JPH06337595A - 静電剥離制御方法及びその装置 - Google Patents

静電剥離制御方法及びその装置

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JPH06337595A
JPH06337595A JP5125789A JP12578993A JPH06337595A JP H06337595 A JPH06337595 A JP H06337595A JP 5125789 A JP5125789 A JP 5125789A JP 12578993 A JP12578993 A JP 12578993A JP H06337595 A JPH06337595 A JP H06337595A
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peeling
distance
voltage
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sheet
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Application number
JP5125789A
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English (en)
Inventor
Jun Morimoto
潤 森本
Shigeo Kusumoto
茂生 楠本
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Original Assignee
Sharp Corp
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  • Electrostatic Charge, Transfer And Separation In Electrography (AREA)
  • Control Or Security For Electrophotography (AREA)
  • Separation, Sorting, Adjustment, Or Bending Of Sheets To Be Conveyed (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 感光体9に形成されたトナー画像を適宜搬送
されてくるシート用紙Pにて転写器12の作用にて静電
転写する。そのシート用紙Pは次に剥離器13の作用に
より転写時に帯電された転写材裏面の電荷が除電され
る。これにより、シート用紙Pは感光体9との静電的な
吸着力が弱められ、転写材の持つ腰の強さ等により感光
体9より徐々に剥離する。この剥離状態が、距離測定セ
ンサ31にて該センサからシート用紙P先端までの距離
として検出され、この測定距離に応じて剥離器13に供
給する電圧が制御される。 【効果】 シート用紙Pの剥離工程後の剥離状態を検出
して剥離器に供給する電圧を制御することで、実際の剥
離状況に応じて正確な、かつ確実な剥離を行える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、記録媒体上に形成され
た画像、つまりトナー画像を転写材に静電転写した後、
これを記録媒体より静電的に分離させるための静電剥離
制御に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、画像記録装置、特に記録媒体にト
ナー画像を形成し、該トナー画像を適宜搬送されてくる
転写材に転写する際に、静電吸着力を利用して転写して
いる。つまり、記録媒体は、感光性を有する層が表面に
形成されており、該感光層を均一帯電し、その後に画像
露光を行うことで画像に応じた静電潜像を形成し、該静
電潜像に着色剤であるトナーを付着させて、トナー画像
を得ている。該トナーが静電潜像に付着させるために、
静電潜像の電荷と反対にトナーを予め帯電させておき、
その時に作用する静電力を利用して、トナーを静電潜像
に吸着させる。そこで、転写材にトナー画像を転写する
ために、転写材の裏面を帯電トナーと反対に帯電させる
ことで、静電吸引力を利用して、転写材側にトナー画像
を吸着さて転写している。
【0003】上記静電転写を行う手段としては、コロナ
放電器やローラ帯電器等が一般的に利用される。この
時、トナー画像を転写材に転写するために、転写材は記
録媒体表面に密着するように搬送され、上記静電転写に
より、記録媒体表面に静電的に吸着され密着されてい
る。
【0004】そのため、そのままでは記録媒体より隔離
することはできない。そこで、従来では、転写後に記録
媒体に密着する転写材を、記録媒体の表面に先端を圧接
さてなる分離爪を設け、強制的に剥離するようにしたも
のがある。
【0005】また、強制的に剥離するものとは別に、転
写材の記録媒体への静電的な吸着力を弱め、転写材自身
が持つ腰の強さを利用して剥離させるものがある。これ
は、転写時に転写材の裏面を帯電した電荷を除去、つま
り除電することで行われる。この剥離手段は、転写手段
とは例えば逆極性または交流コロナ放電による除電作用
を利用して除電し、静電剥離を行っている。
【0006】上記静電剥離を行う場合には、記録媒体に
形成される画像の状態や、転写の状態、さらに転写材の
材質、周囲の温度や湿度等により転写紙の抵抗変化等に
より剥離条件が異なる。つまり、転写材が湿度の変化に
応じて抵抗変化するが、この変化する抵抗により転写条
件を含めて剥離条件が同様に変化する。そのため、周囲
の湿度や、転写材の材質、例えば厚さ等を事前に計測及
び検出しておき、その検出状態に応じて上記剥離手段に
供給する電圧等を制御することが考えられている。その
制御としては、例えば、特開平3−10273号公報に
その一例が明記されてる。
【0007】また、静電剥離を行っても、記録媒体に転
写材が密着したまま剥離されず、記録媒体の回転にてそ
のまま搬送される。この時転写材にて、他の画像形成に
かかる手段、例えばクリーナ、除電手段等を破損した
り、記録媒体を傷つけたりすることがある。この破損や
傷つけを阻止するために、剥離工程後に記録媒体に密着
する転写材の有無を検知する手段を設け、記録媒体上に
転写材の存在を検出することで、画像形成動作を停止さ
せることが、例えば特開く53−136843号公報に
明記されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記特開平3−102
73号公報に記載の静電剥離制御によれば、画像形成装
置の周囲の状態を検知し、これに応じた静電剥離を行う
手段への電圧制御を行うことで、剥離をある程度安定さ
せることが可能となる。しかしながら、単一の状態又は
複数の状態、例えば湿度のみ又は湿度、温度、用紙の厚
み、その他の幾つかの条件を検知し、これらに基づいて
制御を行う場合、単純な演算でなく複雑な演算を必要と
し装置全体が複雑になる。
【0009】しかも、各種の状態に応じた膨大なデータ
の収集を行うことで、細かな制御を可能にする反面、そ
のデータの収集に膨大な時間等を費やすことになる。し
かも、収集したデータ以外の条件での複写を行えば、デ
ータがないために、正確な剥離制御を行えなくなる。
【0010】以上のように、上記公報に開示されたもの
は、剥離状態を直接検出することはなく、温度、湿度、
用紙の材質等の環境条件を検知して制御を行うため、そ
の制御条件で転写材が正確に剥離させることを前提、つ
まり予測して制御している。そのため、剥離されない場
合にも、剥離されるものとして制御が行われ、剥離され
ていない時に、転写材による悪影響を阻止できない。
【0011】そこで、剥離不良を検知するために、特開
昭53−136843号公報にように転写後の記録媒体
に密着した用紙を検知する手段を必要とする。
【0012】上記特開昭53−136843号公報に記
