JP6680012B2 - 乾燥システム、および、乾燥システムの起動方法 - Google Patents

乾燥システム、および、乾燥システムの起動方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6680012B2
JP6680012B2 JP2016051878A JP2016051878A JP6680012B2 JP 6680012 B2 JP6680012 B2 JP 6680012B2 JP 2016051878 A JP2016051878 A JP 2016051878A JP 2016051878 A JP2016051878 A JP 2016051878A JP 6680012 B2 JP6680012 B2 JP 6680012B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fluidized bed
superheated steam
gas
bag filter
bed furnace
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016051878A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017166740A (ja
Inventor
田村 雅人
雅人 田村
博 荒巻
博 荒巻
由佳 越智
由佳 越智
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
IHI Corp
Original Assignee
IHI Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by IHI Corp filed Critical IHI Corp
Priority to JP2016051878A priority Critical patent/JP6680012B2/ja
Publication of JP2017166740A publication Critical patent/JP2017166740A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6680012B2 publication Critical patent/JP6680012B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Drying Of Solid Materials (AREA)

Description

本発明は、含水固形物の流動層を形成して含水固形物を乾燥させる乾燥システム、および、乾燥システムの起動方法に関する。
石炭は、可採年数が150年程度と、石油の可採年数の3倍以上であり、また、石油と比較して埋蔵地が偏在していないため、長期に亘り安定供給が可能な天然資源として期待されている。石炭は、炭素含有量の低い順に、泥炭、亜炭、褐炭、亜瀝青炭、瀝青炭、半無煙炭、無煙炭に分類され、泥炭、亜炭、褐炭、亜瀝青炭(以下、含水固体燃料と称する)は、瀝青炭、半無煙炭、無煙炭(以下、無煙炭等と称する)と比較して水の含有率(含水率)が高い。
含水固体燃料のうち、褐炭は、世界の石炭埋蔵量の半分を占めると言われているため、褐炭の有効利用が検討されている。しかし、上述したように、褐炭等の含水固体燃料は、無煙炭等と比較して含水率が高いため、単位重量あたりの発熱量が低く、輸送コストに対する燃料としてのエネルギー効率が低い。
そこで、含水固体燃料を破砕して流動層炉に投入し、流動層炉において含水固体燃料の粒子の流動層を形成させて乾燥させる技術が開発されている(例えば、特許文献1)。
特開2011−214812号公報
しかし、含水固体燃料は、揮発性有機物を多く含んでいるため、含水固体燃料を乾燥させる際の流動化ガスとして、酸素(O)を含むガス(例えば、空気)を用いると、酸素によって含水固体燃料が燃焼してしまうおそれがある。
そこで、流動化ガスとして、酸素を含むガスに代えて水蒸気を用いることが考えられる。しかし、水蒸気を用いると、流動層炉内で冷却されたり、流動層炉から排出されたガスを濾過して除塵するバグフィルタ内で冷却されたりして、水蒸気が凝縮し、バグフィルタに水(液体)が付着するおそれがあり、バグフィルタの除塵効率が低下する可能性がある。
