以下、本発明を実施するための形態について図面を用いて説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものでなく、また実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須のものとは限らない。
以下では、本発明の実施形態として、複数色のトナー(現像剤)を用いてマルチカラー(フルカラー)画像を形成する画像形成装置及び当該画像形成装置に備えられる光走査装置に本発明を適用した場合を例に説明する。ただし、本発明は、単色(例えばブラック色)のトナーのみを用いてモノカラー画像を形成する画像形成装置及び当該画像形成装置に備えられる光走査装置に対しても適用可能である。
<カラー複合機のハードウェア構成>
まず、図1を参照して、本発明の実施形態に係るカラー複合機の構成について説明する。カラー複合機は、図1に示すように、画像読取装置150と画像形成装置100とで構成される。
画像読取装置150は、原稿152の画像を、照明ランプ153、ミラー群154A、154B及び154C、並びにレンズ155を介してカラーセンサー156に結像する。これにより、画像読取装置150は、例えば、ブルー(B)色、グリーン(G)色、レッド(R)色の色分解光ごとに原稿の画像を読み取って、当該画像を電気的な画像信号に変換し、画像形成装置100側の中央画像処理部130に送信する。
中央画像処理部130は、画像読取装置150で得られた画像信号に含まれるR,G,Bの各色成分の強度レベルに基づいて色変換処理を実行する。これにより、イエロー(Y)色、マゼンタ(M)色、シアン(C)色、及びブラック(K)色の色成分から成る画像データが得られる。中央画像処理部130は、画像読取装置150以外にも、カラー複合機が備える外部インタフェース(I/F)413(図4)を介して、電話回線、LAN等のネットワーク上の外部装置から、外部入力データを受信できる。その場合、外部装置から受信したデータがPDL(Page Description Language)形式であれば、中央画像処理部130は、受信した外部入力データをPDL処理部412(図4)によって画像情報に展開することで、画像データを得ることが可能である。
画像形成装置100は、Y色、M色、C色、及びK色のトナーをそれぞれ用いて画像(トナー像)を形成する4つの画像形成部を備えている。各色に対応する画像形成部は、感光ドラム(感光体)102Y、102M、102C、102Kをそれぞれ備えている。感光ドラム102Y、102M、102C、102Kの周りには、帯電部103Y、103M、103C、103K、光走査部(光走査装置)104Y、104M、104C、104K、及び現像部105Y、105M、105C、105Kがそれぞれ配置されている。なお、感光ドラム102Y、102M、102C、102Kの周りには、更に、ドラムクリーニング部(図示せず)がそれぞれ配置されている。
感光ドラム102Y、102M、102C、102Kの下方には、無端ベルト状の中間転写ベルト(中間転写体)107が配置されている。中間転写ベルト107は、駆動ローラ108と、従動ローラ109及び110とに掛け渡されている。画像形成中には、駆動ローラ108の回転に伴って、中間転写ベルト107の周面は、図1に示す矢印の方向へ移動する。中間転写ベルト107を介して感光ドラム102Y、102M、102C、102Kに対向する位置には、一次転写バイアスブレード111Y、111M、111C、111Kが配置されている。画像形成装置100は、中間転写ベルト107上に形成されたトナー像を記録紙(記録媒体)上に転写するための二次転写バイアスローラ112と、記録紙上に転写されたトナー像を当該記録紙に定着させるための定着部113とを更に備えている。
次に、上述の構成を有する画像形成装置100における、帯電プロセスから現像プロセスまでの画像形成プロセスについて説明する。なお、各色に対応する画像形成部のそれぞれで実行される画像形成プロセスは同様である。このため、以下では、Y色に対応する画像形成部における画像形成プロセスを例にして説明し、M色、C色及びK色に対応する画像形成部における画像形成プロセスについては説明を省略する。
まず、Y色に対応する画像形成部の帯電部103Yが、回転駆動される感光ドラム102Yの表面を帯電させる。光走査部104Yは、複数のレーザ光(光ビーム)を出射して、帯電した感光ドラム102Yの表面を当該複数のレーザ光で走査することで、感光ドラム102Yの表面を露光する。これにより、回転する感光ドラム102Y上に静電潜像が形成される。感光ドラム102Y上に形成された静電潜像は、現像部105Yによって、Y色のトナーで現像される。その結果、感光ドラム102Y上にY色のトナー像が形成される。また、M色、C色及びK色に対応する画像形成部では、それぞれ、Y色に対応する画像形成部と同様のプロセスで、感光ドラム102M、102C、102K上にM色、C色、K色のトナー像がそれぞれ形成される。
以下、転写プロセス以降の画像形成プロセスについて説明する。転写プロセスでは、まず、一次転写バイアスブレード111Y、111M、111C、111Kが中間転写ベルト107に転写バイアスをそれぞれ印加する。これにより、感光ドラム102Y、102M、102C、102K上に形成された4色(Y色、M色、C色、K色)のトナー像が、それぞれ中間転写ベルト107に重ね合わせて転写される。
中間転写ベルト107上に重ね合わせて形成された、4色のトナーから成るトナー像は、中間転写ベルト107の周面の移動に伴って、二次転写バイアスローラ112と中間転写ベルト107との間の二次転写ニップ部へ搬送される。中間転写ベルト107上に形成されたトナー像が二次転写ニップ部に搬送されるタイミングに合わせて、給紙カセット115から記録紙が二次転写ニップ部へ搬送される。二次転写ニップ部では、中間転写ベルト107上に形成されているトナー像が、二次転写バイアスローラ112によって印加される転写バイアスの作用によって、記録紙上に転写される(二次転写)。
その後、記録紙上に形成されたトナー像は、定着部113で加熱されることで記録紙に定着する。このようにしてマルチカラー(フルカラー)画像が形成された記録紙は、排紙部725へ排紙される。
なお、中間転写ベルト107へのトナー像の転写が終了した後、感光ドラム102Y、102M、102C、102Kに残留するトナーが、上述のドラムクリーニング部(図示せず)によってそれぞれ除去される。このようにして一連の画像形成プロセスが終了すると、次の記録紙に対する画像形成プロセスが続けて開始される。
<光走査部のハードウェア構成>
次に、図2及び図3を参照して、光走査部104Y、104M、104C、104Kの構成を説明する。なお、光走査部104Y、104M、104C、104K(Y色、M色、C色、K色に対応する画像形成部)の構成は同一であるため、以下では、添え字Y、M、C、Kを省略した表記を行う場合がある。例えば、感光ドラム102と表記した場合、感光ドラム102Y、102M、102C、102Kのそれぞれを表し、光走査部104と表記した場合、光走査部104Y、104M、104C、104Kのそれぞれを表すものとする。
図2は、光走査部104の構成を示す図である。光走査部104は、レーザドライバ200と、レーザ光源201と、各種の光学部材202〜206(コリメータレンズ202、シリンドリカルレンズ203、ポリゴンミラー(回転多面鏡)204、fθレンズ205及び206)とを備える。レーザドライバ200は、レーザ光源201に供給する駆動電流によってレーザ光源201の駆動を制御する。レーザ光源(以下、単に「光源」と称する。)201は、駆動電流に応じた光量のレーザ光(光ビーム)を発生させて出力(出射)する。コリメータレンズ202は、光源201から出射されたレーザ光を、平行光に整形する。シリンドリカルレンズ203は、コリメータレンズ202を通過したレーザ光を、副走査方向(感光ドラム102の回転方向に対応する方向)へ集光する。
