる。先ず、四塩化ケイ素ガスと四塩化チタンガスとを不活性ガスと共に燃焼バーナの混合室に導入して水素及び空気と混合し、所定の比率の混合ガスとする。そして、この混合ガスを反応室で1000〜3000℃の温度で焼成して、シリカとチタニアの複合無機酸化物微粒子を生成させる。最後に、生成した微粒子を冷却してフィルタにて捕集することにより、シリカとチタニアの複合無機酸化物粉体が得られる。また、これらの無機酸化物粉体又は複合無機酸化物粉体に、リチウム、ナトリウム又はカリウム等のアルカリ金属酸化物や、マグネシウム又はカルシウム等のアルカリ土類金属を5質量%の割合で添加混合させた混合粉末を用いてもよい。
表面改質のための表面処理は、上述の母体となる無機酸化物粉末を反応槽に入れ、攪拌しながら、表面処理剤をスプレー等を用いて噴霧添加し、所定の温度で所定の時間撹拌保持することにより行う、いわゆる乾式処理でも、或いは湿式処理であってもよく、特に限定されない。
本発明において、表面処理に使用する表面処理剤は、シリコーンオイル系化合物を使用するのが好ましい。シリコーンオイル系化合物には、低沸点の有機揮発性成分である低分子量のオリゴマーが含まれており、このような表面処理剤を用いて表面処理を行った場合、これらの低分子量のオリゴマーが揮発性成分として粉末表面に残留する。後述の流動ガスによる混合処理では、特に、表面処理後の粉末表面に残留する揮発性成分が、シリコーンオイル系化合物に含まれる有機揮発性成分である場合に高い除去効果が得られる。シリコーンオイル系化合物としては、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンシリコーンオイルといったストレートシリコーンオイルや、アミノ変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル、カルボキシル変性シリコーンオイル、カルビノール変性シリコーンオイル、メタクリル変性シリコーンオイル、メルカプト変性シリコーンオイル、フェノール変性シリコーンオイル、片末端反応性変性シリコーンオイル、両末端反応性変性シリコーンオイル、異種官能基変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、メチルスチリル変性シリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル、高級脂肪酸エステル変性シリコーンオイル、親水性特殊変性シリコーンオイル、高級アルコキシ変性シリコーンオイル、高級脂肪酸含有変性シリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル等の変性シリコーンオイルが挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、シリコーンオイル系化合物に、シラザンやシランカップリング剤等を添加混合して併用しても良い。
表面処理剤を無機酸化物粉末に噴霧添加して撹拌保持して表面処理する際の処理温度は、100〜400℃の範囲とすることが好ましく、撹拌保持時間は10〜180分間とするのが好ましい。処理温度及び撹拌保持時間を上記範囲とするのが好ましい理由は、処理温度又は撹拌保持時間が下限値未満では、表面処理が不十分となり、表面処理による特性を十分に付与できない場合があるからである。また、処理温度が上限値を越えると、表面処理剤が分解する場合があるからである。また、撹拌保持時間が上限値を超えても、特に問題はないが、それ以上の効果は得られず、生産効率等が悪くなるからである。上記条件で撹拌保持した後は、室温で放置するか、或いは冷水で反応槽を冷却すること等により粉末を冷却する。
上述の表面改質のための表面処理を行った後、処理後の粉末表面に残留する揮発性成分を低減させるため、流動ガスによる混合処理を行う。本発明の製造方法において、この残留揮発性成分を除去するための流動ガスによる混合処理は、表面改質微粉末と流動ガスとの固気比(表面改質微粉末/流動ガス)を所望の範囲に制御することにより行う。そのため、本発明における混合処理は、従来のように、表面改質のための表面処理を行った反応槽内で連続的に行う処理ではなく、表面改質のための表面処理を行った後、反応槽から取り出し、後述する他の機器等を用いて行う。表面処理を行う一般的な反応槽では、反応槽内において残留揮発成分の蒸発を促すための十分なスペースや、残留揮発成分の蒸発を促進させるのに十分な量の流動ガス等を送り込むスペースを確保するのが困難であり、表面改質微粉末と流動ガスとの固気比を所望の範囲に制御するのが困難であるからである。
