JP2005290400A - 無電解ニッケルめっき浴及び無電解ニッケル合金めっき浴 - Google Patents

無電解ニッケルめっき浴及び無電解ニッケル合金めっき浴 Download PDF

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裕泰 鈴木
Yuka Mochizuki
夕佳 望月
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Abstract

【課題】 有害物質である鉛等を実質的に含有させずに、めっき被膜の良好な生成とめっき浴の良好な連続使用を達成できる無電解ニッケル(合金)めっき浴を提供すること。
【解決手段】 水溶性ニッケル塩、還元剤、モリブデン及びビスマスを含有する無電解ニッケルめっき浴及びこれに更に合金化金属塩を含有する無電解ニッケル合金めっき浴。
【選択図】 なし

Description

本発明は、環境負荷の小さい無電解ニッケルめっき浴及び無電解ニッケル合金めっき浴(以下、「無電解ニッケル(合金)めっき浴」と略記する)に関するものであり、更に詳細には、水銀、砒素、カドミウム、鉛等の環境負荷の大きい元素を含まず、浴安定性やめっき析出速度の優れた無電解ニッケルめっき浴及び無電解ニッケル合金めっき浴に関するものである。
無電解めっきとは、金属イオンと還元剤が存在する溶液から、化学反応により金属イオンを還元して金属被膜を得る技術である。そしてその中でも、無電解ニッケルめっきあるいは無電解ニッケル合金めっき(以下、これらを総称して「無電解ニッケル(合金)めっき」という)は、防錆、装飾、硬さ向上のほかに、はんだ付け性向上、はんだ濡れ性向上等の効果があり、抵抗体、磁気ディスク、電磁波シールド、更にはプリント基板やITO基板に金めっきする際の下地めっき等に工業的に広範囲に使用されている。また、ポリテトラフルオロエチレン等の微粒子を金属被膜に均一に分散させた複合めっき被膜を得る為の金属マトリックスとしても使用されている。
従来より、無電解ニッケル(合金)めっき液には、めっき浴の安定性維持のために、安定剤として水銀、砒素、カドミウム、鉛等の環境負荷の著しく大きい元素の水溶性の塩若しくはイオンが添加されてきた。これら安定剤の存在により、ニッケルイオンの金属への還元反応に必要な温度におけるニッケルイオンの無作為な還元反応、すなわち一般には自己分解と称される反応が抑制され、ニッケル(合金)めっき被膜の良好な生成とめっき浴の良好な連続使用が可能だった。
しかしながら、これら安定剤も無電解ニッケル(合金)めっき浴中にイオンとして存在するために、還元反応により無電解ニッケルめっき浴からニッケル(合金)めっき被膜が生成される際に、これら安定剤イオンも同時に金属に還元されて、ニッケル(合金)被膜中に取り込まれたり、ニッケル(合金)被膜中に共析することが以前から知られていた。
一方、めっき被膜中に存在する水銀、ヒ素、カドミウム、鉛等の元素が、環境や人体へ影響する可能性が以前から指摘されていたが、更に近年、環境意識の高まりと共に、欧州における有害物質使用制限指令(RoHS)、使用済み自動車指令(ELV)、日本における、国等による環境物品等の調達に関する法律(グリーン購入法)等の法整備がなされ、日本のメーカーではグリーン調達ガイドラインにより、自主的に有害物質の使用禁止が実施されている。これら有害物質の中には、無電解めっき浴で従来から安定剤として使用されてきた、水銀、ヒ素、カドミウム、鉛等の安定剤元素も含まれている。
これら安定剤元素の中でも、水銀、ヒ素及びカドミウムは、特に有害性や環境影響が著しい為、早い時期から使用されることが少なり、無電解ニッケル(合金)めっき浴の安定剤としては、鉛を使用することが一般的となっていた。しかしながら、鉛も人体や環境への影響が確認されている物質であり、鉛に代わる安定剤元素が望まれていた。
現在まで、代替となる安定剤元素として、テルル、タリウム等が公表されてはいるが(非特許文献1及び非特許文献2)、それら単体ではめっき浴の安定性やめっき被膜外観等で、何れも鉛等には及ばなかった。
