JP5039270B2 - 形状と構造を制御した雲母系粉体、及びその製造方法 - Google Patents

形状と構造を制御した雲母系粉体、及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、形状又は構造を制御した粒状物質及びその製造方法に関するものであり、例えば、セリサイトの板状又は麟片状粉体の、形状や構造を制御して、高機能を付与した、新規な、複合構造粉体、多孔性粉体、顆粒体、多孔性顆粒体、複合構造顆粒体等の粒状物質及びその製造方法に関するものである。更に詳しくは、本発明は、高機能の粉体を製造する技術分野において、原料物質を溶解又は分散した液状物質の液滴を、液滴径を制御しながら温度コントロール場へ輸送し、液滴中の分散媒体の乾燥が液滴周囲から起こる物理現象を利用する液滴プロセスにおいて、「分散媒体に対する原料物質の溶解度≦分散媒体に対する添加物質溶解度」を満たす添加物質を、原料物質と共に分散媒体に添加することにより、従来の、粉体処理の技術分野では、達成することが極めて困難であった、新規な形状や構造又は物性を有する高機能の粉体を製造することを可能とするものである。また、本発明は、粉体の形状又は構造の制御を容易にし、汎用性のある粉体特性を持つ粉体を、生産性良く、しかも、低コストで工業化することを可能とするものである。本発明は、従来、化粧品、薬剤、固体潤滑剤、塗料、絶縁性・耐熱性フィラー等として使用されていた、セリサイト等の高機能性の粒状物質を応用する技術分野を、更に拡大するものであって、新技術、新製品の開発、新産業の創出の大きな推進力ともなるものとして有用である。
粘土鉱物を原料とした板状又は麟片状の粉体、特に、セリサイト(絹雲母、白雲母)と呼ばれる雲母系粉体は、粉体形状に起因する高い流動性(滑り感)と、高い透明性とを併せ持つ高性能粉体であり、例えば、化粧品用基材等として人気が高い。しかし、この材料には、セリサイト原料自身の枯渇等の問題があり、単純な基材としての利用ではなく、基礎特性の高度化、新機能の発現、新用途の開発等が求められていた(特許文献1)。
しかし、天然鉱物である雲母系粉体は、合成材料に比べ、人為的な操作を加え難く、或いは経済的に不利である等の理由から、粉体の形状や構造の制御や粉体操作が単純であることが多い。中でも、組成が、SiO 60.0%以下、Al 30.0%以上、KO 6.0%以上、平均粒子径が15ミクロン以下の、高流動性で高透明性の高性能セリサイト粉体については、化粧品用基材としての利用が殆どであるが、こうした高性能粉体であるほど、原料自身の枯渇等の問題は大きいにも関わらず、粉体の形状や構造の特別な制御や粉体操作による高性能化は行われてこなかった。
カオリンやタルク等を含めた粘土鉱物に対象を広げ、その粉体の形状や構造を制御する方法に関する現在の技術についても、事情は同様であって、複数の粒状物質の均一な分布状態に起因した単純な制御等が主で、人為的な制御因子が極めて限られている。例えば、タルクとアクリル樹脂の複合化粧品粉体(特許文献2)や、ケラチンと顔料の複合粉体(特許文献3)、低純度セリサイト顆粒体の乾式成形利用(特許文献4)等、複数の粒状物質の均一分散や、粒状物質同士に粒径差を設ける等、自然に生ずる静電気力差を利用した単純な複合化等に限られている。
一方、材料を限定せずに、粉体の形状や構造を制御して高機能化を達成する製法の面から検討した場合、エマルション法がある。エマルション法は、粘土鉱物を原料とした粉体、中でも、板状又は麟片状の粉体を適用した化粧品や薬剤分野においても、比較的多く見受けられる方法であり、例えば、マイクロカプセル製造法、チタニア被覆による紫外線遮蔽等が、粉体の形状や構造の制御に関する代表的な液相法である。その製造原理は、水相と油相の反発に起因する構成成分の均一分散と、界面活性剤を利用した複合化とを利用するものである。しかし、この種の方法は、典型的なバッチプロセス、即ち、非連続的な複数工程を必須とする製法であり、生産性や工業化、コストの点で不利である他、現在の技術では一般化された原理が無く、対象材料によって、組成や粉体特性、調製方法を模索する必要がある、等の問題がある(非特許文献1)。
対象材料組成や、粉体表面の親水性・新油性による制限を受け難い、粉体の形状や構造の制御法に、固相法の一種の機械的複合化法がある。中でも、反対方向に回転する複数の楕円形状・粉砕媒体間の剪断を利用する方法は、機械的複合化法の中でも剪断力が比較的小さめで、化粧品や薬剤を破壊せずに複合化が可能であり(特許文献3)、例えば、酵母からの酵素の放出特性を制御することが検討されている(非特許文献2)。しかし、この種の方法も、典型的なバッチプロセスであり、生産性や工業化、コストの点で不利である他、特別の設備投資が必須であるから、現時点ではあまり普及していないようである。
量産性や連続生産性を考慮して、粉体の形状や構造の制御に関する製法を検討すると、気相合成法(気相法)が相対的に優れている。中でも、噴霧乾燥法、噴霧熱分解法、凍結乾燥法、超臨界法等、“噴霧法”を中心とする「液滴プロセス」は、乳糖や吸入製剤の工業化に成功している代表的な気相法である。図1に、その基本的な原理及び機構を示す。この方法は、原料物質を溶解又は分散した液状物質を、回転円盤や2流体ノズル、超音波等で、数〜数10ミクロンの液滴状にして、この液滴を、温度コントロール場、例えば、電気炉や火炎等の高温場、凍結乾燥等の低温場があり、溶媒の性質で選択される、へと輸送して、液滴中の溶媒の乾燥が、液滴の周囲から起こる物理現象(図1、符号13)を利用することで、中実粉体(図1、符号18)、多孔性粉体又は中空粉体(図1、符号19)、凝集粉体、顆粒体、複合粉体等を、製造する方法である(非特許文献3)。
しかし、現在の液滴プロセスは、液相法に比べて、比較的高速な乾燥過程によって、原料物質を液状物質中に溶解又は分散させた均一な分布状態をそのまま保ち、できるだけ短時間に固化することで複数の粒状物質の均一な分布状態を作る、という点に主眼が置かれている。例えば、中実粉体(図1、符号18)や凝集粉体、顆粒体、複合粉体の場合、ケラチンと顔料の複合粉体(特許文献3)や、乳糖とアルギン酸ナトリウムの複合粉体(非特許文献4)、吸入製剤粉体の顆粒体(非特許文献5)等、が報告されており、これらの技術としての新規性は、複数の粒状物質の均一な分布状態に起因していることが多い。従って、現在の液滴プロセスは、雲母系粉体や粘土鉱物粉体を原料として、エマルション法と同様に、粉体の形状や構造を多様且つ高制御に調整した新規な粉体、例えば、複合構造の粉体、多孔性粉体、顆粒体、又はマイクロカプセル等、を製造するためには、対象材料ごとに、組成や粉体特性、調製方法を模索する必要がある等の問題点を持っている。
