JP2021172546A - 球状粒子材料の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】α線量を低減できるアルミナを主成分とする球状粒子材料の製造方法を提供することを解決すべき課題とする。【解決手段】アルミナを主成分とする粗原料粒子に対して酸洗浄を行った後に溶融・球状化を行った後に再度酸による洗浄を行うことによりUやThを効果的に除去することができることを発見して以下の発明を完成させた。本発明の球状粒子材料の製造方法は、アルミナを主成分とする粗原料粒子材料を酸溶液中に浸漬して原料粒子材料にする第1酸洗工程と、前記原料粒子材料を溶融して急冷することで球状化した粗球状粒子材料にする溶融球状化工程と、前記粗球状粒子材料を酸溶液中に浸漬して球状粒子材料にする第2酸洗工程とを有する。アルミナを主成分とする粒子は、加熱溶融する前後で酸洗浄を行うことによりα線量のよりいっそうの低減が実現できる。【選択図】図1

Description

本発明は、アルミナを主成分とする球状粒子材料の製造方法に関する。
現在、電子機器の小型化、高密度化、高出力化が進んでいる。そのような電子機器は熱の放出量が多くなり、電子機器の性能維持乃至性能向上のためには適切な熱対策を行って適正に冷却を行う必要がある。特に電子機器からの主な熱の発生源である半導体は樹脂中にフィラー材料を分散させた封止材により封止されており、特にフィラー材料の熱伝導性を向上することが求められている。
従来、熱伝導性に優れたフィラー材料としてはアルミナを採用することがある。フィラー材料に求められる性能として放射性元素の含有量を低減して放出するα線量が低いことがある。例えば、UやThの含有量を減らすことが行われている。例えば、UやThの含有量は、それらの総量として5ppb以下、及び/又は、α線量として0.0002(c/cm・h)以下であることが好ましい。
例えばα線量が少ないアルミナを製造する方法としては、水酸化アルミニウムを酸洗してUやThなどの不純物を除去した後に加熱溶融させることでか焼させてアルミナに変換する方法が提案されている(特許文献1、2)。
特開2014-5359号公報 特開2011-236118号公報
本発明は上記実情に鑑み完成したものであり、水酸化アルミニウムを酸洗浄してα線量を低減させる以外の方法によりα線量を低減できるアルミナを主成分とする球状粒子材料の製造方法を提供することを解決すべき課題とする。
上記課題を解決する目的で本発明者らが鋭意検討を行った結果、アルミナを主成分とする粗原料粒子に対して酸洗浄を行った後に溶融・球状化を行った。その後に再度酸による洗浄を行うことによりUやThを効果的に除去することができることを発見して以下の発明を完成させた。
(1)すなわち、本発明の球状粒子材料の製造方法は、アルミナを主成分とする粗原料粒子材料を酸溶液中に浸漬して原料粒子材料にする第1酸洗工程と、
前記原料粒子材料を溶融して急冷することで球状化した粗球状粒子材料にする溶融球状化工程と、
前記粗球状粒子材料を酸溶液中に浸漬して球状粒子材料にする第2酸洗工程と、
を有する。
すなわち、原料粒子材料は第1酸洗工程において、粗原料粒子材料を酸溶液中に浸漬されることにより、主としてその表面に存在するUやThが除去されたものである。ついで溶融球状化工程で、いったん原料粒子材料が溶融液状化し再び固体化するときに、原料粒子材料内部の結晶粒界に偏在していたために第1酸洗工程で除去しきれなかったUやThが粒子表面に移行すると考えられる。したがって、加熱溶融する前後で酸洗浄を行うことにより、効果的にUやThを低減できるため、α線量のより一層の低減が実現できる。
上記(1)に記載の発明は、以下の(2)〜(4)のうちの1つ以上を組み合わせることができる。
(2)前記第1酸洗工程及び前記第2酸洗工程のうちの少なくとも一方は高温環境下で行われる。高温環境を採用することにより酸洗によるα線量低下の効果を更に高くすることができる。