載のものは、単なる記録媒体への転写材の巻き付きを検
知し、その画像形成動作を停止させるもので、剥離状態
を検知するものではない。
【0013】本発明は、上述の問題点に鑑み、実際の転
写材の剥離状態を検出することで、上記特開昭53−1
36843号公報記載の手段を不要にし、該検出状況に
応じて剥離手段の制御を行うものであって、転写条件等
が種々変化しようとも確実に転写材の剥離を行える方法
及びその装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1記載の
発明は、記録媒体上に形成された画像を適宜搬送されて
くる転写材を密着させ静電転写した後、該転写材を上記
記録媒体より静電的に剥離するための方法であって、上
記剥離後の上記転写材の剥離状態を検出し、該検出状態
に応じて上記静電的に剥離するための手段への供給電圧
を制御することを特徴とする。
【0015】本発明の請求項2記載の発明は、記録媒体
と、該記録媒体表面に画像を形成する画像形成手段と、
形成された画像を適宜搬送されてくる転写材に該転写材
の裏面より荷電して静電転写する転写手段と、を備えた
画像形成装置において、上記剥離手段に電圧を供給する
電圧供給手段と、上記転写材の剥離状態を検出するため
に、剥離工程後に配置され、該配置位置と剥離後の転写
材先端部との距離を測定する距離測定手段と、該距離測
定手段による測定距離に応じて上記上記記録媒体より剥
離を行うために上記電圧供給手段による供給電圧を制御
する制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【0016】本発明の請求項3記載の発明は、上記制御
手段が、上記距離測定手段による複数の測定距離の平均
値を演算し、上記剥離手段に供給する電圧を制御するこ
とを特徴とする。
【0017】また、本発明の請求項4記載の発明は、測
定距離またはその測定距離の平均値に応じた剥離手段に
供給する電圧の制限値を設け、該制限値を越えた時にそ
の制限値をリミットとして制限する手段を備えたことを
特徴とする。
【0018】さらに、本発明の請求項5記載の発明は、
上記制御手段が、距離測定手段を自己診断する診断手段
を含み、距離測定手段が正常に動作している時に、上記
制御手段は測定距離に応じた剥離手段への供給電圧制御
を行い、上記距離測定手段が異常と診断され状態では、
制御手段は剥離電圧を所定の値に固定して制御すること
を特徴とする。
【0019】
【作用】本発明の請求項1記載の静電剥離制御方法によ
れば、剥離後の転写材先端の記録媒体からの剥離状態が
検出される。つまり、記録媒体より転写材先端の剥離状
態を直接認識し、この認識結果に応じて剥離手段に供給
する電圧を制御する。例えば、転写材の先端が記録媒体
より大きく離れている状態であれば、剥離手段に供給す
る電圧を低く抑えるように制御することで、転写材をよ
り適正な状態での剥離動作を行わせることができる。ま
た、転写材先端が記録媒体に近い場合には、剥離電圧を
より高くすることで転写材の除電動作を高めて、静電的
な吸着力を弱めることで適正状態の剥離を行える。
【0020】そこで、上記剥離状態を検出するための手
段として、本発明の請求項2記載の装置によれば、剥離
後の転写材の先端と距離測定手段との間の距離を測定す
る。つまり、剥離後の転写先端は剥離状態が適正であれ
ば、記録媒体より離間しており、その離間状態の距離が
測定される。また、転写材先端が記録媒体よりさらに大
きく離間された場合には、その離間状態に対応する距離
が計測される。そのため、その測定距離に応じて剥離手
段の供給される電圧を制御でき、これを制御手段が所定
の電圧を設定すべく、電圧供給手段を制御することにな
る。従って、剥離状態が適正になるように電圧制御が行
われる。
【0021】また、本発明の請求項3記載の装置によれ
ば、剥離状態を検出するための距離測定手段の測定距離
の平均値を求め、この平均値に応じた剥離電圧を剥離手
段に供給する。これは複数の測定距離の一時的な不備、
例えば転写材の不備等による測定距離の不都合を解消
し、その平均値を求めることで安定した剥離電圧を制御
することが期待できる。
【0022】本発明の請求項4記載の装置によれば、測
定距離等に応じた剥離手段に供給電圧が制限値を越えた
ことに大幅な剥離補正となり、転写材の剥離不良や画像
等の乱れ等を合わせて防止できる。特に制限値を越えた
場合にはその制限値をリミットとして規制することで上
述の問題を阻止し、転写材のジャムや画像の乱れによる
トラブルを事前に阻止する。
【0023】さらに本発明の請求項5記載の発明によれ
ば、距離測定手段による自己診断、つまり正常に距離測
定を行っているかを診断する。この診断結果により正常
であれば、測定距離に応じて剥離手段に供給する電圧が
制御手段により制御され適正状態での剥離を行う。ま
た、自己診断の結果異常と診断された場合には、制御手
段は測定距離に関係なく、剥離電圧に所定の剥離電圧を
固定させて供給する。この所定の剥離電圧としては、一
般的に剥離電圧を供給する。
【0024】
【実施例】以下に図面に従って、本発明による転写材の
剥離制御装置の構成を説明する。また、以下の実施例に
おいては、画像形成装置として複写装置を例に説明する
が、このような装置に限定されるものではない。つま
り、転写材に記録媒体上に形成されたトナー画像を転写
し、その後転写材を記録媒体より剥離する必要があるも
の全てにおいて適用できることは勿論である。
【0025】図1は本発明にかかる複写装置の制御回路
を示すブロック図、図2は本発明を適用してなる複写装
置の一例を示す概略断面である。
【0026】図2において、複写装置は複写装置本体1
と、原稿の処理部、つまり原稿露光位置へと原稿を順次
搬送し、処理後に元の位置に戻すための循環式原稿搬送
装置(Rrcirculating Documento Handler;以下RD
Hと記す)35とから構成される。
【0027】複写装置本体1には、上部に画像形成にか
かる原稿画像を露光するための光学系2が配置されてい
る。この光学系2は、ハロゲンランプ等からなるコピー
ランプ3と、複数枚のミラー4〜7と、ズームレンズ8
とを有している。
【0028】上記光学系2の下方には、ドラム形状に形
成された記録媒体である表面が光導電層が形成された感
光体9が回転自在に配置されている。この感光体9の周
囲には画像を形成するための各種の装置が配置されてい
る。例えば帯電器10、現像部11、転写器12、本発
明に剥離手段を構成する剥離用のコロナ放電器である剥
離器13、感光体9表面に残留するトナー等をクリーニ
ングするクリーニング部14及び除電器15等が配置さ
れている。
【0029】画像形成に際しては、まず帯電器10にて
感光体9表面を均一に所定の電位に帯電し、次に上記光
学系2にて原稿を照射することでその反射光をミラー及
びレンズを介して感光体9表面に投影する。これによ
り、感光体9上に原稿の画像に応じた静電潜像が形成さ
れ、該潜像を可視像化するために現像部11にてトナー
付着され、トナー画像が形成される。該トナー画像は複
数の給紙部16の中から選択された給紙部より転写材で
あるシート用紙が給紙され、感光体9の回転と同期させ
て用紙を給送するレジストローラ17を介して転写器1
2が配置された転写位置へ、適宜送り込まれてくるシー
ト用紙上に転写器12の作用により静電転写される。
【0030】その後に、シート用紙は感光体9より、剥
離器13の作用により静電的に剥離され、吸引搬送手段
(搬送ベルト)18を介して定着部19へと送り込まれ
る。該定着部19は、例えば上部のシート用紙上のトナ
ー画像と接する側が少なくとも加熱源にて一定温度に加
熱された熱ローラと、該熱ローラに適度の圧力で加圧さ
れる加圧ローラとから構成されており、シート用紙上の
トナー像を加熱定着する。この定着された画像形成済み
のシート用紙は、複写装置本体1の排出口20に対応し
て連接された用紙を頁順に揃えるためのソータ21へと
排出する他に、画像を形成してなる用紙の反対面または