本発明は、このような課題に鑑み、バグフィルタの除塵効率の低下を抑制することが可能な乾燥システム、および、乾燥システムの起動方法を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明の乾燥システムは、含水固形物の流動層を形成して該含水固形物を乾燥させる乾燥システムであって、前記含水固形物の流動層を形成可能な流動層炉と、前記流動層炉に前記含水固形物を投入する原料投入部と、前記流動層炉の底面からガスを供給するガス供給部と、前記流動層炉から排出されたガスを濾過するバグフィルタと、前記流動層炉と、前記バグフィルタとを接続する接続管と、前記接続管を通じて前記バグフィルタに過熱蒸気を供給し、予め定められた停止条件を満たすと、前記過熱蒸気の供給を停止する過熱蒸気供給部と、を備え、前記過熱蒸気供給部によって前記過熱蒸気の供給が停止されると、前記ガス供給部は、前記過熱蒸気の供給量分、前記ガスの供給量を増加させることを特徴とする。
また、前記バグフィルタから排出されたガスの温度を測定する温度測定部を備え、前記停止条件は、前記温度測定部が測定した温度が、予め定められた温度閾値に到達することであるとしてもよい。
上記課題を解決するために、本発明の他の乾燥システムは、含水固形物の流動層を形成して該含水固形物を乾燥させる乾燥システムであって、前記含水固形物の流動層を形成可能な流動層炉と、前記流動層炉の底面からガスを供給するガス供給部と、前記流動層炉から排出されたガスを濾過するバグフィルタと、前記流動層炉と、前記バグフィルタとを接続する接続管と、前記接続管を通じて前記バグフィルタに過熱蒸気を供給する過熱蒸気供給部と、前記過熱蒸気供給部によって前記過熱蒸気の供給が停止されると、前記流動層炉への前記含水固形物の投入を開始する原料投入部と、を備えたことを特徴とする。
また、前記接続管には、該接続管内を通過するガスを加熱する熱交換器が設けられ、前記過熱蒸気供給部は、前記接続管における、前記熱交換器による加熱箇所より下流の位置、かつ、前記バグフィルタとの接続箇所より上流の位置に形成された導入口を通じて、該バグフィルタに前記過熱蒸気を供給するとしてもよい。
上記課題を解決するために、本発明の乾燥システムの起動方法は、流動層炉において含水固形物の流動層を形成して該含水固形物を乾燥させる乾燥システムの起動方法であって、前記流動層炉の底面からガスを供給し、前記流動層炉から排出されたガスに過熱蒸気を供給して、少なくとも該ガスを濾過するバグフィルタに供給し、予め定められた停止条件を満たすと前記過熱蒸気の供給を停止し、前記過熱蒸気の供給が停止されると、前記過熱蒸気の供給量分、前記ガスの供給量を増加させることを特徴とする。
上記課題を解決するために、本発明の他の乾燥システムの起動方法は、流動層炉において含水固形物の流動層を形成して該含水固形物を乾燥させる乾燥システムの起動方法であって、前記流動層炉の底面からガスを供給し、前記流動層炉から排出されたガスに過熱蒸気を供給して、少なくとも該ガスを濾過するバグフィルタに供給し、前記過熱蒸気の供給を停止し、前記過熱蒸気の供給が停止されると、前記流動層炉への前記含水固形物の投入を開始することを特徴とする。
本発明によれば、バグフィルタの除塵効率の低下を抑制することが可能となる。
乾燥システムの概略図を示す図である。 乾燥システムの起動方法の処理の流れを示すフローチャートである。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値等は、発明の理解を容易とするための例示にすぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
本実施形態では、含水固形物として褐炭(含水固体燃料)を乾燥させる乾燥システム100および乾燥システム100の起動方法について説明する。
(乾燥システム100)
図1は、乾燥システム100の概略図を示す図である。なお、図1中、褐炭の流れを一点鎖線の矢印で、水蒸気および排気ガス等のガスの流れを実線の矢印で、信号の流れを破線の矢印で示す。
図1に示すように、乾燥システム100は、原料投入部110と、第1乾燥炉210と、第2乾燥炉310と、冷却部410と、制御部510とを含んで構成される。
本実施形態の乾燥システム100では、原料投入部110によって第1乾燥炉210に未乾燥の褐炭が導入され、第1乾燥炉210において、褐炭に含まれる自由水(相対的に蒸発し易い水)を気化させて除去し、第2乾燥炉310において、自由水が除去された褐炭に含まれる結合水(相対的に蒸発し難い水)を気化させて除去し、冷却部410において、第2乾燥炉310で乾燥された褐炭を冷却する。
以下、原料投入部110、第1乾燥炉210、第2乾燥炉310、冷却部410、制御部510の具体的な構成について説明する。
(原料投入部110)
原料投入部110は、ホッパ112と、連通管114とを含んで構成される。ホッパ112は、褐炭を一時的に貯留する。連通管114は、ホッパ112と、後述する第1乾燥炉210の第1収容部212を接続する配管であり、連通管114には、ロータリーバルブ116が設けられている。本実施形態において、ホッパ112は、第1収容部212の上方に設けられているため、ロータリーバルブ116を開制御することによって、ホッパ112に貯留された褐炭は、自重で第1収容部212に投入されることとなる。
