JP6323724B2 - アルミナ粒子の製造方法 - Google Patents

アルミナ粒子の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6323724B2
JP6323724B2 JP2015202038A JP2015202038A JP6323724B2 JP 6323724 B2 JP6323724 B2 JP 6323724B2 JP 2015202038 A JP2015202038 A JP 2015202038A JP 2015202038 A JP2015202038 A JP 2015202038A JP 6323724 B2 JP6323724 B2 JP 6323724B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
alumina particles
furnace
alumina
water
cooling water
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015202038A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017075062A (ja
Inventor
孝之 松村
孝之 松村
義之 萩原
義之 萩原
阿部 智信
智信 阿部
岳志 斎藤
岳志 斎藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Taiyo Nippon Sanso Corp
Original Assignee
Taiyo Nippon Sanso Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Taiyo Nippon Sanso Corp filed Critical Taiyo Nippon Sanso Corp
Priority to JP2015202038A priority Critical patent/JP6323724B2/ja
Publication of JP2017075062A publication Critical patent/JP2017075062A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6323724B2 publication Critical patent/JP6323724B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Compounds Of Alkaline-Earth Elements, Aluminum Or Rare-Earth Metals (AREA)

Description

本発明は、アルミナ粒子の製造方法に関する。
無機球状フィラーは、電子部品の封止樹脂に混ぜ合わせることで、電子部品による発熱を放散させる機能を付与するのに用いられている。近年では、エレクトロニクス技術の進展に伴う電子部品の大電流化の加速により、高い熱伝導率を有する無機球状フィラーが望まれている。その中でも、アルミナ粒子は、比較的安価なため注目されている。
アルミナ粒子は、一般的に、バイヤー法により製造される。バイヤー法で作製したアルミナ粒子は、その表面に苛性ソーダに起因するNa(ナトリウムイオン)成分が大量に存在する。Na成分が大量に存在するアルミナ粒子を半導体用途等に用いた場合、Na成分により耐湿信頼性を損なうおそれがあるため、Na成分を低減する方法が検討されている。
例えば、特許文献1には、アルミナ粒子の表面にシリカコーティング層を形成することで、アルミナ粒子表面のNa成分を密封する方法が開示されている。
しかしながら、特許文献1に開示された方法では、アルミナ粒子の表面層に形成したシリカコーティング層が熱抵抗となり、アルミナフィラーとしての特性を活かしきれないという問題があった。
上記問題を解決するため、例えば、特許文献2に開示されたアルミナ粒子では、生成したアルミナ粒子を、イオン交換樹脂を用いて生成したイオン交換水を用いて水洗することで、アルミナ粒子の表面に存在するNa成分の量を低減している。
特開2006−199579号公報 特開2005−281063号公報