シリンドリカルレンズ203を通過したレーザ光は、ポリゴンミラー204が備える複数の反射面のうちのいずれかの反射面に入射する。ポリゴンミラー204は、入射したレーザ光が連続的な角度で偏向されるように、図2に示す矢印の方向に回転しながら各反射面でレーザ光を反射させる。ポリゴンミラー204によって偏向されたレーザ光は、fθレンズ205、206に順に入射する。fθレンズ(走査レンズ)205、206を通過することで、レーザ光は、感光ドラム102の表面を等速で走査する走査光となる。
光走査部104は、fθレンズ205を通過したレーザ光の走査路における、当該レーザ光の走査開始側の位置に、反射ミラー(同期検知用ミラー)208を備える。反射ミラー208には、fθレンズの端部を通過したレーザ光が入射する。光走査部104は、更に、反射ミラー208からのレーザ光の反射方向に、レーザ光を検知するための光学センサとして、ビーム検出(BD)センサ207を備える。このように、BDセンサ207は、ポリゴンミラー204によって偏向されたレーザ光の走査路上に配置されている。即ち、BDセンサ207は、光源201から出射される複数のレーザ光が感光ドラム102の表面を走査する際の走査路上に設けられている。
BDセンサ207は、ポリゴンミラー204によって偏向されたレーザ光が入射すると、レーザ光を検出したことを示す検出信号(BD信号)を、(水平)同期信号として出力する。BDセンサ207から出力されたBD信号は、スキャナユニット制御部210へ入力される。スキャナユニット制御部210は、後述するように、BDセンサ207から出力されるBD信号を基準として、画像データに基づく各発光素子(LD1〜LDN)の点灯タイミングを制御する。
次に、図3を参照して、光源201の構成と、光源201から出射されたレーザ光による感光ドラム102及びBDセンサ207上の走査位置とについて説明する。
まず、図3(a)は、光源201の拡大図であり、図3(b)は、光源201から出射されたレーザ光による感光ドラム102上の走査位置を示す図である。光源201は、それぞれがレーザ光を出射(出力)するN個の発光素子(LD1〜LDN)を備える。光源201のn番目(nは1〜Nの整数)の発光素子n(LDn)は、レーザ光Lnを出射する。図3(a)のX軸方向は、ポリゴンミラー204によって偏向された各レーザ光が感光ドラム102上を走査する方向(主走査方向)に対応する方向である。また、Y軸方向は、主走査方向に直交する方向であり、感光ドラム102の回転方向(副走査方向)に対応する方向である。
図3(b)に示すように、発光素子1〜Nからそれぞれ出射されたレーザ光L1〜LNは、感光ドラム102上で、副走査方向においてそれぞれ異なる位置S1〜SNに、スポット状に結像する。これにより、レーザ光L1〜LNは、感光ドラム102上で、副走査方向において隣接する複数の主走査ラインを並列に走査する。また、発光素子1〜Nが、光源201内で図3(a)に示すようにアレイ状に配置されていることに起因して、レーザ光L1〜LNは、図3(b)に示すように、感光ドラム102上で、主走査方向においてもそれぞれ異なる位置に結像する。なお、図3(a)では、N個の発光素子(LD1〜LDN)は、光源201において直線状に(1次元に)一列に配置されているが、2次元に配置されていてもよい。
図3(a)に示すD1は、X軸方向における、発光素子1(LD1)と発光素子N(LDN)との間隔(距離)を表す。本実施形態では、発光素子1及びNは、光源201において直線状に一列に配置された複数の発光素子のうち、両端に配置された発光素子である。発光素子Nは、X軸方向において発光素子1から最も離れている。このため、図3(b)に示すように、感光ドラム102上で、複数のレーザ光のうち、レーザ光LNの結像位置SNは、レーザ光L1の結像位置S1から、主走査方向において最も離れた位置となる。
図3(a)に示すD2は、Y軸方向における、発光素子1(LD1)と発光素子N(LDN)との間隔(距離)を表す。複数の発光素子のうち、発光素子Nは、Y軸方向において発光素子1から最も離れている。このため、図3(b)に示すように、感光ドラム102上で、複数のレーザ光のうち、レーザ光LNの結像位置SNは、レーザ光L1の結像位置S1から、副走査方向において最も離れた位置となる。
Y軸方向(副走査方向)の発光素子間隔Ps=D2/N−1は、画像形成装置100が形成する画像の解像度に対応する間隔である。Psは、感光ドラム102上で副走査方向に隣接する結像位置Snの間隔が、所定の解像度に対応する間隔となるよう、画像形成装置100(カラー複合機)の組立工程において光源201を回転調整することによって設定される値である。光源201は、図3(a)に示すように、X軸及びY軸を含む平面(XY平面)内で矢印方向に回転調整される。光源201を回転させると、Y軸方向における発光素子の間隔が変化するとともに、X軸方向における発光素子の間隔も変化する。X軸方向(主走査方向)の発光素子間隔Pm=D1/N−1は、Y軸方向の発光素子間隔Psに依存して一意に定まる値である。
BDセンサ207によってBD信号が生成及び出力されたタイミングを基準とした、各発光素子(LDn)からレーザ光を出射させるタイミングは、発光素子ごとに、組立工程において所定の治具を用いて設定される。設定された発光素子ごとのタイミングは、画像形成装置100(カラー複合機)の工場出荷時に、初期値としてメモリ406(図5)に格納される。このようにして設定される、各発光素子(LDn)からレーザ光を出射させるタイミングの初期値には、Pmに対応した値が設定される。
次に、図3(c)は、BDセンサ207の概略的な構成と、光源201から出射されたレーザ光によるBDセンサ207上の走査位置とを示す図である。BDセンサ207は、光電変換素子が平面状に配置された受光面207aを備える。受光面207aにレーザ光が入射すると、BDセンサ207は、レーザ光を検出したことを示すBD信号を生成して出力する。光走査部104は、後述するBD間隔測定では、発光素子1及びN(LD1及びLDN)から出射されたレーザ光L1及びLNをBDセンサ207に順に入射させる。これにより、光走査部104は、それぞれのレーザ光に対応する2つのBD信号を、BDセンサ207から順に出力させる。なお、本実施形態では、発光素子1及びN(LD1及びLDN)は、それぞれ第1の発光素子及び第2の発光素子の一例である。
図3(c)では、受光面207aの主走査方向の幅、及び副走査方向に対応する方向の幅を、それぞれD3及びD4として表している。本実施形態では、発光素子1及びN(LD1及びLDN)からそれぞれ出射されたレーザ光L1及びLNは、図3(c)に示すようにBDセンサ207の受光面207aを走査する。このため、レーザ光L1及びLNがいずれも受光面207aに入射可能となるよう、幅D4は、D4>D2×αを満たす値に定められている。ただし、αは、各種レンズを通過したレーザ光L1及びLNの間隔についての副走査方向の変動率である。また、発光素子1及びN(LD1及びLDN)を同時に点灯させた場合であっても、レーザ光L1及びLNが同時に受光面207aに入射しないよう、幅D3は、D3<D1×βを満たす値に定められている。ただし、βは、各種レンズを通過したレーザ光L1及びLNの間隔についての主走査方向の変動率である。
<画像形成装置の制御構成>
次に、図4を参照して、画像形成装置100の制御構成を説明する。図4に示すように、画像形成装置100は、画像形成に関連する制御構成として、中央画像処理部130、読取系画像処理部411、PDL処理部412、外部I/F413、画像メモリ414、外部メモリ415、及びスキャナユニット制御部210Y、210M、210C、210Kを備える。
中央画像処理部130は、PDL処理部412によるPDL処理等が行われた画像データを、画像メモリ414に一時的に格納する。スキャナユニット制御部210は、後述するタイミングに、中央画像処理部130に画像データを要求する。中央画像処理部130は、当該要求に応じて、画像メモリ414から画像データを読み出し、外部メモリ415等を用いて画像処理を行った後、スキャナユニット制御部210に各色に対応する画像データを送信する。