液滴プロセスの多孔性粉体又は中空粉体(図1、符号19)の場合も同様で、複数の粒状物質の均一な分布状態に起因した単純な制御等が主である。多孔性粉体又は中空粉体は、液滴の熱処理温度又は液滴の移動速度等の、液滴プロセスの操作条件の調節や、ガラス系フィラーで代表的な発泡成分添加又は芯材の焼失や酸溶解除去による「バブルプロセス」で製造される。図2に、その基本的な原理と機構を示す。この方法には、主に、無機物系等の発泡成分を添加したガラス系材料と同様の、電気炉中のバッチ処理による製法(特許文献6)、発泡成分添加を液滴プロセスと組み合わせた気相中の連続的な製法(特許文献7)、アゾ系物質等、無機物よりも低沸点の分解開始温度を持つ有機物を発泡成分とした製法(特許文献8)、ガソリン等の可燃性液状物質を溶媒又は分散媒とし、溶媒からの発泡を利用した気相中の連続的な製法(特許文献9)、芯材を焼失したり、酸で溶解除去する方法(特許文献10)等が報告されている。だが、これらの従来技術は、言わば、無差別にガス状物質をばらまく「じゅうたん爆撃」方式のため、かなりの確率で「誤爆(副生成物)」が発生し、ガス状物質の液滴内部での「爆発(発泡)」は、確率的に期待するしかなかった。そのため、多孔性又は中空構造の均一性と、高制御性を達成する問題点は本質的には解決せず、また、液滴径分布にも幅があるため、気孔率や孔径が不均一で、ほぼ確実に破裂粒子が発生する等(図2、符号19)、多くの問題が未解決であった。
即ち、既往の粘土鉱物を原料とした、板状又は麟片状の粉体の形状や構造の制御に関して、材料及び上記の主たる三種の製法の面から現状を俯瞰すると、(1)セリサイト(絹雲母や白雲母)と呼ばれる雲母系粉体や粘土鉱物粉体、例えばカオリン、タルク等は、複数の粒状物質の均一な分布状態に起因した単純な制御が主で、形状や構造の制御性が困難であり、(2)エマルション法等の液相法は、形状や構造の制御性は満足されるが、材料組成や粉体特性の汎用性、生産性や工業化、コストに問題があり、(3)機械的複合化法等の固相法は、材料組成や粉体特性の汎用性は満足されるが、生産性や工業化、コストに問題があり、(4)液滴プロセス(噴霧法等)やバブルプロセス等の気相法は、連続生産性は満足されるが、材料組成や粉体特性の汎用性に乏しく、形状や構造の制御性が不十分、となる。
従って、[A]雲母粉体や粘土鉱物粉体、特に、組成が、SiO 60.0%以下、Al 30.0%以上、KO 6.0%以上、及び平均粒子径が15ミクロン以下の、高流動性で高透明性のセリサイト粉体、[B]形状や構造を制御したセリサイト粉体、即ち複合構造粉体、多孔性粉体、顆粒体、多孔性顆粒体、複合構造顆粒体等、の、[A]と[B]両方を同時に満たすことは、不可能であった。
本発明者らは、上記の状況を踏まえ、種々検討を重ねる中で、従来の、粉体の形状や構造を制御する技術は、粘土鉱物という天然材料に適した個別技術基盤の蓄積不足と、固相・液相・気相の各製法や、薄膜技術等の異種技術基盤との分野横断的な適用例不足、の二点に問題点があることに着目した。例えば、紫外線遮蔽に多用されるチタン系材料は、水に安定に溶ける材料種が少ないことを主原因として、溶液中で合成されたチタニア粉体と粘土鉱物粉体との粒径差で自然に生ずる静電気力差を利用した複合化に限定されてきた(特許文献3)。しかし、これは既往の検討が、経験則に基づく知見の蓄積で得られた成果であったため、現象の「本質的な限定要素」が明確化されていないのが、こうした問題点を克服できない理由であって、工業技術としての限界ではないことが推定される。
特開2000−169122号公報 特開2001−10929号公報 特開2002−68929号公報 特開平6−180506号公報 特開平6−226130号公報 特開平8−91821号公報 特開2001−123011号公報 特開平11−279313号公報 特開平11−116211号公報 特開2001−229733号公報 通阪栄一、神谷典穂、後藤雅宏、ドラッグデリバリーのためのエマルション製剤、化学工業、Vol.67、p.696−698(2003) 清水雅子、松山達、山本英夫、谷本友秀、楕円ローター型粉砕機を用いた菌体破砕と細胞内成分の放出制御、粉体工学会誌、Vol.34,p.666−671(1997) I.W.Lenggoro,T.Hata,F.Iskandar,M.M.Lunden,K.Okuyama,An Experimental and Modeling Investigation of Particle Production by Spray Pyrolysis Using A Laminar Flow Aerosol Reactor,J.Mater.Res.,Vol.15,p.733−743(2000) H.Takeuchi,T.Yasuji,T.Hino,H.Yamamoto,Y.Kawashima,Spray−dried Composite Particles of Lactose & Sodium Alginate for Direct Tabletting & Controlled Releasing,Inter.J.Pharmaceutics,Vol.174,p.91−100(1998) A.Edwards,J.Hanes,G.Caponetti,J.Hrkach,A.Ben−Jebria,M.Eskew,J.Mintzes,D.Deaver,N.Lotan,R.Langer,Large Porous Particles for Pulmonary Drug Delivery,Science,276,1868−1871(1997) 垣花眞人、環境調和機能を持つチタン化合物、現代科学、No.3,p.25−32(2000)
このような状況の中で、本発明者らは、上記状況に鑑みて、上記従来技術の有する諸問題を、抜本的に解決することを可能とする、新しい技術を開発することを目標として鋭意研究を積み重ねた結果、セリサイト等の原料物質を、溶解又は分散した液状物質の液滴を、液滴径を制御して温度コントロール場へ輸送し、液滴中の分散媒体の乾燥が液滴周囲から起こる物理現象を利用する液滴プロセスにおいて、「分散媒体に対するセリサイト等の溶解度≦分散媒体に対する添加物質の溶解度」を満たす添加物質を、セリサイト粉体等と共に分散媒体に添加することにより、従来のセリサイト等の粒状物では不可能であった、形状や構造を制御した新規な粉体を製造することが可能なことを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の目的は、従来のセリサイト粉体等、及びその製造方法が持つ欠点を克服した新規な粒状物質、及びその製造方法を提供することである。
