JP7244709B2 - 無電解ニッケル合金メッキ浴、ニッケル合金の析出の方法、ニッケル合金析出物、及びこのように形成したニッケル合金析出物の使用 - Google Patents

無電解ニッケル合金メッキ浴、ニッケル合金の析出の方法、ニッケル合金析出物、及びこのように形成したニッケル合金析出物の使用 Download PDF

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Description

本発明は、無電解ニッケル合金メッキ浴、ニッケル合金の析出の方法、ニッケル合金析出物、及びこのようなニッケル合金析出物の使用に関する。本発明によって得られるニッケルコーティングは、高い均一性及び高い硬度、良好な耐摩耗性及び改善された耐食性を示す。このようなコーティングは、宇宙、自動車、電気及び化学産業における機能性コーティングとして好適である。このようなメッキ浴から析出される金属層はまた、半導体デバイス、プリント回路基板、IC基板等におけるバリア及びキャップ層としても有用である。
無電解ニッケルコーティングは、耐食性、耐摩耗性、硬度、潤滑性、はんだ付け性及び接合性、析出物の均一性、並びに非磁性の性質(高リンのニッケル合金の場合)を付与するために適用されて、非多孔性バリア層を付与するか、又はそうでなければ特定の部品の性能又は有用な寿命を増強する、機能性コーティングである。無電解ニッケルの硬度及び耐食性は、多くの成功している用途において鍵となる要素である。無電解ニッケルコーティングは、とりわけ、電気コネクタ、電子レンジハウジング、バルブ及びポンプ本体、プリンタシャフト、コンピュータ部品を含めた多様な用途で使用されている。無電解ニッケルは、鋼、ステンレス鋼、アルミニウム、銅、真ちゅう、マグネシウム、及びいくつかの非導電性材料のうちの任意のものが挙げられるがこれらに限定されない多様な材料で作製された部品をコーティングするのに使用されうる。
無電解ニッケルメッキは、ニッケル合金を基板上に析出させ、該基板は、ニッケルイオンと、溶液中のニッケルイオンを金属ニッケルへ還元することができる好適な化学的還元剤とを含有するプロセス溶液からの合金の析出を触媒することができる。多様な添加剤がまた、浴を安定させ、メッキされる基板上のニッケル析出の速度を更に調整するために、無電解ニッケルメッキ浴中で使用される。還元剤としては、例えば、水素化ホウ素(これはニッケルホウ素合金を製造する)及び次亜リン酸イオン(これはニッケルリン合金を製造する)が挙げられる。電気メッキとは対照的に、無電解ニッケルは、精溜器、電流又はアノードを要しない。析出方法は自己触媒的であり、このことは、ニッケルの一次層が一旦、基板上に形成されたら、その層及びそれに続く各層が、メッキ反応が続くことを引き起こす触媒となることを意味する。
還元剤として次亜リン酸イオンを用いる無電解ニッケルメッキ浴では、ニッケル析出物は、約2%~12%超のリン含有率を伴う、ニッケルとリンとの合金を含む。これらの合金は、耐食性及び(熱処理後の)硬度及び耐摩耗性の点で独特の性質を有する。
無電解ニッケルメッキ溶液のための組成物が、当技術分野で公知である。例えば、米国特許第2,658,841号は、無電解ニッケルメッキ溶液用のバッファとして、可溶性有機酸塩を使用することを教示している。米国特許第2,658,842号は、EN浴への加速剤(exaltant)として、短鎖ジカルボン酸を使用することを教示している。米国特許第2,762,723号は、改善された浴安定性のために、硫化物及び硫黄を保持する添加剤を、無電解ニッケルメッキ浴に使用することを教示している。
米国特許第2,847,327号は、無電解ニッケルメッキ溶液を安定化させる他の手段を導入した。これらとしては、より高い純度の出発材料; Pb、Sb、Bi、Cu及びSe等の重金属のクラスからのより効果的な安定化剤; ヨウ素酸塩及びチオ化合物等の無機化合物; 不飽和アルケン及びアルキン及び他のもの等の有機化合物の使用が挙げられる。
WO 2015/187402は、1種又は複数のジカルボン酸及び1種又は複数のアルファヒドロキシルカルボン酸を含む、無電解ニッケル合金メッキ浴を開示している。
WO 2018/220220は、データ記憶デバイスの調製用の無電解ニッケル合金メッキ浴を開示しており、全ての錯化剤は、少なくとも2つのカルボン酸部分を含む。
CN1 09112509Aは、化学的ニッケルメッキ溶液の高い耐食性、及びその調製方法を開示している。このような化学的ニッケルメッキ溶液は、硫酸ニッケル、次亜リン酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、乳酸、プロピオン酸及び酢酸、並びに特定の湿潤剤及び安定化剤を含む。
米国特許第2,658,841号 米国特許第2,658,842号 米国特許第2,762,723号 米国特許第2,847,327号 WO 2015/187402 WO 2018/220220 CN1 09112509A EP 3 034650 A1 WO2015/161959 A1
AASS-DIN EN ISO 9227規格
したがって、本発明の1つの目的は、そのメッキ浴によって処理される金属基板の防食を改善する、無電解ニッケル合金メッキ浴を提供することである。
本発明の更なる目的は、安定しており、槽内析出を一切示さない、無電解ニッケル合金メッキ浴を提供することである。
本発明のなおも更なる目的は、十分なメッキ速度を有する、無電解ニッケル合金メッキ浴を提供することである。
本発明のなおも別の目的は、例えば、アルミニウム又はアルミニウム合金等の金属表面上にメッキされた場合に、下にある基板表面によく接着するニッケル合金析出物を生成する、無電解ニッケル合金メッキ浴を提供することである。
上記表題の目的は、本発明による無電解ニッケル合金メッキ浴、その使用、基板の少なくとも1つの表面上にニッケル合金を析出させる方法、並びに本発明による無電解ニッケル合金メッキ浴から得られるニッケル合金析出物、及びそれらの使用によって解決される。
本発明による無電解ニッケル合金メッキ浴は、
a)ニッケルイオンと、
b)モリブデンイオン、レニウムイオン、タングステンイオン、銅イオン、それらのオキソ-イオン、及びこれらの混合物からなる群から選択される更なる還元性金属イオンと、
c)次亜リン酸、次亜リン酸塩、及び前述したものの混合物からなる群から好ましくは選択される、ニッケルイオン及び更なる還元性金属イオンを、それらのそれぞれの金属状態へ還元するのに好適な少なくとも1種の還元剤と、
d)錯化剤CA1、CA2、CA3及び任意選択で(好ましくは任意選択ではなく、強制的、義務的、必然的である、すなわち任意選択なしの)CA4であって、