スキャナユニット制御部210には、BDセンサ207によって生成及び出力されたBD信号がそれぞれ入力される。スキャナユニット制御部210は、中央画像処理部130から受信した画像データを、光源201を制御するためのレーザ駆動パルス信号に変換する。更に、スキャナユニット制御部210は、BDセンサ207によってBD信号が生成されたタイミングを基準として、レーザ駆動パルス信号をレーザドライバ200に出力する。
<光走査部の制御構成>
次に、図5を参照して、光走査部104の制御構成を説明する。図5は、スキャナユニット制御部210の構成を示すブロック図である。スキャナユニット制御部210は、CPU401、クロック(CLK)信号生成部404、画像出力制御部405、メモリ(記憶部)406、ポリゴンモータ制御部408、モータドライバ409、及びサーミスタ(温度センサ)410を備える。
CPU401は、メモリ406に格納された制御プログラムを実行することで、光走査部104全体を制御する。CLK信号生成部404は、所定周波数のクロック信号(CLK信号)を生成し、生成したCLK信号をCPU401に出力する。CPU401は、CLK信号生成部404から入力されるCLK信号のパルスをカウントするとともに、当該CLK信号に同期して、ポリゴンモータ制御部408、画像出力制御部405及びレーザドライバ200に制御信号を送信する。CPU401は、当該制御信号を用いて、ポリゴンモータ制御部408、画像出力制御部405及びレーザドライバ200を制御する。
ポリゴンモータ制御部408は、CPU401からの指示に応じて、モータドライバ409に対して加速信号または減速信号を出力することで、ポリゴンミラー204の回転速度を制御する。ポリゴンモータ407は、ポリゴンミラー204を回転駆動させるモータである。モータドライバ409は、ポリゴンモータ制御部408から出力される加速信号または減速信号に従ってポリゴンモータ407の回転を加速または減速させる。
ポリゴンモータ407は、ポリゴンミラー204の回転速度に比例した周波数信号を発生させる周波数発電機(FG:Frequency Generator)方式を採用した速度センサ(図示せず)を備える。ポリゴンモータ407は、ポリゴンミラー204の回転速度に応じた周波数のFG信号を速度センサによって発生させ、ポリゴンモータ制御部408に出力する。ポリゴンモータ制御部408は、ポリゴンモータ407から入力されるFG信号の発生周期を測定し、測定したFG信号の発生周期が所定の目標周期に達すると、ポリゴンミラー204の回転速度が所定の目標回転速度に達したと判定する。このように、ポリゴンモータ制御部408は、CPU401からの指示に応じて、フィードバック制御によりポリゴンミラー204の回転速度を制御する。なお、CPU401も、ポリゴンモータ407から出力されたFG信号をポリゴンモータ制御部408を介して受信することで、ポリゴンミラー204の回転速度を判定できる。
BDセンサ207によって生成及び出力されたBD信号は、CPU401、画像出力制御部405及びレーザドライバ200に入力される。画像出力制御部405は、画像形成時には、BDセンサ207から出力されたBD信号が入力されると、1ラインごとの画像データを中央画像処理部130に要求する。画像出力制御部405は、当該要求に応じて中央画像処理部130から取得したラインごとの画像データをレーザ駆動パルス信号に変換し、当該レーザ駆動パルス信号をレーザドライバ200に出力する。
CPU401は、画像形成時には、BDセンサ207から出力されたBD信号が入力されると、当該BD信号を基準として、発光素子1〜Nからのレーザ光の出射タイミングを制御するための制御信号を画像出力制御部405に送信する。発光素子1〜Nからのレーザ光の出射タイミングは、発光素子1〜Nについて主走査方向の静電潜像(画像)の書き出し位置が一致するように制御される。画像出力制御部405は、当該制御信号に基づくタイミングに、各発光素子用の、1ラインの画像データに対応するレーザ駆動パルス信号をレーザドライバ200に転送する。
レーザドライバ200は、画像形成時には、画像出力制御部405から入力される画像形成用の画像データに基づく(即ち、画像データに応じて変調した)駆動電流を、各発光素子(LD1〜LDN)に供給する。これにより、レーザドライバ200は、駆動電流に応じた光量のレーザ光を各発光素子から出射させる。
サーミスタ410は、スキャナユニット制御部210の温度(光走査部104の内部の温度)を測定し、その測定結果をCPU401に出力する。ただし、サーミスタ410は、光源201の温度を測定するように構成されてもよい。
<光走査部の温度変化の影響>
画像形成装置100では、図3(a)に示すような光源201の構成に起因して、図6(a)に示すように、各発光素子から出射されたレーザ光が、感光ドラム102上で、主走査方向において異なる位置S1〜SNに結像する。このような画像形成装置では、各発光素子から出射されるレーザ光によって形成される静電潜像(画像)の主走査方向の書き出し位置を一定とするために、レーザ光を出射するタイミングを発光素子ごとに適切に制御する必要がある。
例えば、特定の発光素子から出射されたレーザ光に基づいて単一のBD信号を生成し、当該BD信号を基準として、発光素子ごとに予め設定された固定のタイミングにレーザ光を出射するよう、各発光素子を制御する。この制御によれば、画像形成中に、結像位置S1〜SNの相対的な位置関係が常に一定である限り、各発光素子から出射されるレーザ光によって形成される静電潜像(画像)の主走査方向の書き出し位置を一致させることが可能である。
しかし、画像形成中には、各発光素子がレーザ光を出射すると、発光素子自体の温度の上昇に伴って、各発光素子から出射されるレーザ光の波長が変化する。また、ポリゴンミラー204を回転させる際にポリゴンモータ407から発生する熱によって、光走査部104全体の温度が上昇し、走査レンズ205、206等の光学特性(屈折率等)が変化する。これにより、各発光素子から出射されたレーザ光の光路が変化する。このようなレーザ光の波長または光路の変化が生じると、各レーザ光の結像位置S1〜SNが、図6(a)に示す位置から例えば図6(b)に示す位置に変化する。このように、結像位置S1〜SNの相対的な位置関係が変化した場合、上述の単一のBD信号に基づくレーザ出射タイミング制御では、各発光素子から出射されるレーザ光によって形成される静電潜像の主走査方向の書き出し位置が一致させることができない。
そこで、本実施形態では、発光素子1〜Nのうちの2つの発光素子(第1及び第2の発光素子)から出射されるレーザ光によってBDセンサ207に2つのBD信号を生成させ、2つのBD信号の時間間隔(本明細書では「BD間隔」とも称する。)を測定する。このBD間隔測定を非画像形成期間に行うとともに、当該非画像形成期間の後に画像形成を行う際に、単一のBD信号を基準として、各発光素子の、画像データに基づくレーザ光の出射タイミングを、BD間隔測定によって得られる測定値に応じて制御する。BD間隔測定を行う非画像形成期間は、例えば、複数の記録紙に画像形成を行う場合、各記録紙への画像形成後、次の記録紙への画像形成を開始する前の期間である。これにより、画像形成の実行中に発光素子等の温度変化が発生したとしても、各発光素子から出射されるレーザ光によって形成される静電潜像の主走査方向の書き出し位置が一致するよう、レーザ出射タイミングを制御できる。
<BD間隔測定とレーザ出射タイミング制御>
次に、図7及び図8を参照して、本実施形態に係る光走査部104の、BD間隔測定時及び画像形成時の動作について説明する。
CPU401は、BD間隔測定時には、2つの発光素子のそれぞれが順にレーザ光を出射し、各レーザ光が順にBDセンサ207に入射するよう、レーザドライバ200を介して光源201を制御する。即ち、BD間隔測定は、BDセンサ207から順に出力される2つのBD信号に基づいて行われる(ダブルBDモード)。一方、CPU401は、画像形成時には、特定の発光素子が出射したレーザ光がBDセンサ207に入射するよう、レーザドライバ200を介して光源201を制御する。更に、CPU401は、レーザ光が入射することによってBDセンサ207から出力される単一のBD信号を基準として、画像データに基づくレーザ光の出射タイミングを発光素子ごとに制御する(シングルBDモード)。