反応槽から取り出した表面改質微粉末は、ガス供給源14から流動ガスを供給するとともに、図1に示す機器12内へ投入して、残留揮発性成分を除去するための混合処理を行う。その際、反応槽から取り出した表面改質微粉末は、図1に示す原料ホッパー11内に一時的に貯留してもよいし、反応槽から、流動ガスと表面改質微粉末の混合処理を行う機器12へ直接投入しても構わない。
混合処理を行う機器12は、特に限定されないが、少なくとも、混合処理中、所望の固気比を維持するために、表面改質微粉末とともに十分な量の流動ガスを送り込むことが可能な収容器等を備えることが望ましい。また、混合処理中に、粉末との接触を終えた古い流動ガスを常に新しい流動ガスと入れ替え、循環させるための吸気口や排気口を備えることが好ましい。また、送り込まれる流動ガスの勢いによって、表面改質微粉末を撹拌しながら処理できるような流速制御機器等を備えることが好ましい。また、高速で気体が流れる配管に一定量の粉末と流動ガスを投入することによって、配管を通過する間に混合処理を行い、混合処理後の粉末をサイクロンにより回収する方法等であっても良い。
混合処理に使用する流動ガスとしては、窒素又はアルゴン等の不活性ガスが望ましいが、コンプレッサで取り込んだ空気を圧縮したガス等も使用することができる。また、生産コスト等の面から、これらの不活性ガスを他の気体で希釈させた混合ガスや、有機成分を低減させたオイルレスガス等を用いても良い。また、空気を圧縮したガスを使用する場合は、ドライヤー等で乾燥させたり、低温にすることで、空気に含まれる水分量を低減させてから使用するのが好ましい。
本発明において、流動ガスによる混合処理は、表面改質微粉末と流動ガスとの固気比(表面改質微粉末/流動ガス)を0.1〜10kg/m3の範囲に制御して行う。表面改質微粉末と流動ガスの固気比を上記範囲に制御する理由は、固気比が下限値未満では、表面改質微粉末に対する流動ガスの割合が多くなり、生産効率、生産コストが悪化するからである。一方、固気比が上限値を越えると、表面改質微粉末に対する流動ガスの割合が少なくなり、残留揮発性成分を十分に除去することができないからである。このうち、表面改質微粉末と流動ガスとの固気比(表面改質微粉末/流動ガス)は0.1〜1.0kg/m3の範囲に制御して行うのが好ましい。また、大量生産する場合において、流動ガスによる混合処理を連続的に行う場合、表面改質微粉末と流動ガスとの固気比(表面改質微粉末/流動ガス)は、例えば表面改質微粉末と流動ガスを機器12へ投入する際の単位時間あたりのガス流量及び粉末投入量、更には機器12から単位時間あたりに排出されるガス排出量及び単位時間あたりに機器12から製品ホッパー13へ移送される粉末移送量等を調整することにより一定に保つことができる。
また、混合処理の際の処理温度は200℃未満とするのが好ましい。本発明の製造方法では、混合処理の際の表面改質微粉末と流動ガスとの固気比を所望の範囲に制御して行うため、処理温度を低い温度に設定しても、粉末表面に残留する揮発性成分を十分に気化させ、粉末表面から除去することができる。処理温度を200℃未満とする理由は、200℃以上に設定しても、粉末表面に残留する揮発性成分を低減させることはできるが、生産効率が低下したり、生産コストが上昇するからである。このうち、混合処理の際の処理温度は25〜150℃に設定するのが好ましい。また、混合処理の際の流動ガスの滞留時間は1秒以上とするのが好ましい。流動ガスの滞留時間が1秒未満では、粉末表面に残留する揮発性成分を十分に除去することができないからである。このうち、合処理の際の流動ガスの滞留時間は1〜60秒とするのが好ましい。
また、混合処理を行う前、又は混合処理と同時に、表面改質微粉末を解砕して、混合処理中の表面改質微粉末の平均粒径を50μm以下に制御しておくことが好ましい。このように、粉末を微粉末化した状態で混合処理を行えば、粉末の比表面積が大きくなることによって、流動ガスと接触する面積が増大し、揮発性成分を除去する効果がより高められる。混合処理を行う前に解砕を行う場合の方法としては、例えばピンミルやファインミル、ビーズミル、ボールミル、ハンマーミル、チョッパー等の一般的な粉砕機を用いて行う方法が挙げられる。一方、混合処理と同時に解砕を行う場合の方法としては、例えば上述の混合処理を行う機器12として流動ガスによる混合処理と解砕が同時に行えるジェットミルやカウンタージェットミル等を使用する方法が挙げられる。このうち、表面改質微粉末の平均粒径は、20μm以下に制御しておくことが特に好ましい。なお、使用する粉砕機の種類については、粒径を制御できる機能、或いは粒径制御と上述の混合処理を同時に行える機能を備えたものであれば、上記例示したのものに限定されない。機器12にて混合処理を行った後は、サイクロンやバグフィルター等を用いて表面改質微粉末と流動ガスとを固気分離し、固気分離した表面改質微粉末は製品ホッパー13内へ移送されて蓄積される。
