JP6218364B2 - 自動車用ルーフシステム - Google Patents

Description

本発明は、請求項１の前段による自動車用ルーフシステムに関する。

そのようなルーフシステムは本願出願人の特許文献１から知られている。この先行技術のシステムにおいて、第１および第２デバイスのレバーは、ガイドスライド内のガイドトラックによってそれらの第２および第３接続部とともにガイドされている。

米国特許第７，８２８，３７６号明細書

本発明の目的は、この先行技術のルーフシステムの動作機構、特に閉鎖部からの荷重下での安定性に関してさらに改良することである。

この目的のために、本発明によるルーフシステムは、レバーの少なくとも１つは、第２および第３接続部の少なくとも１つによってスライド部材に回動可能に接続されており、スライド部材はガイドスライドから離間されて、静止ガイドレールの長手方向においてスライド可能であり、ガイドレールによって垂直方向において長手スライド方向に支持されていることを特徴としている。

個々のレバーに対して回動可能な接続部を備え且つガイドレールによって支持された、離間したスライド部材の使用により、（例えば風力によるまたは事故時の）荷重下での動作機構の不要の垂直および水平動作は減少されることが可能である。回動接続部は、大きい接触面の結果として、ピン−スロット接続部よりもより安定しており、一方で離間したスライド部材はコンパクトに維持され、レバーの接続部に近接してガイドレールによってガイドされ、これにより曲げによる移動を減少している。

一実施形態において、第２接続部はレバーの１つの第２端部近傍に位置しており、第３接続部は第１接続部と第２接続部との間に位置しており、レバーの少なくとも１つは、第２接続部においてスライド部材に接続されていてもよい。

両方のレバーまたは後方レバーのみが個々のスライド部材に接続されていてもよいが、最も効率的なものは前方レバーがこのスライド部材に接続されているものに帰結する。閉鎖部の前側における動作は後ろ側における動作よりも大きい空気音響効果を有する。

スライド部材はガイドレールのガイドチャネル内にガイドされ、ガイドチャネルには個々の第２接続部近傍においてガイド部材と係合するガイドフランジが設けられている。ガイドフランジにはスライド部材の側部および底部から離間されたスライド部材によって係合された水平部が設けられている。ガイドフランジは、特に両側からスライド部材によって係合された、下向きに伸びたフランジ部を含み、ガイドフランジはスライド部材の側部から離間されていてもよい。

これらの特徴のいずれかのために、非常に安定した支持、これによる回動接続部のレバーへの荷重下における小さい動作が達成されている。

ガイドレールの長手方向から見て、スライド部材は離間された位置において下向き方向および上向き方向に支持されている。距離は一般的にガイドスライドにおける距離よりも短く、スライド部材は剛体構造を備え、これによってスライド部材内の曲げを最小にしている。スライド部材の形状および寸法、ならびに例えばスライドシューが設けられる位置での支持位置は、ガイドレールの形状に依存する。比較的小さい半径の湾曲を伴って、距離は、ガイドレールがほとんど直線状である場合よりも小さくなっている。スライドシューの寸法は通常はガイドレールへの風荷重がある場合の圧力を最小化し、結果としてガイドレール（および閉鎖部サポートの変位）の変形を可能な限り最小化するものである。

レバーの少なくとも１つは第３接続部においてガイドスライドに接続されており、ガイドスライドはレバーのカムとガイドスライド内のトラックとを含んでいる。この第３接続部と通常は湾曲したスロットであるトラックとは、第２接続部が全体的にガイドレールに平行に移動するスライド部材接続されている場合に、個々のレバーの動作を確定する。

ガイドスライド内のトラックはスロットであってもよい。このスロットは閉じているか、または下向きに開放したスロット部を備えていてもよく、このスロット部は、個々のレバーのカムの長手方向の寸法よりも大きい長手方向の範囲に関して、その底部において開放されており、ガイドスライドはその上側において、少なくともカムが開放スロット部内にあるときに、個々にレバーに係合される補助ガイドトラックを具備している。

