JP2001220135A - 塩基性塩化アルミニウム系複合粒子とその製造方法およびこれを用いたエアゾール型化粧料 - Google Patents

塩基性塩化アルミニウム系複合粒子とその製造方法およびこれを用いたエアゾール型化粧料

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JP2001220135A
JP2001220135A JP2000035242A JP2000035242A JP2001220135A JP 2001220135 A JP2001220135 A JP 2001220135A JP 2000035242 A JP2000035242 A JP 2000035242A JP 2000035242 A JP2000035242 A JP 2000035242A JP 2001220135 A JP2001220135 A JP 2001220135A
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particles
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JP2000035242A
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Tetsuya Nishi
哲也 西
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Sekisui Kasei Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Plastics Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 制汗活性成分として優れた効果を有する塩基
性塩化アルミニウムを使用した際にべたつき感が生じる
のを防止して、化粧料に使用した際の使用感を向上し、
しかも白残りを生じないため使用後の外観も良好な塩基
性塩化アルミニウム系複合粒子と、その効率的な製造方
法と、上記複合粒子を用いたエアゾール型化粧料とを提
供する。 【解決手段】 複合粒子は、べたつき感を抑制する効果
を有する層状ケイ酸塩粒子と、上記塩基性塩化アルミニ
ウムとを重量比で1:99〜75:25の範囲で複合凝
集して粒子化した。製造方法は、上記両者を含む混合ス
ラリーを噴霧乾燥法によって球状に乾燥、造粒する。化
粧料は、上記複合粒子を少なくとも含有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、制汗活性成分とし
てエアゾール型化粧料等に好適に使用される、新規な塩
基性塩化アルミニウム系の複合粒子と、その効率的な製
造方法と、それを用いたエアゾール型化粧料とに関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】腋臭、汗臭、頭髪臭、生理臭、足臭等の
生体由来の悪臭の多くが、汗のバクテリア分解によって
惹起されることが、研究者らの研究によって明らかとさ
れてきた(例えばLabowsとKligmanらの「J.Soc.Cosmet.
Chem.,34(1982)」第193頁参照)。すなわち汗、特にア
ポクリン線から分泌されるアポクリン汗には有機物(脂
質、タンパク質)が多く含まれており、分泌された直後
の新鮮な汗は無臭であるが、皮膚においてこれらの有機
物が皮膚常在菌によってバクテリア分解されると、臭気
物質に変化する。
【0003】体臭は主としてこの臭気物質の臭いに起因
し、その主成分としては吉草酸をはじめとするカプリン
酸、カプロン酸、酪酸、プロオン酸、エナント酸、ペラ
ルゴン酸等の脂肪酸、特に炭素数10以下の低級脂肪酸
が特異的に検出されている。このため、生体由来の悪臭
(上記の臭気物質による体臭)を処理するための製品が