しかしながら、特許文献2に開示されたアルミナ粒子の製造方法では、量産する際に、アルミナ粒子を洗浄するための大規模なイオン交換水生産装置や、アルミナ粒子を乾燥するための加熱源が別途必要になるといった問題があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、粒子表面のNa成分を低減したアルミナ粒子を簡便に製造可能なアルミナ粒子の製造方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、請求項1に係る発明は、
炉と前記炉内に高温火炎を形成するバーナとを用いて、アルミナ粉からアルミナ粒子を製造する方法であって、
バーナによって前記炉の内側を所要の高温雰囲気に調整するとともに、冷却水によって前記炉の外側を所要の温度まで冷却する温度調整工程と、
前記炉内でアルミナ粉を加熱溶融して、アルミナ粒子を生成する球状化工程と、
前記炉を冷却した後の冷却水を用いて、前記炉内から取り出した前記アルミナ粒子を洗浄する水洗工程と、
前記炉から排出された排気ガスを用いて、洗浄後の前記アルミナ粒子を乾燥する乾燥工程と、を含む、アルミナ粒子の製造方法である。
また、請求項2に係る発明は、
前記冷却水として、市水を用いる、請求項1に記載のアルミナ粒子の製造方法である。
また、請求項3に係る発明は、
前記乾燥工程において、洗浄後の前記アルミナ粒子を流動床形式により乾燥する、請求項1又は2に記載のアルミナ粒子の製造方法である。
本発明のアルミナ粒子の製造方法は、炉を冷却した後の冷却水を用いて、炉内から取り出したアルミナ粒子を洗浄するため、イオン交換水装置等の高価な装置を用いることなくアルミナ粒子の表面に存在するNa成分の量を低減することができる。また、炉から排出された排気ガスを用いて、洗浄後のアルミナ粒子を乾燥するため、別途加熱源を用意して乾燥する必要がない。よって、粒子表面のNa成分を低減したアルミナ粒子を簡便に製造することができる。
本発明を適用した一の実施形態であるアルミナ粒子の製造方法に適用可能なアルミナ粒子製造装置の構成を示す系統図である。
以下、本発明の一実施形態であるアルミナ粒子の製造方法について、それに用いるアルミナ粒子製造装置とともに、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下の説明で用いる図面は、特徴をわかりやすくするために、便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。
<アルミナ粒子製造装置>
先ず、本発明を適用した一実施形態であるアルミナ粒子製造装置1について説明する。図1は、アルミナ粒子製造装置1の構成を示す系統図である。図1に示すように、アルミナ粒子製造装置1は、原料フィーダー2と、球状化バーナ3と、球状化炉4と、サイクロン5と、第1のバグフィルタ6と、洗浄槽7と、脱水機8と、乾燥機9と、第2のバグフィルタ10と、を備えて概略構成されている。
原料フィーダー2は、キャリアガス供給源(図示略)及び球状化バーナ3に接続されている。原料フィーダー2は、キャリアガス供給源から供給されるキャリアガスにより、紛体原料であるアルミナ粉を球状化バーナ3に定量的に供給することができる。
キャリアガスとしては、具体的には、例えば、酸素(O)、酸素富化空気等が挙げられる。
原料であるアルミナ粉は、Na成分の低いものを選定することが好ましい。Na成分の低いアルミナ粉としては、具体的には、例えば、バイヤー法で生成された低ソーダアルミナ粉等が挙げられる。
球状化バーナ3は、球状化炉4に設けられている。球状化バーナ3は、燃料ガス供給源(図示略)から燃料ガスが供給され、支燃性ガス供給源(図示略)から支燃性ガスが供給されており、球状化炉4内に火炎を形成することができる。さらに、球状化バーナ3は、原料フィーダー2から供給されるアルミナ粉を球状化炉4内に供給することができる。
燃料ガスとしては、具体的には、例えば、天然ガス、LPG(Liquefied petroleum gas)等が挙げられる。
また、支燃性ガスとしては、具体的には、例えば、酸素、酸素富化空気等が挙げられる。
球状化炉4は、ステンレス製の炉である。球状化炉4の上部は円筒状であり、下部は逆円錐状である。球状化炉4内において、火炎に投入されたアルミナ粉が加熱溶融することで球状粒子(以下、「アルミナ粒子」と記載することがある)が生成される。