下向きに開放したスロット部のために、動作システムのパッケージ高さは減少され、その一方で、レバーがガイドスライド内の補助トラックと係合することにより、安定性は維持されている。

補助トラックは、カムが下向きの開放スロット部から下向きの閉鎖スロット部へと移動する場合に、個々のレバーを持ち上げるための傾斜部を含んでいてもよい。このことは開放スロット部と閉鎖スロット部との間のカムの円滑な移動を保証している。

個々のレバーは、その第１端部近傍の位置においてガイドスライドの補助ガイドトラックに係合する。このことはさらに安定性を増大させる。

レバーの少なくとも１つとスライド部材との間の回動接続部は、ピンと、このピンが回転可能にその内部に収容されるベアリングと、を含んでいる。これは簡素なものとなるが、回動接続部におけるレバーの支持を安定させる。

閉鎖部には側方突起を具備した閉鎖サポートが設けられてもよく、ガイドスライドには側方ショルダが設けられ、閉鎖部が閉鎖位置にあるとき、突起はショルダの下に係合してもよい。

強盗がルーフシステムを通じて閉鎖部を上向に強制的に持ち上げることで車内に侵入しようとした場合に、この係合は特に強盗に対して効果的な安全な特徴である。

動作機構は後部エッジが上昇位置にある場合に、開位置に向かう閉鎖部をガイドするためのガイド機構をさらに具備してもよく、ガイド機構は、閉位置にあるときに閉鎖部に略平行に伸びた後部を備えた静止ガイド湾曲部と、垂直面において後部に対して所定の角度を成して伸びた前部と、を具備し、静止ガイド湾曲部は閉鎖部に接続されたガイド部材によってスライド可能に係合されていてもよい。この静止ガイド湾曲部は、閉鎖部の水平移動と垂直移動との間の移動を調節するための信頼性のある手段である。

本発明のさらなる詳細および利点は、図を参照するとともに、ルーフシステムの実施形態の以下の記載からより明確になるだろう。

閉位置におけるルーフシステムの実施形態を備えた自動車の一部を示した概略的な斜視図である。 図１に対応した図であるが、開位置におけるルーフシステムのパネルを示した図である。 ガイドレール内に組み付けられた図１および２のルーフシステムの動作機構の部分を簡略化して拡大した斜視図である。 図３の動作機構の部品を示した分解斜視図である。 図３および４の動作機構のガイドスライドの斜視図である。 図３および４の動作機構の前部静止ガイド湾曲部を収容した部分を示した拡大斜視図である。 図６を１８０°回転した斜視図である。 図３および４の動作機構の前方レバーと補助スライド部材とを示した拡大斜視図である。 図８に対応した斜視図であるが、１８０°回転した前方レバーのみを示した図である。 図３のＸ−Ｘに沿った拡大断面を示した図である。 動作機構の第２実施形態の部品を示した分解斜視図である。 図８に対応した斜視図であるが、第２実施形態の前方レバーとスライド部材とを示した図である。 図１０に対応した斜視図であるが、第２実施形態の動作機構を示した図である。 ３つの異なった位置における、図１１の動作機構の長手断面を示した図である。 ３つの異なった位置における、図１１の動作機構の長手断面を示した図である。 ３つの異なった位置における、図１１の動作機構の長手断面を示した図である。

図１および２は車両、特に自動車の一部を示しており、この自動車は（静止）ルーフ部２に形成されたルーフ開口部１（図２）を具備している。閉鎖部は、ここではパネル３の形状であり、ルーフ開口部１を閉鎖する閉位置（図１）と、ルーフ開口部１を開放する開位置（図２）と、の間で移動可能であり、少なくとも部分的にルーフ部２の上に配置され、ここではルーフ開口部の後方に隣接した固定ルーフ部の上に配置されている。

そのようなルーフシステムとして知られているのは（トップスライダルーフとしても知られているが）、例えばルーフ開口部１の前に配置された傾斜ウィンドデフレクタ、または閉位置において例えばパネル３の後方位置のさらなる可動もしくは静止パネル等の追加要素を具備し得るものである。実際に、本実施形態において、ルーフ開口部３の後方のルーフ部は、静止ルーフパネルまたは可動パネルとし得るルーフパネル２’によって形成されている。