(3)前記溶融球状化工程の後に前記粗球状粒子材料から粒径が小さい材料を除去する分級工程を有する。アルミナを主成分とする粒子は、溶融後に固化する際に粒径が小さい粒子に不純物が集中することを発見した。そこで粒径が小さい材料を除去する分級工程を採用することでα線量を更に低減することが可能になった。
(4)前記第2酸洗工程後における前記球状粒子材料のU及びThの総量が5ppb以下である。
本発明の球状粒子材料の製造方法は、加熱溶融の前後で酸洗浄を行うことにより従来よりも簡単にα線量の低減を実現することが可能になった。
試験例1の第2酸洗工程後のSEM写真である。 試験例2の第2酸洗工程後のSEM写真である。 試験例3の第2酸洗工程後のSEM写真である。 試験例4の第2酸洗工程後のSEM写真である。
本発明の球状粒子材料の製造方法について実施形態に基づき以下詳細に説明を行う。本実施形態の製造にて製造される球状粒子材料は、アルミナを主成分とする。特に本実施形態の製造方法にて製造される球状粒子材料はU及びThの総量が5ppb以下であることが好ましい。
本明細書において「アルミナを主成分とする」とは、全体の質量を基準としてアルミナを50%以上含有することを意味し、特に60%以上、70%以上、80%以上、90%以上、95%以上、99%以上であることが好ましい。特に不可避不純物以外は全てアルミナであることにすることも可能である。アルミナ以外に含有することができる材料としては水酸化アルミニウム、金属アルミニウム、金属ケイ素、シリカなどの無機材料である。水酸化アルミニウムは加熱溶融によりアルミナに変換され、金属アルミニウムは燃焼によりアルミナに変換される。金属ケイ素は燃焼によりシリカに変換される。
本実施形態の球状粒子材料の製造方法は、第1酸洗工程と溶融球状化工程と第2酸洗工程とその他必要に応じて選択される工程とを有する。第1酸洗工程及び第2酸洗工程はU及びThの含有量の低減を目的とするが、MgやNaなどその他の不純物の低減にも優れた作用効果を生じることが期待できる。
第1酸洗工程は、粗原料粒子材料を酸溶液中に浸漬して原料粒子材料にする工程である。粗原料粒子材料は、アルミナを主成分とする材料から形成される。粗原料粒子材料は、どのような形状であってもよいが、特に球状であることが好ましい。
粗原料粒子材料の製造方法は特に限定しないが、例えば、焼成法、電融法、溶融球状法、VMC法、粉砕による方法が挙げられる。焼成法は、バイヤー法で得られた水酸化アルミニウムを脱水焼成して粉末化する方法である。電融法はアルミナ鉱石や仮焼アルミナ等のアルミナ原料を電気炉で溶融したのち冷却して固体化し、その後粉砕して粉末化する方法である。溶融球状法は、アルミナ又は水酸化アルミニウムを主成分とする材料からなる粉粒体を火炎中に投入して加熱溶融させることで球状化した後に急冷することで球状の粗原料粒子材料を製造する方法である。アルミナは加熱溶融した後に急冷することでそのまま球状のアルミナとなり、水酸化アルミニウムは加熱溶融過程で脱水化してアルミナに変換され、その後に急冷することにより球状のアルミナとなる。VMC法は、金属アルミニウムを燃焼させて変換したアルミナの気体を急冷して液状化をし、最終的に凝固粉末化したものを回収する方法である。粉砕による方法は、アルミナの塊を粉砕により粉体化する方法である。粉砕の原料となるアルミナは、特に限定されない。
粗原料粒子材料の粒径は製造する球状粒子材料の粒径に応じて設定する。例えば、粗原料粒子材料が粒度分布を有しており、その体積平均粒径の1/1000〜1/3程度の小さい粒子が、全粒子の体積を基準として5%以上含まれる場合は、目的とする球状粒子材料の粒径よりも僅かに小さい程度の粒径とすることが好ましい。後述する溶融球状化工程で小さい粒子が溶融して、少なくともその一部は体積平均粒径あるいはそれに近い大きさの母粒子に吸収されることにより、体積平均粒径が僅かに大きくなる傾向にあるからである(その1)。また、そうではなく、粗原料粒子材料が粒度分布を有してはいるが、その体積平均粒径の1/1000〜1/3程度の小さい粒子が全粒子の体積を基準として5%未満しか含まれない場合は、目的とする球状粒子材料の粒径よりも僅かに大きい程度の粒径とすることが好ましい。