同一面に再度画像を形成するために複写装置本体1の下
部に設けられた中間トレイ22へと、スイッチバック搬
送部23又は通常の搬送部24を介して搬出される。
【0031】中間トレイ22には用紙を載置すための載
置台25及び用紙を給紙する給紙手段26、及び給紙手
段にて給送された用紙を再度複写装置本体のレジストロ
ーラ17へと送り込むための搬送手段及び搬送路27が
設けられている。
【0032】一方、光学系2は、原稿の画像を感光体9
に投影するために、RDH35の他に、透明ガラス板か
らなる原稿台28上に載置された、原稿を光学的に走査
する。そのため、ランプ3及びミラー4からなる第1ミ
ラーベーズ(図示せず)及びミラー4及び5からなる第
2ミラーベース(図示せず)を矢印A方向に移動させ、
原稿台28上の原稿を光学的に走査し、回転する感光体
9上に順次投影する。
【0033】また、光学系2は上記原稿台28上の画像
露光を行う以外に、上述のRDH35による原稿の搬送
に応じて画像露光するための第1露光部29及び第2露
光部30の位置に移動可能に設けられている。つまり、
RDH35にてシート原稿を搬送する途中に透明板で構
成される第1露光部29及び第2露光部30が順に並設
されている。該第1露光部29及び第2露光部30に対
応する位置に、光学系2が選択固定される。そのため
に、第1ミラーベース及び第2ミラーベースを図示の位
置に固定することで、第1露光部29上を搬送される原
稿の画像を感光体9表面に投影する。また、光学系2の
第1ミラーベース及び第2ミラーベースを第2露光部3
0へ移動させ、その位置に固定することで、第2露光部
30に搬送されるシート原稿の反対面の画像を感光体9
上に投影することができる。
【0034】以上の構成の複写装置において、本発明は
特に、静電剥離を行う剥離器13を制御し、シート用紙
の適性剥離を行うものである。そのために、シート用紙
への転写後の剥離工程における剥離器13による剥離状
態を検出するための手段、つまりシート用紙の剥離先端
近傍の距離を測定する距離測定センサ31を剥離工程後
に配置している。この距離測定センサ31の詳細は後に
説明するが、図1に示すように該センサ31は赤外発光
素子31−1と、シート用紙からの反射光を受光する受
光部31−2とからなる。この受光部31−2による受
光状態に応じてセンサ31の配置位置から剥離されるシ
ート用紙先端近傍までの距離を計測できる。この計測距
離に基づいて、剥離器13に供給する電圧を制御する。
【0035】図3に距離測定センサ31と剥離されるシ
ート用紙P先端との関係を詳細に示す通り、距離測定セ
ンサ31は剥離後の搬送ベルト18の始端近傍に、特に
複数併設されたベルト間の隙間に配置されている。この
距離センサ31は、所定のタイミングで発光素子31−
1を駆動し、シート用紙先端からの反射光を受光する状
態に応じて図中距離A乃至Cを測定することができる。
【0036】この図において、シート用紙Pが剥離器1
3にてその裏面が除電され、シート用紙自身の腰の強さ
により隔離される場合、Aの状態においては、十分な剥
離力が作用せずにシート用紙Pが感光体9側へと吸着し
ようとする状態である。そのため、これ以上シート用紙
Pが感光体9側に近づくと、シート用紙Pが感光体9に
密着して、剥離不能になる状態の限界である。また、B
の状態は、シート用紙Pの剥離状態が適正状態であっ
て、このまま剥離され下部の搬送ベルト18にて定着部
へと搬送される。さらにCの状態は、剥離力が大きすぎ
て、そのシート用紙P先端が搬送ベルト18に引っ掛か
り、それ以上先端が垂れ下がると、先端が折り返されて
搬送不良になる限界である。この折り返しの作用による
反動にて、シート用紙Pのトナー転写画像が乱れること
が考えされる。
【0037】以上のように、図3において、シート用紙
Pの剥離をA乃至Cの範囲内になるように剥離器13へ
の供給電圧を制御する。つまり、距離センサ31が、A
の剥離状態を越える傾向にある距離を検出すると、制御
手段は剥離器13に供給する電圧を、剥離力が強まる方
向、つまり供給電圧を大きくするように制御する。ま
た、Cの剥離状態を下回る傾向による距離を検出によれ
ば、供給電圧を小さくするように制御することで、シー
ト用紙Pの剥離状態をBの適正状態になるように制御で
きる。
【0038】上記制御手段は、図1に示すように、マイ
クロコンピュータであるマスターCPU40にて構成さ
れる。また光学系2の制御等を行うマイクロコンピュー
タであるスレーブCPU41を備えている。マスターC
PU40はROM42に予め記憶されているプログラム
に従って各種キーやセンサ類からの信号を受信し、原稿
台28上の原稿を光学的に走査する場合に、スレーブC
PU41に第1及び第2ミラーベースのA方向への移動
開始を指令する信号及びA方向への移動を終了した第1
及び第2ミラーベースをホームポジション等に復帰させ
る信号等を出力する。また、スレーブCPU41は、マ
スターCPU40に指令に従って、上記第1及び第2ミ
ラーベースを図2に示す第1露光部29又は第2露光部
30の位置に移動させ、該位置に固定するように制御す
る。
【0039】また、マスターCPU40はコピーランプ
点灯回路43を介してコピーランプ3への電圧の供給及
び供給停止を制御するとともに、コピーランプ3へ印加
する実行電圧レベルの調整を行う。この場合、例えば、
感光体9上に形成される画像状態(非画像形成時に基準
となる画像を形成し、この時の画像状態)を、発光及び
受光素子からなる画像センサー44にて検出し、該検出
信号を受けることでマスターCPU40は、上記コピー
ランプ3に対する印加電圧制御を行う。しかも、マスタ
ーCPU40は必要に応じて、上記画像センサー44か
らの検出信号に応じて、帯電器10による感光体9の帯
電電位を調整する帯電電圧供給回路45を制御する。
【0040】また、スレーブCPU41は、ROM46
に予め記憶されているプログラムに従って、上記光学系
2の第1及び第2ミラーベースを移動させるためのモー
タ47の回転速度を検出するロータリーエンコーダ48
からの信号及び各ポジションセンサー(図示せず)から
の信号等を受信し、ドライバ回路49を介してモータ4
7の回転速度制御を行うとともに、シート用紙を感光体
9の転写位置にタイミングを合わせて搬送制御するため
のレジストローラ17の搬送開始制御信号等を出力する
役割を果たす。
【0041】さらに、マスタCPU40は、本発明にか
かる距離測定センサー31からの測定にかかる信号を受
け、剥離器13に供給する電圧を制御するための信号
(指令)を、剥離電圧供給回路50に出力する。この回
路50からの出力電圧が、剥離器13のコロナ放電線に
供給され剥離のためのシート用紙の除電が行われる。
【0042】上記距離測定センサ31は、距離測定を行
うために発光素子31−1を有している。そのためマス
ターCPU40は、距離測定センサー31の距離測定を
行うために、発光素子31−1を所定のタイミングで駆
動部33を介して駆動し、この時の距離測定センサー3
1の受光部31−2の受光状態に応じて出力される信号
を、信号処理回路32を介して受信し、これに基づいて
排出される原稿の先端までの距離を測定(演算)する。
この距離測定に応じて、マスタCPU40は剥離器13
に供給する電圧を設定し、該設定値を剥離電圧供給回路
50に送り、該回路50にて剥離器13に電圧供給す
る。
【0043】なお、マスタCPU40は、特に複写装置
内の適所に配置してなる温度センサ51、湿度センサ5
2及び用紙の厚さ検出センサ53の検出信号を入力する
ことで、初期の剥離電圧を設定する。つまり、各センサ
51〜53からの信号に応じて剥離器13に供給する初
期電圧を設定し、これを上記剥離電圧供給回路50を介
して剥離器13の放電線に供給する。また、マスタCP
U40は、各給紙部に配置される用紙サイズ検出センサ
54からの信号を入力し、サイズに応じた剥離電圧の初