図１に示された閉位置から図２に示された開位置へと向かうパネル３の動作は動作機構によって規定されており、その部品は図３〜１０（第１実施形態）および図１１〜１３（第２実施形態）に示され、その動作は図１４〜１６に概略的に示されている。図３〜１６はルーフ構造の長手サイドの１つ、すなわちパネル３の１つの長手サイドにおける動作機構の実施形態を示しており、対応した動作機構が通常は反対側の長手サイドに全体的に鏡像の形式で設けられていると理解されるべきである。

図３〜１０は動作機構の１つの第１実施形態の部品を示している。この機構は、この場合パネルブラケット４である閉鎖サポートを介してパネル３に接続されており、このブラケットはパネル３の下側の長手エッジ近傍において既知の任意の方法によって固定されている。その方法は例えば封入を介した、または別の封入部への取付器を介したものである。動作機構は第１または後部デバイス６および第２または前部デバイス５を含んでいる。

第２または前部デバイス５はレバー７を含んでいる。このレバー７は、ここでは回動ピン８である下方回動軸、レバー７をパネル３のパネルブラケット４に接続した上方回動接続部９、およびここではカム形状の中間ガイド接続部１０を具備している。中間ガイド接続部１０の周辺において、レバー７の他側、すなわち部品８，９および１０の反対側において、ガイド部材１１がガイドカムの形状で配置されている。ガイド部材１１は静止ガイド湾曲部１２とスライド係合するように形成されている。図７（および図１４〜１６）に示されたように、静止ガイド湾曲部は、ガイドレール１３（および閉位置のパネル３）に略平行に伸びた後部１２’’、および後部１２’’とある角度をなして伸びた前部１２’を含んでいる。ガイド部材１１が略楕円形であるので、ガイド湾曲部１２の高さはガイド湾曲部１２の向きに依存してその長さに沿って変化するが、湾曲部１２の長さに沿ったレバー７の突出の向きおよびレバー７の向きの変化にも依存している。

図３および７において、静止ガイド湾曲部１２の前部１２’が示されており、前部１２’はプラスチック部品で形成され、自動車のルーフに直接またはフレームを介して取り付けられた静止ガイドレール１３に取り付けられている。ガイドレールは、自動車の長手方向において少なくともルーフ開口部１に沿って伸びている。静止ガイド湾曲部１２の後部１２’’の主要部は、静止ガイドレール１３のフランジ１３’によって全体的に形成されている（図１０参照）。パネルが（前部１２’を介して）前方位置にある場合、静止ガイド湾曲部はパネル３の水平移動を固定し、パネルが（前部１２’を介して）後方位置にある場合、静止ガイド湾曲部はパネルの垂直移動を固定する。

中間ガイド接続部１０はガイドスライド１４（図４および５）と協働し、ガイドスライドは、一般的には例えば押引ケーブル１４’を駆動する電気モータのような駆動機構に直接接続されており、したがってスライド駆動部としても作用する。ガイドスライド１４は静止ガイドレール１３内でのスライドをガイドされ、パネル３の移動を画定する。ガイドスライド１４は、ここではガイドスロットである前方ガイド湾曲部１５を含み、その内部に中間ガイド接続部１０のカムがスライド可能に係合している。前方ガイド湾曲部１５は略垂直な前方ロック部１５’、下側前方部１５’’、および後方部１５’’’を含み、後方部は加速において開いており、中間ガイド接続部のカムがそこからガイドレール内に突出する。前方ガイド湾曲部１５の大きさはパネル３の前部エッジの垂直移動を画定する。

