JPH05331654A - 高硬度無電解ニッケル−ホウ素メッキ液及びそれを使用するメッキ方法 - Google Patents
高硬度無電解ニッケル−ホウ素メッキ液及びそれを使用するメッキ方法Info
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- JPH05331654A JPH05331654A JP13696992A JP13696992A JPH05331654A JP H05331654 A JPH05331654 A JP H05331654A JP 13696992 A JP13696992 A JP 13696992A JP 13696992 A JP13696992 A JP 13696992A JP H05331654 A JPH05331654 A JP H05331654A
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Abstract
できる無電解ニッケル−ホウ素メッキ液及び無電解ニッ
ケル−ホウ素メッキ方法を提供する。 【構成】 ニッケルイオン、ホウ素系還元剤、ホウ酸イ
オンおよびアンモニウムイオンを含む無電解ニッケル−
ホウ素メッキ液。
Description
素メッキ液(以下、無電解Ni−Bメッキ液という)お
よびそれを使用する方法に関し、特に、被メッキ物に熱
処理を行なわずに表面高度の高い被膜を形成させるのに
使用する無電解Ni−Bメッキ液およびそれを使用する
メッキ方法に関する。
Ni−Bメッキや炭化ホウ素、ダイヤモンド微粒子を複
合した複合メッキ、無電解ニッケル−リンメッキ(以
下、無電解Ni−Pメッキという)が知られている。中
でも無電解Ni−Pメッキの熱処理法が一般的に用いら
れている。一方、このうち無電解Ni−Bメッキは、無
電解ニッケル−リンメッキに比較してはんだ付性が良好
であることから電子部品への表面処理に利用されてお
り、更に、被膜硬度がNi−Pメッキより高いことから
摺動部の耐摩耗性を向上させるのに利用されている。と
ころで、かかる無電解Ni−Bメッキで得られる硬度
は、700〜800Hv程度であるが、これを更に高硬
度(900〜1000Hv)にするには、300℃以上
の加熱処理が必要となる。しかしながら、アルミニウム
合金のように耐熱性の低い素材は、高温でのNi−Bメ
ッキで変形を起こし、また、変形等が起こらない素材で
あっても精密な寸法精度を必要とする場合には高温に曝
すことができない。
のような高温処理をすることなく高硬度を得ることがで
きる無電解Ni−Bメッキ液及び無電解Ni−Bメッキ
方法を提供することにある。
−Bメッキ液にホウ酸イオンおよびアンモニウムイオン
を存在させることにより達成できることが明らかになっ
た。即ち、本発明は、ニッケルイオン、ホウ素系還元
剤、ホウ酸イオンおよびアンモニウムイオンを含む無電
解ニッケル−ホウ素メッキ液の発明である。本発明にお
いては、更にアミンを添加することにより被膜に平滑さ
を与え外観を良好にすることができる。
キ液について詳しく説明する。本発明のメッキ液中にお
けるホウ酸イオンの濃度は、0.01〜0.1モル/L、好
ましくは、0.02〜0.05モル/Lであり、ホウ酸イオ
ンは、例えば、ホウ酸アンモニウム、ホウ酸ナトリウ
ム、ホウ酸カリウム、ホウ酸ニッケル等のホウ酸塩また
はフリーのホウ酸を添加することによって存在させるこ
とができる。また、本発明のメッキ液中におけるアンモ
ニウムイオンの濃度は、0.01〜0.5モル/L、好まし
くは、0.01〜0.2モル/Lであり、ホウ酸アンモニウ
ムや種々のアンモニウム塩及びフリーのアンモニアを添
加することによって存在させることができる。特に、ホ
ウ酸アンモニウムが、ホウ酸イオンとアンモニウムイオ
ン以外のイオンを伴わない点で好ましい。ホウ酸アンモ
ニウムには、メタホウ酸アンモニウム、四ホウ酸アンモ
ニウム、五ホウ酸アンモニウム、八ホウ酸アンモニウム
等があるが、特に五ホウ酸アンモニウムが好ましく、そ
の添加量は、5〜50g/L、好ましくは10〜30g
/Lである。これらホウ酸塩は、溶解度が低いため50
g/Lを越えると常温で晶析するようになるからであ
る。これらホウ酸イオンおよびアンモニウムイオンを添
加することにより、メッキ速度を上昇させ被膜硬度を上