また、本発明の目的は、セリサイト等の粒状物質の形状又は構造を制御して、新たな高機能粒状物質とすることである。
また、本発明の目的は、セリサイト等の粒状物質を、その形状及び構造を制御して、複合構造粉体、多孔性粉体、顆粒体、多孔性顆粒体、複合構造顆粒体等とすることである。
また、本発明の目的は、粘度鉱物等の天然材料に適した、個別技術と、固相・液相・気相の各製法や、薄膜技術等の異種技術を組み合わせた、新規な技術によって、セリサイト等の粒状物質の形状又は構造を制御する技術を提供することである。
また、本発明の目的は、粒状物質の形状又は構造を制御して、汎用性のある特性を有する粒状物質を、工業的に、低価格で製造する技術を提供することである。
また、本発明の目的は、[A]雲母粉体や粘土鉱物粉体、特に、組成が、SiO 60.0%以下、Al 30.0%以上、KO 6.0%以上、及び平均粒子径が15ミクロン以下の、高流動性で高透明性のセリサイト粉体に、[B]複合構造粉体、多孔性粉体、顆粒体、多孔性顆粒体、複合構造顆粒体等の形状又は構造を付与し、[A]と[B]両方を同時に達成した新規な高機能の粒状物質を提供することである。
上記の課題を解決するための、本発明は、以下の技術的手段から構成される。
(1)セリサイト、含水ケイ酸アルミニウムカリウム、層状ケイ酸塩、雲母、又は粘土鉱物であって、以下の理化学的性質:
(1)組成が、SiO 60.0%以下、Al 30.0%以上、KO 6.0%以上、
(2)平均粒子径が15ミクロン以下、
を有する物質、或いは分解してアルミニウム酸化物を生成する物質、から選択される粒状物質原料と、該粒状物質原料から形成される粒状物質の形状又は構造を制御するための添加物質とを用いて、
1)分散媒体に溶解又は分散した液状物質の液滴を、温度コントロール場へ輸送し、液滴の内部は液状物質状態で周囲から溶質が析出する液滴プロセスにおいて、粒状物質原料及び添加物質の分散媒体に対する溶解度が、粒状物質原料の溶解度≦添加物質の溶解度である関係を保持した状態で、分散媒体中に溶解又は分散して混合物質とする工程、
2)この混合物質を0.01〜1000ミクロンの液滴状物質にする工程、
及び3)液滴状物質に−200〜2000℃の範囲の熱処理温度を与える工程によって、
a)当該粒状物質表面が上記添加物質で膜状態に被覆化、b)当該粒状物質表面が上記添加物質で平均径10〜30nmの粒状態に被覆化、c)当該粒状物質表面が上記添加物質で短径10〜30nm長径100nmの針状態に被覆化、又はd)当該粒状物質あるいは当該粒状物質び上記添加物質が平均径43〜63ミクロンで中実及び/又は中空顆粒化、の何れかの状態で複合化又は顆粒化されている粒状物質を製造することを特徴とする形状又は構造が制御された粒状物質の製造方法。
(2)形状又は構造が制御された粒状物質が、少なくとも二以上の物質から形成された、複合構造体、多孔体、顆粒体、凝集体、又は中空体である、上記(1)に記載された形状又は構造が制御された粒状物質の製造方法。
(3)形状又は構造が制御された粒状物質が、粒状物質の表面に、添加物質が、粒状、棒状、膜状、又は多孔状に、付着又は被覆された複合構造体である、上記(1)又は(2)に記載された形状又は構造が制御された粒状物質の製造方法。
(4)形状又は構造が制御された粒状物質が、外周部と内部で、密度差又は充填量差を有する、上記(1)から(3)のいずれかに記載された形状又は構造が制御された粒状物質の製造方法。
(5)添加物質が、粒状物質、固形状物質、液状物質、又はガス状物質である、上記(1)から(4)のいずれかに記載された形状又は構造が制御された粒状物質の製造方法。
(6)添加物質が、金属、チタン系化合物、ホウ素系化合物、亜鉛系化合物、アルミニウム系化合物、アルコール、ゴム、樹脂、界面活性剤、バインダー、加熱により分解してガス状物質を発生する物質、又は粘土鉱物系の板状粉体である、上記(1)から(5)のいずれかに記載された形状又は構造が制御された粒状物質の製造方法。
(7)分散媒体が、水系、有機系又は可燃性の液状物質である、上記(1)から(6)のいずれかに記載された形状又は構造が制御された粒状物質の製造方法。
(8)上記(1)から(7)のいずれかに記載の方法によって、セリサイト、含水ケイ酸アルミニウムカリウム、層状ケイ酸塩、雲母、又は粘土鉱物で、以下の理化学的性質:(1)組成が、SiO 60.0%以下、Al 30.0%以上、KO 6.0%以上、(2)平均粒子径が15ミクロン以下、を有する物質、或いは分解してアルミニウム酸化物を生成する物質、から選択される粒状物質原料と、該粒状物質原料から形成される粒状物質の形状又は構造を制御するための添加物質とから作製された粒状物質からなる原料粉体であって、
a)当該粒状物質表面が上記添加物質で膜状態に被覆化、b)当該粒状物質表面が上記添加物質で平均径10〜30nmの粒状態に被覆化、c)当該粒状物質表面が上記添加物質で短径10〜30nm長径100nmの針状態に被覆化、又はd)当該粒状物質あるいは当該粒状物質び上記添加物質が平均径43〜63ミクロンで中実及び/又は中空顆粒化、の何れかの状態で複合化又は顆粒化されていることで形状又は構造が制御されていることを特徴とする、化粧品、工業用フィラー、薬剤、成形体又は焼結体用原料粉体。
次に、本発明について更に詳細に説明する。
本発明者らは、セリサイト等の粉体の材料特性と、液滴プロセスとを化学工学的に再検討した。その結果、少なくとも組成が、SiO 60.0%以下、Al 30.0%以上、KO 6.0%以上、及び平均粒子径が15ミクロン以下の、高流動性で高透明性の高性能セリサイト粉体について、その形状又は構造を制御するには、各種制御因子がある中でも、特に、分散媒体に対する溶解度が、影響度と経済性の点からみて最も効果的であることを系統的研究から明らかにした。しかも、分散媒体に対する溶解度は、セリサイト粉体のみの形状や構造を制御するに留まらず、セリサイト粉体の存在下において共存する、異種材料の形状や構造を制御することも可能である。例えば、セリサイトに紫外線遮蔽機能を付与する場合に多用されるチタン系材料との複合化は、水に安定に溶ける材料種が少ないことを主原因として、溶液中で合成されたチタニア粉体と、セリサイト粉体との粒径差で自然に生ずる静電気力差を利用した複合化、に限定されてきたが、「分散媒体に対するセリサイト溶解度≦分散媒体に対するチタン系材料溶解度」を満たすように、例えば、親水錯体化技術(非特許文献6)を併用することで、粒状、棒状、膜状又は多孔状のごとく、任意に、形状や構造に制御して、付着、被覆又は結合することが可能であることもわかった。更に、この製造機構は、原理的に、組成が、SiO 60.0%以下、Al 30.0%以上、KO 6.0%以上、及び平均粒子径が15ミクロン以下の、高流動性で高透明性の高性能セリサイト粉体だけに限定されるものではなく、含水ケイ酸アルミニウムカリウムや層状ケイ酸塩、又は雲母系粉体や粘土鉱物全般でも、この製造機構を駆動し得る可能性に着目した。