以上により、表面改質のための表面処理に起因して粉末表面に残留する揮発性成分を十分に低減させた表面改質微粉末を製造することができる。
次に本発明の実施例を比較例とともに詳しく説明する。
<実施例1>
先ず、気相法により得られたBET比表面積が200m2/gのフュームドシリカ粉末(日本アエロジル社製 商品名:「AEROSIL(登録商標)200」)と、ジメチルシリコーンオイル(信越化学工業社製 商品名:「KF96」)を用意した。次に、上記フュームドシリカ粉末を反応槽へ投入し、窒素雰囲気下、撹拌しながら該粉末100gに対して上記ジメチルシリコーンオイル30gをスプレーにより噴霧添加して、300℃の温度で30分間撹拌保持することにより表面改質処理を行った。その後、粉末を室温で放置することで冷却し、表面改質処理後の粉末を得た。
次に、表面改質処理後の粉末を、ピンミルを用いて解砕し、平均粒径を5μmに調整した後、図1に示す原料ホッパ−11内に一時的に貯留した。なお、平均粒径は、レーザー回折式粒度分布径(堀場製作所社製 型式名:LA920)を用いて測定した体積基準のメジアン径である。その際、測定溶媒にはエタノールを用い、超音波強度3、超音波照射時間1分、循環強度3、相対屈折率1.08に設定して測定した。上記平均粒径は、後述の混合処理後の粉末についての測定値であるが、混合処理と同時に解砕を行っていないことから、上記平均粒径は、解砕後の粉末についての平均粒径及び混合処理中の粉末についての平均粒径とみなす。
続いて、原料ホッパ−11内に貯留された解砕後の粉末を、流動ガスとともに、固気比(表面改質微粉末/流動ガス)が0.16kg/m3になるように機器12内へ投入し、温度25℃の条件で1秒間滞留させることにより混合処理を行った。なお、流動ガスには、オイルレスガスを用いた。
その後、機器12内で混合処理後の粉末と流動ガスを固気分離し、粉末を製品ホッパー13内へ回収した。なお、機器12内への投入から、製品ホッパー13内での回収までの一連の工程は、上記条件にて連続的に複数回行った。その際、機器12内へ投入する流動ガスの単位時間あたりのガス流量を500m3/h、単位時間あたりの粉末投入量を80kg/hに制御することにより、混合処理の際の固気比が、常に0.16kg/m3に維持されるように制御した。
<実施例2>
平均粒径が50μmになるように表面改質処理後の粉末を解砕したこと、及び流動ガスによる混合処理の際の単位時間あたりのガス流量と粉末投入量、固気比、処理温度、滞留時間の条件を、以下の表1に示す条件に変更したこと以外は、実施例1と同様にして表面改質微粉末を得た。
<実施例3>
平均粒径が10μmになるように表面改質処理後の粉末を解砕したこと、及び流動ガスによる混合処理の際の単位時間あたりのガス流量と粉末投入量及び固気比、処理温度、滞留時間の条件を、以下の表1に示す条件に変更したこと以外は、実施例1と同様にして表面改質微粉末を得た。
<実施例4>
平均粒径が20μmになるように表面改質処理後の粉末を解砕したこと、及び流動ガスによる混合処理の際の単位時間あたりのガス流量と粉末投入量、固気比、処理温度、滞留時間の条件を、以下の表1に示す条件に変更したこと以外は、実施例1と同様にして表面改質微粉末を得た。
<実施例5>
流動ガスによる混合処理の際の処理温度を、以下の表1に示す条件に変更したこと以外は、実施例1と同様にして表面改質微粉末を得た。
<実施例6>
流動ガスによる混合処理の際の滞留時間を、以下の表1に示す条件に変更したこと以外は、実施例1と同様にして表面改質微粉末を得た。
<実施例7>
平均粒径が20μmになるように表面改質処理後の粉末を解砕したこと以外は、実施例1と同様にして表面改質微粉末を得た。
<比較例1>
平均粒径が60μmになるように表面改質処理後の粉末を解砕したこと、及び流動ガスによる混合処理を行わなかったこと以外は、実施例1と同様にして表面改質微粉末を得た。
<比較例2>