また、これら無電解ニッケルめっき浴に、鉄、銅、スズ、コバルト、タングステン、レニウム、マンガン、パラジウム、バナジウム、亜鉛、クロム、金、銀、白金等の金属化合物を添加し、無電解ニッケル合金めっき浴とすることが知られている。しかし、これら金属はニッケルの合金化が目的であって、無電解ニッケル被膜の硬さや耐磨耗性等の物性を向上させるものであって、安定剤としては効果が少ないものであった。
茨城県工業技術センター研究報告 第21号 P.76〜77 (1993) 表面技術協会 第88回講演大会要旨集 P.185〜186 (1993)
本発明はかかる技術背景に鑑みてなされたものであり、その課題は、有害物質である鉛等を実質的に含有させずに、めっき被膜の良好な生成とめっき浴の良好な連続使用を達成できる無電解ニッケル(合金)めっき浴を提供することにある。
本発明者らは上記の課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、特定の元素を無電解めっき浴に添加することで、かかる課題を解決できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち本発明は、水溶性ニッケル塩、還元剤、モリブデン及びビスマスを含有する無電解ニッケルめっき浴を提供するものである。
また本発明は、水溶性ニッケル塩、合金化金属塩、還元剤、モリブデン及びビスマスを含有する無電解ニッケルめっき浴を提供するものである。
本発明によれば、有害物質である鉛等を実質的に含有させなくても、めっき被膜外観、めっき析出速度、めっき浴安定性に優れた無電解ニッケル(合金)めっき浴を提供することができる。また、本発明の無電解ニッケル(合金)めっき浴は、めっき浴の連続使用時においても、上記性能が低下しにくいので、めっき浴の更新が少なくてすみ、作業効率の向上を図ることができるものである。
本発明は、少なくとも水溶性ニッケル塩、還元剤、モリブデン及びビスマスを含有する無電解ニッケルめっき浴及びこの無電解ニッケルめっき浴に更に合金化金属塩を加えた無電解ニッケル合金めっき浴である。
本発明の無電解ニッケル(合金)めっき浴における水溶性ニッケル塩は、特に限定はなく、一般に使用される水溶性ニッケル塩、例えば、硫酸ニッケル、塩化ニッケル、酢酸ニッケル、硝酸ニッケル、次亜リン酸ニッケル等としてめっき浴中に配合される。これらは一種を単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
これら水溶性ニッケル塩の無電解ニッケル(合金)めっき浴中の配合量は、特に限定されるものではないが、ニッケルイオンの濃度として、0.1g/L〜100g/Lであることが好ましく、1g/L〜50g/Lであることが特に好ましい。0.1g/L未満だと未反応の場合があり、100g/Lより多い場合は、過反応による分解が起こる場合がある。
また、本発明の無電解ニッケル(合金)めっき浴で使用できる還元剤も、特に限定されるものではないが、好ましい例としては、次亜リン酸、次亜リン酸ナトリウム、次亜リン酸カリウム等の次亜リン酸(塩)類;ジメチルアミンボラン、トリメチルアミンボラン等のアミンボラン類;ヒドラジン等のヒドラジン(塩)類;水素化ホウ素ナトリウム等が挙げられる。これらは一種を単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
この還元剤の、無電解ニッケル(合金)めっき浴中での濃度は、使用する還元剤の種類や必要とする析出速度により相違するが、めっき浴全体に対し、1g/L〜100g/Lが好ましく、2g/L〜50g/Lが特に好ましい。1g/L未満だと未反応の場合があり、100g/Lより多い場合は、過反応による分解が起こる場合がある。
本発明の無電解ニッケル(合金)めっき浴の特徴は、その組成中に、モリブデンとビスマスの両方を含有する点である。