動作機構の第１または後部デバイス６はレバー１６を含んでいる（図３および４）。このレバー１６は下方回動軸または回動ピン１７、上方回動接続部１８、および中間ガイド接続部１９を含んでいる。両方の前方レバー７および１６は反対方向に伸びており、すなわち、レバー７はパネル３との接続部から後方且つ下方に伸び、一方で後方レバー１６はパネル３から前方且つ上方に伸びている。結果として、両方のレバーは比較的短い長さの同一のガイドスライド１４によって制御されることが可能であり、一方で、レバー７および１６は前部エッジまたは後部エッジそれぞれの近傍においてパネル３に接続されている。パネル３の前部エッジおよび後部エッジに近接したこの接続は、パネル３の非常に安定した支持を形成している。

第１デバイス６の後方レバー１６とガイドスライド１４との間のスライド可能な接続は、ピン１７の係合および後方ガイドトラックを備えた中間ガイド接続部１９のカムの係合によって達成されている。図５に示された実施形態の後方ガイドトラックは２つの離間したガイドトラックまたはスロット２０，２１を含み、これらの１つはピン１７のためであり、１つは中間ガイド接続部１９のためであり、それらが重なることなく移動するための経路である。ガイドトラック２０は下側前方部２０’と、上側後方傾斜部２０’’、高位部２０’’’、垂直部２０’’’’、および下側後方部２０’’’’’を含んでいる。ピン１７は使用時には部分２０’、２０’’、および２０’’’内のみをスライドする。他の部分は後方レバー１６をガイドスライド１４に組み付けるためのみに使用される。ガイドトラック２１は略水平な前部２１’、わずかに下側の第２の略水平な部分２１’’、下側後方傾斜部２１’’’、および略水平な後方部２１’’’’を含んでいる。

上述の記載は、多かれ少なかれ特許文献１による動作機構を記載しており、その内容は参照することによってここに含まれている。以下の記載は、この先行技術に関して新規な特徴に関連している。

本ルーフシステムの動作機構による回動ピン８はガイドスライド１４と係合しておらず、離間した補助スライド部材２２によって支持されている（図４、８および１０参照）。このスライド部材２２はガイドレール１３内、すなわちそのガイドチャネル２３内に直接ガイドされている。ガイド部材は前方スライドシュー２４および後方スライドシュー２５ならびに中央スライドシュー２６および２７を含んでいる。前方スライドシュー２４および後方スライドシュー２５は、例えばガイドチャネル２３の底部において少なくとも垂直下向き方向にスライド部材２２を支持している。前方スライドシュー２４と後方スライドシュー２５との間において、スライド部材はガイドチャネル内において少なくとも垂直下向き方向に自由であり、回動ピン８へのすべての垂直下向きの力は、ガイドチャネル２３の底部に係合した前方スライドシュー２４および後方スライドシュー２５の間で分散されている。中央スライドシュー２６はガイドチャネル２３の上側水平フランジ２８の後方に配置され且つ上側水平フランジ２８から離間されており、一方で、両方の中央スライドシュー２６，２７は、ガイドチャネル２３の垂直ガイドフランジ２９と、垂直ガイドフランジ２９の各々の反対側の面において係合している。垂直ガイドフランジ２９は上側水平フランジ２８から懸架されている。この垂直ガイドフランジの下側の自由端はガイドシュー２６，２７と係合していてもよい。したがって、スライド部材２２は回動ピン８に近接した上および横方向においてガイドチャネル２３によって支持されており、回動ピンは高い荷重の下で非常に良好な支持を受けている。図８および１０に示したように、スライド部材２２は完全にプラスチックから形成されていてもよく、または例えば鋼製本体部３０から形成され、この鋼製本体部３０周囲にプラスチック製スライドシュー２４〜２７がモールド成型されてもよい。回動ピン８はスライド部材２２の鋼製本体部３０に固定されており、前方レバー７にはレバー７を回動ピン８に支持させるように作用するプラスチック成型品３１が設けられている。これは前方レバー７の側方、すなわち回動ピン８の軸方向の支持のために設けられても設けられなくてもよい。