本発明者らは、以上の着想を実現すべく鋭意検討した結果、具体的には、(1)組成が、SiO 60.0%以下、Al 30.0%以上、KO 6.0%以上、及び平均粒子径が15ミクロン以下の、セリサイト又は含水ケイ酸アルミニウムカリウム、層状ケイ酸塩、雲母又は粘土鉱物から成る粒状物質、又は、分解してアルミニウム酸化物を生成する物質からなる粒状物質原料において、(2)当該物質と、当該物質の形状又は構造を制御するための添加物質とを、分散媒体中に溶解又は分散して、混合物質を製造する、(3)混合物質を0.01〜1000ミクロンの液滴状物質にする、(4)液滴状物質を−200〜2000℃の範囲の熱処理温度を与える装置に移動させる、及び(5)分散媒体に対する当該物質の溶解度≦分散媒体に対する添加物質の溶解度の条件を満たす、以上の五点の制御因子を同時に、連続的に、又は断続的に組み合わせることで、本発明を具現化した。
本発明において、セリサイトとは、絹雲母や白雲母、金雲母と総称される雲母族系粘土鉱物の野外名を示し、熱水の活動、変成岩中の作用、堆積岩の変性作用による生成等を成因とし、真珠光沢と滑性とを有することを特徴とする物質を示す。その中で、組成が、SiO 60.0%以下、Al 30.0%以上、KO 6.0%以上、及び平均粒子径が15ミクロン以下の、セリサイト又は含水ケイ酸アルミニウムカリウム又は層状ケイ酸塩を、好適とするが、組成が、SiO 60.0%以下、Al 30.0%以上、KO 6.0%以上、Fe 1.2%以下、平均粒子径が15ミクロン以下、白色度が90以上のものであってもよいし、珪酸等のシリコン酸化物とアルミナ等のアルミニウム酸化物を主成分とする層状結晶構造を有する酸化物であれば、微量成分量が異なる物質でもよい。また、雲母及び粘土鉱物は、シリコン酸化物とアルミニウム酸化物を主成分とする層状結晶構造を有する酸化物を示し、特に制限は無い。更に、溶解度に関しても何等制限されるものではなく、上記組成を有する物質であれば、非水溶性の雲母系粉体であっても、任意の溶媒に対する易溶性の物質であっても、特に問題ではない。
本発明において、分散媒体とは、水系又は有機系又は可燃性の液状物質であり、イオン交換水や蒸留水等の水系液状物質、エタノール等の有機非水系液状物質の他、ガソリンやトルエン、ベンゼン等の可燃性液状物質を示す。原料のセリサイト等の粒状物質と添加物質とをイオン状態に溶解、又は粒状やコロイド状に分散させた溶液、又はスラリー等が例示されるが、特に制限されるものではない。
本発明において、添加物質は、セリサイト等の粉体の形状又は構造を制御するための粒状物質は、液状物質又はガス状物質であり、「分散媒体に対するセリサイト溶解度≦分散媒体に対する添加物質の溶解度」の条件を満たすことを必須条件とするが、それ以外には、特に制限はない。添加物質には、例えば、物質の状態(固体、液体又は気体等)、材質(金属、高分子、酸化物又は非酸化物等)、大きさ、添加量等についての制限は無く、金、銀、銅、白金、鉄、チタン等の金属系、チタン系化合物、ホウ素系化合物、亜鉛系化合物等の各種機能付与・促進剤、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、アラビアゴム等の各種高分子添加剤、各種界面活性剤、各種バインダー、加熱により分解してガス状物質を発生する性質を有する、粒状物質、液状物質又はガス状物質(アゾ系物質等の発泡剤等)、セリサイトやセリサイト以外の粘土鉱物系の板状粉体自身、等が例示される。
本発明において、液滴プロセスとは、原料物質を溶解又は分散した液状物質の液滴を、液滴径を制御して温度コントロール場へ輸送し、液滴中の分散媒体の乾燥が液滴周囲から起こる物理現象を利用するものであればよく、噴霧乾燥法、噴霧熱分解法、ミスト熱分解法、超臨界法、凍結乾燥法、熱プラズマ法、気相反応法、等が例示されるが、特に制限されるものではない。
本発明において、液滴プロセスの液滴の製造方法は、回転円板方式、2流体式等のガスノズル方式等の各種噴霧法、超音波霧化法、静電噴霧法、等が例示される。
本発明において、バブルプロセスとは、原料物質を溶解又は分散した液状物質の液滴を、液滴径を制御して温度コントロール場へ輸送し、液滴中の分散媒体の乾燥が、液滴周囲から起こる物理現象を利用する液滴プロセスにおいて、加熱により分解し、ガス状物質を発生する性質を有する粒状物質又は液状物質を、溶解又は分散した液状物質を用意する工程を満たすものであればよく、無機物系等の発泡成分を添加したガラス系材料と同様の電気炉中でのバッチ処理による製法(特許文献3)、発泡成分添加を液滴プロセスと組み合わせた気相中の連続的な製法(特許文献4)、アゾ系物質等、無機物よりも低沸点の分解開始温度を持つ有機物を発泡成分とした製法(特許文献5)、ガソリン等の可燃性液状物質を溶媒又は分散媒とし、溶媒からの発泡を利用した気相中の連続的な製法(特許文献6)、芯材を焼失したり、酸で溶解除去する方法(特許文献7)、等が例示されるが、特に制限されるものではない。
本発明の要件を、バブルプロセスで具体化する場合に、想定される装置構成の一例を図3に例示した。水系や可燃性液体等の溶媒に、多孔性又は中空粉体の殻(壁)の構成成分(溶質1)と、加熱により分解し、ガス状物質を発生する性質を有する粒状物質又は液状物質である発泡成分(溶質2)を溶解する際、溶質1の沸点>加熱温度>溶媒の沸点≧溶質2の沸点、且つ、溶質1の溶解度≦溶質2の溶解度に設定する(「複数溶質の沸点と溶解度差プロセス(精密誘導爆撃プロセス)」)。これによって、「液滴プロセス」の噴霧(図3、符号12)→乾燥(図3、符号13)→析出(図3、符号14)→結晶化(図3、符号15)工程の各過程で、低温から加熱温度域に液滴が導入され(図3、符号13)、液滴から溶媒が蒸発し、液滴の内部は液状物質状態で周囲から溶質が析出(図3、符号17)する際、溶解度の低い傾向を持つ溶質1が、溶質2より先に析出する傾向を持つ。この時、溶質2は液滴の内部で、液状物質状態を保持している。更に液滴が加熱部を進行し、更に溶媒が蒸発して溶質2が析出すると、その時の温度は溶質2の沸点以上なので、溶質2は分解しガス状物質を発生する。この結果、溶質2の発泡は液滴内部に限定され(図3、符号35)、「バブルプロセス(図2、符号24)」のように、無差別にガス状物質がばらまかれる「じゅうたん爆撃」方式ではないので、かなりの確率で「誤爆(副生成物)」が発生するようなことはない。