モリブデンの無電解ニッケル(合金)めっき浴中での形態には特に限定はないが、モリブデン酸イオン又はモリブデンイオンの形態をとることが好ましい。このモリブデンは、例えば、モリブデン酸ナトリウム、モリブデン酸カリウム、モリブデン酸アンモン、モリブデン酸ビスマス等のモリブデン酸塩;それらモリブデン酸塩の水和物;モリブデン酸等の形で無電解ニッケル(合金)めっき浴中に添加することができ、これらは一種を単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
上記モリブデンのめっき浴全体に対する含有量は特に限定はないが、モリブデン金属に換算して、0.1mg/L〜1g/Lであることが好ましく、10mg/L〜500mg/Lであることが特に好ましい。また、20mg/L〜200mg/Lであることが更に好ましい。0.1mg/L未満だと自己分解する場合があり、1g/Lより多い場合は、めっき外観不良や反応停止が起こる場合がある。
一方、ビスマスのめっき浴中での形態にも特に限定はないが、ビスマスイオン又はビスマス酸イオンの形態をとることが好ましい。このビスマスは、例えば、酸化ビスマス、塩化ビスマス、臭化ビスマス、硝酸ビスマス、シュウ酸ビスマス、モリブデン酸ビスマス、ビスマス酸ナトリウム、ビスマス酸カリウム等の形で、又はそれらの水和物の形で無電解ニッケル(合金)めっき浴中に添加することができ、これらは一種を単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
ビスマスのめっき浴全体に対する含有量は特に限定はないが、ビスマス金属に換算して、0.01mg/L〜1g/Lであることが好ましく、0.05mg/L〜100mg/Lであることが特に好ましい。また、0.1mg/L〜50mg/Lであることが更に好ましい。0.01mg/L未満だと自己分解する場合があり、1g/Lより多い場合は、めっき外観不良や反応停止を起こす場合がある。
更に、モリブデンとビスマスの配合比率は特に限定はないが、モリブデン100重量部に対して、ビスマス0.01〜10重量部が好ましい。特に好ましくは0.05〜5重量部である。0.01重量部未満だと自己分解する場合があり、10重量部より多い場合は、めっき外観不良や反応停止を起こす場合がある。また、モリブデンとビスマスの合計の、めっき浴全体に対する含有量は特に限定はないが、5mg/L〜1g/Lであることが好ましく、10mg/L〜200mg/Lであることが特に好ましい。
本発明の無電解ニッケル(合金)めっき浴が、無電解ニッケル合金めっき浴である場合は、更に、合金化金属塩を含有させることが必要である。この合金化金属塩は、めっき被膜の硬さ、磁性、延展性、電気抵抗、靭性等の物性を改善させるために添加されるものであり、特に限定されるものではないが、好ましい合金化金属としては、鉄、銅、スズ、コバルト、タングステン、レニウム、マンガン、パラジウム、バナジウム、亜鉛、クロム、金、銀、白金等が挙げられる。これら合金化金属塩は、一種を単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
上記合金化金属塩の無電解ニッケル合金めっき浴全体に対する含有量は、水溶性合金化金属塩として、0.1g/L〜100g/Lであることが好ましく、1g/L〜50g/Lであることが特に好ましい。
本発明の無電解ニッケル(合金)めっき浴には、上記各必須成分の他、必要により、種々の成分を配合することができる。このうち、錯化剤として、種々の無機酸及び有機酸が好ましく使用される。具体的には、これに限定されるものではないが、ホウ酸、ホウ砂等のホウ素化合物;酢酸、プロピオン酸、リンゴ酸、乳酸、コハク酸、マロン酸、アジピン酸、クエン酸、グルコン酸、グリコール酸等のモノカルボン酸化合物、ジカルボン酸化合物又はヒドロキシカルボン酸化合物;グリシン等のアミノ酸類等が挙げられる。これらは一種を単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
前記錯化剤の含有量は、本発明の効果を損なわない範囲であれば特に限定はないが、無電解ニッケル(合金)めっき浴全体に対して、1g/L〜100g/Lが好ましく、10g/L〜40g/Lが特に好ましい。1g/L未満だと、自己分解をしたり、次亜リン酸塩を還元剤として用いた場合には亜リン酸ニッケルが析出する場合がある。また、100g/Lより多い場合は、未反応や充分な反応速度が得られない場合がある。
