以下に添付図面を参照しながら、本開示の一実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値等は、理解を容易とするための例示にすぎず、特に断る場合を除き、本開示を限定するものではない。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本開示に直接関係のない要素は図示を省略する。
図1は、乾燥装置100を説明する図である。なお、図1中、含水石炭の流れを破線の矢印で示し、排気ガスおよび水蒸気の流れを二点鎖線の矢印で示し、熱媒体の流れを実線の矢印で示す。含水石炭は、例えば、泥炭、亜炭、褐炭、亜瀝青炭等の水を含む石炭である。ここでは、乾燥装置100は、含水石炭を乾燥させる場合について説明する。ただし、乾燥装置100は、含水石炭以外の含水固形物(例えば、鉱物)の乾燥に用いられてもよい。
図1に示すように、乾燥装置100は、石炭供給機構210と、ガス供給機構220と、伝熱管240と、サイクロン250と、上方排出管260と、下方排出管270と、圧力センサ280とを含む。
石炭供給機構210は、第1ベルトコンベア210a、第2ベルトコンベア210b、第3ベルトコンベア210cを含む。第1ベルトコンベア210a、第2ベルトコンベア210b、第3ベルトコンベア210cは、それぞれ、無端状のベルトを有する。
第1ベルトコンベア210aは、大凡水平方向に延在し、上面に含水石炭が供給される。第2ベルトコンベア210bは、水平方向に傾斜して設けられる(図1では、説明の便宜上、第2ベルトコンベア210bが鉛直方向となっている)。第2ベルトコンベア210bの一端は、第1ベルトコンベア210aに連結される。第3ベルトコンベア210cは、第1ベルトコンベア210a(収容槽300)より高い位置に配され、大凡水平方向に延在する。第2ベルトコンベア210bの他端は、第3ベルトコンベア210cの一端に連結される。
第1ベルトコンベア210aに供給された含水石炭は、第2ベルトコンベア210bを介して第3ベルトコンベア210cに搬送される。第3ベルトコンベア210cの他端の鉛直下方には、石炭供給管212が設けられる。石炭供給管212には、供給弁214が設けられる。搬送された含水石炭は、第3ベルトコンベア210cの他端から石炭供給管212に落下する。供給弁214が開弁しているとき、石炭供給管212の含水石炭は、収容槽300に落下する(供給される)。
収容槽300は、石炭供給機構210から供給された含水石炭を収容する。収容槽300には、投入口302、上方排出口304、下方排出口306、排気口308、底面部310が形成される。
投入口302は、例えば、収容槽300の上面に形成される。投入口302は、石炭供給管212に接続される。石炭供給管212から落下した含水石炭は、投入口302から収容槽300の内部に供給される。
上方排出口304は、収容槽300のうち、後述する伝熱管240よりも高い位置であって、投入口302よりも低い位置に設けられる。下方排出口306は、収容槽300の底面部310に設けられる。排気口308は、収容槽300のうち、伝熱管240よりも高い位置であって、上方排出口304よりも高い位置に設けられる。底面部310は、収容槽300のうちの鉛直下側に形成される。
ガス供給機構220は、収容槽300の内部に下方から上方に向かって流動化ガスを供給する。具体的に、ガス供給機構220は、風箱222と、ブロワ224と、抵抗箱230とを含む。
風箱222は、収容槽300の下方に設けられる。風箱222の上部は、通気可能な分散板222aで形成されている。分散板222aは、例えば、含水石炭(含水石炭の粒子のうち最小の粒径の粒子)の粒径よりも小さい径の開孔が複数設けられた板で構成される。
ブロワ224には、後述する除塵装置252で除塵された流動化ガスが供給される。ブロワ224は、流動化ガスを風箱222に送出する。収容槽300の底面部310と、風箱222との間には、抵抗箱230が配される。詳しくは後述するが、抵抗箱230は、風箱222と収容槽300とを連通させる。
そのため、風箱222に送出された流動化ガスは、収容槽300に供給される。ブロワ224は、収容槽300内で含水石炭の流動層を形成させる流速で、流動化ガスを風箱222に送出する。こうして、ガス供給機構220によって収容槽300に供給された流動化ガスは、収容槽300内で含水石炭を流動させて、含水石炭の流動層を形成する。