球状化炉4は、送風ブロア11及びサイクロン5と接続されている。送風ブロア11により、球状化炉4に空気を供給することで、アルミナ粒子を燃焼排ガス(排気ガス)と共にサイクロン5に搬送することができる。
球状化炉4の最下部4aにはバルブ(図示略)が設けられており、最下部4aから塊状になったアルミナを除去することができる。
球状化炉4は炉体表面に冷却水を通水可能としたジャケット方式により冷却されている。冷却水は冷却水循環経路L1を介して循環している。球状化炉4を冷却した後の冷却水は、球状化炉4と熱交換することにより、50〜80℃程度まで昇温する。
冷却水としては、具体的には、例えば、市水等を用いることができる。
冷却水循環経路L1には、クーリングタワー12が設けられている。クーリングタワー12により、球状化炉4を冷却した後の冷却水を冷却することができる。冷却後の冷却水は、球状化炉4へ再度供給される。
冷却水循環経路L1には、球状化炉4の二次側であって、クーリングタワー12の一次側に、冷却水循環経路L1と洗浄槽7とを接続する洗浄水供給経路L2が設けられている。洗浄水供給経路L2により、球状化炉4を冷却した冷却水の一部を洗浄槽7に供給することができる。なお、冷却水を洗浄槽7に供給する前に、ストレーナー(図示略)等により、冷却水中の異物を除去することが好ましい。また、洗浄水として冷却水の一部を洗浄槽7に供給した場合は、供給した分の冷却水を外部から補充する。
洗浄水供給経路L2上にはバルブ13が設けられている。バルブ13の開閉を制御することにより、洗浄槽7への冷却水の供給を制御することができる。
サイクロン5は、球状化炉4と、第1のバグフィルタ6と、洗浄槽7と接続されている。サイクロン5により、球状化炉4から搬送されるアルミナ粒子及び燃焼排ガスの混合流体から、アルミナ粒子を捕集し、サイクロン5の下部のロータリーバルブ(図示略)を介して洗浄槽7へ搬送することができる。一方、燃焼排ガスは第1のバグフィルタ6へ搬送される。
第1のバグフィルタ6は、サイクロン5と、乾燥機9と接続されている。第1のバグフィルタ6により、燃焼排ガス内に存在するサイクロン5で捕集できない微小なアルミナ粒子を捕集除去することができる。
微小なアルミナ粒子を除去した燃焼排ガスは、排気ブロア14を介して二次側に搬送される。排気ブロア14の二次側は、乾燥ガス経路L3と、排ガス経路L4とに分岐している。燃焼排ガスの一部は、乾燥ガス経路L3を介して、乾燥機9へ搬送される。また、燃焼排ガスの残りは、排ガス経路L4を介して、外部に排気される。乾燥ガス経路L3上には、乾燥機内へ不純物が混入するのを防止するため、フィルター15を設けるのが好ましい。
洗浄槽7は、サイクロン5と、洗浄水供給経路L2と、脱水機8と接続されている。洗浄槽7により、サイクロン5から搬送されるアルミナ粒子を、洗浄水供給経路L2から供給される冷却水を用いて洗浄し、脱水機8に搬送することができる。
洗浄槽7に供給される冷却水(以下、「洗浄水」と記載することがある)は、球状化炉4を冷却した後の冷却水であるため、50〜80℃程度まで昇温している。昇温した冷却水を用いてアルミナ粒子を洗浄することにより、アルミナ粒子の表面に存在するNa成分を効率的に低減することができる。なお、洗浄に用いる冷却水の温度は、Na成分を効率的に低減する観点からは高温であることが好ましいが、熱負荷による球状化炉4の炉体への損傷を抑制する観点から、最大でも80℃程度が好ましい。
洗浄槽7は、インペラ等を用いて撹拌することが好ましい。撹拌することにより、アルミナ粒子の表面に存在するNa成分をより効率的に低減することができる。
洗浄槽7と脱水機8の間には、スラリーポンプ16が設けられている。スラリーポンプ16により、洗浄したアルミナ粒子を洗浄水と共に脱水機8へ搬送することができる。
脱水機8は、洗浄槽7と、乾燥機9と接続されている。脱水機8により、洗浄槽7から搬送される、アルミナ粒子と洗浄水を含むスラリーから洗浄水を分離し、アルミナ粒子を含む脱水ケーキを回収することができる。脱水機8としては、スラリーから洗浄水を分離することができるものであれば、特に限定されない。具体的には、例えば、フィルタープレス等が挙げられる。回収される脱水ケーキは、フィーダー17を介して、乾燥機9に搬送される。