多数、市場に出回っているが、これらの製品の多くは、
制汗活性成分、殺菌剤およびマスキング剤等が配合され
た消臭剤である。
【0004】このうち制汗活性成分としては、発汗を抑
制する効果を有する収斂性アルミニウム化合物、特に塩
基性塩化アルミニウムが広く使用されている(特開平9
−157146号公報等参照)。また、携帯用スプレー
タイプとして使用するためのスプレーノズルの目詰まり
を防止するとともに、肌触りやすべり性を向上するため
に、上記塩基性塩化アルミニウムを球状化して配合する
方法が知られている(特開平4−234311号公報等
参照)。
【0005】しかし、上記塩基性塩化アルミニウムは、
制汗活性成分として優れたものではあるが、単体では、
使用後に吸水してべたつき感のような不快感を生じるた
め、使用者に、あたかも制汗効果が十分でないかのよう
な印象を与えるという問題がある。そのため使用後のべ
たつき感を改善してさらさら感、さっぱり感を付与する
ことで、これらの特性と、前記肌触りやすべり性等とを
総合して評価される化粧料の使用感を向上すべく、特に
エアゾール化粧料には、無機粉末成分としてタルク、無
水ケイ酸等を配合することが知られている。
【0006】しかし、上記のようなべたつき感を解消す
るためには、無機粉末成分(さらさら感向上粒子)を多
量に配合する必要が生じ、噴霧後の皮膚に白残りして外
観上の新たな問題を生じる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、制汗活性成
分として優れた効果を有する塩基性塩化アルミニウムを
使用した際にべたつき感のような不快感が生じるのを防
止して、化粧料に使用した際の使用感を向上し、しかも
白残りを生じないため使用後の外観も良好な、新規な塩
基性塩化アルミニウム系の複合粒子を提供することにあ
る。特に、層状ケイ酸塩粒子と塩基性塩化アルミニウム
を複合凝集粒子とすることで、従来のように成分を個々
に混合する場合に比べてより一層、化粧料に使用した際
の使用感に優れた複合粒子を提供することにある。
【0008】また本発明の他の目的は、上記の複合粒子
を効率的に製造するための製造方法を提供することにあ
る。そして本発明のさらに他の目的は、上記の複合粒子
を用いることで、制汗効果に優れるとともに白残りがな
く、しかもべたつき感などのない優れた使用感を有する
エアゾール化粧料を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、発明者らは種々検討した結果、前述した、塩基性塩
化アルミニウムによるべたつき感を抑える効果を有する
各種成分の中から、かかる効果に特に優れたタルク、マ
イカ、セリサイト等の層状ケイ酸塩粒子を選択的に使用
するとともに、この層状ケイ酸塩粒子を、従来のように
塩基性塩化アルミニウムと別個に、エアゾール化粧料等
に添加するのではなく、この両者を複合凝集して粒子化
した上で使用することを見出し、本発明を完成するに至
った。
【0010】すなわち本発明の塩基性塩化アルミニウム
系複合粒子は、層状ケイ酸塩粒子と塩基性塩化アルミニ
ウムとを、重量比で1:99〜75:25の範囲で含有
することを特徴とするものである。上記本発明の複合粒
子は、上記のように制汗効果に優れた塩基性塩化アルミ
ニウムと、この塩基性塩化アルミニウムによるべたつき
感を抑える効果を有する層状ケイ酸塩粒子とを複合して
いるためこの二つの効果に優れるだけでなく、この両者
を別個に、エアゾール化粧料等に添加した場合に比べて
特にべたつき感のない、化粧料に使用した際の使用感に
優れたものとなる。
【0011】また、上記のように層状ケイ酸塩粒子を塩
基性塩化アルミニウムとの複合粒子中に取り込むことに
よって、当該層状ケイ酸塩粒子を単体で使用した際に発
生する白残りを防止することも可能となる。なお本発明
において、層状ケイ酸塩粒子と塩基性塩化アルミニウム
との含有割合が、重量比で1:99〜75:25の範囲