(第1乾燥炉210)
第1乾燥炉210は、第1収容部212(流動層炉)と、第1ガス供給部220(ガス供給部)と、第1伝熱部230と、気液分離部240と、接続管250と、バグフィルタ260と、熱交換器270と、過熱蒸気供給部280と、温度測定部290とを含んで構成される。第1収容部212は、原料投入部110によって導入された褐炭を収容する。
第1ガス供給部220は、風箱222と、風箱222に第1流動化ガス(例えば、水蒸気)を送り込むブロワ224とを含んで構成され、第1収容部212の底面から第1流動化ガスを供給する。
風箱222は、第1収容部212の下方に設けられ、乾燥システム100を運転する際には、風箱222を通じて第1収容部212の底面から当該第1収容部212内に第1流動化ガスが供給されることとなる。具体的に説明すると、風箱222の上部は、第1収容部212の底面としても機能し、通気可能である分散板222aで形成されている。分散板222aは、例えば、褐炭(褐炭の粒子のうち最小の粒径の粒子)の粒径よりも小さい径の開孔が複数設けられた板や、褐炭の粒径よりも小さい径の開孔が設けられたノズルを設置した板で構成される。
ブロワ224は、後述する制御部510によって決定された流速、例えば、第1収容部212内で褐炭の流動層を安定して形成できる流速で第1流動化ガスを風箱222に送り込む。
なお、本実施形態において、ブロワ224は、後述するブロワ252とともに、第1収容部212において褐炭が加熱されて自由水が気化したことで生じる水蒸気(例えば、103℃の水蒸気。以下、「自由水由来の水蒸気」と称する)を回収して、後述するバグフィルタ260で除塵したものを、加圧(圧縮)して第1流動化ガスとして風箱222に送り込む。
こうして、第1ガス供給部220によって第1収容部212に供給された第1流動化ガスは、第1収容部212内で褐炭を流動させて、流動層を形成するとともに、第1流動化ガスを褐炭と接触させることで褐炭に含まれる自由水の一部を気化させる。なお、第1収容部212に供給される第1流動化ガスは、自由水を効率よく蒸発させる温度(例えば、120℃)に調整される。
第1伝熱部230は、例えば、熱媒体が流通する配管で構成され、第1収容部212の内部に配される。第1伝熱部230は、熱媒体の流通過程において、熱媒体が有する熱で褐炭を加熱する。本実施形態では、後述する過熱蒸気供給部280によって熱交換器270に供給され、熱交換器270によって除熱された水蒸気が、第1伝熱部230に供給される。なお、第1伝熱部230に供給される水蒸気(熱媒体)は、褐炭の自由水を効率よく蒸発させる温度(例えば、120℃)および流量に調整される。
第1伝熱部230を備える構成により、第1収容部212内において、熱媒体と、第1流動化ガスとの間で熱交換が行われ、上方に移動する第1流動化ガスをさらに加熱することができる。したがって、第1流動化ガスによる褐炭の乾燥(自由水の気化)がより促進されることとなる。
また、第1伝熱部230(第1伝熱部230を構成する管の外面)において、熱媒体と第1流動化ガスとで熱交換がなされると、熱媒体の一部が第1伝熱部230内で凝縮することとなる。そこで、気液分離部240を設けておき、気液分離部240によって、第1伝熱部230から送出された熱媒体を気液分離する。こうして、分離された、凝縮した熱媒体(液体の水)は、外部(例えば、過熱蒸気供給部280の効率を向上させるためのコンデンサの凝縮器)に送出されることとなる。
このように、第1乾燥炉210では、第1収容部212に未乾燥の褐炭が導入され、第1ガス供給部220および第1伝熱部230によって褐炭が加熱され、褐炭から自由水が気化されて除去される。一方、褐炭の流れについて説明すると、原料投入部110によって、第1収容部212に未乾燥の褐炭が導入されると、導入された褐炭の体積分、流動層の体積が増加する。そうすると、自由水が除去された褐炭が第1収容部212の出口からオーバーフローして(排出されて)、第1収容部212と第2乾燥炉310の第2収容部312とを連通する配管を通じて第2収容部312に導入されることとなる。
また、第1乾燥炉210において気化された自由水(103℃程度の水蒸気)は、接続管250を通じて、バグフィルタ260に導入されることとなる。バグフィルタ260は、第1乾燥炉210から排出されたガス(水蒸気)を濾過(除塵)する。
また、接続管250には、接続管250内を通過するガスを加熱する熱交換器270が設けられており、蒸気タービンで構成される過熱蒸気供給部280によって、熱交換器270に過熱蒸気が供給される。熱交換器270を備える構成により、第1乾燥炉210から排出された水蒸気の凝縮を抑制することができる。したがって、バグフィルタ260への水(液体)の付着を抑制することができ、バグフィルタ260の除塵効率を維持することが可能となる。