期値を設定する。例えば、シート用紙のサイズに応じ
て、その用紙の腰の強さが異なり、このサイズ信号を含
めて上述のセンサ51〜53からの信号に応じた剥離電
圧を設定することもできる。
【0044】以上の構成による複写装置について、複写
制御の動作について説明する。
【0045】複写原稿は原稿台28又はRDH35の原
稿載置トレイに載置されれば、複写枚数やその他の複写
条件設定により、コピースタートスイッチが操作される
と、CPU40にて複写制御が実行される。
【0046】まず、原稿台28に原稿が載置された状態
で、複写動作が開始されるのであれば、光学系2の走査
が開始され、原稿からの反射光が感光体9上に順次結像
される。これにより、感光体9には事前に帯電器10に
て均一帯電された表面に画像露光されることで、その光
像に応じた静電潜像が形成される。この潜像は、次の現
像装置11にてトナーが付着し、トナー画像として顕像
化される。該トナー画像は次に、いずれかの給紙部16
から給送されてシート用紙に、転写器12の作用により
静電転写される。
【0047】この転写工程の後、感光体9表面に静電的
に密着したシート用紙を、感光体より分離させるために
次の工程とし配置された剥離器13のコロナ放電による
除電作用により、シート用紙の裏面が除電される。これ
より、シート用紙の感光体9への密着力が弱まり、シー
ト用紙自身の腰の強さ等により、感光体9の回転にした
がってシート用紙先端が感光体9より徐々に分離する。
【0048】この時、シート用紙先端部分は、空気吸引
搬送ベルト18へと案内され、次の定着部へと搬送され
る。この剥離後の搬送ベルトへと案内される途中にて、
シート用紙先端の状況が距離センサ31にて検出され
る。
【0049】つまり、図3に示すようにシート用紙自身
の腰の強さやその他の原因、例えはシート用紙のカール
等により、剥離状況が刻々変化する。例えば、使用する
シート用紙が同一材質であっても、その時の温度や湿
度、用紙のカール状態等により剥離器13に供給する電
圧が一定であれば、剥離条件が異なる。その時の剥離状
態は、距離測定センサ31の配置位置から剥離シート用
紙P先端までの距離にて図3に示す通り容易に把握でき
る。
【0050】そのため距離測定センサ31は、図3にそ
の詳細を示す通り、発光素子31−1によるシート用紙
Pへの光照射を行い、その反射光を受光部31−2にて
受光することでシート用紙先端から特に距離センサ31
までの距離を測定する。この測定原理については一具体
例を示し後に説明する。
【0051】上記距離の測定にて、剥離されるシート用
紙Pの先端までの距離、つまり距離センサ31からシー
ト用紙先端までの距離Lは、剥離器13による剥離作用
が適正状態であれば、シート用紙がBに示す姿勢で剥離
されるため、その距離はLbとして測定される。しかし
ながら、剥離器13による剥離作用が弱く、シート用紙
P先端が感光体9より十分に剥離されず、感光体9に吸
着されるようは場合には、それはAの姿勢となり、距離
センサ31までの測定距離はLaとなる。また、シート
用紙Pが、Cの姿勢の傾向にて剥離される場合には、剥
離器13による剥離作用が大きく、距離センサ31にて
距離は、Lcとして測定される。
【0052】以上のような状態、つまいシート用紙Pの
剥離状態は、図3に示すように距離センサ31にて距離
を測定することで把握できる。つまり、剥離されるシー
ト用紙Pが剥離器13にて剥離される状況の有効範囲L
o(例えばLa<Lo<Lc)内か否かを、距離センサ
31による測定距離にて認識できる。例えば、感光体9
にシート用紙が吸着しようとする有効範囲の限界の最大
距離Laとし、剥離力の強すぎる場合の最小距離Lc以
下として定める。
【0053】上記距離測定センサ31の配置位置は、シ
ート用紙の剥離状態を検出できる位置であればよく、特
に回転する感光体9側に配置するよりも、感光体9と対
向するシート用紙搬送路下部に配置するとよい。つま
り、センサを配置するスペースが確保され、剥離状況を
正確に検出することができる。
【0054】以上により、剥離後のシート用紙の剥離状
態が距離センサ31にて、距離として検出され、その検
出された距離に応じて剥離器13に供給する電圧が制御
される。例えば、距離センサ31が、距離Lb(Bの適
正な剥離状態)より小さく距離Lcを下回らない距離を
測定すると、マスタCPU40は、剥離力を弱くするよ
うに剥離電圧供給回路50に指示する。つまり、供給電
圧を下げることで、シート用紙Pの除電作用を小さく
し、シート用紙Pの剥離作用が弱まる。
【0055】また、シート用紙Pが感光体9に密着する
傾向にある場合には、その距離がLb以上となり、Aの
姿勢での剥離状態で距離Laを越えなことが検出されれ
ば、マスタCPU40は、剥離作用を強めるように、剥
離電圧供給回路50に、剥離器13に供給する電圧を高
くするように指示する。これにより、剥離作用が強ま
り、シート用紙Pの感光体9からの十分な剥離が望め、
姿勢Bの適正状態で剥離するように制御できる。
【0056】以上のようにしてシート用紙Pの先端まで
の距離を測定することで、剥離状況を把握でき、これに
よりシート用紙Pの剥離を常に適正状態、例えば適正状
態の範囲での剥離を可能にできる。
【0057】次に、本発明の距離測定センサ31による
距離の測定の一具体例を詳細に説明する。この距離測定
センサ31は、例えば「センサ技術」1992年10月
号の第12巻、No.11の第24頁から第27頁にお
ける「8ビット精度の測距センサ」に記載のものを利用
している。このセンサは、例えばPSD(PositionSe
nsitive Detector)と呼ばれ、発光素子からの光を被
測定物に照射し、その被測定物からの反射光のセンサへ
の入射位置により距離測定を行うものである。
【0058】このセンサを簡単に説明すれば、これはP
IN型ホトダイオードの一種で、図4に示すように、シ
リコンチップの表面にp- 層、裏面にn+ 層、そしてそ
の中間にあるi層から構成され、それぞれの表面及び裏
面の層に図に示すような電極A,B及びCを設けた構成
である。図4に示す構造のPSDセンサーによる等価回
路を図5に示す。
【0059】図5において、電極Cの端子にバイアス電
圧VBを供給することで、表面に入射される光の位置
(スポット位置)で、抵抗R1及びR2が変化する。例
えば、電極A,B間の中点(d点)に光が入射すれば、
R1:R2=1:1となるが、その入射光がA,B電極
のいずれかの方に片寄れば、R1:R2の比がその位置
に比例して変化する。いま、光に入射位置が中心点dに
対してxだけB電極側にずれた位置に光入射し、センサ
ーの受光面の長さ(A,B電極間の距離)をDとすれ
ば、R1+R2=R0とした時、 R1=R0/2(1+2x/D) R2=R0/2(1−2x/D) の関係を示す。
【0060】そのため、PSDセンサの受光面の光の入
射位置(スポット位置)による上記の抵抗変化を利用し
て、図5における電極A及びBから取り出される電流I
1及びI2の変化として表れ、この時の電流比I1/I
2は例えば電極Bからの距離に比例(電極Aからの距離
に反比例)する。この時、PSDセンサに入射する光量
により、上記電流I1,I2の絶対値は変化するもの
の、光の入射位置は電流比のI1/I2に比例するた
め、光量そのものによる影響は全くない。
【0061】そこで、この電流比I1/I2の関係にお
いて、PSDセンサ上での受光面の入射光の位置が特定
でき、よって正確な距離検出を可能にする。特に、電流
比が大きくなることは、PSDセンサの電極A側に入射
光が近づくことになり、逆に電流比が小さくなるほど電
極B側に入射光が照射される。
【0062】例えば、図6に示すように、本発明の距離
測定センサ31を構成する発光素子(赤外LED)31
−1からの光が、被測定物(シート用紙P先端)に照射
され、その反射光を受光レンズを介して距離センサ31
を構成するPSDセンサの受光部31−2に受光させ
る。この時の受光点(スポット)の位置x1は、図に示