に限定されるのは、以下の理由による。
【0012】すなわち層状ケイ酸塩粒子の含有割合が上
記の範囲未満では、当該層状ケイ酸塩粒子を複合させた
ことによる、塩基性塩化アルミニウムによるべたつき感
を抑える効果が得られないため、化粧料に使用した際の
使用感が悪化する。一方、層状ケイ酸塩粒子の含有割合
が上記の範囲を超えた場合には、複合粒子がきれいな球
状とならないために、肌触りやすべり性が悪くなって、
化粧料に使用した際の使用感が悪化するとともに、白残
りが発生しやすくなる。
【0013】上記本発明の複合粒子を製造するための、
本発明の製造方法は、層状ケイ酸塩粒子と塩基性塩化ア
ルミニウムとが、重量比で1:99〜75:25の範囲
で配合された混合スラリーを、噴霧乾燥法によって乾燥
し、造粒することを特徴とする。上記本発明の製造方法
によれば、粒径が一定にコントロールされたきれいな球
状を呈する、肌触りやすべり性が良好で、化粧料に使用
した際の使用感に優れた複合粒子を連続的、かつ効率的
に製造することが可能となる。
【0014】さらに本発明のエアゾール型化粧料は、前
記本発明の塩基性塩化アルミニウム系複合粒子を含むこ
とを特徴とする。上記本発明のエアゾール型化粧料は、
本発明の複合粒子を用いることで、制汗効果に優れると
ともに白残りがなく、しかもべたつき感などのない優れ
た使用感を有するものとなる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を説明する。〈塩
基性塩化アルミニウム系複合粒子〉本発明の塩基性塩化
アルミニウム系複合粒子は、前記のように層状ケイ酸塩
粒子と塩基性塩化アルミニウムとを複合凝集して粒子化
したもので、その平均粒径が1〜100μm程度、とく
に3〜50μm程度、さらには5〜15μm程度の球状
であるのが好ましい。
【0016】平均粒径が上記の範囲である複合粒子、特
に球状の複合粒子は、肌触りやすべり性が良く、良好な
使用感を得ることができる。加えて、スプレーノズルか
らのスムースな噴霧ができるので、特にエアゾール型化
粧料に良好である。上記塩基性塩化アルミニウム系複合
粒子を構成する層状ケイ酸塩粒子としては、前記のよう
に塩基性塩化アルミニウムによるべたつき感を抑える効
果に特に優れるとともに、すべり性を向上させる効果に
も優れた、タルク、マイカ、セリサイト等の板状粒子が
好ましい。
【0017】上記層状ケイ酸塩粒子には、例えば酸化チ
タン、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化ジルコニウム等の
金属酸化物の1種または2種以上を複合してもよい。ま
た、上記以外の他の金属酸化物を複合してもよい。また
層状ケイ酸塩粒子は、特にエアゾール型化粧料に使用す
る場合、表面処理を施してもよい。表面処理としては、
例えばフッ素化合物処理、シリコーン処理、金属石鹸処
理、アシル化リジン処理、油剤処理、シラン処理、アミ
ノ処理、ワックス処理、金属酸化物処理等の、化粧料に
おいて従来採用されている種々の処理が挙げられる。
【0018】層状ケイ酸塩粒子の粒径は、本発明では特
に限定されないが、前述したように平均粒径が1〜10
0μmのきれいな球状の複合粒子を製造するためには、
当該複合粒子中に分散させる層状ケイ酸塩粒子の平均粒
径が0.5〜50μm程度、特に1〜10μm程度、さ
らには1〜5μm程度であるのが好ましい。上記層状ケ
イ酸塩粒子とともに複合粒子を構成する塩基性塩化アル
ミニウムには、アルミニウムクロライドや活性アルミニ
ウムクロライドを含む。
【0019】本発明の複合粒子における、層状ケイ酸塩
粒子と塩基性塩化アルミニウムの含有割合は、前述した
ように重量比で1:99〜75:25の範囲に限定され
る。その理由は前記のとおりである。なお両者の含有割
合は、前述した、塩基性塩化アルミニウムによるべたつ
き感を抑える効果と、十分な制汗効果を得るとともに複