伝熱管240は、熱媒体が流通する管で構成され、少なくとも一部が収容槽300内に配される。伝熱管240には、除塵装置252で除塵された流動化ガス(水蒸気)の一部が熱媒体として供給される。伝熱管240は、熱媒体の流通過程において、熱媒体が有する熱で含水石炭を加熱する。なお、伝熱管240に供給される熱媒体は、含水石炭を効率よく乾燥させる温度および流量に調整される。
サイクロン250は、排気口308を通じて収容槽300から排気された固気混合物(小粒子、および、流動化ガスを含む混合物)を固気分離する。除塵装置252は、サイクロン250から排気された流動化ガスを除塵する。除塵装置252によって除塵された流動化ガスは、上記のように、ブロワ224に供給される。
乾燥装置100では、ガス供給機構220によって収容槽300に供給された排気ガスが含水石炭と接触することにより、含水石炭を乾燥させる(含水石炭に含まれる水を気化させる)。なお、収容槽300に供給される排気ガスは、不図示の加熱器によって、含水石炭を効率よく乾燥させる温度に調整される。
また、収容槽300内において、伝熱管240内の熱媒体と、収容槽300内の流動化ガスとの間で熱交換が行われ、収容槽300内の流動化ガスが加熱される。したがって、流動化ガスによる含水石炭の乾燥をより促進することが可能となる。また、伝熱管240の外表面と含水石炭とが接触することにより、含水石炭と熱媒体との間で熱交換が行われ、含水石炭を乾燥させることができる。
このように、乾燥装置100では、収容槽300に未乾燥の含水石炭が導入され、ガス供給機構220および伝熱管240によって含水石炭が加熱され、含水石炭が乾燥される(含水石炭から水が気化されて除去される)。また、収容槽300に未乾燥の含水石炭が導入されると、導入された含水石炭の体積分、流動層の体積が増加する。そうすると、乾燥された含水石炭(以下、乾燥石炭という)が上方排出口304からオーバーフローして、収容槽300から排出される。
上方排出口304には、上方排出管260の一端が接続される。上方排出管260には、上方排出バルブ262が設けられる。上方排出バルブ262によって、上方排出管260が開閉される。
上方排出管260の他端側には、第4ベルトコンベア264が配される。第4ベルトコンベア264は、無端状のベルトを有する。第4ベルトコンベア264は、大凡水平方向に延在し、上面に上方排出管260の他端が対向する。上方排出管260を流通した乾燥石炭は、第4ベルトコンベア264の上面に落下する。また、サイクロン250および除塵装置252において、固気混合物(流動化ガス)から分離(除去)された粒子(乾燥石炭)も、第4ベルトコンベア264の上面に供給される。第4ベルトコンベア264は、上面の乾燥石炭を乾燥装置100の外部に搬送する。
図2は、収容槽300、風箱222、抵抗箱230を説明するための図である。図2に示すように、収容槽300の底面部310は、収容槽300の内面の一部である。底面部310は、平面部312およびテーパ面314を含む。平面部312は、大凡水平方向に延在する平面であり、収容槽300の内面のうち、最も低い位置にある。下方排出口306は、平面部312に開口する。下方排出口306には、下方排出管270(図1では、下方排出口306、下方排出管270を簡略化して示す)の一端が接続される。
テーパ面314は、下方排出口306から連続して形成され、下方排出口306から離隔するほど高くなる傾斜面である。テーパ面314の傾斜角αは、例えば、含水石炭の安息角より大きい。ただし、傾斜角αは、0よりも大きければ、安息角以下であってもよい。ここで、安息角は、例えば、含水石炭の粒径分布、石炭種、水分量などによって特定され、50度などである。すなわち、テーパ面314は、下方排出口306に向かって下降する傾斜面である。テーパ面314が傾斜していることから、テーパ面314には、低位部316および高位部318が含まれるといえる。低位部316は、下方排出口306より鉛直方向の位置が高く、高位部318は、低位部316より鉛直方向の位置が高い。
ここでは、テーパ面314が下方排出口306から連続する場合について説明した。ただし、テーパ面314は、下方排出口306から離隔していていもよい。また、低位部316および高位部318の配置は、図2に示す位置に限らない。少なくとも、高位部318が、低位部316よりも高い位置に配されればよい。