CA1、CA2、CA3及びCA4が、全て、互いに異なり、
CA1及びCA2のそれぞれが、少なくとも2つのカルボン酸部分を有する化合物、それぞれのそれらの塩、及び前述したものの混合物からなる群から独立に選択され、
CA3が、正確に1つのカルボン酸部分を有する脂肪族化合物、それぞれのそれらの塩、及び前述したものの混合物からなる群から選択され、
CA4が、少なくとも1つのカルボン酸部分を有する芳香族化合物、それぞれのそれらの塩、及び前述したものの混合物からなる群から選択される、
錯化剤CA1、CA2、CA3及び任意選択でCA4と
を含む。
2種の錯化剤CA1及びCA2は、少なくとも2つのカルボン酸部分、それぞれのそれらの塩、及び前述したものの混合物を有する異なる化合物である。
本発明による無電解ニッケル合金メッキ浴は、ニッケル合金を、少なくとも1つの基板の少なくとも1つの表面上に析出させるのに使用される。
ニッケル合金を、基板の少なくとも1つの表面上に析出させる方法であって、
A)少なくとも1つの表面を備えた基板を用意する工程と、
B)該基板の少なくとも1つの表面を、本発明による無電解ニッケル合金メッキ浴(好ましくは、本文にわたって好ましいものとして記載されているメッキ浴)と接触させて、それにより、ニッケル合金を、基板の少なくとも1つの表面上に析出させる工程と
を、この順序において含む、方法。
ニッケル合金析出物は、本発明による無電解ニッケル合金メッキ浴(好ましくは、本文にわたって好ましいものとして記載されているメッキ浴)からの析出によって得ることができる。
本発明による且つ本発明の方法による、無電解ニッケル合金メッキ浴は、魅力的な光沢又は半光沢の外観を有するニッケル合金析出物を付与するのに好適である。更に、ニッケル合金析出物は、下にある基板表面によく付着する。
本発明による無電解ニッケル合金メッキ浴は、安定であり、且つメッキ中に、経済的に使用されることになる十分な期間、槽内析出を示さない。
本明細書にわたるパーセンテージは、別段の記述がない限り、質量パーセンテージ(wt.-%)である。本明細書で示される濃度は、別段の記述がない限り、溶液全体の容積又は質量(好ましくは容積)を指す。用語「析出」及び「メッキ」は、本明細書では互換的に使用される。更に、「層」及び「析出物」もまた、本明細書では同義語として使用される。槽内析出は、メッキ浴の望ましくない分解を意味する。本明細書に記載される本発明の好ましい実施形態は、これが技術的に実行不能でない限り、又は具体的に除外されていない限り、組み合わせられうることが理解される。
本発明の文脈におけるカルボン酸部分は、-C(=O)OH基である。それは、明白に記述されていない場合、その塩を好ましくは含む。本発明による用語「CX~CY-化合物」は、X~Y個の炭素原子(任意のカルボン酸部分の炭素原子を含める)を有する化合物を指し、ここで、X及びYは、自然数を指し、XはYよりも小さい。
本発明のニッケル合金は、元素のニッケルと、モリブデン、タングステン、銅及びレニウムのうちの1種又は複数とを、好ましくはリン及び/又はホウ素との組み合わせで、より好ましくはリンとの組み合わせで含む。更により好ましい合金は、ニッケル、モリブデン及びリンを含む。最も好ましい合金は、ニッケル、モリブデン、銅及びリンを、それらが金属基板の改善された防食を付与するように含む。
本発明による無電解ニッケル合金メッキ浴
本発明の無電解ニッケル合金メッキ浴は、ニッケルイオンを含む。ニッケルイオンは、任意の水溶性塩又は任意の水溶性ニッケル錯体によって付与されうる。好ましくは、ニッケルイオンは、硫酸ニッケル、塩化ニッケル、酢酸ニッケル、メチルスルホン酸ニッケル、スルファミン酸ニッケル、及びこれらの混合物のうちの任意のものによって付与される。
無電解ニッケル合金メッキ浴中のニッケルイオンの濃度は、広く多様であってもよく、好ましくは0.01mol/L~1.0mol/L、より好ましくは0.03mol/L~0.8mol/L、更により好ましくは0.04mol/L~0.5mol/L、なおも更により好ましくは0.05mol/L~0.3mol/L、最も好ましくは0.05mol/L~0.1mol/Lの範囲である。
本発明の無電解ニッケル合金メッキ浴は、(ニッケルイオン以外の)更なる還元性金属イオンを含む。更なる還元性金属イオンは、モリブデンイオン、レニウムイオン、タングステンイオン、銅イオン、及びこれらの混合物からなる群から選択される。更なる還元性金属イオンは、このような更なる還元性金属の任意の水溶性塩又は任意の水溶性錯体によって付与されうる。好ましくは、モリブデンイオンは、モリブデン酸、モリブデン酸アルカリ(例えばNaMoO)、モリブデン酸アンモニウム、及びこれらの混合物のうちの任意のものによって付与される。好ましくは、タングステンイオンは、タングステン酸、タングステン酸アルカリ(例えばNaWO)、タングステン酸アンモニウム、及びこれらの混合物のうちの任意のものによって付与される。好ましくは、レニウムイオンは、過レニウム酸、過レニウム酸アルカリ(例えばNaReO)、過レニウム酸アンモニウム、及びこれらの混合物のうちの任意のものによって付与される。好ましくは、銅イオンは、ヨウ化銅、ヨウ素酸銅、塩化銅及び/又は硫酸銅のうちの任意のものによって付与される。モリブデンイオンは、生態学的に重要ではない安定化剤及び合金成分として好ましい。銅イオンは、それらがレベリング及び光沢を改善し、且つ析出物のプロセス安定性及び耐食性を増強するので好ましい。本発明の一実施形態では、本発明の無電解ニッケル合金メッキ浴は、更なる還元性金属イオンとして、モリブデンイオンのみを好ましくは含む。本発明の別の好ましい実施形態では、本発明の無電解ニッケル合金メッキ浴は、更なる還元性金属イオンとして、モリブデンイオンと銅イオンとの混合物を好ましくは含む。より好ましくは、本発明の無電解ニッケル合金メッキ浴は、最も好ましくは銅イオン及び/又はモリブデンイオンが存在する場合に、いかなるタングステンイオンもいかなるレニウムイオンも含まない。
そのため、好ましいのは、更なる還元性金属イオンが、モリブデンイオン、銅イオン、又はそれらの混合物である、好ましくは更なる還元性金属イオンが、モリブデンイオン、又はモリブデンイオンと銅イオンとの混合物である、本発明の無電解ニッケル合金メッキ浴である。
モリブデン、レニウム及びタングステンの不溶性成分(例えばモリブデン二硫化物)は、ニッケル合金析出物の性質に有害であり、そのため、本発明による無電解ニッケル合金メッキ浴では好ましくは使用されない。