乾燥機9は、脱水機8と、乾燥ガス経路L3と、第2のバグフィルタ10と接続されている。乾燥機9により、脱水機8から搬送されるアルミナ粒子を含む脱水ケーキを、乾燥ガス経路L3から搬送される燃焼排ガスを用いて乾燥することで、Na成分を低減したアルミナ粒子を生成することができる。その後、生成したアルミナ粒子を第2のバグフィルタ10に搬送する。燃焼排ガスを用いて乾燥するため、乾燥用に別途加熱源を用意する必要がない。
乾燥機9に搬送する燃焼排ガスの温度の制御は、送風ブロアから送られる空気の流量や、サイクロン5上部の吸引孔5aから吸引される空気の流量を調整することで行うことができる。
乾燥機9に搬送する燃焼排ガスの温度としては、具体的には、例えば、排気ブロア14での出口温度が150〜200℃になるように制御することが好ましい。出口温度が150℃以上であることにより、アルミナ粒子を十分に乾燥することができる。また、出口温度が200℃以下であることにより、バグフィルタの耐熱温度を高める必要がないため、安価なバグフィルタを用いることができる。
乾燥機9に搬送する燃焼排ガスの流量の制御は、乾燥ガス経路L3及び排ガス経路L4上に設けられたダンパ18,19の開度を調整することで行うことができる。
乾燥機9としては、アルミナ粒子を乾燥することができるものであれば、特に限定されないが、流動床形式のものが好ましい。流動床形式の乾燥機を用いることにより、定置式の乾燥機と比べてアルミナ粒子の凝集を抑制することができる。そのため、別途解砕工程を設ける必要がなく、製造工程を簡易化することができる。
乾燥機9において十分に乾燥されたアルミナ粒子は、含水量が減ることで軽くなるため、乾燥ガスにより第2のバグフィルタ10に搬送される。
第2のバグフィルタ10は、乾燥機9と接続されている。第2のバグフィルタ10により、乾燥機9から搬送されるアルミナ粒子を捕集することができる。第2のバグフィルタ10で捕集されたアルミナ粒子は、Na成分が20ppm以下であり、無機フィラーとして十分な性能を有する。
<アルミナ粒子の製造方法>
次に、上述したアルミナ粒子製造装置1を用いた、本実施形態のアルミナ粒子の製造方法について詳細に説明する。なお、本実施形態のアルミナ粒子の製造方法は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
本実施形態のアルミナ粒子の製造方法は、球状化炉4の内側と外側を所定の温度に調整する温度調整工程と、アルミナ粒子を生成する球状化工程と、アルミナ粒子を洗浄する水洗工程と、アルミナ粒子と洗浄水を分離する脱水工程と、アルミナ粒子を乾燥する乾燥工程と、を含み概略構成されている。以下、各工程について、図1を参照して詳細に説明する。
(温度調整工程)
温度調整工程では、球状化バーナ3によって球状化炉4の内側を所要の高温雰囲気に調整するとともに、冷却水循環経路L1から供給される冷却水によって球状化炉4の外側を所要の温度まで冷却する。
ここで、冷却水は冷却水循環経路L1内を循環しながら、球状化炉4の外側を冷却するため、球状化炉4の外側を流通している。球状化炉4の外側を冷却した後の冷却水は、球状化炉4との熱交換により昇温しているが、クーリングタワー12により冷却され、再度球状化炉4へ送られる。球状化炉4を冷却した後の冷却水の一部は、洗浄水供給経路L2を介して洗浄槽7へ送られる。
なお、冷却水として市水等を用いることができる。
(球状化工程)
球状化工程では、球状化炉4内で原料であるアルミナ粉を加熱溶融して、アルミナ粒子を生成する。
具体的には、先ず、原料フィーダー2において、キャリアガス供給源から供給されるキャリアガスにより、原料であるアルミナ粉を、球状化バーナ3を介して球状化炉4に定量的に供給する。
次に、球状化炉4内において、球状化バーナ3により形成された火炎中に、原料フィーダー2から供給されたアルミナ粉が投入される。火炎に投入されたアルミナ粉が加熱溶融することで、球状粒子(アルミナ粒子)が生成する。その後、アルミナ粒子を燃焼排ガス(排気ガス)と共にサイクロン5に搬送する。
次に、サイクロン5において、球状化炉4から搬送されたアルミナ粒子及び燃焼排ガスの混合流体から、アルミナ粒子を捕集する。その後、捕集したアルミナ粒子をサイクロン5の下部のロータリーバルブ(図示略)を介して洗浄槽7へ搬送する。
一方、サイクロン5に搬送された燃焼排ガスは、第1のバグフィルタ6へ搬送される。第1のバグフィルタ6において、燃焼排ガス中のサイクロン5では捕集できなかった微小なアルミナ粒子を捕集除去する。その後、乾燥ガス経路L3を介して、燃焼排ガスを乾燥機9へ搬送する。