図４，８および９は、前方レバー７が、上方回動接続部９近傍においてガイドスライド１４の上側によって、特に補助ガイドトラック３３（図４および５）によってガイドされたスライドシュー３２を具備していることを示しており、これは、少なくとも中間ガイド接続部１０のカムが開放後方スロット部１５’’’にあり、したがってカムが下向きに支持されていない場合に、レバー７をガイドし且つ支持するためである。ガイドトラック３３の前部または傾斜部３３は、中間接続部１０のカムを開放後方部１５’’’から下側前方部１５’’へと持ち上げるために、前方上向きにわずかに傾斜している。スライドシュー３２と中間ガイド接続部１０との間の継承においてわずかな重なりが存在するが、スライドシュー３２がガイドトラック３３から外れた場合に、中間ガイド接続部１０は前方レバー７の制御を継承する。ガイドトラック３３の後方部３３’’はガイドレール１３と略平行に伸びている。

図４に示されたように、パネルブラケット４はここでは水平リップ３４である側方突起を具備し、一方で、ガイドスライド１４はショルダ３５を含み、パネル３の不要な上方移動に対する追加の安全性を提供するために、パネルが閉位置にある場合に、リップ３４はショルダの下に係合してもよい。

図１１〜１６は動作機構の第２実施形態を示している。この動作機構は第１実施形態と非常に類似している。同様の部品は同様の参照符号によって示されている。この第２実施形態における差異は、前方ガイド湾曲部１５のスロットは完全に閉鎖されており、前方レバー７はスライドシュー３２を備えておらず、ガイドスライド１４は補助ガイドトラック３３を備えていないことである。

さらなる差異が、図１１〜１３に示されたスライド部材２２において見られている。このスライド部材２２は、第１実施形態のように、完全にプラスチックから形成されているか、または金属コアを備えることが可能である。スライド部材２２はガイドチャネル２３の底部から離れており、この底部のあらゆる埃はスライド部材２２のスライド特性に影響を与えない。この実施形態において、垂直下向きに懸架されたガイドチャネル２３のフランジ２９は水平部を備え、ここではそれは下側水平端部３７であり、その周囲にスライド部材のスライドシュー３８および３９が係合している。したがって、上向き方向のスライド部材２２の支持はスライド部材２２の底部から垂直に離間した位置において生じている。長手方向に離間されたスライドシュー３８および３９も垂直フランジ２９の垂直面の１つと係合し、一方で、中間スライド４０は垂直フランジ２９の反対面と係合している。このことは横方向においてスライド部材２２の堅牢な支持を提供し、一方で、長手方向における離間によるスライドシュー３８，３９，４０の面の間の公差の補正を容易にしている。プラスチック回動ピン８はスライド部材２２とともに一部品として形成され、（金属製）前方レバー７内に直接形成されたブッシュ内に係合している。図１３は、（別の位置において）ガイドスライド１３とともにケーブル１４’に接続された接続部４１の一部も示している。

ルーフシステムの動作機構の前部の動作は、主に図１４〜１６を参照して説明されている。後方レバー１６の動作は本願出願人の特許文献１内に記載されたものと類似している。

図１４において、動作機構は閉位置においてパネル３とともに示されている。パネル３はルーフ部２と係合したシールとともに動作機構によって強制的に引っ張られ、周囲環境から自動車の室内への騒音の漏れは発生しない。シール（図示略）はパネル３に固定されているか、または静止ルーフ部２に固定されているか、もしくはその両方であってもよい。この閉位置において、デバイス６，５の前方レバー７および後方レバー１６の両方はそれらの最低位置にある。このことは、それらがガイドレール１３内の前位置にあるガイドスライド１４と係合することによって達成されている。ガイドスライド１４のこの前位置において、前方レバー７の中間ガイド接続部１０はトラック１５の後方部１５’’’の後端近傍に位置している。レバー７のガイド部材１１は、静止ガイド湾曲部１２の前部１２’の下端に位置している。静止ガイド湾曲部１２のこの前部１２’は、静止ガイドレール１３に沿ったパネル３のスライド移動に対して非常に安定したロックを提供している。水平リップ３４はガイドスライド１４のショルダ３５の後でフックされる。ガイドトラック１５の前の上壁は中間ガイド接続部１０のカムを下げた状態に維持する。この中間ガイド接続部１０を回動接続部９近傍に配列したために、回動接続部９がパネル３の前部エッジ近傍に位置しているために、およびパネルブラケット４とガイドスライド１４との間の追加の接続のために、少なくとも前部エッジ近傍でのパネルの非常に安定した閉位置が得られている。