無電解ニッケル合金メッキ浴中の更なる還元性金属イオンの総濃度は多様であってもよく、無電解ニッケル合金メッキ浴の総容積に対して、好ましくは510-5~110-2mol/L、より好ましくは110-4~510-3mol/L、更により好ましくは2.510-4~2.510-3mol/Lの範囲である。1種超の更なる還元性金属イオンが無電解ニッケル合金メッキ浴中に含有されている場合、使用される全ての更なる還元性金属イオンの総体的な濃度(すなわちそれらの総濃度)は、好ましくは上に規定した範囲内にある。
本発明の無電解ニッケル合金メッキ浴が更なる還元性金属イオンとしてモリブデンイオンと銅イオンとの混合物を含む場合、無電解ニッケル合金メッキ浴中のモリブデンイオンと銅イオンとの総濃度は多様であってもよく、無電解ニッケル合金メッキ浴の総容積に対して、好ましくは110-5~(好ましくは510-5~)110-2mol/L、より好ましくは110-5~(好ましくは510-5~)510-3mol/L、更により好ましくは110-5~(好ましくは510-5~)510-4mol/Lの範囲である。好ましくは、本発明の無電解ニッケル合金メッキ浴は、モル濃度に基づいて、銅イオンよりも多くのモリブデンイオンを含む。より好ましくは、無電解ニッケル合金メッキ浴中のモリブデンイオンと銅イオンとの総濃度は多様であってもよく、無電解ニッケル合金メッキ浴の総容積に対して、好ましくは110-5~(好ましくは510-5~)110-2mol/L、より好ましくは110-5~(好ましくは510-5~)510-3mol/L、更により好ましくは110-5~(好ましくは510-5~)510-4mol/Lの範囲であり、モリブデンイオンの銅イオンに対するモル比は、1:1~30:1、好ましくは5:1~20:1、より好ましくは10:1~15:1の範囲内にある。
範囲を超える範囲外濃度は、いくつかの場合、形成されることになるニッケル合金析出物中の所望の更なる金属含有量に応じて適用することができる。
本発明の無電解ニッケル合金メッキ浴は、少なくとも1種の還元剤を更に含む。少なくとも1種の還元剤は、好ましくは化学的還元剤である。少なくとも1種の還元剤は、ニッケルイオン及び更なる還元性金属イオンを、それらのそれぞれの金属状態へ還元するのに好適である。好ましくは、少なくとも1種の還元剤は、
- 次亜リン酸化合物、例えば次亜リン酸及び次亜リン酸塩、例えば次亜リン酸ナトリウム又はカリウム、次亜リン酸アンモニウム、次亜リン酸ニッケル等のような次亜リン酸アルカリ、
- ホウ素系還元剤、例えばジメチルアミノボラン(DMAB)及びモルホリンボランのようなアミノボラン、及び水素化ホウ素ナトリウムのような水素化ホウ素、
- ヒドラジン、並びに
- ヒドラジン誘導体(例えば、硫酸ヒドラジン、塩酸ヒドラジン、ヒドラジン水和物、及び本発明の文脈において還元剤として使用可能な他のこのような成分)
からなる群から選択される。
次亜リン酸化合物が還元剤として使用される場合に、リンを含むニッケル合金析出物が得られる。このような還元剤は、析出したニッケル合金中に、リンの源を付与する。
ボラン系還元剤は、ホウ素を含むニッケル合金析出物をもたらし、次亜リン酸化合物とボラン系還元剤との混合物は、リン及びホウ素を含むニッケル合金析出物をもたらす。
ヒドラジン及びヒドラジン誘導体等の窒素系還元剤は、ニッケル合金中に組み込まれることになるリンもホウ素も付与しない。
少なくとも1種の還元剤は、より好ましくは、次亜リン酸、次亜リン酸塩、及び前述したものの混合物からなる群から選択される。これらの還元剤は、本発明のニッケル合金中に構築されているリンが、とりわけ、このようなニッケル合金析出物の磁性の性質を著しく改善させて、(耐熱性の)常磁性ニッケル合金を起こすので好ましい。高量(例えば10wt.-%以上)のリンの組込みはまた、腐食に対する防止も改善させる。更により好ましくは、少なくとも1種の還元剤は、このような塩が費用効果があり、且つ使いやすい次亜リン酸塩であるように選択される。少なくとも1種の還元剤の濃度は、一般に、無電解ニッケル合金メッキ浴中で、ニッケルイオン及び更なる還元性金属イオンを還元するのに十分な量のモル過剰量にある。還元剤の濃度は、好ましくは0.01mol/L~3.0mol/L、より好ましくは0.1mol/L~1mol/Lの範囲である。
無電解ニッケル合金メッキ浴は、(異なる)錯化剤CA1及びCA2を含み、CA1及びCA2のそれぞれは、少なくとも2つのカルボン酸部分を有する化合物、それぞれのその塩(例えばカルボン酸塩)、及び前述したものの混合物からなる群から独立に選択される。好ましくは、少なくとも2つのカルボン酸部分を有する前記化合物は、脂肪族化合物、好ましくはC2~C12-脂肪族化合物、より好ましくはC2~C8-脂肪族化合物である。脂肪族化合物としては、芳香族を除く、非環式又は環式の、飽和又は不飽和の炭素化合物が挙げられ、脂肪族化合物は好ましくは非環式である。
官能化は、理論的には、少なくとも1個の水素を官能基に置き換えることによって得られうる。このような任意選択の(しかし幾つかの場合は好ましい)官能基は、ヒドロキシ(-OH)、アミノ(-NH)、ハロゲン化物、オレフィン二重結合(-C=C-)及び三重結合(-C≡C-)から好ましくは選択される。後の2つは、隣接した炭素原子の2個の水素原子が、理論的に置き換えられることを自然に必要とする。より好ましくは、任意選択の官能基は、ヒドロキシ及び二重結合からなる群から選択される。更により好ましくは、任意選択の官能基は、ヒドロキシ基である。
より好ましくは、無電解ニッケル合金メッキ浴は、非官能化及び官能化の脂肪族ジカルボン酸、非官能化及び官能化の脂肪族トリカルボン酸、非官能化及び官能化の脂肪族テトラカルボン酸、非官能化及び官能化の脂肪族ペンタカルボン酸、非官能化及び官能化の脂肪族ヘキサカルボン酸、それぞれのそれらの塩、並びに前述したものの混合物からなる群から独立に選択される錯化剤CA1及びCA2を含む。
更により好ましくは、錯化剤CA1及びCA2は、非官能化及び官能化の脂肪族ジカルボン酸、非官能化及び官能化の脂肪族トリカルボン酸、非官能化及び官能化の脂肪族テトラカルボン酸、それぞれのそれらの塩、並びに前述したものの混合物からなる群から独立に選択される。
好ましくは、錯化剤CA1は、非官能化の脂肪族C2~C12-ジカルボン酸及び/又はその塩である。更により好ましくは、それは、非官能化の脂肪族C3~C6-ジカルボン酸及び/又はその塩である。なおも更により好ましくは、錯化剤CA1は、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、マレイン酸、フマル酸、グルタコン酸、イタコン酸、それらの塩、及び前述したものの混合物からなる群から選択される。最も好ましくは、錯化剤CA1は、マロン酸及び/又はその塩である。