風箱222の上面の分散板222aは、例えば、水平方向に延在し、一部が収容槽300の平面部312を形成する。分散板222aとテーパ面314との間には、下方排出口306から離隔するほど大きくなる隙間が形成される。分散板222aとテーパ面314との隙間に、抵抗箱230が位置する。
抵抗箱230の底面は、分散板222aによって形成される。抵抗箱230の上面は、収容槽300のテーパ面314となっている。すなわち、収容槽300に配された仕切板320によって、収容槽300の内部が仕切られて、抵抗箱230が形成される。仕切板320の上面がテーパ面314となる。仕切板320は、分散板222aと同様、例えば、含水石炭(含水石炭の粒子のうち最小の粒径の粒子)の粒径よりも小さい径の開孔が複数設けられた板で構成される。分散板222aおよび仕切板320は、例えば、パンチングメタル、エキスパンドメタルなどで構成される。
抵抗箱230の内部には、抵抗物が収容される。抵抗物は、例えば、含水石炭に類似する性状の固体粒子である。抵抗物の粒径や比重は、例えば、含水石炭と大凡等しい。特に、抵抗物の粒径については、例えば、含水石炭のうち、底面部310近傍に滞留する粒子の粒径に近い。また、抵抗物は、熱的に安定である。ただし、抵抗物は、粒径や比重が含水石炭と異なっていてもよく、例えば、珪砂、ガラスビーズであってもよい。
風箱222に導入された流動化ガスの一部は、分散板222aを通って平面部312から収容槽300に流入する。また、残りの流動化ガスは、分散板222aを通って、抵抗箱230に流入し、仕切板320を通ってテーパ面314から収容槽300に流入する。
このとき、抵抗箱230では、抵抗物が流動化ガスの流れの抵抗となる。その結果、テーパ面314から収容槽300に流入する流動化ガスの圧力には、高さによって差異が生じる。具体的に、高位部318では、下方の抵抗物の層が厚いことから、抵抗物の抵抗によって圧力が低下した流動化ガスが噴出する。低位部316では、下方の抵抗物の層が薄いことから、流動化ガスは、高位部318ほど圧力が低下しないまま噴出する。言い換えれば、ガス供給機構220は、高位部318よりも高圧の流動化ガスを低位部316から収容槽300に供給する。
テーパ面314のうち、高位部318の上方の流動層は、低位部316の上方の流動層よりも薄い。そのため、高位部318および低位部316から均一の圧力で流動化ガスが噴出すると、流動層内部で流動状態にばらつきが生じてしまう。上記のように、抵抗物が収容された抵抗箱230を介在させ、高位部318および低位部316から噴出する流動化ガスの圧力を調整することで、流動層内部の流動状態のバラつきを抑制することが可能となる。
また、収容槽300において流動層が形成されるとき、含水石炭中の比較的大きい大粒子Aは、収容槽300の底面部310に堆積してしまう。乾燥装置100では、底面部310にテーパ面314が設けられることから、堆積した大粒子Aは、テーパ面314から下方排出口306に向かって移動し、下方排出口306から排出される。そのため、大粒子Aの堆積量が抑制される。
このように、乾燥装置100では、収容槽300の底面部310への含水石炭の堆積がテーパ面314によって抑制可能である。しかも、テーパ面314が形成されていても、噴出する流動化ガスの圧力が調整され、流動層内部の流動状態のバラつきが抑制可能である。
図1に戻って、下方排出管270には、下方排出バルブ272が設けられる。下方排出バルブ272によって下方排出管270が開閉される。下方排出管270の他端側には、第5ベルトコンベア274が配される。第5ベルトコンベア274は、無端状のベルトを有する。第5ベルトコンベア274は、大凡水平方向に延在し、上面に下方排出管270の他端が対向する。下方排出管270を流通した大粒子Aは、第5ベルトコンベア274の上面に落下する。
下方排出管270には、水分計276が設けられる。水分計276は、下方排出管270を流通する大粒子Aに含まれる水分量を計測する。すなわち、第5ベルトコンベア274に落下する大粒子Aの水分量が、水分計276によって計測される。
第5ベルトコンベア274の一端は、第1ベルトコンベア210aの鉛直上方に位置する。第5ベルトコンベア274の他端は、第4ベルトコンベア264の鉛直上方に位置する。第5ベルトコンベア274の回転方向は、矢印B、および、矢印Cのいずれの方向にも切換可能である。