(水洗工程)
水洗工程では、球状化炉4を冷却した後の冷却水を用いて、球状化炉4から取り出したアルミナ粒子を洗浄する。
具体的には、先ず、洗浄槽7において、サイクロン5から搬送されたアルミナ粒子を、洗浄水供給経路L2から供給される冷却水(洗浄水)を用いて洗浄する。洗浄に用いる洗浄水は、球状化炉4を冷却した後の冷却水であるため、50〜80℃程度まで昇温している。昇温した冷却水を用いてアルミナ粒子を洗浄することにより、アルミナ粒子の表面に存在するNa成分を効率的に低減することができる。
本実施形態のアルミナ粒子の製造方法では、洗浄水として市水を用いることができ、洗浄水として特別な処理を施した水を用いる必要がないため、簡便にアルミナ粒子を洗浄することができる。
洗浄は撹拌しながら1時間程度行うことが好ましい。これにより、アルミナ粒子の表面に存在するNa成分をより効率的に低減することができる。なお、時間をかけて撹拌洗浄したい場合は、サイクロン5と洗浄槽7との間にホッパー(図示略)を設ける。連続的に排出されるアルミナ粒子をホッパーに一時的に貯蔵しながら、洗浄槽7に断続的にアルミナ粒子を投入することで、時間をかけてアルミナ粒子を撹拌洗浄することができる。
次に、スラリーポンプ16を用いて、洗浄したアルミナ粒子を洗浄水と共に脱水機8へ搬送する。
(脱水工程)
脱水工程では、洗浄後のアルミナ粒子と洗浄水とを含むスラリーから、洗浄水を分離してアルミナ粒子を含む脱水ケーキを回収する。
具体的には、フィルタープレス等の脱水機8により、洗浄槽7から搬送された洗浄後のアルミナ粒子と洗浄水とを含むスラリーから、Na成分が溶解した洗浄水を分離し、アルミナ粒子を含む脱水ケーキを回収する。すなわち、スラリーを脱水して脱水ケーキを回収する。脱水工程では、アルミナ粒子にNa成分が残存するのを抑えるため、十分に脱水することが好ましい。
その後、アルミナ粒子を含む脱水ケーキを、フィーダー17を介して、乾燥機9に搬送する。
(乾燥工程)
乾燥工程では、球状化炉4から排出された燃焼排ガスを用いて、洗浄後に脱水した脱水ケーキを乾燥することで、粒子表面のNa成分を低減したアルミナ粒子を得る。
具体的には、先ず、乾燥機9において、脱水機8から搬送された脱水ケーキを乾燥することで、アルミナ粒子を生成する。脱水ケーキの乾燥は、流動床形式による乾燥が好ましい。流動床形式で乾燥することにより、定置式で乾燥する場合に比べてアルミナ粒子の凝集を抑制することができる。そのため、別途解砕工程を設ける必要がなく、製造工程を簡易化することができる。
その後、十分に乾燥されたアルミナ粒子は、含水量が減ることで軽くなるため、乾燥ガスにより第2のバグフィルタ10に搬送される。
次に、第2のバグフィルタ10において、乾燥機9から搬送されるアルミナ粒子を捕集する。第2のバグフィルタ10で捕集されたアルミナ粒子は、Na成分が20ppm以下となり、無機フィラーとして十分な性能を有する。
以上説明したように、本実施形態のアルミナ粒子の製造方法によれば、球状化炉4を冷却した後の冷却水を用いて、球状化炉4内から取り出したアルミナ粒子を洗浄するため、イオン交換水装置等の高価な装置を用いることなくアルミナ粒子の表面に存在するNa成分の量を低減することができる。また、球状化炉4から排出された燃焼排ガスを用いて、洗浄後のアルミナ粒子を乾燥するため、別途加熱源を用意して乾燥する必要がない。よって、粒子表面のNa成分を低減したアルミナ粒子を簡便に製造することができる。
また、本実施形態のアルミナ粒子の製造方法によれば、冷却水(洗浄水)として市水を用いることができ、洗浄水として特別な処理を施した水を用いる必要がないため、簡便にアルミナ粒子を洗浄することができる。
また、本実施形態のアルミナ粒子の製造方法によれば、アルミナ粒子を流動床形式により乾燥するため、定置式で乾燥する場合に比べてアルミナ粒子の凝集を抑制することができる。そのため、別途解砕工程を設ける必要がなく、製造工程を簡易化することができる。
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
<実施例>
以下、本発明の効果を実施例及び比較例を用いて詳細に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
(アルミナ粒子の製造)
(実施例1)
原料であるアルミナ粉からアルミナ粒子を製造した。