本発明の無電解ニッケル(合金)めっき浴には、更に、反応促進剤を含有させることができる。この反応促進剤としては、特に限定されるものではないが、有機硫黄化合物又は無機硫黄化合物が好ましく使用される。具体的には、チオ硫酸塩、チオン酸塩、ポリチオン酸塩、チオ尿素、チオシアン酸塩、チオスルホン酸塩、チオ炭酸塩、チオカルバミン酸塩、チオセミカルバジド、スルフィド、ジスルフィド、チオール、メルカプタン等又はこれらの誘導体等が挙げられ、これらは一種を単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
前記反応促進剤の含有量は、本発明の効果を損なわない範囲であれば特に限定はないが、無電解ニッケル(合金)めっき浴全体に対して、0.001mg/L〜1000mg/Lが好ましく、0.01mg/L〜100mg/Lが特に好ましい。0.001mg/L未満だと反応促進効果が得られない場合があり、1000mg/Lより多い場合は、めっき外観不良や反応停止する場合がある。
本発明の無電解ニッケル(合金)めっき浴には、更に、被膜物性改善剤を含有させることができる。被膜物性改善剤としては特に限定はないが、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、フッ化ピッチ等のフッ素樹脂若しくはフッ化化合物;ナイロン、ポリエチレン等の有機ポリマー;黒鉛、フッ化黒鉛、二硫化モリブデン、窒化ホウ素、炭化ケイ素、酸化チタン、ダイヤモンド等の無機物;カーボンナノチューブ等、一般に無電解複合めっき浴に用いられる水不溶性の微粒子や短繊維を、一種単独又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
被膜物性改善剤の含有量は、本発明の効果を損なわない範囲であれば特に限定はないが、無電解ニッケル(合金)めっき浴全体に対して、0〜500g/Lが好ましく、1g/L〜10g/Lが特に好ましい。500g/Lより多い場合は、めっき被膜の良好な析出が得られず、また被膜物性改善剤の被膜中での均一な分散が得られない場合がある。
本発明の無電解ニッケル(合金)めっき浴には、水銀、ヒ素、カドミウム又は鉛を実質的に含有しないが、本発明は、環境や人体にほとんど影響を及ぼす可能性がなく、規制、ガイドライン等の対象とならない程度の極微量のそれら金属の含有を排除するものではない。
以上のようにして得られる本発明の無電解ニッケル(合金)めっき浴の使用方法は、通常の無電解めっき浴の使用方法と同様であれば良く、特に限定はされないが、好ましい使用方法としては、以下のような条件の使用が挙げられる。
すなわち、本発明の無電解ニッケル(合金)めっき浴を建浴し、この中に脱脂、水洗、活性化等を行った被めっき物を浸漬すればよい。この無電解ニッケル(合金)めっき浴のpHは特に限定はないが、めっき時には、pH3〜10とすることが好ましく、pH4〜9とすることが特に好ましい。無電解めっき浴のpHをこの範囲とすることにより、効率的な金属イオンの還元反応が進行し、無電解めっき被膜の析出速度が良好となる効果が得られる。めっき浴のpH調整には、塩酸、硫酸、スルファミン酸等の酸や、水酸化ナトリウム、水酸化アンモニウム等のアルカリを、好ましくは水で希釈して適宜添加することができる。
また、本発明の無電解ニッケル(合金)めっき浴のめっき時の浴の温度については、ニッケルイオンの還元反応が行なわれる温度であれば特に限定はないが、効率の良い還元反応を起こさせるために、15〜98℃が好ましく、25〜90℃が特に好ましい。
更に、本発明の無電解ニッケル(合金)めっき浴を用いて無電解ニッケル(合金)めっきを行なうにあたっては、めっきの進行により、金属イオンが還元剤によって金属に還元される結果、めっき液中の金属イオン濃度、還元剤濃度が低下し、またpHも低下することになる。従って、連続的に又は適当な時間ごとに、無電解ニッケル(合金)めっき浴中に、水溶性ニッケル塩、還元剤、錯化剤、モリブデン、ビスマス、pH調整剤等を補給して、それらの濃度をもとの濃度に戻すことが好ましい。連続的に又は適当な時間ごとに、めっき液中の金属イオン濃度、還元剤濃度やpHを測定し、その測定結果に応じて、それらを補給することも好ましい。