第5ベルトコンベア274が矢印Bの方向に回転すると、第5ベルトコンベア274の上面に落下した大粒子Aは、第1ベルトコンベア210aの上面に搬送される。大粒子Aは、第1ベルトコンベア210aの上面に供給された含水石炭とともに、再び、収容槽300に供給される。
第5ベルトコンベア274が矢印Cの方向に回転すると、第5ベルトコンベア274の上面に落下した大粒子Aは、第4ベルトコンベア264の上面に搬送される。大粒子Aは、第4ベルトコンベア264の上面に供給された乾燥石炭とともに、乾燥装置100の外部に搬送される。
図3は、制御装置290の機能ブロック図である。制御装置290は、CPU(中央処理装置)を含む半導体集積回路で構成される。制御装置290は、ROMからCPU自体を動作させるためのプログラムやパラメータ等を読み出す。制御装置290は、ワークエリアとしてのRAMや他の電子回路と協働して、乾燥装置100全体を管理および制御する。
また、制御装置290は、図3に示すように、風量制御部292、バルブ制御部294、切換部296として機能する。風量制御部292は、ブロワ224を制御し、流動化ガスの流量を制御する。バルブ制御部294は、供給弁214、上方排出バルブ262、および、下方排出バルブ272の開度を制御する。
具体的に、バルブ制御部294は、圧力センサ280の出力値に基づいて、下方排出バルブ272の開閉を制御する。圧力センサ280で検出される流動層の圧力は、層高に応じて高くなる。そして、乾燥石炭が上方排出口304からオーバーフローする層高となった状態では、流動層の圧力は、底面部310の大粒子Aの堆積量に応じて高くなる。
そこで、バルブ制御部294は、圧力センサ280の出力値が圧力閾値以上であると、大粒子Aの堆積量が多くなったとして、下方排出バルブ272を開弁させる。ここで、圧力閾値は、大粒子Aの堆積量が許容限界となったときの圧力センサ280の出力値として、予め設定される。下方排出バルブ272が開弁すると、堆積した大粒子Aが下方排出管270から排出される。
切換部296は、水分計276の出力値に基づいて、第5ベルトコンベア274の回転方向を制御する。具体的に、切換部296は、水分計276の出力値が水分閾値以上であると、大粒子Aの乾燥が不十分であるとして、第5ベルトコンベア274を矢印Bの方向に回転させる。大粒子Aは、上記のように、再び収容槽300に供給されて乾燥する。
切換部296は、水分計276の出力値が水分閾値未満であると、大粒子Aの乾燥が十分であるとして、第5ベルトコンベア274を矢印Cの方向に回転させる。大粒子Aは、上記のように、乾燥石炭と共に乾燥装置100の外部に搬送される。ここで、水分閾値は、乾燥石炭として許容される限界の水分量として、予め設定される。
図4は、第1変形例を説明するための図である。図4に示すように、第1変形例では、底面部410には、テーパ面314の代わりに、段差面414が形成される。段差面414には、低位部416および高位部418が含まれる。低位部416は、下方排出口306より鉛直方向の位置が高く、高位部418は、低位部416より鉛直方向の位置が高い。低位部416および高位部418の配置は、図4に示す位置に限らない。少なくとも、高位部418が、低位部416より高い位置に配されればよい。
図5は、第2変形例を説明するための図である。図5では、大粒子Aの図示を省略する。図5に示すように、第2変形例では、底面部510には、ガス供給機構520として、散気管526が設けられる。散気管526は、例えば、ノズル状であって、鉛直方向に立設される。散気管526は、風箱522に連通し、風箱522の流動化ガスを収容槽300に噴出する。
また、抵抗箱230が設けられず、風箱522の上面がテーパ面514となっている。テーパ面514には、低位部516および高位部518が含まれる。低位部516は、下方排出口306より鉛直方向の位置が高く、高位部518は、低位部516より鉛直方向の位置が高い。低位部516および高位部518の配置は、図5に示す位置に限らない。少なくとも、高位部518が、低位部516より高い位置に配されればよい。
風箱522の内部は、仕切板522bによって水平方向に複数(図5に示す一例では、3つ)に分割される。分割された風箱522の内部空間X、Y、Zには、それぞれ、流動化ガスが供給される。内部空間X、内部空間Y、内部空間Zの順に、供給される流動化ガスの圧力が大きくなる。