こうして、過熱蒸気供給部280によって熱交換器270に供給された過熱蒸気は、熱交換器270によって接続管250内を通過するガスを加熱することで除熱された後、第1伝熱部230に導入されることとなる。
また、過熱蒸気供給部280は、接続管250における、熱交換器270による加熱箇所より下流の位置、かつ、バグフィルタ260との接続箇所より上流の位置に形成された導入口を通じて、バグフィルタ260に過熱蒸気を供給する。また、バグフィルタ260の下流側にはバグフィルタ260から排気されるガスの温度を測定する温度測定部290が設けられている。過熱蒸気供給部280による接続管250内への過熱蒸気の供給処理、および、温度測定部290については、後に詳述する。
こうして、バグフィルタ260によって、濾過されたガス(水蒸気)は、ブロワ252、224によって風箱222に再度送り込まれたり、ブロワ252、332によって後述する第2乾燥炉310の第2伝熱部330に供給されたり、ブロワ252によって外部に排出されたりすることとなる。なお、ブロワ252とブロワ332とを接続する配管と、ブロワ252と大気開放端とを接続する配管には、ダンパ254a、254bが設けられており、ダンパ254a、254bの開度を調整することで、風箱222や第2伝熱部330に供給されるガスの流量が調整される。
(第2乾燥炉310)
第2乾燥炉310は、第2収容部312と、第2ガス供給部320と、第2伝熱部330と、気液分離部340と、バグフィルタ360とを含んで構成される。第2収容部312は、第1乾燥炉210によって自由水が除去された褐炭を収容する。
第2ガス供給部320は、第1乾燥炉210を構成する第1ガス供給部220と同様に、風箱322と、風箱322に第2流動化ガスを送り込むブロワ324とを含んで構成され、第2収容部312の底面から第2流動化ガスを供給する。
風箱322は、第2収容部312の下方に設けられ、乾燥システム100を運転する際には、風箱322を通じて第2収容部312の底面から当該第2収容部312内に第2流動化ガスが供給されることとなる。具体的に説明すると、風箱322の上部は、第2収容部312の底面としても機能し、通気可能である分散板322aで形成されている。分散板322aは、例えば、褐炭(褐炭の粒子のうち最小の粒径の粒子)の粒径よりも小さい径の開孔が複数設けられた板や、褐炭の粒径よりも小さい径の開孔が設けられたノズルを設置した板で構成される。
ブロワ324は、制御部510によって決定された流速、例えば、第2収容部312内で褐炭の流動層を安定して形成できる流速で第2流動化ガス(例えば、水蒸気や空気)を風箱322に送り込む。
こうして、第2ガス供給部320によって第2収容部312に供給された第2流動化ガスは、第2収容部312内で褐炭を流動させて、流動層を形成するとともに、第2流動化ガスを褐炭と接触させることで褐炭に含まれる結合水の一部を気化させる。なお、第2収容部312に供給される第2流動化ガスは、結合水を効率よく蒸発させる温度(例えば、115℃)に調整される。
第2伝熱部330は、第1乾燥炉210を構成する第1伝熱部230と同様に、例えば、熱媒体が流通する配管で構成され、第2収容部312内に配される。第2伝熱部330は、熱媒体の流通過程において、熱媒体が有する熱で褐炭を加熱する。本実施形態では、ブロワ252、332によって、バグフィルタ260で除塵された自由水由来の水蒸気が、加圧(圧縮)されて(例えば、200℃程度の水蒸気となり)、熱媒体として第2伝熱部330に供給される。
第2伝熱部330を備える構成により、第2収容部312内において、熱媒体と、第2流動化ガスとの間で熱交換が行われ、上方に移動する第2流動化ガスをさらに加熱することができる。したがって、第2流動化ガスによる褐炭の乾燥(結合水の気化)がより促進されることとなる。
また、第2伝熱部330(第2伝熱部330を構成する管の外面)において、熱媒体と第2流動化ガスとで熱交換がなされると、熱媒体の一部が第2伝熱部330内で凝縮することとなる。そこで、気液分離部340を設けておき、気液分離部340によって、第2伝熱部330から送出された熱媒体を気液分離する。こうして、分離された、凝縮した熱媒体(液体の水)は、外部に送出されることとなる。
このように、第2乾燥炉310では、第1乾燥炉210において自由水が除去された褐炭が第2収容部312に導入され、第2ガス供給部320および第2伝熱部330によって褐炭が加熱され、褐炭から結合水が気化されて除去される。一方、褐炭の流れについて説明すると、第1乾燥炉210から第2収容部312に自由水が除去された褐炭が導入されると、導入された褐炭の体積分、流動層の体積が増加する。そうすると、結合水が除去された褐炭(流動層)が第2収容部312の出口からオーバーフローして、第2収容部312と冷却部410の第3収容部412とを連通する配管を通じて第3収容部412に導入されることとなる。