実施例1では、上述したアルミナ粒子製造装置1を用いて、上述したアルミナ粒子の製造方法により、平均粒子径の異なる3種類のアルミナ粒子を製造した。
なお、原料のアルミナ粉として、バイヤー法で生成した低ソーダアルミナ粉を用意した。アルミナ粉を粉砕し、平均粒子径が10μm、45μm、100μm相当の3種類のアルミナ粉を調整した。
また、球状化工程では、燃料となる可燃性ガスとしてLPG、支燃性ガスとして酸素を用いた。球状化バーナ3の運転条件は、LPGの流量を20〜30Nm/h、酸素(キャリアガス)の流量を20Nm/h、酸素(支燃性ガス)の流量を80〜120Nm/h、アルミナ粉の流量を80〜120kg/hとし、アルミナ粉の平均粒子径に応じて適宜変化させた。
また、水洗工程では、洗浄水供給経路L2から供給される冷却水(洗浄水)の温度を50〜70℃に調整した。洗浄は撹拌しながら1時間程度行った。なお、冷却水として市水を用いた。
また、脱水工程では、脱水機8としてフィルタープレス(宇野澤組鐵工所製、ロールフィット6型)を用いて、脱水ケーキの含水量が5〜10質量%以下になるまで脱水を行った。脱水ケーキは、フィーダー17を介して、80〜100kg/hの流量で乾燥機9へ連続投入した。
また、乾燥工程では、球状化炉4から排出される燃焼排ガスを用いて、流動床形式で脱水ケーキを乾燥した。乾燥機9に供給する燃焼排ガスの温度を150℃、風量を6m/minに調整して乾燥を行った。
(比較例1)
比較例1では、アルミナ粒子の製造方法として、上述した球状化工程のみを行って、平均粒子径の異なる3種類のアルミナ粒子を製造した。
なお、原料のアルミナ粉として、実施例1と同様に、平均粒子径が10μm、45μm、100μm相当の3種類のアルミナ粉を用いた。
(比較例2)
比較例2では、水洗工程で用いる洗浄水として、洗浄水供給経路L2から供給される冷却水(市水)の代わりに、カードリッジ式純水器(栗田工業製、デミエースDX型)を用いて生成した純水を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、平均粒子径の異なる3種類のアルミナ粒子を製造した。
(アルミナ粒子の評価)
実施例1、比較例1,2で作製したアルミナ粒子の、平均粒子径、残存水分量、アルミナ粒子の表面に存在するNa成分量を測定した。
なお、平均粒子径の測定は、粒度分布測定装置(日機装製、マイクロトラックMT3000)を用いて行った。
また、残存水分量の測定は、加熱乾燥式水分計(エー・アンド・ディ製、MX−50)を用いて行った。測定条件は、試料10g、加熱温度130℃で行い、水分量の時間変化が0.05g/minとなったときを終了条件とした。
また、Na成分量の測定は、炎光光度計(東京電光製、ANA−135)を用いて行った。具体的には、アルミナ粒子20gをNa成分を含まない純水200mlに入れ、95℃で24時間煮沸することで、アルミナ粒子からNa成分を抽出した。次に、常温まで冷却してから固液を分離した後、炎光光度計を用いて抽出液のNa成分量を測定した。
表1に各測定の結果を示す。
Figure 0006323724
表1に示すように、実施例1と比較例1を比較することにより、実施例1では、水洗工程により、Na成分を低減することができることを確認した。さらに、実施例1では、脱水工程、乾燥工程により、アルミナ粒子を十分に乾燥することができることを確認した。
また、実施例1と比較例2を比較することにより、50〜70℃の冷却水(市水)を用いて洗浄することで、純水を用いて洗浄するのと同等の洗浄能力を得ることができることを確認した。
以上の結果から、実施例1において、粒子表面のNa成分を低減したアルミナ粒子を簡便に製造することができることを確認した。
本発明のアルミナ粒子の製造方法は、アルミナ粉から電子部品等に用いられるアルミナ粒子を製造する方法として利用可能性を有する。
1…アルミナ粒子製造装置
2…原料フィーダー
3…球状化バーナ(バーナ)
4…球状化炉(炉)
4a…最下部
5…サイクロン
5a…吸引孔
6…第1のバグフィルタ
7…洗浄槽
8…脱水機
9…乾燥機
10…第2のバグフィルタ
11…送風ブロア
12…クーリングタワー
13…バルブ
14…排気ブロア
15…フィルター
16…スラリーポンプ
17…フィーダー
18,19…ダンパ
L1…冷却水循環経路
L2…洗浄水供給経路
L3…乾燥ガス経路
L4…排ガス経路