次に、実施例を挙げて本発明を更に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
実 施 例 1
[無電解ニッケルめっき浴の初期性能の評価]
下記組成で、安定化剤としてモリブデン及びビスマスを含む本発明無電解ニッケルめっき浴を常法に従って調製した。また、比較としてモリブデンまたはビスマスの一方のみを含むもの、並びに鉛を含むめっき浴を用いた。なお、表1において、モリブデン、ビスマス、鉛の含有量は、金属としての含有量である。
<無電解ニッケルめっき浴組成>
硫酸ニッケル七水和物 25g/L
次亜リン酸ナトリウム一水和物 20g/L
DL−リンゴ酸 25g/L
乳酸 10g/L
酢酸 5g/L
安定化剤 表1に記載の量
界面活性剤 適宜
Figure 2005290400
被めっき試験片として、SPCC−SBの鉄板(サイズ:0.3mm×50mm×50mm)を用い、上記各無電解ニッケルめっき浴1L中に、下記めっき条件のもとで浸漬し、無電解ニッケルめっきを行った。
<めっき条件>
めっき液のpH 4.9
浴温 90℃
攪拌 空気攪拌
めっき時間 20分
得られた無電解ニッケルめっき被膜について、下記の判定条件により、めっき被膜外観を評価した。また、析出速度を測定し、めっき浴安定性を評価した。この結果を表2に示す。
<めっき被膜外観の評価方法>
判 定 めっき被膜外観
◎ : 光沢のある均一な外観
○ : 光沢の弱い均一な外観
△ : 光沢がなく白っぽい外観
× : 不均一で未析出部分のある外観
<析出速度の評価方法>
判 定 析出速度
◎ : 15μm/hr以上
○ : 15〜12μm/hr
△ : 12〜10μm/hr
× : 10μm/hr以下
<めっき浴安定性の評価方法>
めっき時のめっき槽底面の析出物を目視で確認した。
判 定 析出物目視確認
◎ : 直径1mm以下の点状析出物が、析出なし
○ : 直径1mm以下の点状析出物が、1個以上5個以下確認できた
△ : 直径1mm以下の点状析出物が、6個以上20個以下確認できた
× : 直径1mm以下の点状析出物が、21個以上確認できた
Figure 2005290400
表2の結果より、モリブデン50mg/L及びビスマス0.5mg/Lを含有する本発明めっき浴(1)の場合も、モリブデン50mg/L及びビスマス0.2mg/Lを含有する本発明めっき浴(2)の場合も、鉛を配合したのと同等以上の効果を示すことが確認された。更に、モリブデンは10〜100mg/Lの濃度で、上記評価項目については、極めて優れた効果を示すことが確認された。
実 施 例 2
[無電解ニッケルめっき浴の連続使用試験]
表1及び表2の結果から、めっき被膜外観、析出速度、めっき浴安定性の全てで、鉛と同等以上の性能が確認されたものの中から、本発明めっき浴(1)、比較めっき浴(2)、比較めっき浴(3)及び比較めっき浴(7)について、連続使用試験を行なった。連続使用試験の評価は、無電解ニッケルめっき浴を、1、2、3、4、5、6ターン連続使用して無電解めっきを行い、各ターン毎にめっき被膜外観、めっき浴安定性を実施例1と同様の方法で行なった。
また、相対析出速度を以下の判定条件を用いて評価した。
<相対析出速度>
各ターン連続使用時の析出速度を、実施例1と同様の方法でそれぞれ測定し、その析出速度の実施例1で得られた初期の析出速度に対する低下割合を、下記の判定基準を用いて評価した。
判定 相対析出速度
◎ : 初期析出速度に比べ、析出速度が、 0%〜10%低下した
○ : 初期析出速度に比べ、析出速度が、10%〜20%低下した
△ : 初期析出速度に比べ、析出速度が、20%〜50%低下した
× : 初期析出速度に比べ、析出速度が、50%以上低下した