好ましくは、錯化剤CA2は、官能化又は非官能化の(好ましくは官能化の)脂肪族C3~C12-ジカルボン酸及び/又はその塩、好ましくは官能化又は非官能化の(好ましくは官能化の)脂肪族C4~C6-ジカルボン酸及び/又はその塩である。より好ましくは、錯化剤CA2は、少なくとも1つのヒドロキシ基を含む(且つ、そのため、ヒドロキシ官能化されている)。更により好ましくは、錯化剤CA2は、ヒドロキシ官能化された脂肪族C4~C6-ジカルボン酸及び/又はその塩である。なおも更により好ましくは、錯化剤CA2は、リンゴ酸、酒石酸、1-ヒドロキシグルタル酸、2-ヒドロキシグルタル酸、1-ヒドロキシアジピン酸、2-ヒドロキシアジピン酸、3-ヒドロキシアジピン酸、それらの塩、及び前述したものの混合物からなる群から選択される。最も好ましくは、錯化剤CA2は、リンゴ酸及び/又はその塩である。
好ましくは、錯化剤CA3は、官能化又は非官能化の脂肪族C1~C5-モノカルボン酸及び/又はその塩、好ましくは官能化又は非官能化の脂肪族C2~C4-モノカルボン酸及び/又はその塩である。より好ましくは、錯化剤CA3は、プロピオン酸及び/又はその塩である。最も好ましくは、錯化剤CA3は、プロピオン酸である。本発明の文脈内で、CA1、CA2及びCA3に関する前述の好ましい実施形態のうちの2つ以上を組み合わせることが可能であることに特に留意されたい。
好ましくは、錯化剤CA4は、(いくつかの場合に好ましい)官能化又は(いくつかの場合に好ましい)非官能化の芳香族カルボン酸及び/又はそれらの塩である。好ましい官能化は、ヒドロキシル官能化である。「芳香族カルボン酸」は、少なくとも1つのCOOH基(及び関連するその塩)と少なくとも1つの芳香族環との両方を含む化合物である。芳香族環がヘテロ原子を含んでいたとしても、好ましくは芳香族環はヘテロ原子を含有しない。好ましくは、少なくとも1つのCOOH基は、例えば安息香酸、サリチル酸における等の芳香族環に直接結合される。より好ましくは、CA4は、安息香酸及び/又はその塩である。更により好ましくは、CA4は、安息香酸ナトリウムである。
本発明のきわめて好ましい実施形態では、錯化剤CA1、CA2、CA3及びC4は、互いに別々に選択され、それぞれがCA1、CA2及びCA3に関する前述の好ましい実施形態による異なる錯化剤を表す。
特に好ましいのは、錯化剤CA1が、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、マレイン酸、フマル酸、グルコン酸、イタコン酸、それらの塩、及び前述したものの混合物からなる群から選択され(特に、錯化剤CA1は、マロン酸及び/又はその塩である)、錯化剤CA2が、リンゴ酸、酒石酸、1-ヒドロキシグルタル酸、2-ヒドロキシグルタル酸、1-ヒドロキシアジピン酸、2-ヒドロキシアジピン酸、3-ヒドロキシアジピン酸、それらの塩、及び前述したものの混合物からなる群から選択され(特に、錯化剤CA2は、リンゴ酸及び/又はその塩である)、錯化剤CA3が、脂肪族モノカルボン酸、それらの塩、及び前述したものの混合物からなる群から選択される、本発明による無電解ニッケル合金メッキ浴である。最も好ましくは、前述したものは、安息香酸及び/又はその塩である錯化剤CA4と組み合わされる。
好ましくは、錯化剤CA1の濃度は、50~300mmol/L、より好ましくは50~250mmol/L、及び更により好ましくは50~200mmol/Lの範囲である。好ましくは、錯化剤CA2の濃度は、50~200mmol/L、より好ましくは60~180mmol/L、及び更により好ましくは70~150mmol/Lの範囲である。好ましくは、錯化剤CA3の濃度は、40~1000mmol/L、より好ましくは40~800mmol/L、及び更により好ましくは40~300mmol/Lの範囲である。好ましくは、錯化剤CA4の濃度は、0(好ましくは0超)~200mmol/L、より好ましくは7~150mmol/L、更により好ましくは15~75mmol/L、及びなおも更により好ましくは30~75mmol/Lの範囲である。好ましくは、錯化剤CA1、CA2、CA3及びCA4の総濃度は、少なくとも0.15mol/L、より好ましくは少なくとも0.20mol/L、及び更により好ましくは少なくとも0.22mol/Lである。
好ましくは、錯化剤CA1、CA2、CA3及び任意選択でCA4(最も好ましくはCA1、CA2、CA3及びCA4が全て一緒の錯化剤)の総モル濃度の、ニッケルイオンのモル濃度に対する比は、4/1~8/1の範囲である。
本発明による無電解ニッケル合金メッキ浴は、好ましくは水溶液である。用語「水溶液」は、溶液中の溶媒である優勢な液体媒質が水であることを意味する。例えば水と混和性であるアルコール及び他の極性有機液体としての、水と混和性である更なる液体が、添加されてもよい。使用される全ての溶媒のうちの少なくとも95wt.-%、より好ましくは99wt.-%が水であることが好ましく、その理由には、その生態学的に無害な特性がある。本発明による無電解ニッケル合金メッキ浴は、水性液体媒質に、好ましくは水に、全ての成分を溶解させることによって好ましくは調製される。
本発明による無電解ニッケル合金メッキ浴は、酸性であっても中性であってもアルカリ性であってもよい。(鉱)酸又は塩基等の酸性又はアルカリ性pH調整剤は、アンモニア、水酸化アンモニア、水酸化ナトリウム、塩酸、硫酸等の広範囲の材料から選択することができる。本発明による無電解ニッケル合金メッキ浴のpHは、好ましくは約2~12である。一実施形態では、本発明による無電解ニッケル合金メッキ浴は、好ましくは中性又は酸性のpH値を有する(本明細書ではこの後、「酸性無電解ニッケル合金メッキ浴」と称される)。これは、モリブデンイオン及び/又はレニウムイオンが更なる還元性金属イオンとして選択される場合に、特にモリブデンが唯一の更なる還元性金属イオンとして選択される場合に、特に有用である。より好ましくは、本発明による酸性無電解ニッケル合金メッキ浴は、3.5~7、更により好ましくは3.5~5.0、なおも更により好ましくは4.0~4.8、最も好ましくは4.2~4.7の範囲のpH値を有する。このことは、前記浴の高い安定性、及びこのような浴から形成されたニッケル合金析出物の常磁性の性質(昇温でのそれらの維持を含める)の点での最適な結果を可能にする。タングステンイオンが唯一の更なる還元性金属イオンとして選択される場合、pHが8~10の範囲であることが好ましい。
他の添加剤が本発明による無電解ニッケル合金メッキ浴中に好ましくは含まれてもよく、例えば、pHバッファ、湿潤剤、促進剤、光沢剤、当技術分野で公知の追加の安定化剤、欧州特許出願EP 3 034 650 A1に開示されているもの等のメッキ速度改質剤である。