合粒子をきれいな球状として肌触りやすべり性を向上
し、かつ層状ケイ酸塩粒子による白残りが発生するのを
より確実に防止する効果とのバランスを考慮して良好な
複合粒子を得るために、上記の範囲内でも特に3:97
〜50:50程度であるのが好ましく、20:80前後
であるのがさらに好ましい。
【0020】また本発明の複合粒子には、以上で説明し
た層状ケイ酸塩粒子と塩基性塩化アルミニウムとの複合
による効果を阻害しない範囲で、他の粉末成分を添加し
てもよい。当該他の粉末成分としては、例えばシラスバ
ルーン等の無機中空粒子、無水ケイ酸塩、球状もしくは
中空球状合成樹脂粉末(ナイロン6、ポリエチレン、セ
ルロース、架橋ポリスチレン、ポリメチルメタクリレー
ト等)等が挙げられる。 〈製造方法〉上記本発明の複合粒子を製造するための、
本発明の製造方法においては、まず塩基性塩化アルミニ
ウムを水、アルコール類(メタノール、エタノール、プ
ロパノール)、エーテル類等の溶媒に、固形分濃度が5
0%以下となるように溶解して溶液を作製し、この溶液
に、層状ケイ酸塩粒子と塩基性塩化アルミニウムとが前
記所定の割合となるように、所定量の層状ケイ酸塩粒子
を混合して混合スラリーを作製する。
【0021】あるいはまた、上記で作製したのと同様の
塩基性塩化アルミニウムの溶液と、層状ケイ酸塩粒子
を、同じく水等の溶媒に懸濁させた懸濁液とを、所定の
割合で混合して混合スラリーを作製してもよい。この方
法によれば、より少ない混合のエネルギーで、複合粒子
の均一性を、先の場合よりさらに向上できる可能性があ
る。塩基性塩化アルミニウムの溶液の濃度が50重量%
以下とされるのは、濃度がこの範囲を超えると沈澱が生
じやすくなったり、あるいはスラリーの粘性が高くなっ
たりして、均一な混合が容易でなくなるおそれがあるか
らである。
【0022】次に上記の混合スラリーを、噴霧乾燥法に
よって乾燥し、造粒する。具体的には、例えばエアーフ
ィルター、電気ヒーター、熱ガス室、スプレードライヤ
ー、排出孔、サイクロン等を備えた噴霧乾燥機を使用し
て、エアーフィルターを通って電気ヒーターによって加
温された熱空気を、熱ガス室からスプレードライヤー内
に流入させつつ、上記混合スラリーを、スプレードライ
ヤーに設けたアトマイザーを用いてスプレードライヤー
内に噴霧して、熱空気と接触させることによって乾燥造
粒しつつ、排出孔からサイクロンに流出させる。
【0023】そうすると、例えば熱空気の温度、流量、
混合スラリーの粘度(濃度)、噴霧量、アトマイザーの
口径等を調製することで、前述したように粒径が一定に
コントロールされたきれいな球状を呈する、肌触りやす
べり性の良好な複合粒子が連続的、かつ効率的に製造さ
れる。また上記噴霧乾燥法によれば、例えば二流体ノズ
ルによる方法などのようにノズル径に限定されることな
く原料供給できるという利点もある。 〈エアゾール型化粧料〉本発明の複合粒子は制汗活性成
分として、エアゾール型化粧料へ配合して好適に使用す
ることができる。
【0024】本発明でいうエアゾール型化粧料には、例
えば、ファンデーション等のメイクアップ化粧料、セッ
ト剤等の頭髪化粧料、ローション、パック、サンスクリ
ーン剤、化粧下地料等の基礎化粧料、デオドラント、ボ
ディーパウダー、アフターシェーブローション、プレシ
ェーブローション、制汗スプレー、フットスプレー等が
含まれる。本発明のエアゾール型化粧料では、複合粒子
と一緒に、必要に応じて、本発明の効果を損なわない範
囲で、従来化粧料に使用されている各種成分、すなわ
ち、油剤、粉体(顔料、色素)、樹脂類、界面活性剤、
粘剤、防腐剤、香料、紫外線吸収剤、(有機系、無機系
を含む)、保湿剤、生理活性成分、塩類、溶媒、酸化防
止剤、キレート剤、中和剤、pH調整剤等の成分を配合
することができる。
【0025】油剤としては、例えばセチルアルコール、
イソステアリルアルコール、ラウリルアルコール、ヘキ
サデシルアルコール、オクチルドデカノールなどの高級
