JP2007314876A - 無電解ニッケルめっき液 - Google Patents

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Abstract

【課題】人体への悪影響が懸念される重金属類の含有量が極めて低いにもかかわらず安定性に優れ、且つ良好な皮膜特性を与えることのできる無電解ニッケルめっき液を提供すること。
【解決手段】水溶性ニッケル塩と、還元剤と、錯化剤とを含む無電解ニッケルめっき液であって、ヒドロキシルアミン誘導体およびその塩からなる群から選択されるヒドロキシルアミン系安定剤を更に含むことを特徴とする無電解ニッケルめっき液。上記ヒドロキシルアミン系安定剤は、無電解ニッケルめっき液中に1〜1000mg/L含まれることが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、無電解ニッケルめっき液に関する。
無電解ニッケルめっきは、簡便性、量産性、皮膜特性などの点で優れているため、工業的に非常に重要な技術として位置づけられている。この無電解ニッケルめっきに使用するめっき液には、ニッケル化合物の自己分解を抑制するために微量の安定剤が添加されている。このような安定剤として、重金属カチオン、硫化物イオンが知られており(例えば、特許文献1を参照)、特に光沢も良いことから鉛やカドミウムが0.1〜10mg/L程度添加されていた。しかし、近年の環境規制の強化によりその使用が制限されている。そこで、代替となる安定剤として、インジウム、モリブデン、ビスマス、アンチモン、バリウム、スズ、銅、クロム、マンガン、鉄、コバルト、テルルなどの重金属系安定剤が提案されている(例えば、特許文献2〜8を参照)。
しかし、これら重金属系安定剤は還元反応によりめっき皮膜中に共析するため、皮膜特性が低下するという問題がある。さらに、アンチモンやテルルなどは人体への悪影響が懸念される。
そこで、ホスフィン化合物、アセチレン化合物、硫化エチルなどの有機系安定剤も提案されている(例えば、特許文献9および10を参照)。
特公昭30−9053号公報 特開2005−350728号公報 特開2005−290400号公報 特開2005−264309号公報 特開2005−243767号公報 特開2005−194562号公報 特開2005−082883号公報 特開2000−328254号公報 特開2005−290414号公報 特開2005−126734号公報
しかしながら、上記有機系安定剤は、人体に対しての有害性や環境影響が懸念される物質もある。また、重金属安定剤を用いた場合のような皮膜中への重金属の共析はないが、連続使用において安定性が不十分であり、更に有機系安定剤が被めっき物に吸着し密着不良が起こりやすいという課題が残されている。
したがって、本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、人体への悪影響が懸念される重金属類の含有量が極めて低いにもかかわらず安定性に優れ、且つ良好な皮膜特性を与えることのできる無電解ニッケルめっき液を提供することを目的としている。
本発明者らは鋭意研究、開発を遂行した結果、上記のような課題を解決するためには、ヒドロキシルアミン誘導体およびその塩からなる群から選択される1つを無電解ニッケルめっき液に安定剤として添加することが有効であることに想到し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は、水溶性ニッケル塩と、還元剤と、錯化剤とを含む無電解ニッケルめっき液であって、ヒドロキシルアミン誘導体およびその塩からなる群から選択されるヒドロキシルアミン系安定剤を更に含むことを特徴とする無電解ニッケルめっき液である。
ヒドロキシルアミン系安定剤は、1〜1000mg/L含まれることが好ましい。また、ヒドロキシルアミン系安定剤は、R12NOR3(式中、R1およびR2は、水素または炭素数1〜3のアルキル基、炭素数2〜4のアルケニル基、炭素数2〜4のアルキニル基、シクロアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシルアルキル基、置換基を有してもよいフェニル基、置換基を有してもよいアラルキル基、ハロゲン化アルキル基であり、R3は、水素、スルホン酸基または炭素数1〜3のアルキル基、炭素数2〜4のアルケニル基、炭素数2〜4のアルキニル基、シクロアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシルアルキル基、置換基を有してもよいフェニル基、置換基を有してもよいアラルキル基、ハロゲン化アルキル基である。)で表される化合物およびその塩から選択されることが好ましい。