す関係において x1=A・f/L1 で求められる。上記式において、A:投光レンズと受光
レンズとの中心間距離、L1;投光レンズから被測定物
までの距離、f:受光レンズの焦点距離である。そのた
め、被測定物の距離が遠いほどPSDセンサの受光面で
の受光スポットの位置x1が小さくx2の位置へと移動
する。また逆に受光スポットの位置x1が大きくなるこ
とは被測定物までの距離が近くなることになる。
【0063】PSDセンサの受光面のポイントxは、上
述したように電極A,Bより得られる電流比I1/I2
にて特定できるため、上述の式に従って容易に発光素子
31−1から被測定物までの距離L、つまり距離測定セ
ンサ31までの距離を計測できる。
【0064】そこで、本発明においては、図1に示す通
り、距離センサ31を構成するPSDセンサから得られ
る電流I1及びI2を信号処理回路32にて電圧V1及
びV2に変換して、マスタCPU40のアナログポート
入力部を介して入力する。ここで、信号処理回路32
は、得られる電流I1及びI2と等価または同じ比率の
電圧値として変換処理するものである。マスタCPU4
0は、この電圧値に基づいて、I1/I2に相当する値
を演算し、距離測定センサ31のスポット位置(x)を
求め、これにより上述したxを求める式よりシート用紙
P先端までの距離Lを演算する。
【0065】そのため、必要に応じて、マスタCPU4
0は赤外LEDである発光素子31−1を発光させるた
めにドライバ回路33を駆動する信号を出力する。ま
た、マスタCPU40は、上記距離センサ31からの出
力に基づいて、求めた測定距離に応じてシート用紙Pの
剥離作用を制御する剥離器13の剥離作用を制御するた
めに、剥離電圧供給回路50に制御信号を出力する。剥
離電圧供給回路50は、これに基づいて剥離器13にマ
スタCPU40にて設定された電圧をコロナ放電線に印
加する。
【0066】以下に本発明による距離測定センサ31に
よる距離測定に応じて、剥離電圧供給回路50を介して
剥離器13に供給する電圧制御の幾つかの実施例及びそ
の実施態様を図面に従って説明する。
【0067】(一実施例の形態)図7はシート用紙Pが
転写位置を通過し、剥離される時の図3で示す剥離状態
を検出する時のマスタCPU40による状態検出及び剥
離制御の一例を示すフローである。
【0068】まず、コピースタートを行うために、プリ
ントスイッチ(PSW)が操作されると、CPU40は
これに従ったコピー制御を実行する(n1,n2)。そ
して、シート用紙Pがレジストローラ17を介して転写
位置へと搬送されることで、転写器12の作用にてシー
ト用紙裏面の帯電を行い、感光体9に形成されたトナー
画像が静電転写される。
【0069】その転写後に、シート用紙を感光体9表面
より剥離するために、シート用紙裏面の帯電電荷を剥離
器13にて除電するために、剥離器13に供給する剥離
電圧Vsを設定(n3)し、これを供給する。この場
合、剥離器13に供給する電圧は、先のコピー動作時に
求めた電圧を供給することになる。ただし、コピー動作
の開始時の1枚目のシート用紙に関しては、マスタCP
U40は、その剥離状態を把握できず、制御される剥離
電圧Vsについては、例えば温度センサ51、湿度セン
サ52及び用紙の厚さ検出センサ53さらに用紙サイズ
検出センサ54からの信号を入力することで、これに応
じた剥離電圧Vsを設定する。つまり、上記各センサに
基づく剥離条件に応じた値を設定する。
【0070】そのため、上述の剥離電圧Vsにて駆動さ
れる剥離器13による剥離動作が行われる。次にステッ
プn4にて、シート用紙先端部の剥離状態が検出され、
その検出状態において、ステップn3における剥離電圧
Vsを決定しその電圧値をその後に供給制御する。
【0071】そこで、シート用紙先端部の剥離状態を検
出するタイミングは、レジストローラ17が駆動された
時点から、先端が距離測定センサ31の位置に達するま
での時間は、複写倍率に関係なく一定である。即ち、感
光体9の速度は一定に制御されており、その感光体の周
速度と同期する速さで搬送制御されるシート用紙の速度
も一定である。そのためレジストローラ17にてシート
用紙が搬送を開始された時点から、例えばタイマ等を駆
動させ、タイマによる所定時間をカウント後に、距離測
定手段である発光素子31−1を駆動する。この発光に
よるシート用紙先端部からの反射光を受光部31−2が
受光することで、距離測定センサ31からシート用紙先
端までの距離Lに相当する信号が出力される。これは、
先に説明したように、センサー31からのI1/I2を
信号処理回路32にて変換した電圧V1/V2をマスタ
CPU40が入力することで、被測定物であるシート用
紙P先端までの距離Lを求める(ステップn4)。
【0072】この距離Lが求められると、該距離Lが、
目標となる距離Loに収まるようにシート用紙Pを剥離
するための電圧を制御するために、目標距離Loと比較
(n5)される。この目標距離Loは、図3における最
適状態、つまりシート用紙Pの剥離が適正な状態時の距
離Lbである。この比較結果が、目標距離Loとほぼ等
しい場合には、適正状態であるとして、ステップn3に
て供給される剥離電圧Vsをそのままの状態で維持(n
6)させて剥離動作を継続させる。
【0073】しかしながら、比較において一致しなけれ
ば、現在の供給電圧では適正な剥離を行えないとして、
新たな電圧を設定するために、測定した距離Lと目標距
離Loとの差ΔL(Lo−L)を求める(n7)。この
差、例えば差が負の場合には、シート用紙Pの先端が感
光体9側へと吸引される状態であり、剥離力が弱い。ま
た、正の場合には、剥離力が強く、シート用紙P先端が
下向きになり、搬送ベルトへと衝突することになる。
【0074】そのため、図8に示すように、目標値との
差ΔLが、正負に応じてその差に相当する電圧を求め
る。この図8に基づく特性線図は、使用されるシート用
紙に応じて予め実験等にてそれぞれの環境条件において
求めたもので、これを電圧変換テーブルとして予めRO
M等にて予め記憶しておく。この図8の特性線図を参照
して、先に求めた差ΔLに応じた補正電圧ΔVと、先の
供給した剥離電圧Vsとの加算を行う。つまり、差が負
の場合には、電圧を高めるためのに正の補正電圧ΔVが
求められ、この電圧ΔVと先の剥離電圧Vsが加算され
る。この加算電圧が新たな剥離電圧Vsとして剥離器1
3に供給され、新たに設定された剥離電圧Vsで剥離動
作が行われる(n8)。
【0075】そして、シート用紙は剥離後、搬送ベルト
を介して定着部を通過して複写装置本体に排出(n9)
される。また、次のコピー、即ちマルチコピー等の連続
コピーにおける次のコピーのためのシート用紙Pの剥離
制御を行うために、先のステップn6又はn8にて設定
される剥離電圧Vsを、記憶(n10)する。この記憶
電圧Vsは、先のステップn3にて利用され、次のコピ
ー動作にかかるシート用紙の剥離電圧として設定され
る。つまり、マルチコピーの場合にはステップn10か
らステップn2及びn3を経由して剥離電圧Vsが記憶
された電圧値で制御される。
【0076】一方、上述の状態でマルチコピー等が終了
しれば、再度コピースイッチの動作状態を検出するステ
ップn1に待機する。そして、コピー動作が開始されれ
ば、先に説明した通りステップn3にて剥離器13に供
給するための電圧Vsは、まだ設定されていない。その
ため、コピースタートの1枚目のシート用紙の剥離電圧
としては、使用されるシート用紙の材質や周囲温度及び
湿度等にて最適値が設定されこれにてコピー制御が行わ
れる。しかしんがら、初期での設定電圧にて剥離器13
による剥離状態が適正であるとは限らない。そのため、
ステップn4にて距離Lを測定し、目標値Loとの差に
応じて、その剥離状態が適正である電圧値を設定し、こ
れを剥離器13に供給することでシート用紙Pの剥離を
適正に制御できる。
【0077】図7のフローにおいて、ステップn5の比