平均粒径が60μmになるように表面改質処理後の粉末を解砕したこと、及び流動ガスによる混合処理の際の単位時間あたりのガス流量と粉末投入量、固気比、滞留時間の条件を、以下の表1に示す条件に変更したこと以外は、実施例1と同様にして表面改質微粉末を得た。
<比較例3>
平均粒径が50μmになるように表面改質処理後の粉末を解砕したこと、及び流動ガスによる混合処理の際の単位時間あたりのガス流量と粉末投入量、固気比、滞留時間の条件を、以下の表1に示す条件に変更したこと以外は、実施例1と同様にして表面改質微粉末を得た。
<比較試験及び評価>
実施例1〜7及び比較例1〜3で得られた表面改質微粉末について、残留揮発性成分の濃度、混合処理後に得られた表面改質微粉末の平均粒径を測定した。その結果を、以下の表1に示す。なお、定量した揮発性成分は、有機揮発性成分である環状シロキサンであって、表1に示す残留揮発性成分の濃度は、これら環状シロキサンの総濃度である。
具体的には、表面改質微粉末0.2gをバイアル瓶に量りとり、TurboMatrixHS(パーキンエルマー社製)、GC−2010(島津製作所社製)、GCMS−QP2010(島津製作所社製)を用いて、150℃で10分間加熱したときの揮発性成分を定量した。その際、TurboMatrixHSは、加圧時間を2分、引き上げ時間を1分、保持時間を10分、注入時間を0.1分、オーブン温度を150℃、ニードル温度を160℃、トランスファ温度を170℃、HSキャリアガスを120kPaとした。また、GC−2010は、カラムオーブン温度を40℃、昇温速度を20℃/分、カラムオーブン最終温度を250℃、ホールド時間を0.5分、気化室温度を250℃、注入モードをスプリット、圧力を70kPa、全流量を40ml/分、カラム流量を1.79ml/分、線速度を48.1cm/秒、パージ流量を3.0ml/分、スプリット比を19.8とした。また、GCMS−QP2010は、イオン源温度を200℃、インターフェイス温度を250℃、検出器ゲインを1.0kV、しきい値を10、測定開始時間を1分、測定終了時間を11分、測定モードをスキャン、イベント時間を0.5秒、スキャン速度を909、開始m/zを40、終了m/zを450とした。
Figure 0006235971
表1から明らかなように、実施例1〜7及び比較例1〜3を比較すると、流動ガスによる混合処理を行わなかった比較例1では、検出された残留揮発性成分の濃度が一番高い値を示した。また、流動ガスによる混合処理の際の固気比が所定値を越える比較例3では、処理温度、滞留時間を同じ条件とした実施例6に比べて、残留揮発性成分の濃度が非常に高い値を示しており、低温、かつ短時間での混合処理では、残留揮発性成分を十分に低減することができなかった。また、混合処理の際の平均粒径が所定値を越える比較例2では、比較例3よりも、残留揮発性成分の濃度が更に高い値を示した。
これに対して、固気比を所定の範囲に制御して混合処理を行った実施例1〜7では、低温、かつ短時間で混合処理を行ったにも拘わらず、比較例1〜3に比べて、残留揮発性成分の濃度が非常に低い値を示しており、粉末表面に残留する揮発性成分が大幅に低減されていることが確認された。
本発明は、トナーの外添剤や、合成樹脂部材に用いられる帯電防止剤、接着剤、塗料等に用いられる粘度調整剤、天然ゴム、合成ゴム、エンジニアプラスチックス等に用いられる補強性充填剤、ポリエチレンフィルム、ポリエステルフィルム等に用いられるブロッキング防止剤等に好適な無機酸化物粉体の製造等に利用できる。
11 原料ホッパー
12 流動ガスと表面改質微粉末の混合処理を行う機器
13 製品ホッパー
14 ガス供給源

Claims (2)

  1. 粉末表面に残留する揮発性成分を低減させた表面改質微粉末の製造方法であって、
    表面改質微粉末を流動ガスと混合処理する工程と、
    前記表面改質微粉末と前記流動ガスとを固気分離する工程とを含み、
    前記混合処理の際の前記表面改質微粉末と前記流動ガスとの固気比(表面改質微粉末/流動ガス)を0.1〜10kg/m3の範囲に制御し、
    前記混合処理の際の処理温度を200℃未満とし、
    前記混合処理の際の前記流動ガスの滞留時間を1〜60秒とし、
    前記混合処理の前、又は混合処理と同時に前記表面改質微粉末を解砕することにより、前記表面改質微粉末の平均粒径を50μm以下に調整する表面改質微粉末の製造方法。
  2. 粉末表面に残留する前記揮発性成分が有機揮発性成分である請求項記載の表面改質微粉末の製造方法。
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