本発明によれば、人体への悪影響が懸念される重金属類の含有量が極めて低いにもかかわらず安定性に優れ、且つ良好な皮膜特性を与えることのできる無電解ニッケルめっき液を提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に係る無電解ニッケルめっき液は、水溶性ニッケル塩と、還元剤と、錯化剤とを主成分とし、ヒドロキシルアミン系安定剤が添加されている。
ここで水溶性ニッケル塩としては、公知のものを制限なく使用することができ、例えば、塩化ニッケル、硫酸ニッケル、酢酸ニッケル、炭酸ニッケル等が挙げられる。無電解ニッケルめっき液中における水溶性ニッケル塩の濃度は、例えば硫酸ニッケルとして10〜40g/Lであることが好ましく、20〜30g/Lであることが更に好ましい。
還元剤としては、公知のものを制限なく使用することができ、例えば、リン化合物、ホウ素化合物等が挙げられる。これらの還元剤は、めっき皮膜に求められる特性に応じて適宜選択される。例えば、耐食性や防塵性が求められる場合には、還元剤としてリン化合物を添加しためっき液(Ni−Pめっき液)を用いることが好ましく、はんだ濡れ性や耐熱性が求められる場合には、還元剤としてホウ素化合物を添加しためっき液(Ni−Bめっき液)を用いることが好ましく、また、耐磨耗性や潤滑性が求められる場合には、還元剤としてリン化合物とホウ素化合物とを添加しためっき液(Ni−P−Bめっき液)を用いることが好ましい。還元剤としてのリン化合物の具体例には、次亜リン酸ナトリウム、次亜リン酸カリウム、次亜リン酸ニッケル等を挙げることができる。このようなリン化合物が含まれる場合、その濃度は、例えば次亜リン酸ナトリウムとして20〜50g/Lであることが好ましく、25〜35g/Lであることが更に好ましい。還元剤としてのホウ素化合物の具体例には、ジメチルアミノホウ素、ジエチルアミノホウ素、水酸化ホウ素ナトリウム等を挙げることができる。このようなホウ素化合物が含まれる場合、その濃度は、例えばジメチルアミノホウ素として1〜10g/Lであることが好ましく、2〜4g/Lであることが更に好ましい。また、リン化合物およびホウ素化合物の両方が含まれる場合には、リン化合物の濃度が、次亜リン酸ナトリウムとして10〜50g/Lであることが好ましく、25〜35g/Lであることが更に好ましく、ホウ素化合物の濃度が、ジメチルアミノホウ素として0.01〜3g/Lであることが好ましく、0.2〜1g/Lであることが更に好ましい。
錯化剤としては、公知のものを制限なく使用することができ、例えば、グリコール酸、乳酸、グルコン酸、プロピオン酸等のモノカルボン酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸等のジカルボン酸、クエン酸等のトリカルボン酸やそれらのナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩などのカルボン酸類の1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。無電解ニッケルめっき液中における錯化剤の濃度は、10〜100g/Lであることが好ましく、30〜60g/Lであることが更に好ましい。
ヒドロキシルアミン系安定剤としては、ヒドロキシルアミン誘導体およびその塩が挙げられる。ヒドロキシルアミン誘導体の具体例には、下記一般式(1)で表される化合物が挙げられ、その塩としては、例えば、硫酸塩、塩酸塩、硝酸塩等が挙げられる。
Figure 2007314876
(式中、R1およびR2は、水素または炭素数1〜3のアルキル基、炭素数2〜4のアルケニル基、炭素数2〜4のアルキニル基、シクロアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシルアルキル基、置換基を有してもよいフェニル基、置換基を有してもよいアラルキル基、ハロゲン化アルキル基であり、Rは、水素、スルホン酸基または炭素数1〜3のアルキル基、炭素数2〜4のアルケニル基、炭素数2〜4のアルキニル基、シクロアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシルアルキル基、置換基を有してもよいフェニル基、置換基を有してもよいアラルキル基、ハロゲン化アルキル基である。)