また、第2乾燥炉310において気化された結合水(115℃程度の水蒸気)は、バグフィルタ360で除塵された後、ブロワ362によって外部に排気されることとなる。
(冷却部410)
冷却部410は、第3収容部412と、冷却ガス供給部420とを含んで構成される。第3収容部412は、第2乾燥炉310によって結合水が除去された褐炭を収容する。冷却ガス供給部420は、第1ガス供給部220、第2ガス供給部320と同様に、風箱422と、風箱422に冷却ガス(例えば、空気)を送り込むブロワ424とを含んで構成される。風箱422は、第3収容部412の下方に設けられ、乾燥システム100を運転する際には、風箱422を通じて第3収容部412の底面から当該第3収容部412内に冷却ガスが供給されることとなる。
具体的に説明すると、風箱422の上部は、第3収容部412の底面としても機能し、通気可能である分散板422aで形成されている。分散板422aは、例えば、褐炭の粒径よりも小さい径の開孔が複数設けられた板や、褐炭の粒径よりも小さい径の開孔が設けられたノズルを設置した板で構成される。
冷却部410を備える構成により、自由水および結合水が除去された褐炭を冷却(例えば、50℃程度まで)することができる。こうして冷却された褐炭は、後段の褐炭利用設備に送出されることとなる。
また、冷却部410から排気されたガスは、バグフィルタ360で除塵された後、外部に排気されることとなる。
以上説明したように、本実施形態にかかる乾燥システム100では、第1乾燥炉210において褐炭を水蒸気で乾燥させる。ここで、通常運転(定格運転)に至った後は、第1収容部212を始め、第1乾燥炉210を構成する機能部が適温に維持されているため、自由水由来の水蒸気が凝縮することはない。しかし、通常運転に至っていない、すなわち、乾燥システム100を起動する際には、第1収容部212や、接続管250、バグフィルタ260等が常温(例えば、25℃)であるため、第1ガス供給部220によって供給された水蒸気が、第1収容部212、接続管250、バグフィルタ260で冷却され、凝縮してバグフィルタ260に混入してしまう。
そこで、乾燥システム100の起動時には、第1流動化ガスとして窒素を供給し、第1乾燥炉210が適温に到達したら、第1流動化ガスを水蒸気に切り換えることも考えられる。しかし、この構成では、コストが莫大となるという問題がある。
そこで、過熱蒸気供給部280は、乾燥システム100の起動時に、接続管250を通じて、熱容量が大きい過熱蒸気をバグフィルタ260に供給する。これにより、接続管250、バグフィルタ260の温度を水の凝縮温度より高くすることができ、接続管250、バグフィルタ260で水蒸気が凝縮してしまう事態を回避することが可能となる。したがって、バグフィルタ260への水(液体)の付着を防止することが可能となり、バグフィルタ260の除塵効率の低下を抑制することができる。
以下、起動時における過熱蒸気供給部280による接続管250を通じたバグフィルタ260への過熱蒸気の供給処理について詳述する。
制御部510は、CPU(中央処理装置)を含む半導体集積回路で構成され、ROMからCPU自体を動作させるためのプログラムやパラメータ等を読み出し、ワークエリアとしてのRAMや他の電子回路と協働して、過熱蒸気供給部280による接続管250への過熱蒸気の供給量を制御する。
図2は、乾燥システム100の起動方法の処理の流れを示すフローチャートである。なお、初期状態において、原料投入部110は、褐炭の投入を停止しており、第1収容部212、第2収容部312、第3収容部412内には、褐炭は収容されていない(空である)。
(ステップS110:ガス供給工程)
制御部510は、第1ガス供給部220(ブロワ224)を制御して、不図示の第1流動化ガス供給源から風箱222に水蒸気(第1流動化ガス)を供給する。
(ステップS120:過熱蒸気供給工程)
制御部510は、過熱蒸気供給部280と接続管250とを接続する配管に設けられたバルブ282の開度を調整して、接続管250に過熱蒸気を供給する。そうすると、第1流動化ガスに過熱蒸気が加えられて、バグフィルタ260に供給されることとなる。これにより、バグフィルタ260で第1流動化ガスおよび過熱蒸気を濾過することとなり、バグフィルタ260が暖機される。したがって、バグフィルタ260への水(液体)の付着を抑制することができる。また、制御部510は、過熱蒸気供給部280から熱交換器270への過熱蒸気の供給を開始する。
(ステップS130:停止条件判定工程)
制御部510は、予め定められた停止条件を満たしたかを判定する。具体的に説明すると、制御部510は、温度測定部290が測定したガスの温度(バグフィルタ260から排出されたガスの温度)が予め定められた温度閾値に到達したか(温度閾値以上であるか)を判定する。その結果、温度閾値に到達したと判定した場合にはステップS140に処理を移し、温度閾値に到達していないと判定した場合には当該停止条件判定工程を繰りかえす。ここで、温度閾値は、過熱蒸気の供給を停止してもバグフィルタ260に水(液体)が付着しない程度の温度(例えば、105℃)である。