高位部518の散気管526は、内部空間Xに連通し、低位部516の散気管526は、内部空間Zに連通する。そのため、低位部516の散気管526から噴出する流動化ガスの圧力は、高位部518の散気管526から噴出する流動化ガスの圧力よりも大きい。言い換えれば、ガス供給機構520は、高位部518よりも高圧の流動化ガスを低位部516から収容槽300に供給する。
図6は、第3変形例を説明するための図である。図6では、大粒子Aの図示を省略する。図6に示すように、第3変形例では、第1変形例と同様、底面部610には、テーパ面314の代わりに、段差面614が形成される。段差面614には、低位部616および高位部618が含まれる。低位部616は、下方排出口306より鉛直方向の位置が高く、高位部618は、低位部316より鉛直方向の位置が高い。低位部616および高位部618の配置は、図6に示す位置に限らない。少なくとも、高位部618が、低位部616より高い位置に配されればよい。
また、第3変形例では、第2変形例と同様、底面部610には、ガス供給機構620として、散気管626が設けられる。散気管626は、例えば、ノズル状であって、鉛直方向に立設される。散気管626は、風箱622に連通し、風箱622の流動化ガスを収容槽300に噴出する。風箱622の内部は、仕切板622bによって複数(図6に示す一例では、3つ)に分割される。分割された風箱622の内部空間X、Y、Zには、それぞれ、流動化ガスが供給される。内部空間X、内部空間Y、内部空間Zの順に、供給される流動化ガスの圧力が大きくなる。
高位部618の散気管626は、内部空間Xに連通し、低位部616の散気管626は、内部空間Zに連通する。そのため、低位部616の散気管626から噴出する流動化ガスの圧力は、高位部618の散気管626から噴出する流動化ガスの圧力よりも大きい。言い換えれば、ガス供給機構620は、高位部618よりも高圧の流動化ガスを低位部616から収容槽300に供給する。
第1~第3変形例においても、上述した実施形態と同様、含水石炭の堆積が抑制可能であり、かつ、噴出する流動化ガスの圧力が調整され、流動層内部の流動状態のバラつきが抑制可能である。
また、上述した実施形態および第1変形例では、抵抗物が収容された抵抗箱230を設けることで、簡易な構成で、噴出する流動化ガスの圧力調整が可能となる。
また、上述した実施形態および第2変形例では、底面部310、510にテーパ面314、514が形成されるため、堆積する大粒子Aが下方排出口306に導かれ易い。
以上、添付図面を参照しながら実施形態について説明したが、本開示はかかる実施形態に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、上述した実施形態および変形例では、平面部312が設けられる場合について説明した。ただし、平面部312は、必須の構成ではない。
また、上述した実施形態および変形例では、流動化ガスとして水蒸気が収容槽300内に供給される構成を例に挙げて説明した。これにより、乾燥装置100は、燃焼(酸化)させることなく、低コストで含水石炭を乾燥させることができる。しかし、流動化ガスの種類に限定はない。例えば、流動化ガスとして燃焼排ガスや窒素を供給してもよい。
また、上述した実施形態および変形例では、ガス供給機構220、520、620は、収容槽300から排気された流動化ガスを、再び収容槽300内に供給する構成を例に挙げて説明した。換言すれば、ガス供給機構220、520、620が収容槽300に排気ガスを循環させる構成を例に挙げて説明した。これにより、含水石炭の乾燥に要する水蒸気のコストを削減することが可能となる。しかし、ガス供給機構220、520、620は、流動化ガスを収容槽300に供給すればよい。例えば、ガス供給機構220、520、620は、蒸気タービンやボイラから排気された水蒸気を収容槽300に供給してもよい。
また、上述した実施形態および変形例では、低位部316、416、516、616は、下方排出口306と高位部318、418、518、618との間に位置する場合について説明した。ただし、低位部316、416、516、616と、高位部318、418、518、618との間に、下方排出口306が位置してもよい。この場合であっても、例えば、高位部318、418、518、618および低位部316、416、516、616それぞれが、下方排出口306に近接するほど下方に傾斜するテーパ面となっていれば、含水石炭の堆積が抑制される。