図7(a)及び図7(b)はそれぞれ、BD間隔測定時及び画像形成時の、レーザ光の1走査期間における各発光素子の動作タイミングとBDセンサによるBD信号の生成タイミングとを示すタイミングチャートである。なお、以下では、BD間隔測定における2つのBD信号の生成には発光素子1及びNを用いるものとし、画像形成時の単一のBD信号の生成には発光素子1を用いるものとする。
図7(a)に示すように、非画像形成期間に実行されるBD間隔測定時には、発光素子1及びN(LD1及びLDN)から出射されたレーザ光が順にBDセンサ207に入射するように、レーザドライバ200から発光素子1及びNにそれぞれ駆動信号が供給される。その結果、発光素子1からのレーザ光を受光することによってBDセンサ207が生成するBD信号と、発光素子Nからのレーザ光を受光することによってBDセンサ207が生成するBD信号とが、BDセンサ207から出力される(ダブルBDモード)。CPU401は、BDセンサ207から順に出力されるこれら2つのBD信号の生成タイミングの時間間隔の測定(BD間隔測定)を行う。
一方、図7(b)に示すように、画像形成時には、まず、発光素子1(LD1)から出射されたレーザ光がBDセンサ207に入射するように、レーザドライバ200から発光素子1に駆動信号が供給される。その結果、発光素子1からのレーザ光を受光することによってBDセンサ207が生成する単一のBD信号が、BDセンサ207から出力される(シングルBDモード)。その後、記録紙に画像を形成する際には、CPU401は、BDセンサ207から出力される当該単一のBD信号と、各発光素子に対して設定される発光開始タイミング値A1〜ANとに基づいて、発光素子1〜Nのレーザ出射タイミングを制御する。
図7(b)に示す発光開始タイミング値A1〜ANは、BDセンサ207による単一のBD信号の生成タイミングを基準とした、発光素子1〜Nのそれぞれの発光開始タイミングに相当する。即ち、A1〜ANは、BDセンサ207から出力される単一のBD信号に対する、発光素子1〜Nのそれぞれの、画像データに基づくレーザ光の出射タイミングの相対遅延時間に相当する。A1〜ANは、発光素子1〜Nからそれぞれ出射されるレーザ光によって形成される静電潜像(画像)の主走査方向の書き出し位置が一致するように設定される。
A1〜ANは、各発光素子について、補正値Asnを用いて、基準タイミング値Adnを次式に示すように補正することによって得られる。
An=Adn+Asn (n=1, 2,..., N) (1)
CPU401は、A1〜ANを画像出力制御部405に設定することで、発光素子1〜Nのレーザ出射タイミングを制御する。図7(b)に示すように、画像出力制御部405は、単一のBD信号の生成タイミングを基準として、A1〜ANに従ったタイミングに、各発光素子に対応する画像データをレーザドライバ200に出力する。これにより、A1〜ANに従ったタイミングに、レーザドライバ200によって各発光素子が駆動され、感光ドラム102上で所望の主走査位置に、各ラインの静電潜像(画像)が形成される。
基準タイミング値Ad1〜AdNは、工場調整時に、特定の温度条件下で、発光素子1〜Nについて、所望の主走査位置に静電潜像が形成され、かつ、主走査方向の静電潜像の書き出し位置が複数のライン間で一致するように定められる値である。Ad1〜AdNは、メモリ406に予め格納されている。なお、工場調整時には、同じ温度条件下でBD間隔測定が行われ、その測定結果であるカウント値が基準カウント値Crとしてメモリ406に予め格納される。このように、基準タイミング値Ad1〜AdNは、基準カウント値Crに対応して予め定められている。
ここで、カウント値とは、CLK信号生成部404によって生成されるCLK信号のパルスをCPU401がカウントして得られる値に相当する。CPU401は、BD間隔測定を行う際、図8に示すように、発光素子1に対応するBD信号1が生成されたタイミングから、発光素子Nに対応するBD信号2が生成されたタイミングまでの間、CLK信号のパルスをカウントすることで、カウント値を生成する。このカウント値は、BD信号の時間間隔ΔTに対応し、BD間隔測定の測定結果として生成される。
一方、発光素子等の温度変化による結像位置S1〜SNのずれが発生すると、上述のように、主走査方向の静電潜像の書き出し位置を複数のライン間で一致させることができなくなる。このため、補正値As1〜AsNは、このような結像位置S1〜SNのずれを補償するために、次式を用いてCPU401によって生成される。
Asn=(Cs−Cr)/(N−1)×k×(n−1) (n=1, 2,..., N) (2)
ここで、nは、発光素子の番号を表す。Csは、後述するBD間隔測定1及び2における測定結果に相当する、(S127、S147で)メモリ406に保存されるカウント値である。Crは、工場調整時の測定によって得られる、BD間隔測定の基準値である。kは、2つのBD信号の時間間隔を示すカウント値を、感光ドラム102上の結像位置における走査時間間隔に変換するための変換係数である。
式(2)から明らかなように、発光素子1に対応する補正値As1は、常に0となる。このため、式(2)は、発光素子等の温度変化による結像位置S1〜SNのずれを、発光素子1に対応する結像位置S1を基準として補正するための補正値を生成する。式(1)及び図7(b)に示すように、CPU401は、算出したAs1〜AsNを、メモリ406に格納されているAd1〜AdNに加算することで、発光素子1〜Nのそれぞれに対して設定すべき発光開始タイミング値A1〜ANを算出できる。
以下では、本発明の具体的な実施例として実施例1〜4について説明する。実施例1〜4では、2つの動作モードによるBD間隔測定を実行する。BD間隔測定モード1(モード1)によるBD間隔測定は、画像形成ジョブの入力による画像形成を開始する前の非画像形成期間に実行される動作である。BD間隔測定モード2(モード2)によるBD間隔測定は、画像形成ジョブの実行開始後、記録紙に対する画像形成期間と次の記録紙に対する画像形成期間との間の非画像形成期間に実行される動作である。なお、以下の実施例では、一例として、光源201は32個の発光素子を備えるものとする(即ち、N=32とする)。
[実施例1]
実施例1では、画像形成中の発光素子等の温度変化に追従して、各発光素子のレーザ出射タイミングを制御するために、所定の時間間隔で(所定の枚数の記録紙へ画像形成を行うごとに)、画像形成を行わない非画像形成期間を用いてBD間隔測定を実行する。
図11は、実施例1に係る光走査部104によって実行される、画像形成に関連する処理の手順を示すフローチャートである。図11に示す各ステップの処理は、CPU401が、メモリ406に格納された制御プログラムを読み出して実行することによって実現される。画像形成装置100の電源が停止状態から起動する際、または待機状態から復帰する際に、CPU401は、S101の処理を開始する。
S101で、CPU401は、ポリゴンミラー204の回転を開始させるための制御信号をポリゴンモータ制御部408に送信する。ポリゴンモータ制御部408は、CPU401からの制御信号に応じて、モータドライバ409を駆動して、ポリゴンミラー204の回転を開始させる。ポリゴンモータ制御部408は、ポリゴンミラー204が所定の目標回転速度で回転するよう、ポリゴンモータ407から出力されるFG信号に基づいてモータドライバ409を制御する。
次に、S102で、CPU401は、ポリゴンミラー204が目標回転速度で回転しているか否かを判定する。ここで、CPU401は、ポリゴンモータ407から出力されるFG信号をポリゴンモータ制御部408を介して受信することで、かかる判定を実行できる。CPU401は、ポリゴンミラー204が目標回転速度で回転していないと判定した場合、S103で、ポリゴンミラー204の回転速度が目標回転速度へ近づける回転速度制御を続けるよう、制御信号によってポリゴンモータ制御部408に指示する。一方、CPU401は、ポリゴンミラー204が目標回転速度で回転していると判定した場合、処理をS104に進める。
(発光素子1及び32の点灯タイミング設定)