上記一般式(1)で表される化合物の具体例には、ヒドロキシルアミン(R1〜R3が全て水素)、ヒドロキシルアミンの塩である硫酸ヒドロキシルアミン、塩酸ヒドロキシルアミンおよび硝酸ヒドロキシルアミン、O−メチルヒドロキシルアミン、O−エチルヒドロキシルアミン、N−メチルヒドロキシルアミン、N,N−ジメチルヒドロキシルアミン、N,O−ジメチルヒドロキシルアミン、N−エチルヒドロキシルアミン、N,N−ジエチルヒドロキシルアミン、N,O−ジエチルヒドロキシルアミン、O,N,N−トリメチルヒドロキシルアミン、N−アリルヒドロキシルアミン、N−フェニルヒドキシルアミン、O−シクロヘキシル−N,N−ジメチルヒドロキシルアミン、ヒドロキシルアミン−O−スルホン酸等が挙げられる。
無電解ニッケルめっき液中におけるヒドロキシルアミン系安定剤の濃度は、1〜1000mg/Lであることが好ましく、50〜600mg/Lであることが更に好ましい。ヒドロキシルアミン系安定剤の濃度が上記範囲内であれば、めっき液の安定性をより向上させることができる。上記ヒドロキシルアミン系安定剤の中でも、長期連続使用において安定剤の蓄積による皮膜特性やめっき反応性の低下を防止する観点から、硫酸ヒドロキシルアミン、O−メチルヒドロキシルアミン、N,N−ジエチルヒドロキシルアミン、N−メチルヒドロキシルアミンを用いることが好ましく、これらの中でも、得られるめっき皮膜が光沢に優れることから、O−メチルヒドロキシルアミン、N,N−ジエチルヒドロキシルアミン、N−メチルヒドロキシルアミンが特に好ましい。
さらに、本発明の効果を損なわない範囲で、上記ヒドロキシルアミン系安定剤の他に、Pb、Bi、Tl、In、Sn等の公知の重金属系安定剤を微量、例えばPbであれば0.1〜5mg/L、Bi、Tl、InおよびSnであればそれぞれ0.01〜20mg/L添加してもよい。本発明の無電解ニッケルめっき液では、安定剤として重金属系安定剤のみが添加された従来の無電解ニッケルめっき液と比較して、半分以下の重金属系安定剤添加量で同等以上の安定性が得られる。そのため、本発明の無電解ニッケルめっき液は、皮膜中への重金属の共析量も著しく低減することができるという利点も有する。また、本発明の効果を損なわない範囲で、上記ヒドロキシルアミン系安定剤の他に、プロパルギルアルコール、チオエーテル化合物、チオシアン化合物、チオン酸、チオン酸塩等の公知の有機系安定剤を併用してもよく、この場合の添加量は1〜100mg/L程度が好ましい。
本発明の無電解ニッケルめっき液には、本発明の効果を損なわない範囲で、反応促進剤、光沢剤、界面活性剤、機能付与剤等の公知の添加剤を必要に応じて添加してもよい。反応促進剤としては、アクリルアミドアルキルスルホン酸、メソイオン化合物、スルホベタイン化合物等が挙げられ、無電解ニッケルめっき液中の濃度は、通常、0.01〜1g/Lである。光沢剤としては、ポリエチレングリコール等が挙げられ、無電解ニッケルめっき液中の濃度は、通常、0.01〜1g/Lである。界面活性剤としては、アニオン界面活性剤等が挙げられ、無電解ニッケルめっき液中の濃度は、通常、例えばポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩として10〜30mg/Lである。機能付与剤としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、フッ素樹脂、フッ化化合物、ナイロン、ポリエチレン、二硫化モリブデン、窒化ケイ素、炭化ケイ素、酸化チタン、ダイヤモンド、カーボンナノチューブ等が挙げられ、無電解ニッケルめっき液中の濃度は、例えばPTFE粒子として1〜30g/L、炭化ケイ素粒子として1〜10g/Lである。
本発明の無電解ニッケルめっき液のpHとしては、通常4以上、好ましくは4.5以上、上限として通常10以下、好ましくは7以下である。無電解ニッケルめっき液のpHが4未満であると、めっき反応が起こらない場合があり、一方、10を超えると、安定性が低下する場合がある。このようにめっき液のpHを調整するためにpH調整剤を適宜使用してもよい。このようなpH調整剤としては、酸として、例えば、硫酸、リン酸、塩酸等が挙げられ、アルカリとして、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、アンモニア水等が挙げられる。
