JP6212323B2 - 無電解ニッケルめっき液及びそれを用いた無電解ニッケルめっき方法 - Google Patents
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以上のような背景から、有毒性が低く、亜リン酸のような副生成物の影響を受けることなく優れた安定性を有し、且つ良好なめっき皮膜特性を与えることのできる無電解めっき液の開発が産業界より強く望まれている。
即ち、本発明は、バナジン酸イオン(VO4 3−)及びモリブデン酸イオン(MoO4 2−)から選択される少なくとも1種と、ヨウ素酸イオン(IO3 −)と、ニッケルイオンと、ヒドロキシカルボン酸と、ニッケルイオンの還元剤とを含有することを特徴とする無電解ニッケルめっき液である。
この無電解ニッケルめっき液において、ニッケルイオンの還元剤は、リン化合物又はホウ素化合物を含むことが好ましく、リン化合物とホウ素化合物とを含むことがより好ましい。
また、本発明は、上記無電解ニッケルめっき液に被めっき物を浸漬して、ニッケルめっき皮膜を被めっき物表面に形成させることを特徴とする無電解ニッケルめっき方法である。
本発明に係る無電解ニッケルめっき液は、ニッケルイオンと、ヒドロキシカルボン酸と、ニッケルイオンの還元剤とを主成分とし、第一添加剤としてバナジン酸イオン及びモリブデン酸イオンから選択される少なくとも1種を含み、第二添加剤としてヨウ素酸イオン(IO3 −)を含むものである。第一添加剤であるバナジン酸イオン及びモリブデン酸イオンから選択される少なくとも1種と第二添加剤であるヨウ素酸イオンとの存在により、鉛成分を含有する無電解ニッケルめっき液と同等以上の安定性が長期にわたって確保される。
本発明の無電解ニッケルめっき方法では、上述の無電解ニッケルめっき液に被めっき物を浸漬して、ニッケルめっき皮膜を被めっき物表面に形成させる。めっき条件は、特に限定されるものではないが、好ましくは50〜98℃、更に好ましくは60〜95℃のめっき液温度において、必要に応じてニッケルめっき液を攪拌したり、被めっき物を揺動することにより、被めっき物の表面に均一にニッケルめっき皮膜を形成させることができる。この場合、ニッケルめっき液の撹拌及び被めっき物の揺動方法としては、当該技術分野において公知の撹拌方法や揺動方法を採用することができる。また、ニッケルめっき皮膜の析出速度(めっき速度)は特に限定されるものではないが、通常5〜25mg/cm2・hr程度である。ニッケルめっき皮膜の膜厚は、めっき製品の使用目的等により適宜選定されるが、通常、2〜25μm程度である。
更に、長期連続使用においては、めっきの進行に伴ってニッケルめっき液中のニッケルイオン濃度、ニッケルイオン還元剤濃度が低下するので、連続的に又は適当な時間ごとに、水溶性ニッケル塩やヒドロキシカルボン酸、ヒドロキシカルボン酸以外の錯化剤、ニッケルイオン還元剤、pH調整剤等をニッケルめっき液に補給することが好ましい。
なお、被めっき物表面には、ニッケルめっき皮膜との付着性を良好にする目的で、無電解ニッケルめっき液に浸漬する前に、通常のめっき工程で行われる前処理を施すことが好ましい。そのような前処理としては、例えば、溶剤又はアルカリ溶液を用いた脱脂、亜鉛置換処理、酸浸漬処理等を挙げることができる。
<めっき液の安定性試験>
めっき液を5mL採取し、これを80℃まで加熱しこの温度に保持しながら、500mg/Lの塩化パラジウム水溶液を5μL添加した。その後、1分ごとに500mg/Lの塩化パラジウム水溶液を5μL添加し、めっき液が黒色化するまでに要する時間(秒)を計測した。この時間(秒)が長いほど、安定性の高いめっき液であると言える。
下記表1に示す組成でNi−P−Bめっき液を調製した。なお、バナジン酸イオン源となる添加剤には、メタバナジン酸アンモニウムを使用し、ヨウ素酸イオン源となる添加剤には、ヨウ素酸ナトリウムを使用した。
次に、実施例1のNi−P−Bめっき液を用いて、浴温80℃、めっき時間60分及び浴比15(ニッケルめっき液量[mL])/被めっき物の表面積[cm2])というめっき条件で圧延鋼板にNi−P−Bめっきを施したところ、めっき反応が阻害されることなく実用上十分なめっき速度が得られ、また、得られためっき皮膜の外観も良好であった。
また、実施例1のNi−P−Bめっき液の安定性を評価したところ、めっき液が黒色化するまでに要する時間は390秒であった。
ヨウ素酸イオン源となる添加剤を添加しないこと以外は実施例1と同様にNi−P−Bめっき液を調製した。
次に、比較例1のNi−P−Bめっき液を用いて、浴温80℃、めっき時間60分及び浴比15(ニッケルめっき液量[mL])/被めっき物の表面積[cm2])というめっき条件で圧延鋼板にNi−P−Bめっきを施したところ、めっき反応が阻害されることなく実用上十分なめっき速度が得られ、また、得られためっき皮膜の外観も良好であった。