図１５の位置において、ガイドスライド１４は後方の離れた位置に移動されており、一方で、ガイド部材１１が静止ガイド湾曲部１２の前方係合部１２’と係合してパネルブラケット４のスライド移動を防止しているために、パネル３は概略その前方位置に維持されている。しかしながら、ガイド湾曲部１５の部分１５’’を通じた中間ガイド接続部１０の動作のために、ガイド部材１１はこの垂直前部１２’内においてわずかに上向きに移動される。前方係合部１２’が上向き且つ前向きに移動開始したとき、ガイド部材がこの前部を通じて移動を開始し、このときガイド部材はわずかに移動し、結果として、パネルブラケット４とパネル３とは、パネル３が傾斜したときに、前方にわずかに移動する。このことは、パネル３の傾斜動作の間にパネル前部の動作（その動作は下向き且つ後ろ向き）を補正し、静止ルーフ部とパネル前部との間のシールが維持されることになる。

上述の通り、中間接続部１９はトラック１５のわずかに傾斜した部分１５’’内に移動する。レバー７のこれらの動作の間、下側回動ピン８は一定の高さに留まるが、必要であれば長手方向に移動可能であり、レバー７の動作を許容している。

図１６は動作機構のさらなる位置を示しており、その位置において、パネル３の前部エッジは上向きに持ち上げられ、隣接したルーフ部２’を越えて後ろ向きにスライドされている。パネル３のスライド動作は、静止ガイド湾曲部１２の後方に伸びた部分内にガイド部材１１が到達することによって可能とされている。このことは、中間ガイド接続部１０がガイドスライド１４内のガイドトラック１５の垂直前方ロック部１５’内に進入するためのレバー７の上向きの傾斜動作によって達成される。レバー７および１６、したがってパネル３はここではガイドスライド１４に対してスライド方向にロックされている。中間ガイド接続部１０は、ガイド部材１１が静止ガイド湾曲部１２の後部１２’’と係合してレバー７の垂直移動を防止するために、前方ロック部１５’内の所定の位置に留まっている。したがって、図１６の位置において、パネル３と動作機構とはユニットとして移動する。ルーフ開口部１の後方のルーフ部２’はスロット３６によってその長手側において境界を画定されており、ガイドスライド１４は静止ルーフ部２の後にさらに後ろ向きにスライドしてもよく、一方で、パネル３はこのルーフ部２を越えて移動してもよく、それは後方レバー１６または前方レバー７さえもがガイドレール１３の上のこのスロット３６を通じて突出してもよいからである。通常は、スロットはシール装置によって閉鎖されるが、シール装置は変形可能であり、レバーはスロット３６を通じてシール装置のシールを押圧することによって局所的に側方に移動してもよい。この方式において、動作機構は静止ルーフ部２の下の部品を静止ルーフ部の上の部品に接続している。このことは、動作機構がさらに後ろ向きに移動し、大きいルーフ開口通路を形成することを可能にしている。

前術の事項から、本発明がさらに安定性の増大した、その一方で低いパッケージ高さを維持したルーフシステムのための動作機構を提供することが明確であろう。本発明は図およびこれまでの記載に示された実施形態に限定されるものではなく。本発明の範囲内において異なった態様に変化されても良い。異なった実施形態の特徴が他の方法によって結合されても良い。