本発明の無電解ニッケルめっき液を用いてニッケルめっきを行う場合、上述した無電解ニッケルめっき液浴に被めっき物を浸漬するという常法を採用すればよい。より具体的には、好ましくは浴温50〜98℃、更に好ましくは60〜95℃において、必要に応じてめっき液を撹拌したり、被めっき物を揺動することにより、被めっき物の表面に均一にニッケルめっき皮膜を形成することができる。この場合、めっき液の撹拌または被めっき物の揺動方法としては、公知の撹拌、揺動方法を採用することができる。また、めっき皮膜の析出速度は特に限定されるものではないが、通常、5〜25μm/hr程度である。
さらに、長期連続使用においては、めっきの進行に伴ってめっき液中の金属イオン濃度、還元剤濃度が低下するので、連続的にまたは適当な時間ごとに、水溶性ニッケル塩、還元剤、錯化剤、ヒドロキシルアミン系安定剤、pH調整剤等をニッケルめっき液浴に補給することが好ましい。
ここでの被めっき物に制限はなく、無電解ニッケルめっき可能なものであればいずれの材質でも使用することができ、例えば、金属、表面が導電化されたプラスチックやセラミック等が挙げられる。また、ニッケルめっき皮膜の膜厚は、めっき製品の使用目的等により適宜選定されるが、通常、2〜25μm程度である。
以下、実施例および比較例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
(実施例1)
下記液組成の無電解Ni−Pめっき液を調製し、浴温90℃、めっき時間30分および浴比26(めっき液量[mL])/被めっき物の表面積[cm])というめっき条件で圧延鋼板にNi−Pめっきを施した。
<液組成>
硫酸ニッケル 24g/L
次亜リン酸ナトリウム 25g/L
乳酸 20g/L
コハク酸 18g/L
安定剤 下記表1を参照
pH 4.8
得られたNi−Pめっき皮膜およびめっき液について、下記の項目について評価した。結果を表1に示した。
<めっき皮膜の析出速度>
圧延鋼板上に形成されためっき皮膜の厚さを蛍光X線膜厚計で測定し、測定されためっき皮膜の厚さをめっき時間で除してめっき皮膜の析出速度を求めた。
<密着力>
L字型に曲げられた圧延鋼板にめっきを施した後、L字型部分を180°逆側に曲げ、めっき皮膜の状態を下記判定基準に基づいて評価した。
○:はがれなし
△:一部はがれあり
×:全面はがれあり
<外観>
めっきが施された圧延鋼板の表面を目視にて観察し、下記判定基準に基づいて評価した。
◎:極めて光沢のある皮膜
○:光沢のある皮膜
△:ピット発生し白っぽい皮膜
×:白い光沢のない皮膜
<めっき浴安定性>
めっき終了後、浴温を維持したままのめっき浴に水酸化ナトリウム水溶液(水酸化ナトリウム濃度400g/L)を0.5mL添加し、めっき浴の状態を目視にて観察し、下記判定基準に基づいて評価した。なお、水酸化ナトリウム水溶液を添加したときに析出物が発生し難いめっき浴ほど、安定性が高く寿命が長いこと示す。
◎:分解なし。3時間経過後も変化なし
○:分解なし。1時間経過後に析出物が観察された
△:添加してすぐに析出物が発生した
×:添加してすぐに析出物が発生するとともに、めっき浴から泡が発生し自己分解した
<皮膜中のPb共析量>
ステンレス鋼板(SUS304)に施しためっき皮膜を硝酸で溶解させ、原子吸光光度計を用いてめっき皮膜中のPb共析量を測定した。
Figure 2007314876
(比較例1)
下記表2に示すように安定剤の種類および添加量を変える以外は実施例1と同様にして、圧延鋼板にNi−Pめっきを施した。結果を表2に示した。
Figure 2007314876
表1および2から明らかなように、ヒドロキシルアミン系安定剤を添加しためっき浴は、実用上十分なめっき速度が得られ、安定性が高く、めっき皮膜の密着力および外観も良好であった。特に、硫酸ヒドロキシルアミンと微量の重金属系安定剤(PbやBi)とを添加しためっき浴は安定性が優れており、また、O−メチルヒドロキシルアミン、N,N−ジエチルヒドロキシルアミンまたはN−メチルヒドロキシルアミンを添加しためっき浴では極めて光沢のあるめっき皮膜が得られた。一方、安定剤を添加しないめっき浴は、めっき中に分解が起こり圧延鋼板にNi−Pめっきを施すことができなかった。Pbのみを添加しためっき浴は安定性が不十分であり、めっき皮膜中へのPb共析量が多かった。また、プロパルギルアルコールのみを添加しためっき浴は、得られためっき皮膜の外観が著しく悪かった。
(実施例2)
下記液組成の無電解Ni−Bめっき液を調製し、浴温65℃、めっき時間30分および浴比26(めっき液量[mL])/被めっき物の表面積[cm])というめっき条件で圧延鋼板にNi−Bめっきを施した。実施例1と同様に、得られたNi−Bめっき皮膜およびめっき液の評価を行った。結果を表3に示した。