本発明の無電解ニッケル合金メッキ浴が、その毒性及び生態学上の懸念のために、無電解ニッケルメッキ浴のための安定化剤として従来使用されているチオ尿素を含まないことが更に好ましい。
本発明による方法
本発明による方法の工程A)では、少なくとも1つの表面を備えた基板が用意される。
多様な種類の基板が、本発明による且つ本発明による方法による、無電解ニッケル合金メッキ浴でメッキされるニッケル合金でありうる。好ましくは、金属基板が、本発明による方法において使用される。ニッケル合金メッキされることになる金属基板は、銅、亜鉛、銀、パラジウム、鉄、イリジウム、スズ、アルミニウム、ニッケル、それらの合金、及び前述したものの混合物からなる群から好ましくは選択される。好ましくは、工程A)で用意される基板は、金属(好ましくは、前述した好ましい金属のうちの少なくとも1種)で全体が作製されるか、又はそれは、金属で作製された少なくとも1つの表面、好ましくは前述した好ましい金属のうちの少なくとも1種を好ましくは含む。金属で作製されるこのような表面はまた、ニッケル合金メッキ用に、それぞれガラス、プラスチック又はセラミクス等の非導電性表面とするのに典型的に用いられる1種又は複数のパラジウム活性層であってもよい。
基板は、工程B)に先立って任意選択で前処理される。このような前処理は、当技術分野で公知である。典型的な前処理としては、エッチング、洗浄、亜塩化及び活性化の工程が挙げられる。有用な前処理は、望ましくない汚れ又は酸化物を基板の表面から除去することによってメッキの結果を改善させることができる。表面の活性化は、例えばさもなければ非導電性表面担持パラジウムの薄く且つおそらくは非連続の層が、前記表面を、それに続く金属メッキ、好ましくはニッケル合金メッキに好適にすると通常理解される。前処理は、用意される基板に応じて、広く多様でありうる。いくつかの指針を、代表的に、WO 2015/161959 A1(13頁、11行~15頁、30行)に見出すことができる。
本発明による方法の工程B)では、基板の少なくとも1つの表面を、本発明による無電解ニッケル合金メッキ浴と接触させる。
ニッケル合金メッキされることになる基板は、基板を、本発明による無電解ニッケル合金メッキ浴と接触させることによって、所望の厚さ及び析出量にメッキされうる。
本発明の無電解ニッケル合金メッキは、析出中、すなわち最も好ましくは工程B)中、20℃~100℃、好ましくは70℃~95℃、より好ましくは80℃~90℃、更により好ましくは83℃~87℃の範囲の温度にわたって好ましくは維持される。
基板は、ニッケル合金析出物の所望の厚さをメッキするのに十分な任意の期間、本発明の無電解ニッケル合金メッキ浴と接触させうる。ニッケル合金析出物の厚さは、前記析出物、又は前記析出物を含有する製品の、所望の使用にとりわけ依存する。非限定的な例として、30~180分、好ましくは40~90分、より好ましくは50~70分の範囲の接触期間が十分であると考えられることが多い。
最大で100μm、又はそれを上回るニッケル合金析出物の厚さが形成されうる。好ましくは、ニッケル合金析出物の厚さは多様であり、好ましくは1~60μmの範囲である。厚さは技術的用途に依存し、いくつかの用途のために、より高く又はより低くすることができる。例えば、ニッケル合金析出物が耐食性コーティングを付与するためのものであれば、30~60μmの範囲の厚さが典型的に所望され、一方で電気的用途のためには、1~15μmの範囲の厚さが好ましくは適用される。硬質メモリーディスクの技術的領域では、ニッケル合金析出物の厚さは、好ましくは5~20μm、より好ましくは7~16μmの範囲である。半導体の技術的領域では、ニッケル析出物又はニッケル-リン析出物の厚さは、好ましくは1~5μmの範囲である。ニッケル合金析出物の厚さは、当技術分野で公知のx線蛍光法(XRF)で測定することができる。
基板を本発明の無電解ニッケル合金メッキ浴と接触させる多様な手段が、当業者には公知である。例えば、基板を、本発明の無電解ニッケル合金メッキ浴中へ全体的に又は部分的に浸漬することができ(これが好ましい)、本発明の無電解ニッケル合金メッキ浴をその上に噴霧することができる又はこすりつけることができる。
任意選択で、本発明の無電解ニッケル合金メッキ浴は、メッキ前に及び/又はメッキ中に撹拌される。激しい撹拌は、例えば、液体の振とう、撹拌若しくは連続的ポンピングのような、本発明の無電解ニッケル合金メッキ浴の機械的動きによって達成することができ、又は超音波処理によって、昇温によって、若しくは気体の供給(例えば不活性ガス又は空気で水性メッキ浴をパージングする)によって固有に達成することができる。
業界標準は、メッキ速度が好ましくは少なくとも2.5μm/時であることを要している。このことは、十分に経済的なプロセスを可能にする。より好ましくは、本発明との組み合わせにおけるメッキ速度は、8.0~12.0μm/時の範囲である。このようなメッキ速度は、所望の常磁性の性質が昇温において維持されるように改善させながら十分に経済的なプロセスを可能にするだけでなく、メッキ中に品質を犠牲にすることなくメッキ速度を更に改善させることを可能にする。
本発明による方法は、好ましくは水で、濯ぐ工程、及び/又は乾燥させる工程を任意選択で含む。本発明による且つ本発明の方法による、無電解ニッケル合金メッキ浴についての上記パラメータは、本発明を実践するための一般的指針を付与するためにのみ提供される。
本発明の無電解ニッケル合金メッキ浴は、ニッケル合金を基板の表面上に析出させるのに使用することができる。
本発明によるニッケル合金析出物及びそれらの使用
本発明は、本発明による無電解ニッケル合金メッキ浴からの析出によって得られうるニッケル合金析出物に更に関する。驚くべきことに、このような析出物が元素の組成(すなわち、ニッケル、更なる還元性金属イオン及び任意選択でリン及び/又はホウ素の含有率)の点で同一であるように見えるのだが、本発明による無電解ニッケル合金メッキ浴から形成されたニッケル合金析出物は、まさっている耐食性を示す。
ニッケル合金析出物中の更なる還元性金属の含有率(好ましくは総含有率)は、好ましくは0.5~5.0wt.-%、より好ましくは0.8~4.0wt.-%、更により好ましくは1.0~3.0wt.-%、なおも更により好ましくは1.2~2.5wt.-%の範囲である。