１ ・・・ルーフ開口部、 ２ ・・・ルーフ部、 ２’ ・・・ルーフパネル、 ３ ・・・パネル、 ４ ・・・パネルブラケット、 ５ ・・・第２（前部）デバイス、 ６ ・・・第１（後部）デバイス、 ７ ・・・前方レバー、 ８，１７ ・・・回動ピン、 ９，１８ ・・・上方回動接続部、 １０，１９ ・・・中間ガイド接続部、 １１ ・・・ガイド部材、 １２ ・・・静止ガイド湾曲部、 １３ ・・・ガイドレール、 １３’ ・・・フランジ、 １４ ・・・ガイドスライド、 １４’ ・・・押引ケーブル、 １５ ・・・前方ガイド湾曲部、 １６ ・・・後方レバー、 ２０，２１ ・・・ガイドトラック、 ２２ ・・・補助スライド部材、 ２３ ・・・ガイドチャネル、 ２４ ・・・前方スライドシュー、 ２５ ・・・後方スライドシュー、 ２６，２７ ・・・中央スライドシュー、 ２８ ・・・上側水平フランジ、 ２９ ・・・垂直ガイドフランジ、 ３０ ・・・鋼製本体部、 ３２ ・・・スライドシュー、 ３３ ・・・補助ガイドトラック、 ３４ ・・・リップ、 ３５ ・・・ショルダ、 ３６ ・・・スロット、 ３８，３９ ・・・スライドシュー

Claims (16)