S104で、CPU401は、図12に示す手順に従って、BD間隔測定(モード1)で使用する発光素子1及び32の点灯タイミングを設定する。ポリゴンミラー204が目標回転速度で回転している状態で、CPU401は、発光素子1及び32から出射されるレーザ光がBDセンサ207の受光面207aを走査するように、発光素子1及び32を適切なタイミングに点灯(発光)させる必要がある。このため、CPU401は、図12のS111〜S113で、そのようなタイミングを特定する。
CPU401は、まずS111で、レーザドライバ200を制御して発光素子1を点灯させる。次に、S112で、CPU401は、BDセンサ207からの入力に基づいて、少なくとも1つのBD信号がBDセンサ207によって生成されたか否かを判定する。S112で、CPU401は、BD信号が生成されていないと判定した場合、発光素子1を点灯させ続け、BD信号が生成されたと判定した場合、処理をS113に進める。S113で、CPU401は、メモリ406に予め格納されているデータと、BD信号の生成タイミングとに基づいて、発光素子1及び32の点灯タイミングを設定する。
具体的には、メモリ406には、ポリゴンミラー204が目標回転速度で回転している状態で発光素子1からのレーザ光をBDセンサ207に入射させ、BDセンサ207にBD信号を生成させるための点灯タイミングに関するデータが予め格納されている。このデータは、BD信号の生成タイミングと、次のBD信号を生成させるための点灯タイミングとの時間間隔を示すデータである。このため、CPU401は、S112において1つのBD信号の生成タイミングを特定できれば、メモリ406に格納されている当該データに基づいて、次のBD信号をBDセンサ207に生成させるための発光素子1の点灯タイミングを特定できる。
また、メモリ406には、ポリゴンミラー204が目標回転速度で回転している状態で発光素子32からのレーザ光をBDセンサ207に入射させ、BDセンサ207にBD信号を生成させるための点灯タイミングに関するデータが予め格納されている。このデータは、発光素子1からのレーザ光をBDセンサ207に入射させるための点灯タイミングに対する、発光素子32からのレーザ光をBDセンサ207に入射させるための発光タイミングの相対遅延時間を示すデータである。このため、CPU401は、S112において1つのBD信号の生成タイミングを特定できれば、メモリ406に格納されている当該データに基づいて、次のBD信号をBDセンサ207に生成させるための発光素子32の点灯タイミングを特定できる。
CPU401は、S113における発光素子1及び32の点灯タイミングの設定が完了すると、処理をS105に進める。
(BD間隔測定モード1)
S105で、CPU401は、図13に示す手順に従って、S104で設定した発光素子1及び32の点灯タイミングに基づいて、BD間隔測定(モード1)を実行する。具体的には、BD間隔測定(モード1)を開始する際、CPU401は、S121で、発光素子1及び32についてBD間隔測定用の光量を設定する。
ここで、図9は、BDセンサ207の受光光量とBD間隔との関係の一例を示す図である。BDセンサ207にレーザ光が入射した際のBDセンサ207の応答速度は、入射光量に応じて変化する。このため、BDセンサ207への入射光量が変化すると、BDセンサ207によって生成されるパルス(BD信号)の時間間隔(BD間隔)の測定結果に誤差が生じる可能性がある。図9では、発光素子N(LDN)から出射されたレーザ光のBDセンサ207による受光光量が、光量1から光量2に変化した場合に、測定されるBD間隔がBD間隔1からBD間隔2に変化している。これは、BDセンサ207によって生成される、BD信号に相当するパルスの立ち上がり速度及び立ち下がり速度(即ち、BDセンサ207の応答速度)が、BDセンサ207の受光光量に依存するためである。
このようなBDセンサ207の受光光量の変化によって、BD間隔の測定結果に誤差が生じると、各発光素子のレーザ出射タイミングの制御を適切に行うことができなくなる。このため、本実施例では、BD間隔測定(モード1及び2)を行う際に、BDセンサ207の受光光量を一定とするため、発光素子1及び32についてBD間隔測定用の光量を予め定められた一定の光量に設定する(S121、S141)。
次に、CPU401は、S122で、レーザドライバ200を制御して、設定した光量で発光素子1を点灯させるとともに、S123で、BDセンサ207からの入力信号においてBD信号が検出されたか否かを判定する。BD信号が検出されていないと判定した場合、CPU401は、S123の判定処理を繰り返す。一方、BD信号が検出されたと判定した場合、CPU401は、処理をS124に進める。S124で、CPU401は、検出されたBD信号を起点として、CLK信号生成部404から入力されるCLK信号のパルスのカウントを開始する。
続いて、CPU401は、S125で、レーザドライバ200を制御して、設定した光量で発光素子32を点灯させるとともに、S126で、BDセンサ207からの入力信号においてBD信号が検出されたか否かを判定する。BD信号が検出されていないと判定した場合、CPU401は、S126の判定処理を繰り返す。一方、BD信号が検出されたと判定した場合、CPU401は、処理をS127に進める。S127で、CPU401は、BD信号が検出された際のカウント値(測定値)Csをメモリ406に格納し、処理をS128に進める。なお、カウント値Csは、発光素子1及び32に対応する2つのBD信号の時間間隔(BD間隔)の測定値に相当する。
S128で、CPU401は、所定の第1の回数(本実施例では一例として1000回に設定する。)だけBD間隔測定を実行済みであるか否かを判定する。即ち、CPU401は、1000個のカウント値(測定値)Csが得られたか否かを判定する。S128において1000個のカウント値Csが得られていないと判定した場合、CPU401は、処理をS122に戻し、S122〜S128の処理を再度実行することで、BD間隔測定を繰り返す。一方、S128において1000個のカウント値Csが得られたと判定した場合、CPU401は、処理をS129に進める。
最終的にS129で、CPU401は、BD間隔の測定結果に基づいて、主走査方向の静電潜像の書き出し位置を補正するための補正値As1〜As32を生成(設定)する。本実施例では、CPU401は、1000個のカウント値の平均値を測定値として得るとともに、当該平均値と、メモリ406に予め格納されている基準カウント値Crとに基づいて、式(2)を用いて補正値As1〜As32を生成する。CPU401は、生成した補正値As1〜As32を式(1)に適用することで、発光素子1〜32のそれぞれに対して設定すべき発光開始タイミング値A1〜A32を決定する。以上により、CPU401は、BD間隔測定モード1によるBD間隔測定を完了し、処理をS106(図11)に進める。
BD間隔測定モード1によるBD間隔測定が完了すると、CPU401は、S106で、中央画像処理部130に画像形成ジョブが入力されているか否かを判定する。CPU401は、画像形成ジョブが入力されていると判定した場合、処理をS107に進め、画像形成ジョブが入力されていないと判定した場合、光走査部104(画像形成装置100)を待機状態に移行させる。
(画像形成処理)
S107で、CPU401は、図14に示す手順に従って画像形成処理を実行する。本実施例に係る画像形成処理では、発光素子等の温度変化による結像位置S1〜SNのずれを補償するために、BD間隔測定(モード2)を定期的に実行する。具体的には、CPU401は、複数の記録紙への画像形成が行われる際に、所定の枚数(M枚)の記録紙への画像形成が行われるごとに、次の記録紙への画像形成が開始されるまでの非画像形成期間に、BD間隔測定(モード2)を実行する。なお、画像形成処理の実行を開始する際、CPU401は、内蔵している記録紙カウンタを0にリセットする。
S131で、CPU401は、発光素子1〜32のそれぞれが出射するレーザ光の光量を、画像形成用の光量に設定する。続いてS132で、CPU401は、中央画像処理部130からスキャナユニット制御部210に入力される画像データに基づいて、1枚の記録紙に対して画像形成を実行する。