好ましくは、ニッケル合金析出物中のリン及び/又はホウ素の(より好ましくはリン単独の)含有率は、10wt.-%以上であり、より好ましくは10.0~16.0wt.-%、好ましくは10.5~15.0wt.-%、及びより好ましくは11.0~14.5wt.-%の範囲である。他の好ましい範囲は、10wt.-%~15wt.-%、より好ましくは10.5wt.-%~13wt.-%、最も好ましくは10.8wt.-%~12.5wt.-%である。
更なる還元性金属でもリン及び/又はホウ素でもないニッケル合金析出物の残部は、通常、主にニッケルであり(通常、前記残部のうちの≧98wt.-%、好ましくは≧99wt.-%、より好ましくは≧99.9wt.-%)、技術的原材料中に通常存在する微量の不純物、並びに例えば有機汚染物及び安定化剤に由来するもの等の共析出された他の材料は無視する。最も好ましくは、本発明によるニッケル合金析出物は、ニッケル、モリブデン及びリンから(本質的に)なるか、又はニッケル、モリブデン、銅及びリンから(本質的に)なる(技術的原材料中に通常存在する微量の不純物、並びに例えば有機不純物及び任意選択の安定化剤に由来するもの等の、意図せずに共析出された他の材料は無視する)。
本発明は、本発明による且つ本発明の方法による、無電解ニッケル合金メッキ浴からの析出によって得られうるニッケル合金析出物の使用に更に関する。このようなニッケル合金析出物は、周囲の酸性腐食条件に対して加工対象物を防御するのに好ましくは使用される。「周囲の」は、加工対象物の環境が、最も好ましくは戸外の自然条件下で加工対象物が酸性腐食条件を経験したであろうものであることを意味する。
本発明の一態様について記載される詳細な実施形態及び好ましい実施形態は、他の態様にも準用する。不必要な繰り返しを避けるために、それらは幾度も記載されることはない。
本発明は、これから、以下の非限定的な実施例への参照によって例示されることになる。
市販の製品を、別段のことがこの後で述べられない限り、本明細書のファイルの日付において入手可能な技術的データシート中に記載するものとして使用した。UniClean(登録商標)155(浸漬洗浄剤)及びNonacid(登録商標)701(エレクトロクリーナー)は、Atotech Deutschland GmbH社の製品である。
面積0.7dmのスチールパネル(QパネルタイプQD)を、本明細書で後に記載する全てのメッキ実験において使用した。本明細書で後に記載するように、このパネルを、ニッケル合金メッキする前に前処理した。
Figure 0007244709000001
金属析出物又は金属合金析出物の厚さ及びメッキ速度の決定
リン含有量及び析出物厚さを、それぞれの基板の5地点にて、XRF instrument Fischerscope XDV-SDD(Helmut Fischer GmbH社、ドイツ)を用いてXRFによって測定した。析出物の層化構造を推定することによって、このようなXRFデータから層厚さを算出することができる。メッキ速度は、得られた層の厚さを、前記層厚さを得るために必要な時間で除すことによって算出した。
pH値の測定
pH値を、pHメータ(WTW、Typ pH 3110、電極: SenTix(登録商標)41、温度センサーを備えたゲル電極、参照電解質: 3mol/l KCl)を用いて25℃で測定した。測定を、pH値が一定になるまで続けたが、いかなる場合であっても少なくとも2分間は続けた。使用前に、FLUKA及びCertipurで供給されたpH値2、4及び7のために、pHメータをバッファ溶液標準で較正した。
析出させたニッケル合金の組成
X線光電子分光法(VersaProbe XPS、Physical Electronics GmbH社)を使用して、析出させたニッケル合金の組成を測定した。
本発明例
本発明の及び比較の理由のための、いくつかのニッケル合金メッキ浴を、以下の成分を含有させて調製した(それぞれ1L):
- ニッケルイオン 6g/L(102.2mmol/L、硫酸ニッケルとして付与)、
- 次亜リン酸ナトリウム 33g/L(0.375mol/L)、
- モリブデンイオン 24mg/L(2.5010-4mol/L、モリブデン酸ナトリウムとして付与)、
- 銅イオン 2.0mg/L(3.1510-5mol/L、硫酸銅(II)五水和物として付与)、
- 錯化剤 Table 1(表2)に示すように多様な濃度(g/Lで)にある、
- pH アンモニア溶液(水中25wt.-%)で4.6に調整した。
ニッケル合金メッキ浴の温度を86℃に設定し、基板を該浴中に60分間浸漬させた。
Figure 0007244709000002
本発明の無電解ニッケル合金メッキ浴での最初の試験(実施例2~5、7~11及び13~16)は、CA1、CA2、CA3及びCA4の量を変化させた場合であっても、十分なメッキ速度及びリン含有量を示した。
更なる試験のために且つ本発明の利点を説明するために、実施例14を本発明についての代表例として選択した。
耐食試験1(時間)
耐食試験1を、AASS-DIN EN ISO 9227規格に準拠して実施した。
材料: QパネルタイプQD RA<0.5μm、析出物厚さ≒10μm
赤さびとしての欠陥の面積を決定して総面積と比較し(「欠陥の相対的面積」)、以下のスキームに準拠して評点付けする。
評点10を、欠陥を検出しない場合、すなわち欠陥の相対面積が0%の場合に割り当てる。したがって、以下の評点を割り当てる(括弧内の欠陥の相対的面積に対応させる: 9(>0%~0.1%)、8(>0.1%~0.25%)、7(>0.25%~0.5%)、6(>0.5%~1.0%)、5(>1.0~2.5%)、4(>2.5%~5.0%)、3(>5.0%~10%)、2(>10%~25%)、1(>25%~50%)、0(>50%))。
Figure 0007244709000003
Table 2(表3)に示すように、(本発明による)実施例14は、(比較の)実施例12と比べて、有意に改善した耐食性を示している。実施例12では、芳香族カルボン酸は利用していない。そのため、芳香族カルボン酸は明らかに、耐食性に対して有益な効果を有することになる。
耐食試験2(MTO)
追加の試験を、市販製品(Nichem(登録商標)HP 1151、Atotech社の製品)をベースとする別の比較の実施例において実施し、以下で実施例17と称した。この比較は、耐食性能インデプス研究を可能にした。
実施例17は上にまとめた一般の配合物をベースとするが、銅イオン及びモリブデンイオンは利用していない。更に、実施例17は、CA1、CA2及びCA3に相当する3種のカルボン酸を含有するが、芳香族カルボン酸は含有させていない(すなわちCA4はない)。
耐食試験2はまた、AASS-DIN EN ISO 9227規格に準拠して実施した。
Figure 0007244709000004