Claims (3)

  1. 炉と前記炉内に高温火炎を形成するバーナとを用いて、アルミナ粉からアルミナ粒子を製造する方法であって、
    バーナによって前記炉の内側を所要の高温雰囲気に調整するとともに、冷却水によって前記炉の外側を所要の温度まで冷却する温度調整工程と、
    前記炉内でアルミナ粉を加熱溶融して、アルミナ粒子を生成する球状化工程と、
    前記炉を冷却した後の冷却水を用いて、前記炉内から取り出した前記アルミナ粒子を洗浄する水洗工程と、
    前記炉から排出された排気ガスを用いて、洗浄後の前記アルミナ粒子を乾燥する乾燥工程と、を含む、アルミナ粒子の製造方法。
  2. 前記冷却水として、市水を用いる、請求項1に記載のアルミナ粒子の製造方法。
  3. 前記乾燥工程において、洗浄後の前記アルミナ粒子を流動床形式により乾燥する、請求項1又は2に記載のアルミナ粒子の製造方法。
JP2015202038A 2015-10-13 2015-10-13 アルミナ粒子の製造方法 Active JP6323724B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015202038A JP6323724B2 (ja) 2015-10-13 2015-10-13 アルミナ粒子の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015202038A JP6323724B2 (ja) 2015-10-13 2015-10-13 アルミナ粒子の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017075062A JP2017075062A (ja) 2017-04-20
JP6323724B2 true JP6323724B2 (ja) 2018-05-16