前述の場合と異なり、体積平均粒径の粒子に吸収される小さい粒子がほとんど存在しないため、溶融球状化後に体積平均粒径が大きくならず、むしろ形状がますます真球に近づくために体積平均粒径が小さくなる傾向があるからである(その2)。具体的には、体積平均粒径20μm程度の球状粒子材料を製造する場合であって、前者(その1)の粗原料材料のときには、粗原料粒子材料の体積平均粒径は、10μm〜18μm程度にすることが好ましく、一方、後者(その2)の粗原料材料のときには、粗原料粒子材料の体積平均粒径は、22μm〜25μm程度にすることが好ましい。
粗原料粒子材料は、シラン化合物による表面処理を行ったものでも良い。表面処理を行うことにより流動性が向上したり、凝集性が低下したりするため好ましい。シラン化合物としては、フェニル基、アルキル基、アミノ基、フェニルアミノ基、メタクリル基、エポキシ基などを有する化合物や、ヘキサメチルジシラザンなどが例示できる。シラン化合物は複数種類を混合して表面処理乃至は順次表面処理を行うことができる。
第1酸洗工程は、酸性溶液により粗原料粒子材料を洗浄する工程である。例えば、酸溶液中に粗原料粒子材料を所定時間浸漬した後に溶媒にて洗浄することが挙げられる。酸溶液としては酸水溶液を、溶媒としては水を挙げることができる。酸としては、硫酸、硝酸、塩酸、フッ酸、硫酸水素ナトリウムなどが例示でき、特に硫酸が採用できる。複数の酸を組み合わせることもできる。
酸の濃度としては1.5質量%〜12.5質量%程度が例示できる。酸濃度の下限値としては、1.5質量%、3質量%、4.5質量%が例示でき、上限値としては、7.5質量%、9質量%、12.5質量%が例示できる。これらの上限値と下限値とは任意に組み合わせることができる。これらの下限値以上にすることにより不純物を十分に溶解除去することが可能になり、これらの上限値以下にすることにより粗原料粒子材料への必要以上の酸の作用を抑制できる。
酸洗浄の温度としては特に限定しないが温度が高い方が不純物の除去速度が速くなるため好ましい。例えば、常温(25℃)以上、40℃以上、60℃以上、80℃以上、100℃以上が例示できる。溶媒の沸点以上の温度で酸洗浄を行う場合には加圧条件を採用することができる。
酸溶液に浸漬する条件としては特に限定されないが、2時間〜16時間程度浸漬を行うことができる。浸漬時間の下限値としては、2時間、3時間、4時間が例示でき、上限値としては、8時間、12時間、16時間が例示できる。これらの上限値と下限値とは任意に組み合わせることができる。これらの下限値以上の浸漬時間を採用することにより不純物が酸溶液中に十分に溶け出すことが可能になり、この上限値以下の時間を採用することにより不純物の溶出速度が低くなって不純物低減がそれ以上進行し難くなった場合の時間の無駄を省くことができる。
溶融球状化工程は、原料粒子材料を加熱溶融して球状化した後に急冷して粗球状粒子材料とする工程である。溶融球状化工程により原料粒子材料の形態によらず球形度が高い粗球状粒子材料が得られる。例えば粗球状粒子材料の球形度としては特に限定しないが、0.8以上、0.9以上、0.95以上、0.99以上とすることが例示できる。球形度は、SEMで写真を撮り、その観察される粒子の面積と周囲長から、(球形度)={4π×(面積)÷(周囲長)}で算出される値として算出する。1に近づくほど真球に近い。具体的には画像処理装置(スペクトリス株式会社:FPIA−3000)を用いて100個の粒子について測定した平均値を採用する。
加熱溶融の条件は特に限定しないが、高温雰囲気下に原料粒子材料同士を離間した状態で投入して行うことが好ましい。原料粒子材料は、適正な分散媒中に分散した状態で高温雰囲気下に投入される。分散媒としては、空気、窒素、アルゴン、酸素などの気体や、水、アルコールなどの液体が挙げられる。気体中に分散させる場合には原料粒子材料は乾燥した状態にすることができる。