Table 3(表4)は、耐食試験2についても、耐食性の有意な改善が観察されることを示している。更なる実験は、改善した効果がCA4の存在に起因することを示している(データは示さず)。
固有応力の試験
曲げストリップ
コーティングにおける応力を、2つのフィンガーを備えた応力ストリップを使用して測定し、これは、1つの側をラッカー塗装している。試験ストリップは化学的にエッチングしたベリリウム-銅合金から作製し、スプリング様の性質を有している。応力測定の前に、浴のメッキ速度を±10%精度を伴って決定して、応力測定のためのメッキ時間を決定する。好適な前処理による表面洗浄後、応力ストリップフィンガーを試験パネルに電気的に接触させ、両方を非常に注意深くプロセス浴に浸漬させる。メッキ期間を、既知のメッキ速度に基づいて、10μmのコーティング厚を得るように算出する。メッキ後、試験ストリップを、DI水で濯ぎ、ペーパーティッシュを使用して注意深く乾燥させることになる。応力ストリップフィンガーが機械的に脆く、非常に速く変形する傾向があるため、それらを直ちに評価する必要がある。新しくメッキした表面上のオキシド形成は、時間と共にビーム偏光を変えることになる。メッキした応力ストリップフィンガーは、メッキ後に試験ストリップフィンガーが展着した距離を測定する試験スタンド上に載せることになる。距離Uは、応力ストリップフィンガー間の増加における距離を決定し、これは、N/mmで析出物の応力を算出する式に含ませる。
Figure 0007244709000005
Tは、μm(マイクロメートル)での析出物厚さであり、Kは、供給業者が提供しているストリップの較正係数である。製造された試験ストリップの各ロットは、析出物応力試験に使用するとき、わずかな差で応答することになる。この差の程度は、試験ストリップの各ロットを較正する場合に供給業者が決定することになる。Kの値は、Specialty Testing & Development Co.社によって付与された試験ストリップの各ロットで供給されることになる。応力を、圧縮の性質のものであるか又は引張の性質のものであるか決定する。試験ストリップレッグをメッキした側の上に外に向けて展着させる場合、析出応力は本質的に引張である。試験ストリップレッグをメッキした側の上に内に向けて展着させる場合、析出物応力は本質的に圧縮である。圧縮応力は、負の数で示される転換によるものであり、そのため、圧縮応力の結果の場合、上の式の結果を-1で乗じる。
応力の値をオルトリン酸塩(この後はOPと略す)の濃度にリンクさせることによって、固有応力の試験を浴寿命にわたって実施した。OPは、浴齢を表す好適な指標であり、その理由は、オルトリン酸塩が、次亜リン酸の酸化の反応生成物であり、経時的に蓄積しているためである。
Figure 0007244709000006
Table 4(表5)は、初期(すなわちOP=0)に、応力値が互いに非常に類似していること/近いことを示している。更に、絶対値は、応力値に関してTable 1(表2)にも示しているものと一致し、これはOP=0に基づく。
しかしながら、Table 4(表5)は、長期の浴利用において、老化すると、芳香族カルボン酸の存在が圧縮応力の状況を改善させることを示している。このことは、芳香族カルボン酸の存在が、上昇するOPの濃度にわたって改善した耐性を創り出し、それにより、最適なレベルにより近い内部応力を維持することを意味する(実施例17の「92」に対する実施例14の「20」を参照されたい)。そのため、特にOPが100g/L超の濃度に達する場合、より最適な圧縮応力レベルが、実施例14に示すようにより高い浴齢まで維持される。
浴の安定性
ビーカー安定性試験を以下に説明するように実施した。
この方法は、無電解ニッケルプロセス浴の化学的安定性を決定するためのメッキ試験である。該方法は、ニッケルリンコーティングの自己触媒的析出に適用する。最初に、高い形状の1リットルビーカーを清浄にし、試験に負の影響を与えうるビーカーの底及び壁におけるいかなる残渣も回避するために、1:1のHNO-ストリッパー溶液で1時間ストリッピングした。その後、1リットルのEN浴溶液(試験溶液)を取り、本明細書で後で説明するように、その中で処理する。撹拌機を利用して250rpmに設定する。試験を、操作温度に達したときに開始する。最初にEN試験溶液をメッキなしで1時間保持する。その後、ビーカーの底及び壁にニッケル析出が一切ないかどうか、ビーカーを検査する。何も見えなければ、ビーカー試験を続けることができ、1つの前処理した1dmの軟鋼パネルをEN浴溶液中でメッキする。パネルは、一切の補充なしで1時間メッキされなければならない。これが終了するときに、1サイクルが達成される。このように、1サイクルは、メッキなしの1時間+メッキありの1時間に相当する。補充は、メッキ期間後に行う。ビーカーの底又は壁に沈降もニッケル析出も全く起こらなかった場合、次のサイクルについてメッキなしで1時間及びメッキありで1時間、試験を続けることができる。ビーカー試験は、異常析出(wild plating)又は槽内析出がビーカーの底又は壁に目視できたときに終了させる。達成したサイクル数を記録する。達成したサイクルの数で安定性を評価することが可能である。
以下の試験手順について、前記1リットルのサンプルを、それぞれのプロセス浴の異なる齢においてプロセス浴から取る。0 MTOにおいて取ったサンプルは、新しく調製したプロセス浴に相当し、MTOが高ければ、増していく浴齢に相当する。
Figure 0007244709000007
Table 5(表6)は、実施例14によるプロセスから取ったサンプルが、実施例17によるプロセスから取ったサンプルと比べて、より高い安定性を有している(それぞれ5サイクル)ことを示している。実施例17は、比較的一定のサイクル数(それぞれ3~4)を示しているが、絶対的安定性は、少なくとも1サイクル、芳香族カルボン酸化合物の存在下で改善している。
本発明の他の実施形態は、本明細書の考察から、又は本明細書で開示されている本発明の実践から、当業者には明らかとなろう。本明細書及び実施例が例示のみとして考えられ、本発明の真の範囲が以下の特許請求の範囲のみによって規定されることが意図される。

Claims (24)

  1. a)ニッケルイオンと、
    b)モリブデンイオン、レニウムイオン、タングステンイオン、銅イオン、それらのオキソ-イオン、及びこれらの混合物からなる群から選択される更なる還元性金属イオンと、
    c)ニッケルイオン及び更なる還元性金属イオンを、それらのそれぞれの金属状態へ還元するのに好適な少なくとも1種の還元剤と、
    d)錯化剤CA1、CA2、CA3及びCA4であって、