較においては、目標値Loとして、図3に示す適正状態
のLbの距離にて剥離できるように設定している。しか
し、この目標値Loとしては上下に多少の適正範囲があ
り、測定された距離Lがその範囲内に入っていれば、剥
離器13に供給する電圧を維持させる方が良好である。
例えば、図3で示すように、距離Lc以下になれば搬送
ベルトにシート用紙先端が衝突してトナー画像が乱れた
り、また先端が引っ掛かりジャムする危険性がある限界
として、この距離Lcを下回らない距離Lが測定される
と、現在の剥離電圧Vsを維持させる。また、測定距離
Lが、剥離されるが、感光体9側に吸引される限界の最
大距離La以上であれば、適正状態Lbにするための電
圧を供給するようにし、最大距離Lcより小さい場合に
は、そのままで、剥離が行われるためにその電圧を維持
させる。
【0078】この上限及び下限については、剥離される
最小限度の値を設定すればよく、より正確な剥離を望む
なら、安全度との兼ね合いによりその範囲を小さくすれ
ばよい。例えば、適正距離であるLbの範囲になるよう
に制御するようにすればよい。
【0079】なお、距離測定センサ31による距離測定
において、シート用紙が感光体9より分離されずに感光
体9に沿って搬送される場合、これを検出する必要があ
る。しかし、これはシート用紙とセンサ31との距離を
測定することで合わせて検出できる。つまり、シート用
紙が感光体9に吸着し搬送される場合の距離は決まった
距離であり、この距離が測定された場合には、直ちに感
光体9の回転及び複写装置の動作を停止させる。特に搬
送手段及び感光体9の停止と共に、帯電器、転写器、剥
離器等の動作を停止させる。従って、剥離不良における
感光体9への吸着状態を別途センサを設けて検出する必
要はなくなる。
【0080】<一実施態様>上記図7の制御フローにお
いて、測定した距離Lと適正距離Loとの差ΔLに応じ
た補正電圧ΔVに変換するためのテーブルとして、図8
に示す特性線図を利用している。この場合、特性線図は
の特性を利用している。そこで、温度センサ51、湿
度センサ52等によりその使用する特性を変更するとよ
り精度の高い剥離制御が行える。
【0081】つまり、温度や湿度が高い場合には、剥離
電圧を高くする傾向にあり、また温度や湿度が低くなる
に従って剥離電圧を低くする傾向にある。これは、転写
器12に供給する電圧と同等である。つまり、高湿時に
は、シート用紙自身の抵抗変化、特に抵抗が低くなるこ
とで転写電位を高くする必要がある。こてに応じて剥離
電圧を高くして除電を行う必要が生じる。
【0082】そこで、温度センサや湿度センサまたシー
ト用紙の厚さ状態に応じて剥離電圧としては、例えば図
7のフローにおいて説明した特性線図を利用すること
なく、又はの特性線図を利用することで、補正電圧
ΔVを設定する。例えば、温度や湿度が高い場合には、
剥離電圧を高く制御する必要性から、特性線図を利用
して補正電圧ΔVを設定するようにすればよい。
【0083】また、温度や湿度た低い時には、剥離電圧
としては低くする傾向にあることから、特性線図を利
用し補正電圧ΔVを設定する。さらに、温度又は湿度の
いずれかが高く、一方が低い場合には、の特性線図を
利用して補正電圧を設定するようにすればよい。
【0084】この図8に示す特性については、実験等に
基づいて予め求めることができる。また特性線図として
は3種類に限ることはなく、精度を高めるためにはより
多くの特性データを求めておけばよい。
【0085】しかも、この図8に示す特性としては、R
OMテーブルを利用する等して、予め記憶しておき、測
定された距離に基づく差ΔLに応じた補正電圧ΔVに変
換し出力るようにすればよい。
【0086】<他の実施態様>次に図9に示すフローに
よる制御の実施態様は、連続コピーを行う場合には、シ
ート用紙Pの材質としては同一ものが使用される点に注
目し、剥離をコピー動作の都度制御することなく、剥離
状態の平均値に基づいて制御を行うものである。例えば
なんらなかの要因により、一時的に剥離状態が大きくず
れた時に、その状態をセンサ31にて検出して、これに
応じた剥離電圧が設定されると、剥離電圧が安定でず、
剥離が適正に行えない場合がある。例として、多数のシ
ート用紙に混じって1枚あるいは数枚のシート用紙の先
端等が多少折れ曲がていることがある。このようなシー
ト用紙においては剥離状態が適正であったとしても、距
離測定センサ31ではその距離が適正状態であると測定
することができない。このようなことを補償するため
に、複数枚のコピーによるシート用紙の剥離状態、つま
り距離を測定し、この測定距離の平均値を求め、剥離電
圧を設定する。また、平均値を求める場合には、最大又
は最小値の平均値、または最大と最小値を除去した残り
の測定距離の平均値等を求めてもよい。
【0087】“平均値の求め方の実施態様1” 図9のフローチャートにおいては、図7のフローにおけ
る距離測定のステップn4の手順が異なるだけで、その
他の点では図7と同一であるため、その他のステップ及
び説明は省略する。
【0088】そこで、距離の測定を行うステップにおい
て、コピー毎のシート用紙先端部の距離Lをステップn
41にて測定する。その測定距離Lはコピーの都度RA
Mの所定の領域に記憶(n42)される。そして、過去
のコピーによるシート用紙先端までの測定距離L1〜L
nの平均値、例えばn=5とすれば、今回測定した5回
目の距離L5と、過去の4枚の測定距離L1〜L4を加
算し、その平均値Luを求める(n44)。その測定距
離の平均値Luについては、図7のステップn5にて目
標値Loとの比較を行い、剥離器13に供給する新たな
剥離電圧Vsを設定する。
【0089】一方、コピー枚数が“5”枚目未満である
と、特にステップn43て判定されれば、平均値Luを
求めることなく、図7のフローのステップn6にてその
ままの電圧Vsを保持させて次のコピーを行う。
【0090】ここで、RAMに記憶される各測定距離L
nについては、過去5回分の測定距離Lnを記憶するも
ので、最古の記憶内容はクリアされ、そこに新たな測定
距離Ln+1を記憶し、常に5回分の測定距離の内容を
記憶させている。そのため、5枚目のコピー以後はその
都度、最新のコピーによるシート用紙の先端測定距離L
nが記憶され記憶されている最古の記憶Ln−5の内容
はクリアされる。そのためRAMはその記憶内容をシフ
トさせうようにし、最古の記憶内容Ln−4については
シフトされて自然とクリアされるようにしている。
【0091】以上のことから、最初の4枚目のコピーに
おいては、剥離器13に供給される電圧Vsは、CPU
40にて設定した初期値、つまりシフト用紙の厚さ、周
囲の温度及び湿度等で決定される電圧値が供給される。
そして、5枚目のコピー時の剥離状態である距離Lが測
定されると、ステップn44にて平均値Luが求めら
れ、その平均距離Luにて剥離電圧Vsが新たに設定さ
れる。そして6枚目以後についてはその都度、平均値L
uが過去5枚の測定距離にて平均値Luが求められて剥
離電圧Vsの設定及びその電圧制御が行われる。
【0092】なお、この例によれば、5枚のコピーによ
る平均値を求めたが、そのコピー数としては適宜設定す
ればよい。
【0093】“平均値の求め方の実施態様2” 以上は、コピーの都度、シート用紙の剥離状態を示す距
離を記憶し、平均値を求める実施態様であるが、これに
限らず、先に明記したように、最大又は最小等を無視し
たり、平均的な値を有効としてその有効な測定データに
基づいて平均値を演算するようにしてもよい。たとえ
ば、シート用紙が折れ曲がった状態で剥離される場合に
は、その距離の測定において大きな誤差として生じる。
つまり、測定した複数の距離のなかで、その差が他のも
のに比べて大きな差となる。これを平均化すれば、適正
な剥離状態の平均値を示さず、剥離制御において信頼性
に欠ける虞れもある。
【0094】そのため、そのような大きな差について
は、その距離については平均値を演算する際には除外