本発明において、液滴の搬送方法は、不活性ガス等のガス状物質の気流で液滴を搬送する方法を好適とするが、液滴加熱部に液滴の損失を少なくして搬送できる方法であれば、任意の方法でよい。
本発明において、温度コントロール場、又は、同時、連続的又は断続的に温度制御機能を付与可能な装置とは、石英、アルミナ、耐熱鋼等の反応管や反応壁を設け、雰囲気制御や、発生熱エネルギーの効率的利用が可能な密閉構造を好適とするが、反応に問題が無ければ自由空間でも良い。また反応駆動力としては、原料の自励的な反応が経済性の点で最も望ましいが、反応促進と短時間化の目的で、気相析出反応(CVD)法で多用される、電気炉加熱等の外部加熱法や、プラズマ、アーク、火炎(但し「火炎」とは、完全燃焼であり、水蒸気(HO)と二酸化炭素(CO)に完全に分解される現象をいう)、高還元比の部分燃焼(但し「還元比」とは、水蒸気+二酸化炭素と、水素(H)+一酸化炭素(CO)との比)、氷や液体窒素、超臨界状態の二酸化炭素、等を利用又は併用することを妨げるものではない。
本発明において製造された、形状又は構造が制御された粒状物質、及び粒状物質を利用した成形体や焼結体の使用分野は、化粧品材料を好適とするが、更に、半導体素子の保護・絶縁などを目的としたパッケージング(封止)材料、絶縁材料、電極・導電材料、電気粘性流体、化学機械研磨用スラリー、射出成形や鋳込み成形などのセラミック成形プロセス原料、基板材料、セラミック電子材料、セラミック構造材料、充填剤や嵩増剤等の各種フィラー系粉体、吸入療法用経肺薬剤、錠剤用薬剤粉体、等の材料系が例示される。
本発明により、(1)セリサイト等の粒状物質では実現が困難であった、粒状物質の形状や構造を制御することが可能である、(2)セリサイト等の粒状物質の形状又は構造を制御して、新たな高機能粒状物質とすることができる、(3)セリサイト等の粒状物質を、複合構造粉体、多孔性粉体、顆粒体、多孔性顆粒体、複合構造顆粒体等とすることができる、(4)粘度鉱物等の天然材料に適した、個別技術と、固相・液相・気相の各製法や、薄膜技術等の異種技術を組み合わせた、新規な技術によって、セリサイト等の粒状物質の形状又は構造を制御できる、新しい技術の提供が可能である、(5)粒状物質の形状又は構造を制御して、汎用性のある特性を有する粒状物質を、工業的に、低価格で製造する技術の提供が可能である、(6)[A]雲母粉体や粘土鉱物粉体、特に、組成が、SiO 60.0%以下、Al 30.0%以上、KO 6.0%以上、及び平均粒子径が15ミクロン以下の、高流動性で高透明性のセリサイト粉体に、[B]複合構造粉体、多孔性粉体、顆粒体、多孔性顆粒体、複合構造顆粒体等の形状又は構造を付与し、[A]と[B]両方を同時に達成した新規な粒状物質の提供が可能である、(7)基材の混合技術等の単純利用ではできなかった、基礎特性の高度化、新機能の発現、新用途の開発等を実現できる、(8)セリサイト原料自身の枯渇等の問題に対応できる、という格別の効果が奏される。
次に、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例によって何等制限されるものではない。
以下の実施例においては、本発明で対象とする粒状物質の代表的な酸化物系粉体として、セリサイト系物質(組成が、SiO 60.0%以下、Al 30.0%以上、KO 6.0%以上、及び平均粒子径が15ミクロン以下の層状ケイ酸塩)、又はアルミニウム化合物(硝酸アルミニウム)を用いた。
チタニア系化合物を膜状被覆したセリサイト複合粉体の製造
(1)製造方法
図1に基本的な原理と機構を、図4に製造フローチャートを示す。基材となるセリサイト(化粧品グレード、平均粒子径7〜12ミクロン、三信鉱工(株)製)に、添加物として水溶性チタニア系化合物(チタンペルオキソクエン酸アンモニウム)を用いて、5〜20重量%の比較的低濃度のスラリーを作製した。「液滴プロセス」には噴霧乾燥法を採用し、ヤマト科学(株)製パルビスミニスプレーGB−22型を用いた。乾燥温度は、200℃とし、反応器は、パイレックス(登録商標)ガラス反応管とした。
目的の粒状物質は、セリサイトの1次粒子表面を、膜状のチタニア系化合物が均一に被覆するように、即ち、液滴直径は、セリサイトの1次粒子を含むと同時に、可能な限り小さくするように、数10ミクロンとして、設計し、生成する粒径は数ミクロンとした。これに必要な噴霧工程として、圧縮空気を用いた二流体ノズル方式を採用した。生成した粒状物質は、液滴の搬送や発生したガス状物質の状態を乱し難い性能を有する、サイクロン捕集により回収した。
(2)結果
本実施例の生成物の走査型電子顕微鏡写真を観察したところ、セリサイトの1次粒子表面に、チタニア系化合物が均一に被覆されていることが分かった。図5には、ごく一部の副生成物である、セリサイトの1次粒子表面を被覆したチタニア系化合物が一部剥離した部分(図5―a)と、乾燥工程後にセリサイトの1次粒子表面を被覆したチタニア系化合物が一部未被覆となった部分(図5―b)とを示す。但し、図5は、被膜部分を明確に確認するために、特に剥離の生じた粒子を示したもので、大部分の粉体は均質な表面性状(被覆状態)を持っていた。これらの表面被覆層の剥離痕を確認することで、本実施例の、均質な被覆効果は、水性溶媒に不安定なチタン系化合物を親水性錯体化することにより、液滴プロセス過程での溶解度制御が有効に機能した結果であることが分かった。
チタニア系化合物を粒状被覆したセリサイト複合粉体の製造
(1)製造方法
実施例1と同様にして作製したスラリーを、攪拌しながら80〜90℃に加熱し、水溶性チタニア系化合物中のペルオキソチタン酸を、スラリー中でゲル化した。液滴プロセス及び粒状物質の回収は、実施例1と同様にして行った。
(2)結果
本実施例の生成物である、セリサイトの1次粒子表面に、均一に分散して付着した粒状チタニア系化合物(図6―a)と、粒状チタニア系化合物の粒子径及び粒子形状が確認できる拡大写真(図6―b)を走査型電子顕微鏡写真で示す。その結果、10〜30ナノメーターの粒状チタニア系化合物を、凝集させずに、均一に分散した状態で、セリサイトの1次粒子表面に被覆させることに成功した。