具体的には、CPU401は、レーザドライバ200を制御して、S131で設定した光量で発光素子を点灯させる。その際、CPU401は、S129で決定したA1〜A32を画像出力制御部405に設定することで、各発光素子からの、画像データに基づくレーザ光の出射タイミングを制御する。なお、画像出力制御部405は、A1〜A32に従ったタイミングに、画像データに対応するレーザ駆動パルス信号をレーザドライバ200に出力する。レーザドライバ200は、レーザ駆動パルス信号に基づく駆動電流を各発光素子に供給することで、各発光素子から画像データに基づくレーザ光を出射させる。
1枚の記録紙に対する画像形成が完了すると、S133で、CPU401は、内蔵している記録紙カウンタを1増加させる。更に、S134で、CPU401は、次の記録紙への画像形成用の画像データが有るか否かを判定する。CPU401は、画像データがないと判定した場合、光走査部104(画像形成装置100)を待機状態に移行させ、画像データがあると判定した場合、処理をS135に進める。
S135で、CPU401は、記録紙カウンタが設定値Mであるか否かを判定する。CPU401は、記録紙カウンタがMでないと判定した場合、次の記録紙に画像を形成するために、S132に処理を戻す。一方、CPU401は、記録紙カウンタがMであると判定した場合、処理をS136に進め、モード2のBD間隔測定(図16)を実行する。このBD間隔測定によって、A1〜A32が更新される。
S136におけるBD間隔測定(モード2)が完了すると、CPU401は、記録紙カウンタを0にリセットするとともに、次の記録紙に画像を形成するためにS131に処理を戻す。なお、S132では、S129で決定されたA1〜A32に代えて、S136で更新されたA1〜A32を用いて画像形成が行われる。
また、
(BD間隔測定モード2)
ここで、図15を参照して、本実施例に係る、BD間隔測定(モード2)の実行タイミングについて説明する。図15は、M枚の記録紙Pに対する画像形成を実行するごとに、BD間隔測定モード2によるBD間隔測定を実行することを示している。図15(a)は、M=1の場合を示し、この場合、1枚の記録紙Pに対する画像形成が完了するごとに、次の記録紙Pに対する画像形成の開始前の非画像形成期間内に、BD間隔測定が実行される。また、図15(b)は、M=2の場合を示し、この場合、2枚の記録紙Pに対する画像形成が完了するごとに、次の記録紙Pに対する画像形成の開始前の非画像形成期間内に、BD間隔測定が実行される。
本実施例では、Mは任意の自然数に設定可能である。CPU401は、設定されたMに応じて、複数の記録紙に対する画像形成の実行中に定期的にBD間隔測定を実行する。これにより、画像形成の実行中に補正値As1〜AsNを逐次的に更新できるため、発光素子等の温度変化に追従して、発光素子1〜32からのレーザ光の出射タイミングを制御することが可能になる。
S136では、図16に示す手順に従って、BD間隔測定モード2によるBD間隔測定を実行する。CPU401は、図16に示すS141〜S147では、BD間隔測定モード1によるBD間隔測定におけるS121〜S127(図13)と同様の処理を実行する。これにより、S147で、CPU401は、BD間隔測定の測定結果に相当するカウント値(測定値)Csをメモリ406に格納し、処理をS148に進める
S148で、CPU401は、所定の第2の回数(本実施例では一例として100回に設定する。)だけBD間隔測定を実行済みであるか否かを判定する。即ち、CPU401は、100個のカウント値(測定値)Csが得られたか否かを判定する。S148において100個のカウント値Csが得られていないと判定した場合、CPU401は、処理をS142に戻し、S142〜S148の処理を再度実行することで、BD間隔測定を繰り返す。一方、S148において100個のカウント値Csが得られたと判定した場合、CPU401は、処理をS149に進める。
S149で、CPU401は、最新の第1の回数のBD間隔測定によって得られている、最新の1000個のカウント値(測定値)Csに基づいて、補正値As1〜As32を更新する。具体的には、CPU401は、最新の1000個のカウント値Csの平均値と、メモリ406に予め格納されている基準カウント値Crとに基づいて、式(2)を用いて補正値As1〜As32を生成(更新)する。更に、CPU401は、更新後のAs1〜As32を式(1)に適用することで、発光素子1〜32のそれぞれに対して設定すべき発光開始タイミング値A1〜A32を更新する。
上述の処理では、今回の非画像形成期間における測定で得られたカウント値と、過去の非画像形成期間における測定で得られたカウント値との平均値を、測定値として得て、当該測定値に基づいて、A1〜A32を更新している。このような平均化処理では、限られた時間範囲(本実施例では、最新の1000回のBD間隔測定を行う時間範囲)内の測定値を平均化することで、発光素子等の温度変化に追従して補正値As1〜As32及びA1〜A32を更新できる。なお、所定の第2の回数が所定の第1の回数(即ち、1000回)と等しい場合には、1つの非画像形成期間に行った所定の第1の回数のBD間隔測定によって得られたカウント値の平均値に基づいて、A1〜A32を更新してもよい。
以上により、CPU401は、BD間隔測定(モード2)を完了し、次の記録紙に画像を形成するために、処理をS131(図14)に戻す。
以上説明したように、本実施例では、CPU401は、非画像形成期間に発光素子1及びNのそれぞれからレーザ光が順にBDセンサ207に入射するよう光源201を制御し、BDセンサ207から順に出力される2つのBD信号の時間間隔を測定する。具体的には、CPU401は、所定の枚数(M枚)の記録紙への画像形成が行われるごとに、次の記録紙への画像形成が開始されるまでの非画像形成期間に、BD間隔測定を実行する。非画像形成期間の後に画像形成を行う際には、CPU401は、発光素子1からのレーザ光がBDセンサ207に入射するよう光源201を制御する。更に、CPU401は、BDセンサ207から出力される単一のBD信号を基準として、各発光素子の、画像データに基づくレーザ光の出射タイミングを、定期的に非画像形成期間に実行されるBD間隔測定の測定値に応じて制御する。
本実施例によれば、画像形成の実行中に、BD間隔測定の測定値を、発光素子等の温度変化に追従して逐次的に更新できる。その結果、そのような温度変化が発生したとしても、各発光素子から出射されるレーザ光によって形成される静電潜像の主走査方向の書き出し位置が一致するように、レーザ出射タイミングを精度よく制御することができる。
[実施例2]
実施例1では、画像形成を行わない非画像形成期間のタイミングに、BD間隔測定を定期的に実行する。しかし、BD間隔測定の頻度をできるだけ少なくすることによって非画像形成期間が短くなり、それにより画像形成装置100の生産性を高めることが可能である。また、BD間隔測定の頻度を少なくすると、発光素子1及びN(=32)の発光累積時間が短くなり、それらの発光素子の寿命を延ばすことが可能になる。そこで、実施例2では、複数の記録紙に画像形成を行っている間の、BD間隔の測定値の変化に関する、光走査部104の特性を利用してBD間隔測定の頻度を減らすことで、画像形成装置100の生産性を高めるとともに、発光素子の寿命を長くする。
図10は、画像形成装置100に画像形成ジョブが入力された後の、画像形成の実行に伴うBD間隔の変化の一例を示す図である。同図では、記録紙Pmに対して連続して画像形成を行う間の、各非画像形成期間内の時間tmにBD間隔測定を行うことによって得られるBD間隔Dmの変化を示している(m=0,1,2,...)。なお、同図では、BD間隔を行う場合と行わない場合の処理シーケンスも示している。図10に示すように、各記録紙への画像形成が完了するごとに、各非画像形成期間にBD間隔測定を行う場合、BD間隔測定を行わない場合よりも、非画像形成期間が多くなり、生産性が低下する。