し、その他の残りの有効な測定距離にて平均値Luを求
めてれば、より安定した剥離制御を可能にできる。
【0095】この場合、測定距離を除外する方法として
は、適正範囲Lbの近辺については有効として平均値を
求めるデータとして記憶させる。しかし、上記適正範囲
Lbを大きく外れた場合には、無効として記憶させる。
そして、平均値を演算する図9のフローにおけるステッ
プ44において、この無効データを除外して平均値を求
めることがきる。例えば適正値の距離Lbが4.5mm
とした場合、適正範囲として4.0〜5.0mmとし、
この範囲以外の場合には、無効として記憶しておき、平
均値を求める時には、その無効データを加算せず、他の
有効データのみを加算対象として加算し、その平均値L
uを演算する。
【0096】この時、測定距離が上述の範囲外であると
判別された時には、そのデータを記憶することなく、平
均値については、前回求めた平均値を利用して剥離電圧
を制御を行ってもよい。つまり、有効な測定距離Lであ
れば、その測定距離及びいままでの複数の有効測定距離
Lnとで平均値Luを演算するが、無効として判断した
時にはその測定距離については記憶せずに、RAMの内
容をそのままに維持しておく。従って、有効として判断
された時に、平均値Luを求める演算が実行され、無効
であれば前回の平均値による剥離電圧Vsの制御を行
う。従って、一時的な大きな剥離状態に変化に影響され
ず、大幅なずれを生じることなくより、信頼性の高い制
御を可能にできる。
【0097】“平均値の求め方の実施態様3” この場合、有効又は無効を判断する必要があるが、これ
を省略する場合には、上述したように測定した距離Lに
ついては、その都度記憶しておき、平均値を求める時
に、例えば5個の記憶したデータのうち最大及び最小値
を省き、残り3つのデータにて平均値を求めるようにし
てもほぼ同様の結果を得られる。また、最小値及び最大
値の平均値を求めてもよく、記憶された5個の中の中間
の測定距離を平均値としてもよい。
【0098】<その他の実施態様>図7の制御フローに
おいて、測定距離Lと適正距離Loとの差ΔLに応じ
て、剥離電圧Vsの加減算する補正電圧ΔVを例えば図
8に示す特性図に基づいて求めている。この時の補正電
圧ΔVが大きい場合、あまりにもシート用紙の剥離作用
に大きな影響を与える。例えば、剥離作用が強すぎて、
シート用紙先端が搬送ベルト18に衝突する悪影響が生
じることが考えられる。そこで、供給する電圧の制限値
を設定し、この制限値を越える補正電圧ΔVが出力され
ると、その制限値に設定する。
【0099】“制限値の一実施態様” 図10は1つの制限値を定め、その制御を行うフローで
ある。該図10において、図7のステップn7とステッ
プn8との間での制御が追加されるもので、他のステッ
プは同一である。
【0100】図7のステップn5において、測定された
距離Lと適正状態での距離Loとの差ΔLを求め、該差
ΔLに応じた補正電圧ΔVを図8に示す特性図に基づい
て、マスタCPU40は設定(n7)する。この時、補
正電圧ΔVが最小(負の制限値の電圧)又は最大(正の
制限値の電圧)値ΔVoを越えるかがn81にて比較さ
れる。この比較において、これを越える場合には、ステ
ップn82又はn83にてリミット電圧±ΔVoを補正
電圧ΔVとして定め、図7のステップn8にて先の剥離
電圧Vsと加減算した後、ステップn9の動作を実行す
ることなる。
【0101】一方、ステップn81での比較において、
距離の差に応じた補正電圧ΔVがリミット電圧±ΔVo
内であれば、その補正電圧ΔVを剥離電圧Vsに対し加
減算する。以後の動作を上述と同様に行われる。
【0102】これにより、剥離電圧の変化量を一定に押
さえて、急激な剥離変化を防止し、シート用紙の剥離を
画像を乱すことなく安定させることができる。
【0103】“制限値を複数にする実施態様” 図10は剥離補正電圧の制限値を1つに定めたものを示
したが、その制限値を変更することで適正な剥離制御を
行える。つまり、今までのコピー制御とは別に、使用す
るシート用紙の材質が変更された場合や、シート用紙を
変更した場合には制限値を変更することが望ましい。つ
まり、剥離条件が使用する用紙によって変更される場
合、用紙の厚さや、用紙サイズの変更時にのみ、制限値
を大きくし、変更時の剥離状態の変化に対応しきれない
状態を補償する。
【0104】例えば、シート用紙が変更された時に、図
10の制限値±ΔVo以内に剥離電圧の補正を行ても、
シート用紙の剥離を行えない場合が考えられる。そのた
め、複写動作制御において、マスタCPU40がシート
用紙サイズの変更、また用紙の厚さが変更された時に、
剥離状態を示す距離Lと適正距離Loとの差による、剥
離補正電圧ΔVが先のリミット値±ΔVoを越えた場合
においても、更に大きな値を制限値として定め、これに
応じた制御を行うようにする。これは、用紙サイズ等が
変更された時の1枚目のコピー時にのみ行われ、2枚目
以降にいては、図10に示すフローに従って制御が実行
される。
【0105】なお、制限値としては補正電圧ΔVに対す
るリミット電圧±ΔVoを定めたが、その補正電圧ΔV
を加減算して剥離電圧を設定制御している時に、剥離器
13に供給するための最大又は最小の制限値が存在す
る。そのため、補正電圧の加減算にてその最大又は最大
の制限値を越えた場合には、当然であるがその制限値を
リミットとして剥離器13に供給することになる。つま
り、剥離器13に供給する電圧を高くするとリークや転
写画像の乱れ等の問題が生じる。たま、電圧が低すぎる
と剥離するための最小限の作用を得られなくなる。
【0106】(他の実施例)以上の説明においては、距
離測定センサ31が正常に動作していることを前提に説
明した。しかし、距離測定センサ31の距離測定に異常
が生じれば剥離制御が適正に行えなくなる。つまり距離
測定センサ31が故障すれば、シート用紙の剥離状態を
検出し、それに応じた上述の制御を行えなくなる。例え
ば、距離測定センサ31による出力が正常でない状態
で、剥離電圧の制御を行えば剥離不良が発生し、その他
の装置等に与える悪影響が多大なものとなる。
【0107】そのため、距離センサ31が正常に動作し
ているか否かを、CPU40にて自己診断し、正常状態
の時にのみその剥離電圧の制御を測定距離に応じて制御
する。そこで、距離センサ31はCPU40の制御によ
り、コピー非動作時等、又はコピー動作を開始する前の
シート用紙が剥離位置に達する前に、常に決まった距離
を測定するための動作を実行する。
【0108】<距離測定センサの自己診断の実施例>距
離測定センサ31を自己診断を行うために、距離測定セ
ンサ31にて一定距離を測定する必要がある。例えば、
一定距離を測定するために測定対象物として、感光体9
表面へと光を照射し、距離Lを測定し、この測定距離が
感光体9表面までの一定距離Lsとを比較することで、
該距離測定センサ31が正常か否かを自己診断できる。
【0109】そこで、図11にその自己診断を含めたマ
スタCPU40の剥離制御フローを示す。まず、コピー
動作を開始する前のコピースタート前の待機時(あるい
はコピー動作中でのシート用紙が剥離位置に達する前
に)発光素子31−1が駆動され、一定距離の測定を開
始(n11)する。この時、一定距離の測定対象物であ
る感光体9表面からの反射光を受光部31−2にて受光
することで距離測定センサ31による距離Lを測定(n
12)する。この時、距離センサ31と感光体9表面ま
での距離は一定であるため、その測定距離Lが所定距離
Lsであるかを比較(n13)する。
【0110】そして測定距離Lが所定距離Lsに等しい
場合には、距離測定センサ31が正常に動作していると
して自己診断(n14)できる。もし、測定距離Lが基
準距離Lsと異なれば、異常であるとして距離センサ3
1の異常として自己診断(n15)し、この状態を表示
(n16)する。
【0111】この距離センサ31の異常検出により複写
装置としては複写動作を禁止する必要はない。つまり、