なお、ここで1ターン連続使用とは、無電解ニッケルめっき浴中の初期のニッケルイオン濃度に相当する量のニッケル金属がめっきされるまで、連続してめっきを行うことをいう。例えば、無電解ニッケルめっき浴中の初期ニッケルイオン濃度が、M[g/L]であるとした場合、M[g/L]のニッケルがめっきにより析出した時点を1ターンとするものである。よって、この場合には、5ターン連続使用とは、5×M[g/L]のニッケルめっきがなされるまで連続してめっきすることをいう。
Figure 2005290400
比較めっき浴(2)は、1ターン経過後に自己分解が発生したため、連続使用試験を中止した。比較めっき浴(3)も、2ターン経過後に自己分解が発生したため、連続使用試験を中止した。
実施例2で評価しためっき浴の中で、本発明めっき浴(1)が最も良好であった。すなわち、本発明めっき浴(1)は、6ターンまで良好に無電解ニッケルめっきを続けることができ、連続的に使用しても、めっき被膜外観の低下や析出速度の低下が少なく、浴安定性にも優れたものであった。また、モリブデンだけでなく、更にビスマスを併用することによって、連続使用試験の結果が著しく良好になった。
更に、本発明めっき浴(1)は、鉛使用の比較めっき浴(7)に比べて、析出速度の低下が少ない点で優れていた。めっき被膜外観やめっき浴の安定性も、鉛を用いたものと同等の結果が得られたため、本発明のニッケル(合金)めっき浴は、鉛を含有するニッケル(合金)めっき浴と同様に使用できることが確認された。
本発明によれば、有害物質である鉛等を実質的に含有させなくても、めっき被膜外観、析出速度、めっき浴安定性に優れた無電解ニッケル(合金)めっき浴を提供することができる。そして、この無電解ニッケル(合金)めっき浴は、その連続使用時においても上記優れた性能が低下しにくいので、めっき浴の更新が少なくてすみ、作業効率の向上ができる。
従って、本発明の無電解ニッケル(合金)めっき浴は、抵抗体、磁気ディスク、電磁波シールド、金めっきの下地めっき、微粒子含有複合めっき被膜の金属マトリックス等の用途に広範囲に好適に使用できるものである。
以 上

Claims (12)

  1. 水溶性ニッケル塩、還元剤、モリブデン及びビスマスを含有する無電解ニッケルめっき浴。
  2. 更に、錯化剤を含有する請求項1記載の無電解ニッケルめっき浴。
  3. 更に、反応促進剤を含有する請求項1又は請求項2記載の無電解ニッケルめっき浴。
  4. 更に、被膜物性改善剤を含有する請求項1ないし請求項3の何れかの請求項記載の無電解ニッケルめっき浴。
  5. モリブデンを、0.1mg/L〜1g/Lの範囲で含有する請求項1ないし請求項4の何れかの請求項記載の無電解ニッケルめっき浴。
  6. ビスマスを、0.01mg/L〜1g/Lの範囲で含有する請求項1ないし請求項5の何れかの請求項記載の無電解ニッケルめっき浴。
  7. モリブデンを、モリブデン酸ナトリウム、モリブデン酸カリウム、モリブデン酸アンモン又はモリブデン酸として添加してなる請求項1ないし請求項6の何れかの請求項記載の無電解ニッケルめっき浴。
  8. ビスマスを、酸化ビスマス、塩化ビスマス、臭化ビスマス、硝酸ビスマス、シュウ酸ビスマス、モリブデン酸ビスマス、ビスマス酸ナトリウム、ビスマス酸カリウムとして添加してなる請求項1ないし請求項7の何れかの請求項記載の無電解ニッケルめっき浴。
  9. 水溶性ニッケル塩、合金化金属塩、還元剤、モリブデン及びビスマスを含有する無電解ニッケル合金めっき浴。
  10. 合金化金属塩の金属が、鉄、銅、スズ、コバルト、タングステン、レニウム、マンガン、パラジウム、バナジウム、亜鉛、クロム、金、銀又は白金である請求項9記載の無電解ニッケル合金めっき浴。
  11. 水銀、ヒ素、カドミウム又は鉛を実質的に含有しない請求項1ないし請求項10の何れかの請求項記載の無電解ニッケルめっき浴又は無電解ニッケル合金めっき浴。
  12. 請求項1ないし請求項11の何れかの請求項記載の無電解ニッケルめっき浴又は無電解ニッケル合金めっき浴を用いる無電解ニッケルめっき方法又は無電解ニッケル合金めっき方法。

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