アルコール類、イソステアリン酸、ウンデシレン酸、オ
レイン酸などの脂肪酸類、グリセリン、ソルビトール、
エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチ
レングリコールなどの多価アルコール類、ミリスチン酸
ミリスチル、ラウリン酸ヘキシル、オレイン酸デシル、
ミリスチン酸イソプロピル、ジメチルオクタン酸ヘキシ
ルデシル、モノステアリン酸グリセリン、フタル酸ジエ
チル、モノステアリン酸エチレングリコール、オキシス
テアリン酸オクチルなどのエステル類、流動パラフィ
ン、イソパラフィン、ワセリン、スクワランなどの炭化
水素類、ラノリン、還元ラノリン、カルナバロウなどの
ロウ、ミンク油、カカオ脂、ヤシ油、パーム核油、ツバ
キ油、ゴマ油、ヒマシ油、オリーブ油などの油脂類が挙
げられる。
【0026】また、別の形態の油剤としては、例えぱジ
メチルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロ
キサン、メチルフェニルポリシロキサン、ポリエーテル
変性オルガノポリシロキサン、アルキル変性オルガノポ
リシロキサン、糖変性シリコーン、グリセリル変性シリ
コーン、アモジメチコーン、アミノ変性オルガノポリシ
ロキサン、シリコーンゲル、アクリルシリコーン、トリ
メチルシロキシケイ酸、シリコーンRTVゴムなどのシ
リコーン化合物が挙げられる。
【0027】さらにフツ素系油剤としては、例えば、パ
ーフルオロデカリンなどのフルオロカーボン類、パーフ
ルオロポリエーテル、フッ化ピッチ、パーフルオロアル
キル鎖を有するフルオロアルコールなどのアルコール
類、パーフルオロアルキルリン酸エステルトリエタノー
ルアミン塩などのリン酸エステル類、フルオロアルキル
鎖を有するカルボン酸類、フルオロアルキル変性シリコ
ーン、フッ素・ポリエーテル共変性シリコーン、フッ素
化シリコーン樹脂などが挙げられる。
【0028】粉体類としては、例えば前述した粘土鉱物
類、すなわちセリサイト、天然雲母、タルク、カオリ
ン、バーミキュライト、スメクタイト、酸化チタン被覆
雲母(チタン雲母)、酸化チタン被覆セリサイト、酸化
チタン被覆タルクなどや、あるいは魚鱗箔、窒化ホウ素
などの他、ナイロンビーズ、シリコーンビーズ、テフロ
ン、シリコーンエラストマーなどの樹脂粉体や、黄酸化
鉄、赤色酸化鉄、黒酸化鉄、酸化クロム、酸化コバル
ト、カーボンブラツク、群青、紺青、酸化亜鉛、酸化チ
タン、酸化ジルコニウム、酸化珪素、酸化アルミニウ
ム、酸化セリウム、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、炭
酸マグネシウム、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウ
ム、炭化珪素、有機色素、レーキ、微粒子酸化チタン、
微粒子酸化亜鉛、微粒子酸化鉄、板状硫酸バリウムなど
が挙げられる。
【0029】これらの粉体類は、フツ素化合物処理、シ
リコーン処理、金属石鹸処理、アシル化リジン処理、油
剤処理、シラン処理、アミノ酸処理、ワックス処理、金
属酸化物処理、シランカップリング剤処理、有機チタネ
ート処理、脂肪酸処理などの表面処理を施した状態で使
用してもよい。界面活性剤としては、アニオン型界面活
性剤、カチオン型界面活性剤、ノニオン型界面活性剤、
ベタイン型界面活性剤のいずれを用いることもできる。
【0030】生理活性成分としては、例えば抗炎症剤、
血行促進剤、ビタミン類、チロシナーゼ活性阻害剤、尿
素などが挙げられる。溶媒としては、例えば精製水、ミ
ネラルウォーター、メタノール、エタノール、イソプロ
ピルアルコール、エーテル、LPG、揮発性シリコー
ン、軽質流動イソパラフィン、代替フロンなどが挙げら
れる。本発明の複合粒子をエアゾール型化粧料に配合す
る場合、十分な制汗効果等を発揮させるため、その配合
量は、化粧料の総量の0.1〜50重量%程度、特に