    CA1、CA2、CA3及びCA4が、全て、互いに異なり、
    CA1及びCA2のそれぞれが、少なくとも2つのカルボン酸部分を有する化合物、それぞれのそれらの塩、及び前述したものの混合物からなる群から独立に選択され、
    CA3が、正確に1つのカルボン酸部分を有する脂肪族化合物、それぞれのそれらの塩、及び前述したものの混合物からなる群から選択され、
    CA4が、少なくとも1つのカルボン酸部分を有する芳香族化合物、それぞれのそれらの塩、及び前述したものの混合物からなる群から選択される、
    錯化剤CA1、CA2、CA3及びCA4とを含み、
    CA1の濃度は、50mmol/L~300mmol/Lであり、CA2の濃度は、50mmol/L~200mmol/Lであり、CA3の濃度は、40mmol/L~1000mmol/Lであり、CA4の濃度は、0超~200mmol/Lである、無電解ニッケル合金メッキ浴。
  2. 前記少なくとも1種の還元剤が、次亜リン酸、次亜リン酸塩、及び前述したものの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の無電解ニッケル合金メッキ浴。
  3. 錯化剤CA1及びCA2が、非官能化及び官能化の脂肪族ジカルボン酸、非官能化及び官能化の脂肪族トリカルボン酸、非官能化及び官能化の脂肪族テトラカルボン酸、非官能化及び官能化の脂肪族ペンタカルボン酸、非官能化及び官能化の脂肪族ヘキサカルボン酸、それぞれのそれらの塩、並びに前述したものの混合物からなる群から独立に選択されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の無電解ニッケル合金メッキ浴。
  4. 前記錯化剤CA1及びCA2が、非官能化及び官能化の脂肪族ジカルボン酸、非官能化及び官能化の脂肪族トリカルボン酸、非官能化及び官能化の脂肪族テトラカルボン酸、それぞれのそれらの塩、並びに前述したものの混合物からなる群から独立に選択される、請求項3に記載の無電解ニッケル合金メッキ浴。
  5. 錯化剤CA1が、非官能化の脂肪族C2~C12-ジカルボン酸及び/又はその塩であることを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載の無電解ニッケル合金メッキ浴。
  6. 前記錯化剤CA1が、非官能化の脂肪族C3~C6-ジカルボン酸及び/又はその塩であることを特徴とする、請求項5に記載の無電解ニッケル合金メッキ浴。
  7. 錯化剤CA1が、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、マレイン酸、フマル酸、グルタコン酸、イタコン酸、それらの塩、及び前述したものの混合物からなる群から選択されることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の無電解ニッケル合金メッキ浴。
  8. 錯化剤CA2が、官能化又は非官能化の脂肪族C3~C12-ジカルボン酸及び/又はその塩であることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の無電解ニッケル合金メッキ浴。
  9. 前記錯化剤CA2が、ヒドロキシ官能化された脂肪族C4~C6-ジカルボン酸及び/又はその塩であることを特徴とする、請求項8に記載の無電解ニッケル合金メッキ浴。
  10. 錯化剤CA2が、リンゴ酸、酒石酸、1-ヒドロキシグルタル酸、2-ヒドロキシグルタル酸、1-ヒドロキシアジピン酸、2-ヒドロキシアジピン酸、3-ヒドロキシアジピン酸、それらの塩、及び前述したものの混合物からなる群から選択されることを特徴とする、請求項1から9のいずれか一項に記載の無電解ニッケル合金メッキ浴。
  11. 錯化剤CA3が官能化又は非官能化の脂肪族C1~C5-モノカルボン酸及び/又はその塩であることを特徴とする、請求項1から10のいずれか一項に記載の無電解ニッケル合金メッキ浴。
  12. 前記錯化剤CA3が、官能化又は非官能化の脂肪族C2~C4-モノカルボン酸及び/又はその塩であることを特徴とする、請求項11に記載の無電解ニッケル合金メッキ浴。
  13. 前記錯化剤CA3が、プロピオン酸及び/又はその塩であることを特徴とする、請求項11又は12に記載の無電解ニッケル合金メッキ浴。
  14. 錯化剤CA4が官能化又は非官能化の芳香族カルボン酸及び/又はその塩であることを特徴とする、請求項1から13のいずれか一項に記載の無電解ニッケル合金メッキ浴。
  15. 前記錯化剤CA4が、安息香酸及び/又はその塩であることを特徴とする、請求項14に記載の無電解ニッケル合金メッキ浴。
  16. 前記錯化剤CA4が、安息香酸ナトリウムであることを特徴とする、請求項14又は15に記載の無電解ニッケル合金メッキ浴。
  17. 3.5~5.0の範囲のpH値を有することを特徴とする、請求項1から16のいずれか一項に記載の無電解ニッケル合金メッキ浴。
  18. 4.0~4.8の範囲のpH値を有することを特徴とする、請求項17に記載の無電解ニッケル合金メッキ浴。
  19. 4.2~4.7の範囲のpH値を有することを特徴とする、請求項17又は18に記載の無電解ニッケル合金メッキ浴。
  20. 更なる還元性金属イオンが、モリブデンイオン、銅イオン、又はこれらの混合物であることを特徴とする、請求項1から19のいずれか一項に記載の無電解ニッケル合金メッキ浴。
  21. 前記更なる還元性金属イオンが、モリブデンイオン、又はモリブデンイオンと銅イオンとの混合物であることを特徴とする、請求項20に記載の無電解ニッケル合金メッキ浴。
  22. 更なる還元性金属イオンが、無電解ニッケル合金メッキ浴の総容積に対して、110-4~510-3mol/Lの範囲の総濃度を有することを特徴とする、請求項1から21のいずれか一項に記載の無電解ニッケル合金メッキ浴。
  23. 請求項1から22のいずれか一項に記載の無電解ニッケル合金メッキ浴の、ニッケル合金を少なくとも1つの基板の少なくとも1つの表面上に堆積させるための使用。
  24. ニッケル合金を、基板の少なくとも1つの表面上に堆積させる方法であって、
    A)少なくとも1つの表面を備えた基板を用意する工程と、
    B)基板の少なくとも1つの表面を、請求項1から22のいずれか一項に記載の無電解ニッケル合金メッキ浴と接触させて、それにより、ニッケル合金を、基板の少なくとも1つの表面上に堆積させる工程と
    を、この順序において含む、方法。
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