この微細で均一な分散効果は、セリサイト粉体と共にチタニア系化合物を分散媒体に添加するにあたり、セリサイト含有量が、5〜20重量%の比較的低濃度のスラリーを利用することで、ゲル化過程中の溶解度制御が有効に機能した結果である。
チタニア系化合物を針状被覆したセリサイト複合粉体の製造
(1)製造方法
実施例1と同様に、本実施例では20重量%以上の比較的高濃度のスラリーを作製し、実施例2と同様にしてゲル化した。液滴プロセス及び粒状物質の回収は、実施例1と同様にして行った。
(2)結果
本実施例の生成物の、セリサイトの1次粒子表面に均一に分散し付着した針状チタニア系化合物(図7―a)と、その針状チタニア系化合物の直径及び形状を確認する拡大写真(図7―b)との走査型電子顕微鏡写真を示す。その結果、短径10〜30ナノメーター、長径約100ナノメーターの針状チタニア系化合物を、凝集させずに、均一に分散した状態で、セリサイトの1次粒子表面に被覆させることができ、チタニア系化合物の、粉体形状の異方性制御に成功した。
この粉体形状の異方性制御効果は、セリサイト粉体と共に針状チタニア化合物を分散媒体に添加するにあたり、セリサイト含有量が20重量%以上の、比較的高濃度のスラリーを利用することで、ゲル化過程中の溶解度制御が有効に機能した結果である。
バインダーを含まないセリサイト顆粒体の製造
(1)製造方法
図1に、本実施例の基本的な原理と機構を、図4に、製造のフローチャートを示す。本実施例では微細なセリサイト(化粧品グレード、平均粒子径3〜4ミクロン、三信鉱工(株)製)を用い、40〜50重量%の高濃度スラリーを作製した。「液滴プロセス」には噴霧乾燥法を採用し、大川原化工機(株)製スプレードライヤーFOC―20型を用いた。反応器は、ステンレス反応管とした。乾燥温度は、200℃であった。目的粒状物質は、セリサイト製の数10ミクロンの球状顆粒体となるように、即ち、液滴直径は100ミクロン程度に、設計し、これに必要な噴霧工程として、噴霧用アトマイザを用いた回転円盤方式(毎分8000〜12000回転)を採用した。
本実施例では、比較的液滴径の大きな回転円盤方式としたことから、液滴の加熱は、電気炉等による外部加熱式ではなく、予め、200℃に加熱した圧縮空気を、液滴と同時に反応器内に噴霧する方式の内部加熱式とした。粒状物質の回収は、目的粒状物質の大きさ、回収効率を考慮して、サイクロン方式ではなく、反応管下部に設置した製品容器内に直接回収する方法とした。球状顆粒体の平均粒子径は、顆粒体の崩壊性を考慮し、走査型電子顕微鏡像の画像解析により円相当径等を求めた。
(2)結果
本実施例の生成物の、セリサイト球状顆粒体の全体像(図8―a)と、顆粒体表面のセリサイトの1次粒子の構造及び形状を確認する拡大写真(図8―b)の、走査型電子顕微鏡写真を示す。その結果、有機系化合物等の顆粒体の形状保持接合剤(バインダー)を使用せずに、平均径数10ミクロンの顆粒体径分布がシャープな球状顆粒体を作製することが可能であった。また、同時に、薬剤等のマイクロキャリアとして必要な、外部からの比較的弱い刺激に対して形状が崩れる「易崩壊性」を付与することに成功した。更には、円盤回転数により液滴径を制御することで、顆粒体径を制御することもできた。即ち、図9―aは、毎分8000回転で画像解析平均径63ミクロン、以下、毎分10000回転で47ミクロン(図9―b)、毎分12000回転で43ミクロン(図9―c)であった。
この顆粒体の形状及び大きさと、顆粒体強度(崩壊性)の制御効果は、本発明の、原料物質を溶解又は分散した液状物質の液滴を、液滴径を制御して温度コントロール場へ輸送し、液滴中の分散媒体の乾燥が液滴周囲から起こる物理現象を利用する液滴プロセスにおいて、「分散媒体に対するセリサイト溶解度≦分散媒体に対する添加物質溶解度」を満たす添加物質を、セリサイト粉体と共に分散媒体に添加し、原料物質サイズと液滴径を制御して、液滴プロセス過程での溶解度制御が有効に機能した結果である。
実施例4において、バインダー無しで良好な顆粒体作製が可能であったことは、特筆すべき結果である。この結果は、比較的微細なセリサイト粉体を用いたことが、有効に機能した結果と思料される。
アラビアゴム製バインダーを含有するセリサイト顆粒体の製造
(1)製造方法
本実施例では、顆粒体中に10〜20重量%のアラビアゴム製バインダーが存在するように設定した以外は、実施例4と同様にスラリーを作製した。「液滴プロセス」には噴霧乾燥法を採用し、ヤマト科学(株)製パルビスミニスプレーGB−22型を用いた。反応器は、パイレックス(登録商標)ガラス反応管とした。乾燥温度は、200℃に設定した。目的粒状物質は、セリサイト製の数10ミクロンの球状顆粒体となるように、即ち、液滴直径は100ミクロン程度に、設計した。これに必要な噴霧工程として、圧縮空気圧力を0.01〜0.1メガパスカルの範囲に調節した。粒状物質の回収はサイクロンで捕集し、得られた球状顆粒体の平均粒子径は、実施例4と同様に、走査型電子顕微鏡像の画像解析により円相当径等を求めた。
(2)結果
本実施例で、圧縮空気圧力0.01メガパスカルで円相当径30.2ミクロン(図10―a)、0.025メガパスカルで15.3ミクロン(図10―b)、0.05メガパスカルで15.2ミクロン(図10―c)、0.1メガパスカルで7.03ミクロン(図10―d)の粒子が生成し、その生成物の走査型電子顕微鏡写真を示した。但し、図10―c、dは微細なので、拡大写真を併せて示した。その結果、二流体ノズルの噴霧圧力により液滴径を制御することで、顆粒体径を制御することが可能であった。また、同時に、バインダー効果により、機能性フィラーや化粧品粉体等の製品を取り扱いする上で必要な、外部からの刺激に対して形状が崩れ難い、いわゆる「難崩壊性」を付与することに成功した。この顆粒体径と、顆粒体強度(崩壊性)の制御効果は、原料物質サイズと液滴径の制御、及び「分散媒体に対するセリサイト溶解度≦分散媒体に対する添加物質溶解度」を満たす添加物質としてアラビアゴム製バインダーを添加したことにより、液滴プロセス過程での溶解度制御が有効に機能した結果である。
実施例5において、従来、回転円盤方式では成功しなかった、30ミクロン以下の顆粒体製造に成功したことは、特筆すべき結果であり、これは、添加物質としてアラビアゴム製バインダーを添加したことが、有効に機能した結果と思料される。
アラビアゴム製バインダーを含有するセリサイト中空顆粒体の製造
(1)製造方法