分散媒となる気体中に原料粒子材料を分散させる条件としては、気体中に原料粒子材料を1kg/Nm〜8kg/Nmとなるよう投入することにより分散されるようになる。原料粒子材料の分散量の下限値としては、2kg、3kgが例示でき、上限値としては、6kg、7kgが例示できる。これらの上限値と下限値とは任意に組み合わせることができる。原料粒子材料の分散量をこれらの下限値以上にすることにより気体中に原料材料粒子同士が十分離間した状態で加熱溶融できるため球形度が上がりやすくなり、これらの上限値以下にすることにより溶融球状化雰囲気の温度の低下を抑制できるし、気体の無駄な消費を抑えることができることとなる。
また、溶融球状化の溶融火炎形成のための可燃性ガスは特に限定はしないが、プロパンガス、都市ガス、アセチレンガス、水素、アンモニア等が採用できる。単位量当たりの燃焼熱量が高く、運搬容易性の観点からプロパンガスが望ましい。たとえばプロパンガスを使用する場合、その単位時間あたりの投入量は特に限定しないが、15Nm/h〜45Nm/h程度にすることができる。単位時間あたりの投入量の下限値としては、15Nm/h、20Nm/h、25Nm/hが例示でき、上限値としては、35Nm/h、40Nm/h、45Nm/hが例示できる。これらの上限値と下限値とは任意に組み合わせることができる。単位時間あたりの投入量をこれらの下限値以上にすることにより溶融球状化に十分な熱量を確保できるため球形度が上がりやすくなり、これらの上限値以下にすることにより導電性を有するカーボン成分の無用な生成を抑えることができるようになる。
なお、溶融球状化の溶融火炎形成のための助燃性ガスは酸素または空気とすればよく、可燃性ガスが燃焼するに足るよう、単位時間あたりの投入量を調整すればよい。
原料粒子材料を供給する速度は特に限定しないが、10kg/h〜160kg/h程度にすることができる。原料粒子材料の供給速度の下限値としては、10kg/h、15kg/h、20kg/hが例示でき、上限値としては、140kg/h、150kg/h、160kg/hが例示できる。これらの上限値と下限値とは任意に組み合わせることができる。原料粒子材料の供給速度をこれらの下限値以上にすることにより原料粒子材料の溶融球状化に使用されない無駄な廃熱を減らすことができ、これらの上限値以下にすることにより溶融球状化が不十分のため球形度の低いもの生成を抑制できる。
第2酸洗工程は、粗球状粒子材料を酸洗する工程である。酸洗の方法、条件としては第1酸洗工程と同様の条件を採用することができる。なお、第1酸洗工程及び第2酸洗工程の何れかは高温雰囲気下にて行うことが望ましい。高温環境とは、常温より高い環境である。特に50℃以上、70℃以上、100℃以上、120℃以上などの環境が好ましい環境として採用できる。なお、沸点以上の温度にする場合には高圧環境を採用する。例えば121℃、2気圧である。
その他の工程としては、分級工程を行うことができる。分級工程は、溶融球状化工程にて製造した粗原料粒子材料から粒径が小さい粒子を除去する工程である。粗球状粒子材料を加熱溶融する際に含有するUやThが蒸発する。その後急冷により粗球状粒子材料になるが、蒸発したUやThは、粒径が大きい粒子よりも粒径が相対的に小さい粒子の方に取り込まれやすい傾向がある。そのため、粒径が相対的に小さい材料を除去することにより不純物の量を低減できる。
分級の方法は限定しないが、篩を通過させる方法、遠心力を用いる方法、流体中での沈降速度の差を用いる方法などの通常の分級操作が採用できる。特に、分級操作としてサイクロン分級などの遠心分級を採用した場合には蒸発したUやThは分級時に気流に乗って小粒径の粒子と共に分離されることになり、その結果、蒸発したUやThは共存する小粒径の粒子に取り込まれる傾向が高くなる。
・第1酸洗工程
原料(大平洋ランダム株式会社製電融法アルミナ、LA1200(体積平均粒径14μm、比表面積2.6m/g、LA2000(体積平均粒径7μm、比表面積3.8m/g)、LA4000(体積平均粒径3μm、比表面積8.4m/g))に対し、様々な酸の種類及び水溶液濃度で、温度、圧力(25℃1atmまたは121℃2atm)、時間(2、4、8、16h)を様々に組み合わせて浸漬処理を行った。そして、原料および第1酸洗工程後のものについてU、Thの含有量をAgilent Technologies社製ICP−MSで測定した。結果を表1に示す。