0.5〜20重量%程度であるのが好ましい。
【0031】
【実施例】以下、実施例、比較例を挙げて、本発明を説
明する。 実施例1〜3 (混合スラリーの作製)イオン交換水4500gを撹拌
下、塩基性塩化アルミニウムとして、Rehise(リ
ハイス)社製の商品名REACH501を徐々に添加し
(総量400g)、溶解して固形分濃度約8.2重量%
の水溶液を作製した。
【0032】次にこの水溶液を撹拌しながら、表1に示
すようにその平均粒径が1.7〜5.4μmであるタル
ク100gを徐々に添加して懸濁させ、その後、得られ
た懸濁液を少なくとも10分間以上、ホモミキサーにて
均一に分散して混合スラリーを作製した。 (複合粒子の製造)前記のようにエアーフィルター、電
気ヒーター、熱ガス室、スプレードライヤー、排出孔、
サイクロン等を備えた噴霧乾燥機を使用した。
【0033】そして、エアーフィルターを通って電気ヒ
ーターによって加温された熱空気を、熱ガス室からスプ
レードライヤー内に流入させながら、上記で作製した混
合スラリーを、定量ポンプによってスプレードライヤー
のアトマイザーに供給し、アトマイザーを高速回転させ
ることでスプレードライヤー内に噴霧して、熱空気と接
触させて乾燥造粒しつつ排出孔からサイクロンに流出さ
せて複合粒子を製造した。
【0034】上記噴霧乾燥法における乾燥造粒の操作条
件は次の通りとした。すなわち定量ポンプによる混合ス
ラリーの供給量は1〜3kg/hとし、またエアーフィ
ルターを介して電気ヒーターによって加温された熱空気
の温度は、熱ガス室の入口温度が150〜350℃、サ
イクロンにつながる排出孔における出口温度が80℃を
常に超えるように制御した。また、アトマイザーの回転
数は10000〜40000rpmの範囲内に設定し
た。
【0035】かくして製造された複合粒子はサイクロン
によって採取した。またこのとき、サイクロンにより採
取しきれなかった超微粉は、バグフィルターによって別
に採取した。サイクロンによって採取された複合粒子の
平均粒径は、表1に示すように9.8〜15.0μmで
あり、その粒子形状は、図1に実施例1の場合を示すよ
うに、いずれの実施例のものも、その表面が極めて平滑
な球状であった。
【0036】実施例4、5、比較例1、2 前記実施例1で使用したのと同じ、平均粒径1.7μm
のタルクと、REACH501とを、イオン交換水45
00gに対して、表1に示す添加量で添加したこと以外
は実施例1〜3と同様にして複合粒子を製造した。サイ
クロンによって採取された複合粒子の平均粒径は、表1
に示すように11.6〜15.6μmであった。
【0037】実施例4、5の粒子形状は、実施例1と同
様に、その表面が極めて平滑な球状であった。また比較
例1の粒子形状も、図2に示すように、その表面が極め
て平滑な球状であった。しかし比較例2の粒子形状は、
図3に示すようにその表面が激しい凹凸を有する不定形
状であった。以上の結果を表1に示す。
【0038】
【表1】
【0039】〔エアゾール型化粧料(制汗スプレー)の
製造〕上記実施例1〜5、比較例1、2のいずれかの複
合粒子4重量部を、下記の各成分と混合した。 そして上記混合物をエアゾール缶に入れ、ガス充填し
て、エアゾール型化粧料としての制汗スプレーを製造し
た。 〔評価〕一般女性10人のパネラーに、各実施例、比較
例の複合粒子を含む制汗スプレーを使用してもらって、
(1) 粉体の肌触り、(2) すべり性、(3) さらさら感、さ
っぱり感、(4) 白残りの有無について、それぞれ10点
満点で評価してもらい、得点の平均値(小数点第2位を
四捨五入)を求めて、評価点とした。
【0040】評価の基準は、各項目とも7.5点をボー
ダーラインとし、7.5点以上を良好、それ未満を不良
とした。結果を表2に示す。
【0041】
【表2】
【0042】上記表より、層状ケイ酸塩粒子としてのタ
ルクの含有割合が本発明で規定した範囲より少ない、比