また、比較例1のNi−P−Bめっき液の安定性を評価したところ、めっき液が黒色化するまでに要する時間は50秒であった。
バナジン酸イオン源となる添加剤を添加しないこと以外は実施例1と同様にNi−P−Bめっき液を調製した。
次に、比較例2のNi−P−Bめっき液を用いて、浴温80℃、めっき時間60分及び浴比15(ニッケルめっき液量[mL])/被めっき物の表面積[cm2])というめっき条件で圧延鋼板にNi−P−Bめっきを施したところ、めっき反応が阻害されることなく実用上十分なめっき速度が得られ、また、得られためっき皮膜の外観も良好であった。
また、比較例2のNi−P−Bめっき液の安定性を評価したところ、めっき液が黒色化するまでに要する時間は110秒であった。
下記表2に示す組成でNi−P−Bめっき液を調製した。なお、モリブデン酸イオン源となる添加剤には、モリブデン酸ナトリウムを使用し、ヨウ素酸イオン源となる添加剤には、ヨウ素酸ナトリウムを使用した。
次に、実施例2のNi−P−Bめっき液を用いて、浴温80℃、めっき時間60分及び浴比15(ニッケルめっき液量[mL])/被めっき物の表面積[cm2])というめっき条件で圧延鋼板にNi−P−Bめっきを施したところ、めっき反応が阻害されることなく実用上十分なめっき速度が得られ、また、得られためっき皮膜の外観も良好であった。
また、実施例2のNi−P−Bめっき液の安定性を評価したところ、めっき液が黒色化するまでに要する時間は400秒であった。
ヨウ素酸イオン源となる添加剤を添加しないこと以外は実施例2と同様にNi−P−Bめっき液を調製した。
次に、比較例3のNi−P−Bめっき液を用いて、浴温80℃、めっき時間60分及び浴比15(ニッケルめっき液量[mL])/被めっき物の表面積[cm2])というめっき条件で圧延鋼板にNi−P−Bめっきを施したところ、めっき反応が阻害されることなく実用上十分なめっき速度が得られ、また、得られためっき皮膜の外観も良好であった。
また、比較例3のNi−P−Bめっき液の安定性を評価したところ、めっき液が黒色化するまでに要する時間は75秒であった。
モリブデン酸イオン源となる添加剤を添加しないこと以外は実施例2と同様にNi−P−Bめっき液を調製した。
次に、比較例4のNi−P−Bめっき液を用いて、浴温80℃、めっき時間60分及び浴比15(ニッケルめっき液量[mL])/被めっき物の表面積[cm2])というめっき条件で圧延鋼板にNi−P−Bめっきを施したところ、めっき反応が阻害されることなく実用上十分なめっき速度が得られ、また、得られためっき皮膜の外観も良好であった。
また、比較例4のNi−P−Bめっき液の安定性を評価したところ、めっき液が黒色化するまでに要する時間は110秒であった。
下記表3に示す組成でNi−Pめっき液を調製した。なお、バナジン酸イオン源となる添加剤には、メタバナジン酸アンモニウムを使用し、ヨウ素酸イオン源となる添加剤には、ヨウ素酸ナトリウムを使用した。
また、実施例3のNi−Pめっき液の安定性を評価したところ、めっき液が黒色化するまでに要する時間は720秒以上であった。これに対し、比較例5及び6のNi−Pめっき液の安定性を評価したところ、めっき液が黒色化するまでに要する時間はそれぞれ90秒及び360秒であった。
下記表4に示す組成でNi−Pめっき液を調製した。なお、モリブデン酸イオン源となる添加剤には、モリブデン酸ナトリウムを使用し、ヨウ素酸イオン源となる添加剤には、ヨウ素酸ナトリウムを使用した。
また、実施例4のNi−Pめっき液の安定性を評価したところ、めっき液が黒色化するまでに要する時間は630秒であった。これに対し、比較例7及び8のNi−Pめっき液の安定性を評価したところ、めっき液が黒色化するまでに要する時間はそれぞれ90秒及び180秒であった。
Claims (4)
- バナジン酸イオン(VO3 −)及びモリブデン酸イオン(MoO4 2−)から選択される少なくとも1種と、ヨウ素酸イオン(IO3 −)と、ニッケルイオンと、ヒドロキシカルボン酸と、ニッケルイオンの還元剤とを含有することを特徴とする無電解ニッケルめっき液。
- 前記ニッケルイオンの還元剤が、リン化合物を含むことを特徴とする請求項1に記載の無電解ニッケルめっき液。
- 前記ニッケルイオンの還元剤が、ホウ素化合物を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の無電解ニッケルめっき液。
- 請求項1〜3の何れか一項に記載の無電解ニッケルめっき液に被めっき物を浸漬して、ニッケルめっき皮膜を被めっき物表面に形成させることを特徴とする無電解ニッケルめっき方法。
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