1. ルーフ部（２，２’）内にルーフ開口部（１）を備えた自動車のためのルーフシステムであって、
   該ルーフシステムは、
   少なくとも１つの閉鎖部（３）であって、該閉鎖部が前記ルーフ開口部を閉鎖する閉位置と、該閉鎖部が前記ルーフ開口部を開放する開位置と、の間で移動可能であり、前記開位置においては、少なくとも部分的に隣接したルーフ部（２’）の上に配置される閉鎖部（３）と、
   前記ルーフ開口部（１）の各長手側（１’）に配置された静止ガイドレール（１３）であって、前記閉鎖部（３）を自動車の長手方向において動作する動作機構をスライド可能にガイドするために適した静止ガイドレール（１３）と、を具備し、
   前記動作機構は、
   前記閉鎖部の後部エッジを閉鎖位置に対して上昇位置に向かって且つ前記隣接したルーフ部の上に向かって移動するためのレバー（１６）を含んだ第１デバイス（６）と、
   垂直方向において前記閉鎖部の前部エッジを移動するためのレバー（７）を含んだ第２デバイス（５）と、
   前記各ガイドレール内にスライド可能に収容され、且つ前記閉鎖部を前記第１および第２デバイスを介して垂直方向および水平方向の両方において移動するために駆動部材によって駆動可能なガイドスライドと、を具備し、
   前記レバー（７；１６）は互いに離間されており、各前記レバーは、第１端部において、前記閉鎖部との第１回動接続部（９；１８）、ならびに前記第１端部から離れて、離間された第２および第３接続部（８，１０；１７，１９）を備え、該第２および第３接続部は、前記レバーの移動の制御を可能にするために、個々の前記レバーを少なくとも前記ガイドスライド（１４）に接続しており、
   前記レバー（７；１６）の少なくとも１つ（７）は、前記第２および第３接続部（８，１０）の少なくとも１つによってスライド部材（２２）に回動可能に接続されており、該スライド部材（２２）は前記ガイドスライド（１４）から離間されて、前記静止ガイドレール（１３）の長手方向においてスライド可能であり、前記ガイドレールによって長手スライド方向に対して垂直方向に支持されていることを特徴とするルーフシステム。
2. 前記レバー（７；１６）の少なくとも１つは、前記第２接続部（８；１７）において前記スライド部材（２２）に接続されていることを特徴とする請求項１に記載のルーフシステム。
3. 前記第２接続部（８；１７）は前記レバー（７；１６）の１つの第２端部近傍に位置しており、前記第３接続部（９；１９）は前記第１接続部と第２接続部と（１０，８；１９，１７）の間に位置していることを特徴とする請求項２に記載のルーフシステム。
4. 前記第２デバイス（５）のレバー（７）は前記スライド部材（２２）に接続されていることを特徴とする請求項１に記載のルーフシステム。
5. 前記スライド部材（２２）は前記ガイドレール（１３）のガイドチャネル（２３）内にガイドされ、前記ガイドチャネルには個々の前記第２接続部（８；１７）近傍において前記スライド部材（２２）と係合するガイドフランジ（２８，２９）が設けられていることを特徴とする請求項１に記載のルーフシステム。
6. 前記ガイドフランジ（２８，２９）は、前記スライド部材（２２）によって係合された水平部（３７）を備え、該スライド部材は、該スライド部材（２２）の側部および底部から離間された位置において前記ガイドフランジ（２８，２９）と係合していることを特徴とする請求項５に記載のルーフシステム。
7. 前記ガイドフランジ（２８，２９）は、両側から前記スライド部材によって係合され且つ前記スライド部材（２２）の側部から離間された、下向きに懸架されたフランジ部（２９）を備えていることを特徴とする請求項５に記載のルーフシステム。
8. 前記ガイドレール（１３）の長手方向において、前記スライド部材（２２）は離間された位置において下向き方向および上向き方向に支持されていることを特徴とする請求項１に記載のルーフシステム。
9. 前記レバー（７；１６）の少なくとも１つは前記第３接続部（１０；１９）において前記ガイドスライド（１４）に接続されており、前記第３接続部（１０；１９）は前記少なくとも１つのレバーのピンと前記ガイドスライド内のトラック（１５）とを含んでいることを特徴とする請求項１に記載のルーフシステム。
10. 前記ガイドスライド（１４）内のトラック（１５）は下向きに開放したスロット部（１５’’’）を備えたスロットであり、該スロット部は、個々のレバー（７）のカム（１０）の長手方向の寸法よりも大きい長手方向の範囲に関して、その底部において開放されており、
    前記ガイドスライド（１４）はその上側において、少なくとも前記カム（１９）が前記開放スロット部内にあるときに、個々にレバー（７）に係合される補助ガイドトラック（３３）を具備していることを特徴とする請求項９に記載のルーフシステム。
11. 前記補助ガイドトラック（３３）は、前記カムが前記下向きの開放スロット部（１５’’’）から下向きの閉鎖スロット部（１５’’）へと移動する場合に、個々の前記レバー（７）を持ち上げるための傾斜部（３３’）を含んでいることを特徴とする請求項１０に記載のルーフシステム。
12. 個々の前記レバー（７）は、その第１端部近傍の位置において前記ガイドスライド（１４）の補助ガイドトラック（３３）に係合することを特徴とする請求項１０または１１に記載のルーフシステム。
13. 前記レバー（７；１６）の少なくとも１つとスライド部材（２２）との間の回動接続部（８）は、ピンと、該ピンが回転可能にその内部に収容されるベアリングと、を含んでいることを特徴とする請求項１に記載のルーフシステム。
14. 前記後部エッジが上昇位置にある場合に、前記開位置に向かう閉鎖部をガイドするためのガイド機構（１１，１２）をさらに具備し、
    該ガイド機構（１１，１２）は、閉位置にあるときに前記閉鎖部（３）に略平行に伸びた後部（１２’’）を備えた静止ガイド湾曲部（１２）と、垂直面において前記後部に対して所定の角度を成して伸びた前部（１２’）と、を具備し、前記静止ガイド湾曲部は前記閉鎖部（３）に接続されたガイド部材（１１）によってスライド可能に係合されていることを特徴とする請求項１に記載のルーフシステム。
15. 前記閉鎖部（３）には側方突起（３４）を具備した閉鎖サポート（４）が設けられ、前記ガイドスライド（１４）には側方ショルダ（３５）が設けられ、前記閉鎖部が閉鎖位置にあるとき、前記突起は前記側方ショルダの下に係合することを特徴とする請求項１に記載のルーフシステム。
16. 前記ガイドレール（１３）は底部を備えたガイドチャネル（２３）を具備し、前記スライド部材（２２）は前記底部から離れて前記ガイドチャネル内にガイドされ、それにより、前記スライド部材（２２）は前記ガイドチャネル（２３）の底部の影響を受けないことを特徴とする請求項１に記載のルーフシステム。

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