<液組成>
硫酸ニッケル 30g/L
ジメチルアミノホウ素 2.5g/L
乳酸 20g/L
コハク酸 15g/L
硫黄化合物 適宜
界面活性剤 適宜
安定剤 下記表3を参照
pH 7
Figure 2007314876
(比較例2)
下記表4に示すように安定剤の種類および添加量を変える以外は実施例2と同様にして、圧延鋼板にNi−Bめっきを施した。結果を表4に示した。
Figure 2007314876
表3および4から明らかなように、ヒドロキシルアミン系安定剤を添加しためっき浴は、実用上十分なめっき速度が得られ、安定性が高く、めっき皮膜の密着力および外観も良好であった。特に、硫酸ヒドロキシルアミンと微量の重金属系安定剤(Bi、Tl、Pb)とを添加しためっき浴は安定性が優れており、また、O−メチルヒドロキシルアミンを添加しためっき浴では極めて光沢のあるめっき皮膜が得られた。さらに、めっき浴No.21とNo.25との比較から明らかなように、ヒドロキシルアミン系安定剤を添加することで皮膜中へのPb共析量が半分以下に低減されている。一方、安定剤を添加しないめっき浴およびBiのみを添加しためっき浴は、めっき中に分解が起こり圧延鋼板にNi−Bめっきを施すことができなかった。また、Pbのみを添加しためっき浴は、安定性が不十分であり、めっき皮膜中へのPb共析量が多かった。
(実施例3)
下記液組成の無電解Ni−P−Bめっき液を調製し、浴温82℃、めっき時間30分および浴比26(めっき液量[mL])/被めっき物の表面積[cm])というめっき条件で圧延鋼板にNi−P−Bめっきを施した。実施例1と同様に、得られたNi−P−Bめっき皮膜およびめっき液の評価を行った。結果を表5に示した。
<液組成>
硫酸ニッケル 30g/L
次亜リン酸ナトリウム 25g/L
ジメチルアミノホウ素 1g/L
プロピオン酸 25g/L
クエン酸 15g/L
硫黄化合物 適宜
界面活性剤 適宜
安定剤 下記表5を参照
pH 6.4
Figure 2007314876
(比較例3)
下記表6に示すように安定剤の種類および添加量を変える以外は実施例3と同様にして、圧延鋼板にNi−P−Bめっきを施した。結果を表6に示した。
Figure 2007314876
表5および6から明らかなように、ヒドロキシルアミン系安定剤を添加しためっき浴は、実用上十分なめっき速度が得られ、安定性が高く、めっき皮膜の密着力および外観も良好であった。特に、硫酸ヒドロキシルアミンと微量の重金属系安定剤(In、Pb、Tl、Sn)とを添加しためっき浴は安定性が優れており、また、O−メチルヒドロキシルアミンを添加しためっき浴では極めて光沢のあるめっき皮膜が得られた。一方、安定剤を添加しないめっき浴およびBiのみを添加しためっき浴は、めっき中に分解が起こり圧延鋼板にNi−P−Bめっきを施すことができなかった。また、Pbのみを添加しためっき浴は、安定性が不十分であり、めっき皮膜中へのPb共析量が多かった。

Claims (3)

  1. 水溶性ニッケル塩と、還元剤と、錯化剤とを含む無電解ニッケルめっき液であって、ヒドロキシルアミン誘導体およびその塩からなる群から選択されるヒドロキシルアミン系安定剤を更に含むことを特徴とする無電解ニッケルめっき液。
  2. 前記ヒドロキシルアミン系安定剤は、1〜1000mg/L含まれることを特徴とする請求項1に記載の無電解ニッケルめっき液。
  3. 前記ヒドロキシルアミン系安定剤は、下記一般式(1)で表される化合物およびその塩からなる群から選択されることを特徴とする請求項1または2に記載の無電解ニッケルめっき液。
    Figure 2007314876
    (式中、R1およびR2は、水素または炭素数1〜3のアルキル基、炭素数2〜4のアルケニル基、炭素数2〜4のアルキニル基、シクロアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシルアルキル基、置換基を有してもよいフェニル基、置換基を有してもよいアラルキル基、ハロゲン化アルキル基であり、R3は、水素、スルホン酸基または炭素数1〜3のアルキル基、炭素数2〜4のアルケニル基、炭素数2〜4のアルキニル基、シクロアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシルアルキル基、置換基を有してもよいフェニル基、置換基を有してもよいアラルキル基、ハロゲン化アルキル基である。)
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