しかし、図10に示すように、複数の記録紙への画像形成を開始した後、時間の経過とともに、BD間隔の変化量が次第に小さくなり、BD間隔は最終的に一定値に飽和する。このため、画像形成を開始してからの経過時間に応じて、レーザ出射タイミング制御の精度の劣化を抑えつつBD間隔測定の頻度を減らすことが可能である。本実施例では、光走査装置104のこのような特性を利用して、複数の記録紙への画像形成が行われる際に、画像形成が行われた記録紙の累積枚数に応じて、BD間隔測定を実行するタイミングの間隔を大きくする。これにより、画像形成ジョブの実行を開始してからの時間の経過とともにBD間隔測定の頻度を減らす。
本実施例では、画像形成装置100の電源が停止状態から起動する際、または待機状態から復帰する際に、CPU401は、実施例1と同様、図11に示す手順に従った処理を実行する。ただし、S107では、CPU401は、図14ではなく、図17に示す手順に従って画像形成処理を実行する。なお、以下では、重複した説明を避けるため、実施例1と共通する部分に関する説明については省略する。
(画像形成処理)
図17に示す、本実施例に係る画像形成処理では、複数の記録紙に対する画像形成の実行中に、BD間隔測定(モード2)の実行間隔を、画像形成が行われた記録紙の累積枚数に応じて徐々に大きくしていく。まず、CPU401は、画像形成処理の実行を開始する際に、内蔵している記録紙カウンタを0にリセットし、S131〜S135を、実施例1(図14)と同様に実行する。S135で、CPU401は、記録紙カウンタがMでないと判定した場合、次の記録紙に画像を形成するために、S132に処理を戻す。一方、CPU401は、記録紙カウンタがMであると判定した場合、処理をS231に進め、モード2のBD間隔測定(図20)を実行する。
S231におけるBD間隔測定(モード2)が完了すると、CPU401は、処理をS232に進め、次にBD間隔測定(モード2)を実行すべきタイミングを示す、記録紙の枚数の設定値である設定値Mを、より大きな値に変更する。
(設定値Mの変更処理)
S232における処理は、例えば、メモリ406に図18に示すテーブル1800を予め格納しておくことで実現できる。テーブル1800には、CPU401に内蔵されたレジスタに格納された値と、BD間隔測定の実行タイミングの設定値Mとが対応付けて保持されている。テーブル1800に保持されている設定値Mは、BD間隔測定(S105またはS231)が前回実行されてから、次にBD間隔測定BD間隔測定(S231)を実行するまでに、画像が形成される記録紙の枚数を示す。ただし、レジスタ値0に対応する設定値M(=20)は初期値であり、画像形成処理を開始する際にCPU401によってテーブル1800から読み出して使用される。
CPU401は、S135において記録紙カウンタが設定値Mに達するごとに、S232で、レジスタ値を1増加させるとともに、テーブル1800から、レジスタ値に対応付けられた設定値Mを新たに読み出す。例えば、レジスタ値が0から1に増加した場合、S232で、CPU401は、レジスタ値1に対応付けられた設定値40をテーブル1800から読み出すことで、設定値Mを読み出した値に変更する。
本実施例では、図18に示すように、設定値Mは、レジスタ値が増加するにつれて、より大きな値に変更される。例えば、CPU401は、S105におけるBD間隔測定(モード1)の後、20枚の記録紙に対して画像を形成すると(M=20)、S231においてBD間隔測定(モード2)を実行する。当該BD間隔測定(モード2)の完了後、CPU401は、40枚の記録紙に対して画像を形成すると、再びS231においてBD間隔測定(モード2)を実行する。
このようにして、本実施例では、画像形成が行われた記録紙の累積枚数が増加するにつれて、BD間隔測定を実行するタイミングの間隔を大きくする。S232の完了後、CPU401は、次の記録紙に画像を形成するために、S131に処理を戻す。なお、実施例1と同様、記録紙カウンタは、S136におけるBD間隔測定の実行後、次に記録紙に対する画像形成の開始前にリセットされる。
(BD間隔測定モード2)
次に、図19(a)を参照して、本実施例に係る、BD間隔測定(モード2)の実行タイミングについて説明する。本実施例では、CPU401は、実施例1と同様、記録紙カウンタがMに達するごとに、BD間隔測定(モード2)を実行する。CPU401は、BD間隔測定を実行するタイミングに相当する非画像形成期間に、所定の第1の回数(実施例1と同様、一例として1000回に設定する。)だけBD間隔測定を繰り返し実行した後に、再び記録紙へ画像形成を実行する。
図19(a)に示すように、記録紙PmまでのM枚の記録紙に、補正値An_1を適用したレーザ出射タイミング制御を用いる画像形成が実行された後、BD間隔測定(モード2)が実行される。当該BD間隔測定の結果、補正値がAn_1からAn_2に更新される。その後、記録紙Pn+1以降のM枚の記録紙に対する画像形成では、補正値An_2を適用したレーザ出射タイミング制御が用いられる。
S231では、CPU401は、図20に示す手順に従って、BD間隔測定(モード2)を実行する。CPU401は、図20に示すS141〜S147では、BD間隔測定(モード1)におけるS121〜S127(図13)と同様の処理を実行する。これにより、S147で、CPU401は、BD間隔測定の測定結果に相当するカウント値(測定値)Csをメモリ406に格納し、処理をS241に進める。
S241で、CPU401は、所定の第1の回数(1000回)だけBD間隔測定を実行済みであるか否かを判定する。即ち、CPU401は、1000個のカウント値(測定値)Csが得られたか否かを判定する。S241において1000個のカウント値Csが得られていないと判定した場合、CPU401は、処理をS142に戻し、S142〜S147及びS241の処理を再度実行することで、BD間隔測定を繰り返す。一方、S241において1000個のカウント値Csが得られたと判定した場合、CPU401は、処理をS242に進める。
S242で、CPU401は、1000回のBD間隔測定によって得られている1000個のカウント値(測定値)Csに基づいて、補正値As1〜As32を更新する。具体的には、CPU401は、当該1000個のカウント値Csの平均値と、メモリ406に予め格納されている基準カウント値Crとに基づいて、式(2)を用いて補正値As1〜As32を生成(更新)する。更に、CPU401は、更新後のAs1〜As32を式(1)に適用することで、発光素子1〜32のそれぞれに対して設定すべき発光開始タイミング値A1〜A32を更新する。
以上により、CPU401は、BD間隔測定(モード2)を完了し、設定値Mをより大きな値に変更するために、処理をS232(図17)に進める。
以上説明したように、本実施で例は、CPU401は、複数の記録紙への画像形成が行われる際に、画像形成が行われた記録紙の累積枚数に応じて、BD間隔測定を実行するタイミングの間隔を大きくする。これにより、BD間隔測定の頻度を減らすことができるため、画像形成装置100の生産性をより高めるとともに、BD間隔測定に用いる発光素子の寿命をより長くすることができる。
[実施例3]
実施例3は、実施例2に対する変形例であり、BD間隔測定(モード2)における光走査部104の動作が実施例2と異なっている。本実施例では、BD間隔測定(モード2)を実行するタイミングになると、所定の回数のBD間隔測定が完了するまで、非画像形成期間におけるBD間隔測定と記録紙への画像形成とを交互に実行する。なお、以下では、重複した説明を避けるため、実施例1及び2と共通する部分に関する説明については省略する。
図19(b)を参照して、本実施例に係る、BD間隔測定(モード2)の実行タイミングについて説明する。本実施例では、CPU401は、実施例1及び2と同様、記録紙カウンタがMに達するごとに、BD間隔測定(モード2)が実行される。本実施例では、BD間隔測定(モード2)の実行タイミングになると、図19(b)に示すように、記録紙Pへの画像形成を継続するとともに、記録紙への画像形成期間と次の記録紙への画像形成期間との間の非画像形成期間にBD間隔測定を実行する。また、所定の第1の回数(実施例1及び2と同様、一例として1000回に設定する。)のBD間隔測定を、複数の非画像形成期間において、例えば100回ずつ分割して実行する。