昇させる効果がある。また、メッキ液の緩衝性が高くな
り、メッキの進行とともにpHが変動するのを防ぐ。
ウ素系還元剤とはホウ素を含有する還元剤をいい、例え
ば、水素化ホウ素ナトリウム等の水素化ホウ素アルカリ
金属塩;ジメチルアミンボラン(DMAB)、トリメチ
ルアミンボラン等の可溶性ボラン化合物;ジエチルアミ
ンボラン、イソプロピルアミンボラン等の溶媒併用可溶
性ボラン化合物等が挙げられる。特に、可溶性ボラン化
合物が好ましく、中でもジメチルアミンボランが好まし
い。かかるホウ素系還元剤の添加量は、0.008〜0.2
モル/L、好ましくは、0.01〜0.07モル/Lであ
る。0.008モル/L未満では被膜に含有されるホウ素
量が低下して被膜硬度が900以下に低下するし、0.2
モル/L以上では析出速度が速く、メッキのコントロー
ルが難しくなるからである。本発明のメッキ液のニッケ
ルイオン供給源としては、硫酸ニッケル、塩化ニッケ
ル、酢酸ニッケル、スルファミン酸ニッケル等の可溶性
ニッケル塩が挙げられる。かかる可溶性ニッケル塩のメ
ッキ液中での濃度は、0. 02〜0. 2モル/L、好ま
しくは、0. 05〜0. 1モル/Lである。
アミンとしては、ヒドロキシルアミン、ジエチルヒドロ
キシアミン等のヒドロキシルアミン類;メチルアミン、
エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン等の低級
アルキルアミン;モノエタノールアミン、ジエタノール
アミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノール
アミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノ
ールアミン等のアルカノールアミン;N‐メチルエタノ
ールアミン、N,N-ジメチルエタノールアミン、N‐エチ
ルエタノールアミン、N,N-ジエチルエタノールアミン、
N‐イソプロピルエタノールアミン、N,N-ジイソプロピ
ルエタノールアミン等のN‐アルキル化またはN,N-ジア
ルキル化エタノールアミンを挙げることができ、特にア
ルカノールアミンが好ましく、なかでもトリエタノール
アミンが好ましい。これらアミンの添加量は0.003〜
0.7モル/L、好ましくは、0.006〜0.5モル/Lで
ある。アミンの添加量が0.7モル/L以上になるとメッ
キ速度を大幅に低下する。アミンの添加はメッキ被膜に
平滑さを与え外観を良好にする効果がある。
または有機系安定剤を添加することができる。金属安定
剤の具体例としては、鉛イオン、カドミウムイオン、ビ
スマスイオン、アンチモンイオン、タリウムイオン、水
銀イオン、ひ素イオン、モリブデン酸イオン、タングス
テン酸イオン、バナジン酸イオン、ハロゲン酸イオン、
チオシアン酸イオン、亜テルル酸イオン等が挙げられ
る。これら金属安定剤の中で、特に好ましいのは、鉛イ
オン、亜鉛イオン、モリブデン酸イオンである。これら
の金属安定剤の添加上限濃度は、析出速度を阻害しない
程度であり、具体的には、鉛イオン1〜4mg/L、亜
鉛イオン2〜100mg/L、モリブデン酸イオン10
〜150mg/Lの濃度で用いる。かかる金属安定剤
は、例えば、硝酸塩、アンモニウム塩、アルカリ金属塩
の如き塩として添加することができる。一方、有機系安
定剤としては、アセチレンアルコール類が使用可能であ
り、具体的には、ブチンジオールを挙げることができ、
通常、0.002〜0.06モル/Lの濃度で用いられる。
ッキ液を使用するメッキ方法の発明である。以下、この
方法について説明する。本発明のメッキ方法の浴温は5
0〜90℃、好ましくは60〜65℃である。浴温が高
いと析出速度は増加するが浴安定性が低下する。pH
は、5.0〜9.0、好ましくは、6.0〜7.0まで変えて使
用できる。pHが5.0未満では還元剤の安定性が悪くな
りメッキ液が分解し、9.0以上ではNi−Bの析出速度
が速くなりコントロールすることが難しくなるからであ
る。pHを高くする場合は、アンモニアまたはNaO
H、KOH等の水酸化アルカリが使用でき、低くする場
合は、硫酸、塩酸等の酸を使用することができる。浴温
とpHは、浴安定性と析出速度の関係を考慮して決定す
る。
り前処理したあとにメッキされる。被メッキ物の浸漬時