(ステップS140:過熱蒸気供給停止工程)
制御部510は、バルブ282を閉弁して、過熱蒸気供給部280から接続管250(バグフィルタ260)への過熱蒸気の供給を停止する。これにより、過熱蒸気の不要な消費を低減することができる。
(ステップS150:ガス供給量増加工程)
制御部510は、第1ガス供給部220(ブロワ224)を制御して、上記ステップS120の過熱蒸気供給工程において供給していた過熱蒸気の供給量分、第1流動化ガスの供給量を増加させる。
こうして、乾燥システム100の起動処理が完了し、原料投入部110が褐炭の投入を開始して、通常運転(褐炭の乾燥)を開始する。
以上説明したように、本実施形態にかかる乾燥システム100および乾燥システム100の起動方法では、過熱蒸気供給部280が、接続管250を通じてバグフィルタ260に過熱蒸気を供給することにより、接続管250、バグフィルタ260で水蒸気が凝縮してしまう事態を回避することができ、バグフィルタ260への水(液体)の付着を防止することが可能となる。これにより、バグフィルタ260の除塵効率の低下を抑制することができる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、上記実施形態において、含水固形物として褐炭を例に挙げて説明した。しかし、乾燥システム100は、水を含んで構成されるものであれば、泥炭、亜炭、亜瀝青炭等の含水固体燃料や、他の含水固形物を乾燥させることができる。
また、上記実施形態において、過熱蒸気供給部280が乾燥システム100の起動時にのみ過熱蒸気をバグフィルタ260(接続管250)に供給する構成を例に挙げて説明した。しかし、過熱蒸気供給部280は、通常運転時においても過熱蒸気をバグフィルタ260(接続管250)に供給してもよい。この場合、熱交換器270を設けずともよい。
また、上記実施形態において、過熱蒸気供給部280によるバグフィルタ260(接続管250)への過熱蒸気の供給を停止する際の停止条件として、温度測定部290が測定した温度が、予め定められた温度閾値に到達することを例に挙げて説明した。しかし、停止条件は、所定の時間が経過することであってもよい。ここで、所定の時間は、過熱蒸気の供給を停止してもバグフィルタ260に水(液体)が付着しない程度の温度にバグフィルタ260が到達する時間である。この場合、温度測定部290を設けずともよい。
また、上記実施形態において、第1収容部212に褐炭が収容されていない状態で起動処理を遂行する構成を例に挙げて説明した。しかし、第1収容部212に褐炭が収容されている状態、または、原料投入部110による褐炭の投入とともに、起動処理を行ってもよい。
また、上記実施形態では、過熱蒸気供給部280による過熱蒸気の供給が停止されると、第1ガス供給部220は、過熱蒸気の供給量分、第1流動化ガスの供給量を増加させる構成を例に挙げて説明した。しかし、第1ガス供給部220は、過熱蒸気供給部280による過熱蒸気の供給が停止されても、第1流動化ガスの供給量を増加させずともよい。いずれにせよ、第1収容部212において褐炭の流動層が安定して形成される供給量で第1流動化ガスを供給すればよい。
また、上記実施形態において、過熱蒸気供給部280は、接続管250および熱交換器270に過熱蒸気を供給する構成を例に挙げて説明した。しかし、過熱蒸気供給部280は、接続管250(バグフィルタ260)にのみ過熱蒸気を供給してもよいし、他の箇所、例えば、第1収容部212や第2収容部312とバグフィルタ360とを接続する配管を通じて、バグフィルタ360に過熱蒸気を供給してもよい。これにより、バグフィルタ260のみならず、バグフィルタ360への水(液体)の付着を防止することができ、バグフィルタ360の除塵効率の低下を抑制することが可能となる。
また、上記実施形態において、乾燥システム100が2つの乾燥炉(第1乾燥炉210、第2乾燥炉310)を備える場合を例に挙げて説明した。しかし、乾燥システムは、乾燥炉を1つのみ備えるとしてもよい。
また、第1乾燥炉210、第2乾燥炉310、冷却部410は、それぞれ1つの収容部で構成されてもよいし、複数の収容部を含んで構成されてもよい。
本発明は、含水固形物の流動層を形成して含水固形物を乾燥させる乾燥システム、および、乾燥システムの起動方法に利用することができる。
100 乾燥システム
110 原料投入部
212 第1収容部(流動層炉)
220 第1ガス供給部(ガス供給部)
250 接続管
260 バグフィルタ
270 熱交換器
280 過熱蒸気供給部
290 温度測定部