Figure 2021172546
第1酸洗工程を経ることによりUの含有量が低減できることが分かった。特に、試験例10、11とそれ以外との比較により、硫酸、硝酸、硫酸水素ナトリウムはフッ酸と異なり、UのみならずThの低減もすることができることが分かった。さらに、試験例2及び3、試験例4及び5、試験例26及び27、試験例33及び34の各比較から、同じ酸の種類及び水溶液濃度であっても高温で行うことにより、U及びThの量を更に低減することが可能であることが分かった。また、試験例17乃至20や、試験例28乃至31の各比較から、浸漬時間が長いほうがU及びThの量の低減できる傾向にあることが分かった。なお、同じ種類の原料でもU及びThの含有量が異なるものがあるのはロット差と考えられる。
・溶融球状化工程
代表として試験例1、16、26、27の原料粒子材料について、以下の溶融球状化工程に相当する工程を実施した。炉内に、溶融火炎形成用に可燃性ガスとしてのプロパンガス(35Nm/h)及び、助燃性ガスとしての酸素ガス(82Nm/h)の混合ガスを供給し火炎を生成しながら、更に酸素ガスを82Nm/hで炉内に供給した。
原料粒子材料を20kg/hとし、分散媒としての酸素ガス(1.5kg/Nm)に分散させた混合物を炉内に生成した火炎中に供給した。
火炎中で原料粒子材料が加熱溶融された後、重力により下方に移動することで溶融した原料粒子材料は急冷されて粗球状粒子材料となった。得られた粗球状粒子材料は、サイクロン分級機で、大粒子側の粗球状粒子材料(CY品)と、小粒子側の粗原料粒子材料とに分級した。小粒子側の粗原料粒子材料(BG品)はバグフィルタにより捕集した。
・第2酸洗工程
さらに、大粒子側の粗球状粒子材料に対して、第2酸洗工程として前述の第1酸洗工程と同じ工程を実施し、得られた各試験例の各工程前後でのU及びThの量を測定した。結果を表2に示す。
Figure 2021172546
溶融球状化工程及び分級工程を経たCY品について、原料粒子材料よりU及びThの量が低減できることが分かった。その一方でBG品のほうがU及びTh量が増えていることから溶融球状化工程により、原料粒子材料に含有されているU及びThが揮散して減少すると共に、サイクロン分級を行うことでU及びThはBG品の方に移行することが考えられた。
更に、第2酸洗工程を行うことでU及びThについて更なる除去が実現できることが分かった。溶融球状化工程により原料粒子材料内部に(特に結晶粒界に集中することが予測される)存在するU及びThが粒子の表面に移行するために第2酸洗工程によりこれらが除去できることとなったと考えられた。
試験例1、16、26、27のサイクロン分級を行った試料(CY品)について第2酸洗工程後のもののSEM写真を図1〜4に示す。どれも高い球形度を示し、フィラー用途に適したものであることが分かった。

Claims (4)

  1. アルミナを主成分とする粗原料粒子材料を酸溶液中に浸漬して原料粒子材料にする第1酸洗工程と、
    前記原料粒子材料を溶融して急冷することで球状化した粗球状粒子材料にする溶融球状化工程と、
    前記粗球状粒子材料を酸溶液中に浸漬して球状粒子材料にする第2酸洗工程と、
    を有する球状粒子材料の製造方法。
  2. 前記第1酸洗工程及び前記第2酸洗工程のうちの少なくとも一方は高温環境下で行われる請求項1に記載の球状粒子材料の製造方法。
  3. 前記溶融球状化工程の後に前記粗球状粒子材料から粒径が小さい材料を除去する分級工程を有する請求項1又は2に記載の球状粒子材料の製造方法。
  4. 前記第2酸洗工程後における前記球状粒子材料のU及びThの総量が5ppb以下である請求項1〜3のうちの何れか1項に記載の球状粒子材料の製造方法。
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