較例1の複合粒子を使用した制汗スプレーは、上記複合
粒子が先に述べたようにきれいな球状を呈するために、
すべり性は良好との評価を得た。また白残りも発生しな
かった。しかし上記のように、べたつき感を抑制する成
分であるタルクの量が規定より少ないために、噴霧後に
べたつき感を生じることからさらさら感、さっぱり感が
なく、肌触りも少し悪いと評価された。
【0043】また、上記タルクの含有割合が前記の範囲
より多い、比較例2の複合粒子を使用した制汗スプレー
は、タルクによるべたつき防止の効果に優れることから
さらさら感、さっぱり感が良いとの評価を得た。しかし
前記のように比較例2の複合粒子は激しい凹凸を有する
不定形状を呈するために、粉体の肌触りやすべり性は不
良と評価され、白残りも発生した。これに対し、実施例
1〜5の複合粒子を使用した制汗スプレーはいずれも、
肌触り、すべり性、さらさら感、さっぱり感の全てにつ
いて良好で使用感に優れると評価され、白残りも発生し
なかった。
【0044】
【発明の効果】以上、詳述したように本発明の塩基性塩
化アルミニウム系複合粒子は、制汗活性成分として優れ
た効果を有する塩基性塩化アルミニウムと、当該塩基性
塩化アルミニウムによってべたつき感などの不快感が生
じるのを防止する効果に優れた層状ケイ酸塩粒子とを複
合凝集して粒子化したものゆえ、化粧料に使用した際の
使用感に優れるとともに、使用後に白残りを生じないと
いう特有の作用効果を奏する。
【0045】また本発明の製造方法によれば、上記のよ
うに優れた特性を有する複合粒子を効率的に製造するこ
とが可能となる。さらに本発明のエアゾール化粧料は、
上記の複合粒子を用いることで、制汗効果に優れるとと
もに白残りがなく、しかもべたつき感などのない優れた
使用感を有するものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1で製造した複合粒子の粒子構
造を示す、走査型電子顕微鏡写真である。
【図2】比較例1で製造した複合粒子の粒子構造を示
す、走査型電子顕微鏡写真である。
【図3】比較例2で製造した複合粒子の粒子構造を示
す、走査型電子顕微鏡写真である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4C083 AB221 AB222 AB431 AB432 AC012 AC182 AC342 AC442 AC812 AD152 CC17 DD08 EE06 EE07 EE18 FF01 4G073 CA06 CC03 CM22 CM24 FD21 FD26 GA01 GA11 UB31 4G076 AA06 AA10 AA19 AA24 AB04 BA43 BA47 BA50 BC08 CA02 CA26 DA16

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】層状ケイ酸塩粒子と塩基性塩化アルミニウ
    ムとを、重量比で1:99〜75:25の範囲で含有す
    ることを特徴とする塩基性塩化アルミニウム系複合粒
    子。
  2. 【請求項2】平均粒径が1〜100μmである請求項1
    記載の塩基性塩化アルミニウム系複合粒子。
  3. 【請求項3】球状である請求項1または2記載の塩基性
    塩化アルミニウム系複合粒子。
  4. 【請求項4】層状ケイ酸塩粒子と塩基性塩化アルミニウ
    ムとが、重量比で1:99〜75:25の範囲で配合さ
    れた混合スラリーを、噴霧乾燥法によって乾燥し、造粒
    することを特徴とする塩基性塩化アルミニウム系複合粒
    子の製造方法。
  5. 【請求項5】請求項1〜3のいずれかに記載の塩基性塩
    化アルミニウム系複合粒子を含むことを特徴とするエア
    ゾール型化粧料。
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