Claims (6)

  1. 含水固形物の流動層を形成して該含水固形物を乾燥させる乾燥システムであって、
    前記含水固形物の流動層を形成可能な流動層炉と、
    前記流動層炉に前記含水固形物を投入する原料投入部と、
    前記流動層炉の底面からガスを供給するガス供給部と、
    前記流動層炉から排出されたガスを濾過するバグフィルタと、
    前記流動層炉と、前記バグフィルタとを接続する接続管と、
    前記接続管を通じて前記バグフィルタに過熱蒸気を供給し、予め定められた停止条件を満たすと、前記過熱蒸気の供給を停止する過熱蒸気供給部と、
    を備え
    前記過熱蒸気供給部によって前記過熱蒸気の供給が停止されると、前記ガス供給部は、前記過熱蒸気の供給量分、前記ガスの供給量を増加させることを特徴とする乾燥システム。
  2. 前記バグフィルタから排出されたガスの温度を測定する温度測定部を備え、
    前記停止条件は、前記温度測定部が測定した温度が、予め定められた温度閾値に到達することであることを特徴とする請求項に記載の乾燥システム。
  3. 含水固形物の流動層を形成して該含水固形物を乾燥させる乾燥システムであって、
    前記含水固形物の流動層を形成可能な流動層炉と
    前記流動層炉の底面からガスを供給するガス供給部と、
    前記流動層炉から排出されたガスを濾過するバグフィルタと、
    前記流動層炉と、前記バグフィルタとを接続する接続管と、
    前記接続管を通じて前記バグフィルタに過熱蒸気を供給する過熱蒸気供給部と、
    前記過熱蒸気供給部によって前記過熱蒸気の供給が停止されると、前記流動層炉への前記含水固形物の投入を開始する原料投入部と、
    を備えたことを特徴とする乾燥システム。
  4. 前記接続管には、該接続管内を通過するガスを加熱する熱交換器が設けられ、
    前記過熱蒸気供給部は、前記接続管における、前記熱交換器による加熱箇所より下流の位置、かつ、前記バグフィルタとの接続箇所より上流の位置に形成された導入口を通じて、該バグフィルタに前記過熱蒸気を供給することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の乾燥システム。
  5. 流動層炉において含水固形物の流動層を形成して該含水固形物を乾燥させる乾燥システムの起動方法であって、
    前記流動層炉の底面からガスを供給し、
    前記流動層炉から排出されたガスに過熱蒸気を供給して、少なくとも該ガスを濾過するバグフィルタに供給し、
    予め定められた停止条件を満たすと前記過熱蒸気の供給を停止し、
    前記過熱蒸気の供給が停止されると、前記過熱蒸気の供給量分、前記ガスの供給量を増加させることを特徴とする乾燥システムの起動方法。
  6. 流動層炉において含水固形物の流動層を形成して該含水固形物を乾燥させる乾燥システムの起動方法であって、
    前記流動層炉の底面からガスを供給し、
    前記流動層炉から排出されたガスに過熱蒸気を供給して、少なくとも該ガスを濾過するバグフィルタに供給し、
    前記過熱蒸気の供給を停止し、
    前記過熱蒸気の供給が停止されると、前記流動層炉への前記含水固形物の投入を開始することを特徴とする乾燥システムの起動方法。
JP2016051878A 2016-03-16 2016-03-16 乾燥システム、および、乾燥システムの起動方法 Active JP6680012B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016051878A JP6680012B2 (ja) 2016-03-16 2016-03-16 乾燥システム、および、乾燥システムの起動方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016051878A JP6680012B2 (ja) 2016-03-16 2016-03-16 乾燥システム、および、乾燥システムの起動方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017166740A JP2017166740A (ja) 2017-09-21
JP6680012B2 true JP6680012B2 (ja) 2020-04-15