図19(b)では、合計1000回のBD間隔測定を10回に分けて、各非画像形成期間において100回ずつのBD間隔測定を実行する場合を示している。具体的には、記録紙Pmへの画像形成によって、記録紙カウンタがMに達すると、BD間隔測定(モード2)の実行タイミングになる。CPU401は、BD間隔測定(モード2)の実行を開始すると、100回のBD間隔測定を行って100個のカウント値Csを得る。次に、CPU401は、次の記録紙Pm+1への画像形成を実行した後、再び100回のBD間隔測定を行って100個のカウント値Csを得る。このようにして、CPU401は、記録紙Pm+9への画像形成の実行後の100回のBD間隔測定を行うことで、合計1000個のカウント値Csを得る。なお、CPU401は、記録紙Pm+9までのM枚の記録紙への画像形成では、補正値Asn_1を適用したレーザ出射タイミング制御を行う。
CPU401は、その後、合計1000個のカウント値(測定値)Csに基づいて、補正値をAsn_1からAsn_2に更新する。更に、CPU401は、記録紙Pm+10以降のM枚の記録紙に対する画像形成では、補正値Asn_2を適用したレーザ出射タイミング制御を行う。
S231では、CPU401は、図21に示す手順に従って、BD間隔測定(モード2)を実行する。CPU401は、図21に示すS141〜S147では、実施例1及び2と同様、BD間隔測定(モード1)におけるS121〜S127(図13)と同様の処理を実行する。これにより、S147で、CPU401は、BD間隔測定の測定結果に相当するカウント値(測定値)Csをメモリ406に格納し、処理をS341に進める。
S341で、CPU401は、100回のBD間隔測定を実行済みであるか否かを判定する。即ち、CPU401は、100個のカウント値(測定値)Csが得られたか否かを判定する。S341において100個のカウント値Csが得られていないと判定した場合、CPU401は、処理をS142に戻し、S142〜S147及びS341の処理を再度実行することで、BD間隔測定を繰り返す。一方、S341において100個のカウント値Csが得られたと判定した場合、CPU401は、処理をS342に進める。
S342で、CPU401は、CPU401は、発光素子1〜32のそれぞれが出射するレーザ光の光量を、画像形成用の光量に設定する。続いてS343で、CPU401は、中央画像処理部130からスキャナユニット制御部210に入力される画像データに基づいて、1枚の記録紙に対して画像形成を実行する。画像形成が完了すると、S344で、CPU401は、次の記録紙への画像形成用の画像データが有るか否かを判定する。CPU401は、画像データがないと判定した場合、光走査部104(画像形成装置100)を待機状態に移行させ、画像データが有ると判定した場合、処理をS345に進める。
S345で、CPU401は、所定の第1の回数(1000回)のBD間隔測定を実行済みであるか否かを判定する。即ち、CPU401は、1000個のカウント値(測定値)Csが得られたか否かを判定する。S345において1000個のカウント値Csが得られていないと判定した場合、CPU401は、処理をS141に戻し、S141〜S147及びS341〜S345の処理を再度実行することで、画像形成とBD間隔測定を繰り返す。一方、S345において1000個のカウント値Csが得られたと判定した場合、CPU401は、処理をS346に進める。
S346で、CPU401は、S242(図20)と同様に、1000回のBD間隔測定によって得られている1000個のカウント値(測定値)に基づいて、補正値As1〜As32を更新する。
以上により、CPU401は、BD間隔測定(モード2)を完了し、設定値Mをより大きな値に変更するために、処理をS232(図17)に進める。
以上説明したように、本実施例では、実施例2と同様、複数の記録紙への画像形成が行われる際に、画像形成が行われた記録紙の累積枚数に応じて、BD間隔測定を実行するタイミングの間隔を大きくする。これにより、実施例2と同様、BD間隔測定の頻度を減らすことができるため、画像形成装置100の生産性をより高めるとともに、BD間隔測定に用いる発光素子の寿命をより長くすることができる。
[実施例4]
実施例2及び3では、複数の記録紙への画像形成が行われる際に、画像形成が行われた記録紙の累積枚数に応じて、BD間隔測定を実行するタイミングの間隔を大きくする。実施例4は、実施例2及び3に対する変形例であり、記録紙の累積枚数ではなく、スキャナユニット制御部210の温度の変化量に応じて、BD間隔測定を実行するタイミングの間隔を大きくする。
一般的に、発光素子(光走査部104)の温度は、画像形成の実行中に、時間とともに変化量が少なくなるとともに、一定の時間が経過すると一定の温度に収束して平衡状態となる。本実施例では、このような発光素子の特性を利用する。具体的には、記録紙への画像形成の開始後、BD間隔測定を前回行った時点から、光走査部104の温度が所定の量だけ変化するごとに、次のBD間隔測定を実行する。この場合、光走査部104の温度の変化量は時間とともに少なくなるため、BD間隔測定を実行するタイミングの間隔を、実施例2及び3と同様、時間の経過とともに大きくすることが可能である。なお、以下では、重複した説明を避けるため、実施例1〜3と共通する部分に関する説明については省略する。
本実施例では、画像形成装置100の電源が停止状態から起動する際、または待機状態から復帰する際に、CPU401は、実施例1と同様、図11に示す手順に従った処理を実行する。ただし、S107では、CPU401は、図14及び図17ではなく、図22に示す手順に従って画像形成処理を実行する。なお、本実施例では、実施例1〜3で用いている記録紙カウンタは必要ない。
(画像形成処理)
CPU401は、画像形成処理の実行を開始すると、まずS431で、サーミスタ410によって測定されたスキャナユニット制御部210の温度を取得して、温度測定値Tp1としてメモリ406に格納する。
次に、S432で、CPU401は、発光素子1〜32のそれぞれが出射するレーザ光の光量を、画像形成用の光量に設定する。続いてS433で、CPU401は、中央画像処理部130からスキャナユニット制御部210に入力される画像データに基づいて、1枚の記録紙に対して画像形成を実行する。1枚の記録紙に対する画像形成が完了すると、S434で、CPU401は、次の記録紙への画像形成用の画像データが有るか否かを判定する。CPU401は、画像データがないと判定した場合、光走査部104(画像形成装置100)を待機状態に移行させ、画像データがあると判定した場合、処理をS435に進める。
S435で、CPU401は、サーミスタ410によって測定されたスキャナユニット制御部210の温度を取得して、温度測定値Tp2としてメモリ406に格納する。更に、S436で、CPU401は、次式に示すように、温度測定値Tp1及びTp2の差分の絶対値を算出することで、温度変化値ΔTpを求める。
ΔTp=|Tp1−Tp2| (3)
CPU401は、算出した温度変化値ΔTpが所定の閾値を上回るか否かを判定する。これにより、CPU401は、前回のBD間隔測定時から、サーミスタ410によって測定された温度が所定の量だけ変化したか否かを判定する。
S436で、CPU401は、温度変化値ΔTpが所定の閾値を上回ると判定した場合、処理をS437に進め、BD間隔測定(モード2)を実行する。なお、S437では、例えば、実施例2または3と同様の手順(図20または図21)に従って、BD間隔測定を実行可能である。S437におけるBD間隔測定が完了すると、CPU401は、処理をS432に戻し、次の記録紙への画像形成を開始する。
以上説明したように、本実施例では、複数の記録紙への画像形成が行われる際、画像形成の開始後、サーミスタ410によって測定された温度が所定の量だけ変化するごとに、次の記録紙への画像形成が開始されるまでの非画像形成期間にBD間隔測定を実行する。本実施例によれば、実施例2及び3と同様、BD間隔測定の頻度を減らすことができるため、画像形成装置100の生産性をより高めるとともに、BD間隔測定に用いる発光素子の寿命をより長くすることができる。