複写装置は画像を形成するための手段が正常であれば、
複写動作を禁止する必要はない。従って距離センサ31
が故障していても、画像形成の本質は失われていない。
そのため、距離センサ31による制御を無効にすればよ
い。あるいは距離測定を行うステップを実行することな
くコピー制御を実行する。その例を図11のフローチャ
ートに示すように剥離器13に供給する電圧を所定の電
圧に制御する。ここで、距離測定センサ31が自己診断
により正常である場合には、図に示す通り、図7に示す
フローを実行する。
【0112】上記、自己診断の結果、距離測定センサが
異常であると判断された場合には、距離測定センサ31
の不良状態を表示(n16)した状態で、ステップn1
7にてプリントスイッチPSWの操作状態を待つ。そし
て、プリントスイッチの操作を検出すれば、入力設定さ
れた複写条件に従った複写動作が開始(n18)され
る。この時、剥離器13に供給する電圧は所定の電圧を
設定(n19)し、これを常に一定にしいてシート用紙
の静電剥離を行う。ここで、所定の電圧としては、図7
にて説明したようにコピー動作の開始時に設定される初
期値の剥離電圧Vsであって、例えば選択されるシート
用紙に応じて、周囲の温度及び湿度の条件に応じた剥離
電圧として設定された値である。
【0113】以上の初期値にて剥離器13に供給される
電圧にて制御される。この値は、例えば湿度変化温度変
化、及びシート用紙の厚さ等の変化に応じて制御されて
もよいが、一定に固定してもよい。
【0114】 “自己診断の異常時の剥離電圧制御の他の実施態様” また、剥離電圧Vsは、コピー動作中等にて必要時に自
己診断によって距離測定センサ31の異常検出が行われ
れば、この異常検出前の剥離電圧Vsの値を記憶してお
き、この記憶された剥離電圧Vsを設定してもよい。つ
まり、図11の制御フローのステップn19において、
初期値の所定電圧でなく異常検出前に剥離器13に供給
した剥離電圧Vsを供給する。
【0115】この剥離電圧Vsとしては、前回の剥離電
圧Vsを事前に記憶しておく。また過去の剥離電圧Vs
をいくつか記憶しておき、その平均値を演算して設定し
てもよい。この記憶については、測定距離を複数記憶す
る場合と同様に常に一定の個数を記憶しておき、その平
均値を求めるようにすればよい。
【0116】上記記憶された剥離電圧Vsについては、
シート用紙の厚さや、用紙サイズ等が変更された時に
は、上述の実施態様における初期状態に設定することが
最適であろう。
【0117】なお、距離センサの自己診断において、一
定距離Lsを測定するための測定対象物として、感光体
9を利用した例を示したが、これに限ることなく、複写
装置を構成する特に画像形成を行う各種装置を利用して
もよい。つまり、剥離状態を検出するシート用紙先端が
存在しない状態で、更にその上部に配置されたクリーニ
ング装置の外装表面を利用することができる。また図3
に示すように、感光体9表面に吸着するシート用紙を強
制的に剥離する剥離爪34を利用することもできる。こ
の場合、測定対象物の表面、特に距離測定センサ31の
発光部31−1からの光が照射される面に反射面、例え
ば白色処理した部分を設けると、その測定が正確に行え
る。
【0118】以上詳細に説明したように、本発明の実施
例にて例示した距離測定センサ31は、PSDセンサー
を利用しているが、このセンサーに限ることなく、距離
を測定できるものであれば、それを利用すればよい。特
に重要なことは、距離センタ31の配置位置であり、剥
離状態を検出できる位置に配置することが重要である。
つまり、剥離器13の作用後であって、その剥離状態を
距離として測定できる位置に設ける必要がる。そのた
め、シート用紙の搬送方向とほぼ同一平面となるように
発光素子からの反射光を受光するのでは正確な距離測定
ができないため、シート用紙の搬送方向と直交する方向
に光照射し、その反射光を受光するように距離センサ3
1を配置することが重要である。
【0119】
【発明の効果】本発明によれば、シート用紙の剥離を、
その剥離状態を認識し、その認識に応じて剥離制御を行
うため、常に適正な状態でもってシート剥離を行える。
特に剥離状態を距離として認識するため、その剥離状態
を正確に認識でき、剥離制御をより確実かつ正確に行え
る。
【0120】また、距離を測定する手段として、その測
定距離が適正かを判別させることで、上述の剥離制御を
より確実に行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の複写装置における制御回路構成を示す
ブロック図。
【図2】本発明の一実施例における複写装置に循環式原
稿搬送装置(RDH)を搭載した概略の構成図。
【図3】本発明にかかる剥離状態を距離として検出する
実例を示す図。
【図4】本発明の距離測定センサーを一例を示すPSD
センサーの断面構造図。
【図5】上記図4のPSDセンサーの等価回路図。
【図6】距離測定の原理を説明する図。
【図7】本発明による距離測定にかかる剥離制御の一例
を示す制御フローチャート。
【図8】本発明にかかる剥離電圧の設定のための補正特
性にかかる特性図。
【図9】本発明による距離測定にかかる剥離制御におけ
るの他の実施態様を示す制御フローチャート。
【図10】本発明による距離測定にかかる剥離制御にお
ける他の実施態様を示す制御フローチャート。
【図11】本発明による距離測定にかかる剥離制御にお
ける他の実施態様を示す制御フローチャート。
【符号の説明】
13 剥離器 31 距離測定センサ(PSDセンサ) 31−1 発光素子(赤外LED) 31−2 受光部 40 マスタCPU 50 剥離電圧供給回路 64 速度制御装置 P シート用紙

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】記録媒体上に形成された画像を適宜搬送さ
    れてくる転写材を密着させ静電転写した後、該転写材を
    上記記録媒体より静電的に剥離するための方法であっ
    て、上記剥離後の上記転写材の剥離状態を検出し、該検
    出状態に応じて上記静電的に剥離するための手段への供
    給電圧を制御してなる静電剥離制御方法。
  2. 【請求項2】記録媒体と、該記録媒体表面に画像を形成
    する画像形成手段と、形成された画像を適宜搬送されて
    くる転写材に該転写材の裏面より荷電して静電転写する
    転写手段と、を備えた画像形成装置において、 上記剥離手段に電圧を供給する電圧供給手段と、 上記転写材の剥離状態を検出するために、剥離工程後に
    配置され、該配置位置と剥離後の転写材先端部との距離
    を測定する距離測定手段と、 該距離測定手段による測定距離に応じて上記上記記録媒
    体より剥離を行うために上記電圧供給手段による供給電
    圧を制御する制御手段と、 を備えたことを特徴とする静電剥離制御装置。
  3. 【請求項3】上記制御手段は、上記距離測定手段による
    複数の測定距離の平均値を求め、該平均値に応じて剥離
    手段に供給する電圧を制御してなる請求項2記載の静電
    剥離制御装置。
  4. 【請求項4】上記制御手段は、上記距離測定手段による
    測定距離又は平均値に応じた剥離手段に供給する電圧が
    制限値を越えた時に制限値をリミットとして制限する手
    段を備えたことを特徴とする請求項2又は3記載の静電
    剥離制御装置。
  5. 【請求項5】上記制御手段は距離測定手段を自己診断す
    る診断手段を含み、該診断手段にて上記距離測定手段が
    正常状態である時に、該制御手段による測定距離に応じ
    た剥離手段への供給電圧制御を行う一方、上記距離測定
    手段が異常と診断された状態では制御手段は、剥離電圧
    を所定の値に固定してなる請求項2記載の静電剥離制御
    装置。
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