間は、得ようとする膜厚に応じて適宜決定することがで
きるが、一般に、数分〜数時間である。また、膜厚は、
広い範囲のものが可能であるが、一般に、5〜200μ
m、好ましくは、10〜50μmである。被メッキ物の
材質は、金属でも樹脂、セラミックス、ガラスでも構わ
ない。金属材質の例としては、アルミニウム、アルミニ
ウム−合金(ADC12等)、銅、銅合金(しんちゅ
う、ベリリウム銅等)、鉄、ステンレス、ニッケル、コ
バルト、チタン、マグネシウム、マグネシウム合金を挙
げることができる。また、樹脂材質の例としては、AB
S、ポリイミド、アクリレート、ナイロン、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン等のプラスチックを挙げることがで
きる。半導体を被メッキ物とするときは、通常の無電解
メッキと同様に、塩化スズ、塩化パラジウム溶液を用い
て感受化、活性化を行うことが必要である。
ミニウム合金等の素材や、銅または銅合金素材の場合
は、メッキの前工程として無電解NiーPメッキを実施
した後、無電解Ni−B合金メッキを行なうのが望まし
い。その理由はメッキ液への亜鉛、銅の混入を防止でき
るからである。またアルミニウム合金の場合は密着性の
向上にも良い。さらに本発明のメッキ液は、浴成分を適
当な補給剤により一定に保つことにより、液更新するこ
となく長期に使用することができる。次に実施例により
本発明を更に詳細に説明する。
0mm)を使用し、市販の脱脂および電解洗浄剤〔脱脂
−39およびNC−20:ディップソール(株)製〕で
脱脂、電解洗浄後3.5%塩酸で活性化した。ついで、水
洗後、表−1に示す組成のメッキ液に浸漬し、浴温63
℃で無電解Ni−B合金メッキを行なった。その結果、
すべての組成およびメッキ条件にて平滑で光沢のあるメ
ッキ被膜が得られた。これらの結果を表−2に示した。比較例8〜9 表−1に示す組成のメッキ液を使用して、実施例1〜7
と同様に行った。これらの結果を表−2に示した。
物性が良好な無電解Ni−Bメッキ被膜を高温処理なし
で得ることができる。したがって、耐熱性ではない素材
や寸法精度を必要とするものの耐摩耗性向上に広く利用
できる。
Claims (6)
- 【請求項1】 ニッケルイオン、ホウ素系還元剤、ホウ
酸イオンおよびアンモニウムイオンを含む無電解ニッケ
ル−ホウ素メッキ液。 - 【請求項2】 更に、アミンを含む請求項1記載のメッ
キ液。 - 【請求項3】 アミンがアルカノールアミンである請求
項2記載のメッキ液。 - 【請求項4】 ニッケルイオンの還元剤が可溶性ボラン
化合物である請求項1〜3のいずれか1項に記載のメッ
キ液。 - 【請求項5】 可溶性ボラン化合物がジメチルアミンボ
ランである請求項1〜4のいずれか1項に記載のメッキ
液。 - 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか1項に記載のメ
ッキ液に、被メッキ物を浸漬することを特徴とする無電
解メッキ方法。
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---|---|---|---|
JP13696992A JP3146065B2 (ja) | 1992-05-28 | 1992-05-28 | 高硬度無電解ニッケル−ホウ素メッキ液及びそれを使用するメッキ方法 |
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---|---|---|---|---|
JP2000239852A (ja) * | 1999-02-22 | 2000-09-05 | Hideo Honma | 銅パターンの選択的活性化方法およびこれに用いる活性化剤 |
JP2006257460A (ja) * | 2005-03-15 | 2006-09-28 | Ebara Udylite Kk | 無電解ニッケル複合めっき浴および無電解ニッケル合金複合めっき浴 |
JP2007314876A (ja) * | 2006-04-28 | 2007-12-06 | Nippon Kanizen Kk | 無電解ニッケルめっき液 |
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