Family

ID=59912989

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016051878A Active JP6680012B2 (ja) 2016-03-16 2016-03-16 乾燥システム、および、乾燥システムの起動方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6680012B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN112393530B (zh) * 2020-11-17 2022-11-11 浙江工业大学 一种适用于颗粒粒径差距大且对产品湿含量均匀度要求高的物料的干燥工艺及设备

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4245395A (en) * 1974-10-02 1981-01-20 Monash University Fluidized bed drying
JP2554509B2 (ja) * 1987-10-05 1996-11-13 東京電力株式会社 高速流動層を備えた乾燥装置
JP3023081B2 (ja) * 1997-08-05 2000-03-21 川崎重工業株式会社 流動層装置
JP4003175B2 (ja) * 2002-09-12 2007-11-07 株式会社大川原製作所 高含水有機残渣の乾燥方法並びにその装置
JP5634099B2 (ja) * 2010-04-02 2014-12-03 三菱重工業株式会社 流動層乾燥設備
JP6063196B2 (ja) * 2012-10-02 2017-01-18 株式会社大川原製作所 乾燥・濃縮方法並びにその装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2017166740A (ja) 2017-09-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2010137591A1 (ja) 含水固体燃料の乾燥装置及び乾燥方法
CN102190415B (zh) 污泥干燥方法
JP5893974B2 (ja) 汚泥の乾燥システム
JP6680012B2 (ja) 乾燥システム、および、乾燥システムの起動方法
JP2005279331A (ja) 汚泥焼却設備および汚泥焼却方法
JP6613746B2 (ja) 乾燥システム
WO2016143430A1 (ja) 石炭改質プラントならびに改質石炭の製造方法
JP2010194382A (ja) 含水有機廃棄物の乾燥システム及び乾燥方法
JP6919473B2 (ja) 乾燥装置および乾燥方法
JP6686356B2 (ja) 乾燥システム、および、乾燥システムの起動方法
JP6515672B2 (ja) 乾燥システム
JP5574786B2 (ja) 湿潤材料乾燥装置
JP6686360B2 (ja) 乾燥システム、および、乾燥システムの起動方法
CN110997578A (zh) 有机性废弃物的处理装置和处理方法
JP6724381B2 (ja) 乾燥システム
JP6520543B2 (ja) 乾燥炉、および、乾燥炉の起動方法
JP6592953B2 (ja) 加熱ユニット、および、乾燥システム
JP5956210B2 (ja) 加圧流動炉システムの起動方法
JP6878840B2 (ja) 冷却装置
JP6878839B2 (ja) 冷却装置
JP2011163628A (ja) 湿潤材料乾燥装置及び方法
KR101093333B1 (ko) 유동상 소각로를 이용한 폐열 재활용 시스템
JP6880781B2 (ja) 乾燥システム
JP2023008248A (ja) 炭化物処理装置及び炭化物処理方法
JP7006114B2 (ja) 乾燥装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190125

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20191125

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20191217

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200203

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200218

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200302

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6680012

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151