本実施例では、10重量%の低濃度スラリーを作製し、顆粒体中に10重量%のアラビアゴム製バインダーが存在するように設定した以外は、実施例5と同様にスラリーを作製した。液滴プロセスは、圧縮空気圧力0.5メガパスカル、スラリー送り量毎分4.5ミリリッター、二流体ノズル径0.5ミリメーターとして、粒状物質の回収、球状顆粒体の平均粒子径の測定は、実施例5と同様にして行った。
(2)結果
本実施例の生成物の走査型電子顕微鏡写真を図11に示す。但し、図11は、中空部分を明確にするため、特に剥離の生じた粒子を示したもので、大部分の粉体は、均質な表面性状であり中空顆粒体構造を持っていた。この中空構造の顆粒体構造の制御効果は、添加物質を、セリサイト粉体と共に分散媒体に添加するにあたり、原料物質サイズ及び含有量の制御、液滴径の制御、及び「分散媒体に対するセリサイト溶解度≦分散媒体に対する添加物質溶解度」を満たす添加物質としてのアラビアゴム製バインダーの添加を、同時に制御したことにより、液滴プロセス過程での溶解度制御が有効に機能した結果である。
実施例6において、バブルプロセスで多用される発泡剤等の添加物質を使用せずに、数10ミクロンの均質な中空顆粒体製造に成功したことは、特筆すべき結果である。アラビアゴム製バインダーの添加を同時に制御したことが、有効に機能した結果と思料される。更に、実施例6の生成物は、実施例5と同様にバインダーを含んでいるため「難崩壊性」であり、カプセルでありながら、外部からの刺激に対し、ある程度高い安定性を有するという、格別の効果を奏することができる。
アルミニウム酸化物系多孔性粉体の製造
本発明の独自の手段は、原料物質を溶解又は分散した液状物質の液滴を、液滴径を制御して温度コントロール場へ輸送し、液滴中の分散媒体の乾燥が液滴周囲から起こる物理現象を利用する液滴プロセスにおいて、「分散媒体に対する当該粒状物質の溶解度≦分散媒体に対する添加物質の溶解度」を満たす添加物質を、当該粒状物質粉体と共に分散媒体に添加することであり、「粒状物質」の溶解度の絶対値については、特に制限はない、即ち、その値より大きな溶解度を有する添加物質を用いれば良い。そこで、水溶性の粒状物質をモデル物質として、本実施例を展開した。
(1)方法
本実施例の基本的な原理と機構を図3に、製造フローチャートを図12に示す。多孔性又は中空粉体の殻(壁)の構成成分である溶質1のモデル物質として、硝酸アルミニウム(Al(NO)を用いた。また、加熱により分解しガス状物質を発生する性質を有する粒状物質又は液状物質である発泡成分(溶質2)として、無機物よりも低沸点の分解開始温度を持つ有機物を主成分とし、固化性・飛散性・溶解度等を改善したアゾ系発泡剤(特許文献8)の中から、2,2’―アゾビスイソブチロニトリル(略称AIBN、化学式C12)を用いた。「液滴プロセス」には噴霧乾燥法を採用し、ヤマト科学(株)製パルビスミニスプレーGB−22型を用いた。溶質1と溶質2の沸点は、夫々、約100℃と約200℃であり、溶質1と溶質2の溶解度は、夫々、数10重量%(但し、溶質1は水20℃、溶質2はエタノール20℃、に対しての値である。)である。そこで、加熱温度は150℃に設定した。まず、溶質1のみの液状物質を調製した。溶媒として、室温の水50ミリリッターに、Al(NOを10グラム溶解し、1リッター当り0.5モルの溶液を作製した。次に、溶質2のみの液状物質を調製した。溶媒として室温のエタノールを用い、2重量%の溶液を作製した。そして、両溶液を混合し、AIBN/Al比10〜30重量%の混合溶液を調製した。反応器は、パイレックス(登録商標)ガラス反応管とし、反応温度は、200℃とした。目的粒状物質として、フィラー応用を考慮して、直径数ミクロン程度に設計した。そこで、液滴直径は、その約10倍の数10ミクロン程度とした。従って、必要な噴霧工程として、圧縮空気を用いた二流体ノズル方式を採用した。粒状物質の回収は、液滴の搬送や発生したガス状物質の状態を乱し難い特性を有する、サイクロン捕集で行った。
(比較例1)
アルミニウム酸化物系粉体の製造
(1)製造方法
比較例として、実施例7において、溶質1のみの液状物質を上記液滴プロセスに適用して、中実状の球状粉体を作製した。
(2)実施例7及び比較例1の結果
比較例1の、生成物の走査型電子顕微鏡写真を図13に、実施例7の生成物を図14、15に示す。比較例1の生成物は、中実で真球状粒状物であった。
一方、実施例7では、「複数溶質の沸点と溶解度差プロセス(精密誘導爆撃プロセス)」を適用して、AIBN/Al比10重量%の場合の、多孔性状の球状粉体(図14―aは粉体全体像、図14―bは多孔性部分の拡大写真)、及びAIBN/Al比30重量%の多孔性球状粉体(図15)を作製した。但し、図14、15は、多孔性部分を明確にするため、特に亀裂の生じた粒子を示したもので、大部分の粉体は均質な表面性状を持っていた。その結果、本実施例では、真球状のアルミナ系粒子が製造可能であり、図13(比較例1)と同様の外部形状(球形)を保持した状態で、気孔が均一分布した良質な多孔性粉体が得られた。また、同時に、発泡剤の添加量により、気孔率の制御に成功した。
この中空構造を有する顆粒体構造の制御効果は、溶質2の発泡が液滴内部に限定される「複数溶質の沸点と溶解度差プロセス」(図3、符号35)が成功した結果である。
以上説明したように、本発明は、形状と構造を制御して、高機能性を付与した雲母系粉体、及びその製造方法に係るものであり、本発明は、従来の粒状物質では実現が困難であった、形状や構造を制御した新規な粉体を製造可能とするものである。
本発明は、従来の粒状物質等が持つ欠点を克服した、新規で高機能の粒状物質、その製法、を提供し、複合構造粉体、多孔性粉体、顆粒体、多孔性顆粒体、複合構造顆粒体等の製造を可能とし、汎用性のある特性を有する粒状物質を、工業的に、低価格で製造する技術を提供するものである。
また、本発明は、粘度鉱物等の天然材料に適した、個別技術と、固相・液相・気相の各製法や、薄膜技術等の異種技術を組み合わせた、新規な技術によって、セリサイト等の粒状物質の形状又は構造を制御する技術を提供し、化粧品材料や、それ以外に、更に、半導体素子の保護・絶縁などを目的としたパッケージング材料、絶縁・導電材料、化学機械研磨用スラリー、セラミック成形プロセス原料、セラミック電子材料、セラミック構造材料、各種フィラー系粉体、吸入療法用経肺薬剤、錠剤用薬剤粉体等、へと、その利用分野を広げるとともに、新技術・新産業の創出を可能とするものとして有用である。