Family

ID=58550980

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015202038A Active JP6323724B2 (ja) 2015-10-13 2015-10-13 アルミナ粒子の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6323724B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102625963B1 (ko) * 2021-11-23 2024-01-17 주식회사 대한세라믹스 구상 산화알루미늄 분말의 제조방법

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7406444B2 (ja) 2020-04-22 2023-12-27 株式会社アドマテックス 球状粒子材料の製造方法
KR102497275B1 (ko) * 2022-11-02 2023-02-08 주식회사 씨아이에스케미칼 나트륨 제거제를 이용한 알루미나의 고순도화 및 초미립 알루미나 입자의 제조방법
WO2024128321A1 (ja) * 2022-12-16 2024-06-20 デンカ株式会社 球状アルミナ粉末
WO2024128320A1 (ja) * 2022-12-16 2024-06-20 デンカ株式会社 球状アルミナ粉末

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009133904A1 (ja) * 2008-04-30 2009-11-05 電気化学工業株式会社 アルミナ粉末、その製造方法、及びそれを用いた樹脂組成物
JP5410245B2 (ja) * 2009-11-11 2014-02-05 電気化学工業株式会社 球状アルミナ粉末、その製造方法及び用途。
TWI518034B (zh) * 2010-04-15 2016-01-21 新日鐵住金高新材料股份有限公司 用以製造球狀氧化鋁粉末之方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102625963B1 (ko) * 2021-11-23 2024-01-17 주식회사 대한세라믹스 구상 산화알루미늄 분말의 제조방법

Also Published As

Publication number Publication date
JP2017075062A (ja) 2017-04-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6323724B2 (ja) アルミナ粒子の製造方法
CN104066816A (zh) 煤干馏装置
JP2013534180A (ja) 汚泥乾燥方法および汚泥乾燥設備
JP2017527519A (ja) 塩化アルミニウム誘導体の生成のための方法
US4132640A (en) Process for the hygienic elimination of sewage containing salt-containing organic substances
JP7042608B2 (ja) 改質フライアッシュの製造方法、及び、改質フライアッシュの製造装置
JP2009220048A (ja) 含水有機汚泥の乾燥システム及び乾燥方法
JP2010194382A (ja) 含水有機廃棄物の乾燥システム及び乾燥方法
JP2010214319A (ja) 含水有機汚泥の乾燥装置及び乾燥方法
JP5946076B1 (ja) 横型回転式乾燥機による乾燥方法及び乾燥システム
JP6103523B2 (ja) 炭素微粒子の製造方法及び製造設備
JP6741393B2 (ja) 流動床装置及びこれを用いた石炭の乾燥分級方法
JP2009202078A (ja) 含水有機廃棄物の乾燥及び造粒システム
JP6631293B2 (ja) 抽気装置及び抽気方法
JP6680012B2 (ja) 乾燥システム、および、乾燥システムの起動方法
JP7120766B2 (ja) 排ガス処理装置
JP2017217622A (ja) 磁性炭化製品の製造方法及び汚泥の炭化処理設備
JP2022054358A (ja) 球状粒子材料の製造方法
JP6878840B2 (ja) 冷却装置
CN103836891B (zh) 一种用于各种水分含量煤泥的卧式气流干化系统
JP6221182B2 (ja) 無機質球状化粒子製造装置、及び無機質球状化粒子製造方法
JP6724381B2 (ja) 乾燥システム
JP6686356B2 (ja) 乾燥システム、および、乾燥システムの起動方法
JP6878839B2 (ja) 冷却装置
JP6520543B2 (ja) 乾燥炉、および、乾燥炉の起動方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170703

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180222

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180313

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180328

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6323724

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250