液滴プロセスの原理と機構の模式図を示す。 バブルプロセスの原理と機構の模式図を示す。 溶解度差を利用した改良バブルプロセス(「複数溶質の沸点と溶解度差プロセス」)の原理と機構の模式図を示す。 実施例1〜6の調製フローチャートである。 実施例1の、チタニア系化合物を膜状被覆したセリサイト複合粉体の走査型電子顕微鏡写真を示す。 実施例2の、チタニア系化合物を粒状被覆したセリサイト複合粉体の走査型電子顕微鏡写真を示す。 実施例3の、チタニア系化合物を針状被覆したセリサイト複合粉体の走査型電子顕微鏡写真を示す。 実施例4の、バインダーを含まないセリサイト顆粒体の走査型電子顕微鏡写真を示す。 実施例4の、バインダーを含まない粒径制御したセリサイト顆粒体の走査型電子顕微鏡写真を示す。 実施例5の、アラビアゴム製バインダーを含有するセリサイト顆粒体の走査型電子顕微鏡写真を示す。 実施例6の、アラビアゴム製バインダーを含有するセリサイト中空顆粒体の走査型電子顕微鏡写真を示す。 実施例7の、溶解度差を利用した改良バブルプロセスの調製フローチャートを示す。 比較例1の、アルミニウム系酸化物の中実粉体の走査型電子顕微鏡写真を示す。 実施例7の、小気孔率のアルミニウム酸化物系多孔性粉体の走査型電子顕微鏡写真を示す。 実施例7の、大気孔率のアルミニウム酸化物系多孔性粉体の走査型電子顕微鏡写真を示す。
符号の説明
10 液滴プロセス装置
11 原料溶液、又はコロイド液
12 噴霧工程
13 乾燥工程
14 析出工程
15 結晶化工程、
16 液滴
17 内部は液状物質状態で、その周囲から溶質が析出した液滴
18 乾燥速度を非常に遅くし、液滴の内部の気泡発生を抑制した場合の中実粉体及び顆粒体
19 気孔分布が不均一な多孔性粉体、又は中空粉体の壁の一部が破裂した中空粉体
20 バブルプロセス装置
21 溶媒が水ベースの溶液又はコロイド液
22 溶媒が可燃性液体ベースの溶液又はコロイド液
23 アゾ化合物等の発泡剤入りの溶液又はコロイド液
24 液状物質状態の液滴の内部“等”に発生した気泡
25 溶媒又は、発泡剤の沸点より高温に設定された電気炉
30 複数溶質の沸点と溶解度差プロセス
31 アゾ化合物等の発泡剤入りの溶液又はコロイド液
32 溶媒
33 溶質1(粉体の殻(壁)構成成分)
34 溶質2(発泡剤)
35 液状物質状態の液滴の内部“のみ”に発生した気泡
36 溶質2(又は溶媒)の沸点より高温に設定された電気炉
37 気孔分布が均一な多孔性粉体、又は壁の破裂のない中空粉体

Claims (8)

  1. セリサイト、含水ケイ酸アルミニウムカリウム、層状ケイ酸塩、雲母、又は粘土鉱物であって、以下の理化学的性質:
    (1)組成が、SiO 60.0%以下、Al 30.0%以上、KO 6.0%以上、
    (2)平均粒子径が15ミクロン以下、
    を有する物質、或いは分解してアルミニウム酸化物を生成する物質、から選択される粒状物質原料と、該粒状物質原料から形成される粒状物質の形状又は構造を制御するための添加物質とを用いて、
    1)分散媒体に溶解又は分散した液状物質の液滴を、温度コントロール場へ輸送し、液滴の内部は液状物質状態で周囲から溶質が析出する液滴プロセスにおいて、粒状物質原料及び添加物質の分散媒体に対する溶解度が、粒状物質原料の溶解度≦添加物質の溶解度である関係を保持した状態で、分散媒体中に溶解又は分散して混合物質とする工程、
    2)この混合物質を0.01〜1000ミクロンの液滴状物質にする工程、
    及び3)液滴状物質に−200〜2000℃の範囲の熱処理温度を与える工程によって、
    a)当該粒状物質表面が上記添加物質で膜状態に被覆化、b)当該粒状物質表面が上記添加物質で平均径10〜30nmの粒状態に被覆化、c)当該粒状物質表面が上記添加物質で短径10〜30nm長径100nmの針状態に被覆化、又はd)当該粒状物質あるいは当該粒状物質び上記添加物質が平均径43〜63ミクロンで中実及び/又は中空顆粒化、の何れかの状態で複合化又は顆粒化されている粒状物質を製造することを特徴とする形状又は構造が制御された粒状物質の製造方法。
  2. 形状又は構造が制御された粒状物質が、少なくとも二以上の物質から形成された、複合構造体、多孔体、顆粒体、凝集体、又は中空体である、請求項1に記載された形状又は構造が制御された粒状物質の製造方法。
  3. 形状又は構造が制御された粒状物質が、粒状物質の表面に、添加物質が、粒状、棒状、膜状、又は多孔状に、付着又は被覆された複合構造体である、請求項1又は2に記載された形状又は構造が制御された粒状物質の製造方法。
  4. 形状又は構造が制御された粒状物質が、外周部と内部で、密度差又は充填量差を有する、請求項1から3のいずれかに記載された形状又は構造が制御された粒状物質の製造方法。
  5. 添加物質が、粒状物質、固形状物質、液状物質、又はガス状物質である、請求項1から4のいずれかに記載された形状又は構造が制御された粒状物質の製造方法。
  6. 添加物質が、金属、チタン系化合物、ホウ素系化合物、亜鉛系化合物、アルミニウム系化合物、アルコール、ゴム、樹脂、界面活性剤、バインダー、加熱により分解してガス状物質を発生する物質、又は粘土鉱物系の板状粉体である、請求項1から5のいずれかに記載された形状又は構造が制御された粒状物質の製造方法。
  7. 分散媒体が、水系、有機系又は可燃性の液状物質である、請求項1から6のいずれかに記載された形状又は構造が制御された粒状物質の製造方法。
  8. 請求項1から7のいずれかに記載の方法によって、セリサイト、含水ケイ酸アルミニウムカリウム、層状ケイ酸塩、雲母、又は粘土鉱物で、以下の理化学的性質:(1)組成が、SiO 60.0%以下、Al 30.0%以上、KO 6.0%以上、(2)平均粒子径が15ミクロン以下、を有する物質、或いは分解してアルミニウム酸化物を生成する物質、から選択される粒状物質原料と、該粒状物質原料から形成される粒状物質の形状又は構造を制御するための添加物質とから作製された粒状物質からなる原料粉体であって、
    a)当該粒状物質表面が上記添加物質で膜状態に被覆化、b)当該粒状物質表面が上記添加物質で平均径10〜30nmの粒状態に被覆化、c)当該粒状物質表面が上記添加物質で短径10〜30nm長径100nmの針状態に被覆化、又はd)当該粒状物質あるいは当該粒状物質び上記添加物質が平均径43〜63ミクロンで中実及び/又は中空顆粒化、の何れかの状態で複合化又は顆粒化されていることで形状又は構造が制御されていることを特徴とする、化粧品、工業用フィラー、薬剤、成形体又は焼結体用原料粉体。
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